Key words: Pneumonia, Branhamella catarrhalis Table 1. Laboratory Data
498 感 染 症学 雑 誌 Polyclonalな 1 高 γ グ ロ ブ リ ン血 症,β-γ linkage, ( 昇 な どを 認 め 傍 3):入 食 思 不 振,腹 部膨 満 感 な どの 消 化 器 症状 は次 第 に つ よ く な り,発 2). 院当初は 感冒に よ る 始 し た.一 体 上部 小 彎 6.6g/dlと 側 か ら 胃角 に か け て進 行癌 を思 わせ る所 見 が あ り 2,600mlの 3 熱 も 持 続 し た た め,一 改 善 を 日的 に1月12日 状 の改 善を待 ち 上 部 消 化 管 造 影 を お こ な つ た と こ ろ,胃 ンパ 節 へ の 転 移 と診 断 し た). 気 管 リ ンパ 節 お よ び 右 肺 門 リ ン パ 節 の 腫 脹 が 著 明 と 思 わ れ る 咳 嗽 を 認 め た が,症 た 右 鎖 骨 上窩 リ ン パ 節 生 検 か ら 組 パ 節 お よ びVirchowリ 胸 部 レ線 で は 肺 野 に は 特 別 異 常 所 見 な く,右 1お よ び 4),ま 織 学 的 に 転 移癌 を 証 明 した の で 胃癌 の胸 廓 内 リン 肝 細 胞 障 害 を 示 唆 す る 所 見 で あ つ た. 入 院 後 経 過( 第11号 2 コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 低 値,LDH上 で あ つ た( 第52巻 Clinical course (1): Branhamella catarrhalis (2): Fungus 3): E. ( coli 方,赤 般状態 の か ら フ レ ドニ ン の 投 与 を 開 血球 数196万,ヘ モ グロビン 貧 血 の 増 強 を み た の で1月17日 輸 血 を お こな い,赤 か ら計 血 球 数330万,へ
499 昭 和53年11月20日 4 6 7 モ グ ロ ビ ン10.5g/dlま 5 で 改 善 を み た.制 癌剤の投 与 な ど 胃癌 に 対 す る積 極 的 な 治 療 は お こ な わ ず 経 過 を み た が,体 た.し 嗽,喀 温 も下 熱 し一 時 小 康 状 態 と な つ か し,2月20日 に 至 り38 以 上 の 発 熱,咳 痰 を 来 し,血 沈1時 10,500,好 中 球73%, を 呈 し,胸 部 レ線( 間 値112mm,白 CRP(+++)と 5)で 血球数 強 い炎 症 所 見 右中下肺野に 肺炎 に,グ 7).本 ー ゼ陽 性 2に 示 し た よ う cat.と を 分 解 せ ず,硝 同 定 した.ま 酸 塩 を 還 元 し, た薬 剤 感 受 性 は多 剤 に対 し感 受 性 で あ つ た. 3の 如 くCBPC 10g/日,お よ びCET 6に 示 し た よ うに そ の 後,酵 1g/ 母 様 真 菌 が 証 明 さ れ る こ とが あ つ た グ ラ ム染 色 で 多 核 白 血 球 中 に グ ラ ム 陰 性 双 球 菌 が が,臨 床 症 状 は 漸 次 改 善 を み とめ,胸 多 数 見 ら れ た.ま も,わ ず か に 消 退 し た( roughな タ ラ,オ キ シ ダー ゼ 陽 性 で 色 素 を 産 生 せ ず, 溶 血 性 が な く,糖 B. 菌 の 性 状 はTable ラ ム 陰 性 双 球 菌 で 好 気 的 に 発 育 し,カ 日 を 投 与 し 本 菌 は 喀 痰 か らす み や か に 消 失 し た. 様 の 浸 潤 影 の 出 現 を み た. 喀 痰 の 細 菌 学 的 検 査 で た( た血 液 寒 天 平 板 上 に表 面 が や や 灰 白 色 の コ ロニ ーが純 培 養 状 に 分離 さ れ 8).し 部 の陰 影 か し,3月 5日 頃 か ら 再 度39 台 の 発 熱 を 来 し,胸 部 レ線
感染症学雑誌 500 Table 2. Properities of Branhamella 第52巻 第11号 10 catarrhalis Gram stain Catalase Oxidase O-F test Pigmentation Hemolysis Growth on Nutrient Agar Fermentation of: Lactose Maltose Sucrose Nitrate Reduction 8 上,両 側 広 範 囲 に 肺 炎 様 陰 影 を 認 め( 3月7日 死 亡 し た.死 9), 亡 直 前 の 喀 痰 か ら はE. coliが 純 培 養 状 に 検 出 さ れ た. こ のE. coliの 薬 剤 感 受 性 は,3濃 法 で,CP(+++), GM(+++),, TC, CL(+++), SM(+++), CER, CBPC, 度 デ ィス ク KM(++), CET, SBPC, ABPC NA(+++)で あつ た. 死 亡時,肺 お よ び 肝 の 経 皮 的 針 穿 刺 を 施 行 し, 採 取 し得 た 肺 組 織 の 病 理 標 本( 10)に は 好 中 球 を 主 とす る 炎 症 細 胞 の 浸 潤 を 認 め た. 肝 は 慢 性 活 動 性 肝 炎 の 組 織 像 で あ つ た.ま 9 刺 材 料 の 培 養 は,施 行 出 来 な か つ た. 2. Neisseria属 考 は,そ cat. (N. 案 の 病 原 性 の 有 無 か ら,patho- genicとnonpathogenicに にB. た穿 大 別 され るが,一 cat.)は 般的 後 者 に 分 類 さ れ て い る. し か し 本 菌 に よ る感 染 症 の 報 告 例 は,数 少 な いが 無 い わ け で は な く,Noguchiら5)は,文 献 的 に本 菌 に よ る髄 膜 炎 の 症 例 を15例 集 計 し て お り,ま Pfisterら のBacteremia な ど も 見 ら れ る.こ cityが meningitisの た 報 告6) の よ う に 人 体 に はPathogeni- な い と考 え ら れ て い た 本 菌 に よ る感 染 症 の 報 告 が あ り,ま は,宿 with た 一 般 的 に 菌 のvirulenceと 主 の 防 御 機 転 に 打 ち 勝 つ て 感 染 を 起 こす 相 対 的 能 力 で あ る こ と を 考 え る と,本 菌 に は弱 い な
4) Bergey's Manual of Determinative Bacteriology, 8th Ed. 1974. 5) Noguchi, T. T., Nachum, R. and Lawrence, C. A.: Acute purulent meningitis caused by 6) Pfister, L. E., Gallagher, M. V., Potterfield, T. G., and Brown, D. W.: Neisseria catarrhalis: Bacteremia with meningitis. J. A. M. A., 193: 339-400, 1965. 7) Putsch, R. W., Hamilton, J. D., and Wolinsky, E.: Neisseria meningitidis, a respiratory pathogen? J. Inf. Dis. 121: 48-54, 1970. 8) Jacobs, S. A. and Nordern, C. W.: Pneumonia caused by Neisseria meningitidis. J. A. M. A. 227: 67-68, 1974.
A Case of Branhamella Catarrhalis Pneumonia Masaki HIROTA Akimitsu TOMONAGA, Kiyotaka KOMORI, Kinichi IZUMIKAWA, Nobuhiro HORIUCHI, Masao NAKATOMI, Masaru NASU, Atsushi SAITO and Kohei HARA 2nd Department of Internal Mediicne, School of Medicine Hisashi ISHIKAWA, Nagasaki University Nagasaki Municipal Hospital A 80 year-old man was diagnosed as having gastric cancer by an upper G.I. series. During the course of the therapy with blood transfusion and predonisolone, acute pneumonia developed. A gram stain on direct smears from the sputum revealed numerous gram -negative diplococci in the polymorphonuclear cells and culture of the specimen yielded abundant colonies of Brahna mella catarrhalis. - Carbenicillin and cephalothin were effective against that pneumonia improvement, E. coli pneumonia developed and the patient died, but soon after slight