平成19年度 新駅・基幹交通網整備促進特別委員会行政視察

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用


●電力自由化推進法案

Taro-条文.jtd

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

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入札公告 機動装備センター

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環


災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

市街化区域と市街化調整区域との区分

Taro-01 議案概要.jtd

定款  変更

1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

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3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

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弁護士報酬規定(抜粋)

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

Microsoft Word - H27概要版

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

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Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

基 地 交 付 金 等 に 関 す る 要 望 書

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別紙3

佐渡市都市計画区域の見直し

記者発表資料

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

定款

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

目 次 都 市 づくりの 全 体 構 想 偏 1. 都 市 づくりの 理 念 と 目 標 1 1. 都 市 づくりの 理 念 と 将 来 像 1 2. 都 市 づくりの 目 標 とテーマ 2 3. 計 画 期 間 3 4. 将 来 人 口 フレーム 3 2. 将 来 都 市 構 造 4 1. 将 来

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1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

Taro-○離島特産品等マーケティング支援事業に係る企画提案募集要領

文化政策情報システムの運用等


別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

個人住民税徴収対策会議

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6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

Microsoft Word - 資料3(用途)

一般競争入札について


16 日本学生支援機構

主要生活道路について

18 国立高等専門学校機構

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

m07 北見工業大学 様式①

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

スライド 1

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

資料3

人事行政の運営状況の報告について

近畿中部防衛局広報誌

再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

Microsoft Word - 7._1_定款.doc

新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

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Microsoft Word 第1章 定款.doc

対 象 外 区 域 以 下 の 区 域 は 原 則 として 策 定 区 域 に 含 めないこと (1) 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 に 規 定 する 農 用 地 区 域 (2) 優 良 農 地 ( 一 団 のまとまりのある 農 地 や 農 業 水 利 施 設 の 整 備

PowerPoint プレゼンテーション

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

Contents 第 1 章 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 1 指 定 の 意 義 メリット 1 指 定 の 対 象 は? 2 対 象 となる 事 業 2 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 までの 流 れ 3

Transcription:

平 成 22 年 度 空 港 対 策 特 別 委 員 会 行 政 視 察 報 告 書 1. 視 察 日 程 平 成 22 年 10 月 6 日 ( 水 )~10 月 8 日 ( 金 ) 2. 視 察 先 及 び 視 察 内 容 (1) 静 岡 空 港 地 元 企 業 の 航 空 事 業 への 参 入 やその 運 用 状 況 また 空 港 利 用 促 進 対 策 ついて (2) 福 岡 空 港 福 岡 市 都 心 部 より 近 く 利 便 性 の 高 い 空 港 においての 騒 音 対 策 について (3) 新 千 歳 空 港 国 際 線 の 需 要 増 加 に 対 応 するために 建 設 された 新 国 際 線 ターミナルビルについ て 3. 参 加 者 委 員 長 上 田 信 博 副 委 員 長 堀 川 洌 委 員 佐 久 間 一 彦 委 員 小 澤 孝 一 委 員 伊 藤 春 樹 委 員 伊 藤 竹 夫 委 員 岩 澤 衛 委 員 青 野 勝 行 委 員 宇 都 宮 高 明 委 員 越 川 富 治 4. 視 察 内 容 (1) 静 岡 空 港 10 月 6 日 ( 水 ) 静 岡 空 港 の 概 要 平 成 3 年 に 第 6 次 空 港 整 備 5 カ 年 計 画 に 予 定 事 業 として 組 み 入 れられ 平 成 9 年 12 月 か ら 整 備 工 事 に 着 手 した 平 成 20 年 3 月 の 供 用 予 定 で 整 備 を 進 めてきたが 12 側 の 空 港 制 限 表 面 に 障 害 物 件 ( 立 木 土 地 )があるため 滑 走 路 を 200m 短 縮 して 平 成 21 年 6 月 4 日 に 供 用 開 始 し その 後 障 害 物 件 が 除 去 されたため 8 月 27 日 から 滑 走 路 2,500mで 完 全 運 用 された 空 港 整 備 工 事 には 総 事 業 費 1,900 億 円 ( 本 体 事 業 費 490 億 円 社 会 資 本 整 備 事 業 会 計 225 億 円 )をかけて 完 成 した また 平 成 22 年 度 にエプロンの 増 設 が 計 画 されており FDA 格 納 庫 建 設 も 計 画 されて いる 位 置 特 色 平 成 18 年 1 月 に 静 岡 空 港 の 日 本 語 の 愛 称 が 富 士 山 静 岡 空 港 に 決 定 された 富 士 山 静 岡 空 港 は 静 岡 県 の 中 央 部 牧 之 原 台 地 から 東 にのびる 尾 根 部 で 牧 之 原 市 島 田 市 ( 静 岡 市 街 から 約 30km 離 れており 車 で 40 分 位 の 場 所 にある)2 市 にまたがる 標 高

132mの 台 地 にある 施 設 の 概 要 空 港 の 名 称 : 富 士 山 静 岡 空 港 空 港 の 設 置 管 理 者 : 静 岡 県 知 事 空 港 の 種 類 : 地 方 管 理 空 港 空 港 の 位 置 : 静 岡 県 島 田 市 牧 之 原 市 基 本 施 設 空 港 面 積 190ha( 緩 衝 緑 地 を 含 めると 約 500ha) 滑 走 路 2,500m 60m 誘 導 路 2,994m エプロン 5 バース 駐 車 場 : 約 2,000 台 ターミナルビル 鉄 筋 構 造 地 上 3 階 建 て 延 床 面 積 11,400 m2 運 用 時 間 :8:30~20:00 就 航 路 線 国 内 線 就 航 先 航 空 会 社 便 数 所 要 時 間 ( 約 ) 新 千 歳 FDA/JAL 1 往 復 / 日 ANA 1 往 復 / 日 1 時 間 45 分 福 岡 FDA/JAL 3 往 復 / 日 1 時 間 30 分 那 覇 ANA 1 往 復 / 日 2 時 間 15 分 小 松 FDA 1 往 復 / 日 55 分 熊 本 FDA 1 往 復 / 日 1 時 間 25 分 鹿 児 島 FDA 1 往 復 / 日 1 時 間 30 分 国 際 線 就 航 先 航 空 会 社 便 数 所 要 時 間 ( 約 ) ソウル アシアナ 航 空 1 往 復 / 日 大 韓 航 空 1 往 復 / 日 2 時 間 10 分 上 海 中 国 東 方 航 空 4 往 復 / 周 2 時 間 40 分 地 元 企 業 の 航 空 事 業 への 参 入 やその 運 用 状 況 また 空 港 利 用 促 進 対 策 について フジドリームエアラインズ(FDA) 平 成 19 年 9 月 静 岡 県 静 岡 市 清 水 区 に 本 拠 を 置 く 物 流 関 連 企 業 鈴 与 は 静 岡 空 港 を 拠 点 とするリージョナル 航 空 運 送 事 業 参 入 を 表 明 した 平 成 20 年 6 月 鈴 与 が 資 本 金 3 億 円 を 出 資 し 100% 子 会 社 として フジドリームエアライ 2

ンズが 設 立 された 平 成 20 年 12 月 に フジドリームエアラインズは 東 京 航 空 局 に 航 空 運 送 事 業 の 許 可 申 請 を 行 い 平 成 21 年 2 月 27 日 に 事 業 認 可 がおりた 7 月 23 日 には フジドリームエアラインズ 初 就 航 記 念 セレモニーが 行 われ 拠 点 である 富 士 山 静 岡 空 港 から 小 松 熊 本 鹿 児 島 への 定 期 航 空 路 線 を 開 設 した フジドリームエアラインズは 現 在 3 機 の 小 型 ジェット 旅 客 機 エ ンブラエル 170/175 を 用 いて 運 航 している 平 成 22 年 4 月 には 札 幌 福 岡 路 線 を 開 設 し 平 成 22 年 6 月 には 信 州 まつもと 空 港 から 札 幌 福 岡 路 線 を 開 設 した また フジドリームエアラインズは FDA106 便 ( 小 松 静 岡 19:15 着 )を 利 用 するお 客 に 向 け 富 士 山 静 岡 空 港 からJR 島 田 駅 までを 結 ぶ 無 料 送 迎 バスを 運 行 している これまで FDA106 便 の 到 着 時 間 に 合 った 空 港 アクセスバスが 無 く 不 便 であったため お 客 の 利 便 性 向 上 に 応 えるために 独 自 による 無 料 送 迎 バスの 運 行 を 決 定 した 無 料 駐 車 場 富 士 山 静 岡 空 港 には 無 料 駐 車 場 があり 収 容 台 数 が 2,000 台 ある 時 間 に 関 係 なく 終 日 無 料 で 利 用 できるため 短 期 長 期 の 出 張 や 旅 行 などでも 安 心 して 利 用 できる 富 士 山 静 岡 空 港 サポーターズクラブ 富 士 山 静 岡 空 港 サポーターズクラブとは 富 士 山 静 岡 空 港 を 応 援 するための 個 人 会 員 組 織 である 会 員 の 皆 様 が 富 士 山 静 岡 空 港 への 愛 着 を 感 じ 空 港 を 利 用 していただくことや 空 港 を 利 活 用 することで 会 員 の 皆 様 の 生 活 の 豊 かさを 向 上 することを 目 的 としている 会 員 になると 富 士 山 静 岡 空 港 に 関 する 情 報 ( 例 えば 富 士 山 静 岡 空 港 離 発 着 の 旅 行 プランのお 知 らせ チャーター 便 のお 知 らせ キャンペーンや 空 港 利 用 促 進 に 関 するイベント 情 報 など)が 届 けられる 会 員 の 特 典 としては 富 士 山 静 岡 空 港 に 関 する 情 報 がメールで 届 くほか 協 賛 店 によるサービスや パック 旅 行 の 割 引 など 様 々な 特 典 がある 主 な 質 疑 問 : 駐 車 場 の 利 用 状 況 は 答 :ゴールデンウィークやお 盆 の 期 間 は 駐 車 場 は 満 車 となり 臨 時 駐 車 場 も 使 用 している 状 況 である やはり 何 日 駐 車 しても 無 料 であることが 大 きい 問 : 現 在 滑 走 路 は 2,500mだが 拡 張 は 考 えられているのか 答 : 静 岡 県 は いつでも 3,000mに 拡 張 する 準 備 はしている 3,000mにすることで 重 量 制 限 がなくなるため ヨーロッパ 便 などが 飛 ぶことができる 問 :フジドリームエアラインズなどの 国 内 線 は 搭 乗 率 が 伸 び 悩 んでいる 状 況 であり 逆 に 国 際 線 の 搭 乗 率 は 高 い 状 況 であるが 今 後 の 方 向 性 は 答 : 静 岡 県 知 事 は 搭 乗 率 の 良 い 国 際 線 の 拡 充 を 図 りたい また 国 際 線 スポットの 増 設 を 3

検 討 している 逆 に 国 内 線 のフジドリームエアラインズは 格 納 庫 やエプロンの 計 画 もある 委 員 所 感 静 岡 空 港 では 国 際 線 はおおむね 順 調 に 利 用 客 数 を 伸 ばしているが 国 内 線 に 関 しては 2009 年 6 月 開 港 以 降 2 年 間 で 路 線 の 運 休 撤 退 が 目 立 っている 特 に 静 岡 空 港 を 拠 点 とし たFDAは 静 岡 空 港 と 小 松 空 港 を 結 ぶ 路 線 を 昨 年 7 月 に 1 日 2 往 復 で 開 設 した 同 社 のオリ ジナル 路 線 を 2011 年 3 月 27 日 で 運 休 すると 発 表 している 同 区 間 はリージョナルジェット ( 座 席 数 76 席 または 84 席 )による 運 航 で 今 年 6 月 には 1 日 1 便 に 減 便 したが 搭 乗 率 27.3% と 低 迷 していた 搭 乗 率 が 低 迷 する 原 因 として 静 岡 市 浜 松 市 の 各 都 市 からは 東 京 名 古 屋 といった 大 都 市 まで 東 海 道 新 幹 線 を 利 用 すれば 1 時 間 以 内 で 移 動 することが 可 能 であり さらに 静 岡 県 東 部 からは 羽 田 空 港 成 田 空 港 静 岡 県 西 部 からは 中 部 国 際 空 港 と 便 数 の 尐 ない 静 岡 空 港 を 利 用 するよりも 便 数 の 多 いこれら3 空 港 を 選 択 するほうが 利 便 性 が 良 いということがあげら れる そのような 中 成 田 国 際 空 港 は 発 着 枠 30 万 回 への 増 枠 に 対 応 するため 低 料 金 で 利 用 で きるLCC 専 用 の 旅 客 ターミナルを 新 たに 建 設 し 既 存 ターミナルビルも 拡 張 する 方 針 を 固 め た 成 田 空 港 の 年 間 発 着 枠 が 30 万 回 に 増 枠 されれば 国 内 線 に 割 り 当 てられる 発 着 枠 も 現 行 の2 万 回 から3 万 回 程 度 に 増 えることが 見 込 まれる 国 際 線 と 国 内 線 の 乗 り 継 ぎもしやすく なることにより 空 港 の 活 性 化 とアジアのハブ( 拠 点 ) 空 港 としての 機 能 強 化 が 図 られる 成 田 空 港 を 擁 する 成 田 市 も 昨 日 (10 月 13 日 ) 空 港 周 辺 自 治 体 連 絡 協 議 会 の 中 で 成 田 市 と して 30 万 回 容 認 を 発 表 した 周 辺 自 治 体 も 温 度 差 はあるもののいずれの 市 町 も 賛 成 しいよい よ 30 万 回 に 勢 いがついてきた しかし 成 田 空 港 はアジアのハブ 空 港 としての 地 位 確 保 地 方 空 港 はそれぞれの 空 港 の 存 続 のため 難 しい 舵 取 り 運 営 を 強 いられることは 間 違 いなく 今 後 生 き 残 りをかけた 厳 しい 空 港 間 競 争 がおこるであろう 例 えば 茨 城 空 港 は 開 港 当 初 は 定 期 便 が 国 際 線 1 路 線 のみだったが 今 年 度 中 にも 国 内 線 3 路 線 国 際 線 2 路 線 に 拡 充 の 見 込 みであり 搭 乗 率 も 各 路 線 とも 高 い 数 字 を 残 している また 茨 城 空 港 到 着 後 30 分 以 内 に 東 京 へ 向 かうバスをワンコイン(500 円 )で 運 行 するなどのサービスの 充 実 にも 努 めている ま た 成 田 羽 田 などの 主 要 空 港 を 除 く 全 国 51 空 港 について 振 興 策 を 担 当 する37 地 方 自 治 体 にLCCについてアンケート 調 査 したところ7 割 に 当 たる 26 自 治 体 がLCCを 誘 致 したり 誘 致 を 検 討 していることも 報 告 されている 空 港 の 利 用 者 の 確 保 活 性 化 が 重 要 であり 地 域 の 活 性 化 とあわせ 行 政 住 民 が 一 体 となっ てこれらの 課 題 に 取 り 組 んでいかなければ 空 港 の 閉 港 という 最 も 悲 惨 な 道 を 歩 むことにな ることは 想 像 するに 難 しくはない 成 田 空 港 の 場 合 閉 鎖 ということは 考 えられないが 主 要 空 港 の 中 での 位 置 づけという 観 点 から 国 内 国 際 の 乗 り 継 ぎ 乗 りの 利 便 性 の 大 幅 な 向 上 や LCCの 乗 り 入 れ 等 価 格 面 での 競 争 に 勝 ち 残 るためには 一 日 も 早 い 年 間 発 着 30 万 回 の 実 現 が 必 要 だと 強 く 感 じる 4

(2) 福 岡 空 港 10 月 7 日 ( 木 ) 福 岡 空 港 の 概 要 福 岡 空 港 は 昭 和 19 年 2 月 旧 陸 軍 が 本 土 防 衛 のための 航 空 基 地 を 福 岡 市 郊 外 の 席 田 (む しろだ) 地 区 に 建 設 したことに 始 まる 昭 和 20 年 5 月 に 完 成 した 飛 行 場 は 席 田 飛 行 場 と 呼 ばれたが その 飛 行 場 用 地 は 土 地 所 有 者 から 強 制 的 に 接 収 したものであった しかし 完 成 後 3 カ 月 で 終 戦 同 年 10 月 には 米 軍 が 再 接 収 し 板 付 飛 行 場 とその 名 を 変 える 昭 和 26 年 10 月 に 民 間 航 空 再 開 に 伴 い 初 の 定 期 旅 客 機 による 羽 田 ~ 大 阪 ~ 福 岡 線 が 開 設 されたが 米 軍 基 地 が 同 居 するという 変 則 状 態 が 続 くことになる 昭 和 45 年 12 月 日 米 安 全 保 障 委 員 会 において 運 輸 省 への 移 管 が 決 定 した 昭 和 47 年 4 月 国 管 理 の 第 二 種 空 港 として 供 用 開 始 した この 時 初 めて 正 式 名 称 とし て 福 岡 空 港 と 呼 ばれることとなった 同 年 騒 防 法 に 基 づく 特 定 飛 行 場 に 指 定 さ れる 昭 和 51 年 6 月 には 周 辺 整 備 空 港 指 定 令 により 大 阪 国 際 空 港 と 並 ぶ 周 辺 整 備 空 港 に 指 定 された その 後 西 日 本 地 区 及 びアジア 地 区 の 主 要 な 空 の 玄 関 口 として 着 実 を 続 け 平 成 21 年 の 乗 降 客 数 は 国 内 線 国 際 線 をあわせて 15,901( 千 人 )であった その 旅 客 数 は 羽 田 成 田 伊 丹 に 次 ぐ 第 4 位 の 空 港 として 成 長 している また 平 成 22 年 4 月 期 ダイヤの 路 線 網 は 国 内 線 24 都 市 306 便 / 日 国 際 線 18 都 市 314 便 / 週 である 施 設 の 概 要 空 港 の 名 称 : 福 岡 空 港 空 港 の 設 置 管 理 者 : 国 土 交 通 大 臣 空 港 の 種 類 : 国 管 理 空 港 空 港 の 位 置 : 福 岡 県 福 岡 市 基 本 施 設 空 港 面 積 353ha( 内 国 有 地 229ha) 滑 走 路 2,800m 60m 誘 導 路 8,626m エプロン 44 バース 駐 車 場 : 国 内 線 普 通 車 930 台 大 型 車 18 台 国 際 線 普 通 車 897 台 ターミナルビル 第 1 ターミナルビル 4 階 建 19,550 m2 第 2 ターミナルビル 一 部 5 階 建 60,958 m2 第 3 ターミナルビル 一 部 4 階 建 30,582 m2 国 際 線 ターミナルビル 一 部 4 階 建 69,807 m2 運 用 時 間 :7:00~22:00 5

福 岡 空 港 の 特 徴 1. 交 通 アクセスに 優 れた 空 港 福 岡 空 港 は 交 通 アクセスに 優 れた 利 便 性 の 高 い 空 港 である 平 成 5 年 3 月 に 開 業 した 福 岡 市 営 地 下 鉄 空 港 線 は JR 博 多 駅 まで 1.4kmを 約 5 分 で 結 ぶ また 福 岡 都 市 高 速 のランプも 近 くにあり 九 州 自 動 車 道 に 連 絡 している 2. 空 港 内 民 有 地 の 存 在 飛 行 場 用 地 は 土 地 所 有 者 からの 強 制 接 収 によるものであった 米 軍 再 接 収 の 後 昭 和 45 年 運 輸 省 への 移 管 が 決 定 した 際 国 等 は 現 空 港 での 継 続 使 用 を 望 み 地 権 者 と 福 岡 空 港 用 地 に 関 する 覚 書 を 締 結 した これまで 国 は 買 上 要 望 の 都 度 買 収 を 行 ってきたが 依 然 として 空 港 内 には 民 有 地 が 存 在 している その 数 量 は 空 港 面 積 353haのうち 約 1/3 の 115haを 占 め 借 料 は 平 成 21 年 度 実 績 で 約 83 億 円 を 計 上 している 3. 相 対 する 国 内 線 ビルと 国 際 線 ビル 旅 客 ターミナルビルは 国 内 線 ( 第 1~3 棟 ) 及 び 国 際 線 の 第 4 棟 国 際 線 は 平 成 11 年 5 月 に 西 側 地 区 に 移 転 開 業 東 西 を 結 ぶ 無 料 連 絡 バスが 10 分 間 隔 で 運 行 されている 4. 自 衛 隊 及 び 米 軍 との 共 用 空 港 福 岡 空 港 西 側 地 区 の 一 角 に 航 空 自 衛 隊 春 日 基 地 板 付 地 区 (94 千 m2)と 米 軍 施 設 (22 千 m2)がある 福 岡 空 港 の 問 題 点 福 岡 空 港 は 西 日 本 全 体 を 支 える 拠 点 空 港 であり アジア 地 域 を 中 心 として 国 際 航 空 ネットワークの 空 港 として 重 要 な 役 割 を 果 たしている 新 千 歳 那 覇 と 並 ぶ 主 要 地 域 拠 点 空 港 に 位 置 づけられているが 福 岡 空 港 が 抱 える 問 題 点 もある 1. 過 密 空 港 ( 処 理 容 量 の 限 界 ) 福 岡 空 港 の 平 成 19 年 の 年 間 発 着 回 数 は 14.2 万 回 を 数 え 羽 田 成 田 に 次 いで 国 内 3 番 目 である なお 平 成 21 年 度 は 13.5 万 回 であった 滑 走 路 1 本 での 離 発 着 回 数 の 多 さでは 日 本 一 である 2. 都 市 型 空 港 ( 航 空 機 騒 音 問 題 ) 福 岡 空 港 は 空 港 周 辺 が 市 街 化 されているため 住 民 は 航 空 機 騒 音 の 影 響 を 受 け ることとなる なお 空 港 の 両 サイドには ILS( 計 器 着 陸 装 置 )があり 悪 天 候 時 6

においても 安 全 な 着 陸 が 可 能 である 空 港 南 側 からの 進 入 (3 割 ) 南 側 への 離 陸 (7 割 )の 際 は 福 岡 市 ( 中 央 区 博 多 区 南 区 ) 大 野 城 市 春 日 市 等 の 市 街 地 上 空 を 飛 行 する 南 側 コース 上 の 大 野 城 市 仲 島 公 民 館 ( 第 1 種 区 域 )に 騒 音 監 視 装 置 を 設 置 しているが その 平 成 20 年 にお ける 平 均 W 値 は 76.8 である また 北 側 からの 進 入 (7 割 ) 離 陸 (3 割 )の 際 は 福 岡 市 東 区 ( 箱 崎 名 島 地 区 )の 上 空 を 飛 行 し 当 該 コース 上 の 東 区 筥 松 小 学 校 ( 第 2 種 区 域 )の 騒 音 監 視 装 置 が 記 録 する 平 均 W 値 は 82.5 である 航 空 機 の 低 騒 音 化 で 1 機 あたりの 騒 音 は 減 尐 しているものの 小 型 機 導 入 新 規 路 線 等 の 拡 大 等 による 増 便 で 騒 音 レベルとしては 横 ばいの 状 況 である ( 高 さ 制 限 による 建 築 規 制 ) 航 空 法 に 定 める 建 造 物 の 高 さ 制 限 は JR 博 多 駅 周 辺 やキャナルシティ 博 多 あた りで 45m 天 神 地 区 70m 西 部 副 都 心 であるシーサイドももちでは 150mである 空 港 から 半 径 16.5 kmに 至 るまでは 徐 々に 緩 和 し 24 km 外 で 制 限 がなくなる この 制 限 により 都 心 部 では 10 階 副 都 心 では 30 階 程 度 の 建 物 しか 建 てられない 福 岡 市 は 高 層 ビルが 都 心 部 になく 東 西 に 横 長 なすり 鉢 型 の 都 心 部 を 形 成 する 要 因 とな っている ( 赤 字 空 港 ) 平 成 17 年 度 の 福 岡 空 港 の 個 別 収 支 は 単 純 には 100 億 円 近 い 赤 字 空 港 となってい る 先 頃 発 表 された 平 成 19 年 度 空 港 別 収 支 試 算 結 果 における 収 支 に 関 する 特 徴 留 意 点 では 民 有 地 を 借 り 上 げていることに 伴 う 土 地 建 物 借 料 の 負 担 が 重 いこと に 加 えて 都 市 部 に 所 在 するため 環 境 対 策 費 が 多 額 にのぼる とのコメントであり 69 億 円 近 い 赤 字 であった ( 周 辺 地 域 との 関 係 ) 福 岡 空 港 の 特 徴 問 題 点 で 述 べたように 市 内 空 港 ゆえにその 利 便 性 (アクセス) は 高 いものの 空 港 内 には 戦 時 下 の 強 制 接 収 に 基 づく 民 有 地 ( 借 地 があり 航 空 機 騒 音 等 の 苦 情 は 後 を 絶 たない また 移 転 補 償 事 業 の 進 展 による 過 疎 化 (コミュニ ティの 崩 壊 ) 国 有 地 管 理 ( 跡 地 の 維 持 管 理 )の 問 題 も 指 摘 される 最 近 では 地 デ ジ 放 送 の 航 空 機 に 起 因 すると 見 られる 電 波 障 害 の 問 い 合 わせもある 国 等 は 福 岡 空 港 の 歴 史 等 を 踏 まえ これまで 周 辺 地 域 との 友 好 関 係 の 構 築 に 努 力 してきたとこ ろであるが 今 後 滑 走 路 増 設 等 の 問 題 もあり 一 層 空 港 と 地 域 は 共 存 共 栄 と の 認 識 で 空 港 運 営 を 進 めていく 必 要 がある 福 岡 空 港 の 過 密 化 対 策 ~ 現 空 港 での 滑 走 路 増 設 ~ 1.これまでの 歩 み 平 成 14 年 交 通 政 策 審 議 会 航 空 分 科 会 は 福 岡 空 港 は 将 来 的 に 需 給 が 逼 迫 する 等 の 事 態 がされるとして 総 合 的 な 調 査 の 必 要 性 があると 答 申 を 行 った その 答 申 を 受 け 平 成 15 年 から 平 成 20 年 にかけて 国 ( 大 阪 航 空 局 九 州 地 方 整 備 局 )と 地 域 ( 福 岡 県 福 岡 市 )は 連 携 協 力 して 福 岡 空 港 の 総 合 的 な 調 査 をパブリック インボルブメ 7

ント( 略 称 :PI)の 手 法 を 用 いて 市 民 に 情 報 提 供 を 行 い 多 数 の 意 見 を 聞 きながら 検 討 を 進 めてきた 具 体 的 には 総 合 的 な 調 査 では 現 空 港 滑 走 路 の 年 間 処 理 容 量 14.5 万 回 では 近 い 将 来 余 力 がなくなり その 抜 本 的 な 解 決 策 は 現 空 港 での 滑 走 路 増 設 若 しくは 新 空 港 建 設 が 有 力 な 解 決 策 と 示 され PI 実 施 結 果 では 現 空 港 での 滑 走 路 増 設 に 積 極 的 な 意 見 が 多 かった 更 に 平 成 21 年 4 月 には 地 域 ( 福 岡 県 福 岡 市 )から 現 空 港 での 滑 走 路 増 設 を 速 やかに 着 手 すべきとの 意 見 書 ( 要 望 )が 提 出 された これらを 踏 まえ 国 土 交 通 省 は 平 成 21 年 5 月 福 岡 空 港 構 想 施 設 計 画 検 討 協 議 会 ( 大 阪 航 空 局 九 州 地 方 整 備 局 福 岡 県 福 岡 市 )を 立 ち 上 げ 現 空 港 におけ る 滑 走 路 増 設 案 を 前 提 とする 構 想 施 設 計 画 段 階 へ 移 行 した 2. 構 想 施 設 計 画 段 階 での 検 討 の 進 め 方 具 体 的 な 空 港 施 設 計 画 策 定 に 当 たっては まず 航 空 需 要 予 測 の 精 査 滑 走 路 等 の 配 置 の 検 討 施 設 配 置 計 画 及 び 拡 張 用 地 規 模 の 検 討 航 空 機 騒 音 の 影 響 事 業 費 工 期 の 検 討 費 用 便 益 分 析 について 専 門 家 で 構 成 される 福 岡 空 港 技 術 検 討 委 員 会 で 検 討 を 行 い 構 想 施 設 計 画 検 討 協 議 会 の 承 認 を 経 て PIレポート として 取 り まとめた このレポートにより 周 辺 地 域 説 明 会 や 懇 談 会 といったPI 活 動 が 現 在 実 施 されている 福 岡 市 都 心 部 より 近 く 利 便 性 の 高 い 空 港 においての 騒 音 対 策 について 福 岡 空 港 における 主 な 空 港 環 境 対 策 について 1. 発 生 源 対 策 発 着 規 制 運 用 時 間 と 利 用 時 間 告 示 上 の 運 用 時 間 は 24 時 間 であるが 利 用 時 間 としては 午 前 7 時 から 午 後 10 時 まで としている これは 福 岡 空 港 騒 音 訴 訟 において 21 時 から 7 時 までの 夜 間 飛 行 差 し 止 め 請 求 があったことを 踏 まえ( 請 求 は 却 下 ) 航 空 機 騒 音 にも 配 慮 し また 利 用 者 利 便 ( 東 京 日 帰 り 圏 内 )を 考 えて 設 定 されたものである 運 航 方 法 の 改 善 騒 音 軽 減 方 式 離 陸 について 急 上 昇 方 式 着 陸 について ディレイド フラップ 進 入 方 式 及 び 低 フラップ 角 着 陸 方 式 リバース スラスト 22 時 以 降 翌 朝 7 時 までの 間 着 陸 機 における 使 用 はアイドルに 制 限 回 転 翼 航 空 機 の 離 発 着 空 港 東 側 に 駐 機 した 回 転 翼 機 の 夜 間 (22:00~6:30)の 離 発 着 は 誘 導 路 地 8

上 移 動 の 後 滑 走 路 からの 離 発 着 とする なお 空 港 内 で 高 度 処 理 を 行 い 周 辺 住 民 への 騒 音 の 影 響 を 抑 える APUの 使 用 制 限 22:00~7:00 の 間 の 使 用 制 限 エンジンテスト 実 施 場 所 及 び 実 施 時 間 帯 を 定 める 2. 福 岡 空 港 独 自 の 環 境 対 策 サッシ 修 理 助 成 住 宅 防 音 工 事 ( 航 空 機 騒 音 防 止 法 )で 設 置 したサッシ ( 窓 及 びドア)について 防 音 機 能 に 関 係 する 部 位 の 修 理 費 を( 財 ) 空 港 環 境 整 備 協 会 の 助 成 により 実 施 する もの 助 成 額 は 出 張 技 術 料 と 部 品 代 の 80% 空 調 機 器 修 理 助 成 住 宅 防 音 工 事 ( 航 空 機 騒 音 防 止 法 )で 設 置 した 空 調 機 器 について その 修 理 費 を( 財 ) 空 港 環 境 整 備 協 会 の 助 成 により 実 施 するもの 対 象 となる 世 帯 は 生 活 保 護 世 帯 及 び 一 定 基 準 以 下 の 所 得 世 帯 助 成 額 は 出 張 技 術 料 と 部 品 代 の 80% 移 転 補 償 跡 地 の 活 用 移 転 補 償 跡 地 の 集 積 した 区 域 について 跡 地 の 有 効 活 用 により 地 域 の 活 性 化 を 図 っている 平 成 11 年 8 月 月 隈 緑 地 パークゴルフ 場 のオープン 平 成 13 年 4 月 大 井 地 区 再 開 発 事 業 ( 第 1 期 物 販 施 設 オープン) 平 成 15 年 9 月 立 花 寺 緑 地 リフレッシュ 農 園 開 園 平 成 18 年 8 月 大 井 地 区 再 開 発 事 業 ( 第 2 期 物 販 施 設 オープン) 平 成 19 年 4 月 鳥 越 多 目 的 広 場 ( 博 多 の 森 ドッグラン) 開 園 平 成 22 年 9 月 大 井 地 区 再 開 発 事 業 ( 第 3 期 郵 便 事 業 ( 株 )オープン) 主 な 質 疑 問 : 福 岡 空 港 へ 着 陸 する 時 に 福 岡 市 内 を 飛 行 し 旋 回 して 着 陸 したが 騒 音 の 問 題 は 大 きい のでは 答 : 安 全 のために 風 向 きによって 着 陸 コースを 変 更 しているので 住 民 の 皆 さんに 理 解 が 得 られるよう 説 明 している 問 : 借 地 である 民 有 地 については 平 成 21 年 度 の 借 料 が 約 83 億 円 とのことだが 買 い 上 げ は 考 えていないのか 答 : 土 地 所 有 者 から 申 請 があれば 買 い 上 げるが 予 算 の 範 囲 内 で 行 っている 問 : 借 地 である 民 有 地 の 土 地 所 有 者 は 何 名 いるか 答 : 約 800 名 である 9

問 : 滑 走 路 を 増 設 した 場 合 の 騒 音 問 題 は 答 : 環 境 アセスメントを 行 った 後 住 民 には 説 明 していくこととなる 問 : 現 在 の 1 本 の 滑 走 路 では 限 界 があるとのことで 空 港 を 別 の 場 所 に 建 設 する 案 と 滑 走 路 を 増 設 する 案 について 地 元 の 考 えは 答 : 平 成 21 年 4 月 に 福 岡 県 と 福 岡 市 から 現 空 港 での 滑 走 路 増 設 を 速 やかに 着 手 すべきとの 意 見 書 ( 要 望 )が 提 出 された 問 : 滑 走 路 を 増 設 した 場 合 は 空 港 は 24 時 間 空 港 になるか 答 : 告 示 上 の 運 用 時 間 は 24 時 間 であるが 今 まで 通 り 利 用 時 間 としは 午 前 7 時 か ら 午 後 10 時 まで である 委 員 所 感 福 岡 空 港 と 成 田 空 港 を 比 較 して はじめに 感 じたことは 飛 行 場 用 地 が 土 地 所 有 者 から 強 制 的 に 接 収 されたものであるということでした 昭 和 19 年 2 月 戦 争 の 軍 事 基 地 として 建 設 が 始 まり 昭 和 20 年 5 月 に 完 成 するも 敗 戦 により 米 軍 が 再 接 収 して 板 付 飛 行 場 として 使 用 されていましたが 昭 和 47 年 ごろより 運 輸 省 管 理 の 空 港 として 福 岡 空 港 と 正 式 に 改 めら れ 今 日 に 至 っているとの 現 況 説 明 がありました 用 地 買 収 に 困 難 を 極 めている 成 田 の 現 状 を 考 えると 比 較 的 順 調 に 運 用 されて 来 ている 感 じではありますが 空 港 面 積 353haのうち 約 1/3 の 民 有 地 115haに 対 して 年 間 約 83 億 円 を 借 地 料 として 計 上 しているとの 説 明 を 受 け 空 港 内 にある 民 有 地 の 問 題 点 については 成 田 も 同 様 にして 類 似 問 題 が 残 されている 点 が 一 緒 であるような 感 想 を 持 ちました 問 題 点 の 二 つ 目 として 滑 走 路 が 1 本 である 為 発 着 回 数 の 処 理 能 力 に 限 界 がある 点 です 2,800mの 滑 走 路 1 本 で 14 万 回 (19 年 度 )ですから 成 田 の 場 合 を 考 えると 2 本 で 28 万 回 は こなしている 計 算 になります 当 然 騒 音 問 題 についても 苦 情 は 後 を 絶 たないということでし た 上 空 から 降 下 する 時 に 眺 めた 印 象 は とにかく 住 宅 が 密 集 していて 成 田 より 騒 音 は 厳 し いのではないかと 思 った 次 第 です 土 地 民 有 地 の 借 地 料 と 環 境 対 策 費 が 多 額 であるため 19 年 度 は 69 億 円 の 赤 字 であったとお 聞 きしました 今 後 の 課 題 として 2,500mの 滑 走 路 を 早 期 に 増 設 して 過 密 化 対 策 を 解 消 していくことが 先 決 であるとの 見 解 でした パブリック インボルブメントの 手 法 を 用 いて 市 民 に 情 報 提 供 を 行 い 多 数 の 意 見 を 聞 き ながら 検 討 をしてきたが 1,800 億 円 という 建 設 費 騒 音 地 区 に 対 する 環 境 問 題 等 が 当 面 ネ ックとなり 今 後 7 年 から 10 年 をかけて 建 設 を 進 めていく 方 針 であるとのことでした 成 田 空 港 も 飛 行 回 数 30 万 回 に 向 けて 動 き 始 めましたが 騒 音 下 に 住 み 続 けていく 住 民 のことをし っかりと 考 えて 頂 き 環 境 対 策 についても 万 全 にやって 頂 く その 意 味 においては 福 岡 も 成 田 も 共 通 認 識 であり 常 に 空 港 と 地 域 は 共 存 共 栄 であるとの 意 識 改 革 を 忘 れることな く 空 港 運 営 事 業 を 進 めて 行 くことが 必 要 であると 思 います 10

(3) 新 千 歳 空 港 10 月 8 日 ( 金 ) 新 千 歳 空 港 の 概 要 新 千 歳 空 港 は 昭 和 63 年 に 3,000mの 滑 走 路 1 本 で 開 港 した それ 以 前 は 隣 接 する 航 空 自 衛 隊 の 千 歳 基 地 を 民 間 航 空 機 も 利 用 する 共 用 飛 行 場 として 運 用 されてきた 平 成 4 年 に 新 千 歳 空 港 旅 客 ターミナルビル( 現 国 内 線 旅 客 ターミナルビル)を 供 用 開 始 し 平 成 6 年 に は 国 内 初 の 24 時 間 空 港 として 運 用 を 開 始 した 平 成 8 年 には 3,000mのB 滑 走 路 を 供 用 開 始 し 平 成 22 年 3 月 に 国 際 線 旅 客 ターミナルビルを 供 用 開 始 した 現 在 新 千 歳 空 港 には 国 内 線 27 路 線 国 際 線 10 路 線 があり 出 発 到 着 を 合 わせて 1 日 あたり 約 300 便 の 定 期 便 が 就 航 している 平 成 21 年 度 の 年 間 利 用 旅 客 数 は 1,650 万 人 で 羽 田 空 港 成 田 空 港 に 次 ぐ 旅 客 数 であり 国 際 線 の 旅 客 数 は 年 間 80 万 人 ある 今 回 の 国 際 線 旅 客 ターミナルビルのオープンに 併 せて 国 際 線 の 便 数 も 尐 しずつ 伸 びてきてい る 新 千 歳 空 港 の 概 況 新 千 歳 空 港 は 2 本 の 平 行 滑 走 路 ( 各 3,000m)を 運 用 する 24 時 間 空 港 で 人 口 190 万 人 の 札 幌 市 を 後 配 圏 に 持 つ 国 際 航 空 輸 送 及 び 国 内 航 空 輸 送 のネットワーク 拠 点 としての 役 割 を 担 っており 北 海 道 内 の 航 空 旅 客 の 約 4 分 の 3 を 支 える 北 の 空 の 玄 関 口 である また 交 通 アクセスについては 札 幌 からは JR 快 速 で 約 36 分 直 通 連 絡 バスで 約 70 分 また 苫 小 牧 からは JR 特 急 で 約 20 分 車 で 約 40 分 であり 交 通 アクセスの 良 い 空 港 である 新 国 際 線 旅 客 ターミナルビルが 完 成 したことで 以 前 の 国 際 線 スペースの 5 倍 の 広 さと なった また スポットは 3 スポットから 6 スポットへ 増 え 今 後 の 国 際 線 の 増 便 にも 十 分 対 応 できることとなった 新 千 歳 空 港 の 特 徴 1. 航 空 管 制 業 務 新 千 歳 空 港 は 国 土 交 通 大 臣 が 設 置 管 理 する 空 港 であるが 航 空 管 制 業 務 につい ては 新 千 歳 空 港 に 航 空 自 衛 隊 の 千 歳 飛 行 場 が 隣 接 しているため 別 々に 航 空 管 制 業 務 を 実 施 することが 不 可 能 である よって 一 元 的 に 航 空 管 制 業 務 を 実 施 するため 防 衛 省 に 委 任 している 2. 空 港 の 除 雪 体 制 北 国 の 空 港 であるため 冬 場 の 除 雪 体 制 を 確 立 しており 道 内 でも 最 大 規 模 の 除 雪 体 制 をとっており 定 期 便 の 定 時 運 行 に 努 めている 除 雪 にあたっては 官 有 車 両 55 台 と 借 上 車 両 38 台 の 合 計 93 台 で 2 本 の 滑 走 路 及 び 誘 導 路 駐 機 エプロン 等 を 含 め 約 257haの 除 雪 を 行 っている 除 雪 所 要 時 間 に ついては 以 前 は 40 分 の 作 業 時 間 がかかっていたものの 高 性 能 プラウ 除 雪 車 及 び 高 性 能 スイーパ 除 雪 車 高 性 能 ロータリ 除 雪 車 を 投 入 することにより 20 分 の 作 業 時 間 11

に 短 縮 を 図 っている 3.エコエアポート 新 千 歳 空 港 では クールプロジェクトに 取 り 組 んでいる クールプロジェクトとは 除 雪 した 雪 を 雪 山 として 保 存 し 空 港 で 使 用 する 防 除 雪 氷 剤 や 融 雪 剤 の 河 川 への 流 失 を 防 ぐことによりBOD( 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 )の 上 昇 を 抑 制 する 取 り 組 みである また 保 存 した 雪 山 をターミナルビルの 冷 房 に 活 用 し CO₂を 削 減 する 試 みを 平 成 22 年 度 から 開 始 している 施 設 の 概 要 空 港 の 名 称 : 新 千 歳 空 港 空 港 の 設 置 管 理 者 : 国 土 交 通 大 臣 空 港 の 種 類 : 国 管 理 空 港 空 港 の 位 置 : 北 海 道 千 歳 市 苫 小 牧 市 基 本 施 設 空 港 面 積 719ha 滑 走 路 A 滑 走 路 3,000m 60m B 滑 走 路 3,000m 60m 誘 導 路 15,115 23~58m エプロン 58 バース 駐 車 場 :A 駐 車 場 1,514 台 B 駐 車 場 1,499 台 C 駐 車 場 305 台 ターミナルビル 国 内 線 ターミナルビル 地 下 1 階 地 上 4 階 一 部 5 階 152,989 m2 国 際 線 ターミナルビル 地 下 1 階 地 上 4 階 61,269.52 m2 運 用 時 間 :24 時 間 ( 但 し 騒 音 軽 減 のため 22 時 から 7 時 までの 離 着 陸 は 緊 急 等 やむを 得 ない 状 況 を 除 き 6 回 に 限 定 ) 国 際 線 の 需 要 増 加 に 対 応 するために 建 設 された 新 国 際 線 ターミナルビルについて 新 千 歳 空 港 国 際 線 旅 客 ターミナルビルの 概 要 について 1. 開 業 までの 経 緯 平 成 4 年 7 月 の 新 千 歳 空 港 旅 客 ターミナルビル( 現 国 内 線 旅 客 ターミナルビル)の 開 業 以 降 国 際 線 旅 客 数 は 増 加 を 続 け ピーク 時 には 処 理 能 力 200 人 / 時 間 に 対 し 500~600 人 / 時 間 の 旅 客 が 集 中 し 施 設 の 拡 張 が 急 務 となった このような 状 況 を 踏 まえ 新 しい 国 際 線 旅 客 ターミナルビルの 建 設 が 計 画 され 平 成 18 年 9 月 に 北 海 道 空 港 株 式 会 社 がその 建 設 並 びに 構 内 営 業 予 定 者 として 選 定 され 建 設 を 行 うこととなった 平 成 20 年 4 月 に 建 設 工 事 の 発 注 を 行 い 翌 5 月 に 起 工 式 その 後 平 成 22 年 2 月 に 竣 工 式 を 行 い 平 成 22 年 3 月 26 日 に 新 しい 国 際 線 旅 客 ターミナルビルのオープンに 至 った 2. 国 際 線 施 設 建 設 コンセプト 新 しい 国 際 線 旅 客 ターミナルビルは 日 本 の 北 のゲートウ 12

ェイとして また 地 域 と 世 界 と 結 ぶ 国 際 交 流 拠 点 としての 施 設 の 重 要 性 を 認 識 し 以 下 の 方 針 により 計 画 した (1) 安 全 安 心 の 確 立 最 新 のセキュリティシステムの 導 入 および 出 発 到 着 動 線 の 完 全 分 離 により 安 全 性 を 向 上 させる 1インライン 検 査 方 式 の 導 入 インライン 検 査 方 式 とは 爆 発 物 検 査 装 置 (CTスキャン)を 手 荷 物 搬 送 設 備 (BHS)に 組 み 込 み 旅 客 の 手 荷 物 をカウンターで 受 託 した 後 に 搬 送 し つつ 検 査 を 実 施 する 方 式 である 2 出 発 到 着 動 線 完 全 分 離 新 国 際 線 旅 客 ターミナルビルは 2 階 を 到 着 施 設 3 階 を 出 発 施 設 としてい る (2) 人 にやさしい 施 設 国 際 線 旅 客 ターミナルビルは 計 画 の 段 階 からユニバーサルデザインの 考 え 方 に 基 づいた 整 備 を 行 った 障 害 当 事 者 をはじめ 有 識 者 や 外 国 人 の 方 等 様 々な 空 港 利 用 者 との 議 論 や 検 証 を 重 ね 基 本 設 計 段 階 から 意 見 やアイディアを 反 映 させ ている 開 業 後 も 継 続 的 にモニタリングを 行 いながら 誰 もが 使 いやすい 快 適 な ターミナルビルを 目 指 していく (3) 環 境 にやさしい 施 設 新 千 歳 空 港 では CO₂の 削 減 率 25%を 目 標 に さまざまな 取 り 組 みを 行 うこ とにより 環 境 にやさしいエコエアポートを 推 進 している 1 天 然 ガスへの 転 換 新 千 歳 空 港 で 利 用 している 燃 料 (A 重 油 )を 空 港 に 隣 接 する 苫 小 牧 市 で 採 掘 される 天 然 ガスに 転 換 する 天 然 ガスは A 重 油 と 比 較 するとCO₂の 排 出 が 尐 ないクリーンなエネルギーである 2コージェネレーションシステムの 採 用 天 然 ガスを 利 用 した 内 燃 機 関 の 排 熱 を 電 力 温 熱 冷 熱 に 変 換 することで 自 前 でエネルギーの 供 給 するシステムを 採 用 する 商 用 電 力 と 重 油 のみの 場 合 よりも 総 合 エネルギー 効 率 が 高 くなる 3 雪 冷 熱 エネルギーの 活 用 冬 期 間 の 除 雪 で 集 められた 雪 を 空 港 ターミナルビルの 冷 房 に 利 用 するシステ ム これにより 将 来 的 には 年 間 の 冷 房 需 要 の 約 3 割 を 雪 でまかなえるように なる 予 定 で 冷 房 用 エネルギーを 削 減 することができる (4) 北 海 道 らしい 施 設 世 界 への 玄 関 口 となる 国 際 線 旅 客 ターミナルビルは 国 内 外 の 利 用 客 が 北 海 道 への 自 然 と 文 化 を 象 徴 的 に 感 じることができる 空 間 となるよう 北 海 道 の 森 と そこに 育 まれた 固 有 の 文 化 をコンセプトにデザインした 13

3. 国 際 線 旅 客 ターミナルビルの 施 設 概 要 場 所 新 千 歳 空 港 内 西 側 構 造 地 上 部 / 鉄 骨 造 地 上 4 階 塔 屋 1 階 地 下 部 / 鉄 筋 コンクリート 造 地 下 1 階 需 要 規 模 旅 客 ピーク 時 に 1 時 間 あたり 530 人 以 上 に 対 応 可 能 ( 将 来 的 に 旅 客 ピーク 時 に 1 時 間 あたり 730 人 に 対 応 可 能 ) 延 床 面 積 民 間 部 分 48,821.95 m2 官 庁 部 分 10,394.43 m2 サービス 道 路 2,053.14 m2 合 計 61,269.52 m2 フロア 計 画 1 階 車 寄 せ 出 発 到 着 手 荷 物 荷 捌 場 2 階 到 着 ロビー 入 国 審 査 場 税 関 検 査 場 到 着 手 荷 物 引 渡 所 3 階 出 発 ロビー 出 国 審 査 場 免 税 売 店 出 発 コンコース 搭 乗 待 合 室 等 4 階 ラウンジ フードコート 旅 客 搭 乗 橋 8 基 (スポット6ヶ 所 ) 航 空 会 社 カウンター 32 ポジション 主 な 質 疑 問 : 今 後 連 絡 施 設 にサービス 機 能 をつくるとのことだが どのような 施 設 が 入 るのか 答 : 千 歳 市 や 道 内 からも 来 てもらえるような 施 設 にしたい また ドイツのぬいぐるみ 会 社 からの 問 い 合 わせもあった 問 : 東 南 アジアの 観 光 客 を 取 り 込 むために 行 っているサービスはあるか 答 : 中 国 台 湾 韓 国 の 富 裕 層 などは 冬 場 の 雪 と 温 泉 が 観 光 のスタートであったが 現 在 は ゴルフや 道 内 一 周 など 夏 場 にも 来 ている 新 千 歳 空 港 だけではなく 旭 川 空 港 や 釧 路 空 港 なども 利 用 し アウト インの 空 港 を 別 々にしてもらうことで 道 内 を 効 率 よ く 回 ってもらいながら 温 泉 だけでなく おいしい 食 べ 物 等 もアピールしていきたい 問 : 空 港 内 の 案 内 表 示 に 中 国 語 や 韓 国 語 ロシア 語 等 の 表 記 があったが ロシアか らの 観 光 客 も 多 いためか 答 : 案 内 表 示 の 表 記 については 新 千 歳 空 港 から 国 際 線 が 就 航 して いる 国 の 言 葉 で 表 記 している 現 在 は 6 カ 国 語 (ロシア 語 中 国 語 ( 簡 体 繁 体 ) 英 語 韓 国 語 日 本 語 )の 表 記 である 委 員 所 感 新 千 歳 空 港 の 視 察 内 容 は 国 際 線 の 需 要 増 加 に 対 応 するために 建 設 された 新 国 際 線 ターミ ナル 等 についてです 平 成 4 年 7 月 の 現 旅 客 ターミナルの 開 業 以 降 国 際 線 旅 客 数 は 増 加 14

を 続 け ピーク 時 には 処 理 能 力 200 人 / 時 に 対 し 500~600 人 / 時 の 旅 客 が 集 中 し 施 設 の 拡 張 が 急 務 となっていました そのような 中 平 成 22 年 3 月 26 日 に 開 業 を 迎 えることになりま した 建 設 にあたってのコンセプトは 1 安 全 安 心 の 確 立 ( 最 新 のセキュリティーの 導 入 および 出 発 到 着 動 線 の 完 全 分 離 により 安 全 性 の 向 上 )2 人 にやさしい 施 設 (すべてのお 客 さまが 快 適 に 利 用 できる 施 設 として ハード ソフト 面 を 融 合 させたユニバーサルデザイン を 積 極 的 に 導 入 )3 環 境 にやさしい 施 設 ( 北 海 道 の 気 候 風 土 に 則 した 環 境 負 荷 抑 制 策 や 地 産 エネルギーの 活 用 により CO2 削 減 など 地 球 環 境 への 負 荷 軽 減 に 積 極 的 に 取 り 組 む)4 北 海 道 らしい 施 設 ( 北 海 道 と 世 界 をつなぐ 国 際 交 流 拠 点 として 北 海 道 が 持 つ 豊 かな 自 然 と 文 化 が 感 じられるよう 温 かく 開 放 感 のある 空 間 の 創 出 )となっています 出 発 コンコースの 床 ですが 北 海 道 産 のナラ 材 が 使 用 されていました また 3 階 商 業 施 設 通 路 部 について は 平 成 23 年 夏 オープン 予 定 ですが サービス 機 能 として 考 えていく 上 で 北 海 道 の 物 産 は 勿 論 ですが ドイツの 姉 妹 都 市 との 50 周 年 記 念 もあり ドイツの 企 業 の 協 力 を 得 ながら ぬい ぐるみ 博 物 館 が 計 画 されているとのことでした 静 岡 空 港 同 様 に 旅 行 に 行 かれる 方 はもち ろん 見 送 り 見 学 される 方 が 楽 しめるための 工 夫 がされていました また 空 港 内 だけで はなく 地 域 を 含 め 一 体 的 に 考 えているとの 説 明 を 受 け 成 田 市 でも 現 在 空 援 隊 が 成 田 の 魅 力 発 掘 のため 活 躍 しており 地 域 を 巻 き 込 んで 空 港 利 用 客 が 滞 留 できる 場 所 の 創 出 を 考 え ているところです 15