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中央大学商学部久保知一研究室第 4 期卒業論文 クラウドソーシングにおける再参加メカニズム なぜ不採用者が再び新製品開発に参加するのか? 今井めぐみ 中央大学商学部久保知一研究室第 4 期 E-mail: on5sel2_poli00@yahoo.co.jp 要約 : 近年 インターネットのコミュニティ上で一般の人々 ( 群衆 ) が企業の問題を解決する クラウドソーシング という現象が生まれている 先行研究において クラウドソーシングが効果的に働く要因は 群衆のもつ多様性であることが明らかにされている しかし 多様性を確保するために必要な再参加要因についての研究は行われていない 本研究では そのメカニズムの解明を目的として 社会的交換理論と社会関係資本をもとに仮説を導出し 大学生への質問紙調査から得られたデータを用いて一元配置及び二元配置の分散分析を行った 分析の結果 5 つの要因 ( アイデンティティの表出 コンサマトリー性 自己効力感 ロイヤルティ 一般化された互酬性への期待 ) が再参加意図を高めることが明らかとなった キーワード : クラウドソーシング社会的交換理論社会関係資本 1. はじめにかつて 新製品は企業の専門家によって開発されるのが当然だと考えられていた しかし 近年において 新製品の開発を一般の人々 1 つまり群衆 (Crowds) の知恵に託すという現象が起こっている このように 一般の人々がコンテンツの創造や問題解決 企業の研究開発をするために 彼らの余剰能力を使うことをクラウドソーシング (Crowdsourcing) という (Howe, 2006) 個人の知恵を超え 集団の知恵を活用できるという点でクラウドソーシングは注目され始めている 1 ある特定の企業に属している開発の専門家ではなく 特定の企業に属していない人々を指す 1

今井めぐみ インターネット技術の発展に伴い クラウドソーシングによる問題解決の有効性を支持す る多数の事例 2 が生まれている その身近な例 3 として 無印良品の 壁棚 4 が挙げられる 図 1 壁棚 2002 年 2 月 無印良品はインターネットのモノづくりコミュニティ 5 上で 壁の利用 というテーマの下 ユーザー 6 による新製品開発を開始した 無印良品は ウェブやメールマガジンを通して このテーマでのユーザーへのアイデア募集を行った その結果 壁に穴あけ不要で 仕切り壁になるもの フックでかけたり置いたりと多様な設置方法が可能で 小物を飾れる棚 といった様々なアイデアが寄せられた そして 無印良品は集められたアイデアから 4 つの異なるコンセプトに絞り ユーザーにウェブで提示し 投票を行った その結果 最も多い投票を得た 壁棚 を製品コンセプトに決定した つづいて 壁棚の仕様に対するアイデアを募集し 無印良品が 4 つに絞り 投票を行った その結果 最も多い投票を得た L 字タイプ を仕様に決定した 以上のプロセスを経て開発された壁棚は 初年度の売上が約 7,000 万円 販売数が約 89,000 個という大ヒット商品となった 2 例えば DELL の IDEASTORM というコミュニティでは 2007 年からの 2 年間でユーザーによる 9,000 件以上のアイデアの投稿と それに対する 60 万件以上の投票がなされ 200 件以上の製品改善が実現された また P&G のコミュニティでは 2006 年にはアイデアのうちの 35% を社外から得るようになり 発売する商品の 80% が成功を収めている 3 もう 1 つの身近な例として ウィキペディアが挙げられる ウィキペディアとは誰でも自由に編集できるオンライン百科事典であり すべてボランティアで作られたものを無償で提供している 2007 年までに 200 カ国語あまり 400 万以上のものが登録されており 100 万人を超える登録ユーザーがいる 様々な場所にいるボランティア数千人が力を合わせれば 柔軟で画期的な成果を素早く出し 豊富な資金力をもつ大企業を上回ることさえ可能であることを実証した 詳しくは Tapscott & Williams (2006) 参照のこと 4 無印良品のクラウドソーシングに関する内容やデータは 西川 小川 (2006) 本條 西川 (2011) を参照した 5 モノづくりコミュニティ HP (http://www.muji.net/community/) 6 本研究では クラウドソーシングに参加する一般の人々をユーザーと呼ぶ 2

クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 図 2 壁棚の製品化プロセス 7 ( 西川 本條, 2011) アイデア 投稿 壁に穴あけ不要なもの 仕切り壁 多様な設置方法が可能な小物飾り棚 壁に立て掛けて使う CD などの小物置き 壁に穴あけ不要で 写真などを飾れる壁のような硬いシート コンセプトコンテスト投票 フォールディングウォール 壁棚 立掛け ウォール 半円版 波板壁 コンセプト への意見 アルミなど質感のある素材 連結可能なもの 簡単に組み立て可能 透明なもの 白いもの 仕様コンテスト投票 薄型アルミタイプ L 字タイプ 透明アクリルタイプ 箱型タイプ 仕様への 意見 トイレットペーパーを置く 子供の靴を置く 観葉植物を置く 本を 置く 壁への影響を少なく サンプル 完成 改良 サンプル化 この事例をさらに詳しく見てみると 投稿したアイデア コンセプト 仕様が不採用でも 次のプロセスに参加しているユーザーがいる さらに コンセプト投票案が不採用となったユーザーのうち次のプロセスに参加したのが 39% であるが それは採用され次のプロセスに参加した 26% よりも高い割合であった ここで 1 つの疑問が浮上する なぜ不採用にもかかわらず ユーザーは次のプロセスに参加するのだろうか? 不採用者は時間や労力などのコストをかけてまで参加したのにもかかわらず 自分のアイデアが採用されずコストに見合う 7 実線はコンセプトや仕様の元となるアイデアや意見であり 破線は他の製品へのアイデアが参考にされたケースである 3

今井めぐみ成果が得られないことに不満を感じ 次のプロセスに参加しないと考えるのが一般的であろう また そもそもなぜユーザーはクラウドソーシングに参加するのだろうか? 参加しても金銭的な報酬は得られないため 合理的な人間ならば参加しないはずである なぜ彼らはこのような行動をとったのだろうか 一見すると 金銭的な報酬が得られないにもかかわらずクラウドソーシングに参加するというユーザーの行動は アイデアを無償で提供しているように思える しかし ユーザーが合理的に行動しているのであれば金銭以外の何か有益なものを得るのと引き換えに クラウドソーシングに参加するものと考えられる つまり 何かしら交換が成り立つため クラウドソーシングに再び参加するユーザーが存在するのである 本研究では クラウドソーシングに再び参加する意図を高める要因を 社会的交換理論と社会関係資本をもとに導出し 仮説を立て 統計的な実証分析を行う 本研究は以下のように構成される 第 2 節において 先行研究のレビューを行う 具体的には まずクラウドソーシングについてのレビューを行い つづいて仮説の理論的背景となる社会的交換理論と社会関係資本について検討する 第 3 節においては 先行研究をもとに再参加意図に影響を与える 5 つの要因を導出し 仮説を提唱する そして 第 4 節では調査方法について言及し 第 5 節では収集したデータを用いて 一元配置及び二元配置の分散分析を行う 最終節では本研究によって得られた知見と限界について言及する 2. 先行研究のレビュー本節ではまず クラウドソーシングについての先行研究のレビューを行う つづいて 仮説の理論的背景となる社会的交換理論のレビューを行い ユーザーのクラウドソーシングへの再参加メカニズムの大枠を明らかにしていく その後 再参加意図に影響を与える具体的な要因を導出するために 社会関係資本のレビューを行う クラウドソーシングかつて イノベーションはメーカーによって行われるものだと思われていた つまり イノベーションは メーカーの専門家によって生み出されていた しかし von Hippel (1976) は ユーザーが自分自身のためにイノベーションを行うことがあることを指摘した さらに インターネットの進展に伴い 大手企業が積極的にユーザー コミュニティを活用し 群衆 (Crowds) に問題解決を外注 (Outsourcing) し始めた これがクラウドソーシング (Crowdsourcing) である クラウドソーシングとは 一般の人々がコンテンツの創造や問題解決 企業の研究開発をするために 彼らの余剰能力を使うことである (Howe 2006) 4

クラウドソーシングにおける再参加メカニズムクラウドソーシングによる新製品は 企業の専門家による新製品よりも販売実績 8 や市場リスク 9 アイデアの新規性 顧客便益 10 の点で成果があるとされている ( 西川 小川, 2006; Ogawa & Piller, 2006; Poets & Martin, 2010) クラウドソーシングの有効性について Page (2007) は 群衆のもつ 多様性 に着目し 多様性がクラウドソーシングを効果的に働かせるという数理的な理論を構築した これによって クラウドソーシングが効果的に働くメカニズムが明らかされたのである しかし 製品に関する意見が多様なため 意見の収束や合意形成が難しく 製品化が困難であるという問題が浮上した この問題に対し 多様性のマネジメントについての研究が行われた ( 西川 本條, 2011) また 多様性の確保のためには ユーザーがクラウドソーシングに再び参加し 一定数以上の参加人数を維持することが重要であると考えられるが これまで再参加に関する研究はなされていない よって 本研究ではクラウドソーシングへの再参加意図を高める要因を明らかにしていく 社会的交換理論社会的交換とは 相手が返すと期待される報酬によって動機づけられている諸個人の自発的供与行為からなるものである (Blau, 1964) つまり 他者からのお返しを期待することによって動機づけられ 自発的に供与行為を行うことで成立するものである 交換には大きく 外的利益を交換対象とした 経済的交換 と 外的利益だけでなく他者との交流による内的報酬を含んだ 社会的交換 がある 両者の差異は 交換される財の多様性によって生じる 経済的交換では金銭や物品などの物質的財だけであるが 社会的交換では愛情や称賛などの心理的財 地位や名声といった社会的財 サービスや情報 場合によっては満足感なども交換される Foa & Foa (1976) は こうした交換財を図 3 に示すように個別性と具体性という 2 次元で分類している 個別性とは誰からもたらされたかによって財の価値が変わる度合いであり 具体性とは財が具体的な形態をもつ度合いである 愛情のように個別性が高い財や 地位のように具体性が乏しい財も交換を行う社会的交換では 与えられた財に対してどれだけ返報すればよいのかを判断するのが困難となる そのため 交換がその場で完結せず 長期的な交換関係を作り上げることになる 8 最低でも 2.7 倍以上も売上が高く 製品寿命が長い傾向がある ( 西川 小川, 2006) 9 ユーザーからの投票による需要予測により リスク軽減が可能である (Ogawa & Piller, 2006) 10 クラウドソーシングによる新製品のアイデアは高い新規性や顧客便益がある (Poets & Martin, 2010) 5

別性具体性個今井めぐみ 図 3 交換財円環図 (Foa & Foa, 1976) 地位 情報 愛情 金銭 サービス 商品 ここまで 社会的交換理論の概念や特徴を述べてきた 以上のことを踏まえて考えると 金銭的な報酬が得られないにもかかわらず ユーザーがクラウドソーシングに自発的に参加するのは社会的交換を行っているからだということがわかる つまり ユーザーは金銭に換算不可能な何かを得ることを期待し それが動機となってクラウドソーシングに自発的に参加するのである また 社会的交換において交換される財は個別性が高いものや具体性が低いものもあるため 交換がその場で完結せず 再び参加するという長期的な交換関係を作り上げると考えられる 以上より ユーザーがクラウドソーシングに自発的に再参加するメカニズムの大枠を解明することができた しかし 具体的にどのような要因が再参加意図を高めるのかは明らかになっていない そこで 社会関係資本という枠組みを用いて 再参加意図を高める具体的な要因を導出していく 社会関係資本宮田 (2005) によると 社会関係資本とは 信頼や互酬性の規範 11 が成り立っている網の目状のネットワークとそこに埋め込まれた社会的資源 12 と定義されており 本研究においても同様の定義を採用する 人々がつながり信頼を育て 互酬性の規範を形成することで 情報や知識 技術という資源を形成し共有することができる さらに情報や知識 技術という資源を活用することで 資源形成に関わった特定の個人だけでなく 社会全体に経済的効果や社会的効果を与える 社会関係資本の代表的な例として リナックス 13 のオープン ソフトウェアが挙げられる フリーソフトウェアとして公開され 世界中のボランティアの開発者によって改良が重ねら 11 Shumaker & Brownell (1984) によると 互酬性の規範とは個々人が他者から受け取る利益と等価の ものを返すという互いの恩義感であり それは協力的交換を保証するものであるとされている 12 宮田 (2005) pp.22 参照のこと 13 宮田 (2005) pp.9 参照のこと 6

クラウドソーシングにおける再参加メカニズムれている 現在では 他の OS に比べてネットワーク機能やセキュリティ 安定性に優れ 企業のインターネット サーバとしても多く採用されている リナックスが普及した理由は 誰もが自由に改変 再配布することができるが 改変 追加した部分は無償で公開しなければならないというルールに基づいて開発されているからである 多くのプログラマが企業から独立したオンライン コミュニティに自発的に参加し その中で自生したルールに従おうという意志を持って開発を続けたため リナックスはオンライン上の公共財となり 開発に参加しない人でも無償で利用ができるようになった Nahapiet & Ghoshal (1998) は 社会関係資本の枠組を用いて 知識の交換が促進される以下の 4 つの条件 (1) 個人が交換に従事するように動機づけられるとき ( 個人の動機 ) (2) 構造関連や個人のつながりがあるとき ( 構造資本 ) (3) 個人が理解する認識能力を持っており 知識を適用するとき ( 認知資本 ) (4) 人間関係が強く前向きな特性を持っているとき ( 関係的資本 ) を提示した Wasko & Samer (2005) は 以上の 4 つの条件を個人レベルに適応し 仮説を発展させた 14 以上の 2 つの研究では 閉鎖的 専門的で非匿名性のコミュニティが研究対象であった それに対して 宮田 (2005) は 開放的 非専門的で匿名性のコミュニティを研究対象とし 社会関係資本をもとに資源提供を動機づける 6 つの要因を提示している ( 表 1) (1) アイデンティティの表出 (2) コンサマトリー性の動機づけ 表 1 資源提供を動機づける 6 つの要因 ( 宮田, 2005) 自分の評価を高めたい 尊敬されたい 地位を獲得したいという動機づけ 他者を助けることや他者と一緒に何かを考え出すのが楽しいという動機づけ (3) 自己効力感自分が環境に何らかの効果を及ぼしたいという動機づけ (4) オンライン コミュニティへの愛着や関与 (5) 一般化された互酬性への期待 (6) 他者への共感的関心 コミュニティの一員だという意識やサイトのために何かしたいという動機づけ 自分が資源を提供することと引き換えに 知識や情報などの有益な何かが得られるだろうと期待する動機づけ 強い紐帯で結ばれた相手に共感し 一体感を感じることによる動機づけ 14 個人において 専門的職業における評判や他者を助けることを楽しむなどの個人の動機 ネットワークの中心性などの構造資本 長い在職期間などの認知資本が他者への知識貢献に正の影響を及ぼすことが明らかとなった 詳しくは Wasko & Samer (2005) を参照のこと 7

図今井めぐみ無印良品のクラウドソーシングも開放的 非専門的で匿名性のコミュニティであるが 他のユーザーとの交流がない そのため 資源提供を動機づける 6 つの要因をもとに クラウドソーシングへの再参加意図に影響を与える要因を導出し 次節で仮説の構築を行う 3. 仮説の提唱本節では 前節で行った先行研究のレビューをもとに クラウドソーシングへの再参加意図に影響を与える要因を探索するため 独自の仮説を提唱する 本研究の従属変数は 再参加意図 である 再参加意図 を クラウドソーシングに再び参加したい度合い と定義する 先述したように ユーザーは社会的交換を行い 金銭に換算不可能な何かを得るために クラウドソーシングに自発的に参加する アイデアが採用された場合 社会的交換が成り立ち 喜びや楽しさなどの金銭に換算不可能な何かを得る それに対して アイデアが不採用となった場合 社会的交換が成り立たず 何も得られない よって アイデアが採用された方がクラウドソーシングに満足し クラウドソーシングへの再参加につながると考えられる したがって 以下の仮説 1 を提唱する 仮説 1: アイデアが採用されたユーザーの方が不採用となったユーザーよりも再参加意図が 高い 仮説 1 を図示すると以下の図 4 のようになる 図 4 仮説 1 モデル 高 参加意再低採用不採用 8

クラウドソーシングにおける再参加メカニズムここからは 宮田 (2005) が提示した資源提供を動機づける 6 つの要因をもとに 再参加意図に影響を与える要因を導出していく 特に本研究では 不採用となったユーザーの再参加意図を高める要因についての仮説を構築する これにより 不採用となっても新製品開発から離脱せずに再び参加するため クラウドソーシングを効果的に働かせる多様性を保持する上で有用となるだろう 社会的交換理論によると 金銭に換算不可能な地位などの社会的財を得るために ユーザーは自発的に行動する よって 自分の地位を獲得したい 評価を高めたい 尊敬されたいという アイデンティティの表出 が動機となって 自発的に資源提供を行うと考えられる さらに アイデアが不採用となっても アイデンティティを表出するユーザーは 次のプロセスこそは自分のアイデアが採用されて地位や評価などを獲得したいと考えるため クラウドソーシングへの再参加意図が高くなると考えられる このことから 以下の仮説 2 を提唱する 仮説 2: 不採用の場合 アイデンティティを表出するユーザーの方がアイデンティティを表 出しないユーザーよりも再参加意図が高い また 新しいイノベーションを生み出すことを目的としているオンライン コミュニティでは ユーザーは他の人と一緒に何かを考え出すのが楽しいという動機を持つ (Franke & Shah, 2001) 資源を提供することはコストではなく 楽しい活動と見なしているのである つまり 他者を助ける楽しさや何かを考え出すおもしろさという コンサマトリー性 が動機となって 自発的に資源提供を行うと考えられる さらに アイデアが不採用となっても コンサマトリー性のあるユーザーは 参加すること自体を楽しむため クラウドソーシングへの再参加意図が高くなると考えられる このことから 以下の仮説 3 を提唱する 仮説 3: 不採用の場合 コンサマトリー性のあるユーザーの方がコンサマトリー性のないユ ーザーよりも再参加意図が高い そして 人は自分が環境に何らかの効果を及ぼしたという感覚を得るために価値ある情報を提供したいと思う つまり 自分が参加することで新製品開発に影響を与えたいという 自己効力感 が動機となって 自発的に資源提供を行うと考えられる さらに アイデアが不採用となっても 自己効力感のあるユーザーは 次のプロセスこそは自分のアイデアが採用されて新製品開発に影響を与えたいと考えるため クラウドソーシングへの再参加意図が高 9

今井めぐみ くなると考えられる このことから 以下の仮説 4 を提唱する 仮説 4: 不採用の場合 自己効力感のあるユーザーの方が自己効力感のないユーザーよりも 再参加意図が高い さらに オンライン コミュニティへの愛着や関与があるとき ユーザーは自発的に資源提供を行う ( 宮田, 2005) しかし クラウドソーシングにおける新製品開発の場合 ユーザーはコミュニティではなくブランドに対して愛着や関与 つまり ブランド ロイヤルティ 15 を持つため それが動機となって自発的に資源提供を行うと考えられる そのため アイデアが不採用となっても 企業に対するロイヤルティがあれば企業との関係性が重要だと捉え 再び参加することで関係性を維持 もしくは発展させていきたいと考えるのである このことから 以下の仮説 5 を提唱する 仮説 5: 不採用の場合 ロイヤルティのあるユーザーの方がロイヤルティのないユーザーよ りも再参加意図が高い 最後に 社会的交換理論によると ユーザーは自分が資源を提供することと引き換えに有益な何かが得られるだろうと期待して 自発的に資源提供を行う クラウドソーシングでは 資源を提供した企業から直接的にお返しをもらうことはできないため 知識や経験などの有益な何かが得られるだろうという 一般化された互酬性への期待 が動機となって 自発的に資源提供を行うと考えられる さらに アイデアが不採用となっても 一般化された互酬性を期待するユーザーは 自分にとって有益な何かが得られたため 再びクラウドソーシングに参加する意図が高くなると考えられる このことから 以下の仮説 6 を提唱する 仮説 6: 不採用の場合 一般化された互酬性を期待するユーザーの方が一般化された互酬性 を期待しないユーザーよりも再参加意図が高い 15 Reichheld (1996) は 顧客と社員などが金銭的もしくは個人的な犠牲を払ってまでも 企業とのリレーションシップを強化したいと望むことであり 繰り返し購買 利用するだけに留まるのではなく 愛着を持ってもらうこと と定義している 10

参加意図クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 仮説 2~ 仮説 6 をまとめて図示すると以下の図 5 のようになる 図 5 仮説 2~ 仮説 6 モデル 高 再低採用不採用 資源を提供する動機あり 資源を提供する動機なし 資源を提供する動機アイデンティティの表出 ( あり / なし ) コンサマトリー性 ( あり / なし ) 自己効力感 ( あり / なし ) ロイヤルティ ( あり / なし ) 一般化された互酬性への期待 ( あり / なし ) 4. 調査方法本研究では 先に導出した仮説の経験的妥当性を吟味するために 場面想定法による質問紙調査を行った 安藤他 (2009) では ある場面で事前の想像の内容が人の決定に大きく影響する場合 場面想定法は有効であると述べられている 本研究は クラウドソーシングでの新製品開発を想像させることが再参加意図に大きく影響を与えるため 場面想定法を選択した 場面想定に関しては 無印良品の事例に近づけるため 無印良品を例に挙げ インターネットのコミュニティ上で新製品開発に参加してもらうという状況を設定した そして 回答者に新製品を考える楽しさやコストを認識させるため 実際に新製品のアイデアを記述した上でアンケートに回答してもらった また 被験者間比較を行うため 新製品のアイデアが採用される場合と不採用となる場合の 2 種類の質問票を作成した 測定尺度の作成にあたり アイデンティティの表出 コンサマトリー性 一般化された互酬性への期待 は宮田 (2005) Wasko & Samer (2005) 自己効力感 は宮田 (2005) ブランド ロイヤルティ は前田 (2008) 宮田 (2005) を参考にし 本研究に適応するように改良して作成した 尺度はリッカート法に基づく 6 点尺度を採用した 本研究では 都内私立大学の大学生を対象にアンケート調査を行った 社会人は時間の制約があるため クラウドソーシングに参加したくても参加できないことがある それに対して 大学生は一般的に時間にゆとりがあり 参加するかどうかを自分の意志で決定することができる そのため 本調査においては便宜サンプリングを選択した 回収数は 157 で 回収されたアンケートから新製品のアイデアが記述されていないものや欠損値のあるものを除くと 有効回答は 140 ( 有効回答率 89.17%) であった 調査期間は 2011 年 12 月 22 日か 11

ら 2012 年 1 月 12 日までの 3 週間である 今井めぐみ 5. 分析結果 前節で提唱した仮説の検証のため 統計ソフト SPSS Inc PASW Statistics 19 を用いて分散 分析によって経験的にテストした t 検定採用者 不採用者間で無印良品に対する態度の差の検定を行った なぜなら 態度に差がある場合 再参加意図に影響を与えているのが態度なのか 資源を提供する動機なのかが判別できなくなるためである 例えば 不採用者の無印良品への態度が高く 再参加意図が高くなった場合 態度が高いため再参加意図が高くなったのか 資源を提供する動機があるため再参加意図が高くなったのかがわからない そのため 両者の態度の差を調べるために t 検定を行った 態度の平均値は 採用者 =4.46 不採用者 =4.34 であり その差は 0.12 であった 有意確率 ( 両側 ) は 5% 水準で非有意となり 差がないという結果が得られた (p>0.05) よって 再参加意図に影響を与えるのは 資源を提供する動機のみであることが明らかにされた 結果は 以下の表 2 表 3 のとおりである 態度 表 2 グループ統計量 C N 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 採用者 70 4.46 0.86 0.10 不採用者 70 4.34 0.88 0.11 表 3 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 2 つの母平均の差の検定有意確率 F 値有意確率 t 値自由度 ( 両側 ) Y 等分散を仮定する 0.00 0.98 0.78 138 0.44 等分散を仮定しない 0.78 137.93 0.44 12

再参加意図クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 一元配置の分散分析アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を分類変数とし 仮説 1 の検証のため一元配置の分散分析を行った 分析の結果 10% 水準でも非有意であった (F =1.83 p>0.10) なお 結果は表 4 図 6 のとおりである 表 4 分散分析表 (1) 従属変数 : 再参加意図平方和 自由度 F 値 有意確率 グループ間 3.15 1 3.15 0.18 グループ内 237.84 138 1.72 合計 240.99 139 図 6 分析結果 ( 仮説 1) 高 4.14 3.84 低 採用 不採用 二元配置の分散分析アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を第 1 の分類変数 アイデンティティの表出の有無を第 2 の分類変数とし 仮説 2 の検証のために 二元配置の分散分析を行った 分析の結果 アイデア結果について 10% 水準で有意な結果が得られた (F=3.09 p<0.10) アイデンティティの表出がない場合の再参加意図の平均値は 採用 =4.00 不採用 =3.39 であり その差は 0.61 であった アイデンティティの表出についても 10% 水準で有意な結果が得られた (F=3.09 p<0.10) また 不採用の場合は 再参加意図の平均値は アイデンティティの表出あり =4.00 アイデンティティの表出なし =3.39 であり その差は 0.61 であった この結果 仮説 2 は支持された なお 結果は表 5 図 7 のとおりである 13

参加意図今井めぐみ 表 5 分散分析表 (2) 従属変数 : 再参加意図ソース タイプⅢ 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率 モデル 2241.05 a 4 560.26 328.50 0.00 アイデア採用 5.27 1 5.27 3.09 0.08 アイデンティティの表出 5.27 1 5.27 3.09 0.08 * アイデア採用アイデンティティの表出 1.06 1 1.06 0.62 0.43 誤差 231.95 136 1.71 総和 2473.00 140 a. R 2 =0.91 ( 調整済み R 2 =0.90) 図 7 分析結果 ( 仮説 2) 高 4.23 再3.39 低採用不採用 アイデンティティの表出あり アイデンティティの表出なし 次に 従属変数は変えずに アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を第 1 の分類変数 コンサマトリー性の有無を第 2 の分類変数とし 仮説 3 の検証のため 二元配置の分散分析を行った 分析の結果 アイデア結果については 10% 水準でも非有意であった (F=0.24 p>0.10) コンサマトリー性については 1% 水準で有意な結果が得られた (F=29.52 p<0.01) また 不採用者の再参加意図の平均値は コンサマトリー性あり =4.41 コンサマトリー性なし =3.37 であり その差は 1.04 であった この結果 仮説 3 は支持された なお 結果は表 6 図 8 のとおりである 14

参加意図クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 表 6 分散分析表 (3) 従属変数 : 再参加意図ソース タイプⅢ 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率 モデル 2277.65 a 4 569.41 396.42 0.00 アイデア採用 0.34 1 0.34 0.24 0.63 コンサマトリー性 42.41 1 42.41 29.52 0.00 アイデア採用 * コンサマトリー性 0.24 1 0.24 0.17 0.68 誤差 195.35 136 1.44 総和 2473.00 140 a. R 2 =0.92 ( 調整済み R 2 =0.92) 図 8 分析結果 ( 仮説 3) 高 4.59 再3.37 低採用不採用 コンサマトリー性あり コンサマトリー性なし また 従属変数は変えずに アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を第 1 の分類変数 自己効力感の有無を第 2 の分類変数とし 仮説 4 の検証のため 二元配置の分散分析を行った 分析の結果 アイデア結果については 10% 水準でも非有意であった (F=2.52 p>0.10) 自己効力感については 1% 水準で有意な結果が得られた (F=21.29 p<0.01) また 不採用者の再参加意図の平均値は 自己効力感あり =4.07 自己効力感なし =2.64 であり その差は 1.33 であった この結果 仮説 4 は支持された なお 結果は表 7 図 9 のとおりである 15

参加意図今井めぐみ 表 7 分散分析表 (4) 従属変数 : 再参加意図 ソース タイプⅢ 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率 モデル 2267.44 a 4 566.86 375.03 0.00 アイデア採用 3.81 1 3.81 2.52 0.12 自己効力感 32.18 1 32.18 21.29 0.00 * アイデア採用自己効力感 0.48 1 0.48 0.32 0.57 誤差 205.56 136 1.51 総和 2473.00 140 a. R 2 =0.92 ( 調整済み R 2 =0.91) 図 9 分析結果 ( 仮説 4) 高 4.35 再2.64 低採用不採用 自己効力感あり 自己効力感なし そして 従属変数は変えずに アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を第 1 の分類変数 ロイヤルティの有無を第 2 の分類変数とし 仮説 5 の検証のため 二元配置の分散分析を行った 分析の結果 アイデア結果については 10% 水準でも非有意であった (F=0.86 p>0.10) ロイヤルティについては 10% 水準で有意な結果が得られた (F=3.89 p<0.10) また 不採用者の再参加意図の平均値は ロイヤルティあり =4.35 ロイヤルティなし =3.68 であり その差は 0.67 であった この結果 仮説 5 は支持された なお 結果は表 8 図 10 のとおりである 16

参加意図クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 表 8 分散分析表 (5) 従属変数 : 再参加意図ソース タイプⅢ 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率 モデル 2242.62 a 4 560.66 330.97 0.00 アイデア採用 1.45 1 1.45 0.86 0.36 ロイヤルティ 6.59 1 6.59 3.89 0.05 アイデア採用 * ロイヤルティ 0.46 1 0.46 0.27 0.60 誤差 230.38 136 1.70 総和 2473.00 140 a. R 2 =0.91 ( 調整済み R 2 =0.90) 図 10 分析結果 ( 仮説 5) 高 4.46 再3.68 低採用不採用 ロイヤルティあり ロイヤルティなし 最後に 従属変数は変えずに アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) を第 1 の分類変数 一般化された互酬性への期待の有無を第 2 の分類変数とし 仮説 6 の検証のため 二元配置の分散分析を行った 分析の結果 アイデア結果については 10% 水準でも非有意であった (F=1.87 p>0.10) 一般化された互酬性への期待については 1% 水準で有意な結果が得られた (F=9.15 p<0.01) また 不採用者の再参加意図の平均値は 一般化された互酬性への期待あり =4.04 一般化された互酬性への期待なし =3.13 であり その差は 0.81 であった この結果 仮説 6 は支持された なお 結果は表 9 図 11 のとおりである 17

参加意図今井めぐみ 図 9 分散分析表 (6) 従属変数 : 再参加意図 ソース タイプⅢ 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率 モデル 2250.39 a 4 562.60 343.72 0.00 アイデア採用 3.07 1 3.07 1.87 0.17 一般化された互酬性への期待 14.97 1 14.97 9.15 0.03 * アイデア採用一般化された互酬性への期待 0.27 1 0.27 0.16 0.69 誤差 222.61 136 1.64 総和 2473.00 140 a. R 2 =0.91 ( 調整済み R 2 =0.91) 図 11 分析結果 ( 仮説 6) 高 4.29 再3.13 低採用不採用 一般化された互酬性への期待あり 一般化された互酬性への期待なし 仮説の検証結果をまとめたものが 以下の表 10 である 表 10 仮説の検証結果 仮説仮説 1: クラウドソーシングにおいて アイデアが採用されたユーザーの方が不採用となったユーザーよりも再参加意図が高い 仮説 2: 不採用の場合 アイデンティティを表出するユーザーの方がアイデンティティを表出しないユーザーよりも再参加意図が高い 仮説 3: 不採用の場合 コンサマトリー性のあるユーザーの方がコンサマトリー性のないユーザーよりも再参加意図が高い 仮説 4: 不採用の場合 自己効力感のあるユーザーの方が自己効力感のないユーザーよりも再参加意図が高い 仮説 5: 不採用の場合 ロイヤルティのあるユーザーの方がロイヤルティのないユーザーよりも再参加意図が高い 仮説 6: 不採用の場合 一般化された互酬性を期待するユーザーの方が一般化された互酬性を期待しないユーザーよりも再参加意図が高い 結果部分的に支持 支持 支持 支持 支持 支持 18

クラウドソーシングにおける再参加メカニズムアイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関して 一元配置では非有意であったものの アイデンティティの表出の有無を加えてコントロールした二元配置では有意であった よって 仮説 1 は部分的に支持された また 資源を提供する動機 ( アイデンティティの表出 コンサマトリー性 自己効力感 ロイヤルティ 一般化された互酬性への期待 ) の有無に関しては 5 つすべてに有意な差がみられた よって 仮説 2~6 は支持された 6. 本研究の知見と今後の課題クラウドソーシングは インターネットが普及した現在において 様々な場面で生じている クラウドソーシングに関するこれまでの研究では 群衆のもつ多様性がクラウドソーシングを効果的に働かせており 多様性を確保するためにはユーザーの自発的な再参加が重要であると述べられている しかし これまでクラウドソーシングに再び参加する要因についての研究は行われていなかった そこで本研究では 仮説を構築して実証分析を行い クラウドソーシングへの再参加意図を高める要因を導出することを目的とした 具体的には 社会的交換理論や社会関係資本を枠組みとし 宮田 (2005) の資源提供を動機づける 6 つの要因をもとに クラウドソーシングへの再参加意図を高める要因を明らかにした ここからは クラウドソーシングの再参加意図に影響を与える 5 つの要因の分析結果と知見を述べていく 第一に アイデンティティの表出についてである アイデンティティ表出の有無に関して主効果が認められ アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関しても主効果が認められた 以上の結果から 企業はユーザーにアイデンティティの表出を実感してもらうために 採用されたアイデアはもちろん 不採用だが独創的であったアイデアをコミュニティ上に公開すべきである それにより 採用者 不採用者の両者とも自分のアイデアが評価されたことを実感し 再参加につながるであろう 第二に コンサマトリー性についてである コンサマトリー性の有無に関して主効果が認められたが アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関しては主効果が認められなかった 以上の結果から 企業はユーザーにコンサマトリー性を実感してもらうために 投稿されたアイデアをリアルタイムで他のユーザーが見ることができるようなコンテンツを作成すべきである それにより 採用者 不採用者に関係なく 他者と新製品を一緒に考え出す楽しさを実感し 再参加につながるであろう 第三に 自己効力感についてである 自己効力感の有無に関して主効果が認められたが アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関しては主効果が認められなかった 以上の結果から 企業はユーザーに自己効力感を実感してもらうために 投稿したアイデアが他のユーザーから良いと思われた回数がわかるシステムを作成すべきである それにより 採用者 不採用者 19

今井めぐみに関係なく 自分が他者に影響を与えていることを実感し 再参加につながるであろう 第四に ブランド ロイヤルティについてである ロイヤルティの有無に関して主効果が認められたが アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関しては主効果が認められなかった 以上の結果から 企業はユーザーにロイヤルティを持ってもらうため 参加してくれたユーザーに対する感謝を掲載するコンテンツを作成すべきである それにより 採用者 不採用者関係なく 良い企業であることを実感し 再参加につながるであろう 最後に 一般化された互酬性への期待についてである 一般化された互酬性への期待の有無に関して主効果が認められたが アイデア結果 ( 採用 / 不採用 ) に関しては主効果が認められなかった 以上の結果から 企業はユーザーに一般化された互酬性への期待を持ってもらうために 参加してくれたユーザー限定で企業の最新情報やあまり知られていない情報を公開すべきである それにより 採用者 不採用者に関係なく 他では得られない有益な情報が得られ 再び参加すればまた有益なものが得られるだろうと期待するため 再参加につながるであろう 以上をクラウドソーシングにて新製品を開発する企業が行うことで 再参加が促され多様性が保持される その結果 クラウドソーシングが効果的に働き 優れた新製品を世の中に生み出すことにつなげられるであろう 本研究においては上記のような知見と同時に 以下の 2 つの限界が存在する 第 1 に 調査設計の問題である 本研究では一般的に時間にゆとりがあり 参加するかどうかを自分の意志で決定できることから大学生を研究の対象とした そのため 時間の制限などの外部的要因が再参加意図を下げることなく研究を行うことができた しかし 実際にインターネットのコミュニティ上で新製品開発に参加するユーザーは大学生に限られていないため 研究対象を拡張する必要があるだろう また クラウドソーシングにおける事前の想像が人の決定に大きく影響するため 最適な場面想定法を行った そのため クラウドソーシングがそれほど普及していない日本においても新製品開発のプロセスを容易に想像することができた しかし 回答者が実際に新製品開発に参加したわけではないため 新製品を考える楽しさやコストなどをイメージすることが難しかったと推測される よって 調査設計のさらなる精緻化が必要である 第 2 に 参加意図と再参加意図では影響を与える要因に差があるのかを明らかにできなかったことである 日本ではクラウドソーシングにおける新製品開発がほとんど普及していないため 参加経験のあるユーザーを探し出すのは困難であった そのため 本研究では参加を想定し 再参加意図を高める要因を明らかにした 参加意図を高める要因を明らかにし再参加意図と比較することで ユーザーに合わせた効果的なアプローチにつなげられるであろう 20

クラウドソーシングにおける再参加メカニズム以上のような課題が存在するものの 本研究は再参加意図を高める要因を経験的なデータをもとに実証することに成功し クラウドソーシングを効果的に働かせるメカニズムを発展させた研究として 先駆的な役割を果たすであろう 謝辞本研究の作成に際して 貴重な授業の時間内にてアンケートに協力していただいた秋澤光先生 馬場政孝先生 袴田兆彦先生 野口邦和先生 高松英樹先生 多くの時間を割いて指導していただいた久保知一先生に心から感謝したい また アンケートにご協力していただいた方々にもこの場を借りて感謝の意を述べさせていただきたい 21

参考文献 今井めぐみ 安藤清志 村田光二 沼崎誠 (2009) 新版社会心理学入門 東京大学出版会 Blau, Peter M. (1964), Exchange and Power in Social Life, John Wiley and Sons, 間場寿一 居安正 塩原勉 (1974) 訳 交換と権力 : 社会過程の弁証法社会学 新曜社 Foa, Edna B. & Uriel G. Foa (1976), Resource theory of social exchange. In Thibaut, John W. et al., (Eds.) Contemporary topics in social psychology, General Learning Press, pp.77-101. Franke, Nikolaus & Sonali Shah (2001), How communities support innovative activities: An exploration of assistance and sharing among innovative users of sporting equipment, Sloan Working Paper #4164. Howe, Jeff (2006), The rise of Crowdsourcing, Wired, 14(6), pp.176-183. 国領二郎 (1999) オープン アーキテクチャ戦略: ネットワーク時代の協働モデル ダイヤモンド社 久慈利武 (1984) 交換理論と社会学の方法 新泉社 前田洋光 (2008) 消費者の認知に基づいたブランドエクイティの構造分析 社会心理学研究 24(1) pp.58-67 宮田加久子 (2005) きずなをつなぐネットメディア: ネット時代の社会関係資本 NTT 出版 Nahapiet, Janine & Sumantra Ghoshal (1998), Social Capital, Intellectual Capital, and the Organizational Advantage, Academy of Management Review, 23, pp.242-266. 西川英彦 小川進 (2006) ユキビタスネット社会における製品開発: ユーザー起動法と開発成果 流通研究 8(3) pp.49-64 本條晴一郎 (2011) 多様性のマネジメント: 無印良品のクラウドソーシング マーケティングジャーナル 30(3) pp.35-49 Ogawa, Susumu & Frank T. Piller (2006), Reducing the Risks of New Product Development, MIT Sloan Management Review, 47(2), pp.65-71. Page, Scott E. (2007), The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, and Societies, Princeton University Press, 永谷淳 (2009) 訳 多様な意見 はなぜ正しいのか : 衆愚が集合知に変わるとき 日経 BP 社 Poets, Marion K. & Schreier Martin (2010), The value of crowdsourcing: Can users really compete with professionals in generating new product ideas?, Journal of Product Innovation Management, forthcoming. 22

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今井めぐみ 無印良品に関するアンケート調査 中央大学商学部久保知一研究室第 4 期今井めぐみ ごあいさつ現在 インターネットにおける顧客参加型の新製品開発に関して研究しています この度 調査のご協力をお願いしたく 以下のようなアンケートを作成いたしました 皆様から頂戴した回答結果は コンピュータで統計的に処理され 個人情報は保護されます また 学術研究以外の目的で今回のデータが使用されることは一切ございません 大変お手数ではございますが 趣旨をご理解の上 ご協力よろしくお願いいたします 場面想定あなたは 無印良品の新製品開発に参加することになりました 新製品の開発は インターネットの モノづくりコミュニティ 上で 他の参加者と共に行います 今回はステップ1の段階です ステップ 開発テーマ 1 開発テーマに基づき 新製品のアイディア投稿 ( 企業がアイデアをいくつかのコンセプトにしぼる ) 2コンセプトへの投票 コンセプトの決定 3コンセプトへの意見の投稿 ( 企業が意見をいくつかの仕様にしぼる ) 4 仕様への投票 仕様の決定新製品サンプル完成 例 ) 壁棚 開発テーマ 壁の利用 1 壁に立てかけて使う小物置き 壁に穴をあけない写真を飾れるもの 2コンセプト 壁棚 3 組み立てやすいもの 白いもの 4 仕様 L 字タイプサンプル完成 今回の開発テーマは 冬のあったかグッズ です こんな商品があったらいいな というアイデアを自由に書いてください (ex 真っ白でシンプルなデザインの湯たんぽ ゆずジンジャーティーなど ) 記入してから 2 ページ目へお進みください 24

クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 以下の質問に関してあてはまる番号に 印をお付けください 6 5 4 3 2 1 とてもそう思う そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない まったくそう思わない 質問はここから始まります 0101 無印良品は 良い商品が揃っていると思う 0102 無印良品の商品に満足できる とてもそう思う まったくそう思わない 6-5 - 4-3 - 2-1 6-5 - 4-3 - 2-1 無印良品が参加者からのアイデアを集計 議論した結果 冬のあったかグッズ のステップ 1 において あなたのアイデアが採用されました この仮定の下 以下の質問にお答えください 0201 自分のアイデアが採用されることで 自分の地位が高められると思う 0202 自分のアイデアが採用されることで 自分の評価を高めたい 0301 他者を助けることが好きだ 0302 新製品開発に参加することで 無印良品を手助けすることが楽しい 0401 新製品開発に困っている無印良品の問題を解決することがうれしい 0402 自分が参加することで 新商品開発に良い影響を与えたい 0501 無印良品は好きな企業の第一候補に挙げられる 0502 特別なことがなければ 無印良品の商品を購入し続けるだろう 0601 新製品開発に参加すれば 自分に有益なものが得られると思う 0602 無印良品が参加してくれると期待しているので 自分も参加するのが妥当だと思う 0701 再び新製品開発に参加したい ( ステップ2 以降に進みたい ) とてもそう思う まったくそう思わない 6-5 - 4-3 - 2-1 以上です 最後に全ての質問に回答しているかご確認ください ご協力ありがとうございました 25

今井めぐみ 無印良品に関するアンケート調査 中央大学商学部久保知一研究室第 4 期今井めぐみ ごあいさつ現在 インターネットにおける顧客参加型の新製品開発に関して研究しています この度 調査のご協力をお願いしたく 以下のようなアンケートを作成いたしました 皆様から頂戴した回答結果は コンピュータで統計的に処理され 個人情報は保護されます また 学術研究以外の目的で今回のデータが使用されることは一切ございません 大変お手数ではございますが 趣旨をご理解の上 ご協力よろしくお願いいたします 場面想定あなたは 無印良品の新製品開発に参加することになりました 新製品の開発は インターネットの モノづくりコミュニティ 上で 他の参加者と共に行います 今回はステップ1の段階です ステップ 開発テーマ 1 開発テーマに基づき 新製品のアイディア投稿 ( 企業がアイデアをいくつかのコンセプトにしぼる ) 2コンセプトへの投票 コンセプトの決定 3コンセプトへの意見の投稿 ( 企業が意見をいくつかの仕様にしぼる ) 4 仕様への投票 仕様の決定新製品サンプル完成 例 ) 壁棚 開発テーマ 壁の利用 1 壁に立てかけて使う小物置き 壁に穴をあけない写真を飾れるもの 2コンセプト 壁棚 3 組み立てやすいもの 白いもの 4 仕様 L 字タイプサンプル完成 今回の開発テーマは 冬のあったかグッズ です こんな商品があったらいいな というアイデアを自由に書いてください (ex 真っ白でシンプルなデザインの湯たんぽ ゆずジンジャーティーなど ) 記入してから 2 ページ目へお進みください 26

クラウドソーシングにおける再参加メカニズム 以下の質問に関してあてはまる番号に 印をお付けください 6 5 4 3 2 1 とてもそう思う そう思う ややそう思う あまりそう思わない そう思わない まったくそう思わない 質問はここから始まります 0101 無印良品は 良い商品が揃っていると思う 0102 無印良品の商品に満足できる とてもそう思う まったくそう思わない 6-5 - 4-3 - 2-1 6-5 - 4-3 - 2-1 無印良品が参加者からのアイデアを集計 議論した結果 冬のあったかグッズ のステップ 1 において あなたのアイデアが不採用となりました この仮定の下 以下の質問にお答えください 0201 自分のアイデアが採用されることで 自分の地位が高められると思う 0202 自分のアイデアが採用されることで 自分の評価を高めたい 0301 他者を助けることが好きだ 0302 新製品開発に参加することで 無印良品を手助けすることが楽しい 0401 新製品開発に困っている無印良品の問題を解決することがうれしい 0402 自分が参加することで 新商品開発に良い影響を与えたい 0501 無印良品は好きな企業の第一候補に挙げられる 0502 特別なことがなければ 無印良品の商品を購入し続けるだろう 0601 新製品開発に参加すれば 自分に有益なものが得られると思う 0602 無印良品が参加してくれると期待しているので 自分も参加するのが妥当だと思う 0701 再び新製品開発に参加したい ( ステップ2 以降に進みたい ) とてもそう思う まったくそう思わない 6-5 - 4-3 - 2-1 以上です 最後に全ての質問に回答しているかご確認ください ご協力ありがとうございました 27