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子 育 てと 仕 事 を 両 立 しながら 正 社 員 として 働 き 続 けることを 選 択 した 女 性 は どんな 人 たちかをテーマに 卒 業 研 究 を 行 った なぜ これに 焦 点 を 絞 ったかの 背 景 は 世 の 中 には 正 社 員 として 働 き 続 けている 女 性 と 非 正 規 に 働 き 方 を 変 えている 女 性 そして 働 くことを 辞 めた 専 業 主 婦 が 存 在 している 正 規 社 員 非 正 規 専 業 主 婦 それぞれの 選 択 は どのような 意 識 がそう 決 断 させたの か またその 結 果 彼 女 らにどのような 違 いが 出 ているのかに 興 味 を 持 った 特 に 仕 事 や 家 事 負 担 子 育 ての 負 担 も 多 いのにもかかわらず 正 社 員 として 働 き 続 け られるという 自 信 自 己 効 力 と 彼 女 らの 意 識 に 着 目 し 調 査 し 検 証 することにある そこで 女 性 の 進 路 発 達 を 理 解 するために バンデューラの 自 己 効 力 理 論 からアプロ ーチしたことに 始 まっている キャリア セルフエフィカシー 研 究 (Hackett & Betz,1981) 直 訳 すれば 進 路 に 関 する 自 己 効 力 に 着 目 し 女 性 たちの 日 常 生 活 でのそれぞれの 経 験 が 自 己 効 力 感 に 影 響 を 与 えることに 焦 点 を 絞 ることとした 日 本 における 進 路 選 択 に 関 する 自 己 効 力 感 の 研 究 は 浦 上 (1996)による 女 子 学 生 の 結 果 がある また 日 常 生 活 の 経 験 の 違 いに 影 響 を 与 える 自 己 効 力 感 尺 度 の 研 究 は 坂 野 (1989) 成 田 (1995)による 大 学 生 社 会 人 サンプルでの 結 果 はあるが 働 く 女 性 に 絞 った 進 路 選 択 についての 研 究 はまだおこなわれていない 本 研 究 の 意 味 は 新 たに 女 性 への 研 究 領 域 を 広 げることで 働 き 続 けている 女 性 とそ れ 以 外 の 女 性 の 日 常 生 活 の 違 いによって 影 響 する 自 己 効 力 感 について 認 識 を 深 める ことにある 1

まず 働 く 女 性 の 現 状 からお 話 しします 現 在 正 規 社 員 を 男 女 別 に 人 口 数 で 比 較 すれば 女 性 の 人 口 数 が 多 いにもかかわらず 女 性 の 正 規 は 1046 万 人 で 男 性 正 規 の2309 万 人 と 比 べれば 約 半 分 の 雇 用 者 数 女 性 の 雇 用 者 数 は2000 年 から2005 年 の 間 に 正 規 よりも 非 正 規 の 雇 用 者 数 が 上 昇 し 2010 年 度 の 労 働 力 調 査 では 非 正 規 が1218 万 人 となっている このように 正 規 から 非 正 規 へキャリアチェンジをしていく 理 由 としては 女 性 のライフコースと 関 係 があるといえる 実 際 に 30 歳 から40 歳 において 労 働 力 人 口 が 下 がり M 字 曲 線 を 描 いています M 字 曲 線 の 底 は 年 々 上 がってきているが 緩 やかなM 字 をいまだ 描 いている ( 厚 生 労 省,2011) 結 婚 妊 娠 出 産 子 育 てなどを 踏 まえて 正 規 を 辞 め その 後 子 育 てが 一 段 落 してから 再 就 職 を していく 傾 向 があるからである 本 人 の 意 向 として 非 正 規 を 選 択 する 場 合 と 正 規 に 再 就 職 したいが 求 人 側 から 正 規 の 募 集 がな く 非 正 規 で 甘 んじている 場 合 の 二 通 りが 考 えられる 女 性 の 意 識 について 内 閣 府 (2009)21 年 度 男 女 能 力 発 揮 とライフプランに 対 する 意 識 に 関 する 調 査 では 妊 娠 出 産 子 育 てをきっかけに 勤 め 先 を 辞 めた 経 験 を 持 つと 回 答 した 者 は61.4%となっている 逆 に 出 産 子 育 てをして 勤 め 先 を 辞 めたことはないと 回 答 した 者 が38.6%と 約 4 割 の 女 性 が 継 続 就 労 していることもわかる 実 際 の 勤 務 体 系 での 役 割 分 担 の 状 態 は 妻 が 働 いている 割 合 は40% 強 のうち 妻 がフルタイム で 働 いている 割 合 は17.3%であるが 家 事 分 担 をみると 半 分 ずつ 分 担 はわずか5.4%となって いることからも 夫 の 家 事 分 担 はあまり 成 されておらず 妻 に 偏 っていることが 分 かる 共 働 き 世 帯 は 過 半 数 となっているが 子 育 ての 負 担 は 女 性 の 肩 にかかったままという 状 況 である 2

さらに 女 性 が 職 業 を 持 つことについての 調 査 では 子 供 ができても ずっと 職 業 を 続 けるほうが 良 いと 回 答 した 者 は 男 性 44% 女 性 47.5% 男 女 ともに 子 供 ができても 職 業 を 続 けるほうがよいと4 割 以 上 が 答 えている そして 20 歳 代 で52.8% 30 歳 代 で47% 40 歳 代 で52.8%となっている 一 方 子 供 ができたら 職 業 を 辞 め 大 きくなったら 再 び 続 けるほうがよいと 回 答 した 者 は 男 性 は27.9% 女 性 は34.2%あった そして 20 歳 代 でも35.2% 30 歳 代 で39.4%と 平 均 を 上 回 っていた 働 くことに 対 して 制 限 付 き 賛 成 と 反 対 を 合 計 してみると 男 性 51.9% 女 性 50.3% 人 口 の 半 分 は 社 会 文 化 的 背 景 から 子 育 ては 女 性 の 役 割 という 固 定 的 役 割 意 識 が この 調 査 結 果 からも 読 み 取 れる 3

女 性 の 進 路 発 達 を 理 解 するために 着 目 された 社 会 認 知 的 進 路 理 論 (social cognitive career theory: 以 下 SCCT)は 社 会 文 化 的 背 景 で それぞれの 性 にふさわ しいとされる 学 習 経 験 を 経 て 性 別 の 影 響 が 進 路 発 達 に 及 ぶとする 理 論 である レント ブラウン ハケット(1994)らによって 展 開 された SCCTは バンデューラ(1977)が 提 唱 した 自 己 効 力 理 論 を 進 路 関 連 領 域 に 取 り 入 れた 進 路 に 関 する 自 己 効 力 研 究 である 自 己 効 力 感 とは 課 題 に 必 要 な 行 動 を 成 功 裡 に 行 う 能 力 の 自 己 評 価 (Bandura,1977) と 定 義 されている 課 題 遂 行 のために 必 要 な 技 能 を 持 っているかいないかに 拘 らず 出 来 ると 思 うかどうかを 問 うものである (Bundura,1986) 簡 単 に 言 えば 困 難 に 出 会 ったときに 自 分 ならできるという 信 念 といえる レントらは 女 性 が 今 までの 社 会 経 験 から 男 性 中 心 の 職 業 に 対 して 低 い 自 己 効 力 感 を 持 っていることが 自 己 の 可 能 性 の 過 小 評 価 につながり そういった 職 業 選 択 追 求 することへの 障 害 になっているのではないかと 問 題 を 提 起 したのである 彼 らが 大 学 生 に 対 して 職 業 分 野 の 調 査 ( 男 性 中 心 の 職 業 と 女 性 中 心 のお 職 業 を10ず つ 取 り 上 げ 職 業 に 必 要 な 学 業 や 義 務 を 成 し 遂 げられる 自 信 のほどを 尋 ねる)を 実 施 し た 際 男 性 中 心 の 職 業 と 女 性 中 心 の 職 業 を 別 々に 調 べた 結 果 男 子 学 生 は 職 業 全 体 で 自 己 評 価 は 等 しいものだったが 女 子 学 生 は 男 子 学 生 と 違 い 男 性 中 心 の 職 業 につ いての 自 信 ( 自 己 効 力 感 )は 男 子 学 生 よりもかなり 低 く 逆 に 女 性 中 心 の 職 業 では 自 己 効 力 感 がかなり 高 い 結 果 となった Matsui, Ikeda &Ohnishi(1989)は ベッツとハケット(1981)に 準 じた 日 本 版 の 尺 度 で 日 本 でも 同 様 の 結 果 が 得 られることを 示 した また 自 分 で 女 性 的 だと 認 知 していたり 数 学 に 自 信 がなかったり 男 性 中 心 の 職 業 で 成 功 した 人 は 少 ないと 思 っている 女 性 は 男 性 中 心 の 職 業 に 対 する 自 己 効 力 感 は 低 いことを 明 らかにした 4

では どのようにして 自 己 効 力 感 は 形 成 されるのか バンデューラやベッツは 自 己 効 力 感 の 形 成 や 行 動 の 変 容 に 関 わる 要 因 として4つの 学 習 経 験 を 示 した 個 人 的 達 成 : 成 功 する 体 験 は 自 己 効 力 感 を 最 も 高 め できる という 信 念 を 作 り 上 げることに つながります そして 効 力 感 の 強 さは 忍 耐 強 い 努 力 によって 障 害 に 打 ち 勝 つ 体 験 が 要 求 さ れる 小 さい 時 から また 日 々 繰 り 返 し 経 験 してきたことはうまくできるようになり それが 自 分 自 身 もできるという 自 信 につながってくる 困 難 を 乗 り 越 え 障 害 に 打 ち 勝 った 経 験 の 数 々が 自 信 になっていく 経 験 のないことや 失 敗 してしまったことは 効 力 感 を 下 げ それに 近 づかないよう になってしまうこともある 代 理 学 習 : 自 分 と 同 じような 人 が 忍 耐 強 く 努 力 をして 成 功 するのをみることは それを 観 察 して いる 人 に 自 分 もそのようなことができるのだという 信 念 を 湧 き 上 がらせることになる 多 くの 人 と かかわり 他 者 を 観 察 する 機 会 があることは 自 己 効 力 感 に 影 響 を 与 える 反 対 に 懸 命 に 努 力 しても 失 敗 した 人 を 観 察 すると 観 察 者 自 身 の 効 力 感 を 低 めることになり できるという 信 念 を 下 げることとなる 社 会 的 説 得 : 周 りの 人 から やりとげる 能 力 がある と 言 われるような 他 者 からの 説 得 が 自 己 効 力 感 を 上 げ 成 功 への 努 力 を 重 ね その 結 果 技 術 が 磨 かれ 自 己 効 力 を 促 進 していくことに なる しかし 自 分 の 能 力 が 欠 けていると 思 いこんでいる 人 に 対 しては 社 会 的 説 得 のみでは 自 己 効 力 感 は 上 昇 しない 情 緒 的 覚 醒 : 感 情 をコントロールできることが 重 要 である 困 難 な 経 験 を 乗 り 越 えていく 中 で 前 に 進 んでいくために 感 情 をコントロールできるようになる ポジティブな 感 情 は 自 己 効 力 感 を 高 めるが ネガティブな 感 情 は 自 己 効 力 感 を 下 げる つまり ポジティブな 感 情 でいるために は 楽 観 的 な 自 己 効 力 が 必 要 であるとバンデューラは 述 べている 以 上 が4つの 学 習 経 験 である SCCTは ポジティブな 経 験 をすれば 自 己 効 力 感 は 上 がり さらに 新 たなことに 取 り 組 んでいくという 循 環 モデルである 以 上 のことから 正 社 員 として 子 育 てしながら 働 き 続 けている 女 性 と それ 以 外 の 女 性 の 日 常 生 活 での 学 習 経 験 の 違 いが 自 己 効 力 感 の 形 成 や 意 識 に 違 いを 与 えるのではないかを 検 証 することとした 5

仮 説 を 検 証 するための 自 己 効 力 感 尺 度 について 検 討 をおこなった 自 己 効 力 感 には2つの 水 準 がある(バンデューラ,1977; 坂 野 東 條 1993) 一 つは 臨 床 や 教 育 場 面 の 研 究 でよく 用 いられる 個 人 が 特 定 の 状 況 を 克 服 しようとするか 否 か に 影 響 を 及 ぼす 自 己 効 力 感 の 水 準 であり 研 究 も 数 多 く 発 表 されている かたや 特 定 の 状 況 を 限 定 しない 日 常 場 面 で 個 人 がいかに 多 くの 努 力 を 払 おうとするか あるい は 嫌 悪 的 な 状 況 にいかに 長 く 耐 えることができるか 否 かに 影 響 を 及 ぼす 自 己 効 力 感 の 水 準 であ る 本 研 究 の 目 的 は 個 人 が 特 定 の 状 況 を 克 服 するといった 個 別 の 行 動 ではなく 正 規 非 正 規 専 業 主 婦 が 日 常 生 活 全 般 の 活 動 の 中 で 努 力 を 払 ったり 困 難 を 乗 り 越 えたりして 蓄 積 してきた 学 習 経 験 に 焦 点 を 当 てる こうした 日 常 生 活 の 経 験 の 違 いが 自 己 効 力 感 に 影 響 を 及 ぼすことを 検 証 することにあるので 後 者 の 成 田 の 自 己 効 力 感 尺 度 を 採 用 することとした 6

仮 説 1: 自 己 効 力 感 は 正 規 が 非 正 規 や 専 業 主 婦 よりも 高 い その 根 拠 として SCCTの 女 性 の 進 路 過 程 における4つの 学 習 経 験 ( 個 人 的 達 成 代 理 学 習 社 会 的 説 得 情 緒 的 覚 醒 )や 結 果 期 待 の 機 会 が 正 規 社 員 は 非 正 規 や 専 業 主 婦 に 比 べて 多 いということが 挙 げられる 仮 説 2: 固 定 的 役 割 意 識 の 有 無 と 自 己 効 力 感 の 関 連 性 男 女 役 割 意 識 が 低 いと 自 己 効 力 感 が 高 い 正 規 は 他 よりも 男 女 役 割 意 識 が 低 く 自 己 効 力 感 が 高 い その 根 拠 として 日 ごろから 男 女 ともに 仕 事 をしていれば 男 女 役 割 を 感 じることも 少 なくなり 固 定 的 役 割 意 識 も 低 くなるであろう 男 女 差 なく 働 いている 正 規 は 仕 事 での 男 女 差 を 感 じない 故 に 自 己 効 力 感 は 高 いと 考 える 仮 説 3: 家 事 分 担 と 自 己 効 力 感 の 関 連 性 家 事 分 担 が 少 ない 方 が 自 己 効 力 感 は 高 い この 仮 説 の 根 拠 としては 仮 説 2を 受 けて 固 定 的 役 割 意 識 が 低 い 正 規 の 自 己 効 力 感 が 高 いということは 家 事 分 担 についても 夫 婦 で 分 担 するという 意 識 がある と 仮 定 したからである 仮 説 4: 働 き 続 けている 女 性 の 性 格 は 楽 観 的 である 楽 観 的 な 性 格 の 持 ち 主 の 自 己 効 力 感 は 高 い これについては バンデューラが 激 動 社 会 の 中 の 自 己 効 力 (Bandura,1997)の 中 で 人 間 が 目 標 を 達 成 したり 肯 定 的 ウェルビーイング 状 態 でいるためには 楽 観 的 な 自 己 効 力 を 必 要 とする(12-13ページ)と 述 べていたことを 検 証 するための 仮 説 である 7

調 査 Ⅰの 検 証 を 受 け 調 査 Ⅱでは ウェブ 調 査 を 行 った BUネットリサーチで 集 計 され た 有 効 アンケート 回 答 者 は 1 子 育 てしながら 企 業 で 正 社 員 として 働 き 続 けている( 以 下 正 規 )110 名 ( 内 訳 :30 代 55 名 /40 代 55 名 ) また2 子 育 てしながら 非 正 規 社 員 として 働 き 続 けている( 以 下 非 正 規 )112 名 ( 内 訳 :30 代 55 名 /40 代 57 名 ) 3 子 育 てしている が 働 いていない( 以 下 専 業 主 婦 )113 名 ( 内 訳 :30 代 55 名 /40 代 58 名 ) 以 上 合 計 335 名 で 地 域 別 にみると 首 都 圏 が38% 京 阪 神 が14% 東 海 12%で 全 体 の64%を 占 め ていた 質 問 紙 による 調 査 は 調 査 Ⅰの 半 構 造 化 面 接 での 情 報 を 基 に 内 容 を 精 査 し 1~8の 質 問 内 容 で 行 い 対 象 者 に 専 業 主 婦 が 加 わったことで 継 続 就 労 に 関 する 質 問 は 一 部 除 いている 8

9

正 規 は 非 正 規 や 専 業 主 婦 よりも 自 己 効 力 感 は 高 かった 非 正 規 は 専 業 主 婦 に 対 して 働 いているにもかかわらず 有 意 な 差 が 見 られなかったことは 働 き 方 の 違 いによって 自 己 効 力 感 に 違 いが 生 じるとの 仮 説 が 明 確 になったといえる この 自 己 効 力 感 尺 度 から 23 項 目 個 々の 得 点 の 差 はどのような 日 頃 の 行 動 が 得 点 に 影 響 を 与 えているかに 着 目 し3カテゴリーの 特 徴 を 分 析 した その 結 果 5 項 目 で 正 規 が 専 業 主 婦 に 有 意 に 差 があり 3 項 目 で 正 規 が 非 正 規 に 有 意 な 差 が あった これによって 4つの 学 習 経 験 が 自 己 効 力 感 に 影 響 している 可 能 性 が 示 唆 されたといえる Q2しなければならないことがあってもなかなか 取 りかからないは 正 規 と 非 正 規 専 業 主 婦 で 有 意 であった (1%) 非 正 規 と 専 業 主 婦 では 有 意 な 差 が 見 られなかった Q8 困 難 に 出 会 うのを 避 けるは 正 規 と 専 業 主 婦 の 間 で 1% 水 準 で 有 意 であった Q9 非 常 にややこしく 見 えることには 手 を 出 そうとは 思 わないは 正 規 と 非 正 規 では5% 水 準 で 専 業 主 婦 は 1% 水 準 で 有 意 となった Q15 思 いがけない 問 題 が 起 こったとき それをうまく 処 理 できないは 正 規 と 専 業 主 婦 では1 % 水 準 で 有 意 差 があった Q16 難 しそうなことは 新 たに 学 ぼうとは 思 わないは 検 定 の 結 果 も 正 規 と 非 正 規 では5% 水 準 で 専 業 主 婦 では1% 水 準 で 有 意 となった 正 規 は 専 業 主 婦 よりも 自 分 の 興 味 関 心 だけでなく どのような 仕 事 でもすぐに 取 りかかり 困 難 を 避 けず 難 しそうな 問 題 にも 取 り 組 み 突 発 的 な 事 態 もうまく 処 理 し 好 奇 心 を 持 って できるまでやり 続 ける 自 己 効 力 感 が 養 われてきた 非 正 規 も 専 業 主 婦 より 活 動 範 囲 が 広 く 正 規 ほどではないが 仕 事 に 責 任 を 持 ち 困 難 を 避 けず 突 発 的 な 事 態 もうまく 処 理 し できるまでやり 続 ける 自 己 効 力 感 が 養 われた 3カテゴリー 共 通 して 子 育 てや 家 事 の 経 験 を 通 し 自 分 がやらなければならないという 責 任 感 が 養 われたと 考 えられる 10

仮 説 2-1の 検 証 : 固 定 的 役 割 意 識 と 自 己 効 力 感 の 関 連 性 についても 仮 説 通 り 固 定 的 役 割 意 識 が 低 いと 自 己 効 力 感 が 高 く 正 規 は 自 己 効 力 感 が 高 いと 支 持 された 質 問 で あなたは 今 までに 夫 は 外 で 働 き 妻 は 家 庭 を 守 るべきである あるいは 男 子 生 徒 は 理 系 女 子 生 徒 は 文 系 を 選 ぶべき などと 言 われたことがあるか という 問 いに 対 して 3カテゴリーすべて 言 われないグループ で 自 己 効 力 感 が 高 かった これらの 結 果 は 固 定 的 役 割 意 識 の 認 知 の 有 無 が 性 差 (gender)によって 自 分 が 女 性 だからで きないといった ものの 捉 え 方 に 違 いをもたらしたといえる それは レントらや Matsui, Ikeda & Ohnishi(1989)が 問 題 を 提 起 した 女 性 が 今 までの 社 会 経 験 から 男 性 中 心 の 職 業 に 対 して 低 い 自 己 効 力 感 を 持 っていることが 自 己 の 可 能 性 の 過 小 評 価 につながり そういった 職 業 選 択 追 求 することへの 障 害 になっているのではないかと 述 べたこと に 通 じる また 自 己 効 力 感 得 点 が 最 も 高 かった 正 規 の 結 果 は 男 女 役 割 意 識 について 先 入 観 を 持 つこと なく また 実 際 に 働 き 続 けてきていることが 自 己 効 力 感 得 点 に 反 映 された 結 果 と 考 えられる 男 女 役 割 意 識 について 過 去 に 言 われた 経 験 は SCCTの 進 路 選 択 に 影 響 を 与 える 環 境 要 因 としてとらえることができるであろう 11

男 女 役 割 についての 賛 否 では 反 対 の 回 答 をした 者 の 自 己 効 力 感 は 正 規 で 高 かった 役 割 分 担 意 識 について 正 規 では 反 対 グループ の 自 己 効 力 感 が 最 も 高 く 日 ごろから 男 女 ともに 働 き 続 けてきた 実 体 験 から 役 割 意 識 にとらわれず 仕 事 に 家 庭 に 前 向 きに 生 活 していることで 自 己 効 力 感 得 点 が 高 かったのではと 考 えられる 非 正 規 は 賛 成 グループ の 自 己 効 力 感 は3カテゴリーで 最 も 高 かった この 結 果 は 自 分 は 妻 なので 働 かなくてよい 立 場 だが 生 活 費 を 補 うためにあえて 働 いている ( 自 分 の 役 割 以 上 のことをやっている)という 意 識 が 自 己 効 力 感 を 挙 げていたのではないかと 考 えられる また 反 対 グループ の 自 己 効 力 感 の 低 さは 自 律 的 に 働 きたいが 希 望 通 りにいかない 自 分 に 対 して 自 己 効 力 感 が 低 くなったのではないだろうかと 推 察 した 専 業 主 婦 は 3 区 分 がほぼ 同 じ 数 値 となった 妻 という 役 割 意 識 の 中 で 働 き 方 をコントロールしている 実 態 か ら 妻 の 枠 の 中 で 生 きている または 妻 の 枠 しか 知 らないことで 自 己 効 力 感 得 点 が 低 い 数 値 として 表 れたと 考 えら れる 以 上 のことから 固 定 的 役 割 意 識 の 認 知 によって 自 己 効 力 感 に 影 響 を 及 ぼすことが 検 証 さ れた 役 割 意 識 の 認 知 が 先 々の 進 路 選 択 に 影 響 を 与 え ものの 捉 え 方 や 考 え 方 にまで 影 響 を 及 ぼすことがこれらの 結 果 からみることができた しかし 家 事 分 担 の 実 態 は 妻 が 行 う が 3カテゴリー 共 に 自 己 効 力 感 が 最 も 高 かった 12

仮 説 の 検 証 4: 働 き 続 けている 女 性 の 性 格 は 楽 観 的 であるは 仮 説 は 支 持 された 正 規 と 非 正 規 が 自 分 の 性 格 を 表 すものとして 選 んだものは 1 位 が 楽 観 的 専 業 主 婦 では2 位 だった SCCTにある4つの 学 習 経 験 は 他 者 からの 教 示 的 なものでなく あくまで 自 己 の 認 知 によるも のであることから 学 習 経 験 をしても 自 分 自 身 のものの 捉 え 方 がネガティブであった 場 合 自 己 効 力 感 は 高 められない 例 えば 何 かを 達 成 した 時 に まぐれだ と 思 うか 自 分 はできるんだ と 思 うかで 自 己 効 力 感 は 対 極 的 な 方 向 へ 向 かう 代 理 学 習 でも あの 人 だからできた 私 は 無 理 と 思 うか あの 人 ができたなら 私 もできる と 思 うかによっ てその 結 末 は 違 ってくる 社 会 的 説 得 でも 本 当 にそう 思 っているかわからない と 思 うか そういってくれたのな ら できるかも と 思 うかで 変 わってくるだろう 今 回 楽 観 的 について 検 定 を 行 った 結 果 正 規 は 非 正 規 で また 専 業 主 婦 でも 有 意 となった 非 正 規 と 専 業 主 婦 では 有 意 な 差 がなかった 正 規 の 自 己 効 力 感 が 高 かった 結 果 から 楽 観 的 なものの 捉 え 方 は 自 己 効 力 感 の 醸 成 に 必 要 であることが 本 調 査 の 結 果 から 示 唆 されたと 言 えるだろう 楽 観 的 と 対 極 する 悲 観 的 について 検 定 した 結 果 は 正 規 と 専 業 主 婦 で 1% 水 準 で 有 意 であった さらに 正 規 と 非 正 規 で 検 定 を 行 ったところ 5% 水 準 で 有 意 であった 以 上 4つの 仮 説 のうち 家 事 分 担 以 外 の 仮 説 は 支 持 された 13

本 研 究 の 結 論 としては 本 研 究 では SCCT 理 論 から 女 性 の 進 路 発 達 の 違 いを 通 して 正 社 員 として 子 育 てし ながら 働 き 続 ける 女 性 たちの 養 ってきた 自 己 効 力 に 焦 点 を 当 てた 単 に 働 く 女 性 という 大 きな 括 りではみえない 働 く 意 識 の 違 いや 環 境 によって 磨 かれる 能 力 が 見 えてきたと 思 う それは 多 重 なタスクをやりこなすことで 自 己 効 力 が 高 まり 新 たなタスクを 前 に 自 己 効 力 感 の 高 さがチャレンジ 精 神 を 鼓 舞 し 達 成 の 暁 には 自 己 成 長 していくという 循 環 モデルであり 多 くの 経 験 が 自 己 効 力 感 に 影 響 を 与 えるといえるということが 裏 付 けられ たといえる 14

今 後 の 課 題 としては 各 カテゴリーの 違 いがあいまいであり 自 己 効 力 感 の 違 いは 具 体 的 にどんなことで 違 ってくるのか 家 事 分 担 について 妻 が 行 う の 意 識 はどこからくるの か などで 自 己 効 力 感 の 醸 成 はどのようにして 行 われるかを 検 証 することである 15