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第 章 波 動 方 程 式 と 平 面 波 解 光 は 電 磁 波 として 記 述 されるという 考 えは 電 磁 場 のマックスウエル 理 論 の 完 成 により 確 立 された 光 を 電 磁 波 として 表 現 することで 光 の 様 々な 性 質 例 えば 干 渉 や 回 折 など の 波 動 性 偏 光 を 記 述 するベクトル 波 の 性 質 光 の 吸 収 や 増 幅 などが 合 理 的 に 説 明 され る 他 方 微 弱 な 光 で 顕 著 に 現 れる 粒 子 的 な 性 質 例 えば 超 高 感 度 な 光 強 度 検 出 器 で 観 測 される 光 強 度 の 時 間 的 揺 らぎなどは 電 磁 波 としての 記 述 では 説 明 できない 光 の 量 子 理 論 により 始 めて 明 らかにされるが 今 日 でも 明 らかにされない 問 題 がある ここでは ベクトル 波 としての 光 を 導 入 し 光 波 として 説 明 できる 現 象 をいくつか 紹 介 する 説 明 内 容 は 波 動 の 一 般 論 と 電 磁 波 としての 性 質 に 分 かれるが 波 動 一 般 論 は 他 の 波 動 現 象 例 えば 音 波 海 洋 波 大 気 振 動 プラズマ 波 動 地 震 波 などの 波 動 現 象 に 共 通 した 認 識 を 与 えるので 光 を 通 して 波 動 を 学 ぶという 考 えを 持 っていただきたい. マックスウエルの 電 磁 場 方 程 式 系 電 場 や 磁 場 がどのようにして 発 生 されるかという 議 論 は 9 世 紀 の 科 学 の 大 きな 関 心 事 で あった 電 場 の 源 は 電 荷 であり 磁 場 の 源 は 電 流 であるということは 実 験 的 に 確 かめられ ていたが 変 化 する 磁 場 が 起 電 力 つまり 電 場 を 生 むことが 実 験 的 に 示 されてから 変 化 す る 電 場 が 磁 場 を 生 むというアイディアを 提 唱 したのがマックスウエルであった 変 化 する 磁 場 を 巻 くように 電 場 が 発 生 し この 変 化 する 電 場 を 巻 くように 磁 場 が 発 生 するという 連 鎖 により 電 場 と 磁 場 が 空 間 に 広 がっていくのである それでは そもそも 変 化 する 磁 場 あるいは 電 場 はどこで 発 生 されるのであろうか 電 場 電 束 密 度 D 磁 場 磁 束 密 度 B は 次 の 連 立 方 程 式 を 満 足 している この 連 立 方 程 式 を 満 たす 解 は 無 数 にあり 具 体 的 な 条 件 で 場 の 量 が 決 められる D ro J マックスウエル アンペールの 式 (.) B ro ファラディの 電 磁 誘 導 (.) div D ρ ガウスの 法 則 div B (.3) D ε 物 質 の 式 (.4) B μ 物 質 の 式 (.5) J σ 物 質 の 式 オームの 法 則 (.6) この 最 初 の 式 は 積 分 形 で 表 すと その 意 味 が 明 らかになる ds DdS S S ds JdS S BdS アンペル マックスウエルの 式 ファラディーの 電 磁 誘 導 3

アンペール マックスウエルの 式 が 意 味 するところは 電 流 あるいは 時 間 的 に 変 化 す る 電 場 を 取 り 囲 むように 閉 曲 線 を 取 り に 沿 って 磁 場 を 接 線 積 分 すると その 結 果 は で 囲 まれる 面 S を 貫 く 全 電 束 ( 密 度 )の 時 間 的 変 化 率 と 面 S を 貫 く 電 流 によって 磁 場 は 発 生 される つまり 電 束 ( 密 度 )の 時 間 変 化 が 電 流 と 同 じ 作 用 をもたらすものである 電 流 を 取 り 巻 くように 磁 場 が 発 生 するのはアンペールが 見 つけた 法 則 であるが 変 化 する 電 場 がその 回 りに 磁 場 を 生 み 出 す 考 えはマックスウエルの 発 見 である 第 二 の 式 :ファラ ディーの 電 磁 誘 導 の 式 では 閉 曲 線 で 囲 まれる 曲 面 S を 貫 くトータルの 磁 場 ( 磁 束 )が 時 間 的 に 変 化 するとき 閉 曲 線 に 沿 って 電 場 が 発 生 し この 電 場 をループ に 沿 って 一 周 接 線 積 分 したものがトータルの 磁 場 ( 磁 束 のこと)の 時 間 微 分 と 等 しいことを 言 ってい る ここで 右 辺 にマイナスの 記 号 が 付 いているのは 磁 束 の 変 化 を 妨 げるように 電 場 が 発 生 されるからである:これは 例 えば 磁 場 が 右 ねじが 進 む 方 向 を 向 いていて しかもそ の 時 間 微 分 係 数 が 正 ならば( 要 するに 磁 場 が 増 えつつあるとき) 右 ねじの 回 転 方 向 と 逆 向 きに 電 場 ベクトルが 巻 くように 分 布 する また 磁 場 の 方 向 は 同 じでも 磁 場 が 減 少 途 中 なら 時 間 微 分 係 数 は 負 になるので 第 二 式 の 右 辺 は 正 になり 電 場 ベクトルは 右 ねじを 巻 く 方 向 で 分 布 する 棒 磁 石 をコイルなどのループ 回 路 に 出 し 入 れすると 電 流 が 流 れること を 思 い 出 して 欲 しい 電 流 が 流 れるということは 電 線 に 沿 って 電 場 が 発 生 していること を 物 語 る この 電 場 をコイル 一 巻 きで 積 分 すれば コイル 一 巻 き 分 の 起 電 力 (つまり 電 圧 ) が 得 られる 何 回 も 巻 いたコイルでは 巻 き 数 倍 の 起 電 力 が 生 じる. 光 波 の 発 生 さて 下 図 の(a)では 地 面 に 垂 直 に 立 てたアンテナに 角 周 波 数 ω [rad/s]の 交 流 電 流 を 流 し ている 例 である この 場 合 アンテナを 取 り 巻 くように 磁 場 が 生 じ この 磁 場 は 電 流 と 同 じ 角 周 波 数 で 振 動 している(つまり 巻 く 方 向 が 右 向 きだったり 左 向 きだったりする) ここ で さらに 電 磁 誘 導 の 原 理 で 変 化 する 磁 場 を 巻 くように 電 場 が 生 じる この 電 場 はやは り 同 じ 周 波 数 で 振 動 しているので その 回 りに 磁 場 を 生 む このようにして 電 磁 波 が 発 生 され 遠 方 へ 伝 わっていく 下 図 の(b)では 平 行 平 面 電 極 間 に 交 流 電 流 を 流 している この 場 合 では 極 板 間 に 伝 導 電 流 は 流 れないが 変 化 する 電 場 が 生 じ これを 取 り 巻 くように 磁 場 が 出 来 さらにこの 磁 場 を 取 り 巻 くように 電 場 が 出 来 ていて 外 側 へ 伝 わっていく J 電 波 の 進 む 方 向 (a) (b) 図, 電 磁 波 の 発 生 4

さらに 電 磁 波 発 生 の 一 般 論 からの 結 論 として 電 気 的 双 極 子 モーメントの 時 間 について の 回 微 分 ; q r あるいは 別 の 言 い 方 をすれば 電 流 密 度 の 時 間 微 分 J が 電 磁 波 発 生 の 源 に なることが 証 明 される( 例 えば ハイトラー 著 輻 射 の 量 子 論 あるいはランダウリフ シッツ 著 場 の 古 典 論 ジャクソン 著 電 磁 気 学 などを 参 照 されたい) また 別 の 言 い 方 をすれば 荷 電 粒 子 の 運 動 量 が 時 間 的 に 変 化 すれば 電 磁 波 を 生 むともいえる このような 説 明 は 電 磁 波 をフォトンの 流 れと 見 たときに フォトン 流 の 源 はどこかという 質 問 に 答 える 際 重 要 な 意 味 を 持 つ 例 えば 下 図 のように 荷 電 粒 子 が 円 軌 道 を 描 いて 等 速 で 運 動 していると 円 軌 道 と 同 じ 面 内 に 放 射 状 に 電 磁 波 を 発 生 する 電 子 の 運 動 エネルギーが 非 常 に 高 くなるかあるいは 軌 道 半 径 が 小 さいと たとえば Mev 程 度 のエネルギーで 半 径 m 程 度 の 円 軌 道 では 放 射 される 電 磁 波 は 広 いスペクトルを 持 ち 極 端 紫 外 の 波 長 まで も 含 むようになる このような 光 をシンクロトロン 放 射 光 (Snchroron Orbial Radiaion; SOR)と 呼 ぶ 現 在 では 大 型 の 放 射 光 設 備 が 関 西 播 磨 の Spring-8 つくばの 高 エネルギー 物 理 学 研 究 所 の 大 型 放 射 光 施 設 などで 稼 動 していて 物 性 研 究 で 活 躍 している e - 放 射 光 図. シンクロトロン 放 射 今 までの 説 明 で 登 場 した 光 源 はマクロなサイズを 持 つものである ところで 原 子 や 分 子 が 発 生 する 光 の 発 生 起 源 は 全 く 異 なる 原 子 および 分 子 が 量 子 遷 移 を 行 う 際 にエネルギ ー 保 存 のために 光 子 (フォトン)を 放 出 する 原 子 個 でフォトン 個 を 放 出 するが 大 量 の 原 子 や 分 子 が 放 出 するフォトンは 大 量 であり 個 々のフォトン 同 士 の 位 相 が 合 ってい ない フォトンを 有 限 な 長 さの 波 と 考 えると これらの お 互 いの 位 相 がランダムで 合 っていない 状 態 で 重 ね 合 わせる 大 量 のフォトンの 流 れを 我 々は 光 として 感 じている 個 々 のフォトンは 全 て 同 じ 振 動 数 つまり 波 長 を 持 っているので 波 長 の 決 まった 光 として 見 え る 位 相 がランダムな 大 量 のフォトンを 重 ね 合 わせると 光 の 強 度 は 小 刻 みに 変 動 するであ ろう しかしながら 十 分 な 量 のフォトンを 重 ねあわせれば この 強 度 の 揺 らぎは 無 視 で きて 強 度 一 定 の 光 として 感 じられる フォトン 一 個 ずつを 微 弱 な 電 磁 波 として 扱 い フ ォトンの 数 の 分 だけ 振 幅 を 大 きくして フォトン 流 を 電 磁 波 として 扱 うのが 光 の 電 磁 波 理 論 である これに 比 べ 光 を 放 出 する 原 子 群 が 位 相 を 合 わせて 一 斉 に 光 を 放 出 するのが レーザーであり フォトン 同 士 の 位 相 が 合 って 重 ねあわされるのでよっぽど 電 磁 波 のよう 5

に 振 舞 う ここでは 蛍 の 光 のようなランダム 原 子 群 から 放 射 される 光 も 電 磁 波 として 扱 い それの 特 徴 を 吟 味 する.3 波 動 方 程 式 マックスウエル アンペール 方 程 式 の 両 辺 の ro をとると ro D ( ro) ro J rod roj ε ro σro B となるが これの 右 辺 にファラディーの 公 式 ro および B μ を 適 用 する と 右 辺 は B B σ ε もしくは εμ μσ となる ところで 上 式 の ro roa grad diva Δ 左 辺 は 良 く 知 られたベクトル 解 析 の 公 式 ( ) ( ) A を 用 いて 変 形 できる ここで A は 任 意 のベクトルであり Δ はラプラシアンである この 公 式 の 意 味 は 各 成 分 ごとに ro 成 分 は ( ) ( ) ( ) ro div Δ などと 書 けることを 意 味 する 同 様 に および 成 分 についても 書 き 下 せる 成 分 の 表 式 をさらに 細 かく 書 くと があからさまな 表 式 である ところで divb であるので div である これを 利 用 すると であるので 結 局 ro が 得 られる これを 書 き 直 して ( ro) Δ Δ εμ μσ Δ εμ μσ (.7) となる この 式 を 電 信 方 程 式 という この 方 程 式 の 意 味 は まず ベクトル の 各 成 分 に 対 してこの 方 程 式 が 成 り 立 つということである つまり 上 方 程 式 は 具 体 的 には 6

Δ Δ Δ μσ εμ (.8) あるいは ラプラシアンの 部 分 を 更 に 具 体 的 に 表 すと μσ εμ (.9) となる 電 場 についても 同 様 で まず 電 磁 誘 導 式 の 両 辺 の ro をとり J σ を 利 用 すると ( ) ro ro ro ro - B μσ εμ μ となるが 公 式 ( ) ( ) Δ div grad ro ro を 用 い また ガウスの 定 理 ε ρ D div div において 通 常 ρ である というのは 光 が 通 る 媒 質 中 では 通 常 の 場 合 は 電 荷 の 中 性 が 保 たれているから である したがって となり これを 利 用 すると div ( ) Δ ro ro となり 結 局 磁 場 と 同 じ 形 式 の 電 信 方 程 式 が 得 られる: Δ μσ εμ (.) 電 場 や 磁 場 の 電 信 方 程 式 は 解 を 無 数 に 持 ち 境 界 条 件 を 与 えることで 解 を 特 定 する また 電 場 および 磁 場 の 方 程 式 は それぞれ 電 場 だけあるいは 磁 場 だけを 含 むことが 特 徴 的 であ る 一 度 光 が 光 源 から 出 て 真 空 あるいは 透 明 絶 縁 体 中 を 進 む 場 合 を 考 えよう この 場 合 真 空 や 絶 縁 体 では 電 気 伝 導 度 がゼロなので 電 信 方 程 式 中 のσ をゼロとすることで Δ εμ および Δ εμ (.) が 得 られる これを 波 動 方 程 式 と 呼 び 自 由 空 間 中 を 伝 播 する 電 磁 波 を 記 述 するのに 用 い 7

られる 波 動 方 程 式 はベクトル 方 程 式 なので 例 えば 電 場 が 成 分 だけを 持 ち 電 場 の 大 き さが および には 依 存 せず にだけ 依 存 する 場 合 も 記 述 される この 場 合 方 向 へ 伝 播 する 波 を 表 現 し 波 動 方 程 式 ( 次 元 波 動 方 程 式 )は εμ (.) となる.4 波 動 方 程 式 の 解 波 動 方 程 式 の 解 を 探 すために 回 以 上 微 分 可 能 な 任 意 の 関 数 f ( ) を 用 いて 解 を f ( v) (.3) として 与 えてみよう ただし v は 任 意 の 定 数 ではなく この 解 が 波 動 方 程 式 を 満 たすよう に 決 めなければならない 実 際 (.3)を(.)へ 代 入 すると f εμv f あるいは v ± (.4) εμ のように v を 決 めれば 式 (.3)は 波 動 方 程 式 (.)の 解 となる このとき v は 物 質 の 定 数 であるε と μ で 規 定 される これを 満 たす v を 用 いた f ( v) が 波 動 方 程 式 (.)の 解 となる この 解 の 形 を 見 ると 関 数 まり 速 度 v で 秒 間 移 動 した 関 数 を 与 える 次 元 波 動 方 程 式 を 満 たす 解 は 任 意 の 回 以 上 微 分 可 能 な 関 数 で 与 えられる この 移 動 速 度 v を 位 相 速 度 という 絶 縁 体 中 での 電 磁 波 の 位 相 速 度 の 大 きさは f ( ) を 軸 の 正 方 向 へ v だけ 移 動 したものになっている つ εμ である ε と μ に 真 空 中 での 値 を 代 入 すれば この 位 相 速 度 は 正 に 真 空 中 の 光 速 3 8 m/sを 与 えるであろう また 任 意 の 関 数 ( ) h f ( v) g( v) g ( v) は 軸 の 負 方 向 へ 速 度 v で 移 動 する 関 数 を 表 す f と g を 用 いて もまた 波 動 方 程 式 の 解 であることは 容 易 に 確 かめられる さて ここで 次 元 波 動 方 程 式 を 満 たす 解 として 振 動 する 解 Acos ( ω) または Aep i( ω) (.5) を 使 ってみる 番 目 の 複 素 表 示 した 関 数 では 実 部 を 取 ることで 実 際 の 電 場 を 与 えること とする ここで とω の 意 味 を 明 らかにするために 上 のコサインの 式 を 波 動 方 程 式 に 代 入 する ( εμω ) Acosω ( ) より ± εμω (.6) として とω が 関 係 付 けられている また cos ( ω) cos と 書 き 直 せば ω 8

この 解 は cos を 軸 の 正 方 向 へ 位 相 速 度 ω v p (.7) εμ で 秒 間 動 かしたものとなっている さて ここで 適 当 な 時 間 例 えば における 解 は cos であり このまま 時 間 を 固 定 して(つまり で 写 真 を 撮 ったとして) か ら π まで 進 むと cos は 同 じ 値 をとる したがって π は 波 長 という 意 味 を 持 つ また 任 意 の 位 置 において 時 間 が 例 えば から π ω まで 変 化 しても cos( ω) の 値 は 同 じであるので π ω は 周 期 という 意 味 を 持 つ これらを 踏 まえて いくつか 言 葉 を 定 義 しよう 上 記 コサイン 波 において ω ω (.8) ω を 波 動 の 位 相 という 時 間 が 進 むとき を 一 定 値 C にする 位 置 は ω C で 与 ω えられる この 位 置 は 時 間 経 過 とともに 速 度 で 移 動 する この 速 度 で 移 動 する 位 置 では 時 間 が 経 過 しても 位 相 が 不 変 である つまり 位 相 速 度 とは 位 相 が 等 しい 位 置 が 移 動 する 速 度 である ところで 波 長 は λ π であったので これから π λ である この 結 果 によれ ば は 距 離 π メートル 中 に 波 が 何 個 あるかを 示 す つまり この 意 味 から を 波 数 という また 周 期 はT π ω で 与 えられる これから ω π T となるが この 結 果 からω は 秒 間 に 位 相 が 何 rad 変 化 するかを 示 し 角 周 波 数 ( 各 振 動 数 )と 呼 ばれる 角 周 波 数 は 周 波 数 とν ω π の 関 係 になっている 以 上 をまとめておく cos( ω) に 於 いて π λ T π ω ν ω π (.9) 波 動 場 を 複 素 関 数 で epi -ω) として 表 した 場 合 その 実 部 をとって 波 動 場 とするなら ば 上 記 の 結 論 はそのまま 利 用 できる (.5 二 次 元 および 三 次 元 波 動 次 に 次 元 平 面 上 で 伝 播 する 波 動 について 考 える これは 波 動 方 程 式 において 電 場 や 磁 場 などの 場 の 変 量 が および 座 標 だけの 関 数 になっている 場 合 である この 場 合 の 波 動 方 程 式 は εμ (.) で 与 えられる 磁 場 についても 同 様 の 式 が 成 り 立 つ ここで は 3 次 元 ベクトルである ベクトル の 3 成 分 について 上 式 が 成 り 立 つので まずスカラー 関 数 f についての 波 動 方 9

程 式 f f f εμ (.) について その 解 の 意 味 を 考 える ここで f は の 3 成 分 のどれかである 解 は 無 数 に あるが ( ω) f f epi (.3) の 形 の 解 を 適 用 する ここで と はある 定 数 である ω は 波 動 の 角 振 動 数 であるが ここでは ある 定 数 として 与 えておく この 関 数 を 波 動 方 程 式 (.) に 代 入 すると ( ) f εμω が 得 られる これより εμω (.4) という 関 係 を 満 たせば 関 数 f は 波 動 方 程 式 の 解 となる ここで と の 意 味 を 明 ら かにするために この つの 定 数 をそれぞれ および 成 分 とするベクトル (, ) (.5) を 導 入 する このベクトルを 使 えば 波 動 場 は f ( r) f epi( r ω) (.6) と 書 ける ここに r (, ) は 観 測 点 (, ) まで 引 いた 位 置 ベクトルである r, で 波 動 場 を 観 測 したとする ここでの 観 今 時 間 を 止 めて 別 の 観 測 点 ( ) r r λ 図.3 平 面 波 の 波 面 と ベクトル 測 値 は f ( r ) f epi( r ω) と 表 せる ここで もし r r の 条 件 を 満 たすよう に r を 与 えれば 波 動 場 の ep の 中 身 が 同 じにな り 位 置 r における 波 動 場 と 同 じ 位 相 になっている ことが 分 かる 下 図 で 示 した 直 線 は ベクトル に 垂 直 で 位 置 r を 含 むものであるが r の 先 端 も この 直 線 上 にあり この 直 線 上 の 全 ての 観 測 点 で 波 動 場 は 同 位 相 となる 実 際 の 物 理 量 は 複 素 波 動

関 数 の 実 部 で 与 える いまの 場 合 は f f cos( r ω) の位 置 で 位 相 r ω 与 え 奇 数 倍 ならば 谷 を 与 える と なる したがって もし 直 線 上 の値 がπ の 偶 数 倍 となっているならば この 直 線 は 波 動 の 山 を ここで ベクトル 方 向 へ X 軸 をとり 垂 直 方 向 へY 軸 を 取 ることで X Y 座 標 系 を 作 る 直 線 と X 軸 との 交 点 を X とすると r r X であるので 波 動 場 は f cos ( X ω) と 表 現 され 結 局 伝 播 方 向 が 次 元 ( X 軸 方 向 )への 波 動 に 帰 着 される このことは 次 のようにしても 求 められる X 軸 と との 角 度 をθ とすると X 軸 は 方 向 を 向 いている という 条 件 から 次 の 変 換 が 成 り 立 つ この 結 果 を r X cos θ Y sinθ X sin θ Y cosθ に 代 入 すると X Y X Y r X Y X Y X X となり X 軸 方 向 へ 伝 播 する 波 動 f cos( X ω) が 得 られる この 結 果 から 時 間 の 経 過 と 共 に 位 相 X ω が 一 定 値 であるような 位 置 X は 速 度 ω で X 軸 上 を 移 動 していく 視 覚 的 には 一 定 の 位 相 値 を 与 える 直 線 は X 軸 方 向 へ あるいは 別 の 言 い 方 をすれば 方 向 へ 速 度 ω で 移 動 することになり ベクトルは 波 動 の 伝 播 方 向 を 与 えることがわかる 結 局 f ( cos r ω) の 形 の 次 元 波 動 (これを 調 和 波 あるいはハーモニックウエーブ armonic Wave という)は 次 元 波 動 f cos( X ω) X に 帰 着 するので 次 元 波 動 での 結 λ r r 一 定 の 平 面 : ベクトルに 垂 直 図.4 平 面 波 の 波 面 と 波 動 伝 播 方 向

論 ; 波 数 波 長 周 期 振 動 数 および 角 振 動 数 などの 関 係 がそのまま 使 える 平 面 を 伝 播 する 調 和 波 は 結 局 次 元 を 伝 播 する 調 和 波 として 表 せることを 示 したが 3 次 元 空 間 を 伝 播 する 調 和 波 も 同 様 に 次 元 波 動 として 表 せ 波 動 の 伝 播 方 向 を 与 える ベ クトルも 3 次 元 ベクトルとなる また ベクトルに 垂 直 な 平 面 では 位 相 が 一 定 であり これを 等 位 相 面 と 呼 ぶ したがってこの 波 ( 三 次 元 調 和 波 )は 平 面 波 ということになる ところで ( r ω) div および div の 法 則 に epi および ( ) epi r ω を 適 用 すれば 例 えば ( ) div i i より (.7) が 得 られ 波 数 ベクトルと 電 場 ベクトルは 常 に 垂 直 であることが 示 される つまり 平 面 波 の 場 合 電 場 ベクトルは 波 の 進 行 方 向 と 垂 直 である また ro の の 各 成 分 はそれぞれ ( ) ep ( ω ) i i ( ) ep ( r ω ) i i r i( ) i( r ω) ep B であるのでこれは ro i と 表 せる ここで iωb iωμ B 電 磁 誘 導 の 式 ro μ iμω に代 入 すれば であることを μω ε あるいは ˆ (.8) μ となる ここで ˆ は 波 数 ベクトル 方 向 の 単 位 ベクトルをあらわす この 結 果 より 電 場 と 磁 場 は 互 いに 直 交 していて 両 者 とも 波 数 ベクトルに 垂 直 であ 電 場 と 磁 場 は 独 立 では ないことも 確 認 できる (.8) 式 から 電 場 と 磁 場 の 大 きさの 関 係 として ε μ が 求 まる.6 位 相 速 度 と 群 速 度 次 元 波 動 についていくつか 追 加 的 な 特 性 を 検 討 する 軸 方 向 へ 伝 播 する 光 波 で まず とω が 少 しずつ 異 なる 波 動 を 重 ね 合 わせてみる ( ω ) cos( ω ) cos( Δ Δω) ( ω) cos cos (.9)

ここで ω ω Δ Δω ω ω および ω (.3) であるが と および ω と ω がそれぞれ 近 い 値 であれば および ω ω ω である 電 場 の 一 つの 成 分 についてこの 波 形 を 図 示 したものが 下 図 である vg v p 図.5 位 相 速 度 と 群 速 度 上 記 の 波 動 を 重 ね 合 わせた 式 を 見 ると 波 数 が および 角 周 波 数 がω で 伝 播 する 波 cos( ω) の 振 幅 が cos( Δ Δω) の 形 で 座 標 と 時 間 に 依 存 して 変 化 することがわ かる 時 間 を 固 定 して 波 動 場 を 見 たのが 上 図 である 上 図 の 波 動 パターンが 軸 の 正 方 向 へ 移 動 していく ここで 高 い 周 波 数 で振 動 している 波 あるいは 上 図 で 波 長 の 短 い 波 を 搬 送 波 と 呼 ぶことがある ここで 波 長 の 長 いうねりのような 波 の 伝 播 速 度 と 搬 送 波 の 伝 播 速 度 は 等 しいとは 限 らない むしろ 等 しくない 場 合 のほうが 多 い この 種 類 の 伝 播 速 度 について 考 えてみる 搬 送 波 の 山 あるいは 谷 が 伝 わっていく 速 度 を この 波 動 場 の 位 相 速 度 と 呼 び v で 表 す 波 動 場 の 式 から 明 らかに p v p ω (.3) である また うねりが 伝 わる 速 度 を この 波 動 場 の 群 速 度 と 呼 び v g であらわす 上 式 から v g Δω であるが つの 波 の 波 数 と 角 周 波 数 が 非 常 に 近 接 しているとして 通 常 Δ dω v g (.3) d とする 波 動 場 は 通 常 異 なる 波 数 と 周 波 数 の 多 くの 波 を 重 ねて 表 わされ もっと 複 雑 な 形 をしているが とりあえず 種 類 の 波 動 の 重 ね 合 わせたものについて 考 察 を 進 める とω の 関 係 は εμω であった したがって v p ω εμ となる これは いま まで 波 動 が 伝 わる 速 度 と 呼 んでいたもので それは 位 相 速 度 のことである ところで 光 を 通 す 物 質 では 磁 気 透 磁 率 μ は 真 空 の 値 μ とほぼ 同 じ 値 であるが 誘 電 率 ε は 真 空 の 値 と 3

は 大 きく 異 なり しかも 光 の 角 周 波 数 ω に 依 存 する とすれば 位 相 速 度 は 角 周 波 数 に( 光 の 色 に) 依 存 するという 結 論 を 得 る 位 相 速 度 を 身 近 な 屈 折 率 で 表 そう 屈 折 率 n は( 真 空 中 での 光 速 )/( 物 質 中 での 光 速 )であるから c n v εμ ε μ ε μ r r ε r (.33) である 比 誘 電 率 は 光 の 周 波 数 に 依 存 しているので 屈 折 率 は 比 誘 電 率 の 平 方 根 で 与 えら れ 光 の 周 波 数 に 依 存 している 屈 折 率 が 光 の 周 波 数 に 依 存 する 現 象 を 光 の 分 散 という εμ n 屈 折 率 を 使 って εμω εμω ω と 表 せるので 位 相 速 度 は c εμ となり 真 空 中 での n 倍 になる n 同 様 に 群 速 度 を 求 めよう c v dn であり dω g dω d d dω c v p ω (.34) n n c であれば v ω p v g であることを 使 って c n v p ω dn ω dn ω dn c dω n dω n dω (.35) である 通 常 の 透 明 媒 質 では 可 視 光 の 周 波 数 領 域 で dn は > つまり 周 波 数 が 大 きいほど 屈 折 率 が 大 きい あるいは 別 の 言 い 方 では 波 長 dω が 短 くなると 屈 折 率 が 大 きい 場 合 では v > v p g であり 搬 送 波 が 振 幅 変 調 波 より 速 くすすむ dn このような 分 散 を 正 常 分 散 とよぶ また もし < であれば 異 常 分 散 と 呼 び 具 体 的 に は 光 の 吸 収 スペクトル 線 の 近 傍 で 光 の 角 周 波 数 が 吸 収 周 波 数 より 小 さい 場 合 は 正 常 分 散 で 吸 収 周 波 数 より 大 きい 周 波 数 では 異 常 分 散 となる 位 相 速 度 と 同 様 に 群 速 度 も 光 の 角 周 波 数 あるいは 波 長 に 依 存 する 分 散 により パルス 状 の 光 が 物 質 を 通 る 際 にパルス の 進 む 速 度 が 搬 送 波 の 波 長 で 違 ってくる したがって 例 えば 赤 い 波 長 のパルスは 青 い 波 長 のパルスより 速 く 進 むという 現 象 が 生 じる このように 群 速 度 が 光 周 波 数 で 異 なる 現 象 を 群 速 度 分 散 といい パルスの 到 達 時 間 が 光 周 波 数 で 異 なることを 群 遅 延 分 散 という 近 年 非 常 に 短 いパルス(パルス 時 間 幅 が -3 フェムト 秒 )の 利 用 が 盛 んになってき たが これ 程 に 短 いパルスでは 波 長 が 8nmと 4nmのパルスを 厚 さ cm 程 度 のガラス dω 4

に 同 時 に 入 射 すると 出 てくるときは 重 ならなくなる 赤 いパルスが m 伝 播 する 間 に 青 いパルスは 約 4m 遅 れる 屈 折 率 が 波 長 に 依 存 することを 示 す 表 式 は 石 英 ガラスについては:. 696663.47944.8974794 n (.36) λ λ λ3 λ λ λ が 良 く 用 いられる これをセル マイヤーの 公 式 と 呼 ぶ これを 用 いた 屈 折 率 の 計 算 例 を 下 図 に 示 す ここで 用 いられたパラメータを 図 の 横 に 示 した n.54.5.5.48.46 4 6 8 7 m ( ) 図.6 屈 折 率 の 波 長 依 存 性 ( 分 散 曲 線 ) λ λ.68443 λ.644 λ 9.8966 3-6 -6-6 この 屈 折 率 曲 線 から 位 相 速 度 と 群 速 度 および m の 石 英 を 伝 播 するのに 要 する 時 間 を 波 長 の 関 数 として 下 図 に 示 す 光 速 (m/s) 8..9.8 位 相 速 度 群 速 度.7.6 4 6 8 7 λ mの 伝 達 時 間 (s) 6 6 5.8 5.6 5.4 5. 位 相 遅 延 群 遅 延 5 4 6 8 7 λ 図.7 位 相 速 度 と 群 速 度 の 波 長 依 存 性.7 光 の 強 度 とエネルギー 密 度 ところで 平 面 波 の 電 場 cos( ω) および 磁 場 5

ε cos s μ ( ω) cos( ω) について ε ( μ ) ε ( ) u ( cos ω ) (3.37) は 空 間 に 分 布 する 電 磁 場 のエネルギー 密 度 を 与 える また ε μ S s ( cos( ω) ) (3.38) はポインティングベクトルであり 単 位 面 積 を 単 位 時 間 に 流 れる 光 のエネルギーを 与 える つまりパワー 密 度 のことであり 光 の 強 度 のことである ところで これらの 量 は 表 式 が 示 すように 時 間 的 にも 空 間 的 にも 激 しく 振 動 している 波 の 振 幅 が 最 大 のところでは 電 場 および 磁 場 の 値 が 最 大 になるので この 位 置 ではエネル ギー 密 度 が 最 も 大 きい このエネルギー 密 度 の 分 布 が 光 速 で 移 動 していくわけであるが エネルギーの 計 測 器 はこのような 速 さには 追 従 しない したがって 光 を 相 手 にする 場 合 は 光 波 の 一 振 動 周 期 で 平 均 したものを 用 いる つまり 上 式 を 一 周 期 T π ω で 時 間 平 均 し u T T T ud S T Sd (.39) でそれぞれ 周 期 平 均 されたエネルギー 密 度 とポインティングベクトルを 与 えると S sˆ u uv (.4) εμ が 得 られる ここで ŝ はポインティングベクトルの 方 向 への 単 位 ベクトルである つまり ポインティングベクトルとはエネルギー 密 度 に 光 の 速 度 を 掛 けたものであり たしかにエ ネルギーの 流 れを 与 えるものである 一 周 期 で 平 均 したエネルギー 密 度 の 考 え 方 を 種 類 の 波 を 重 ね 合 わせた 場 合 に 適 用 して みる このとき 波 動 場 は 搬 送 波 に 振 幅 変 調 を 載 せた 波 となった これは 光 の 場 合 に 適 用 すると 光 が 強 くなったり 弱 くなったりする 現 象 として 現 れる つまり 光 のうなりを 見 ることになる 具 体 的 に この 現 象 を 見 せるものとしてはレーザーを 用 いたモード 同 期 という 手 法 がある この 場 合 種 類 の 波 ではなく 何 という 波 を 重 ね 合 わせることに よりスパイク 状 の 光 パルス 列 を 得 ることが 出 来 る さてここで 種 類 の 波 動 を 重 ね 合 わせると 電 場 は cos ( Δ Δω) cos( ω) の 形 の 波 動 となった したがって 電 場 のエネルギー 密 度 は cos 4 ( Δ Δω ) cos ( ω) ( cos ( Δ Δω) ) ( cos ( ω) ) 6

- - - - の 形 をしている これを 搬 送 波 の 周 期 で 時 間 平 均 すると Δω << ω なので 積 分 の 際 に Δω はほとんど 変 化 しないので 最 初 のコサインの 項 は 積 分 記 号 の 外 に 出 せ 結 局 cos 4 ( Δ Δω ) cos ( ω) ( cos ( Δ Δω) ) となる これは エネルギー 密 度 は 空 間 的 に 周 期 的 に 分 布 し 唸 りの 波 長 の 半 分 で 空 間 的 に 繰 り 返 したものになっている その 周 期 的 な 分 布 パターンが 速 度 Δω Δ で つまり 群 速 度 で 移 動 することを 示 す これは 目 に 見 える 現 象 としては うなりによる 波 のかたまり が あるいは 光 のパルスの 列 がエネルギーを 運 んで 飛 んでいくことを 意 味 する 群 速 度 は このパルスの 飛 ぶ 速 度 であり エネルギー 伝 播 の 速 度 と 呼 ばれるわけである この 結 論 は 光 のみならず 流 体 を 伝 わる 波 動 でも あいは 波 動 現 象 一 般 に 共 通 のことである.8 光 の 偏 光 次 に 電 場 の 成 分 と 成 分 で 振 動 の 位 相 がずれている 場 合 の 電 気 ベクトルの 動 きを 見 てみよう cos( ω) cos( ω ) および δ (.4) で δ < の 場 合 のそれぞれの 成 分 が 変 化 する 様 子 を 下 図 に 示 した δ < 図.8 光 の 偏 光 電 場 ベクトルの 動 きを 空 間 の 固 定 点 で 観 測 した 場 合 と 時 間 を 固 定 して 光 の 進 行 方 向 へ 進 むときに 見 える 場 合 について 下 図 に 示 す 7

空 間 に 固 定 された 位 置 で 時 間 とともに 変 化 するベクトル 図.9 楕 円 偏 光 の 電 場 ベクトルの 動 き 時 間 を 止 め 方 向 へ 観 測 点 を 進 めるとき のベクトルの 変 化 このように 電 場 ベクトルの 動 きは 楕 円 に 沿 ったものになり これを 楕 円 偏 光 と 呼 ぶ δ の 値 に 応 じて 電 場 ベクトルの 動 きが 変 わる X を 固 定 し 光 線 の 進 行 方 向 を 眺 めて 観 測 する 場 合 の 電 場 ベクトルの 動 きを 下 図 に 示 す 図. 様 々な 偏 光 状 態 での 電 気 ベクトルの 動 き 8