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(1) 1.1

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7 章問題解答 7-1 予習 1. 長方形断面であるため, 断面積 A と潤辺 S は, 水深 h, 水路幅 B を用い以下で表される A = Bh, S = B + 2h 径深 R の算定式に代入すると以下のようになる A Bh h R = = = S B + 2 h 1+ 2( h B) 分母の

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1 砂防堰堤設計計算 透過型砂防堰堤

目次 2 1 設計条件 1 2 設計流量の算出 2 2-1 渓床勾配 2 2-2 土石流濃度 2 2-3 土石流ピーク流量 2 3 水通しの設計 3 3-1 開口部の設定 3 3-2 土石流ピーク流量 (Qsp) に対する越流水深 6 3-3 設計水深 8 4 水通し断面 8 5 越流部の安定計算 9 5-1 安定条件 9 5-2 設計外力の組合せ 9 5-3 安定計算 ( 土石流時 ) 10 5-4 結果一覧表 15 6 非越流部の安定計算 15 6-1 本体の天端幅 15 6-2 安定計算 16 6-2-1 安定条件 16 6-2-2 設計外力の組合せ 16 6-2-3 下流のり勾配 上流のり勾配 17 6-2-4 安定計算 ( 土石流時 ) 18 6-3 結果一覧表 23 7 袖部の破壊に対する構造計算 23 7-1 袖ブロック 23 7-2 設計外力の算出 23 7-2-1 土石流流体力の算出 23 7-2-2 礫の衝撃力の算定 24 7-2-3 流木の衝撃力の算定 25 7-2-4 土石流衝撃力の補正 26 7-2-5 袖部 1ブロック当たりの質量 27 7-2-6 単位幅当たりの衝撃力の算出 27 7-2-7 土石流衝撃力一覧表 28 7-2-8 袖部に作用する設計外力 29 7-3 照査内容 30 7-3-1 袖部の天端幅 30 7-3-2 せん断摩擦安全率の検討 30 7-3-3 袖部と本体の境界面上に作用する応力に対する検討 30 7-4 照査結果一覧 31

3 Page (1) 1 設計条件 タイトル : 透過型砂防堰堤 堰堤タイプ : 透過型 現渓床勾配 I0 : 1/4.40 θ0 : 12.80 ( ) 計画堆砂勾配 Ip : 1/6.60 θp : 8.62 ( ) 堆積土砂の容積濃度 C* : 0.6 堆積土砂の内部摩擦角 φ : 35 ( ) 粗度係数 Kn : 0.10 最大礫径 d95 : 1.00 コンクリートの単位体積重量 γc : 22.56 (kn/m 3 ) 礫の密度 σ : 2600 (kg/m 3 ) 水の単位体積重量 γw : 11.77 (kn/m 3 ) 水の密度 ρ : 1200 (kg/m 3 ) 土石流流体力係数 Kh : 1.0 コンクリートの設計基準強度 f'ck : 18 (N/mm 2 ) コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca: 4500 (kn/m 2 ) コンクリートのせん断強度 τc : 2760 (kn/m 2 ) 重力加速度 g : 9.8 (m/s 2 )

Page (2) 2 設計流量の算出 透過型砂防堰堤の設計流量は 土石流ピーク流量とする 2-1 渓床勾配土石流ピーク流量を算出する際の渓床勾配は 1 波の土石流により流出すると想定される土砂量を算出しようとしている地点の現渓床勾配とし 流下区間の下流端となると考えられる地点の勾配 (10 ) 以上とする 砂防基本計画策定指針( 土石流 流木対策編 ) 解説平成 28 年 4 月 2.6.3 渓床勾配 I : 1/4.40 θ : 12.80 ( ) 2-2 土石流濃度 Cd = = ρ tanθ (σ - ρ)(tanφ - tanθ) 1200 tan12.80 (2600-1200) (tan35 - tan12.80 ) = 0.412 0.41 ここに Cd : 土石流濃度 (0.3 Cd 0.9C* = 0.9 0.6 = 0.54) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) φ : 堆積土砂の内部摩擦角 ( ) θ : 渓床勾配 ( ) C* : 堆積土砂の容積濃度 2-3 土石流ピーク流量 Qsp = 0.01 ΣQ = 0.01 3688 = 36.88 (m 3 /s) 4 ΣQ = Vdqp C* Cd = 2520 0.6 0.41 = 3688 (m 3 ) ここに Qsp : 土石流ピーク流量 (m 3 /s) ΣQ : 土石流総流量 (m 3 ) Vdqp :1 波の土石流により流出すると想定される土砂量 ( 空隙込 ) (m 3 ) C* : 堆積土砂の容積濃度 Cd : 土石流濃度

5 Page (3) 3 水通しの設計 3-1 開口部の設定開口部の幅は 砂防堰堤計画地点を土石流が流下する時の流れの幅 (Bda) を目安に上下流の平面的なすりつけ等を考慮して決定する 砂防堰堤計画地点上流の渓流横断図 Y X No.8 離れ 標高 離れ 標高 離れ 標高 離れ 標高 No X Y No X Y No X Y No X Y 1-20.000 102.000 2-19.000 100.000 3-15.000 97.000 4-14.000 97.000 5-13.000 96.500 6-12.000 95.000 7-11.000 94.500 8-10.000 94.000 9-9.000 94.000 10-8.000 93.000 11-7.000 92.800 12-6.000 92.000 13-5.000 91.000 14-4.000 91.600 15-3.000 90.000 16-2.000 89.500 17-1.000 89.100 18 0.000 89.000 19 1.000 89.200 20 2.000 90.000 21 3.000 90.300 22 4.000 92.000 23 5.000 93.000 24 6.000 98.000 25 7.000 100.000 26 8.000 100.000 27 11.000 102.000 28 16.000 104.000 29 20.000 106.000

Page (4) 流れの幅 (Bda) 流れの幅 (Bda) は 次式を連立させて求める U = 1 Kn Qspcal = U Ad Dd = Ad D 2/3 r (sinθ0) 1/2 Bda ここに U : 土石流の流速 (m/s) Qspcal : 流下させることが可能な土石流流量 (m 3 /s) Dd : 土石流の水深 ( ここではDr Ddとする ) Kn : 粗度係数 (0.10: 自然河道フロント部 ) θ0 : 現渓床勾配 (12.80 ) Ad : 流下断面積 (m 2 ) Bda : 流れの幅 ただし Bdaが4 Qspを超える場合 Bda = 4 Qspとする 砂防基本計画策定指針 ( 土石流 流木対策編 ) 解説国総研資料第 904 号 Q&A 4 Qsp = 4 36.88 = 24.29 Qsp : 土石流ピーク流量 (m 3 /s) B = g ( z ) d a Z A = f ( z ) d D = d A d B d a 6 流下断面積 (Ad) 流れの幅(Bda) は 渓床からの標高 (z) の関数である z-qspcalの関係より Qspcalが土石流ピーク流量 Qsp(36.88 m 3 /s) と一致した時の z を求めると z = 1.69 m となる この z の値とz-Bdaの関係より Bdaを求めると Bda = 6.66 m となる 以上の結果より 開口部の幅は Bda = 6.66 m を目安として 6.50 m を採用する なお この時の z の値とz-Dd の関係 z-uの関係より 土石流の水深 (Dd) と土石流の流速 (U) は 以下の値となる 土石流の水深 Dd = 1.11 土石流の流速 U = 5.04 (m/s)

Page (5) B d a ( m ) 2 0 2 A d ( m ) 2 0 1 5 1 5 1 0 B d a = 6. 66 ( m ) 1 0 2 A d = 7. 38 ( m ) 5 5 z = 1. 69 ( m ) 0 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 z ( m ) z = 1. 69 ( m ) 0 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 z ( m ) 図 z-bda の関係 図 z-ad の関係 D d ( m ) 2. 0 U ( m / s ) 8 1. 5 1. 0 D d = 1. 11 ( m ) 6 4 U = 5. 04 ( m / s ) 0. 5 2 z = 1. 69 ( m ) 0. 0 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 z ( m ) z = 1. 69 ( m ) 0 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 z ( m ) 図 z-dd の関係 図 z-u の関係 7 3 Q s p c a l ( m / s ) 2 0 0 1 5 0 1 0 0 5 0 3 Q s p c a l = 36. 88 ( m / s ) z = 1. 69 ( m ) 0 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 z ( m ) 図 z-qspcal の関係

8 Page (6) 3-2 土石流ピーク流量 (Qsp) に対する越流水深 透過型砂防堰堤の水通し幅 (B1) は 一般に開口部の幅と同じとすることから 6.50 m とする B = g ( z ) d a Z A = f ( z ) d D = d A d B d a B 1 土石流ピーク流量 (Qsp) に対する越流水深 (z) は 次式を連立させて求める U = 1 Kn D 2/3 d (sinθp) 1/2 Qspcal = U Ad Dd = Ad Bda ここに U : 土石流の流速 (m/s) Qspcal : 流下させることが可能な土石流流量 (m 3 /s) Dd : 土石流の水深 Kn : 粗度係数 (0.10: 自然河道フロント部 ) θp : 計画堆砂勾配 (8.62 ) Ad : 水通し部における流下断面積 (m 2 ) Bda : 流れの幅 水通し部における流下断面積 (Ad) 流れの幅(Bda) は 越流水深 (z) の関数である z-qspcalの関係より Qspcalが土石流ピーク流量 Qsp(36.88 m 3 /s) と一致した時の z を求めると z = 1.24 m となる 以上の結果より 土石流ピーク流量 (Qsp) に対する越流水深は z = 1.3 m となる

Page (7) B d a ( m ) 9 2 A d ( m ) 2 0 B d a = 7. 74 ( m ) 1 5 6 1 0 2 A d = 8. 83 ( m ) 3 5 z = 1. 24 ( m ) 0 0. 0 0. 5 1. 0 1. 5 2. 0 z ( m ) z = 1. 24 ( m ) 0 0. 0 0. 5 1. 0 1. 5 2. 0 z ( m ) 図 z-bda の関係 図 z-ad の関係 D d ( m ) 2. 0 U ( m / s ) 6 1. 5 D d = 1. 14 ( m ) 4 U = 4. 23 ( m / s ) 1. 0 0. 5 2 z = 1. 24 ( m ) 0. 0 0. 0 0. 5 1. 0 1. 5 2. 0 z ( m ) z = 1. 24 ( m ) 0 0. 0 0. 5 1. 0 1. 5 2. 0 z ( m ) 図 z-dd の関係 図 z-u の関係 9 3 Q s p c a l ( m / s ) 9 0 6 0 3 Q s p c a l = 36. 88 ( m / s ) 3 0 z = 1. 24 ( m ) 0 0. 0 0. 5 1. 0 1. 5 2. 0 z ( m ) 図 z-qspcal の関係

10 Page (8) 3-3 設計水深 設計水深は 1. 土石流ピーク流量に対する越流水深 2. 最大礫径のうち大きい値とする 設計水深 H 土石流ピーク流量に対する越流水深 z = 1.3 最大礫径 d95 = 1.0 よって 設計水深は H = 1.3 とする 4 水通し断面水通し断面は 透過部閉塞後も安全に土石流ピーク流量を流し得る断面とする なお 当該砂防堰堤は 透過型であることから 水通し断面の高さにおいて 余裕高は考慮しないものとする よって 水通し断面の高さは 1.3 m とする B 2 1 / m ' 1 / m ' H. W. L 1 : m H 1 : m H ' B 1 B1 : 水通し幅 (6.50 m) m : 袖小口勾配 (1:0.50) m' : 袖天端勾配 (1/4.00) B2 : 水通し肩位置の幅 B2 = B1 + 2H' m = 6.50 + 2 1.3 0.50 = 7.800 m H : 設計水深 (1.3 m) H' : 水通し断面の高さ (1.3 m)

11 Page (9) 5 越流部の安定計算 5-1 安定条件土石流 流木捕捉工の砂防堰堤は 設計外力について その安定を保つため次の三つの条件を満たさなければならない (1) 原則として 砂防堰堤の上流端に引張応力が生じないよう 砂防堰堤の自重および外力の合力の作用線が底部の中央 1/3 以内に入ること (2) 砂防堰堤底と基礎地盤との間で滑動を起こさないこと (3) 砂防堰堤内に生ずる最大応力が材料の許容応力を超えないこと 地盤の受ける最大圧が地盤の許容支持力以内であること なお 砂防堰堤のコンクリート材料および計画地点の地盤条件は以下の通りである コンクリートの設計基準強度 f'ck : 18 (N/mm 2 ) コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca: 4500 (kn/m 2 ) 基礎地盤の種類 : 礫層 ( 密なもの ) 地盤の許容支持力 qu : 600 (kn/m 2 ) 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 f : 0.60 5-2 設計外力の組合せ平常時 土石流時 洪水時 本体自重 堆砂圧土石流の重さ 土石流流体力

Page (10) 5-3 安定計算 ( 土石流時 ) (1) 安定計算に用いる数値 b L 2 1 : n 1 : m L 1 H H F h e D d B 12 堰堤高 H : 9.00 基礎部高さ HF : 2.00 天端幅 b : 3.00 上流のり勾配 m : 0.00 下流のり勾配 n : 0.00 基礎部の上流側張出し幅 L1 : 2.00 基礎部の下流側張出し幅 L2 : 2.00 底面底幅 B : 7.00 透過部の自重 Wt : 92.30 (kn/m) 透過部の自重のアーム長 Lt : 3.50 コンクリートの単位体積重量 γc : 22.56 (kn/m 3 ) 水の単位体積重量 γw : 11.77 (kn/m 3 ) 土砂の単位体積重量 γe : 15.29 (kn/m 3 ) 土石流の水深 Dd : 1.11 堆砂深 he : 7.89 土圧係数 Ce : 0.30 土石流の単位体積重量 γd : 17.39 (kn/m 3 ) 土石流流体力 F : 50.03 (kn/m) コンクリートの設計基準強度 f'ck : 18 (N/mm 2 ) コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca: 4500 (kn/m 2 ) 基礎地盤の種類 : 礫層 ( 密なもの ) 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 f : 0.60 せん断強度 τ0 : 0 (kn/m 2 ) 滑動に対する必要安全率 N' : 1.2 地盤の許容支持力 qu : 600 (kn/m 2 )

Page (11) a) 底面底幅 B = b + (m + n) (H - HF) + L1 + L2 = 3.00 + (0.00 + 0.00) (9.00-2.00) + 2.00 + 2.00 = 7.00 ここに B : 底面底幅 b : 天端幅 m : 上流のり勾配 n : 下流のり勾配 H : 堰堤高 HF : 基礎部高さ L1 : 基礎部の上流側張出し幅 L2 : 基礎部の下流側張出し幅 b) 土砂の単位体積重量 γe = C* σ g = 0.6 2600 9.8 = 15288 (N/m 3 ) 15.29 (kn/m 3 ) ここに γe : 土砂の単位体積重量 (kn/m 3 ) C* : 堆積土砂の容積濃度 σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) g : 重力加速度 (m/s 2 ) c) 堆砂深 he = H - Dd = 9.00-1.11 = 7.89 ここに he : 堆砂深 H : 堰堤高 Dd : 土石流の水深 13 d) 土圧係数 Ce = 1 - sinφ 1 + sinφ = 1 - sin35 1 + sin35 = 0.27 ここで 0.3 Ce 0.6 の条件により Ce = 0.30 とする ここに Ce : 土圧係数 φ : 堆積土砂の水中における内部摩擦角 ( )

Page (12) e) 土石流濃度 Cd = = ρ tanθ0 (σ - ρ)(tanφ - tanθ0) 1200 tan12.80 (2600-1200) (tan35 - tan12.80 ) = 0.412 0.41 ここに Cd : 土石流濃度 (0.3 Cd 0.9C* = 0.9 0.6 = 0.54) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) φ : 堆積土砂の内部摩擦角 ( ) θ0 : 現渓床勾配 ( ) C* : 堆積土砂の容積濃度 f) 土石流の単位体積重量 γd = {σ Cd + ρ (1 - Cd)} g = {2600 0.41 + 1200 (1-0.41)} 9.8 = 17385 (N/m 3 ) 17.39 (kn/m 3 ) ここに γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) Cd : 土石流濃度 g : 重力加速度 (m/s 2 ) g) 土石流流体力 14 F = Kh γd g Dd U2 = 1.0 17.39 1.11 5.04 2 = 50.03 (kn/m) 9.8 ここに F : 土石流流体力 (kn/m) Kh : 土石流流体力係数 γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) g : 重力加速度 (m/s 2 ) Dd : 土石流の水深 U : 土石流の流速 (m/s)

Page (13) (2) 荷重計算 P d2 W 2 P ev2 P d1 P ev1 F P eh2 d h e D H W 1 P eh1 15 設計 記 計算式 鉛直力 水平力 アームの計算式 アーム長 モーメント 荷重 号 V H M (kn/m) (kn/m) (kn m/m) 本体自重 W1 γc B HF 1/2 B = 22.56 7.00 2.00 315.84 = 1/2 7.00 3.50 1105.44 W2 Wt 92.30 Lt 3.50 323.05 堆砂圧 PeV1 γe (he - HF) L1 1/2 L1 = 15.29 (7.89-2.00) 2.00 180.12 = 1/2 2.00 1.00 180.12 PeV2 1/2 γe m (he - HF) 2 1/3 m (he - HF) + L1 = 1/2 15.29 0 = 1/3 0 (7.89-2.00) (7.89-2.00) 2 0.00 + 2.00 2.00 0.00 PeH1 1/2 Ce γe he 2 1/3 he = 1/2 0.3 15.29 7.89 2 142.78 = 1/3 7.89 2.63 375.51 PeH2 Ce γd Dd he 1/2 he = 0.3 17.39 1.11 7.89 45.69 = 1/2 7.89 3.95 180.48 土石流 Pd1 γd {m (he - HF) + L1} Dd 1/2 {m (he - HF) + L1} の重さ = 17.39 {0 (7.89-2.00) = 1/2 {0 (7.89-2.00) + 2.00} 1.11 38.61 + 2.00} 1.00 38.61 Pd2 1/2 γd m Dd 2 m (he - HF) + L1 = 1/2 17.39 0 1.11 2 + 1/3 m Dd = 0 (7.89-2.00) 0.00 + 2.00 + 1/3 0 1.11 2.00 0.00 土石流 F ( 前掲 ) he + 1/2 Dd 流体力 50.03 = 7.89 + 1/2 1.11 8.45 422.75 合計 626.87 238.50 2625.96

Page (14) (3) 安定計算 a) 砂防堰堤の自重および外力の合力の作用線が底部の中央 1/3 以内に入ること に対する検討 X = M = 2625.96 V 626.87 = 4.19 B = 7.00 1 3 B = 2.33 X = 4.19 2 B = 4.67 OK 3 ここに X : 荷重の合力の作用線から堤底の上流端までの距離 M : 単位幅当たり断面に作用するモーメントの合計 (kn m/m) V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) B : 底面底幅 b) 砂防堰堤底と基礎地盤との間で滑動を起こさないこと に対する検討 N = f V = 0.60 626.87 H 238.50 = 1.58 N' = 1.2 OK ここに N : 滑動に対する安全率 f : 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) H : 単位幅当たり断面に作用する水平力の合計 (kn/m) N' : 滑動に対する必要安全率 c) 砂防堰堤内に生ずる最大応力が材料の許容応力を超えないこと 地盤の受ける最大圧が地盤 の許容支持力以内であること に対する検討 e = X - B = 4.19-7.00 = 0.69 2 2 σmax = V B (1 + 6e B ) 16 = 626.87 (1 + 6 0.69 ) 7.00 7.00 = 142.52 (kn/m 2 ) σ'ca = 4500 (kn/m 2 ) OK = 142.52 (kn/m 2 ) qu = 600 (kn/m 2 ) OK σmin = V B (1-6e B ) = 626.87 (1-6 0.69 ) = 36.59 (kn/m 2 ) 0 (kn/m 2 ) OK 7.00 7.00 ここに e : 荷重の合力の作用線から堤底の中央までの距離 X : 荷重の合力の作用線から堤底の上流端までの距離 B : 底面底幅 σmax,σmin : 堤底面の上流端または下流端における鉛直応力 (kn/m 2 ) V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) σ'ca : コンクリートの許容圧縮応力度 (kn/m 2 ) qu : 地盤の許容支持力 (kn/m 2 )

17 Page (15) 5-4 結果一覧表 項目 採用ケース 荷重条件 平常時 土石流時 洪水時 転倒距離 X 4.19 OK 中央 1/3 (B/3) 2.33 中央 2/3 (2B/3) 4.67 滑動安全率 N 1.58 OK 必要安全率 N' 1.20 破壊鉛直応力 σmax (kn/m 2 ) 142.52 OK 鉛直応力 σmin (kn/m 2 ) 36.59 OK 許容支持力 qu (kn/m 2 ) 600 判定 OK 6 非越流部の安定計算 6-1 本体の天端幅砂防堰堤の本体の天端幅は 流出土砂等の衝撃に耐えるような幅とする必要がある 本体材料が無筋コンクリート製の場合の天端幅は 衝突する最大礫径の2 倍を原則とする ただし 天端幅は 3 m 以上とし 必要とされる天端幅が 4 m を超える場合には別途緩衝材や盛土による保護 鉄筋 鉄骨による補強により対応する 土石流 流木対策設計技術指針解説平成 28 年 4 月 2.1.3.2 ここで 当該砂防堰堤の天端幅は 3.00 m であり 衝突する最大礫径 (d95 = 1.00 m) の2 倍を満足している

18 Page (16) 6-2 安定計算 6-2-1 安定条件土石流 流木捕捉工の砂防堰堤は 設計外力について その安定を保つため次の三つの条件を満たさなければならない (1) 原則として 砂防堰堤の上流端に引張応力が生じないよう 砂防堰堤の自重および外力の合力の作用線が底部の中央 1/3 以内に入ること (2) 砂防堰堤底と基礎地盤との間で滑動を起こさないこと (3) 砂防堰堤内に生ずる最大応力が材料の許容応力を超えないこと 地盤の受ける最大圧が地盤の許容支持力以内であること なお 砂防堰堤のコンクリート材料および計画地点の地盤条件は以下の通りである コンクリートの設計基準強度 f'ck : 18 (N/mm 2 ) コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca: 4500 (kn/m 2 ) 基礎地盤の種類 : 礫層 ( 密なもの ) 地盤の許容支持力 qu : 600 (kn/m 2 ) 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 f : 0.60 6-2-2 設計外力の組合せ平常時 土石流時 洪水時 本体自重 静水圧堆砂圧土石流の重さ 土石流流体力

Page (17) 6-2-3 下流のり勾配 上流のり勾配下流のり勾配と上流のり勾配は 力学的な安定性と経済性を考慮して以下の方法により決定した 下流のり勾配を 1:0.20~1:0.50 まで0.05 間隔で計算を行い 安定性を満足でき 堤体積 ( 堤体断面積 ) が最小となる上流のり勾配を検討する 次表に上下流のり勾配と堤体断面積の関係を示す 当該砂防堰堤では 以下の組合せを採用することとした 下流のり勾配 n = 0.20 上流のり勾配 m = 0.40 上下流のり勾配と堤体断面積 ( 単位 :m 2 ) 19 m n 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45 0.50 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 58.83 0.25 56.89 58.87 60.85 0.30 54.95 56.93 58.91 60.89 62.88 0.35 54.99 56.97 58.95 60.94 62.92 64.90 0.40 55.03 57.01 59.00 60.98 62.96 64.94 66.93 0.45 57.06 59.04 61.02 63.00 64.99 66.97 68.95 0.50 59.08 61.06 63.05 65.03 67.01 68.99 70.98 0.55 61.11 63.09 65.07 67.05 69.04 71.02 73.00 0.60 63.13 65.11 67.10 69.08 71.06 73.04 75.03 0.65 65.16 67.14 69.12 71.10 73.09 75.07 77.05 0.70 67.18 69.16 71.15 73.13 75.11 77.09 79.08 0.75 69.21 71.19 73.17 75.15 77.14 79.12 81.10 0.80 71.23 73.21 75.20 77.18 79.16 81.14 83.13 0.85 73.26 75.24 77.22 79.20 81.19 83.17 85.15 0.90 75.28 77.26 79.25 81.23 83.21 85.19 87.18 0.95 77.31 79.29 81.27 83.25 85.24 87.22 89.20 1.00 79.33 81.31 83.30 85.28 87.26 89.24 91.23 下線が引かれている断面が決定断面となる は 力学的な安定性を満足できないものをあらわす

Page (18) 6-2-4 安定計算 ( 土石流時 ) (1) 安定計算に用いる数値 b B 1 H ' 1 : n ' D d 1 : n 1 : m H B 20 堰堤高 H : 9.00 袖部高さ H' : 1.30 本体の天端幅 b : 3.00 袖部の天端幅 B1 : 2.74 上流のり勾配 m : 0.40 下流のり勾配 n : 0.20 袖部の下流のり勾配 n' : 0.20 底面底幅 B : 8.40 コンクリートの単位体積重量 γc : 22.56 (kn/m 3 ) 水の単位体積重量 γw : 11.77 (kn/m 3 ) 水中堆砂単位体積重量 γs : 8.23 (kn/m 3 ) 土石流の水深 Dd : 1.11 土圧係数 Ce : 0.30 土石流の単位体積重量 γd : 17.39 (kn/m 3 ) 土石流流体力 F : 50.03 (kn/m) コンクリートの設計基準強度 f'ck : 18 (N/mm 2 ) コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca: 4500 (kn/m 2 ) 基礎地盤の種類 : 礫層 ( 密なもの ) 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 f : 0.60 せん断強度 τ0 : 0 (kn/m 2 ) 滑動に対する必要安全率 N' : 1.2 地盤の許容支持力 qu : 600 (kn/m 2 )

Page (19) a) 袖部の天端幅 B1 = b - n' H' = 3.00-0.20 1.30 = 2.74 ここに B1 : 袖部の天端幅 b : 本体の天端幅 n' : 袖部の下流のり勾配 H' : 袖部高さ b) 底面底幅 B = b + (m + n) H = 3.00 + (0.4 + 0.2) 9.00 = 8.40 ここに B : 底面底幅 b : 本体の天端幅 m : 上流のり勾配 n : 下流のり勾配 H : 堰堤高 c) 水中堆砂単位体積重量 γs = C* (σ - ρ) g = 0.6 (2600-1200) 9.8 = 8232 (N/m 3 ) 8.23 (kn/m 3 ) ここに γs : 水中堆砂単位体積重量 (kn/m 3 ) C* : 堆積土砂の容積濃度 σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) g : 重力加速度 (m/s 2 ) 21 d) 土圧係数 Ce = 1 - sinφ 1 + sinφ = 1 - sin35 1 + sin35 = 0.27 ここで 0.3 Ce 0.6 の条件により Ce = 0.30 とする ここに Ce : 土圧係数 φ : 堆積土砂の水中における内部摩擦角 ( )

Page (20) e) 土石流濃度 Cd = = ρ tanθ0 (σ - ρ)(tanφ - tanθ0) 1200 tan12.80 (2600-1200) (tan35 - tan12.80 ) = 0.412 0.41 ここに Cd : 土石流濃度 (0.3 Cd 0.9C* = 0.9 0.6 = 0.54) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) φ : 堆積土砂の内部摩擦角 ( ) θ0 : 現渓床勾配 ( ) C* : 堆積土砂の容積濃度 f) 土石流の単位体積重量 γd = {σ Cd + ρ (1 - Cd)} g = {2600 0.41 + 1200 (1-0.41)} 9.8 = 17385 (N/m 3 ) 17.39 (kn/m 3 ) ここに γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) Cd : 土石流濃度 g : 重力加速度 (m/s 2 ) g) 土石流流体力 22 F = Kh γd g Dd U2 = 1.0 17.39 1.11 5.04 2 = 50.03 (kn/m) 9.8 ここに F : 土石流流体力 (kn/m) Kh : 土石流流体力係数 γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) g : 重力加速度 (m/s 2 ) Dd : 土石流の水深 U : 土石流の流速 (m/s)

Page (21) (2) 荷重計算 W 5 W 4 Pd1 F P V1 P ev1 W 2 P H2 P eh2 H d D W 1 W 3 P H1 P eh1 23 設計 記 計算式 鉛直力 水平力 アームの計算式 アーム長 モーメント 荷重 号 V H M (kn/m) (kn/m) (kn m/m) 本体自重 W1 1/2 γc n H 2 m H + b + 1/3 n H = 1/2 22.56 0.2 9.00 2 = 0.4 9.00 + 3.00 182.74 + 1/3 0.2 9.00 7.20 1315.73 W2 γc b H m H + 1/2 b = 22.56 3.00 9.00 609.12 = 0.4 9.00 + 1/2 3.00 5.10 3106.51 W3 1/2 γc m H 2 2/3 m H = 1/2 22.56 0.4 9.00 2 365.47 = 2/3 0.4 9.00 2.40 877.13 W4 γc B1 H' m H + 1/2 B1 = 22.56 2.74 1.30 80.36 = 0.4 9.00 + 1/2 2.74 4.97 399.39 W5 1/2 γc n' H' 2 m H + B1 + 1/3 n' H' = 1/2 22.56 0.20 1.30 2 = 0.4 9.00 + 2.74 3.81 + 1/3 0.20 1.30 6.43 24.50 静水圧 PV1 1/2 γw m H 2 1/3 m H = 1/2 11.77 0.4 9.00 2 190.67 = 1/3 0.4 9.00 1.20 228.80 PH1 1/2 γw H 2 1/3 H = 1/2 11.77 9.00 2 476.69 = 1/3 9.00 3.00 1430.07 PH2 γw Dd H 1/2 H = 11.77 1.11 9.00 117.58 = 1/2 9.00 4.50 529.11 堆砂圧 PeV1 1/2 γs m H 2 1/3 m H = 1/2 8.23 0.4 9.00 2 133.33 = 1/3 0.4 9.00 1.20 160.00 PeH1 1/2 Ce γs H 2 1/3 H = 1/2 0.3 8.23 9.00 2 99.99 = 1/3 9.00 3.00 299.97 PeH2 Ce (γd - γw) Dd H 1/2 H = 0.3 (17.39-11.77) = 1/2 9.00 1.11 9.00 16.84 4.50 75.78 土石流 Pd1 γd m H Dd 1/2 m H の重さ = 17.39 0.4 9.00 1.11 69.49 = 1/2 0.4 9.00 1.80 125.08 土石流 F H + 1/2 Dd 流体力 50.03 = 9.00 + 1/2 1.11 9.56 478.29 合計 1634.99 761.13 9050.36

Page (22) (3) 安定計算 a) 砂防堰堤の自重および外力の合力の作用線が底部の中央 1/3 以内に入ること に対する検討 X = M = 9050.36 V 1634.99 = 5.54 B = 8.40 1 3 B = 2.80 X = 5.54 2 B = 5.60 OK 3 ここに X : 荷重の合力の作用線から堤底の上流端までの距離 M : 単位幅当たり断面に作用するモーメントの合計 (kn m/m) V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) B : 底面底幅 b) 砂防堰堤底と基礎地盤との間で滑動を起こさないこと に対する検討 N = f V = 0.60 1634.99 H 761.13 = 1.29 N' = 1.2 OK ここに N : 滑動に対する安全率 f : 堰堤本体と基礎地盤との摩擦係数 V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) H : 単位幅当たり断面に作用する水平力の合計 (kn/m) N' : 滑動に対する必要安全率 c) 砂防堰堤内に生ずる最大応力が材料の許容応力を超えないこと 地盤の受ける最大圧が地盤 の許容支持力以内であること に対する検討 e = X - B = 5.54-8.40 = 1.34 2 2 σmax = V B (1 + 6e B ) 24 = 1634.99 (1 + 6 1.34 ) 8.40 8.40 = 380.94 (kn/m 2 ) σ'ca = 4500 (kn/m 2 ) OK = 380.94 (kn/m 2 ) qu = 600 (kn/m 2 ) OK σmin = V B (1-6e B ) = 1634.99 (1-6 1.34 ) = 8.34 (kn/m 2 ) 0 (kn/m 2 ) OK 8.40 8.40 ここに e : 荷重の合力の作用線から堤底の中央までの距離 X : 荷重の合力の作用線から堤底の上流端までの距離 B : 底面底幅 σmax,σmin : 堤底面の上流端または下流端における鉛直応力 (kn/m 2 ) V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) σ'ca : コンクリートの許容圧縮応力度 (kn/m 2 ) qu : 地盤の許容支持力 (kn/m 2 )

Page (23) 6-3 結果一覧表 項目 採用ケース 下流のり勾配 n = 0.20 上流のり勾配 m = 0.40 荷重条件 平常時 土石流時 洪水時 転倒距離 X 5.54 OK 中央 1/3 (B/3) 2.80 中央 2/3 (2B/3) 5.60 滑動安全率 N 1.29 OK 必要安全率 N' 1.20 破壊鉛直応力 σmax (kn/m 2 ) 380.94 OK 鉛直応力 σmin (kn/m 2 ) 8.34 OK 許容支持力 qu (kn/m 2 ) 600 判定 OK 7 袖部の破壊に対する構造計算 7-1 袖ブロック ブロック 1 7. 35 2. 54 1 : 0. 20 1. 3 0 2. 3 0 8. 00 3. 00 7-2 設計外力の算出 設計外力は 袖部の自重 土石流流体力 礫の衝撃力と流木の衝撃力を比較して大きい 衝撃力の 3 種類とする 25 7-2-1 土石流流体力の算出 土石流流体力は次式により求める

Page (24) (1) 土石流濃度 Cd = = ρ tanθ0 (σ - ρ)(tanφ - tanθ0) 1200 tan12.80 (2600-1200) (tan35 - tan12.80 ) = 0.412 0.41 ここに Cd : 土石流濃度 (0.3 Cd 0.9C* = 0.9 0.6 = 0.54) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) φ : 堆積土砂の内部摩擦角 ( ) θ0 : 現渓床勾配 ( ) C* : 堆積土砂の容積濃度 (2) 土石流の単位体積重量 γd = {σ Cd + ρ (1 - Cd)} g = {2600 0.41 + 1200 (1-0.41)} 9.8 = 17385 (N/m 3 ) 17.39 (kn/m 3 ) ここに γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) ρ : 水の密度 (kg/m 3 ) Cd : 土石流濃度 g : 重力加速度 (m/s 2 ) (3) 土石流流体力 26 F = Kh γd g Dd U2 = 1.0 17.39 1.11 5.04 2 = 50.03 (kn/m) 9.8 ここに F : 単位幅当たりの土石流流体力 (kn/m) Kh : 土石流流体力係数 γd : 土石流の単位体積重量 (kn/m 3 ) g : 重力加速度 (m/s 2 ) Dd : 土石流の水深 U : 土石流の流速 (m/s) 7-2-2 礫の衝撃力の算定 礫の衝突により堤体の受ける衝撃力 (P) は次式により算定する P = n α 3/2 = 2.38 10 9 (1.27 10-2 ) 3/2 = 3406.30 10 3 (N) = 3406.30 (kn) ここに P : 礫の衝撃力 (kn) n : 係数 n = 16R 9π 2 (K1 + K2) 2

Page (25) = 16 0.500 9 π 2 (1.20 10-10 + 6.15 10-12 ) 2 = 2.38 10 9 K1 = 1 - ν2 1 1-0.194 2 = π E1 π 2.548 10 9 = 1.20 10-10 K2 = 1 - ν2 2 1-0.230 2 = π E2 π 4.900 10 10 = 6.15 10-12 E1 : コンクリートの終局強度割線弾性係数 (N/m 2 ) E2 : 礫の弾性係数 (N/m 2 ) ν1 : コンクリートのポアソン比 ν2 : 礫のポアソン比 α : へこみ量 α n1 = = 1 M2 5U 2 2/5 4n1 n 1 = 1361 = 5 5.04 2 2/5 4 7.35 10-4 2.38 10 9 = 7.35 10-4 = 1.27 10-2 U : 礫の速度 ( 土石流の流速 ) (m/s) M2 : 礫の質量 (kg) M2 = 4 3 π R3 σ = 4 3 π 0.5003 2600 = 1361 (kg) R : 礫の半径 R = d95 = 1.00 = 0.500 2 2 d95 : 最大礫径 σ : 礫の密度 (kg/m 3 ) 27 7-2-3 流木の衝撃力の算定流木の衝突により 堤体の受ける衝撃力 (P) は次式により算定する なお 流木の樹種はスギを想定する P = n α 3/2 = 1.36 10 9 (9.92 10-3 ) 3/2 = 1343.71 10 3 (N) = 1343.71 (kn) ここに P : 流木の衝撃力 (kn) n : 係数 n = 16R 9π 2 (K1 + K3) 2 = 16 0.250 9 π 2 (1.20 10-10 + 3.64 10-11 ) 2 = 1.36 10 9 K1 = 1 - ν2 1 1-0.194 2 = π E1 π 2.548 10 9 = 1.20 10-10 K3 = 1 - ν2 3 1-0.400 2 = π E3 π 7.350 10 9 = 3.64 10-11 E1 : コンクリートの終局強度割線弾性係数 (N/m 2 ) E3 : 流木の弾性係数 (N/m 2 )

Page (26) ν1 : コンクリートのポアソン比 ν3 : 流木のポアソン比 α : へこみ量 α = 5U 2 2/5 = 4n1 n n1 = 1 1 = M3 421 = 2.38 10-3 U : 流木の速度 ( 土石流の流速 ) (m/s) M3 : 流木の質量 (kg) 5 5.04 2 2/5 4 2.38 10-3 1.36 10 9 M3 = π R 2 Lwm σ = π 0.250 2 6.50 330 = 421 (kg) Lwm : 流木の最大長 R : 流木の半径 R = Rwm = 0.50 = 0.250 2 2 Rwm : 流木の最大直径 σ : 流木の密度 (kg/m 3 ) = 9.92 10-3 7-2-4 土石流衝撃力の補正マスコンクリートに礫または流木が衝突した場合 衝突速度が大きくなるとマスコンクリートに作用する衝撃力が小さくなることが知られている 以下により補正係数を算出し 実際に作用する衝撃力を求める PR = β P β = (E + 1) -0.8 28 E = M2 U 2 M1 ここに PR : 補正後の土石流衝撃力 (kn) P : 礫または流木の衝撃力 (kn) β : 実験定数 E : 係数 (m 2 /s 2 ) M1 : 袖部 1ブロック当たりの質量 (kg) M2 : 礫または流木の質量 (kg) U : 衝突速度 ( 土石流ピーク流量のフロント部の流速 ) (m/s)

Page (27) 1.0 β 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 M 1 U M 2 β =(E+1) -0.8 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 E 7-2-5 袖部 1 ブロック当たりの質量 袖部 1 ブロック当たりの質量 (M1) を次式により求める M1 = Vc γc g Vc = H' L' B' B 1 L 3 L 2 H' = L' = H1 + H2 2 L1 + L2 2 H 2 1 :n ' H 1 B1 + B2 B' = 2 B1 = B2 - n' H' L 1 B 2 29 ここに M1 : 袖部 1ブロック当たりの質量 (kg) Vc : 袖部 1ブロック当たりの体積 (m 3 ) γc : コンクリートの単位体積重量 (kn/m 3 ) g : 重力加速度 (9.8 m/s 2 ) H' : 平均高さ L' : 平均長さ B' : 平均幅 H1,H2 : 袖高さ L1,L2,L3 : 袖長さ B1 : 袖天端幅 B2 : 袖部底幅 n' : 袖部の下流のり勾配 7-2-6 単位幅当たりの衝撃力の算出 袖部単位幅当たりに作用する衝撃力 (P1) を次式により求める P1 = PR L' ここに P1 : 袖部単位幅当たりに作用する衝撃力 (kn/m) PR : 補正後の土石流衝撃力 (kn) L' : 平均長さ

Page (28) 7-2-7 土石流衝撃力一覧表 以上の通り算出した 袖部単位幅当たりの礫の衝撃力と 流木の衝撃力を比較し 大きい方を 袖部の安定計算に用いる土石流衝撃力とする 30 袖部底幅 B2 = 3.00 袖部の下流のり勾配 n' = 0.20 コンクリートの単位体積重量 γc = 22.56 (kn/m 3 ) 土石流の流速 U = 5.04 (m/s) 礫の質量 M2 = 1361 (kg) 礫の衝撃力 P = 3406.30 (kn) 流木の質量 M2 = 421 (kg) 流木の衝撃力 P = 1343.71 (kn) 単位 ブロック1 袖高さ H1 m 1.30 袖高さ H2 m 2.30 袖長さ L1 m 8.00 袖長さ L2 m 7.35 袖長さ L3 m 0.00 平均高さ H' m 1.80 平均長さ L' m 7.68 袖天端幅 B1 m 2.64 平均幅 B' m 2.82 体積 Vc m 3 38.98 質量 M1 kg 89734 係数 E m 2 /s 2 0.385 礫 実験定数 β - 0.771 補正後の衝撃力 PR kn 2626.26 単位幅当たりの衝撃力 P1 kn/m 341.96 係数 E m 2 /s 2 0.119 流木実験定数 β - 0.914 補正後の衝撃力 PR kn 1228.15 単位幅当たりの衝撃力 P1 kn/m 159.92 安定計算に用いる衝撃力 P1 kn/m 341.96

Page (29) 7-2-8 袖部に作用する設計外力 B 1 H' W1 W 2 P1 L P1 D F L F D d B 2 ここに LP1 : 土石流衝撃力のアーム長 LF : 土石流流体力のアーム長 Dd : 土石流の水深 D : 最大礫径 (d95) H' : 平均高さ B1 : 袖天端幅 B2 : 袖部底幅 F : 単位幅当たりの土石流流体力 (kn/m) P1 : 単位幅当たりの土石流衝撃力 (kn/m) W1,W2 : 袖部自重 (kn/m) 31 ブロック1 設計 記 計算式 鉛直力 水平力 アームの計算式 アーム長 モーメント 荷重 号 V H M (kn/m) (kn/m) (kn m/m) 袖部 W1 1/2 γc H' (B2 - B1) 1/3 (B2 - B1) + B1 自重 = 1/2 22.56 1.80 = 1/3 (3.00-2.64) + 2.64 (3.00-2.64) 7.31 2.76 20.18 W2 γc H' B1 1/2 B1 = 22.56 1.80 2.64 107.21 = 1/2 2.64 1.32 141.52 土石流 P1 ( 前掲 ) LP1 = Dd - 1/2 D 衝撃力 341.96 = 1.11-1/2 1.00 0.61 208.60 土石流 F ( 前掲 ) LF = 1/2 Dd 流体力 50.03 = 1/2 1.11 0.56 28.02 合計 114.52 391.99 398.32

Page (30) 7-3 照査内容 7-3-1 袖部の天端幅 袖部の天端幅は1.5 mを下限とする B1 = B2 - n' H2 1.5 ここに B1 : 袖天端幅 B2 : 袖部底幅 n' : 袖部の下流のり勾配 H2 : 袖高さ 7-3-2 せん断摩擦安全率の検討 N = f V + τ c B2 H N' ここに N : せん断摩擦安全率 f : 摩擦係数 V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) τc : コンクリートのせん断強度 (kn/m 2 ) B2 : 袖部底幅 H : 単位幅当たり断面に作用する水平力の合計 (kn/m) N' : 必要せん断摩擦安全率 7-3-3 袖部と本体の境界面上に作用する応力に対する検討 X = M V e = X - σ = V B2 B2 2 (1 ± 6e B2 ) σmax = V B2 (1 + 6e B2 ) σ'ca 32 σmin = V B2 (1-6e B2 ) -σca ここに X : 荷重の合力の作用線と袖部底との交点から袖部底の 上流端までの距離 M : 単位幅当たり断面に作用するモーメントの合計 (kn m/m) V : 単位幅当たり断面に作用する鉛直力の合計 (kn/m) e : 荷重の合力の作用線から袖部底の中央までの距離 B2 : 袖部底幅 σ : 袖部と本体の境界面上に作用する応力 (kn/m 2 ) σmax : 最大圧縮応力 (kn/m 2 ) σmin : 最大引張応力 (kn/m 2 ) σ'ca : コンクリートの許容圧縮応力度 (kn/m 2 ) σca : コンクリートの許容曲げ引張応力度 (kn/m 2 )

33 Page (31) 7-4 照査結果一覧袖部底幅 B2 = 3.00 摩擦係数 f = 0.70 コンクリートの設計基準強度 f'ck = 18 (N/mm 2 ) コンクリートのせん断強度 τc = 2760.0 (kn/m 2 ) 許容応力度の割増し係数 = 1.5 コンクリートの許容圧縮応力度 σ'ca = 6750.0 (kn/m 2 ) コンクリートの許容曲げ引張応力度 σca = 337.5 (kn/m 2 ) 項目 単位 ブロック1 袖高さ H1 m 1.30 袖高さ H2 m 2.30 袖長さ L1 m 8.00 袖長さ L2 m 7.35 袖長さ L3 m 0.00 袖天端幅 B1 m 2.54 判定 B1 1.5 - OK モーメントの合計 M kn m/m 398.32 鉛直力の合計 V kn/m 114.52 水平力の合計 H kn/m 391.99 せん断摩擦安全率 N - 21.33 判定 N N' = 4.0 - OK 最大圧縮応力 σmax kn/m 2 189.3 判定 σmax σ'ca = 6750.0 - OK 最大引張応力 σmin kn/m 2-113.0 判定 σmin -σca = -337.5 - OK 以上の結果から 鉄筋等による補強は不要と判断できる