< 自著紹介 > さんしゃ Zapping Vol.34 No.2( 通巻 194 号 ) 2019 年 9 月 < 産社学会ニューズレター > 編集 発行 : 立命館大学産業社会学会 ( 教員 院生委員会 ) 事務局 : 産業社会学部共同研究室 TEL( 075)

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4.2 リスクリテラシーの修得 と受容との関 ( ) リスクリテラシーと 当該の科学技術に対する基礎知識と共に 科学技術のリスクやベネフィット あるいは受容の判断を適切に行う上で基本的に必要な思考方法を獲得している程度のこと GMOのリスクリテラシーは GMOの技術に関する基礎知識およびGMOのリス

l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

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2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

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問 1-1 現在の成人のつどいの内容等についてどう思いますか?(1 つ選択 ) 11.4% 19.0% 69.6% 現在のままでよい 213 名 分からない 58 名 変更したほうがよい 35 名 問 1-2 成人のつどいに参加又はお子様等が参加したことがありますか?(1 つ選択 ) 45.1% あ

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目次 はじめに 1 Ⅰ. 調査の概要 1 Ⅱ. アンケート調査結果 ( 速報 ) 2 Ⅲ. 基礎集計 8 資料 アンケート調査票 11 アンケート依頼 15

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Ⅲ 調査対象および回答数 調査対象 学校数 有効回答数児童生徒保護者 (4~6 年 ) 12 校 1, 校 1, 校 1,621 1,238 合計 41 校 3,917 ( 有効回答率 96.3%) 3,098 ( 有効回答率 77.7%) Ⅳ 調査の実施時期

総合的な探究の時間 は 何を 何のために学ぶ学習なのか? 総合的な探究の時間 は与えられたテーマから みなさんが自分で 課題 を見つけて調べる学習です 総合的な探究の時間 ( 総合的な学習の時間 ) には教科書がありません だから 自分で調べるべき課題を設定し 自分の力で探究学習 ( 調べ学習 )

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第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

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5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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HからのつながりH J Hでは 欧米 という言葉が二回も出てきた Jではヨーロッパのことが書いてあったので Hにつながる 内開き 外開き 内開きのドアというのが 前の問題になっているから Hで欧米は内に開くと説明しているのに Jで内開きのドアのよさを説明 Hに続いて内開きのドアのよさを説明している

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論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

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2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

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平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加


平成23年9月29日WG後修正

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(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

資料3 平成28年度京都府学力診断テスト 質問紙調査結果 28④ 28中① 27④ 27中① 平成28年度京都府学力診断テスト小学4年質問紙調査結果 平成28年度京都府学力診断テスト中学1年質問紙調査結果 平成27年度京都府学力診断テスト小学4年質問紙調査結果 平成27年度京都府学力診断テスト中学1

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

第213回幹事会資料5別添2-3

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

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表紙(A4)

2/9 ページ 5. 一斉授業より 4 人班等による活動的な授業の方が積極的に参加できている る やや当る あまり当て ら る計 % 14

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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< 自著紹介 > さんしゃ Zapping Vol.34 No.2( 通巻 194 号 ) 2019 年 9 月 < 産社学会ニューズレター > 編集 発行 : 立命館大学産業社会学会 ( 教員 院生委員会 ) 事務局 : 産業社会学部共同研究室 TEL( 075) 465-8186 E-mail: s-kyoken@st.ritsumei.ac.jp http://www.ritsumei.ac.jp/gsss/research/newsletter.html/ 目次 教育から学習への転換 のその先へ Unlearning を焦点に大学教育を構想する サーフィン スケートボード パルクール : ライフスタイルスポーツの文化と政治 景井充 p.2 市井吉興 p.4 発達障害等の子どもの食の困難と発達支援 田部絢子 p.7 < 学外研究報告 > Calexit? 日暮雅夫 p.10 学外研究を終えて石田智巳 p.12 2020 が迫る東京で飯田豊 p.15 < エッセイ > 大学教員の働き方改革とは : 勤務ではない研究 長谷川千春 p.18 1

< 自著紹介 > 景井充 杉野幹人 中村正共著 教育から学習への転換 のその先へ Unlearning を焦点に大学教育を構想する ( 文理閣 ) 景井充 は 私たちの問題意識を記して ご紹介に代えたいと思います さて 上掲のパラダイム チェンジが世界的に大学教育の課題とされる中で 大学における教育を 中等教育とは方法や内容において異質なものとして そしてより有意義なものとして構想し実践するために 新たにいくつかの要素を意図的に組み込む必要があると思われます Unlearning はそのひとつであり得ると 筆者三名は考えているものです 当たり 本書は 2016 年 3 月に開催された大学コンソーシアム京都の FD フォーラムでの分科会報告を一書に仕立てたものです 分科会は 教育から学習へ のパラ 前のことですが 私たちが専門教育を標榜し 専門知を教授しながら しかし学生側が中学生や高校生と同じような勉強の仕方を続けているようでは 大学で ダイム チェンジと FD < の学びとは言えないと思うわけです 成 Unlearning > を焦点に と題し 時代的状況に照らして 学習の転換 こそが今後の大学教育改革における主要テーマとならねばならないこと Unlearning という学習技法は実社会での有用性や大学院での教育実践に照らしてそれに貢献し得ると考えられること 主としてこれら 2 点を提案することが趣旨でした ここで 績優秀者が必ずしも大学レベルの学習者として成熟しているわけでないことは 一般的に そしてわが産社においても 皆さんよくご承知の通りです 加えて 学生たちが 20 歳前後という 人が成長していくうえで重要な時期にある中で 大学は学術的専門知を教授することが教育ですとだけ言って社会的是 2

認や評価が得られるとも思えません 本学は 学びと成長 という学是を謳い その具体像として 学びの立命館モデル を掲げていますが こうした発達論的理念は大変重要で 本学のレゾン デートルを内外に示したものだと思いますし 世の中に向かって大いに誇るべき教育課題設定だと思います そのうえで 学べば人は自然に成長するものだ といった楽観主義に立つのではなく 人の 成長 を実現する 学び とはいかなるものか という問題意識を厳しく持つべきだと 私は思います そうした観点から 学生たちがこれから生きていく社会の状況を想定して 広い意味での 創造性 を訓練する機会を今後の大学教育は明示的に提供する必要があると 考えた次第です 創造性 は あればよい能力ではなく 今後は必須の知的 精神的資質になると思います そうした資質や能力を獲得するためには 学生たちに受動的な学習スタイルを離れ 無責任に 正解 に依存するのではなく 当事者として 最適解 を創造すべく積極的に右往左往する学びのあり方に転換してもらう必要があります 右往左往の中でしか創造性は開発されないからです 図書館に籠るにせよ フィールドワークを重ねるにせよ あーでもない こーでもない という主体的な右往左往 ( 試行錯誤はそのひとつのカタチですね ) の中に身を置くことでしか 現実的な創造性は育まれません 私たちの目の前に いる学生たちにとっては 私たち以上に そうした創造的な活動を展開できるようになることこそが 人が成長するということの重要な要素になるのではないかと思います ニコライ ハルトマンというドイツ人哲学者がいますが この人は 哲学は問題史である ということを強調した人でした この言葉には 完成された理論体系を 正解 として思考停止するのではなく むしろその理論体系を生み出した 哲学者と問題との真剣な格闘をこそ学べというメッセージが込められていると思うのですが そうした知的態度を訓練することこそ これからの混沌とした時代を生きていく若者にとってとても重要なものになると 思うのです 従来の伝統主義的な 先回り型教育 はそうした創造性を獲得する可能性を摘んでしまうことすら少なくなかったのではないかと思います 今後 先回り型教育 が失効していく中で 学習 という活動のあり方が 個人的にも社会的にも 極めて重要な事柄になるはずですし そうでなければならないと思います 本書の中では ラーニング イノベーション という言葉を造語して使っていますが Unlearning はそれを実現するための重要な知的 精神的技法と位置付けているところです とはいえ 日本の教育は Unlearning を知らないわけではありません むしろ教育活動の重要な要素としてきています たとえば ゼミなどでの報告に対して厳し 3

い批判を貰い 自分の勝手な思い込みや視野の狭さなどを思い知らされ それと時には涙の別れをするといったプロセスは 私たちも多かれ少なかれ経験してきていることですし 日本人が長い歴史の中で開発してきた Unlearning の技法だと思います それまで当然だと思っていた考え方から人を引き剥がすことを狙った技法ですね そうやって人をいったん 徒手空拳 の状態に差し戻して さあ どうする!? と迫る形で 学習者 として自立させていくと そういう技法です 私も散々そうした経験をしてきましたので この技法自体の価値を認めるにやぶさかではないのですが 問題なのは こうした 徒手空拳 化が 教育者が先回りして用意している 正解 に学習者を誘導する あるいはもっと強い場合には権威主義的に 正解 を注入するための空白を作る技法としても 往々にして使われてきたということです 一部の企業研修や 自己啓発セミナーではそうしたかたちでこの技法が現在も 活用 されていることは ご承知の通りです 伝統主義社会においては 先回り型教育 が可能かつ有効ですが 先例や伝統が失効していく中ではそれは不可能ですし 場合によっては有害ですらありましょう そうした 先回り型教育 に回収しない形で 徒手空拳 化と積極的な右往左往をオープンかつ創造的な学習活動の技法として再定位したいわけです 学部改革案にまとめられている さんしゃ流アクティブラーニング の特徴的な内容規定と それほど遠くないことを考えているつもりでいるのですが さて いかがでしょう? 最後になりましたが 本書を世に出す機会を与えて下さった産業社会学会とその出版助成 (2018 年度 ) に対し 深く謝意を表します 翻訳書 ベリンダ ウィートン著 / 市井吉興 松島剛史 杉浦愛監訳 サーフィン スケートボード パルクール : ライフスタイルスポーツの文化と政治 ( ナカニシヤ出版 ) 市井吉興 本書は Belinda Wheaton, The Cultural Politics of Lifestyle Sports, (London, Routledge, 2013) の全訳である 英文のタイトルをそのまま訳すと ライ フスタイルスポーツの文化政治学 となるが 本書に収録されているケーススタディの対象となったそれぞれのスポーツをタイトルに入れるとともに 本書の要点を伝え 4

やすくするために サーフィン スケートボード パルクール : ライフスタイルスポーツの文化と政治 とした さて 本書 Chapter1に 今 なぜこの本を出版するのか? というタイトルがあるが このタイトルは私たち訳者に対する問いかけでもある なぜ 私たちはウィートン氏の著作を今 翻訳し出版するのか? この問いに対するひとつの回答が 2020 年に開催される東京オリンピックと関係している 2016 年 8 月 3 日 ( 現地時間 ) にリオデジャネイロで開催された国際オリンピック委員会総会において 公益財団法人東京オリンピック パラリンピック競技大会組織委員会が提案していた 2020 年東京オリンピックでの追加種目 ( 5 競技 18 種目 ) の採択が正式に決定した このとき 世界的にも若者に人気があるスケートボード サーフィン スポーツクライミングが初めて採用されたが 多くの日本の人々にとっては 過去のオリンピックにおいてメダルを獲得してきた野球 ( 男子 ) とソフトボール ( 女子 ) の復活に 期するものを見出したようである その一方で 採用されたスケートボード サーフィン スポーツクライミングは オリンピックには採用されたけど これらはスポーツなのか? という疑問を人々に突き付けたのではないだろうか たしかに 採用が決まってから スケートボード サーフィン スポーツクライミングに携わるトップアスリートたちのメディアへ の露出は増え 人々の認知度は高まってきている しかし ライフスタイルスポーツに分類される競技に投げかけられる これって 本当にスポーツなんですか? これらのスポーツが個人のレベルにとどまらず 人々や社会にどのような影響を与えるのか? という疑問に対する解答は これから検討していかなければならない まさに この疑問に解答を与えていくうえで道標となる先行研究が 本書にほかならない ウィートン氏は本書において ライフスタイルスポーツを分析する理論フレームの提示もさることながら 徹底したケーススタディを通じて ライフスタイルスポーツの誕生 発展 受容のプロセスにおいて 若者 高齢者 ジェンダー 人種 の周辺で生じるカルチュラルポリティクスに焦点を当て そこに現象するスポーツの支配的イデオロギーとのコンフリクトを描き出している 本書が取り上げる サーフィン スケートボード パルクールという新しいスポーツは 現在 競技スポーツとして制度化される途上にある しかし その途上において それぞれのアクティビティをめぐる政治力学が存在し その一例として 競技スポーツ化の方向性を否定的に捉える動向もある ウィートン氏は 新しいスポーツの誕生と発展に 文化のなかに働く微細な差別や偏見を読みとり 対抗的な実践を含めてこれをヘゲモニー闘争として描き出し 社会全体の差別構造や 5

マクロなアイデンティティ ポリティクスと結びつけて分析する 今日 グローバリゼーションのもとで進行するライフスタイルの変容を背景に 豊かな生活の創造やアイデンティティ形成にとって重要な役割を持つスポーツのあり方が問われているからこそ 本書の意義は大きいと思われる 来年 2020 年には東京オリンピック パラリンピックが開催されるが このことは日本とアジアでのライフスタイルスポーツの発展に大きなインパクトを与えることが予測できる たしかに これまでにも 日本を含むアジアのライフスタイルスポーツの発展に焦点を当てた研究が行われてきた しかし 現時点では 日本におけるライフスタイルスポーツ研究は黎明期にあり スポーツ研究を越えた幅広い分野への影響を与えるまでに至っていない それゆえに 本書を翻訳し 出版することは 西欧中心のパースペクティブで 進められてきたライフスタイルスポーツ研究 また オリンピックへのライフスタイルスポーツの 取り込み をめぐる解釈に対して 日本の研究者のコンテクストや文化的な経験を交えながら 再解釈 再検討する広範な議論を呼びかけることにもなろう 翻訳作業を進めるにあたって 各 Chapter の担当は次のように分担した Chapter1 市井吉興 Chapter2 青木光秀 Chapter3 松島剛史 Chapter4 藤本ヨシタカ Chapter5 佐藤彰宣 Chapter6 杉浦愛 Chapter7 小川実紗 Chapter8 藤本ヨシタカ Chapter9 三谷舜 Chapter10 市井吉興となっている 担当者の名前を見て気づかれたかもしれないが 翻訳メンバーは産業社会学部 社会学研究科で働き 研究をし 巣立った者たちによって構成されている 最後に 本書は 2018 年度立命館大学産業社会学会出版助成をうけて出版された 出版助成金の採択にあたり さまざまな労を取ってくださった立命館大学産業社会学部の教職員の方々にも 記して感謝の意を表したい 翻訳書とそれを手に取る著者ベリンダ ウィートン氏 ( ワイカト大学准教授 ) 6

田部絢子 髙橋智著 発達障害等の子どもの食の困難と発達支援 ( 風間書房 ) 田部絢子 の食の困難と発達支援 風間書房 ( 全 358 頁 2019 年 2 月刊行 ) にまとめた 本書は 発達障害当事者 ( 小中高校の児童生徒 ~ 成人 ) 保護者 特別支援学校 学級等の教師 管理栄養士等の学校栄養職員への質問紙法 面接法調査を通して 発達障害当事者と保護者の食の困難の実態 支援ニーズと学校の支援実態を実証的に筆者らは 2012 年 4 月より発達障解明した日本で最初の学術書である 害児の抱える 食の困難 の実態とこれらの調査研究の成果をまとめた発達支援に関する実証的研究に取り本書 発達障害等の子どもの食の困組んできたが その研究成果を田部難と発達支援 は 序章 終章およ絢子 髙橋智 発達障害等の子どもび本論 6 章の合計 8 章から構成されている ************************************************************************** 序章研究の課題と方法第 1 章発達障害等の子どもの食の困難と支援に関する研究動向第 2 章高校生以上の発達障害当事者調査からみた食の困難の実態と支援ニーズ第 3 章学齢期を含む発達障害の当事者調査からみた食の困難の実態と支援ニーズ第 4 章発達障害等の子どもの保護者調査からみた食の困難の実態と支援ニーズ第 5 章特別支援学校 学級等の教師調査からみた発達障害等の子どもの食の困難の実態と支援の課題第 6 章特別支援学校等の学校栄養職員調査からみた発達障害等の子どもの食の困難の実態と支援の課題終章研究の総括と課題資料文献 各種質問紙調査票 7

本書の刊行に際し 2018 年度産業社会学会学術図書出版助成をいただいたことに記して感謝申し上げる 発達障害等の子どもが有する困難は 社会性やコミュニケーション 限定的興味などを取り上げられることが多いが その背景には感覚過敏 低反応や自律神経系 免疫 代謝の脆弱 不全に伴う各種の身体症状等の身体感覚問題 周囲の無理解 厳しい躾 叱責 いじめ 被虐待等に伴う 不安 恐怖 緊張 抑うつ ストレス 等が大きな影響を与えていることが徐々に明らかになっている そのことは例えば 発達障害等の子どもには摂食機能に病理的問題がないにもかかわらず 多様な食の困難が目立つが それらと発達障害等の子どもの多くが有する身体感覚問題や不安 ストレスとの関係が注目され始めている 近年 数多く出版されている発達障害当事者の手記には多彩な 食の困難 に関する記述もみられる ニキ リンコ / 藤家寛子 ( 2004) は トマトやピーマンのように単色のものは気持ち悪くて食べられない 形が違ったり いびつだと気持ち悪くて食べられない と色や形などに対する視覚の過敏を記述し ケネス ホール ( 2001) は ほとんどの食べ物はひどい舌触り と食感の過敏から食べられないと述べている グニラ ガーランド ( 2000) は 歯がひどく過敏だった 顎のコントロールが上手くいかず 顎を動かすのは重労働だった と 咀嚼や嚥下の問題が原因で 何でも丸飲みし ミルクで流し込んだ と語っている 国内外の 発達障害等の子どもと食の困難 に関する研究動向を概観すると 近年ようやく 自閉症スペクトラム障害と食物選択性 ( 偏食 ) の問題に関心が向けられ始め 食物選択性 ( 偏食 ) の背景として感覚過敏性が指摘されていること 食物選択性 ( 偏食 ) が家庭 保護者の大きなストレスとなっていることなどが示されている しかし 発達障害の子どもの摂食障害や食生活の困難はほとんど知られていないのが現状であり 支援の可能性を拡げるために更なる研究の必要性を指摘されている (Spek AA.: 2015) 食べる 行為は自己の体内に 食物 = 異物 を直接的に受け入れることであり 本来 不安 緊張等を伴いやすい営みである 加えて新奇恐怖性 感覚過敏等を有する発達障害等の子どもには まさに不安 緊張 ストレス等を強める行為となりやすく それによって拒否反応が強まった結果 限定された食嗜好や極度の拒絶などの偏食として表れているとも推定される それゆえに 食べる ことの基本 8

には 安心 安全 信頼 が不可欠であり 安心 安全 信頼 を築くためには丁寧な関わりが必要であり その上で改善に向けた対応や支援を行うことが大切である 食べさせたい側の意思を優先する関わりでは状況を改善できないばかりか 悪化させてしまいかねないことは文部科学省 ( 2019) 食に関する指導の手引き 第 2 次改訂版 においても指摘されている 本書収載の各種調査を通して 発達障害当事者は食に関する特異的困難さと支援ニーズを有することが把握でき その表出状態には不安 緊張 恐怖 ストレス等が大きく影響していた 当事者からすると 過去に摂食経験があり 安心 安全 信頼 な食べ物として判断したものを選択しているにもかかわらず 周囲からは 偏食 と否定的に捉えられているのである さらに 食の困難が保護者の育児不安 ストレスを強めていることが示され 食の困難を有する親子を孤立させない早期支援システムの構築は緊要の課題であった 一方 学校における発達障害等の子どもの食の困難 支援ニーズへの理解 対応はきわめて不十分であり 養成課程や研修において専門性が構築できるような改善が求められている 本研究では 子どもの声を傾聴し 読み解きながら支援のあり方を検討する 本人のことは当事者本人に聞くのが一番の理解と支援 という視点と 当事者調査 という研究方法を採用している 当事者の支援ニーズと周囲の理解 支援におけるミスマッチ パターナリズムをなくしていくためには 当事者から困難や支援ニーズを丁寧に傾聴し 具体的な支援のあり方を当事者とともに究明していくことが肝要である そのことが当事者に安心を与え エンパワメントしながらの支援となるのである なお 本書の研究成果をベースとしたフォーラム 発達障害の食の困難と発達支援 本人 保護者を交えて考える が 2019 年 8 月 2 日に東京学芸大学において開催され 約 130 名の参加者があった その様子は 1 食べられない にどう向き合うか 子どもたちの育ちを信じて 発達障害と偏食 毎日新聞 2019 年 8 月 25 日付 https://mainichi.jp/articles/201908 25/k00/00m/040/017000c 2 発達障害の食の困難でフォーラム 適切な発達支援を 教育新聞 2019 年 8 月 2 日付 https://www.kyobun.co.jp/news/20 190802_05/ 等で紹介されている 9

< 学外研究報告 > Calexit? 日暮雅夫 私は 2018 年 8 月から 2019 年 3 月まで カリフォルニア大学バークレー校の 批判理論プログラム で学外研究を行ってきた カリフォルニアに滞在したのは初めてだったが まず驚かされたのは 気候の良さである 8 月 20 日ころ到着して 突き抜けるような青い晴天が続き 3 か月間全く雨が降らなかった 湿度も高くなく 蚊もいず 温度もせいぜい 25 度までだった ( ただしこの快晴の長さは実は不自然なもので 11 月に山火事を引き起こした ) このような気候のせいもあるのだろう ここで会う人々はみな柔和に感じられた 5 年前に滞在した殺気立ったニューヨークとは大違いである また 元はメキシコ領だったという歴史のせいもあって ヒスパニック系 アジア系の住民も多く 非常に多様性に富み ヨーロッパ系 アフリカ系の住民たちと仲良く共存しているように感じたられた カリフォルニア大学バークレー校は州立大学であり 全体として高学費であるにせよ 奨学金に頼らなけ ればならない層も受け入れている 各国からの多様な留学生を受け入れているのも特徴の一つだろう 1968 年の学生運動の発祥地の一つであり 学風はリベラルか 場合によってはラディカルなので知られている 私の滞在した 批判理論プログラム も 現代社会を批判する批判理論の教授たちがひしめき合っていたと言えるだろう このような大学は 当然 反トランプ運動のメッカであり トランプも補助金削減をちらつかせて大学を脅したりしている Calexit という語はこちらに来て初めて聞いたもので Brexit が British と Exit( 離脱 ) とを合成してイギリスの EU 離脱を示すのにならって トランプ政権登場後 カリフォルニア州がアメリカ合衆国から離脱する という意味である もちろん いくら地方自治が徹底して州の独立性があるにせよ ( 例えば国以外に州の運転免許証がなければカリフォルニア州では運転できない ) この用語はジョークの一つとして浸透しているだけだが そのくらいバ 10

ークレーは批判力に富んでいることを示していよう 私の実質的な受け入れ先は 歴史学部の名誉教授マーティン ジェイさんであった ジェイさんは非常に気さくな方で 何度も研究室で議論に応じてくれた また いろいろキャンパス内を案内してくれて 60 年代の フリー スピーチ運動 発祥の地の喫茶店を教えてくれたりした ジェイさんとは アメリカ批判理論の新自由主義批判に関する著作を共編したので 現在翻訳中である また政治学部のウェンディ ブラウン教授の政治思想講義に出席し 研究室でもお話を伺うことができた 私が 批判理論は新自由主義批判ができなければ生き残れない と言ったら まったく同感です と言っていた それ以外にも歴史学部のアンドリュー バーシェイ教授の第二次大戦に関する講義に出席し 研究室にも伺った バーシェイさんの和訳されている著作 近代日本の社会科学 ( NTT 出版 2007 年 ) の日本の近代主義理解からは多くを教えられた 生活面では 大学付属の巨大な国際的な寮 インターナショナルハウス に入ることができた 食事込み個室 ( シャワー トイレ別 ) の家賃が月平均 25 万円とは安くはなかったが 三食その食堂で食べられたの は快適だった ここでは 600 人の世界各国から来た男女の学生 院生 客員研究員が暮らしており 英語で彼らと話すのも たいへんな反面 非常に楽しい息抜きの時間だった 毎日のように 国別の催し物が企画されており ジャパニーズ コーヒー タイム の時には 私も日本の留学生たちといっしょにお握りを作ってふるまったりした その時は 鍋で米を炊き硬かったので途中で水を加えてふやかしたりするレベルで 一体各国からきた皆さんが食べてくれるのだろうか と心配したが 実際はまたたくまになくなった その時の まるで自分の存在が認められたかのような嬉しさは 忘れられない さて 政治社会状況に目を向ければ トランプ政権による 分断 が広がっていた 富裕層と貧困層 白人と多様なエスニシティとの間の分断であり 不法滞在移民に対しても厳しい政策が取られていた そういったなかで 最高裁判事にブレッド カバノー氏が指名されて保守派に有利な最高裁が実現するとあって さまざまな反対運動が起きた 10 月にバークレー校でそれに反対するデモが組織されたのも そのひとつである 結果的にカバノー氏は判事に就任したが 11 月に投票されたアメリカ中間選挙に影響したと言われてい 11

る その結果は 共和党が予想通り上院の過半数を維持したものの 下院では民主党が過半数を奪還した この選挙では 過去最多の 101 人の女性議員 二人の初のイスラム教徒の女性議員 二人の初の先住民族の女性議員 初めて同性愛者であることを公表した知事が誕生した 都市部の女性票が伸び ジェンダー 人種 エスニシティ 宗教のマイノリティ が躍進し 多様性を目に見えるものとする結果をもたらしたと言えよう 来年 11 月の大統領選に向けて 現在のアメリカの政治状況は 目を離せない 現在のトランプ政権の新自由主義的政策からの Exit( 出口 ) はどこにあるのだろうか? 最後になりますが このような学外研究の機会を与えて下さった学部の皆様に心よりお礼申し上げます 学外研究を終えて 石田智巳 この原稿を書くにあたり, 過去の学外研究を終えた方の文章を参考にしようと思って, 依頼文に添付されていた文章を見て驚いた 今から 5 年前の日付がついていたのであるが, 今回私と一緒に学外研究をされた方の文章があったからだ 同じ時期に赴任したその先生も隣の研究室の先生も, 今回学外研究に行かれたのであるが, 彼らは 2 回目で私は 1 回目だった さて, 私はドメスティックな研究をしていたため, 海外に知り合いがおらず, そのためどこに行っていいのかわからない状態で, お世話になる大学と先生を探すところからのスタートだった 最初に相談したのは, 反対隣の中西純司先生であった 中西先生はサンディエゴとロングビーチというカリフォルニアの大学と連携したプログラムを動かしていたからだ 結局, カリフォルニア州立大学ロングビーチ校にあるキネシオロジーという学科に日本人の先生がおられて, その方に仲介してもらって, お世話になることになった それでも決まるまでは大変で, 佐藤詩恵先生に相談したり, 金山勉先生に推薦状を書いてもらったり,FaceTime で面接を受けたりして, なんとか招聘状をいただいて,J1 ビザをとることができた 向こうでは, トーランス市というロサンゼルスでは唯一の日本人学校 12

のある場所に住んだのだが, そこはトヨタやホンダの工場があったこともあり, 日本人が多く住んでおり, 日系のスーパーやレストランもあり, 生活には困らないところであった ただ, アメリカはインフレが続いていて, 外食は高いので, 外で食べることは 1 週間に 1 度あるかないかという程度であった 例を挙げると, 日本ではラーメンは高くても 800 円出せば食べられる ところが向こうでは 11 ドルぐらいは普通で, それに税金とチップとで 13 ドル 50 ぐらいになる これは日本円だと 1500 円程度 アメリカ人はそれに加えて丼物やトッピングをするので,2000 円ぐらいは普通 昨年の 11 月にアメリカのアマゾンが最低賃金を 15 ドルにした 日本の最低賃金平均が 800 円なので, ちょうどラーメン 1 杯の値段の違いだということがわかる ただ外食は高いが, スーパーの特売だとニューヨークステーキが 1 ポンド 5 ドル弱で売られている ざっくりいえば 100 グラム 1 ドル そして, 間違いなく旨い だから, ステーキはよく食べた 研究の話に移りたい 私はナラティヴ アプローチに興味があり, 今はとりわけ教師が書く教育実践記録が, 研究会 ( 報告会 ) を経て書き換えられていくことに焦点を当てて研究している しかしながら, さすが にそこまでは踏み込めないので, 日本とアメリカの教師や子どもの体育 スポーツ観の違いをインタビュー調査で明らかにしようと思っていた 単純にいえば, 語りにどんな特徴があるのかである しかし, アメリカに行って打ちのめされたのは, しゃべっている言葉が全然わからないということだ 日本にいたら, 英語でアナウンスがあったりしてもほぼ意味がわかる TOEIC のリスニング問題もある程度答えられる しかし, アメリカ人の英語は最初全然わからなかった 特に子どもにしゃべりかけられると困った ただ, あるときにスラングも含めて習ったことのない英語をしゃべっていることに気づいた それらが習っていない言葉だと気づけただけでもよかったが そこで, とりあえずアメリカの体育について学ぶことに集中した アメリカの場合, 自治の基本は州にあるので, カリフォルニアのあるいはロングビーチ周辺の小中学校の様子を見たに過ぎない しかし, かなりのカルチャーショックだった 知り合いの中には, アメリカの体育は 遅れている, 最低 という人もいたが, 日本と比較してはダメで, アメリカにはアメリカの事情があって, 体育授業もその事情から導き出されていると考えるべきであった 日本の体育授業では, 最初に準備運 13

動 ( 体操 ) をやって, その後, バスケットボールだとか, マット運動だとかの活動を行って終わるのが一般的だ 中学校だと, 補強運動が入ったりする ところが, 私が見た体育授業の例でいえば, 体操ではなく動的, 静的なストレッチ, 補強運動, ランニングが最初にあって, そこからバレーボールのパス トス スパイクを 2 人で練習をする その後, フットボールやバスケットボールなどに必要とされる状況判断能力を取り出してゲーム化した活動 ( タスクゲーム ) を行って終わりというものだった 体力を高める運動 ( 体力つくり ) は徹底してやるが, スポーツはスキルだけでゲームそのものはしない なぜそういう体育なのか考えてみればすぐわかる アメリカは世界 1 のスポーツ大国であり, 日本と違ってスポーツは体育の枠で発展したわけではない さらに, アメリカは世界 2 の肥満大国であり, 日本以上に二極化が進んでいる 町には至 る所にフィットネスジムと柔術やテコンドーなどのマーシャルアーツの道場があり, スポーツの施設が充実している そして, アメリカはエビデンスの国であり, 研究者たちはこの国の体育授業をよりよいものにするためのエビデンスを探すことに労力を捧げる だから, アメリカの体育のナショナルスタンダードには, 能力の高いものと低いものを一緒にすると, 後者のやる気がそがれるので伝統的なスポーツを教材にしない だとか, 高校では, 生涯スポーツにつながらない侵入型ゲームはやらない だとか, 生徒にものすごく配慮した内容になっているのだ 日本とは方向性が違うのだが, 行政の役割と研究者の役割がはっきりしている ここは学ぶ点が多かった 紙幅もつきてしまった 最後に, 先に名前を挙げた先生方にはもちろん, このかけがえのない機会を与えてくださった学部や専攻の先生方, 事務の方々に御礼申し上げます 14

2020 が迫る東京で 飯田豊 2018 年度は 1 年間 出身校である こうした変化に焦点をあてて 東京大学大学院情報学環に客員研究 2017 年 9 月には専門研究員の立石 員として受け入れていただき オリ 祥子さんとの共編で 現代メディ ンピック / パラリンピックを 2 年後 ア イベント論 パブリック ビュ に控えた東京を拠点として 研究活 ーイングからゲーム実況まで ( 勁草 動をおこないました 書房 ) という論文集を刊行しました 研究課題は メディア イベント この研究をさらに発展させていくに 概念の理論的再構築 歴史社会学 あたって 2020 年の東京は格好の研 および比較文化学からのアプローチ 究対象となります です メディア イベント といえ ば従来 通常のテレビ放送の編成が 変更され 特別枠で伝えられる大規 模な国民的行事を意味し 視聴者の あいだに特別な連帯の感情を媒介す る マス コミュニケーションの特 別な祭日 と捉えられてきました ( D. Dayan と E. Katz による定義 ) し かし 21 世紀に入って 都市に遍在す るスクリーンから手のひらのうえの スマートフォンまで さまざまな情 報技術が私たちの日常生活を取り囲 むようになって メディア イベン とはいえ まずは東京大学附属図 トの受容経験は大きく変わってきま 書館 国立国会図書館東京本館 国 した たとえば サッカーワールド 立公文書館などの資料に当たるくら カップでは現在 パブリック ビュ いしか取っ掛かりがなかったのです ーイングのような集団視聴が定着し が 私にとって幸運だったのは NTT ていますし ソーシャルメディアを 東日本からの委託で Technology 通じて声援や野次がリアルタイムに Media Event という小冊子の監修 拡散するようになりました をおこなう機会を得たことです 15

この小冊子は 2018 年 10 月から 11 月にかけて NTT InterCommunication Center ( ICC) で開催された特別展 感じる インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて で無料配布され 会場ではこの内容に関連するパネル展示も展開してくださいました 現代メディア イベント論 を読んでくださった NTT コミュニケーション科学基礎研究所の渡邊淳司さんからのお声がけで ICC 主任学芸員の畠中実さんも制作にお力添えくださいました この小冊子を制作するにあたって お二方に長時間のインタビューを行いました 1970 年の日本万国博覧会 ( 大阪万博 ) で日本電信電話公社の電気通信館の展示構想を手掛け 1998 年の長野冬季五輪では開会式と閉会式の会場演出と映像監督を務めた今野勉さん ( テレビマンユニオン最高顧問 ) と 2016 年のリオ五輪の閉会式におけるフラッグハンドオーバーセレモニーでチーフテクニカ ルディレクターを務めたメディア アーティストの真鍋大度さん ( ライゾマチックリサーチ共同主宰 ) です 小冊子には盛り込んでいませんが おふたりのお話しを比較することで メディア イベント研究にとって重要な歴史的知見を得ることができました これに関連して 10 月には ICC でシンポジウムを企画し そして今年の 3 月には日本オリンピック アカデミー (JOA) からお声がけいただき JOA 研究フォーラム に登壇しました こうした場をきっかけとして オリンピックへの e スポーツ導入に尽力されている方々 オリンピック文化プログラムを手掛けている美術関係者の方々などと知り合い それぞれの熱意や苦悩に直接触れることができたのは大きな知的財産です そしてもうひとつ 学外研究中の成果をご紹介しておきたいと思います 茨城大学教授の高野公平さん 東海大学教授の加島卓さんとの共編で 2018 年 11 月 現代文化への社会学 90 年代と いま を比較する ( 北樹出版 ) を出版することができました 高野さん 加島さんとは大学院生だった頃からの研究仲間で 2000 年代のなかばには東京大学の吉見俊哉教授の主催する研究会でご一緒していました 本書の企画は 16

2014 年には動き始めていたものの なかなか思うように執筆や編集の作業が進まないでいたのですが 昨年度は大詰めの編集作業に集中することができ 刊行まで漕ぎ着けることができました そしてこの本には 本学部の富永京子さんにも社会運動についてご寄稿いただいていて 12 月には立命館生協ブックセンターで 刊行記念の対談イベントをおこないました 最後になりましたが 学外研究の機会を与えてくださいました学部教職員の皆様に 改めて御礼申し上げます 17

< エッセイ > 大学教員の働き方改革とは : 勤務ではない研究 長谷川千春 facebook でつながる友人から NHK ニュースウェブの URL がシェアされていました 題して 勤務ではない研究 大学教員の働き方を考える ( 2019 年 8 月 20 日 ) 興味をひかれ 早速 記事を拝読してみました 記事の概要は以下のようなものでした 土日に職場に出てきて 勤務ではない研究 を行う大学教員の働き方について 労働基準監督署から こうした働き方は違法であるとして是正勧告を受ける大学が相次いでいるそうです 勤務ではない研究 とは 土日等の休日や平日の夜間等に 大学に申告せずに 大学に出勤して 卒論の添削や論文執筆等の研究活動を行っていることを指しています ( 卒論の添削を 勤務ではない研究 とされるのはちょっと違和感がありますが ) 島根大学は 2018 年 8 月 松江労働基準監督署から 深夜 休日の賃金の未払いがあったのは労働基準法に違反するとして是正勧告を受けました 自主的な研鑽 であっ ても 勤務 であり 深夜や休日の 割増賃金 が支払われるべきだとしたのです 島根大学は裁量労働制を導入しており 無制限の長時間労働への対策として 午後 10 時から午前 5 時までの時間帯や休日に勤務する際には 事前に学部長の許可を得ること この時間分の割増賃金を大学が支払うこと を取り決めていたそうですが 自主的な研鑽 はその例外として許可の必要はないとしていました 是正勧告を受けて 島根大学は ID カードでの出勤 退勤時間の管理を導入 自主的な研鑽 であっても事前許可が必要 と制度を改めたそうです 全国の大学教員の働き方について調査している黒田玲子氏 ( 東京大学環境安全本部 ) によると 勤務ではない研究 を行う理由として 一つに 教員の意識 ( 労働者という認識が薄い ) もう一つに 研究という仕事の特殊性 ( 通常の労働は 会社や上司に命じられて行うが 研究に関してはそうではない部分があり 定義や線引きが困難 裁量が大きい ) 18

を挙げていました 加えて 大学教員の仕事は 研究 教育 大学の管理運営業務 社会貢献 の 4 つに大きく分けられますが 最近は 研究 以外の仕事が多くなり 落ち着いて研究しようとすれば土日に となってしまっている現状も指摘していました 黒田氏は 労働当局 大学 教員が 納得できる方法での解決策を模索し まずは大学の仕事 労働とは何かを整理し 定義づけることを提言していました ポイントとなるのは 教員の裁量を認めつつ 長時間労働等によって健康を害することないよう健康管理を行うこと ( それにより 継続して研究成果を出し続けられる働き方を考える ) をどう両立させるかということのようです この記事を読んで考えさせられたのは 大学教員の 仕事 は大学への出退だけでは把握しきれないのではないか ということです 黒田氏が整理するように 大学教員の仕事は上記の 4 つに整理できそうですが それを行うのは大学という場に限りません つまり 大学 ( 研究室 ) 以外で行う 研究 ( 自宅等での論文執筆等 ) や 教育 ( 帰宅後の授業準備や学生の提出物の添削等 ) もあり これらも 仕事 と言えそうです 立命館大学 ( 法人 ) では 大学教員の勤務時間管理について 2017 年度 に試験的に一部教員の勤務実態調査 ( 出退勤時間の教員による記入表 ( Excel) の月 1 回の提出 ) を行っていて 著者も半年間提出しました 出退勤時間を正確に管理したことはなかったのですが 記入してみると 大学 ( 研究室含む ) での滞在時間が 子どもの誕生を機に 非常に短くなっていることが一層明らかとなりました 教授会等の会議や業務 授業等の必ず大学に出勤しなければできない仕事以外 ( 授業準備や研究活動 ) は 子どもの保育園への送り迎えの時間や突発的な家庭の事情から ほぼ自宅で行わざるを得ない状況が続いていました ( 現在もその状況に変わりはありません ) 正直なところ もしこれで 職務怠慢 との烙印を押されたら と少し不安に思いました 法人は 現時点では 大学教員の勤務時間管理を課題として認識しつつも その労働 職務の特殊性から 慎重に検討する必要があるとして ペンディングしています ( 今後の動向は注視したいところです ) 以上の記事に関連して調べてみると 文部科学省が大学教員の研究活動についての調査していました ( 平成 30 年度大学等におけるフルタイム換算データに関する調査 ) この調査の目的は 大学等における研究者数を国際比較可能なフルタイム換算値に補正するための係数を得ると 19

ともに 大学等における研究者の活動の実態を把握し 研究や教育等にかける時間の利用実態を調査することだそうです これによると 大学教員の研究活動時間割合は年々減少傾向にあり 2018 年度も前回調査時 ( 2013 年度 ) より 2.1 ポイント減少して 32.9% でした 教育活動 社会サービス活動 ( 研究関連 教育関連 ) その他の職務活動 ( 学内事務等 ) の時間割合がすべて微増する一方 研究活動時間割合が減少していました この調査は 大学等の事務局を通じて教員等に対して依頼状が交付され 専用のウェブサイトで回答入力する形で実施されていました 調査項目を見ると それぞれの活動時間については 平均的な 1 日の時間数 とされており 必ずしも大学という場で行われた活動時間だけを回答しているとは限らないようです 勤務ではない研究 について 皆さんはいかがお考えでしょうか Zapping 原稿募集 研究会 学会報告の他 留学記 課外活動報告などあらゆるジャンルのご投稿をお待ちしております また いろんな特集も組んでいきたいと思っています 何本かまとめてのご投稿も大歓迎ですので ご提案がありましたら事務局に申し出てください 形式はタイトル 名前 本文をつけ 1,500 字 ~2,000 字程度でお書きください 原稿は s-kyoken@st.ritsumei.ac.jp に送付してください 20