緒言

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再審査報告書 販売名 平成 29 年 11 月 8 日 医薬品医療機器総合機構 1 ネスプ注射液 10µg/1mL プラシリンジ 同注射液 15µg/1mL プラシリンジ 同注射液 20µg/1mL プラシリンジ 同注射液 30µg/1mL プラシリンジ 同注射液 40µg/1mL プラシリンジ 同

ネスプ注射液プラシリンジ

第 66 回厚生連病院共同治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時開催場所出席委員名 議題及び審議結果を含む主な議論の概要 2018 年 09 月 19 日 18 時 00 分 ~18 時 20 分日本文化厚生農業協同組合連合会 8 階中会議室高瀬浩造 西田博 板井勉 田中克巳 江口善美 山崎きよ

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

減量・コース投与期間短縮の基準

臨床に関する概括評価

DRAFT#9 2011

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

DRAFT#9 2011

(別添様式)

審査結果 平成 23 年 4 月 5 日 [ 販 売 名 ] ゴナールエフ皮下注用 150 [ 一 般 名 ] ホリトロピンアルファ ( 遺伝子組換え ) [ 申請者名 ] メルクセローノ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 7 月 21 日 [ 審査結果 ] 提出された資料から 本剤の視床

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

2 ( 薬品名 ) トラムセット配合錠劇市販直後調査平成 23 年 7 月 ~ 平成 24 年 1 月 薬価収載日 薬価 薬効コード 薬効分類名 効能 効果 用法 用量 相互作用 副作用 TRAMCET Combination Tablets 1 錠中に有効成分トラマドール塩酸塩 37.5mg/ ア

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

腎性貧血

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

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1) の場合 通常 成人にはアセトアミノフェンとして 1 回 300~1000mg を経口投与し 投与間隔は 4~6 時間 以上とする なお 年齢 症状により適宜増減するが 1 日総量として 4000mg を限度とする また 空腹時の投与は避けることが望ましい 2) の場合 通常 成人にはアセトアミ

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

rHuEPO低反応の原因と対策

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審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

1. 今回の変更に関する整理 効能 効果及び用法 用量 ( 添付文書より転載 ) 従来製剤 ( バイアル製剤 ) と製法変更製剤 ( シリンジ製剤 ) で変更はない 効能 効果 用法 容量 B 型肝炎の予防通常 0.5mL ずつ4 週間隔で2 回 更に 20~24 週を経過した後に1 回 0.5mL

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試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

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用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

Epilepsy2015

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

分類

1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗


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腎性貧血治療における 看護師の役割

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

2008年10月2日

F e r r i c C i t r a t e F e r r i c C i t r a t e

6 腎性貧血 ステートメント 1 腎性貧血の疾患概念 CKD では比較的早期から, 腎でのエリスロポエチン産生が低下し, 腎性貧血を発症する 1) ため, 定期検査による早期発見が必要である. 2 腎性貧血治療の意義 腎性貧血の ESA(erythropoiesis stimulating agen

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

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Resigtration Manual (Japanese)

ビットリアカップ2007けいはんなサイクルレースリザルト


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改訂後改訂前 << 効能 効果に関連する使用上の注意 >> 関節リウマチ 1. 過去の治療において 少なくとも1 剤の抗リウマチ薬 ( 生物製剤を除く ) 等による適切な治療を行っても 疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること 2. 本剤とアバタセプト ( 遺伝子組換え ) の併用は行わな

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膿疱性乾癬の効能追加 ( 承認事項の 部変更承認 ) に伴う改訂 改訂内容 ( 該当部のみ抜粋 ) 警告 1.~3. 4. 関節リウマチ患者では, 本剤の治療を行う前に, 少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること. また, 本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使

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Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

写 薬生発 0131 第 1 号 平成 30 年 1 月 31 日 都道府県知事 殿 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 関係手数料令の一部を改正する政令の公布について この度 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

(別添様式)


添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ロミプレート 患者用冊子 特発性血小板減少性紫斑病の治療を受ける患者さんへ

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

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検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

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要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

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医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

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CERA 2.2 緒言 Page 1 ミルセラ注シリンジ25 μg ミルセラ注シリンジ50 μg ミルセラ注シリンジ75 μg ミルセラ注シリンジ100 μg ミルセラ注シリンジ150 μg ミルセラ注シリンジ200 μg ミルセラ注シリンジ250 μg [ 腎性貧血 ] 第 2 部 CTD の概要 ( サマリー ) 2.2 緒言 中外製薬株式会社

CERA 2.2 緒言 Page 2 目次頁 2.2 緒言... 3 2.2.1 参考文献... 5

CERA 2.2 緒言 Page 3 2.2 緒言 Ro50-3821( エポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ))( 以下, 本剤とする ) は, エポエチンベータ ( 遺伝子組換え ) に 1 分子の直鎖メトキシポリエチレングリコール分子を化学的に結合させ合成した 本剤は, 遺伝子組換えヒトエリスロポエチン (recombinant Human Erythropoietin:rHuEPO) 製剤やダルベポエチンアルファ等の既存の赤血球造血刺激因子製剤 (Erythropoiesis Stimulating Agent:ESA) に比べて静脈内及び皮下投与いずれの投与経路においても大幅に消失半減期 (t 1/2 ) が延長され 1), 海外では月 1 回の用法で承認されている新しい ESA である (1.6.3,1.6.4 参照 ) 通常, 保存期及び腹膜透析患者の通院頻度は 2~4 週に 1 回であるが,rHuEPO 製剤による適切な貧血治療を実施するためには 1~2 週に 1 回の投与が必要であるため, 貧血治療が不十分である場合が多い 2),3) 本剤は, 患者の通院頻度に合わせ静脈内及び皮下投与いずれの投与経路においても 4 週に 1 回の投与で適切な貧血治療が可能となるため通院負担が軽減され, また, 治療コンプライアンスが向上することにより,QOL(Quality of Life) や心機能の改善, 透析導入の遅延等, 特に保存期患者における治療効果の向上に大きく寄与するものと考えられる 一方, 血液透析患者の rhuepo 製剤による貧血治療は, 通常, 透析施行時に週に 2~3 回の投与で, 生涯に亘って治療を継続する必要がある 本剤による貧血維持治療では, 投与頻度が 4 週に 1 回となり,rHuEPO 製剤に対して 1/12~1/8 の投与頻度となることから, 医療過誤や感染リスクの低減, 医療業務及び医療廃棄物などの医療コストの削減が見込まれ, 血液透析医療に貢献できるものと考えられる 今回, 保存期, 血液透析又は腹膜透析施行中の腎性貧血患者を対象に, 貧血改善 改善維持試験, 既存の rhuepo 製剤からの切替維持試験を実施した その結果, 対象患者において本剤の有効性及び安全性が確認されたことから, 表 2.2-1 に示す効能 効果, 用法 用量で, 本剤の医薬品製造販売承認申請を行うものである

CERA 2.2 緒言 Page 4 表 2.2-1 効能 効果及び用法 用量のまとめ 項目 効能 効果 腎性貧血 用法 用量 < 血液透析患者 > 1. 初回用量通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として,l 回 50 μg を2 週に1 回静脈内投与する 2. エリスロポエチン ( エポエチンアルファ ( 遺伝子組換え ), エポエチンベータ ( 遺伝子組換え ) 等 ) 製剤からの切替え初回用量通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として,l 回 100 μg 又は150 μg を4 週に1 回静脈内投与する 3. 維持用量貧血改善効果が得られたら, 通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として, l 回 25~ 250 μg を4 週に1 回静脈内投与する なお, いずれの場合も貧血症状の程度, 年齢等により適宜増減するが, 最高投与量は,l 回 250 μg とする < 腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者 > 1. 初回用量通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として,l 回 25 μg を 2 週に l 回皮下又は静脈内投与する 2. エリスロポエチン ( エポエチンアルファ ( 遺伝子組換え ), エポエチンベータ ( 遺伝子組換え ) 等 ) 製剤からの切替え初回用量通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として,l 回 100 μg 又は 150 μg を 4 週に l 回皮下又は静脈内投与する 3. 維持用量貧血改善効果が得られたら, 通常, 成人にはエポエチンベータペゴル ( 遺伝子組換え ) として, 1 回 25 μg ~250 μg を 4 週に 1 回皮下又は静脈内投与する なお, いずれの場合も貧血症状の程度, 年齢等により適宜増減するが, 最高投与量は,1 回 250 μg とする < 用法 用量に関連する使用上の注意 > 貧血改善効果の目標値は学会のガイドライン等, 最新の情報を参考にすること 1. 切替え初回用量エリスロポエチン製剤から本剤に切替える場合には, ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリッ卜値の推移が安定していることを確認した上で, 週あたりのエリスロポエチン製剤の投与量が 4500 IU 未満の患者には本剤 100 μg,4500 IU 以上の患者には本剤 150 μg を 4 週に l 回皮下又は静脈内投与する なお, 国内臨床試験において, ダルベポエチンアルファ ( 遺伝子組換え ) 製剤からの切替え初回用量については検討されていない 2. 投与量調整投与初期にヘモグロビン濃度あるいはへマトクリット値に適度な上昇がみられなかった場合や維持投与期にヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を目標範囲内に維持することが困難な場合など, 用量調整が必要な場合には, 下表を参考に投与量を増減すること 本剤は持続型の製剤であり, 造血効果が長時間持続する 投与量調整後にはヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を十分に観察し, 目標値を逸脱する前に増減量を考慮し, 超えた場合には減量 休薬すること なお, 増量する場合には原則として l 段階ずつ行うこと 段階 1 2 3 4 5 6 7 本剤投与量 25 μg 50 μg 75 μg 100 μg 150 μg 200 μg 250 μg 3. 投与間隔変更時 (1) 目標とする貧血改善効果が得られたら, 本剤の投与間隔を延長することができる その場合には, 投与間隔を延長する前のヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を十分に観察し, 同一の投与量でヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移が安定していることを確認した上で,l 回の投与量を 2 倍にし, 2 週に 1 回から 4 週に l 回に変更すること 変更後には, ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を確認し, 適宜用量の調整を行うこと (2)4 週に l 回の投与間隔でヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が目標範囲に維持できない場合には,1 回の投与量を 1/2 にし,2 週に 1 回の投与間隔に変更することができる 変更後には, ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を確認し, 適宜用量の調整を行うこと

CERA 2.2 緒言 Page 5 2.2.1 参考文献 1) 鈴木正司. 新しい造血刺激薬 C.E.R.A.(continuous erythropoietin receptor activator). 臨牀透析. 2008;24:85-90. 2) 栗山哲, 大塚泰史, 上竹大二郎, 白井泉, 細谷龍男. 慢性腎臓病 (CKD) における腎性貧血管理の現況. 日本腎臓学会誌.2007;49:505-10. 3) 平松信, 窪田実, 山本裕康. 腹膜透析患者の目標 Hb 濃度に対する rhuepo 製剤治療の限界. 腎と透析.2007;63:915-22.