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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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海 洋 基 本 計 画 参 考 資 料 4 平 成 20 年 3 月 18 日 閣 議 決 定 総 論 (1) 海 洋 と 我 々との 関 わり 地 球 は 生 命 を 育 む 海 を 持 つ 太 陽 系 で 唯 一 の 惑 星 であり 海 洋 と 我 々との 関 わりは 多 様 である 水 は すべての 生 命 の 維 持 のために 欠 くことのできない 物 質 であり その 大 部 分 は 地 球 表 面 の 7 割 を 占 める 海 洋 にたたえられている 水 は 海 洋 氷 河 河 川 湖 沼 地 下 大 気 中 等 に 様 々な 形 で 存 在 し 生 態 系 の 中 を 循 環 しているが 海 洋 からの 水 の 蒸 発 がこうした 水 循 環 の 維 持 に 大 きな 役 割 を 果 たしている さらに 海 洋 は 自 らの 熱 容 量 や 熱 輸 送 水 循 環 による 大 気 との 相 互 作 用 等 によ り 気 温 の 急 激 な 変 化 を 緩 和 し 地 球 上 の 大 部 分 をおおむね 生 物 の 生 息 生 育 可 能 な 範 囲 内 の 温 度 に 保 つとともに 世 界 各 地 の 気 候 気 象 の 動 態 にも 深 く 関 与 している このように 海 洋 は 地 球 上 の 多 様 な 生 物 の 生 活 を 支 えるものとしてかけがえのないものである 我 が 国 は ユーラシア 大 陸 の 東 太 平 洋 の 西 に 位 置 し 広 く 海 上 に 展 開 する 6 千 余 りの 島 々で 構 成 されている 我 々は 陸 上 において 海 洋 の 恩 恵 を 受 けるだけでなく その 歴 史 を 通 じて 物 資 輸 送 の 場 として あるいは 食 料 確 保 の 場 として 積 極 的 に 海 洋 を 利 用 してきた 古 くは 大 陸 との 交 流 から 始 まり 現 代 では 世 界 の 隅 々との 貿 易 活 動 を 通 して 我 が 国 は 経 済 的 に 発 展 してきた 一 方 海 洋 は 我 々の 生 活 の 場 である 陸 上 に 対 しても 時 として 重 大 な 脅 威 となる 津 波 高 潮 等 により 世 界 各 地 で 何 度 も 多 大 な 被 害 が 生 じているが 沿 岸 部 に 生 活 の 基 盤 を 有 する 住 民 にとって こうし た 海 洋 の 脅 威 から 生 命 財 産 を 守 ることは 極 めて 重 要 な 課 題 である 我 が 国 は このような 困 難 に 対 処 しつつ 発 展 してきた 国 の 一 つである また 海 洋 はその 広 大 さとアクセスの 困 難 さのために 我 々にとって 今 もなおフロンティアであ る その 世 界 を 探 求 し 解 明 したいという 知 的 欲 求 から これまでも 海 洋 に 関 する 様 々な 調 査 研 究 が 行 われ それらの 成 果 は 我 々の 知 的 資 産 の 拡 大 に 貢 献 してきた これらの 取 組 を 通 じ 海 洋 に おける 未 利 用 のエネルギー 鉱 物 資 源 の 存 在 が 明 らかとなり それらの 開 発 利 用 に 向 けた 更 なる 研 究 ニーズが 生 じている また 海 洋 が 気 候 変 動 を 始 めとする 地 球 環 境 の 変 化 に 大 きく 関 連 してい ることが 明 らかとなってきたことから 海 洋 の 諸 現 象 に 関 する 原 理 を 追 求 し 解 明 することは 地 球 環 境 問 題 等 の 解 決 のためにも 必 要 となっている このように 海 洋 には 今 後 の 人 類 の 発 展 に 深 く 関 わる 解 明 すべき 多 くの 課 題 がある 海 洋 における 諸 活 動 の 基 盤 となる 国 際 的 な 取 決 めは 20 世 紀 に 入 り 大 きな 変 革 をみた 海 洋 の 探 査 利 用 に 関 する 技 術 が 急 速 に 進 展 し 海 洋 先 進 国 による 資 源 獲 得 競 争 が 激 化 してきた さらに は 1960 年 代 以 降 多 くの 国 々の 相 次 ぐ 独 立 に 伴 い 国 際 社 会 の 基 盤 が 変 化 する 中 で これら 新 興 諸 国 の 多 くが 狭 い 領 海 と 広 い 公 海 を 前 提 とする 従 来 の 海 洋 管 理 海 洋 利 用 に 関 する 国 際 慣 習 を 全 面 的 に 見 直 すよう 求 めた このような 変 革 の 中 で 国 連 では 3 次 にわたる 海 洋 法 会 議 が 開 催 されたが 特 に 公 海 海 底 の 利 用 問 題 に 端 を 発 した 第 三 次 海 洋 法 会 議 (1973~82 年 )においては 幅 広 い 海 洋 の 諸 問 題 が 包 括 的 に 取 り 扱 われ 9 年 にわたる 検 討 を 経 て 海 洋 法 に 関 する 国 際 連 合 条 約 ( 国 連 海 洋 法 条 約 ) が 1982 年 に 採 択 され 1994 年 に 発 効 した これにより 海 洋 においては 領 海 と 公 海 という 単 純 な 領 域 区 分 だけでなく 排 他 的 経 済 水 域 や 大 陸 棚 等 その 機 能 や 利 用 目 的 に 応 じ て 海 域 が 区 分 されるとともに 同 一 の 海 域 でも 重 層 的 な 管 理 制 度 が 導 入 されることとなった その

結 果 全 体 としては 公 海 部 分 が 縮 小 し 公 海 における 自 由 な 活 動 も 制 約 される 一 方 で 沿 岸 国 の 権 限 が 拡 大 するなど 新 たな 国 際 海 洋 秩 序 の 枠 組 みが 構 築 された この 枠 組 みに 基 づき あるいは 枠 組 みを 補 完 するために 現 在 様 々な 分 野 での 海 洋 に 関 する 国 際 規 範 が 形 成 されつつある 加 えて 近 年 では 人 口 増 加 経 済 社 会 活 動 の 拡 大 等 による 負 荷 の 増 大 に 伴 い 地 球 温 暖 化 やそ れに 伴 う 異 常 気 象 と 自 然 災 害 の 多 発 オゾン 層 の 破 壊 生 物 多 様 性 の 減 少 等 地 球 規 模 での 環 境 問 題 が 深 刻 化 している こうした 問 題 は 我 々の 生 存 基 盤 を 脅 かす 極 めて 深 刻 な 問 題 であることから 1992 年 の 国 連 環 境 開 発 会 議 において 環 境 と 開 発 を 不 可 分 のものとして 統 合 する 持 続 可 能 な 開 発 を 原 則 とする 環 境 と 開 発 に 関 するリオ 宣 言 及 び 持 続 可 能 な 開 発 を 実 現 するための 行 動 計 画 であ る アジェンダ 21 が 採 択 された そしてそれ 以 降 地 球 環 境 問 題 に 対 する 国 際 的 な 取 組 が 活 発 化 している これまで 海 洋 は その 巨 大 な 容 量 と 浄 化 機 能 により 人 間 の 諸 活 動 による 環 境 負 荷 を 希 釈 分 解 し 良 好 な 環 境 を 維 持 してきたが 温 暖 化 に 伴 う 海 面 上 昇 広 域 化 する 海 洋 汚 染 海 洋 生 態 系 の 攪 乱 (かくらん) 等 海 洋 においても 環 境 問 題 は 顕 在 化 しつつある また 海 洋 が 地 球 全 体 の 環 境 の 形 成 維 持 に 果 たしている 役 割 の 重 要 性 を 踏 まえ 海 洋 における 環 境 問 題 のみならず 地 球 環 境 問 題 全 般 について 海 洋 との 関 わりを 重 視 しなければならない 状 況 となっている 我 々は 海 洋 との 多 様 な 関 わりを 通 じて 得 たその 意 義 を 認 識 した 上 近 年 顕 在 化 してきているこ のような 課 題 を 直 視 し 勇 気 を 持 って 対 処 していかなければならない 我 々は 海 と 共 にある 人 類 の 将 来 を 安 寧 なものとするよう 先 導 的 な 役 割 を 果 たしていくとともに 広 大 な 管 轄 海 域 を 基 盤 とし 国 際 協 調 の 下 で 海 洋 の 平 和 と 安 全 を 希 求 する 新 たな 海 洋 立 国 を 目 指 す のである (2) 我 が 国 の 海 洋 政 策 推 進 体 制 四 方 を 海 に 囲 まれた 我 が 国 において 海 は 身 近 な 存 在 である このため 古 くから 各 地 の 産 業 や 文 化 の 形 成 発 展 に 必 要 な 物 流 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 しており また 海 の 幸 である 水 産 物 が 我 が 国 の 特 色 ある 食 生 活 の 主 要 な 構 成 要 素 となっている これらを 支 えてきた 海 運 業 や 水 産 業 は 現 在 でも 我 が 国 の 主 要 な 海 洋 産 業 であるが 一 方 行 政 面 では これらの 産 業 に 対 する 諸 施 策 は 物 流 政 策 食 料 政 策 等 の 一 環 としてそれぞれ 実 施 されてきた このことは 海 運 業 や 水 産 業 のみならず 科 学 調 査 観 光 レジャー 鉱 物 資 源 開 発 干 拓 埋 立 て 等 様 々な 海 洋 利 用 においても 同 様 である 換 言 すれば 利 用 者 側 の 立 場 で 海 洋 という 場 をどう 利 用 するかという 視 点 での 政 策 は 存 在 し たが 海 洋 という 場 を 管 理 する 立 場 でその 利 用 のあり 方 をいかにするべきかという 視 点 での 政 策 はなかったということである こうした 体 制 は 利 用 者 側 に 対 する 行 政 としての 整 合 性 一 貫 性 は 確 保 できるものの 経 済 活 動 が 活 発 化 する 中 で 様 々な 海 洋 利 用 活 動 が 輻 輳 (ふくそう)してきたこ と 陸 上 における 諸 活 動 が 海 洋 に 与 える 影 響 も 無 視 できなくなってきたこと 様 々なエネルギー 鉱 物 資 源 海 洋 微 生 物 資 源 等 今 後 の 利 活 用 や 産 業 化 の 可 能 性 を 秘 めている 資 源 の 存 在 が 明 らかにな ってきたこと 等 の 現 状 を 踏 まえれば 海 洋 という 場 の 可 能 性 や 容 量 等 を 考 慮 し 場 を 管 理 する 立 場 で 政 策 を 立 案 し 決 定 するシステムの 構 築 が 海 洋 の 持 続 可 能 かつ 合 理 的 な 利 活 用 を 図 る ためには 不 可 欠 である 一 方 国 際 社 会 においても 海 洋 の 管 理 と 利 用 を 巡 る 動 きは 活 発 である 我 が 国 は 国 連 海 洋 法 条 約 を 平 成 8 年 に 批 准 したが 同 条 約 はあくまでも 新 たな 国 際 海 洋 秩 序 の 枠 組 みを 示 したものであり その 枠 組 みに 基 づく あるいは 枠 組 みを 補 完 するための 様 々な 分 野 での 規 範 形 成 に 向 けた 取 組 は 現

在 もなお 進 行 中 である また 開 発 と 環 境 に 関 する 国 際 動 向 の 中 でも 海 洋 の 管 理 と 利 用 のあり 方 が 問 われている 我 が 国 としては これらの 動 きに 対 し 海 洋 を 管 理 する 立 場 からの 明 確 な 姿 勢 を 持 って 対 応 していく 必 要 がある このような 状 況 を 踏 まえ 平 成 19 年 7 月 20 日 海 洋 基 本 法 が 施 行 され 同 法 に 基 づき 海 洋 に 関 する 基 本 姿 勢 が 明 確 化 されるとともに 海 洋 に 関 する 施 策 を 集 中 的 かつ 総 合 的 に 推 進 するための 体 制 として 内 閣 に 総 合 海 洋 政 策 本 部 が 設 置 された 今 後 新 たな 海 洋 立 国 の 実 現 に 向 け 総 合 海 洋 政 策 本 部 が 中 心 となり 様 々な 分 野 の 海 洋 関 係 者 が 相 互 に 連 携 協 力 し 海 洋 政 策 を 戦 略 的 に 推 進 していくこととなるが 本 計 画 はそのための 基 本 となるべきものである (3) 本 計 画 における 政 策 目 標 及 び 計 画 期 間 海 洋 基 本 法 は 我 が 国 の 経 済 社 会 の 健 全 な 発 展 及 び 国 民 生 活 の 安 定 向 上 を 図 るとともに 海 洋 と 人 類 の 共 生 に 貢 献 すること を 目 的 としている これらの 目 的 を 達 成 するためには まず 我 が 国 が 管 轄 権 を 行 使 できる 海 域 において 海 洋 環 境 の 保 全 と 調 和 を 図 りつつその 円 滑 かつ 持 続 的 な 利 活 用 を 促 進 すること 換 言 すれば 我 が 国 の 海 域 において 環 境 と 開 発 に 関 するリオ 宣 言 にうたわれている 持 続 可 能 な 開 発 の 実 現 を 目 指 す ことが 重 要 である さらには 得 られた 果 実 を 極 力 国 民 に 還 元 するよう 努 めることも 合 わせて 重 要 である 次 に 我 が 国 の 産 業 や 国 民 生 活 を 支 えている 貿 易 活 動 が 安 定 的 に 維 持 されることが 重 要 である このためには 世 界 的 に 海 洋 の 平 和 と 安 全 が 確 保 される 必 要 があり 我 が 国 はその 実 現 に 向 け 積 極 的 かつ 先 導 的 に 取 り 組 む 必 要 がある 最 後 に 海 洋 における 持 続 可 能 な 開 発 の 実 現 海 洋 資 源 の 利 用 等 に 関 する 国 際 秩 序 の 構 築 等 の 全 人 類 的 諸 課 題 に 対 し 先 進 国 として 貢 献 することが 重 要 である 排 他 的 経 済 水 域 大 陸 棚 深 海 底 等 国 連 海 洋 法 条 約 における 海 洋 資 源 に 関 する 諸 規 定 は 先 進 海 洋 国 を 始 めとする 各 国 による 秩 序 あ る 開 発 を 促 すとともに 途 上 国 がそれらの 資 源 を 活 用 して 自 国 の 経 済 的 自 立 や 格 差 是 正 の 一 助 とす るための 機 会 を 提 供 している このことを 踏 まえ 広 大 な 排 他 的 経 済 水 域 及 び 大 陸 棚 ( 排 他 的 経 済 水 域 等 )を 有 する 我 が 国 とし ては 自 国 の 利 益 を 追 求 するだけでなく 途 上 国 における 持 続 可 能 な 開 発 の 実 現 に 向 けた 取 組 への 積 極 的 協 力 海 洋 資 源 の 衡 平 かつ 効 果 的 な 利 用 を 目 指 した 国 際 的 取 組 への 積 極 的 参 画 と 先 導 的 貢 献 等 に 努 めるべきである これらの 取 組 を 通 じて 初 めて 我 が 国 が 新 たな 海 洋 立 国 の 実 現 に 向 けて 邁 進 (まいしん)してい ると 言 えるのであり 長 期 的 には これらの 達 成 を 目 指 すべきである ただ 現 時 点 では 我 が 国 は 今 まさに 新 たな 海 洋 立 国 の 実 現 に 向 け 第 一 歩 を 踏 み 出 そうとしている 段 階 であり そのために 必 要 な 様 々な 分 野 での 海 洋 の 視 点 からの 態 勢 の 構 築 海 洋 に 関 する 諸 制 度 の 点 検 整 備 海 洋 施 策 を 推 進 するための 基 礎 となる 各 種 情 報 の 収 集 整 備 管 理 体 制 の 構 築 等 の 条 件 整 備 が 急 務 である このようなことを 考 慮 し 本 計 画 については 海 洋 基 本 法 に 基 づく 計 画 の 見 直 しが 予 定 される 5 年 後 を 見 通 して 定 めるものとする また 海 洋 政 策 の 推 進 においては 海 洋 について 科 学 的 に 未 解 明 な 分 野 が 多 いこと 海 洋 におけ る 諸 現 象 が 相 互 に 密 接 な 関 連 を 有 していること 等 を 踏 まえ 海 洋 に 関 する 知 見 を 深 めつつ その 成

果 を 随 時 海 洋 の 持 続 可 能 な 利 用 の 実 現 に 向 けた 諸 施 策 に 反 映 させ それらの 施 策 の 更 なる 充 実 に 努 めるなど 海 洋 を 知 る 海 洋 を 守 る 海 洋 を 利 用 する のバランスと 連 携 に 配 慮 することが 重 要 である 海 洋 基 本 法 においては このような 認 識 の 下 1 海 洋 の 開 発 利 用 と 海 洋 環 境 の 保 全 との 調 和 2 海 洋 の 安 全 の 確 保 3 海 洋 に 関 する 科 学 的 知 見 の 充 実 4 海 洋 産 業 の 健 全 な 発 展 5 海 洋 の 総 合 的 管 理 6 海 洋 に 関 する 国 際 的 協 調 という 6 つの 基 本 理 念 が 定 められている これらは 海 洋 に 関 わる 者 があまねく 将 来 にわたり 共 有 できる 普 遍 性 の 高 い 概 念 であるが 一 方 で 5 年 後 を 見 通 した 本 計 画 が 目 指 すべきより 具 体 的 な 政 策 目 標 が 必 要 である このことを 踏 まえ 以 下 の 3 目 標 を 設 定 する 目 標 1 海 洋 における 全 人 類 的 課 題 への 先 導 的 挑 戦 地 球 温 暖 化 やそれに 伴 う 世 界 各 地 での 異 常 気 象 の 発 生 等 は 人 類 全 体 にとって 喫 緊 に 対 処 すべき 課 題 であるが 地 球 環 境 に 対 する 海 洋 の 役 割 の 大 きさを 考 慮 すれば 問 題 解 決 に 対 し 海 洋 関 係 分 野 の 果 たす 役 割 は 大 きい また 海 洋 特 に 深 海 深 海 底 等 は 依 然 として 人 類 にとってのフロンティ アであり 今 後 も 新 たな 発 見 が 期 待 できる 領 域 である 一 方 海 洋 調 査 については 規 模 や 技 術 面 での 制 約 から 相 当 の 科 学 技 術 力 経 済 力 を 有 する 国 でない 限 り 体 系 的 計 画 的 に 実 施 することは 困 難 である このため 我 が 国 がこれらの 分 野 で 先 導 的 取 組 を 行 うとともに 得 られた 情 報 の 適 切 な 共 有 を 図 り 地 球 規 模 での 環 境 問 題 の 解 決 や 人 類 の 英 知 の 創 造 に 対 し 積 極 的 に 貢 献 することが 極 めて 重 要 であ る 目 標 2 豊 かな 海 洋 資 源 や 海 洋 空 間 の 持 続 可 能 な 利 用 に 向 けた 礎 づくり 世 界 第 6 位 の 広 さと 言 われる 我 が 国 の 領 海 及 び 排 他 的 経 済 水 域 並 びに 200 海 里 を 超 えて 延 長 の 可 能 性 がある 大 陸 棚 には 多 様 で 豊 富 な 生 物 資 源 や 今 後 の 利 用 が 期 待 される 様 々なエネルギー 鉱 物 資 源 が 存 在 している 我 が 国 が 管 轄 権 を 有 するこれらの 資 源 や 空 間 の 持 続 可 能 な 利 用 に 向 け 利 用 に 際 しての 安 全 確 保 体 制 の 構 築 諸 情 報 の 収 集 整 備 管 理 体 制 の 構 築 資 源 利 用 を 担 う 産 業 の 計 画 的 育 成 利 用 に 際 し 必 要 となる 海 洋 環 境 保 全 対 策 等 利 用 管 理 に 関 する 諸 体 制 の 整 備 等 を 早 急 に 行 う 必 要 がある 目 標 3 安 全 安 心 な 国 民 生 活 の 実 現 に 向 けた 海 洋 分 野 での 貢 献 我 が 国 は 国 民 生 活 経 済 活 動 等 に 不 可 欠 なエネルギー 資 源 食 料 等 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 し ており また 人 口 資 産 社 会 資 本 が 沿 岸 に 多 く 集 積 している 一 方 で 我 が 国 にとって 重 要 で ある 長 大 な 海 上 航 路 には 海 賊 武 装 強 盗 海 上 テロ 等 の 深 刻 な 問 題 が 存 在 するとともに 周 辺 海 域 と 沿 岸 部 においては 密 輸 密 航 不 審 船 の 侵 入 等 の 問 題 に 加 え 津 波 高 潮 等 の 自 然 災 害 の 脅 威 が 存 在 している

これらの 状 況 から 国 民 生 活 や 経 済 活 動 を 維 持 発 展 させ 国 民 の 生 命 身 体 財 産 を 守 るため には 安 定 的 な 海 上 輸 送 体 制 を 確 保 するとともに 海 上 航 行 の 自 由 と 安 全 を 確 保 するための 体 制 整 備 強 化 複 雑 化 多 様 化 する 船 舶 の 運 航 形 態 に 応 じた 管 理 体 制 等 の 整 備 海 洋 由 来 の 自 然 の 脅 威 に 対 する 防 災 対 策 の 強 化 等 の 取 組 が 急 務 である これらの 政 策 目 標 を 達 成 するため 第 1 部 において 基 本 法 に 定 める 6 項 目 の 基 本 理 念 に 沿 って 施 策 展 開 の 基 本 的 な 方 針 を 第 2 部 において 基 本 法 に 定 める 12 項 目 の 基 本 的 施 策 について 集 中 的 に 実 施 すべき 施 策 関 係 機 関 の 緊 密 な 連 携 の 下 で 実 施 すべき 施 策 等 総 合 的 計 画 的 推 進 が 必 要 な 海 洋 施 策 を 第 3 部 において 海 洋 施 策 推 進 のために 必 要 なその 他 の 事 項 を 定 める 第 1 部 海 洋 に 関 する 施 策 についての 基 本 的 な 方 針 1 海 洋 の 開 発 及 び 利 用 と 海 洋 環 境 の 保 全 との 調 和 我 が 国 においては これまで 海 洋 の 利 用 は 主 として 水 産 と 海 運 に 限 られてきたが 近 年 周 辺 海 域 には メタンハイドレート 等 のエネルギー 資 源 海 底 熱 水 鉱 床 やコバルトリッチクラスト 等 の 鉱 物 資 源 波 力 や 潮 力 等 の 自 然 エネルギー 海 洋 微 生 物 等 様 々な 開 発 可 能 な 資 源 の 存 在 が 明 らかに なりつつある 今 後 世 界 人 口 の 増 加 各 国 の 経 済 発 展 に 伴 い 世 界 的 に 食 料 資 源 及 びエネルギー 鉱 物 資 源 へ の 需 要 が 増 大 すると 予 想 されている しかしながら 現 状 においては 水 産 資 源 の 状 況 は 全 般 的 に 悪 化 しており その 回 復 が 急 務 となっている また エネルギー 鉱 物 資 源 については 周 辺 海 域 に おける 賦 存 状 況 や 賦 存 量 が 明 らかになっていない 非 在 来 型 の 天 然 ガス 資 源 や 金 属 鉱 物 資 源 は 採 掘 技 術 が 未 確 立 である 等 の 課 題 が 存 在 している このような 海 洋 資 源 の 積 極 的 な 開 発 利 用 を 行 うためには 再 生 産 可 能 な 資 源 については 持 続 可 能 な 利 用 が 実 現 されるよう 努 めるとともに 海 洋 環 境 の 保 全 との 調 和 が 図 られるよう 十 分 配 慮 した 上 で 必 要 な 技 術 の 開 発 合 理 的 な 計 画 づくりと 所 要 の 体 制 整 備 等 に 努 める 必 要 がある 我 が 国 周 辺 海 域 は 世 界 の 三 大 漁 場 の 一 つと 言 われ 極 めて 高 い 生 産 力 を 持 つ 海 域 であるが 現 在 資 源 評 価 を 実 施 している 水 産 資 源 のうち 約 半 数 が 低 位 水 準 にとどまっている 水 産 資 源 は 再 生 産 可 能 であるため 漁 獲 可 能 量 (TAC) 制 度 漁 獲 努 力 可 能 量 (TAE) 制 度 に 基 づく 管 理 資 源 回 復 計 画 等 の 推 進 に 加 え 漁 場 生 産 力 の 向 上 周 辺 国 地 域 との 連 携 協 力 の 強 化 等 を 図 り 低 位 水 準 にあ る 資 源 を 回 復 させる 必 要 がある さらに これらの 水 産 資 源 の 回 復 措 置 に 加 え 海 鳥 ウミガメ 等 の 混 獲 防 止 に 努 めることも 海 洋 生 態 系 の 保 全 のために 重 要 である また 周 辺 海 域 に 賦 存 すると 見 込 まれている 石 油 天 然 ガス 資 源 の 探 鉱 開 発 は 主 として 水 深 200m 以 浅 の 海 域 の 一 部 にとどまり 未 探 鉱 の 海 域 が 広 範 に 残 されている 石 油 天 然 ガス 開 発 は 探 鉱 開 発 リスクが 高 いことから 海 洋 環 境 への 影 響 にも 配 慮 しながら 国 による 基 礎 物 理 探 査 や 試 錐 (しすい) 等 の 基 礎 調 査 を 計 画 的 に 推 進 していく 必 要 がある 一 方 で 我 が 国 企 業 は 大 水 深 域 での 石 油 天 然 ガス 開 発 の 経 験 が 乏 しく 産 油 国 での 大 水 深 域 の 鉱 区 開 放 に 参 入 できない 事 態 も 発 生 していることから 基 礎 調 査 の 実 施 に 当 たっては 特 に 大 水 深 域 での 我 が 国 企 業 の 経 験 の 蓄 積 も 考 慮 に 入 れる 必 要 がある このほか 周 辺 海 域 には 非 在 来 型 の 天 然 ガス 資 源 であるメタンハイドレートや 海 底 熱 水 鉱 床 コ バルトリッチクラスト 等 の 金 属 鉱 物 資 源 の 存 在 が 明 らかになっている これらの 資 源 は エネルギ ー 鉱 物 資 源 のほとんどを 海 外 に 依 存 する 我 が 国 にとって 貴 重 な 国 内 資 源 として 期 待 されているが

いまだ 基 礎 的 な 調 査 又 は 技 術 開 発 の 段 階 にあり また 資 源 採 取 に 当 たり 海 底 の 生 物 の 生 息 環 境 等 に 重 大 な 影 響 を 与 えるおそれもある このため 環 境 に 与 える 影 響 を 事 前 に 評 価 し 影 響 をできる 限 り 軽 減 する 技 術 も 含 め 将 来 の 商 業 化 に 向 けた 技 術 開 発 プログラムを 策 定 するとともに その 達 成 に 向 けた 国 研 究 機 関 民 間 企 業 等 の 連 携 体 制 を 構 築 し 着 実 な 進 展 を 図 る 必 要 がある また 世 界 的 な 経 済 発 展 に 伴 い 海 上 輸 送 量 が 増 大 しており 船 舶 に 起 因 する 海 洋 汚 染 を 防 止 し 海 洋 環 境 への 負 荷 を 低 減 させることが 一 層 重 要 となっている このため 世 界 の 海 上 輸 送 量 の 約 7 分 の 1( 平 成 18 年 )に 関 わる 我 が 国 としては 海 洋 生 態 系 に 深 刻 な 影 響 を 与 える 油 や 有 害 物 質 の 流 出 防 止 事 故 発 生 時 及 びその 後 の 適 切 な 対 応 船 舶 に 起 因 する 大 気 汚 染 の 防 止 等 について 国 際 的 な 取 組 を 着 実 に 進 める 必 要 がある さらに 船 舶 のバラスト 水 を 介 した 水 生 生 物 の 移 動 による 生 態 系 への 影 響 の 防 止 や 国 際 海 運 における 船 舶 の 二 酸 化 炭 素 排 出 削 減 等 の 新 たな 課 題 に 対 して 国 際 社 会 の 中 で 先 導 的 な 役 割 を 果 たすために 技 術 開 発 も 含 め 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 がある 2 海 洋 の 安 全 の 確 保 我 が 国 は 国 土 の 周 辺 に 管 轄 権 の 及 ぶ 広 大 な 海 域 を 有 し 経 済 の 発 展 及 び 生 活 の 安 定 に 必 要 なエ ネルギー 資 源 食 料 等 を 含 む 物 資 輸 送 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 しており また 人 口 資 産 社 会 資 本 等 が 沿 岸 部 に 集 積 している このような 地 理 的 経 済 社 会 的 特 徴 等 から 航 行 の 自 由 や 海 洋 資 源 開 発 等 の 経 済 的 存 立 の 基 盤 となる 海 洋 権 益 を 確 保 するための 航 行 の 安 全 を 含 む 海 洋 の 安 全 の 確 保 及 び 自 然 災 害 の 脅 威 への 対 応 が 国 民 生 活 全 体 にとっての 重 要 な 課 題 である 我 が 国 は 関 係 諸 国 との 協 力 関 係 の 強 化 等 により 海 上 輸 送 路 における 航 行 の 自 由 と 安 全 の 確 保 周 辺 海 域 における 安 定 した 秩 序 の 維 持 等 に 努 めているが 周 辺 海 域 における 密 輸 密 入 国 工 作 船 等 犯 罪 に 関 わりうる 船 舶 の 侵 入 や 航 行 の 秩 序 を 損 なうような 行 為 海 賊 行 為 や 大 量 破 壊 兵 器 の 海 上 輸 送 による 拡 散 周 辺 国 海 軍 艦 艇 の 活 動 の 活 発 化 等 の 我 が 国 の 海 洋 権 益 及 び 治 安 を 損 なうおそれの ある 事 態 の 発 生 が 我 が 国 の 安 全 及 び 治 安 上 の 問 題 として 懸 念 されている このような 問 題 に 対 応 するため 制 度 上 の 整 備 を 図 っていくとともに 効 果 的 かつ 機 動 性 のある 監 視 取 締 り 等 を 実 施 す るため 関 係 機 関 間 の 連 携 強 化 装 備 等 の 着 実 な 整 備 及 び 高 性 能 化 人 員 の 整 備 等 による 体 制 強 化 を 推 進 する 必 要 がある その 際 離 島 を 含 む 沿 岸 域 の 住 民 の 協 力 を 得 ることが 有 効 である さらに 国 際 港 湾 施 設 に 対 して 行 われるおそれがある 危 害 行 為 等 の 防 止 を 図 るため 海 上 人 命 安 全 条 約 に 基 づいて 国 際 協 調 の 下 港 湾 等 における 保 安 対 策 を 適 切 に 実 施 する 必 要 がある エネルギー 資 源 等 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 している 我 が 国 にとって 海 洋 における 航 行 の 自 由 を 確 保 しつつ 石 油 等 の 主 要 な 輸 送 海 域 における 海 上 交 通 の 安 全 や 放 射 性 物 質 輸 送 の 安 全 を 確 保 する ことは 経 済 的 側 面 を 含 む 我 が 国 の 安 全 を 確 保 する 上 で 極 めて 重 要 である 特 に 海 上 交 通 の 要 衝 であるマラッカ シンガポール 海 峡 を 含 む 海 域 については 航 行 援 助 施 設 の 維 持 管 理 に 加 えて 海 賊 対 策 テロ 対 策 等 について 国 際 的 な 連 携 協 力 の 促 進 に 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 がある さらに 我 が 国 の 国 益 のためのみならず 海 賊 行 為 海 上 におけるテロ 及 び 海 上 輸 送 による 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 等 の 防 止 という 国 際 社 会 の 要 請 に 応 えるとの 観 点 から 国 際 法 に 則 し 公 海 上 でこれらの 行 為 を 抑 止 し 取 り 締 まるための 体 制 の 整 備 を 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 じていく 必 要 がある 周 辺 海 域 においては 航 行 の 安 全 等 に 係 るこれまでの 努 力 にもかかわらず 毎 年 多 くの 海 難 死 亡 者 等 が 発 生 しており 航 行 の 安 全 確 保 と 海 難 救 助 の 対 応 強 化 は 依 然 重 要 な 課 題 である このため 大 型 化 高 速 化 する 船 舶 に 対 する 社 会 的 要 請 の 変 化 や 海 難 の 原 因 等 を 踏 まえ 船 舶 が 満 たすべき 安

全 基 準 の 整 備 と 船 舶 検 査 を 通 じたその 確 実 な 実 施 が 不 可 欠 である また 大 型 化 高 速 化 外 国 籍 船 の 増 加 プレジャーボートによる 活 動 等 を 背 景 として 複 雑 化 多 様 化 する 船 舶 の 運 航 形 態 に 応 じ た 安 全 管 理 体 制 が 構 築 され 海 難 防 止 のための 対 策 が 適 切 に 実 施 されるよう 指 導 監 督 を 徹 底 する 必 要 がある 一 方 航 路 の 保 全 や 安 全 な 航 行 を 支 援 するための 施 設 の 整 備 船 舶 自 動 識 別 装 置 等 の 新 技 術 を 活 用 した 海 上 交 通 環 境 の 改 善 等 の 施 策 も 着 実 に 進 めていく 必 要 がある さらに 海 難 等 の 発 生 原 因 やメカニズムの 究 明 海 難 の 分 析 等 による 安 全 基 準 や 運 航 管 理 体 制 の 改 善 等 を 図 ることが 必 要 である 海 難 救 助 については 巡 視 船 等 による 現 場 での 対 応 能 力 を 強 化 することが 基 本 的 に 重 要 である 加 えて 海 難 発 生 の 早 期 把 握 や 救 助 現 場 特 定 能 力 の 向 上 海 難 現 場 への 迅 速 な 移 動 多 様 な 救 助 活 動 に 対 応 しうる 救 助 技 術 能 力 の 向 上 とともに 遭 難 者 の 捜 索 救 助 活 動 についての 各 国 との 協 力 を 推 進 する 必 要 がある また 我 が 国 は 地 震 台 風 等 による 災 害 が 発 生 しやすい 厳 しい 自 然 条 件 に 加 えて 長 い 海 岸 線 を 持 ち 人 口 資 産 等 が 沿 岸 部 に 集 積 していることから 津 波 高 潮 波 浪 等 の 海 洋 に 由 来 する 自 然 災 害 や 海 岸 侵 食 に 対 して 脆 弱 である さらに 巨 大 海 溝 型 地 震 の 発 生 地 球 温 暖 化 に 伴 う 海 面 上 昇 及 び 台 風 の 強 度 の 増 大 によるゼロメートル 地 帯 を 中 心 とした 高 潮 被 害 の 深 刻 化 等 の 可 能 性 が 指 摘 されている これら 海 洋 由 来 の 自 然 災 害 から 国 民 の 生 命 身 体 及 び 財 産 並 びに 国 土 を 守 るため 地 震 観 測 津 波 予 測 等 の 能 力 向 上 や 海 岸 保 全 施 設 の 整 備 等 の 災 害 防 止 策 津 波 や 高 潮 の 警 報 等 の 迅 速 な 提 供 や 住 民 の 避 難 支 援 等 の 被 害 拡 大 防 止 策 臨 海 部 の 防 災 拠 点 機 能 強 化 や 被 災 地 への 人 員 派 遣 体 制 の 強 化 被 災 施 設 の 修 復 等 の 災 害 復 旧 のそれぞれを 着 実 に 推 進 することが 必 要 である また 地 球 温 暖 化 に 伴 う 海 面 上 昇 等 から 生 じうる 事 態 に 対 応 しうる 海 岸 保 全 施 設 整 備 等 について 検 討 し 適 応 策 を 実 施 していく 必 要 がある 3 科 学 的 知 見 の 充 実 海 洋 は 依 然 として 人 類 にとって 未 解 明 の 領 域 が 多 く 地 球 環 境 問 題 等 の 地 球 規 模 での 問 題 や 巨 大 海 溝 型 地 震 への 対 応 エネルギー 資 源 の 安 定 確 保 の 問 題 等 海 洋 調 査 と 海 洋 に 関 する 研 究 開 発 が 大 きな 役 割 を 果 たさなければならない 状 況 に 直 面 している 一 方 海 洋 に 係 る 調 査 研 究 には 特 殊 な 船 舶 等 の 施 設 設 備 が 必 要 なこと 長 期 にわたる 取 組 が 必 要 で 短 期 間 のうちに 直 接 的 な 成 果 に 結 びつきにくいこと 等 の 特 殊 性 がある 海 洋 に 係 る 科 学 的 知 見 の 充 実 に 当 たっては これらの 特 殊 性 や 我 が 国 の 科 学 技 術 水 準 を 踏 まえた 上 で 様 々な 課 題 に 対 して 新 たな 英 知 を 創 出 して 世 界 に 貢 献 し 豊 かな 海 洋 資 源 や 海 洋 空 間 の 持 続 可 能 な 利 用 及 び 安 全 安 心 な 国 民 生 活 の 実 現 を 図 る 観 点 から 海 洋 調 査 と 海 洋 に 関 する 研 究 開 発 について 戦 略 的 に 推 進 することが 重 要 である 多 様 な 知 と 革 新 をもたらす 基 礎 研 究 に 関 しては 地 道 で 真 摯 (しんし)な 真 理 探 究 と 試 行 錯 誤 の 蓄 積 が 重 要 であることを 踏 まえ 持 続 的 に 発 展 させていくことが 必 要 である また 海 底 の 地 震 発 生 帯 や 海 底 資 源 探 査 を 可 能 とする 我 が 国 独 自 の 海 底 探 査 技 術 等 による 海 洋 地 球 観 測 探 査 システム が 国 家 基 幹 技 術 として 位 置 付 けられるなど 戦 略 的 重 点 的 に 推 進 すべき 技 術 課 題 が 精 選 されており これらの 取 組 を 着 実 に 推 進 し 成 果 を 上 げていくことが 必 要 である その 際 海 洋 に 関 わる 事 象 は 相 互 に 密 接 に 関 連 していることから 様 々な 課 題 の 解 決 に 向 けて 人 文 社 会 科 学 も 含 め 多 岐 にわた る 研 究 領 域 を 結 集 して 対 応 することが 重 要 であるとともに 研 究 者 の 視 点 により 自 由 な 発 想 で 行 う 研 究 活 動 の 充 実 を 図 ることが 必 要 である

海 洋 調 査 に 関 しては 水 産 資 源 管 理 海 底 資 源 開 発 地 球 温 暖 化 対 策 海 洋 の 生 物 多 様 性 の 確 保 海 上 交 通 の 安 全 海 底 地 震 対 策 等 各 種 の 行 政 分 野 に 応 じて 調 査 目 的 に 応 じた 調 査 方 法 により 実 施 されている 各 政 府 関 係 機 関 等 による 調 査 目 的 に 照 らしデータ 不 足 の 海 域 の 調 査 を 中 心 に 海 洋 調 査 を 充 実 するとともに より 効 果 的 効 率 的 な 海 洋 調 査 の 実 施 の 観 点 から 各 機 関 の 連 携 協 力 によ り 情 報 の 共 有 化 等 を 更 に 促 進 することが 重 要 である 国 際 的 にも 先 導 的 な 立 場 で 海 洋 調 査 を 推 進 するためには 最 先 端 の 性 能 を 有 する 船 舶 設 備 等 が 必 要 であるが 現 有 の 船 舶 設 備 等 の 中 には 老 朽 化 が 進 んでいるものもあることに 加 え 最 近 の 燃 料 費 の 高 騰 の 影 響 により 調 査 活 動 が 制 約 さ れている 面 もある このため 調 査 計 画 等 の 情 報 の 共 有 化 運 用 の 効 率 化 を 推 進 するとともに 施 設 設 備 等 の 整 備 や 運 用 につき 計 画 的 かつ 燃 料 費 等 の 情 勢 に 柔 軟 に 対 応 していくことが 必 要 である また 総 合 的 な 海 洋 政 策 の 推 進 に 当 たり 海 洋 管 理 に 必 要 な 基 礎 情 報 について 各 機 関 が 連 携 協 力 し 重 点 的 に 海 洋 調 査 を 行 う 必 要 がある さらに 海 洋 調 査 等 により 得 られた 様 々な 海 洋 に 関 する 情 報 については 各 機 関 の 目 的 に 応 じ 個 別 に 管 理 提 供 が 行 われている 状 況 にあるが 産 業 界 学 界 等 から 利 便 性 を 高 める 要 請 が 強 い 状 況 や 情 報 の 管 理 方 法 等 について 必 ずしも 統 一 が 図 られていないという 問 題 がある このため 各 機 関 に 分 散 している 海 洋 関 係 諸 情 報 について 海 洋 産 業 の 発 展 基 礎 研 究 の 促 進 海 洋 調 査 の 効 率 化 等 に 資 するとともに 使 いやすくかつ 効 率 的 合 理 的 なものとなるよう 一 元 的 な 管 理 提 供 を 行 う 体 制 を 整 備 する 必 要 がある 一 方 将 来 にわたり 我 が 国 の 海 洋 科 学 技 術 の 水 準 を 高 め 発 展 させていくためには 優 秀 な 研 究 者 技 術 者 及 び 研 究 支 援 者 が 確 保 されることが 必 要 不 可 欠 である しかしながら フロンティア 分 野 に 関 しては 将 来 を 支 える 若 手 人 材 が 不 足 しており 後 継 者 の 育 成 が 大 きな 課 題 となっている このた め 最 先 端 の 研 究 を 切 り 拓 き 国 際 的 にもリーダーシップを 発 揮 できる 人 材 を 始 め 若 手 人 材 の 育 成 確 保 が 必 要 である 加 えて 海 洋 という 未 知 なる 領 域 への 挑 戦 は 人 類 の 知 的 欲 求 から 発 する ものとして 大 いにこれを 振 興 することが 重 要 であるとともに 次 世 代 を 担 う 青 少 年 を 始 めとする 国 民 全 体 の 海 洋 に 関 する 理 解 関 心 の 増 進 につながるものであることから 次 の 世 代 を 支 える 青 少 年 が 海 洋 の 夢 と 未 知 なるものへの 挑 戦 心 を 培 うことができるような 教 育 及 び 普 及 啓 発 活 動 の 充 実 が 必 要 である 科 学 技 術 は 日 進 月 歩 であり 絶 えず 新 しい 発 想 で 新 しい 研 究 を 行 っていく 姿 勢 を 重 要 視 していく ことが 海 洋 科 学 技 術 分 野 の 将 来 の 発 展 のためにも 不 可 欠 である 海 洋 基 本 法 の 制 定 を 契 機 に 経 済 団 体 や 学 界 等 から 関 係 府 省 の 所 掌 を 超 えた 様 々な 研 究 開 発 制 度 研 究 開 発 プロジェクト 等 に 係 る 各 種 構 想 が 提 案 されている 状 況 にあるが 新 しい 発 想 で 各 界 においてこのような 構 想 が 検 討 され 提 案 され 可 能 なものから 逐 次 実 現 されていくことは 海 洋 に 関 する 研 究 開 発 の 活 性 化 の 観 点 からも 重 要 である これまで 海 洋 に 関 するこうした 開 発 構 想 は 概 して 関 連 分 野 が 多 岐 にわたること 初 期 投 資 が 大 きいこと 等 から 容 易 に 実 現 に 結 び 付 かないという 側 面 もあったことから 関 係 府 省 連 携 の 下 これらの 新 しい 構 想 に 係 る 提 案 等 に 関 し 実 現 可 能 性 や 波 及 効 果 等 を 明 確 化 する 必 要 がある 4 海 洋 産 業 の 健 全 な 発 展 我 が 国 は 貿 易 量 のほぼ 全 量 国 内 輸 送 量 の 約 4 割 (セメント 鋼 材 等 の 産 業 基 礎 物 資 について は 8 割 以 上 )を 海 上 輸 送 に 依 存 している また 水 産 物 は 国 民 への 動 物 性 たんぱく 質 供 給 の 4 割 を 占 め 栄 養 バランスの 優 れた 日 本 型 食 生 活 の 実 現 を 図 る 上 で 極 めて 重 要 な 食 料 である こ

れらを 支 える 海 運 業 水 産 業 造 船 業 舶 用 工 業 等 の 海 洋 に 関 する 産 業 は 我 が 国 の 経 済 社 会 の 健 全 な 発 展 や 国 民 生 活 の 安 定 向 上 の 基 盤 であり その 健 全 な 発 展 は 海 洋 の 開 発 及 び 利 用 と 海 洋 環 境 の 保 全 との 調 和 や 海 洋 の 安 全 の 確 保 等 を 図 っていくためにも 不 可 欠 である 海 洋 産 業 については 海 洋 基 本 法 において 海 洋 の 開 発 利 用 保 全 等 を 担 う 産 業 と 定 義 付 け がなされている これまでも 海 洋 関 連 産 業 の 市 場 規 模 等 についての 試 算 事 例 はあったが 動 向 に 係 る 公 式 の 調 査 は 行 われていない 今 後 の 海 洋 産 業 の 振 興 のための 様 々な 取 組 を 適 切 に 行 っていく ためにも 海 洋 基 本 法 の 定 義 に 基 づく 海 洋 産 業 について その 現 状 を 正 確 に 分 析 し 把 握 することは 重 要 であることから 海 洋 産 業 に 係 る 基 本 的 な 情 報 の 調 査 収 集 整 備 を 行 っていく 必 要 がある 主 要 な 海 洋 産 業 の 状 況 を 見 ると 海 運 業 においては 国 際 的 な 競 争 の 激 化 に 伴 い 多 くの 海 運 国 に おいて 自 国 外 航 海 運 業 の 国 際 競 争 力 向 上 を 目 的 とする 施 策 を 強 化 してきている また 我 が 国 の 企 業 が 運 航 する 外 航 航 路 に 従 事 する 船 舶 は 便 宜 置 籍 船 等 により 総 数 としては 維 持 されているものの ピーク 時 との 比 較 で 日 本 籍 船 は 昭 和 47 年 の 1,580 隻 から 平 成 18 年 の 95 隻 へ 日 本 人 外 航 船 員 は 昭 和 49 年 の 約 5 万 7 千 人 から 平 成 18 年 の 約 3 千 人 へと 極 端 な 減 少 が 続 いている 内 航 船 員 につ いても 昭 和 50 年 の 約 7 万 5 千 人 から 平 成 18 年 の 約 3 万 人 へと 減 少 するとともに 45 歳 以 上 の 占 め る 割 合 が 64%に 上 る 等 高 齢 化 が 著 しい これらの 状 況 は 安 定 的 な 海 上 輸 送 の 確 保 の 観 点 から 憂 慮 すべき 事 態 である 水 産 業 においては 特 に 漁 船 漁 業 における 船 齢 の 高 齢 化 が 深 刻 な 問 題 となっ ている このため 今 後 とも 海 洋 の 開 発 利 用 の 中 核 となるべきこれらの 産 業 の 競 争 条 件 整 備 や 体 質 改 善 等 を 早 急 に 図 る 必 要 がある 造 船 業 及 び 舶 用 工 業 についても 安 定 して 良 質 な 製 品 を 市 場 に 供 給 し 続 けていくために 我 が 国 の 高 い 技 術 力 をいかしつつ 安 全 環 境 基 準 の 策 定 と 技 術 開 発 を 一 体 的 に 推 進 し 国 際 競 争 力 の 強 化 や 経 営 基 盤 の 強 化 等 を 図 る 必 要 がある また アジア 地 域 の 経 済 発 展 に 伴 い 貿 易 量 が 増 大 する 中 で 競 争 力 を 増 している 周 辺 アジア 諸 国 の 港 湾 との 間 で 厳 しい 選 別 が 行 われる 状 況 等 に 対 応 し 海 上 輸 送 ネットワークの 拠 点 である 港 湾 に ついて コンテナ 船 の 大 型 化 等 に 対 応 した 施 設 整 備 や 手 続 きの 簡 素 化 等 の 基 盤 形 成 を 図 る 必 要 があ る さらに 我 が 国 の 豊 富 な 海 洋 資 源 や 多 様 で 広 大 な 海 洋 空 間 をいかした 新 たな 海 洋 産 業 の 創 出 にも 積 極 的 に 取 り 組 むことが 重 要 である このため 様 々な 産 業 における 海 洋 利 用 を 促 進 するための 技 術 開 発 の 推 進 に 加 え 海 洋 関 連 技 術 や 情 報 の 活 用 の 利 便 性 向 上 を 図 り 産 学 官 連 携 によるイノベー ション システムを 構 築 し これらの 関 係 者 による 明 確 な 目 標 の 設 定 調 査 研 究 開 発 から 実 用 に 至 る 合 理 的 な 計 画 づくり 等 を 促 進 する 必 要 がある また 地 域 の 活 性 化 の 視 点 から 海 洋 レジャ ーの 推 進 等 海 洋 資 源 をいかした 地 域 産 業 の 活 性 化 に 取 り 組 んでいくことが 必 要 である さらに 深 海 底 微 生 物 資 源 等 将 来 の 発 展 が 期 待 される 資 源 については 国 際 動 向 を 把 握 しつつ 所 要 の 対 応 体 制 等 を 整 備 していく 必 要 がある 将 来 にわたり 海 洋 産 業 が 健 全 な 発 展 を 図 っていくためには 人 材 の 育 成 及 び 確 保 を 図 っていくこ とが 重 要 である このため 海 洋 産 業 の 就 業 の 場 としての 魅 力 の 向 上 に 努 めるほか 次 代 の 海 洋 産 業 を 担 う 人 材 を 育 成 するための 高 校 大 学 等 を 通 じた 海 洋 産 業 に 関 する 実 践 的 な 専 門 教 育 の 充 実 等 を 図 る 必 要 がある 5 海 洋 の 総 合 的 管 理 海 洋 は 陸 域 を 含 む 地 球 上 の 生 物 の 命 を 支 え 多 種 多 様 な 生 物 が 生 息 生 育 する 場 であるととも

に 水 産 資 源 やエネルギー 鉱 物 資 源 の 開 発 利 用 海 上 交 通 レクリエーション 活 動 等 様 々な 人 間 活 動 が 行 われる 場 でもあり さらには 美 しい 砂 浜 や 荒 々しい 独 特 の 自 然 景 観 を 有 するなど 多 様 な 機 能 を 有 している また 一 定 の 行 為 や 変 化 が 他 の 行 為 や 事 象 に 影 響 を 与 えるなど 海 洋 に 関 わる 様 々な 事 象 が 相 互 に 密 接 に 関 連 している このため 海 洋 が 広 大 であるとはいえ 限 界 のある 空 間 である 以 上 個 別 の 利 用 者 が 自 らの 利 害 に 応 じた 行 動 をとるのみでは 全 体 として 最 適 な 状 態 を 達 成 できるとは 限 らない 加 えて 我 が 国 の 排 他 的 経 済 水 域 は 7 つの 国 地 域 と 接 し 主 張 が 重 複 する 海 域 が 存 在 するほか 海 洋 は 地 球 を 覆 う 一 体 の 連 続 した 存 在 であることから その 管 理 を 行 う 際 には 国 際 的 な 視 野 も 欠 かすことができない 海 洋 の 管 理 に 当 たっては これらを 総 合 的 に 検 討 する 視 点 が 不 可 欠 であるとともに 国 連 海 洋 法 条 約 を 始 めとする 海 洋 に 関 する 国 際 ルールに 基 づく 適 切 な 権 利 の 行 使 義 務 の 履 行 及 び 国 際 協 調 に 留 意 する 必 要 がある このような 観 点 から 国 際 社 会 においては 海 洋 及 び 海 洋 資 源 について 平 和 的 で 衡 平 かつ 持 続 可 能 な 開 発 利 用 の 実 現 に 努 めるべきである このため 関 係 国 間 の 連 携 の 確 保 海 洋 秩 序 の 形 成 や 海 洋 環 境 保 全 に 関 する 枠 組 みづくり 等 へ 積 極 的 に 貢 献 するとともに 排 他 的 経 済 水 域 等 につい て 我 が 国 と 相 手 国 との 主 張 が 重 複 している 海 域 については 国 際 ルールに 則 した 解 決 を 追 求 してい く 必 要 がある 一 方 我 が 国 が 管 轄 権 を 有 する 海 域 においては 当 該 海 域 を 管 理 する 立 場 として 1 海 域 を 持 続 可 能 な 利 用 が 図 られるよう 適 切 な 状 態 に 保 つこと 2 海 域 の 開 発 利 用 の 可 能 性 を 明 らかにすると ともにその 促 進 を 図 ること 3 輻 輳 (ふくそう)する 海 域 利 用 における 利 用 秩 序 を 維 持 すること に 努 めるべきである このため 汚 濁 負 荷 の 低 減 等 による 海 洋 環 境 の 保 全 海 洋 資 源 の 計 画 的 な 開 発 利 用 海 洋 に 関 連 する 諸 情 報 についての 一 元 的 な 収 集 管 理 提 供 海 域 の 監 視 指 導 取 締 り 等 に 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 がある なお 海 域 の 利 用 実 態 を 見 ると 複 数 の 利 用 者 が 同 一 の 海 洋 空 間 を 立 体 的 時 間 的 に 住 み 分 けながら 利 用 しあうことが 一 般 的 である これら 利 用 者 相 互 の 調 整 は 法 令 によるほか 当 事 者 間 の 話 合 いにより 行 われている 管 理 に 当 たっては こうした 実 態 を 十 分 踏 まえるとともに 必 要 に 応 じ 関 係 者 の 円 滑 な 調 整 のための 環 境 整 備 を 行 うことが 必 要 であ る また 海 域 の 管 理 に 際 しては 海 域 ごとに その 社 会 的 経 済 的 意 義 海 域 利 用 の 現 状 海 洋 環 境 保 全 上 の 重 要 性 等 を 踏 まえる 必 要 がある 特 に 沿 岸 海 域 は 多 種 多 様 な 海 洋 生 物 が 生 息 生 育 し 重 要 な 水 産 資 源 の 生 育 場 ともなっている 一 方 で 既 に 相 当 程 度 海 洋 空 間 や 海 洋 資 源 の 利 用 が 進 んでおり 環 境 汚 染 や 生 態 系 破 壊 が 懸 念 される 状 況 にある 加 えて 沿 岸 海 域 は 陸 域 と 接 してお り 陸 域 との 関 連 を 踏 まえた 施 策 展 開 が 必 要 であるとともに 地 域 ごとに 多 様 な 海 域 特 性 に 対 応 した 特 色 ある 海 域 利 用 が 行 われていることにも 留 意 する 必 要 がある これらを 踏 まえ 沿 岸 海 域 の 管 理 については 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 の 低 減 発 生 源 対 策 を 含 めた 漂 流 漂 着 ゴミ 問 題 に 対 する 総 合 的 取 組 海 洋 の 生 物 の 多 様 性 の 確 保 等 のための 保 護 区 の 設 定 等 適 切 な 海 洋 環 境 保 全 措 置 の 検 討 及 び 導 入 河 川 等 を 通 じた 陸 域 からの 土 砂 供 給 量 の 減 少 等 による 海 岸 侵 食 への 対 応 を 含 む 海 岸 保 全 対 策 等 沿 岸 海 域 において 深 刻 化 している 問 題 に 的 確 に 対 応 する 必 要 がある さらに 沿 岸 海 域 及 び 関 連 する 陸 域 が 一 体 となった より 実 効 性 の 高 い 管 理 のあり 方 について 検 討 を 行 い その 内 容 を 明 確 にした 上 で 適 切 な 措 置 を 講 じる 必 要 がある このほか 大 陸 棚 については 国 連 海 洋 法 条 約 に 基 づき 200 海 里 を 超 えて 設 定 しうることから 我 が 国 の 大 陸 棚 の 外 縁 が 適 切 に 設 定 されるよう 取 り 組 んでいく 必 要 がある また 排 他 的 経 済 水 域

等 における 権 益 が 損 なわれることのないよう 国 連 海 洋 法 条 約 等 の 国 際 ルールに 適 合 した 外 国 船 等 の 適 切 な 活 動 を 促 進 するための 対 策 について 制 度 面 を 含 め 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 じていく 必 要 がある さらに 広 大 な 我 が 国 の 管 轄 水 域 に 点 在 する 離 島 について その 海 洋 政 策 推 進 上 の 位 置 付 けを 明 確 化 し 適 切 に 管 理 するとともに 地 域 における 創 意 工 夫 をいかした 定 住 雇 用 促 進 等 の 振 興 策 により 自 主 性 を 重 んじた 離 島 地 域 の 発 展 を 促 進 する 必 要 がある 6 海 洋 に 関 する 国 際 的 協 調 我 が 国 は 国 土 の 周 りに 広 大 な 管 轄 海 域 を 有 する 海 洋 国 家 であり 航 行 の 自 由 を 始 めとする 海 洋 の 秩 序 の 今 後 の 展 開 は 国 益 に 大 きな 影 響 を 与 える 東 シナ 海 等 においては 排 他 的 経 済 水 域 等 につ いて 我 が 国 と 相 手 国 との 主 張 が 重 複 する 海 域 があり 資 源 開 発 等 について 問 題 が 生 じてきている 我 が 国 の 権 益 を 確 保 し 周 辺 海 域 における 秩 序 を 安 定 したものとすべく このような 問 題 への 対 応 や 問 題 の 根 本 的 解 決 を 図 るため 一 貫 して 国 際 ルールに 則 した 解 決 を 追 求 していく 必 要 がある 海 洋 における 航 行 の 自 由 と 海 洋 の 安 全 の 確 保 水 産 資 源 の 持 続 可 能 な 利 用 の 実 現 等 は 貿 易 立 国 であり かつ 主 要 な 漁 業 国 で 水 産 物 の 消 費 大 国 である 我 が 国 の 海 洋 権 益 に 大 きく 関 わるのみなら ず 広 く 国 際 社 会 に 課 された 課 題 である このため これらの 課 題 について 国 際 的 な 要 請 も 踏 ま えつつ 関 係 国 間 の 連 携 協 力 を 推 進 するとともに 国 際 的 な 秩 序 の 形 成 発 展 及 びその 遵 守 の 確 保 について 先 導 的 な 役 割 を 担 うことが 必 要 である さらに 地 球 温 暖 化 への 対 応 や 生 物 多 様 性 の 確 保 等 の 地 球 規 模 の 課 題 について 国 際 社 会 の 連 携 を 積 極 的 に 強 化 する 必 要 がある また 我 が 国 は 海 洋 秩 序 の 形 成 発 展 の 観 点 から 海 洋 に 関 する 紛 争 について 国 際 法 を 始 め とする 国 際 ルールによりその 解 決 を 図 ることとし 国 際 司 法 機 関 等 第 三 者 機 関 の 積 極 的 な 活 用 を 重 視 するとの 立 場 をとっている このような 考 え 方 を 我 が 国 のみならず 各 国 においても 共 有 する ことを 促 すとともに 国 際 海 洋 法 裁 判 所 等 の 海 洋 分 野 における 国 際 司 法 機 関 の 活 動 を 積 極 的 に 支 援 していくことが 重 要 である 我 が 国 にとって 海 洋 の 基 本 的 秩 序 である 航 行 の 自 由 と 海 洋 の 安 全 の 確 保 は 重 要 であるため 近 隣 諸 国 を 始 めとする 各 国 との 連 携 協 力 を 推 進 する 必 要 がある 特 に 我 が 国 への 原 油 輸 送 路 であ るペルシャ 湾 からマラッカ シンガポール 海 峡 を 経 て 我 が 国 に 至 る 海 域 には 海 賊 事 件 の 発 生 等 治 安 上 の 問 題 があるとともに 船 舶 の 輻 輳 (ふくそう) 等 航 行 安 全 上 の 問 題 が 存 在 する これらは 沿 岸 国 及 び 旗 国 の 主 権 を 尊 重 しつつ 国 際 社 会 が 協 力 して 対 応 すべき 問 題 である このため アジ ア 海 賊 対 策 地 域 協 力 協 定 が 海 賊 対 策 に 関 する 先 駆 的 な 対 応 であることを 踏 まえ 同 協 定 に 基 づく 諸 活 動 を より 多 くの 国 の 参 加 を 得 つつ 積 極 的 に 推 進 する 必 要 がある また 同 海 峡 の 航 行 安 全 確 保 について 沿 岸 国 と 利 用 国 の 協 力 のあり 方 を 具 体 化 した 新 たな 協 力 メカニズムの 下 における 関 係 国 間 の 連 携 協 力 を 推 進 する さらに エネルギー 安 全 保 障 上 重 要 な 放 射 性 物 質 輸 送 の 安 全 を 確 保 するため 同 輸 送 に 懸 念 を 有 する 諸 国 との 信 頼 関 係 等 を 強 化 する 必 要 がある これらに 加 え 我 が 国 は 国 際 海 事 機 関 (IMO) 等 における 国 際 約 束 等 の 策 定 に 主 体 的 に 参 画 するとともに 海 上 にお けるテロ 対 策 や 大 量 破 壊 兵 器 等 の 海 上 輸 送 等 への 対 応 に 関 する 国 際 約 束 を 可 能 な 限 り 早 期 に 締 結 し 国 際 協 力 に 積 極 的 に 参 画 していく 必 要 がある 多 くの 水 産 資 源 が 低 い 水 準 にあるとの 指 摘 がある 中 で 近 年 漁 業 活 動 に 新 規 参 入 する 国 が 相 次 ぎ 我 が 国 等 伝 統 的 漁 業 国 と 競 合 する 状 況 が 生 じており 限 りある 主 要 水 産 資 源 の 持 続 可 能 な 利 用 を 実 現 することは 国 際 社 会 の 喫 緊 の 課 題 となっている このため 我 が 国 は マグロ 類 資 源 を 始 め

とする 主 要 水 産 資 源 について 多 国 間 の 地 域 漁 業 管 理 機 関 を 通 じ その 持 続 可 能 な 利 用 の 実 現 につ いて 先 導 的 役 割 を 担 うとともに 鯨 類 等 の 合 理 的 利 用 を 否 定 する 動 きについては 水 産 資 源 の 持 続 可 能 な 利 用 という 基 本 的 な 考 え 方 について 国 際 社 会 の 幅 広 い 理 解 と 支 持 を 得 るよう 努 めることが 重 要 である また 日 中 韓 三 国 の 排 他 的 経 済 水 域 における 水 産 資 源 の 保 存 管 理 を 図 るため 暫 定 水 域 等 を 含 め 資 源 の 適 切 な 管 理 に 向 けて 連 携 協 力 を 強 化 する 必 要 がある 地 球 表 面 積 の 7 割 を 占 める 海 洋 は 気 候 変 動 を 始 めとする 地 球 環 境 の 変 化 に 大 きく 関 連 するため 地 球 温 暖 化 等 の 問 題 の 解 決 に 向 け 海 洋 の 諸 現 象 に 関 する 原 理 を 追 求 解 明 していくことが 必 要 で ある 主 要 先 進 国 であり 海 洋 国 家 である 我 が 国 は 地 球 温 暖 化 や 気 候 変 動 について 防 災 災 害 被 害 の 軽 減 をも 念 頭 に 置 き 海 洋 の 調 査 研 究 を 推 進 し より 正 確 な 予 測 モデルの 構 築 や 基 礎 科 学 の 発 展 のため 気 候 変 動 に 関 する 政 府 間 パネル(IPCC)への 貢 献 等 先 導 的 役 割 を 果 たす 必 要 がある また 地 球 温 暖 化 に 伴 い 一 層 深 刻 化 する 津 波 高 潮 等 への 有 効 な 対 策 について アジア 太 平 洋 地 域 の 地 域 的 協 力 への 支 援 津 波 災 害 の 危 険 が 懸 念 される 諸 国 への 津 波 情 報 のリアルタイムでの 提 供 海 外 における 津 波 高 潮 等 による 災 害 からの 復 興 に 対 する 支 援 等 について 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 がある 第 2 部 海 洋 に 関 する 施 策 に 関 し 政 府 が 総 合 的 かつ 計 画 的 に 講 ずべき 施 策 1 海 洋 資 源 の 開 発 及 び 利 用 の 推 進 我 が 国 は 主 要 な 漁 業 国 であり また エネルギー 鉱 物 資 源 の 多 くを 海 外 に 依 存 しているため 水 産 資 源 の 持 続 可 能 な 利 用 の 実 現 やエネルギー 鉱 物 資 源 の 開 発 を 促 進 することが 重 要 である 水 産 資 源 については その 多 くが 低 位 水 準 にあるとの 指 摘 があり 漁 場 環 境 の 保 全 等 による 水 産 資 源 の 回 復 適 切 な 管 理 措 置 の 導 入 等 が 必 要 である また エネルギー 鉱 物 資 源 については 周 辺 海 域 における 賦 存 状 況 の 把 握 生 産 技 術 の 開 発 開 発 による 環 境 への 影 響 評 価 等 が 必 要 である さら に 海 洋 のその 他 の 資 源 を 活 用 することも 重 要 である (1) 水 産 資 源 の 保 存 管 理 水 産 業 の 健 全 な 発 展 と 水 産 物 の 安 定 的 な 供 給 を 図 るため 水 産 資 源 の 回 復 を 図 りつつ 持 続 可 能 な 利 用 を 推 進 する その 際 沿 岸 海 域 において 自 然 生 態 系 と 調 和 しつつ 人 手 を 加 えることによっ て 生 物 多 様 性 の 確 保 と 生 物 生 産 性 の 維 持 を 図 り 豊 かで 美 しい 海 域 を 創 るという 里 海 の 考 え 方 の 具 現 化 を 図 る ア 水 産 資 源 の 保 存 管 理 措 置 の 充 実 と 遵 守 の 確 保 周 辺 海 域 においては 漁 獲 可 能 量 (TAC) 漁 獲 努 力 可 能 量 (TAE)を 始 めとする 水 産 資 源 の 保 存 管 理 措 置 の 充 実 を 図 るため 水 産 資 源 の 現 状 や 動 向 将 来 の 予 測 評 価 の 精 度 を 高 めるための 科 学 的 調 査 を 推 進 する 保 存 管 理 措 置 については 緊 急 に 資 源 回 復 が 必 要 な 魚 種 等 について 策 定 されてい る 資 源 回 復 計 画 を 推 進 する その 際 同 計 画 の 実 効 性 を 高 めるために 設 定 されている TAE の 対 象 魚 種 を 追 加 することを 検 討 する また 同 計 画 の 目 標 が 達 成 された 資 源 に 関 し その 水 準 の 維 持 安 定 及 び 合 理 的 な 利 用 について 関 係 者 の 共 通 認 識 の 下 に 計 画 的 に 推 進 する 新 たな 枠 組 みを 速 やかに 導 入 する さらに 資 源 を 共 有 する 周 辺 国 地 域 との 連 携 を 強 化 し 適 切 な 関 係 の 構 築 を 図 る 特 に 日 中 韓 三 国 の 排 他 的 経 済 水 域 における 資 源 の 保 存 管 理 を 図 るため 国 別 の 漁 獲 割 当 量 総 隻 数 の 遵 守 を 徹 底 するとともに 暫 定 水 域 等 の 資 源 の 適 切 な 管 理 に 向 けて 連 携 協 力 を 強 化 する 管 轄 海 域 における 密 漁 を 効 率 的 かつ 機 動 的 に 取 り 締 まるため 関 係 機 関 間 の 連 携 を 強 化 するとと

もに 体 制 の 強 化 を 図 る イ 水 産 動 植 物 の 生 育 環 境 の 保 全 漁 場 の 生 産 力 の 増 進 等 魚 介 類 の 産 卵 や 幼 稚 仔 (し)の 生 育 にとり 重 要 な 藻 場 等 に 関 する 調 査 研 究 を 充 実 するとともに 沿 岸 海 域 での 魚 礁 の 設 置 産 卵 場 や 保 育 場 の 造 成 等 の 漁 場 整 備 を 推 進 する また 漁 業 生 産 量 の 減 少 が 著 しい 沖 合 海 域 においても 基 礎 生 産 力 の 向 上 産 卵 場 や 幼 稚 仔 (し)の 保 育 場 の 造 成 等 の 漁 場 整 備 を 推 進 する 水 産 資 源 の 生 産 力 に 重 要 な 藻 場 干 潟 サンゴ 礁 等 の 保 全 再 生 を 推 進 する また 漁 業 者 等 が 取 り 組 んでいる 藻 場 干 潟 サンゴ 礁 等 の 維 持 管 理 等 の 公 益 的 な 活 動 への 支 援 を 推 進 する (2)エネルギー 鉱 物 資 源 の 開 発 の 推 進 エネルギー 鉱 物 資 源 の 開 発 は 民 間 企 業 にとりリスクが 高 く 技 術 的 な 困 難 も 伴 うため 下 記 のとおり 基 礎 調 査 や 技 術 開 発 等 について 国 が 先 導 的 な 役 割 を 担 う その 際 専 門 家 の 意 見 を 聴 き つつ 計 画 的 機 動 的 に 実 施 するとともに 成 果 を 民 間 企 業 に 引 き 継 ぐことにより 資 源 開 発 を 着 実 に 推 進 する ア 石 油 天 然 ガス 石 油 天 然 ガスの 賦 存 が 見 込 まれる 地 質 構 造 は 周 辺 海 域 に 広 く 存 在 しているが これらの 大 部 分 は 未 探 査 であり 昭 和 36 年 以 来 の 国 による 実 績 は 二 次 元 物 理 探 査 12 万 キロメートル 三 次 元 物 理 探 査 6 千 平 方 キロメートル 基 礎 試 錐 (しすい)27 坑 にとどまっている このため 平 成 19 年 度 に 導 入 された 三 次 元 物 理 探 査 船 を 活 用 し 周 辺 海 域 における 賦 存 状 況 の 把 握 を 目 的 として 探 鉱 実 績 の 少 ない 海 域 について 重 点 的 に 基 礎 物 理 探 査 を 実 施 するとともに 賦 存 可 能 性 が 高 いと 判 断 される 海 域 において 基 礎 試 錐 (しすい) 等 の 基 礎 調 査 を 実 施 する このような 調 査 等 を 通 じ 我 が 国 技 術 者 への 探 査 技 術 の 移 転 を 図 る また このような 基 礎 物 理 探 査 等 から 得 た 成 果 については 民 間 企 業 に 引 き 継 ぐ イ メタンハイドレート メタンハイドレートは 南 海 トラフ 等 に 相 当 量 の 賦 存 が 見 込 まれており 商 業 生 産 が 可 能 となっ た 場 合 には 将 来 のエネルギー 安 全 保 障 上 重 要 かつ 有 望 な 国 産 エネルギーとなりうる 一 方 生 産 技 術 の 開 発 が 課 題 となっており 平 成 13 年 以 降 国 による 技 術 開 発 が 継 続 され 平 成 18 年 度 にカナ ダ 北 部 において 陸 上 産 出 試 験 を 実 施 し 減 圧 法 によるメタンハイドレートの 産 出 に 成 果 を 得 ている このため 賦 存 状 況 の 把 握 のための 調 査 を 実 施 するとともに 周 辺 海 域 での 産 出 試 験 経 済 性 の 評 価 生 産 に 伴 う 環 境 への 影 響 の 評 価 技 術 の 確 立 等 将 来 の 商 業 生 産 に 必 要 な 技 術 開 発 等 を 計 画 的 に 推 進 する ウ 海 底 熱 水 鉱 床 及 びコバルトリッチクラスト 周 辺 海 域 に 賦 存 することが 明 らかになりつつある 海 底 熱 水 鉱 床 及 びコバルトリッチクラストは 銅 鉛 マンガン コバルト 等 の 貴 重 な 資 源 の 安 定 供 給 源 となりうる 海 底 熱 水 鉱 床 は これまで の 探 査 の 結 果 沖 縄 海 域 及 び 伊 豆 小 笠 原 海 域 で 有 望 な 鉱 床 が 確 認 されているが 資 源 量 及 び 環 境 への 影 響 等 に 関 する 情 報 が 十 分 得 られていない また コバルトリッチクラストは 周 辺 海 域 に 鉱 床 が 確 認 されているが 賦 存 状 況 の 把 握 等 が 今 後 の 課 題 となっている このため 海 底 熱 水 鉱 床 については 周 辺 海 域 における 賦 存 状 況 の 把 握 のための 調 査 を 実 施 する とともに 開 発 に 伴 う 環 境 への 影 響 の 評 価 技 術 の 確 立 海 洋 環 境 基 礎 調 査 採 鉱 技 術 の 開 発 等 将

来 の 商 業 化 に 必 要 な 技 術 開 発 等 を 計 画 的 に 推 進 する また コバルトリッチクラストについては これまで 得 られた 試 料 の 分 析 を 踏 まえつつ 必 要 な 調 査 を 推 進 する エ その 他 の 資 源 の 研 究 開 発 等 管 轄 海 域 に 賦 存 し 将 来 のエネルギー 源 となる 可 能 性 のある 自 然 エネルギーに 関 し 地 球 温 暖 化 対 策 の 観 点 からも 必 要 な 取 組 や 検 討 を 進 める 洋 上 における 風 力 発 電 については 設 置 コストの 低 減 耐 久 性 の 向 上 のための 技 術 的 課 題 とともに 環 境 への 影 響 を 評 価 する 手 法 の 確 立 等 に 取 り 組 む また 波 力 潮 汐 等 による 発 電 については 海 外 では 実 用 化 されている 例 もあるので 国 際 的 な 動 向 を 把 握 しつつ 我 が 国 の 海 域 特 性 を 踏 まえ その 効 率 性 経 済 性 向 上 のための 基 礎 的 な 研 究 を 進 める 2 海 洋 環 境 の 保 全 等 海 洋 は 我 々の 生 活 に 豊 かさや 潤 いをもたらすかけがえのない 存 在 であり 海 洋 の 生 物 多 様 性 の 損 失 や 浄 化 能 力 を 超 える 海 洋 環 境 への 負 荷 を 回 避 することにより 良 好 な 海 洋 環 境 を 後 々の 世 代 に 引 き 継 いでいく 必 要 がある そして 生 物 資 源 の 宝 庫 としてあるいは 美 しい 自 然 景 観 やアメニティ の 場 として 国 民 が 海 洋 の 恵 沢 を 持 続 的 に 享 受 し 続 けることができるよう 平 成 19 年 11 月 に 策 定 した 第 三 次 生 物 多 様 性 国 家 戦 略 に 基 づく 海 洋 における 生 物 多 様 性 の 確 保 や 海 洋 への 環 境 負 荷 の 積 極 的 な 低 減 その 他 の 良 好 な 海 洋 環 境 の 保 全 のための 取 組 を 実 施 していく 必 要 がある また 沿 岸 域 のうち 生 物 多 様 性 の 確 保 と 高 い 生 産 性 の 維 持 を 図 るべき 海 域 では 海 洋 環 境 の 保 全 という 観 点 か らも 里 海 の 考 え 方 が 重 要 である また 国 連 海 洋 法 条 約 等 において 海 洋 環 境 の 保 全 等 を 図 ることが 義 務 付 けられている 一 方 で 生 態 系 を 始 めとする 海 洋 環 境 については 未 解 明 な 部 分 が 多 いことに 加 え 海 洋 環 境 が 一 度 損 なわれて しまうとその 再 生 回 復 が 困 難 となることから 悪 影 響 を 未 然 に 防 止 する 観 点 から 必 要 に 応 じて 予 防 的 な 対 策 を 講 じるとともに 生 態 系 海 洋 汚 染 物 質 等 の 海 洋 環 境 に 関 する 科 学 的 知 見 の 充 実 を 図 ることが 必 要 である また 海 洋 環 境 の 状 況 を 的 確 に 把 握 し その 結 果 に 応 じて 海 洋 の 管 理 や 利 用 方 法 の 柔 軟 な 見 直 しを 行 っていくことが 重 要 である さらに 海 洋 が 人 類 共 通 の 財 産 であることを 踏 まえ 国 際 的 な 協 調 の 下 で 海 洋 環 境 の 保 全 策 を 推 進 することが 重 要 である 周 辺 海 域 については とりわけ 近 隣 各 国 と 相 互 に 連 携 して 管 理 していく 必 要 がある なお 二 酸 化 炭 素 の 吸 収 等 海 洋 による 気 候 変 動 の 緩 和 や 海 水 の 二 酸 化 炭 素 濃 度 の 増 加 による 海 洋 環 境 への 影 響 等 に 関 する 科 学 的 知 見 の 充 実 を 図 り 地 球 環 境 の 保 全 に 貢 献 することが 必 要 である (1) 生 物 多 様 性 の 確 保 等 のための 取 組 生 物 多 様 性 の 確 保 を 効 果 的 に 実 施 するためには 重 要 な 海 域 において 重 点 的 に 対 策 を 講 じること が 有 効 である そのため 各 種 調 査 により 得 られた 自 然 環 境 情 報 を 収 集 整 理 し これに 基 づき 生 物 多 様 性 を 確 保 する 上 で 重 要 な 海 域 等 を 特 定 した 上 で 生 態 系 の 特 性 に 応 じ 生 物 多 様 性 を 確 保 するための 行 動 計 画 を 策 定 する また 様 々な 主 体 による 調 査 研 究 や 生 物 多 様 性 の 確 保 に 配 慮 した 行 動 等 の 推 進 を 図 るため 海 洋 の 生 物 多 様 性 に 関 する 情 報 を 海 洋 自 然 環 境 情 報 図 として 取 りまとめ 提 供 する さらに 希 少 動 物 の 保 護 を 始 めとした 生 物 多 様 性 の 確 保 を 効 果 的 に 実 施 するため 漁 業 活 動 における 海 鳥 ウミガメ 等 の 混 獲 の 回 避 や 生 息 地 の 保 全 等 海 洋 に 依 存 する 生 物 の 保 護 の 取 組 を

推 進 する また 浅 海 域 の 藻 場 干 潟 サンゴ 礁 等 については 海 洋 の 生 物 多 様 性 や 環 境 浄 化 機 能 を 確 保 し 海 洋 の 自 然 景 観 を 保 全 する 上 で 重 要 な 場 所 であるが 過 去 にその 多 くが 失 われている そのため 自 然 公 園 法 鳥 獣 保 護 法 等 に 基 づく 各 種 保 護 区 域 等 の 充 実 自 然 再 生 推 進 法 等 の 枠 組 みも 活 用 した 干 潟 等 の 積 極 的 な 再 生 回 復 陸 域 からの 土 砂 や 栄 養 塩 の 供 給 の 適 正 化 等 の 陸 域 と 一 体 となった 取 組 を 推 進 する 特 に サンゴ 礁 については 国 際 サンゴ 礁 イニシアティブ(ICRI)の 東 京 総 会 ( 平 成 19 年 4 月 )での 決 議 も 踏 まえ アジア オセアニア 地 域 における 保 護 のネットワーク 形 成 を 推 進 する さらに 生 物 多 様 性 の 確 保 や 水 産 資 源 の 持 続 可 能 な 利 用 のための 一 つの 手 段 として 生 物 多 様 性 条 約 その 他 の 国 際 約 束 を 踏 まえ 関 係 府 省 の 連 携 の 下 我 が 国 における 海 洋 保 護 区 の 設 定 のあり 方 を 明 確 化 した 上 で その 設 定 を 適 切 に 推 進 する (2) 環 境 負 荷 の 低 減 のための 取 組 内 湾 等 の 閉 鎖 性 海 域 において 流 域 からの 汚 濁 物 質 窒 素 及 びリンが 滞 留 し 赤 潮 や 貧 酸 素 水 塊 の 発 生 により 魚 介 類 が 斃 死 (へいし)するなど 生 物 の 生 息 生 育 環 境 が 悪 化 している 生 態 系 の 保 全 を 含 む 水 環 境 の 改 善 を 図 るため 総 量 規 制 制 度 により 工 場 事 業 場 からの 汚 濁 物 質 等 の 総 量 を 削 減 するとともに 下 水 道 等 の 整 備 や 高 度 処 理 の 導 入 市 街 地 農 地 等 の 非 特 定 汚 染 源 対 策 覆 砂 等 による 底 質 改 善 等 を 総 合 的 計 画 的 に 推 進 する また 海 域 ごとの 利 用 目 的 に 応 じ 水 質 等 の 目 標 に ついて 検 討 を 行 い そこに 至 るまでの 道 筋 を 明 らかにした 上 で 更 なる 改 善 施 策 を 展 開 する さら に 水 質 等 に 係 る 科 学 的 知 見 を 充 実 させ 人 の 健 康 や 生 活 環 境 を 保 全 するために 設 定 される 環 境 基 準 について 水 生 生 物 の 保 全 も 考 慮 して 検 討 を 行 い 必 要 な 場 合 は 改 訂 を 行 う また 近 年 漂 流 漂 着 ゴミが 海 岸 の 利 用 を 損 ない 生 態 系 を 含 めた 環 境 景 観 の 悪 化 船 舶 航 行 の 阻 害 や 漁 業 への 被 害 の 原 因 となるなど 深 刻 な 問 題 となっているため 平 成 19 年 3 月 に 漂 流 漂 着 ゴミ 対 策 に 関 する 関 係 省 庁 会 議 において 策 定 された 当 面 の 施 策 を 踏 まえ 関 係 府 省 の 連 携 の 下 各 種 施 策 を 推 進 する 具 体 的 には 状 況 の 把 握 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 に 基 づく 国 内 の 廃 棄 物 の 削 減 北 西 太 平 洋 地 域 海 行 動 計 画 (NOWPAP)を 活 用 した 関 係 国 の 理 解 の 促 進 NGO 民 間 企 業 等 の 参 加 の 下 での 国 際 連 携 の 強 化 関 係 国 間 の 政 策 対 話 国 民 への 情 報 提 供 及 び 普 及 啓 発 等 の 国 際 的 な 対 応 も 含 めた 発 生 源 対 策 を 推 進 する さらに 関 係 府 省 による 調 査 等 の 成 果 を 踏 まえ 地 域 の 実 情 に 応 じた 漂 着 ゴミの 効 率 的 効 果 的 な 状 況 把 握 回 収 処 理 方 法 の 確 立 を 図 る また 大 量 に 漂 着 したゴミの 処 理 を 行 う 地 方 公 共 団 体 に 対 する 支 援 等 被 害 が 著 しい 地 域 での 施 策 を 着 実 に 実 施 する さらに 国 際 的 に 廃 棄 物 の 海 洋 投 棄 等 のより 厳 格 な 規 制 が 不 可 欠 であるとの 認 識 が 強 まってい ることに 対 応 して 海 上 環 境 事 犯 の 監 視 取 締 りを 徹 底 するとともに 平 成 19 年 10 月 に 締 結 した ロンドン 議 定 書 等 国 際 ルールの 導 入 を 進 める さらに 油 有 害 液 体 物 質 等 による 海 洋 汚 染 に 関 する 国 家 緊 急 時 計 画 等 に 基 づき 油 等 防 除 活 動 等 を 効 果 的 に 行 うための 沿 岸 海 域 に 係 る 環 境 情 報 の 整 備 油 防 除 油 回 収 資 機 材 の 整 備 関 係 機 関 に 対 する 研 修 訓 練 の 実 施 油 汚 染 事 故 発 生 等 の 損 害 補 償 への 的 確 な 対 応 等 により 流 出 油 等 の 防 除 体 制 を 充 実 する (3) 海 洋 環 境 保 全 のための 継 続 的 な 調 査 研 究 の 推 進

政 府 関 係 機 関 等 が 保 有 する 既 存 の 海 洋 環 境 に 関 する 情 報 を 共 有 するとともに 海 鳥 等 移 動 性 動 物 や 漁 業 対 象 種 以 外 の 海 洋 生 物 に 関 する 情 報 等 の 生 物 多 様 性 に 関 する 情 報 や 特 に 沖 合 の 海 洋 汚 染 物 質 の 発 生 源 解 明 分 析 のための 情 報 について NOWPAP 等 の 国 際 的 な 枠 組 みも 活 用 しつつ 収 集 を 行 い 整 理 取 りまとめを 行 う また 船 舶 を 用 いた 海 上 及 び 海 中 の 温 室 効 果 ガス 濃 度 の 観 測 海 洋 による 二 酸 化 炭 素 の 吸 収 メカ ニズムや 海 水 温 の 上 昇 等 の 環 境 変 動 が 海 洋 生 態 系 に 影 響 を 及 ぼすメカニズムの 解 明 に 関 する 研 究 等 を 推 進 する さらに 陸 域 からの 負 荷 による 影 響 を 把 握 するため 周 辺 海 域 の 海 洋 環 境 の 把 握 評 価 予 測 流 砂 や 漂 砂 の 調 査 解 析 底 質 海 洋 生 物 等 の 監 視 調 査 等 を 着 実 に 進 める 3 排 他 的 経 済 水 域 等 の 開 発 等 の 推 進 我 が 国 の 排 他 的 経 済 水 域 等 には 多 様 で 豊 富 な 生 物 資 源 や 今 後 の 利 用 が 期 待 される 様 々なエネル ギー 鉱 物 資 源 が 存 在 している 我 が 国 がその 利 用 開 発 等 について 管 轄 権 を 有 するこれらの 資 源 については 開 発 等 を 円 滑 かつ 計 画 的 に 推 進 するための 措 置 を 講 ずる 必 要 がある (1) 排 他 的 経 済 水 域 等 における 開 発 等 の 円 滑 な 推 進 我 が 国 の 広 大 な 排 他 的 経 済 水 域 等 は 豊 富 な 水 産 資 源 に 恵 まれ また 海 底 には 種 々のエネルギ ー 鉱 物 資 源 の 存 在 が 確 認 されてきている これら 資 源 の 開 発 等 について 管 轄 権 の 適 切 な 行 使 を 通 じ これら 資 源 の 円 滑 な 開 発 等 を 推 進 する 一 方 周 辺 海 域 には 排 他 的 経 済 水 域 等 について 我 が 国 と 相 手 国 との 主 張 が 重 複 する 海 域 が 存 在 することに 伴 う 問 題 が 生 じていることから これらの 問 題 への 対 応 及 び 問 題 の 根 本 的 解 決 について 排 他 的 経 済 水 域 等 における 我 が 国 の 権 益 を 確 保 すべく 国 際 ルールに 則 して 解 決 を 追 求 する 大 陸 棚 は 国 連 海 洋 法 条 約 に 基 づき 200 海 里 以 遠 に 延 長 しうることを 踏 まえ その 地 形 地 質 等 に 係 る 調 査 を 実 施 し 大 陸 棚 の 限 界 に 関 する 委 員 会 に 延 長 に 関 する 情 報 を 平 成 21 年 5 月 までに 提 出 するとともに 同 委 員 会 での 我 が 国 大 陸 棚 の 限 界 に 関 する 審 査 に 万 全 の 対 応 を 行 う 等 大 陸 棚 の 限 界 が 適 切 に 設 定 されるよう 最 大 限 の 努 力 を 払 う 排 他 的 経 済 水 域 等 における 権 益 を 確 保 するため 探 査 開 発 等 についての 管 轄 権 を 適 切 に 行 使 す るための 監 視 取 締 体 制 を 整 備 強 化 する 必 要 がある このため 巡 視 船 艇 艦 艇 航 空 機 等 の 適 切 な 代 替 整 備 や 要 員 確 保 を 行 うとともに 関 係 機 関 の 連 携 を 強 化 する また 同 水 域 における 鉱 物 資 源 の 探 査 の 管 理 及 び 外 国 船 による 科 学 的 調 査 が 我 が 国 の 同 意 を 得 ずに 実 施 される 等 の 問 題 への 対 応 策 について 制 度 上 の 整 備 を 含 め 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 じる また 我 が 国 の 排 他 的 経 済 水 域 等 における 開 発 等 の 円 滑 な 推 進 を 図 るため 各 種 の 調 査 技 術 開 発 等 を 充 実 するとともに これらの 調 査 等 により 得 られた 情 報 を 適 切 に 管 理 提 供 する (2) 海 洋 資 源 の 計 画 的 な 開 発 等 の 推 進 ア 水 産 資 源 生 物 資 源 は 再 生 産 が 期 待 できることから 適 切 に 管 理 することにより 枯 渇 させることなく 持 続 的 に 利 用 することが 可 能 である 我 が 国 の 管 轄 権 が 及 ぶ 海 域 の 水 産 資 源 については 重 要 水 産 資 源 についての 漁 獲 可 能 量 等 を 定 めている 海 洋 生 物 資 源 の 保 存 及 び 管 理 に 関 する 基 本 計 画 に 基 づ き 保 存 管 理 を 計 画 的 に 推 進 するとともに 資 源 の 状 況 等 を 踏 まえ 適 宜 同 計 画 の 見 直 しを 行 う

また 海 洋 水 産 資 源 の 開 発 及 び 利 用 の 合 理 化 を 図 るための 基 本 方 針 に 基 づき 水 産 動 植 物 の 増 養 殖 の 推 進 新 漁 場 における 漁 業 生 産 の 企 業 化 の 推 進 漁 場 における 新 漁 業 生 産 方 式 の 企 業 化 の 促 進 等 に 取 り 組 む イ エネルギー 鉱 物 資 源 陸 域 の 資 源 に 乏 しい 我 が 国 は 需 要 量 のほぼすべてを 海 外 からの 輸 入 に 頼 ってきたが 近 年 は 資 源 価 格 の 高 騰 に 伴 い 資 源 産 出 国 において 資 源 ナショナリズムが 急 速 に 高 まりつつある このような 状 況 は 我 が 国 のエネルギー 鉱 物 資 源 の 安 定 供 給 確 保 にも 影 響 を 及 ぼしかねないものである こ の 対 策 として 現 在 我 が 国 は 資 源 外 交 を 活 発 化 し 資 源 産 出 国 との 関 係 強 化 に 努 めているが これ に 加 えて 他 国 の 資 源 政 策 に 影 響 されない 安 定 的 な 自 らの 資 源 供 給 源 を 持 つための 取 組 を 進 める 必 要 がある 天 然 資 源 に 対 し 管 轄 権 の 及 ぶ 排 他 的 経 済 水 域 等 においてエネルギー 鉱 物 資 源 の 探 査 開 発 を 行 うことは この 意 味 から 極 めて 重 要 である ただし 海 洋 におけるエネルギー 鉱 物 資 源 の 開 発 には 未 解 決 の 技 術 的 課 題 が 多 く 残 されている このため 国 の 主 導 による 本 格 的 な 探 査 開 発 を 明 確 な 目 標 と 綿 密 な 計 画 の 下 で 着 実 に 推 進 するこ とによって 中 期 的 に 商 業 化 を 目 指 すことが 国 家 戦 略 として 妥 当 である このような 認 識 から 排 他 的 経 済 水 域 等 における 当 面 の 探 査 開 発 の 対 象 を 石 油 天 然 ガス メ タンハイドレート 及 び 海 底 熱 水 鉱 床 とし 必 要 な 政 策 資 源 を 集 中 的 に 投 入 するとともに コバルト リッチクラストについては 今 後 の 調 査 開 発 のあり 方 について 検 討 する その 際 現 在 の 高 水 準 の 資 源 価 格 は 国 際 市 場 における 構 造 的 な 需 給 逼 迫 (ひっぱく) 状 況 を 踏 まえると 今 後 も 中 長 期 的 に 継 続 する 可 能 性 が 高 いことから 探 査 開 発 は 可 能 な 限 り 早 い 速 度 で 進 め 成 果 を 得 る 必 要 がある このため いまだ 商 業 化 されていないメタンハイドレート 及 び 海 底 熱 水 鉱 床 については 今 後 10 年 程 度 を 目 途 に 商 業 化 を 実 現 することを 目 標 とする これらの 目 標 に 向 けて おおむね 以 下 に 示 す 手 順 で 探 査 開 発 を 推 進 する 石 油 天 然 ガスについては より 水 深 の 深 い 海 域 の 比 重 を 高 めつつ 二 次 元 物 理 探 査 三 次 元 物 理 探 査 及 び 基 礎 試 錐 (しすい)を 広 域 展 開 する 特 に 三 次 元 物 理 探 査 については 探 鉱 面 積 を 大 幅 に 拡 大 するため 平 成 19 年 度 に 導 入 した 調 査 船 を 十 分 に 活 用 し 通 年 調 査 を 実 施 する メタンハ イドレートについては 平 成 20 年 度 までにカナダで 行 う 陸 上 産 出 試 験 により 得 られた 技 術 課 題 の 評 価 を 行 う この 結 果 を 踏 まえ 平 成 21 年 度 から 次 の 研 究 段 階 に 移 行 し 周 辺 海 域 における 海 洋 産 出 試 験 等 の 実 施 により 将 来 の 商 業 化 実 現 を 目 指 す 海 底 熱 水 鉱 床 については 平 成 24 年 度 までに 沖 縄 海 域 及 び 伊 豆 小 笠 原 海 域 を 中 心 に 資 源 量 と 環 境 影 響 に 関 する 調 査 を 行 うとともに 採 鉱 技 術 金 属 回 収 技 術 等 の 検 討 を 行 い 開 発 課 題 を 明 ら かにする この 結 果 を 踏 まえ 次 の 研 究 段 階 に 移 行 し 将 来 の 商 業 化 実 現 に 向 けた 技 術 開 発 等 を 行 う コバルトリッチクラストについては これまでに 得 られた 試 料 の 分 析 等 を 踏 まえ 調 査 開 発 のあり 方 を 検 討 した 上 で 有 望 な 海 山 を 抽 出 するための 調 査 を 行 う また 老 朽 化 が 著 しい 調 査 船 の 維 持 更 新 の 方 法 について 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 ずる 以 上 を 確 実 に 推 進 するため 平 成 20 年 度 中 に 関 係 府 省 の 連 携 の 下 海 洋 エネルギー 鉱 物 資 源 開 発 計 画 ( 仮 称 ) を 策 定 する 同 計 画 においては 目 標 達 成 に 至 るまでの 探 査 開 発 の 道 筋 と そのために 必 要 な 技 術 開 発 等 について 極 力 具 体 的 に 定 める あわせて これら 探 査 開 発 において 国 研 究 機 関 及 び 民 間 企 業 が 果 たすべき 役 割 分 担 を 明 示 する

ただし 資 源 探 査 の 成 否 には 不 確 定 要 素 が 少 なからずあり それらが 計 画 全 体 の 進 行 速 度 を 大 き く 左 右 する 可 能 性 があることは 否 めない また 資 源 価 格 の 水 準 は 商 業 化 のタイミングに 影 響 する このため 同 計 画 が 常 に 適 切 な 計 画 であり 続 けるよう 必 要 に 応 じ 探 査 の 進 捗 (しんちょく)や 資 源 価 格 の 見 通 し 等 の 諸 状 況 を 踏 まえて 見 直 しを 行 う また 国 による 探 査 開 発 の 成 果 を 民 間 企 業 に 円 滑 に 引 き 継 ぐための 環 境 整 備 のあり 方 や 海 洋 におけるこれらの 企 業 活 動 に 対 する 国 の 関 与 のあり 方 についても 検 討 し 早 期 に 適 切 な 措 置 を 講 ずる 4 海 上 輸 送 の 確 保 経 済 活 動 や 国 民 生 活 の 水 準 の 維 持 向 上 に 必 要 な 物 資 を 適 時 適 切 に 運 送 できる 効 率 的 で 安 定 的 な 海 上 輸 送 の 確 保 は 貿 易 量 国 内 輸 送 量 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 する 我 が 国 にとって 極 めて 重 要 で ある しかしながら 外 航 海 運 業 における 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 の 激 減 内 航 海 運 業 における 船 員 の 高 齢 化 の 進 行 と 近 い 将 来 に 見 込 まれる 不 足 等 により 海 上 輸 送 を 将 来 にわたって 確 保 することへの 不 安 な 要 素 が 生 じてきており 対 策 が 必 要 である また アジアと 欧 米 との 間 の 主 要 航 路 において 我 が 国 の 港 湾 の 地 位 が 相 対 的 に 低 下 しつつある が 国 内 の 荷 主 にとって 輸 送 コストや 時 間 の 増 大 等 を 招 くことにつながりかねないため 港 湾 の 国 際 競 争 力 の 強 化 が 必 要 である さらに 船 舶 そのものや 運 航 上 の 問 題 に 起 因 する 重 大 な 海 難 が 絶 えないこと 船 舶 に 由 来 する 環 境 への 影 響 は 地 球 的 な 規 模 の 問 題 として 捉 えなければならないこと 等 から 安 全 性 や 環 境 面 の 改 善 等 海 上 輸 送 の 質 の 向 上 のための 取 組 も 必 要 である (1) 外 航 海 運 業 における 国 際 競 争 力 並 びに 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 の 確 保 昭 和 60 年 頃 より 急 速 な 円 高 の 進 行 に 伴 うコスト 競 争 力 の 低 下 国 際 海 運 市 場 における 競 争 の 激 化 等 によって 我 が 国 の 外 航 海 運 事 業 者 が 便 宜 置 籍 船 の 導 入 外 国 人 船 員 の 採 用 等 を 進 めざる を 得 なくなった 結 果 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 が 激 減 した 現 在 多 くの 海 運 国 では 自 国 外 航 海 運 業 の 国 際 競 争 力 向 上 を 目 的 とする 施 策 を 強 化 しており 我 が 国 の 外 航 海 運 事 業 者 は 国 際 競 争 上 厳 しい 状 況 にさらされているため 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 は 依 然 として 減 少 傾 向 にある こうした 状 況 は 海 上 輸 送 に 多 くを 依 存 している 我 が 国 にとって 非 常 時 における 海 上 輸 送 の 確 保 等 の 面 から 問 題 があり 外 航 海 運 業 の 国 際 競 争 条 件 の 均 衡 化 を 図 るとともに 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 の 確 保 を 図 る 必 要 がある このため 日 本 籍 船 及 び 日 本 人 船 員 の 計 画 的 増 加 に 取 り 組 む 我 が 国 の 外 航 海 運 事 業 者 に 対 する 日 本 籍 船 の 運 航 トン 数 に 応 じた 利 益 の 金 額 に 基 づく 所 得 計 算 を 選 択 することができる 課 税 の 特 例 (ト ン 数 標 準 税 制 )の 創 設 に 取 り 組 み 日 本 籍 船 の 数 を 平 成 20 年 度 からの 5 年 間 で 2 倍 に 日 本 人 外 航 船 員 の 数 を 同 じく 10 年 間 で 1.5 倍 にそれぞれ 増 加 させるための 取 組 を 促 す (2) 船 員 等 の 育 成 確 保 高 齢 化 しつつある 内 航 海 運 業 の 船 員 の 将 来 的 な 不 足 を 回 避 するとともに 外 航 海 運 業 における 日 本 人 船 員 の 計 画 的 な 増 加 を 確 実 なものにするため 船 員 を 始 めとする 海 運 業 従 事 者 の 育 成 確 保 等 が 急 務 である

しかしながら 国 民 の 海 洋 に 対 する 関 心 が 高 いとはいえず 海 に 関 わる 職 業 の 意 義 や 評 価 に 対 す る 認 識 も 高 くないこと 内 航 海 運 事 業 者 の 多 くが 規 模 の 小 さい 事 業 者 であり 労 働 条 件 面 での 魅 力 にも 乏 しいこと 等 から 若 者 が 職 業 として 海 運 業 を 選 択 することはなかなか 期 待 できない 状 況 にあ る このため 青 少 年 等 の 海 洋 に 関 する 興 味 を 喚 起 し 正 しい 知 識 と 理 解 を 深 めるための 取 組 を 推 進 するとともに 海 運 業 の 職 業 としての 魅 力 を 向 上 させるため 事 業 者 のグループ 化 による 経 営 基 盤 の 強 化 船 員 の 労 働 環 境 の 向 上 を 目 指 した 時 間 外 労 働 に 係 る 限 度 基 準 制 度 の 導 入 や ILO 海 事 労 働 条 約 の 締 結 に 向 けた 体 制 の 整 備 等 を 推 進 する さらに 退 職 海 上 自 衛 官 や 資 格 を 有 する 女 性 等 が 船 員 として 就 業 するための 環 境 整 備 等 を 推 進 する また 質 の 高 い 船 員 の 効 率 的 な 育 成 を 実 現 するため 船 員 養 成 課 程 における 乗 船 実 習 内 容 の 見 直 し 一 般 大 学 や 高 校 等 の 出 身 者 が 海 技 資 格 を 取 得 するための 制 度 の 更 なる 拡 充 等 船 員 教 育 システム を 再 構 築 する さらに 就 業 後 の 技 能 向 上 やキャリアアップを 図 るため 上 級 資 格 の 早 期 取 得 や 小 型 船 から 大 型 船 への 配 置 転 換 等 を 容 易 にするための 環 境 整 備 船 舶 管 理 等 に 関 する 資 格 制 度 の 創 設 等 を 推 進 する (3) 海 上 輸 送 拠 点 の 整 備 海 上 輸 送 ネットワークの 拠 点 である 港 湾 に 関 しては 海 上 輸 送 と 陸 上 輸 送 の 結 節 点 の 機 能 を 含 め てその 効 率 化 を 図 り 利 用 者 にとって 利 便 性 の 高 いサービスを 提 供 する 必 要 がある 国 際 海 上 輸 送 に 関 しては コンテナ 輸 送 において 競 争 力 を 増 している 周 辺 アジア 諸 国 の 港 湾 との 間 で 厳 しい 選 別 が 行 われる 状 況 にあるため 近 年 のコンテナ 船 の 大 型 化 に 対 応 した 大 水 深 の 長 大 岸 壁 を 有 し 円 滑 な 荷 さばき 等 が 可 能 な 高 規 格 コンテナターミナルの 整 備 等 を 推 進 する また 拡 大 しつつある 我 が 国 と 周 辺 アジア 諸 国 間 の 物 流 に 対 応 して 定 時 性 迅 速 性 に 優 れたフェリーターミ ナル 等 の 整 備 を 推 進 する さらに 鉄 鉱 石 石 炭 等 を 運 搬 する 船 舶 の 大 型 化 に 対 応 した 港 湾 機 能 の 強 化 を 進 める あわせて 輸 出 入 や 港 湾 の 利 用 に 関 わる 様 々な 手 続 きの 簡 素 化 電 子 化 等 によるサ ービスの 向 上 と 保 安 体 制 の 強 化 等 を 推 進 する 一 方 国 内 海 上 輸 送 に 関 しては 地 域 ごとの 産 業 の 特 性 や 輸 送 ニーズに 応 じた 物 流 拠 点 施 設 整 備 等 を 推 進 する (4) 海 上 輸 送 の 質 の 向 上 より 安 全 性 が 高 く より 環 境 負 荷 の 小 さな 質 の 高 い 海 上 輸 送 を 実 現 するためには 安 全 面 環 境 面 での 基 準 を 満 たした 船 舶 に 適 切 な 技 術 を 持 った 船 員 が 配 置 され 事 業 者 の 運 航 管 理 が 適 切 に 行 われる 必 要 がある このため 国 際 機 関 での 協 議 を 通 じ 船 舶 の 設 計 建 造 運 航 解 体 に 関 わる 各 種 の 基 準 の 策 定 と 不 断 の 見 直 しを 行 うとともに 検 査 や 監 査 の 確 実 な 実 施 海 上 安 全 の 啓 発 航 路 の 安 全 確 保 等 の 施 策 を 着 実 に 実 施 する また 経 済 的 に 最 適 な 航 路 の 選 択 や 航 行 上 の 危 険 回 避 を 容 易 にするための 情 報 の 活 用 船 舶 から 排 出 されるバラスト 水 による 生 態 系 への 影 響 の 防 止 等 新 たな 課 題 に 対 処 する ための 技 術 開 発 等 を 推 進 する

5 海 洋 の 安 全 の 確 保 (1) 平 和 と 安 全 の 確 保 のための 取 組 長 い 海 岸 と 点 在 する 島 嶼 (とうしょ) 及 び 広 大 な 管 轄 海 域 を 有 し 経 済 の 発 展 及 び 生 活 の 安 定 に 必 要 な 物 資 の 多 くを 海 上 輸 送 に 依 存 している 我 が 国 にとって 航 行 の 自 由 や 海 洋 資 源 の 開 発 等 の 経 済 的 存 立 の 基 盤 となる 海 洋 権 益 は 平 和 と 安 全 を 確 保 する 上 で 重 要 である このような 海 洋 権 益 を 確 保 するため 海 洋 における 秩 序 の 維 持 及 び 安 全 の 確 保 が 必 要 である しかしながら 周 辺 海 域 においては 不 審 船 の 侵 入 密 輸 密 航 外 国 漁 船 による 違 法 操 業 航 行 の 秩 序 を 損 なう 行 為 重 大 海 難 事 故 周 辺 国 海 軍 艦 艇 の 活 動 の 活 発 化 等 我 が 国 の 海 洋 権 益 及 び 治 安 を 損 なうおそれのある 事 態 が 発 生 し また 中 東 からマラッカ シンガポール 海 峡 を 経 由 して 我 が 国 周 辺 に 至 る 海 域 を 含 む 海 上 輸 送 路 では 海 賊 行 為 や 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 問 題 等 が 懸 念 されて いる このような 海 洋 における 多 様 な 問 題 に 対 して 関 係 諸 国 との 協 力 を 含 む 適 切 な 対 応 が 必 要 である ア 周 辺 海 域 等 における 秩 序 の 維 持 周 辺 海 域 における 不 審 船 密 輸 密 航 等 の 犯 罪 に 関 わる 船 舶 の 侵 入 や 航 行 の 秩 序 を 損 なう 行 為 を 防 止 するため 制 度 上 の 整 備 を 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 じる また 効 果 的 かつ 機 動 的 な 対 応 を 強 化 するため 巡 視 船 艇 艦 艇 航 空 機 等 の 緊 急 的 かつ 計 画 的 な 代 替 整 備 巡 視 艇 の 複 数 クルー 制 の 拡 充 による 緊 急 出 動 体 制 の 整 備 等 の 体 制 強 化 を 推 進 するとともに 不 審 船 に 係 る 共 同 対 処 マニュア ルに 基 づく 訓 練 等 の 実 施 や 周 辺 海 域 の 警 戒 監 視 等 で 得 られた 情 報 の 共 有 等 による 関 係 機 関 間 の 円 滑 かつ 緊 密 な 連 携 体 制 の 整 備 等 を 着 実 に 推 進 する 海 上 交 通 の 要 衝 であるマラッカ シンガポール 海 峡 等 を 含 む 海 上 輸 送 路 の 安 全 を 確 保 するため 関 係 諸 国 との 協 力 関 係 の 強 化 アジア 海 賊 対 策 地 域 協 力 協 定 に 基 づき 設 置 された 情 報 共 有 センター の 活 動 の 支 援 人 材 育 成 等 による 対 応 能 力 の 向 上 を 推 進 する また 国 際 法 に 則 し 公 海 上 で 海 賊 行 為 を 抑 止 し 取 り 締 まるための 体 制 の 整 備 を 検 討 し 適 切 な 措 置 を 講 じる 航 行 船 舶 や 沿 岸 施 設 に 対 する 海 上 でのテロ 行 為 の 防 止 及 び 海 上 輸 送 による 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 の 防 止 に 関 しては 海 洋 航 行 不 法 行 為 防 止 条 約 2005 年 議 定 書 ( 仮 称 ) 等 を 早 期 に 締 結 し その 実 効 性 を 確 保 するため 公 海 上 における 船 舶 上 での 大 量 破 壊 兵 器 等 の 使 用 や 船 舶 によるこれらの 兵 器 の 輸 送 等 を 抑 止 し 取 り 締 まるための 体 制 を 整 備 する また 拡 散 に 対 する 安 全 保 障 構 想 (PSI) に 基 づく 海 上 阻 止 訓 練 等 へ 積 極 的 に 参 加 する さらに 放 射 性 物 質 等 の 拡 散 や 船 舶 港 湾 施 設 に 対 するテロ 行 為 防 止 のため 船 舶 のテロ 対 策 等 が 適 正 に 行 われているかを 検 査 するとともに 港 湾 等 における 積 荷 の 検 査 能 力 の 向 上 等 を 推 進 する イ 海 上 交 通 の 安 全 に 関 する 取 組 海 難 の 発 生 を 未 然 に 防 止 するため 海 上 交 通 量 の 増 大 や 船 舶 の 大 型 化 高 速 化 等 に 対 応 した 開 発 保 全 航 路 の 整 備 等 による 船 舶 航 行 水 域 の 確 保 船 舶 自 動 識 別 装 置 の 活 用 運 輸 安 全 マネジメント 制 度 に 基 づく 評 価 海 難 事 例 分 析 等 を 踏 まえた 海 上 交 通 ルールの 見 直 し 及 び 航 路 標 識 の 高 度 化 等 を 推 進 する 海 上 交 通 の 要 衝 であるマラッカ シンガポール 海 峡 において 沿 岸 国 及 び 利 用 国 等 の 協 力 の 枠 組 みである 協 力 メカニズム に 参 加 し 航 行 援 助 施 設 の 維 持 管 理 等 への 協 力 を 推 進 する ま た 台 風 予 報 の 精 度 向 上 航 海 用 電 子 海 図 の 更 新 の 高 頻 度 化 等 を 推 進 する さらに 外 国 船 舶 につ いても 国 際 的 な 基 準 に 適 合 しない 船 舶 を 排 除 するため 各 国 と 協 調 した 対 応 を 強 化 する 海 上 交 通 の 安 全 の 徹 底 を 図 るため 民 間 海 難 防 止 団 体 の 協 力 も 得 つつ 知 識 の 普 及 を 図 るととも

に 指 導 取 締 りを 推 進 する 海 難 救 助 を 迅 速 かつ 的 確 に 実 施 するため 漂 流 予 測 の 精 度 を 高 めるとともに ヘリコプターを 活 用 した 機 動 救 難 体 制 や 救 急 救 命 士 による 高 度 な 救 急 救 命 体 制 を 強 化 する また 遭 難 者 の 捜 索 救 助 活 動 について 各 国 の 捜 索 救 助 機 関 との 連 携 協 力 を 推 進 する さらに 海 難 に 伴 う 危 険 物 の 流 出 等 に 対 応 するため 資 機 材 の 整 備 や 訓 練 等 を 充 実 する (2) 海 洋 由 来 の 自 然 災 害 への 対 策 我 が 国 は 津 波 高 潮 等 の 海 洋 に 由 来 する 自 然 災 害 に 対 して 脆 弱 な 自 然 的 社 会 的 条 件 の 下 にあり 繰 り 返 しこれらの 被 害 を 受 けてきた 加 えて 近 年 では 地 球 温 暖 化 により 高 潮 等 の 被 害 が 増 大 する 可 能 性 が 指 摘 されており 海 洋 由 来 の 自 然 災 害 から 国 民 の 生 命 財 産 等 及 び 国 土 を 守 るため 充 分 な 対 策 を 講 じる 必 要 がある このため まずは 可 能 な 限 り 海 岸 線 において これら 災 害 を 未 然 に 防 止 することが 重 要 である ゼロメートル 地 帯 や 大 規 模 地 震 の 発 生 が 危 惧 (きぐ)される 地 域 等 においては 海 岸 保 全 施 設 等 の 新 設 及 び 老 朽 化 対 策 を 推 進 するとともに 既 存 施 設 の 耐 震 化 自 動 化 による 水 門 の 閉 鎖 の 迅 速 化 等 を 推 進 する また 災 害 発 生 が 予 測 される 時 又 は 災 害 発 生 時 において 住 民 の 避 難 や 地 方 公 共 団 体 の 防 災 活 動 等 を 支 援 し 被 害 の 拡 大 を 防 止 するため 海 洋 の 状 態 を 常 時 監 視 し 津 波 高 潮 等 災 害 に 関 する 的 確 な 情 報 を 迅 速 に 提 供 することが 重 要 である このため 沖 合 における 津 波 波 浪 観 測 システムの 整 備 ケーブル 式 海 底 地 震 計 の 整 備 沿 岸 域 の 複 雑 な 地 形 を 反 映 する 高 潮 予 測 モデルの 改 良 等 を 行 う また 被 害 の 軽 減 のためには 情 報 の 伝 達 と 同 時 に その 情 報 に 基 づいた 住 民 の 的 確 な 避 難 行 動 等 が 必 要 であることから 地 方 公 共 団 体 による 避 難 勧 告 等 の 適 切 な 実 施 住 民 等 に 対 する 効 果 的 な 避 難 対 策 の 提 示 防 災 訓 練 等 を 推 進 する さらに 迅 速 な 復 旧 を 支 援 するための 対 策 として 大 規 模 地 震 発 生 時 等 において 海 上 輸 送 を 確 保 するための 岸 壁 の 耐 震 化 や 緊 急 物 資 の 積 み 替 えスペースの 確 保 全 国 から 人 員 資 機 材 の 柔 軟 な 派 遣 を 可 能 とするための 体 制 整 備 等 を 推 進 するとともに 被 災 施 設 等 の 速 やかな 復 旧 を 実 施 する これらの 対 策 に 加 えて 東 海 東 南 海 南 海 地 震 を 始 めとする 海 溝 型 地 震 海 底 活 断 層 で 発 生 する 地 震 等 の 災 害 のメカニズムを 科 学 的 に 解 明 することも 重 要 である このため 海 底 地 殻 内 等 にお ける 高 精 度 の 調 査 観 測 研 究 及 び 関 連 技 術 の 開 発 東 南 海 地 震 の 想 定 震 源 域 において 地 球 深 部 探 査 船 ちきゅう が 深 海 底 に 掘 削 した 孔 を 利 用 した 地 震 観 測 等 を 推 進 するとともに これらの 成 果 に 基 づく 地 震 津 波 の 予 測 能 力 等 の 向 上 に 取 り 組 む また 地 球 温 暖 化 に 伴 う 海 面 上 昇 等 の 可 能 性 を 踏 まえた 今 後 の 海 岸 保 全 施 設 等 のあり 方 を 検 討 し 適 応 策 を 実 施 する 6 海 洋 調 査 の 推 進 海 洋 に 関 する 施 策 を 企 画 し 実 施 するためには 海 洋 状 況 の 把 握 海 洋 環 境 の 変 化 の 予 測 等 に 必 要 な 調 査 を 着 実 に 実 施 することが 不 可 欠 である また このような 海 洋 調 査 に 必 要 な 観 測 体 制 を 整 備 するとともに 調 査 によって 得 られた 情 報 が 海 洋 資 源 の 開 発 海 洋 産 業 の 発 展 海 洋 環 境 の 保 全 や 研 究 活 動 等 に 活 用 されるように 適 切 に 管 理 提 供 されることも 重 要 である さらに 地 球 規 模 での 環 境 問 題 の 解 決 等 に 対 し 積 極 的 に 貢 献 するよう 国 際 連 携 による 調 査 の 実 施 及 び 情 報 の 充 実 に 先 導 的 に 取 り 組 むことも 重 要 である

(1) 海 洋 調 査 の 着 実 な 実 施 各 政 府 関 係 機 関 等 による 海 洋 調 査 については 調 査 結 果 を 速 やかに 活 用 する 必 要 があることから それぞれの 政 策 課 題 に 応 じた 方 法 によって 着 実 に 実 施 する また 調 査 に 必 要 な 船 舶 施 設 設 備 等 の 老 朽 化 等 により 調 査 効 率 が 低 下 し 調 査 活 動 が 制 約 されている 面 もあることから 海 洋 調 査 船 等 の 緊 急 的 かつ 計 画 的 な 代 替 整 備 を 行 う なお 各 機 関 による 海 洋 調 査 を 効 果 的 効 率 的 に 実 施 するため 調 査 に 必 要 な 施 設 設 備 解 析 技 術 等 の 革 新 人 工 衛 星 等 の 活 用 を 推 進 する また 各 機 関 の 連 携 協 力 により 海 洋 調 査 計 画 の 調 整 調 査 結 果 の 共 有 及 び 海 洋 調 査 船 や 観 測 機 器 の 共 同 利 用 を 行 う その 際 大 学 地 方 公 共 団 体 及 び 民 間 企 業 等 の 協 力 が 得 られるよう 努 める (2) 海 洋 管 理 に 必 要 な 基 礎 情 報 の 収 集 整 備 海 洋 管 理 に 必 要 な 低 潮 線 海 底 地 形 等 の 基 礎 情 報 の 収 集 整 備 は 必 ずしも 十 分 ではない これら 海 洋 管 理 に 必 要 な 基 礎 情 報 の 収 集 整 備 のため 調 査 海 域 調 査 項 目 等 の 調 整 を 行 い 各 機 関 の 連 携 協 力 の 下 重 点 的 に 海 洋 調 査 を 実 施 する (3) 海 洋 に 関 する 情 報 の 一 元 的 管 理 提 供 各 政 府 関 係 機 関 等 においては それぞれの 政 策 課 題 に 応 じて 海 底 地 形 や 海 洋 気 象 等 海 洋 の 様 々な 調 査 を 行 い 得 られたデータを 蓄 積 している また 海 図 津 波 高 潮 ハザードマップ 港 湾 図 自 然 公 園 区 域 図 や 漁 業 権 区 域 等 の 情 報 も 存 在 している これら 海 洋 に 関 する 各 種 情 報 については それぞれの 目 的 に 応 じて 機 関 ごとに 公 開 等 が 行 われてきている しかしながら これらの 情 報 を 利 用 しようとする 民 間 企 業 研 究 機 関 や 政 府 関 係 機 関 から どの 海 域 のどのような 種 類 の 情 報 がどこ にあるのか 探 す 手 間 がかかるとの 指 摘 がある また 収 集 されたデータや 情 報 が 当 面 の 目 的 に 利 用 された 後 は 適 正 に 保 管 されず 情 報 の 充 分 な 利 用 につながっていない 場 合 がある これら 各 機 関 に 分 散 している 情 報 について 海 洋 産 業 の 発 展 科 学 的 知 見 の 充 実 等 に 資 するよう 民 間 企 業 研 究 機 関 等 に 使 いやすく 提 供 し 同 時 に 各 機 関 の 海 洋 調 査 を 効 果 的 に 実 施 するため 情 報 を 一 元 的 に 管 理 提 供 する 体 制 を 整 備 する その 際 国 際 海 洋 データ 情 報 交 換 システム(IODE) に 関 する 我 が 国 の 窓 口 となっている 日 本 海 洋 データセンター(JODC) 等 による 既 存 の 取 組 を 最 大 限 いかすとともに 大 学 地 方 公 共 団 体 民 間 企 業 等 の 協 力 も 得 つつ 効 果 的 効 率 的 なものとなる よう 努 める また 収 集 管 理 された 情 報 が 長 期 にわたって 一 元 的 に 蓄 積 されるようにする (4) 国 際 連 携 地 球 規 模 での 環 境 問 題 の 解 決 や 人 類 の 英 知 の 創 造 に 対 し 積 極 的 に 貢 献 するため アルゴ 計 画 全 球 地 球 観 測 システム(GEOSS)10 年 実 施 計 画 統 合 国 際 深 海 掘 削 計 画 (IODP) 北 西 太 平 洋 地 域 海 行 動 計 画 (NOWPAP) 及 び IODE 等 に 参 画 し 調 査 の 実 施 及 び 情 報 の 充 実 に 先 導 的 に 取 り 組 む また 国 際 的 な 枠 組 みの 下 で 行 われる 海 洋 調 査 我 が 国 及 び 他 国 の 海 洋 調 査 船 によるそれぞれの 相 手 国 海 域 での 海 洋 調 査 によって 得 られたデータについては 広 く 国 際 社 会 における 海 洋 に 関 する 科 学 的 知 識 の 充 実 が 望 ましいとの 観 点 から その 共 有 交 換 を 推 進 する