経 営 学 を 学 ぶ 上 での 準 備 活 動 1. 企 業 活 動 をとらえるには そのための 道 具 を 身 につける 必 要 性 がある (1) 経 営 学 は 効 率 や 効 果 性 の 追 求 とかかわる こうした 性 格 を 持 った 対 象 を 学 ぶ 上 では 学 ぶ 側 も 効 率 的 に 学 ばないという 手 はない (2) 物 事 全 般 とくに 企 業 活 動 を 的 確 にとらえるには そのための 道 具 が 必 要 になる 企 業 活 動 について 効 率 的 に 学 ぶには 道 具 が 必 要 になる こうした 道 具 とは 思 考 上 の 道 具 のことを 指 す なお これらは 通 例 図 式 的 ないし 図 解 的 なかたちで 表 現 されるこ とが 多 い (3) 道 具 を 使 うことで 企 業 活 動 を 改 善 する 筋 道 が 見 えてくる 企 業 活 動 について 分 析 的 に 整 理 する 思 考 上 の 道 具 を 持 つメリットは それにより 企 業 活 動 に 伴 う 問 題 点 や 企 業 が 抱 える 課 題 を 的 確 につかむことができるという 点 にある さらに 問 題 点 や 課 題 が 的 確 に 把 握 できれば それに 応 じた 解 決 策 も 自 ずと 導 けるようになる 2. 経 営 をとらえる 主 要 な 思 考 ツールと 図 解 法 (1) 枠 組 みで 考 える 事 業 の 位 置 決 め 領 域 設 定 にかかる 枠 組 み 3C 分 析 4P 分 析 SWOT 分 析 事 業 ドメインの 定 義 などによる 競 争 状 況 に 即 した 対 応 策 を 考 えるための 枠 組 み 競 争 優 位 をつくる3パターン 競 争 地 位 別 の 戦 略 (2)ハコで 考 える ハコで 考 えるとは 縦 横 2つの 軸 が 交 差 する4つのセルからなるマトリックスをつく り これにより 物 事 を 整 理 していくこと 縦 横 2つの 軸 を 交 差 させ 両 軸 から 見 ていく 点 でいえば マトリックス 分 析 という 名 称 で 呼 ばれるものである 経 営 分 野 における 具 体 的 な 適 用 例 としては 製 品 市 場 分 析 や SWOT 分 析 PPM 分 析 などがある ここでは SWOT 分 析 にマトリックスを 適 用 して 図 解 化 したものを 示 しておこう 1
マトリックス 図 でSWOT 構 造 を 立 体 化 する プラス マイナス 内 部 強 み S 弱 み W 外 部 機 会 O 脅 威 T (3)4 次 元 図 で 考 える 2つの 尺 度 図 を 交 差 させると4 次 元 図 ができる 次 の 戦 略 グループで 図 上 におとす 戦 略 マップ(ポジショニング 図 )など 応 用 範 囲 は 広 い 4つの 次 元 ができるという 点 では ハ コで 考 える(マトリックス 分 析 )とも 共 通 してくる 面 がある 戦 略 マップ(ポジショニング) 図 ブランドイメージ 高 低 高 価 格 低 (4)3 次 元 図 で 考 える 物 事 を 規 定 する3つの 主 要 な 要 素 を 引 き 出 す 図 解 的 には3 軸 が 交 差 する3 次 元 図 (グ ラフ)のかたちで それをあらわす 事 業 ドメインの 定 義 図 や 3C 分 析 マネジメント サイクルをトライアングル 図 にしたものなど 事 業 ドメイン 図 顧 客 ニーズ what 何 を How どうやって 技 術 whom 誰 に 顧 客 層 2
(5) 三 角 形 三 角 錐 で 考 える 物 事 を 基 本 的 に 大 括 りできる 3 つの 要 素 コンセプトにまとめてとらえようとする 見 方 である たとえば もっとも 大 きく 経 営 学 をとらえた 場 合 どのような 問 題 区 分 が 考 えられるか という 例 である ここでは 経 営 における 問 題 を 経 営 目 的 経 営 組 織 経 営 経 済 の3つに 分 ける 経 営 3 問 題 説 が 上 げられる 経 営 3 問 題 説 経 営 目 的 経 営 組 織 経 営 経 済 あるいは ビジネスプランづくりにおいて それを1 事 業 の 基 本 設 計 2 事 業 の 実 施 計 画 3 事 業 の 採 算 性 という3つのレベルから 押 さえていくことである これは3 層 図 解 に するなら 次 のような ビジネスモデル 具 体 化 の3 層 というかたちにしてもよかろう ビジネスモデル 具 体 化 の3 層 ビジネス アイデア ビジネス コンセプト ビジネス モデル 経 営 問 題 の3 層 把 握 は 経 営 戦 略 に 関 しても 適 用 できる すなわち 組 織 レベルや 事 業 プロセスに 応 じて 戦 略 を3つの 次 元 に 分 けてとらえる 見 方 である 具 体 的 には 全 社 的 な 成 長 方 向 成 長 戦 略 を 考 える 全 社 (= 会 社 ) 戦 略 会 社 の 事 業 部 レベルにおける 競 合 対 応 方 策 を 考 える 事 業 戦 略 ないしは 競 争 戦 略 そして 事 業 プロセスの 展 開 に 応 じた 機 能 戦 略 とい う3つに 分 けたとらえ 方 である ここでは サントリーの 場 合 なども 念 頭 に 置 き 戦 略 の 次 元 について3 区 分 して 示 すな らば(ここでは 必 ずしも 三 角 形 的 な 表 示 はとらない) 次 のようになる 戦 略 の3 次 元 全 社 戦 略 企 業 = 会 社 レベルの 戦 略 ( 会 社 戦 略 ) 企 業 レベルでの 基 本 的 な 成 長 方 向 を 示 す EX サントリー 飲 料 に 関 する 総 合 企 業 として 発 展 サントリーは もともとウイスキーを 主 とした 洋 酒 のメーカーであった 3
競 争 戦 略 事 業 部 レベルの 戦 略 ( 事 業 戦 略 ) この 段 階 で 競 合 相 手 との 競 争 が 具 体 的 な 問 題 になる この 意 味 で 事 業 戦 略 は 同 時 に 競 争 戦 略 となる サントリーの 場 合 でいうと ビール 事 業 や 缶 コーヒー 事 業 伊 右 衛 門 な どの 緑 茶 飲 料 事 業 がこれにあたる 機 能 別 戦 略 全 社 に 共 通 する 機 能 面 からとらえた 戦 略 区 分 である たと えば 開 発 調 達 生 産 販 売 営 業 人 事 労 務 財 務 ( 資 金 回 収 ) 会 計 など それぞれに 対 応 した 戦 略 が 考 え られる 事 業 プロセスとの 対 応 性 からいえば この 区 分 に よる 戦 略 が 一 般 にはもっともなじみやすいともいえる (6) 対 比 対 照 などの 二 元 軸 で 考 える 物 事 に 関 して 対 比 対 照 という 二 元 軸 からとらえていく これにより 物 事 が 持 つ 両 面 的 特 性 を 明 らかにしようというものである こうした 二 元 的 対 立 ないし 対 比 対 照 の 軸 と なるものとしては 次 のようなものがある 効 率 効 果 収 益 性 利 他 性 社 会 性 ローコスト ハイ クォリティ ホスピタリティ ス ピ ー ド スローライフ 手 づくり 性 手 づくり 感 覚 原 因 結 果 疑 問 解 答 予 想 実 績 リ ー ダ ー マネジャー (リーダーシップ) (マネジメント) 7)プロセスで 考 える ステップ 分 けで 考 える これは 事 業 を 行 う 上 でのプロセス 毎 に 分 けてそこでの 課 題 を 考 えるということである あるいは 物 事 をなしとげるなり 習 熟 する 段 階 をステップ 分 けしてとらえていくことで ある たとえば ビジネス プロセスは 次 のようになる ビジネス プロセスの 流 れ(バリュー チェーン) 開 発 生 産 販 売 アフター サービス 顧 客 経 営 における 主 機 能 と 副 機 能 という 分 け 方 をこの 図 式 に 重 ね 合 わせるなら 企 業 活 動 に おける 価 値 増 殖 とビジネスプロセスとの 関 係 をみる 価 値 連 鎖 図 になる 4
(8) 比 較 により 考 える 物 事 を 比 較 することは それにより 相 互 にどのように 違 い どのような 特 性 を 持 つか 明 らかになるので 経 営 に 限 らず 一 般 に 適 用 範 囲 は 広 い 方 法 の 一 つである 経 営 に 関 して 比 較 の 方 法 を 用 いるなら そこでは 業 種 別 や 業 界 別 での 相 互 比 較 あるい は 規 模 別 での 相 互 比 較 が 経 営 的 に 意 味 ある 内 容 を 読 みとろうとする 場 合 の 典 型 的 な 方 法 と なる また 財 務 構 造 を 図 解 的 なかたちに 整 理 して それの 比 較 から 相 互 の 特 徴 を 読 みと ることもできる なお 比 較 の 内 容 を 縦 軸 横 軸 にとれば 先 のマトリックス 図 的 なかたちで 比 較 事 項 の 内 容 を 多 数 とることができる (9)パターン 化 標 準 化 様 式 化 書 式 化 の 方 法 を 使 う 経 営 的 な 問 題 の 解 決 を 探 る 上 では 先 行 事 例 や 成 功 事 例 のパターン 化 により 問 題 点 や 解 決 法 の 整 理 をしておくことが 非 常 に 有 力 な 方 法 となる 同 様 に 作 業 処 理 レベルの 仕 事 では 標 準 化 や 様 式 化 あるいは 書 式 化 などの 威 力 がきわめて 大 きい これらの 積 極 的 な 活 用 が 待 たれるところである (10)チェックリストで 考 える 複 雑 でむずかしい 問 題 ほど それを 的 確 にこなすには 簡 単 なチェック 項 目 にしたチェ ックリストでステップ 毎 に 検 証 していく 姿 勢 が 必 要 となる 成 功 する 戦 略 策 定 のチェックリスト 行 くべき 方 向 が 明 示 され 全 社 的 レベルで 明 確 になっているか フォロワーにとって 将 来 像 が 見 える ようになっており また 魅 力 的 なものであるか 明 るい 未 来 が 現 場 で 働 く 第 一 線 の 者 にも 提 示 されているか 方 向 性 や 将 来 像 は 具 体 的 な 目 標 のかたちに 落 とし 込 まれているか 目 標 達 成 に 向 けて 現 場 の 人 間 を 動 機 づけて 常 に 励 ましていく 仕 組 みが 存 在 するか 5
(11)ツリー 展 開 で 考 える ある 問 題 なり 特 定 概 念 の 理 解 を 深 めていくには その 構 成 要 素 の2 段 階 ないし3 段 階 程 度 まで 具 体 化 するのが 有 効 となる これは 図 式 的 には 次 のようなツリー 状 の 展 開 図 に よって 表 示 できる また これは 必 ずしも 経 営 問 題 についてだけでなく 広 く 概 念 的 な 課 題 を 具 体 化 し 整 理 していくのに 有 効 な 方 法 である ツリー 展 開 図 (12)ダイヤグラムで 考 える ダイヤグラム 図 は 物 事 の 因 果 の 連 鎖 を 円 形 またはその 他 の 円 環 的 連 鎖 的 形 状 図 によ り 展 開 表 示 するものである これは 必 ずしも 経 営 問 題 だけでなく 広 く 物 事 の 筋 道 を 明 ら かにする 場 合 に 有 効 であるので ツリー 展 開 図 と 共 に 応 用 範 囲 は 広 い ダイヤグラムで 示 すマーケティングの 実 際 利 益 確 保 ターゲットとする 顧 客 を 定 める 顧 客 の 特 定 化 を 図 る 顧 客 の 居 場 所 を 見 出 す 顧 客 に 近 づく 方 法 を 探 す 顧 客 のニーズが 把 握 できるまで 顧 客 に 近 づき 顧 客 密 着 を 図 る 売 上 増 顧 客 顧 客 がほしくなる 商 品 の 提 供 顧 客 がほしくなる 商 品 をつくる 顧 客 のニーズをつかみ 商 品 コンセプトのかたち にする 顧 客 のニーズを 満 たす 商 品 の 開 発 設 計 6