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Transcription:

5. 4 豊 かな 低 炭 素 社 会 のための 都 市 像 と 地 方 都 市 のリデザイン 5. 4. 1 はじめに-コンパクトシティへの 定 着 と 課 題 - コンパクトシティとは 高 度 成 長 期 を 通 じて 郊 外 に 拡 散 してきた 都 市 のあり 方 を 改 め 都 市 の 諸 機 能 を 集 約 することで 環 境 や 人 に 負 荷 をかけず 公 共 投 資 の 無 駄 を 省 くことを 可 能 にすると いう 都 市 設 計 の 考 え 方 である 低 炭 素 社 会 超 高 齢 社 会 という 二 大 課 題 に 適 した 都 市 像 として コンパクトシティは 有 望 な 選 択 肢 の 一 つと 考 えられ ほぼ 同 義 の 集 約 的 都 市 構 造 という 言 葉 が 2008 年 7 月 に 閣 議 決 定 さ れた 国 土 形 成 計 画 ( 全 国 計 画 ) の 中 に 今 後 目 指 していくべき 都 市 構 造 の 基 本 と 位 置 付 け られるまでに 至 っている しかし コンパクトシティの 議 論 には 地 方 都 市 には 難 しいのではないか 周 辺 地 域 農 村 を 切 り 捨 てることにならないか といった いくつかの 疑 問 がつきまとう 1)2) そこで LCS では 5.4.2 低 炭 素 の 視 点 から 見 た 都 市 の 姿 で 都 市 の 現 状 を 分 析 し 5.4.3 地 方 都 市 のリデザインの 実 践 的 な 取 組 を 通 じて で 実 践 事 例 を 個 別 に 検 証 した こ れらの 結 果 から 見 えてきた コンパクトシティの 実 現 にあたっての 課 題 と 方 向 性 を 5.4.4 低 炭 素 社 会 構 築 に 向 けた 地 方 都 市 のリデザインの 課 題 と 方 向 性 に 示 す この 結 果 都 市 の 性 質 を 十 分 に 把 握 したうえで 現 在 既 に 機 能 している 地 域 内 循 環 型 の 社 会 シ ステムを 現 在 や 将 来 に 見 合 った 形 にリデザインし 中 心 部 と 郊 外 の それぞれの 強 みとなる 機 能 を 強 化 し 都 市 における 中 心 部 と 郊 外 の 連 携 を 進 めていくことで 持 続 可 能 な 都 市 構 造 を 維 持 していくため の 活 力 を 備 えた 地 方 都 市 圏 の 形 成 は 十 分 に 可 能 であることが 示 され た( 図 5.4-1) また 実 践 例 を 通 じて 学 ぶこと 集 約 都 市 の 中 心 部 市 街 地 郊 外 農 村 部 循 環 集 約 都 市 の 中 心 部 市 街 地 郊 外 農 村 部 連 携 ができた 課 題 と 今 後 の 方 向 性 につ いては 地 方 都 市 におけるコンパ コンパクトシティ Compact City インタラクティブシティ Interactive City クトシティの 実 現 と 低 炭 素 化 の 取 図 5.4-1 持 続 可 能 な 都 市 構 造 のイメージ 組 の 一 助 となるはずである 5. 4. 2 低 炭 素 の 視 点 から 見 た 都 市 の 姿 低 炭 素 化 のための 都 市 のリデザインを 進 めるためには 現 在 の 我 が 国 の 都 市 が 低 炭 素 化 の 視 点 から 見 てどのような 姿 をしているのかを 把 握 しておく 必 要 がある 本 来 都 市 は 規 模 特 性 成 り 立 ちなどにより 実 に 多 様 である LCS では 以 下 のように 都 市 は3 類 型 都 市 の 特 性 を 把 握 す るための 指 標 は6つに 絞 って 検 討 した すなわち 地 方 中 核 都 市 ( 人 口 30 万 人 以 上 ) 地 方 中 小 都 市 ( 人 口 5~ 10 万 人 ) 大 都 市 地 域 の 連 担 都 市 ( 郊 外 接 続 型 の 鉄 道 沿 線 )の3つの 類 型 をベン チマークとして 提 示 する( 図 5.4-2) 現 実 の 都 市 は これら3 類 型 との 比 較 のなかで 相 対 的 な 位 置 を 確 認 することができると 考 えるからである 地 方 中 核 都 市 は 政 令 指 定 都 市 を 除 く 全 国 の 人 口 30 万 人 以 上 の 都 市 の 平 均 像 である 地 方 中 小 都 市 は 全 国 の 人 口 5 万 ~ 10 万 人 の 都 市 の 平 均 像 であり 自 治 体 数 全 体 の 34%を 占 める 都 市 の 特 徴 を 示 すパラメータもまた 多 岐 にわたるが LCS では 特 に 都 市 の 低 炭 素 化 と 密 接 な 関 係 のある6つのパラメータ すなわちコンパクト 化 の 指 標 ( 人 口 集 中 地 区 (DID A) ) 内 の 人 口 比 面 積 比 ) 産 業 活 動 の 指 標 ( 商 品 ) 交 通 関 係 の 指 標 ( 自 動 車 保 有 台 数 )である LCS では 以 上 の 類 型 と 指 標 を 用 いて4つの 都 市 について 検 討 を 行 った 大 都 市 地 域 の 連 担 都 市 は つくばエクスプレス(TX)の 沿 線 都 市 を 比 較 例 として 取 り 上 げた 東 京 都 内 は 除 き 千 葉 埼 玉 エリアと 茨 城 エリアに 分 割 している グラフの 見 方 としては 右 上 の 二 つが 突 出 していれば コンパクト 化 が 進 んでおり 左 下 の 商 品 が 突 出 していれば 都 市 内 での 活 動 の 完 結 性 が 高 いという 傾 向 が 把 握 できる 97

地 方 中 核 都 市 ( 平 均 40.7 万 人 ) 地 方 中 小 都 市 ( 平 均 6.8 万 人 ) 1 人 1 当 人 たり 当 たり 自 自 動 車 動 1 人 1 当 人 たり 当 たり 自 自 動 車 動 大 都 市 地 域 の 連 担 都 市 TX 千 葉 埼 玉 ( 平 均 73.7 万 人 ) TX 茨 城 ( 平 均 29.4 万 人 ) 1 人 1 当 人 たり 当 たり 自 動 自 車 動 1 人 1 当 人 たり 当 たり 自 自 動 動 車 図 5.4-2 地 方 都 市 の3つの 類 型 4つのグラフを 見 ると 地 方 中 核 都 市 は コンパクト 化 が 相 当 程 度 進 んでおり 活 動 の 都 市 内 での 完 結 性 が 高 い 一 方 で 地 方 中 小 都 市 は ごく 限 られたエリアに 都 市 集 約 が 見 られるが 自 動 車 依 存 が 高 く 都 市 外 での 活 動 も 多 い 大 都 市 郊 外 では 千 葉 埼 玉 エリアは 地 方 中 核 都 市 よ りも 更 にコンパクト 化 程 度 が 高 いが 都 市 の 完 結 性 は 相 対 的 に 低 く 公 共 交 通 機 関 を 活 用 して 他 都 市 との 連 携 が 行 われている 一 方 茨 城 エリアでは 大 都 市 圏 であっても 地 方 中 小 都 市 と 同 じく 自 動 車 依 存 度 が 高 く コンパクト 性 完 結 性 は 低 い なお の 大 きさが 目 立 っている いずれの 都 市 も 都 市 内 に 一 定 程 度 の 耕 地 面 積 を 抱 えている このように 低 炭 素 化 の 視 点 から 見 て 都 市 は 多 様 であり コンパクトシティへの 転 換 の 容 易 さ の 程 度 にも 大 きな 違 いがあることが 分 かる 中 心 性 を 持 つ 都 市 は 既 にコンパクトであり 小 さな 都 市 は 全 体 としてコンパクトから 大 きく 離 れている 低 炭 素 化 を 進 めるにあたっての 前 提 となる 都 市 構 造 が 大 きく 異 なることに 留 意 すべきである 一 方 で 都 市 間 で 類 似 性 や 傾 向 が 見 出 せる 側 面 もまた 存 在 する たとえば 大 都 市 の 郊 外 とつな がる 鉄 道 沿 線 では 都 心 との 距 離 により 地 方 中 核 都 市 や 地 方 中 小 都 市 との 類 似 性 を 持 つ 大 都 市 の 鉄 道 沿 線 の 連 担 都 市 における 低 炭 素 化 の 経 験 を 地 方 における 中 核 都 市 と 中 小 都 市 との 連 携 に 活 かすことができる 可 能 性 を 示 唆 している こうした 相 対 的 な 検 討 のなかで 忘 れてはならないのが 絶 対 数 の 把 握 である コンパクト 化 が 進 んでいても 地 方 中 核 都 市 の 人 口 の 23%(1 都 市 当 たり8 万 人 程 度 に 相 当 ) 地 方 中 小 都 市 の 人 口 の 60%が 郊 外 に 住 む これらの 中 に 高 度 成 長 期 につくられた 郊 外 型 の 新 住 宅 地 ニュー タウンがある これらのエリアは 一 斉 に 高 齢 化 を 迎 えている 都 市 の 縮 退 を 図 るなかで 郊 外 住 宅 地 の 再 自 然 化 を 進 める 考 え 方 もあるが 相 当 数 の 郊 外 居 住 者 を 念 頭 に 置 くとき 容 易 なことで はない 98

5. 4. 3 地 方 都 市 のリデザインの 実 践 的 な 取 組 を 通 じて (1) 概 説 都 市 のリデザインは 必 ずしもハードな 都 市 施 設 をデザインし 直 すことではない 社 会 が 人 口 減 少 期 に 入 るなか 無 駄 な 投 資 をしないという 意 味 での 拡 散 志 向 からの 転 換 は 逆 らい 難 い 時 代 の 趨 勢 である しかし ハードな 施 設 を 再 び 都 市 の 中 心 部 につくり 直 すことをすぐに 意 味 するもの でもない 5.4.2でみたように 我 が 国 の 都 市 は 既 にコンパクトであるということもできる むしろ 大 切 なのは コンパクトであることを 支 えてきた 地 域 内 循 環 型 の 社 会 システムを 現 在 や 将 来 に 見 合 った 形 にリデザインしていくことである こうしたリデザインを 進 めなければ かつ てコンパクトであった 都 市 の 形 骸 化 した 姿 がさらされることになる ここでは 都 市 を 支 える 社 会 システムを 掘 り 起 こし 現 代 の 環 境 に 見 合 った 形 に 再 生 することを 目 指 した 地 方 都 市 のリデ ザイン の 実 践 的 な 取 組 を 中 心 に 紹 介 する (2) 熊 本 県 荒 尾 市 の 徒 歩 圏 マーケット 熊 本 県 荒 尾 市 は 福 岡 県 との 県 境 に 接 する 人 口 約 6 万 人 の 地 方 中 小 都 市 である 3) 2004 年 から 地 域 の 農 産 物 の 活 用 を 中 心 に 市 民 の 起 業 で 雇 用 創 造 を 行 う 取 組 を まちなか 研 究 室 青 研 を 拠 点 として 推 進 している( 写 真 1) そもそも 青 研 は 商 店 街 店 主 主 婦 失 業 者 などが 意 見 を 交 わし ワイン 焼 酎 酢 海 苔 などの 多 様 な 商 品 を 次 々 に 生 み 出 していったことで 注 目 された だが ここでは 地 域 の 農 家 の 協 力 を 得 て 空 き 店 舗 の 活 用 により 設 置 した 青 研 で 野 菜 などの 生 鮮 食 品 を 販 売 し 大 きな 成 果 を 納 めたこ とに 注 目 したい 青 研 は 日 商 10 万 円 ほどの 売 り 上 げを 確 保 し 同 様 の 店 舗 を 市 内 に 増 やしていくことになる 彼 ら は 中 心 市 街 地 に 高 齢 者 を 中 心 とした 半 径 300 m 程 度 のマー ケットがあることを 発 見 し 徒 歩 圏 マーケット と 呼 んだ 地 方 中 小 都 市 における 従 来 からの 都 市 機 能 の 集 約 を 支 える 社 写 真 1 社 会 システムの 掘 り 起 こ 会 システムを 現 代 的 に 甦 らせた 例 である しで 大 きな 成 果 を 納 めた 青 研 (3) 愛 知 県 豊 川 市 の まち DEN ラボ 愛 知 県 豊 川 市 は 人 口 約 18 万 人 の 中 規 模 都 市 である 4) 企 業 城 下 町 として 栄 え 公 共 施 設 が 集 中 する 諏 訪 地 区 と 豊 川 稲 荷 の 門 前 町 として 栄 えた 豊 川 地 区 の 二 つの 地 区 を 中 核 とする いずれ の 地 区 も 集 客 力 が 低 下 し 低 迷 期 を 迎 えるなか 諏 訪 地 区 は 1989 年 にオープンした 再 開 発 商 業 施 設 を 核 に 活 力 を 取 り 戻 したが 近 年 の 小 売 業 低 迷 の 例 にもれ ず 再 び 困 難 に 面 している そこで 諏 訪 地 区 の 活 性 化 のために 2010 年 から 市 民 参 加 型 の まちなか 交 流 拠 点 まち DEN ラボ を 設 置 した ラボ では 諏 訪 地 区 を 豊 川 市 全 体 の 核 として 位 置 付 けた 都 市 マス タープランをベースに 諏 訪 地 区 の 商 業 機 能 と 郊 外 の 農 業 や 工 業 による 付 加 価 値 生 産 機 能 とを 結 び 付 け 全 市 的 な 活 性 化 を 目 指 している 活 動 開 始 から 日 が 浅 いが ラボでの 野 菜 販 売 は 荒 尾 の 例 と 同 様 に 好 評 を 得 ており 市 内 の 飲 料 メーカー と 共 同 で 開 発 したお 茶 のペットボトル 販 売 などの 実 績 を 上 げて いる( 写 真 2) ペットボトルの 納 入 額 の 一 部 がメーカーから 写 真 2 収 益 の 一 部 をまちづくり ラボのまちづくり 資 金 に 還 元 されていることが 特 徴 的 である 資 金 に 還 元 する まち DEN ラボ (4) 三 重 県 四 日 市 市 の 観 光 戦 略 と 定 期 市 の 活 用 三 重 県 四 日 市 市 は 人 口 約 30 万 人 の 地 方 中 核 都 市 である 戦 後 石 油 コンビナートを 主 体 とす る 工 業 都 市 として 発 展 し 深 刻 な 公 害 問 題 に 直 面 したが 環 境 改 善 の 努 力 が 実 を 結 んでいる 最 近 では コンビナートの 夜 景 が 評 判 となり 観 光 振 興 に 力 を 入 れ 始 め 2011 年 には 四 日 市 市 観 光 戦 略 5) を 取 りまとめた 観 光 戦 略 では 工 場 都 市 として 発 展 する 一 方 で 野 菜 やお 茶 の 栽 培 など の 農 業 が 盛 んであり 陶 器 やうちわの 生 産 などの 伝 統 工 芸 も 維 持 されていることから これらの 99

地 域 資 源 を 市 民 や 観 光 客 にアピールするための 拠 点 を 中 心 市 街 地 に 設 けることを 提 案 している また 市 名 の 由 来 となった 定 期 市 が 現 在 も 市 内 各 所 で 維 持 さ れていることに 着 目 し 定 期 市 の 存 続 を 支 援 しつつ 観 光 資 源 として 活 用 することを 提 案 している 定 期 市 は 市 内 の 農 林 水 産 物 の 生 産 者 と 出 店 する 商 業 者 との 連 携 が 古 くから 維 持 されて いる 社 会 システムである( 写 真 3) 大 規 模 な 流 通 システムと 結 び 付 いた 小 売 業 が 一 般 的 となるなかで 貴 重 な 仕 組 みといえ る しかし 出 店 者 が 高 齢 化 しながらも 固 定 化 され 新 規 参 入 が 進 まない 現 状 があり 今 後 のシステムの 維 持 が 懸 念 される 食 の 安 全 や 地 産 地 消 への 意 識 の 高 まりや 観 光 資 源 としての 活 用 を 契 機 に 新 規 参 入 を 促 進 する 新 たなシステムへの 転 換 が 望 ま れる 古 くからコンパクト 化 が 進 んでいる 地 域 中 核 都 市 におけ 写 真 3 地 元 農 産 物 等 を 求 めて る 社 会 システムの 再 生 の 例 として 注 目 される にぎわう 四 日 市 市 の 定 期 市 5. 4. 4 低 炭 素 社 会 構 築 に 向 けた 地 方 都 市 のリデザインの 課 題 と 方 向 性 (1) 低 炭 素 型 コミュニティの 拠 点 形 成 と 運 営 主 体 の 確 立 5.4.3では 持 続 可 能 な 都 市 構 造 を 支 える 社 会 システムを 現 代 の 環 境 に 見 合 った 形 に 再 生 す る 地 方 都 市 のリデザインの 実 践 例 を 見 た ここでは これらの 実 践 例 を 通 じて 学 ぶことができた 課 題 と 今 後 の 方 向 性 について 記 し 地 方 都 市 における 低 炭 素 化 の 取 組 の 一 助 となることを 期 する コンパクトシティへの 志 向 の 下 都 市 機 能 が 集 約 化 される 都 市 の 中 心 部 が 機 能 するためには 中 心 部 と 郊 外 農 村 部 をつなぐ 拠 点 の 形 成 とその 自 律 的 な 運 営 体 制 の 確 立 が 不 可 欠 である 地 域 コミュニティが 高 齢 化 するも 拠 点 の 担 い 手 として 期 待 されるのは 高 齢 者 自 身 である そ の 高 齢 者 の 活 動 を 支 えるためには 産 直 の 農 林 水 産 資 源 や 加 工 品 の 販 売 による 経 営 基 盤 の 確 立 や 都 心 居 住 しつつも 郊 外 の 農 業 生 産 に 積 極 的 に 参 加 できるよう 交 通 手 段 の 整 備 などを 進 め CO 2 吸 収 源 対 策 の 効 果 もある 地 域 の 緑 を 増 やす 高 齢 者 の 活 動 を 地 域 経 営 の 核 に 据 えていく グリー ンマネジメント ともいうべき 体 制 の 整 備 が 望 まれる( 図 5.4-3) さらに 地 域 拠 点 の 運 営 体 制 の 安 定 化 のためには 経 営 資 源 の 多 角 化 が 必 要 である 多 様 な 経 験 を 持 つ 高 齢 者 の 人 材 派 遣 見 守 り 買 物 支 援 等 の 生 活 支 援 サービスの 提 供 の 他 スマートコミュ ニティの 形 成 が 進 む 将 来 は コミュニティ 単 位 でのエネルギーの 発 電 蓄 電 売 電 などのマネジ メント 機 能 を 担 っていくことも 考 えられる こうした 観 点 での 実 証 的 な 取 組 が 期 待 される なお 紹 介 した 実 践 例 は 既 成 市 街 地 のものであったが ニュータウン 再 生 にあたっても 同 様 の 考 え 方 を 適 用 することが 可 能 である (2) 中 心 部 と 郊 外 の 各 々の 機 能 強 化 とサポートの 充 実 都 市 における 中 心 部 と 郊 外 の 連 携 を 進 めていくためには 中 心 部 と 郊 外 のそれぞれの 強 みとな る 機 能 を 強 化 していく 必 要 がある 中 心 部 の 強 みは 消 費 者 ニーズへの 敏 感 な 対 応 力 である 郊 外 農 村 部 の 強 みは 付 加 価 値 の 創 造 力 である 両 者 が 結 び 付 いて 初 めて 持 続 可 能 な 都 市 構 造 を 維 持 していくための 活 力 が 生 まれる しかし 個 々の 地 方 都 市 において 的 確 に 消 費 者 ニーズに 反 応 するための 情 報 の 受 発 信 や 双 方 向 的 なコミュニケーションを 維 持 していくこと また 生 産 者 が 消 費 者 ニーズに 応 えられる 品 質 管 理 能 力 や 技 術 力 を 獲 得 することは 難 しい これらを 的 確 に 支 える 柔 軟 性 を 持 った 情 報 産 業 や 大 学 研 究 機 関 によるサポートを 地 域 が 容 易 に 享 受 できるよう にすることが 望 まれる (3)ダイナミズムを 生 み 出 す 広 域 的 な 連 携 の 構 築 さらに 各 都 市 が 個 性 を 発 揮 しつつ 役 割 分 担 の 下 で 連 携 する 地 方 都 市 圏 の 形 成 が 望 まれる 広 域 観 光 や 農 商 工 連 携 などの 取 組 は 現 実 性 が 高 い この 際 大 都 市 の 鉄 道 沿 線 での 都 市 間 連 携 の 取 組 を 地 方 都 市 の 都 市 間 連 携 に 応 用 していくことも 検 討 に 値 する たとえば つくばエクスプレ ス 沿 線 における 秋 葉 原 柏 の 葉 つくば 等 の 諸 都 市 の 連 携 により 各 都 市 が 情 報 発 信 研 究 開 発 などのそれぞれの 強 みを 活 かして 産 業 創 出 や 技 術 開 発 を 進 めていることが 参 考 になる 6) 大 都 市 で 効 率 的 に 蓄 積 された 知 識 や 人 材 などの 資 源 を 地 方 都 市 が 比 較 的 少 ない 負 担 で 活 用 できるよう にすることも 明 るく 豊 かな 低 炭 素 社 会 の 構 造 にとって 効 果 的 である( 図 5.4-4) 100

低炭素型の経済社会活動の創出 フードマイレージの減少 フ ドマイレ ジの減少 CO2吸収源対策 収益 地域経済 好循環 の好循環 収穫 グリーンマネジメント グリ ンマネジメント 地産地消の拠点 空き店舗活用 高齢者等人材バンク 経験を活かした農商工連携 地域の情報発信 郊外への移動手段の提供 郊 移動 提供 休耕地の活用 農業の担い手育成 体験農業等のツーリズム 植物病害対策の推進 街路樹等の管理 アドプト 企画 運営 担い手 高齢者を主体とした グリーンマネジメント 組織の創出 超高齢化の進展 中心市街地の疲弊 郊外の荒廃 耕作放棄地 図5.4-3 高齢者を主体としたの中心部と郊外を結ぶグリーンマネジメントの展開 ネットワーク化された地方圏 医療 重点 東京圏からの スピルオーバー効果 知識 技術 人材 設備等 研究 重点 農村 歴史 観光 中心市 教育 重点 漁村 地域特性を活かして自律的な付加価値創造 を行う地方圏 アジア 世界の中心都 市圏として 先導的 集 中的な投資により価値 創造を続ける東京圏 地方圏の価値 創造の消費地 としての東京圏 地方圏が独自にアジア 世界との交流を推進 図5.4-4 低炭素社会に向けた国土全体としての広域連携 101

文 献 1) 鈴 木 浩, 日 本 版 コンパクトシティ, 学 陽 書 房,pp.183-188,196-203, 2007. 2) 海 道 清 信,コンパクトシティ, 学 芸 出 版 社,p.178, 2001. 3) 服 部 敦,こだわりをつなぐと 地 域 が 元 気 になる 熊 本 荒 尾 編 三 重 四 日 市 編,meeting business, No.20, 2007. 4) 服 部 敦, 岡 本 肇, 地 方 都 市 における 中 心 と 郊 外 を 結 ぶ 拠 点 の 形 成 に 関 する 考 察 - 豊 川 市 諏 訪 地 区 における まち DEN ラボ の 実 践 例 を 通 じて-, 日 本 都 市 計 画 学 会 中 部 支 部 研 究 発 表 会 論 文 報 告 集,2011. 5) 四 日 市 市 観 光 戦 略 会 議, 四 日 市 市 観 光 戦 略,2011. 6) 前 田 英 寿,アーバンデザインセンターに 関 する 経 験 的 考 察 - 柏 の 葉 アーバンデザインセン ターの3 年 -, 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集 75(655), pp.2203-2212, 2010. 用 語 A)DID 国 勢 調 査 で 用 いる 概 念 で 人 口 集 中 地 区 (Densely Inhabited District)のこと 具 体 的 には 国 勢 調 査 の 調 査 区 を 単 位 として 人 口 密 度 4,000 人 /km 2 以 上 で 5,000 人 以 上 連 なって 人 が 住 んでいる 区 域 を 指 す 102