2008

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- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

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根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

る 第 三 者 機 関 情 報 保 護 関 係 認 証 プライバシーマーク ISO27001 ISMS TRUSTe 等 の 写 しを 同 封 のうえ 持 参 又 は 郵 送 とする 但 し 郵 送 による 場 合 は 書 留 郵 便 とし 同 日 同 時 刻 必 着 とする 提 出 場 所 は 上

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は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

弁護士報酬規定(抜粋)

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資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 国 見 町 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 4.6 歳 3

Transcription:

No.10-001 No.14-023 2014.7 海 外 危 機 管 理 情 報 <2014 No.1> ~ 大 学 に 求 められる 海 外 危 機 管 理 ~ はじめに 近 年 社 会 経 済 のグローバル 化 に 伴 い 国 際 的 に 活 躍 できる 人 材 の 育 成 が 求 められていることか ら 多 くの 大 学 が 学 生 の 海 外 留 学 を 積 極 的 に 支 援 している しかし 同 時 に 海 外 留 学 した 学 生 らが 現 地 で 様 々な 事 件 事 故 に 巻 き 込 まれるリスクも 増 加 している 資 料 1 は 邦 人 学 生 が 海 外 で 巻 き 込 まれた 事 件 事 故 の 統 計 である 資 料 1: 邦 人 学 生 が 海 外 で 遭 遇 した 主 な 事 件 事 故 ( 公 開 情 報 をもとにインターリスク 総 研 作 成 ) 発 生 年 月 事 案 概 要 2013 年 9 月 トルコ 中 部 の 観 光 地 カッパドキアで 旅 行 中 の 日 本 人 女 子 大 生 2 名 が 暴 漢 とみ られるトルコ 人 の 男 に 刃 物 で 刺 され 1 名 が 死 亡 した 2012 年 8 月 日 本 語 を 教 えるボランティア 活 動 に 参 加 するために 単 独 でルーマニアへ 渡 航 した 日 本 人 女 子 大 生 が 深 夜 にブカレスト 空 港 に 到 着 し 駅 までタクシー で 向 かう 予 定 だったが 声 をかけてきた 男 と 一 緒 にタクシーに 乗 車 した 二 人 は 途 中 でタクシーを 降 り 森 で 性 的 暴 行 を 加 えられ 殺 害 された 2011 年 7 月 交 換 留 学 生 として 台 湾 に 滞 在 中 の 日 本 人 女 子 大 生 が 友 人 宅 へ 向 かう 途 中 で タクシー 運 転 手 に 送 ってあげる と 声 をかけられてタクシーに 乗 ったとこ ろ 山 間 部 へ 連 れ 去 られ 性 的 暴 行 を 受 けた 2011 年 2 月 ニュージーランドの 南 島 クライストチャーチ 近 くで M6.3 の 地 震 が 発 生 日 本 人 留 学 生 28 名 が 死 亡 2003 年 11 月 中 国 西 安 の 西 北 大 学 の 文 化 祭 で 日 本 人 留 学 生 3 人 と 日 本 語 教 員 1 人 が 演 じ た 寸 劇 の 内 容 に 憤 激 した 1000 人 以 上 の 中 国 人 学 生 が 翌 日 から 謝 罪 を 求 める 抗 議 デモを 始 め 一 部 は 日 本 人 留 学 生 の 部 屋 に 乱 入 デモは 街 頭 で 市 民 を 巻 き 込 んで 数 千 人 規 模 に 発 展 し 市 内 の 日 本 料 理 店 に 投 石 したり 日 本 製 品 の 不 買 運 動 に 至 った 1992 年 10 月 米 国 ルイジアナ 州 に 留 学 していた 日 本 人 の 高 校 生 が ハロウィンで 間 違 えて 別 の 家 を 訪 れたため 家 人 から 侵 入 者 と 疑 われ 銃 を 突 きつけられて Freeze と 警 告 された しかし Freeze の 意 味 が 解 らず 微 笑 みなが ら 接 近 したため 発 砲 され 出 血 多 量 により 死 亡 した 上 記 は 邦 人 学 生 のプライベートでの 事 件 事 故 も 含 んでいるが 当 然 邦 人 留 学 生 にも 想 定 される リスクといえよう 1. 大 学 における 海 外 危 機 管 理 の 必 要 性 (1) 安 全 配 慮 義 務 留 学 生 が 海 外 で 事 件 事 故 に 遭 った 場 合 所 属 大 学 にはいかなる 責 任 が 生 じるのだろうか まず 法 的 には 大 学 と 学 生 の 間 には 在 学 契 約 が 成 立 しており 同 契 約 に 付 随 して 大 学 は 学 生 に 対 して 安 全 配 慮 義 務 を 負 うと 考 えられている 留 学 の 場 合 大 学 による 教 育 の 一 環 ではあるが 物 理 的 な 距 離 の 問 題 もあるため 大 学 が 国 内 1

と 同 様 の 管 理 監 督 を 行 うことは 容 易 ではない また 旅 行 代 理 店 へ 旅 程 の 企 画 等 を 委 託 した 場 合 旅 行 代 理 店 に 法 的 責 任 が 発 生 することも 考 えられる しかし 以 上 をもって 大 学 が 完 全 に 法 的 責 任 を 免 れるものではない 大 学 学 部 によっては 学 生 の 完 全 な 自 由 意 思 ではなく 留 学 を 事 実 上 単 位 修 得 の 要 件 にするケースもあるし 学 生 は 社 会 人 に 比 べ リスクに 対 する 意 識 も 希 薄 になりがちである このため 留 学 生 が 危 機 に 見 舞 われ た 際 に 学 生 の 自 己 責 任 である と 安 易 に 断 じることはできないと 考 えるべきである 少 なくと も 渡 航 先 において 想 定 されるリスクや 当 該 リスクへの 対 策 状 況 の 確 認 など 学 生 の 安 全 を 確 保 するための 合 理 的 なレベルの 支 援 が 大 学 には 期 待 されるであろう (2) 社 会 的 責 任 法 的 責 任 の 有 無 程 度 は 別 にして 大 学 としての 社 会 的 責 任 も 考 慮 すべきである 万 が 一 リ スクの 高 い 地 域 に 安 全 性 の 確 認 や 安 全 対 策 の 指 示 等 を 十 分 行 わないまま 留 学 させた 有 事 の 際 の 支 援 が 不 十 分 であった 等 の 事 情 があれば 大 学 の 姿 勢 が 安 全 軽 視 だと 批 判 されかねない 結 果 として 大 学 の 留 学 事 業 そのものの 持 続 可 能 性 を 損 ね 国 際 的 に 活 躍 できる 人 材 の 育 成 という 大 学 の 社 会 的 使 命 を 果 たしえないことになりかねない 企 業 の 社 会 的 責 任 (CSR : Corporate Social Responsibility)という 言 葉 が 一 般 的 になって 久 しいが 同 様 に 大 学 (University)の 社 会 的 責 任 を 意 味 する USR という 言 葉 も 存 在 する 2010 年 に 策 定 された ISO26000 は 組 織 の 社 会 的 責 任 を 意 味 する SR の 国 際 規 格 であり 大 学 として 社 会 的 責 任 を 果 たすことは 国 際 的 潮 流 に 照 らせば 今 や 当 然 のことといっても 過 言 ではない 2. 大 学 における 危 機 管 理 の 特 性 近 年 の 海 外 における 事 件 事 故 の 増 加 を 受 けて 多 くの 企 業 が 危 機 管 理 態 勢 の 強 化 に 動 いている しかし 同 様 の 動 きが 大 学 にもあるかといえば まだ 十 分 ではないというのが 実 状 である 企 業 に 比 して 大 学 における 取 組 を 進 めにくい 背 景 としては 以 下 のことが 考 えられる まず そもそも 基 本 的 な 危 機 管 理 態 勢 が 整 備 されていないことだ 企 業 であれば 内 部 統 制 シス テムの 整 備 が 会 社 法 等 で 義 務 付 けられており 程 度 の 差 はあれ 何 らかの 危 機 管 理 態 勢 を 整 備 して いる 多 くの 企 業 は これを 海 外 において 発 生 する 危 機 に 適 用 することで 態 勢 を 整 備 している しかし 大 学 の 場 合 そもそもベースが 不 十 分 なケースが 少 なくない 具 体 的 には 企 業 に 比 べて 組 織 的 対 応 に 慣 れていない リスク 管 理 危 機 管 理 に 精 通 した 要 員 が 乏 しいなどの 実 状 が 存 するの である 次 に 学 部 ごとの 縦 割 り 傾 向 の 強 さが 挙 げられる 一 見 いわゆる 事 業 部 制 やカンパニー 制 を 有 する 大 企 業 と 同 様 にも 思 えるが 企 業 であれば 経 営 に 重 大 なインパクトを 及 ぼす 危 機 の 発 生 時 には 経 営 者 によるトップダウンで 全 社 的 な 危 機 管 理 対 応 を 行 う 一 方 大 学 では 事 情 が 異 なり 例 えば 法 学 部 の 教 員 が 人 事 異 動 によって 経 済 学 部 の 教 員 になることは 通 常 考 えにくく 組 織 間 の 人 材 の 流 動 性 という 点 でも 全 学 的 な 危 機 管 理 対 応 の 障 害 となってしまうのである 大 学 の 危 機 管 理 を 考 える 場 合 かかる 特 殊 性 を 踏 まえて 考 えることが 必 要 である 3. 大 学 に 求 められる 取 組 (1) 全 体 像 まずは 何 から 手 を 付 け どこまで 実 践 すれば 良 いのか という 取 組 の 全 体 像 を 明 確 にす ることが 求 められる 2

そのためにも 自 校 の 危 機 管 理 態 勢 について 現 状 評 価 することをお 奨 めする 現 状 評 価 によ って 取 組 に 当 たっての 様 々な 課 題 ( 取 組 を 実 践 するための 組 織 体 制 をどのように 考 えればよい のか 各 学 部 の 理 解 を 得 られるか 等 )が 浮 き 彫 りになり 今 後 の 取 組 を 効 率 的 に 進 めることが 可 能 となる 次 のステップとしては 現 状 評 価 の 結 果 を 踏 まえて 今 後 の 中 長 期 的 な 取 組 計 画 を 描 くことをお 奨 めする 評 価 により 明 確 になった 課 題 は 決 して 一 朝 一 夕 に 解 決 できるものではない 従 って 短 期 的 に 全 てを 解 決 しようとするのではなく 中 長 期 的 な 計 画 を 描 くことが 得 策 であるし 取 組 に 関 する 関 係 者 のコンセンサスを 得 られやすい 評 価 の 切 り 口 視 点 等 の 客 観 性 を 確 保 し また 効 率 的 に 進 めるためにも 外 部 専 門 家 を 活 用 す ることが 望 ましい 資 料 2: 中 長 期 ロードマップのイメージ 実 施 タイミング 課 題 取 組 項 目 (To Do) 2014 年 度 2015 年 度 危 機 管 理 全 般 危 機 全 般 に 共 通 する 規 程 体 制 危 機 管 理 規 程 危 機 管 理 体 制 に 関 する 要 項 を 改 訂 する の 整 備 危 機 管 理 対 応 に 関 与 するメンバーに 対 する 規 程 体 制 について 周 知 徹 底 する 4~6 月 7~9 月 10~12 月 1~3 月 4~6 月 7~9 月 10 月 以 降 目 指 す 状 態 全 学 共 通 の 危 機 レベル 設 定 と 報 危 機 管 理 マニュアルを 新 規 に 作 成 する 告 ルールの 整 備 危 機 発 生 時 の 広 報 対 応 の 強 化 危 機 管 理 広 報 マニュアルを 新 規 に 作 成 する 全 校 共 通 の 危 機 管 理 に 関 する 規 程 マニュアルが 整 備 さ れ 職 員 に 周 知 徹 底 されている 緊 急 時 の 通 報 情 報 共 有 については 統 一 基 準 が 共 有 さ れ 報 告 遅 れが 生 じない 体 制 が 構 築 されている 海 外 危 機 管 理 危 機 管 理 シミュレーショントレーニング( 模 擬 記 者 会 見 を 含 む)を 実 施 し 対 応 の 実 践 力 を 養 う 海 外 危 機 管 理 マニュアルの 周 知 海 外 留 学 生 向 け 説 明 会 資 料 を 作 成 する 徹 底 緊 急 時 の 広 報 対 応 の 留 意 点 をまとめたマニュアルが 作 成 さ れるととともに 想 定 シナリオに 基 づいた 危 機 管 理 シミュ レーショントレーニングを 実 施 することで 緊 急 事 態 への 対 応 メンバーのノウハウが 確 立 されている 学 生 向 け 説 明 会 (オリエンテーション)を 実 施 する 教 職 員 ( 海 外 への 引 率 ) 向 け 説 明 会 資 料 を 作 成 する 危 機 管 理 に 関 する 規 程 要 項 および 各 種 マニュアルの 内 容 について 周 知 徹 底 するための 定 型 ツールが 作 成 され そ の 説 明 が 対 象 者 に 対 して 漏 れなく 定 期 的 に 開 催 されてい る 教 職 員 向 け 説 明 会 を 実 施 する 緊 急 時 対 応 計 画 の 策 定 重 大 リスクのシナリオによる 緊 急 時 対 応 計 画 を 策 定 する 既 存 関 連 マニュアルの 改 訂 教 職 員 の 海 外 出 張 赴 任 に 伴 う 危 機 管 理 対 応 マニュアルを 改 訂 する 受 入 留 学 生 に 関 するマニュアルを 新 たに 整 備 する 想 定 される 主 要 な 危 機 シナリオパターンに 対 応 した 計 画 が 策 定 され 計 画 通 り 実 行 するための 課 題 が 解 決 され 実 効 性 が 確 保 されている (2) 組 織 体 制 組 織 体 制 を 考 える 上 でぜひ 押 さえたいおポイントを 挙 げるとすれば 以 下 の 3 点 であろう 1 危 機 情 報 を 早 急 に 把 握 し 学 長 等 のトップ 層 まで 伝 達 する 仕 組 みが 確 保 されているか 例 えば 明 らかに 危 機 であるとまではいえなくとも 危 機 の 端 緒 を 認 識 した 時 点 で 迅 速 に 報 告 できるように 報 告 基 準 を 明 確 にしておく 直 接 の 報 告 先 が 不 在 等 の 場 合 により 上 位 の 役 職 者 に 報 告 できるルートを 定 めておく などの 工 夫 が 考 えられる( 図 4 参 照 ) 2 緊 急 時 対 策 本 部 等 の 危 機 管 理 組 織 について 設 置 解 散 基 準 要 員 役 割 権 限 などが 明 確 に 定 められているか 大 学 において 危 機 管 理 組 織 を 整 備 する 上 でのネックの 一 つが 前 述 した 学 部 ごとの 縦 割 り である 全 校 の 危 機 管 理 を 所 管 する 組 織 を 予 め 特 定 し 事 務 局 としての 然 るべき 権 限 ( 関 連 組 織 の 招 集 など)を 付 与 することで 危 機 のレベルを 問 わず 所 管 組 織 に 第 一 報 が 入 り 同 組 織 の 旗 振 りの 下 に 初 動 対 応 を 行 う 仕 組 みを 整 備 することが 重 要 である 3 学 外 の 専 門 家 ネットワークを 持 っているか 学 外 のネットワークを 確 保 しておくことで 自 校 に 無 いノウハウや 意 思 決 定 の 客 観 性 合 理 性 を 確 保 することができる 3

資 料 3: 連 絡 体 制 のイメージ 学 長 理 事 ( 危 機 管 理 担 当 ) 担 当 理 事 ( 事 案 に 応 じて 決 定 ) 事 務 局 長 学 生 支 援 部 長 総 務 部 長 留 学 センター 長 学 生 支 援 課 長 総 務 課 長 ( 危 機 管 理 担 当 ) 留 学 センター 事 務 局 長 ( 海 外 からのホットライン 受 付 ) 学 生 の 家 族 部 局 長 支 援 課 長 危 機 認 知 者 ( 学 生 本 人 引 率 教 職 員 ) (3) ルール マニュアルの 整 備 危 機 が 発 生 したときに 誰 が どのように 対 応 するか をルール 化 しておくことは 必 須 であ る こうしたルールは まず 規 程 という 形 で 定 めることになるが 規 程 だけでは 職 員 にせ よ 学 生 にせよ その 内 容 を 十 分 に 理 解 することは 余 り 期 待 できない このため 規 程 をベースに 誰 が 何 を すればよいかを 図 表 等 も 活 用 し 分 かり 易 く 解 説 したマニュアルやハンドブック を 整 備 しておくことも 必 要 となる 机 上 で 作 成 した 規 程 マニュアルが 機 能 するのか? との 疑 問 もあろうが 少 なくとも 属 人 的 な 経 験 則 のみで 想 定 外 の 危 機 に 適 切 に 対 処 することは 極 めて 難 しい 上 記 の 疑 問 は マニュ アルの 要 否 というより マニュアルをいかに 機 能 させるかの 問 題 であり これについては 後 述 す る また マニュアルと 一 言 でいっても 対 象 や 目 的 によって 下 表 のとおり 複 数 の 種 類 が 考 えら れる 相 互 の 整 合 性 に 配 慮 しつつ いずれについてもマニュアルを 整 備 することが 望 ましい 対 象 概 要 緊 急 時 対 策 本 部 向 け 危 機 管 理 マニュアル 留 学 生 所 属 学 部 向 け 危 機 管 理 マニュアル 海 外 への 留 学 生 向 けマニュアル 主 な 記 載 内 容 (2)の 組 織 体 制 に 記 載 した 事 項 や 対 策 本 部 における 時 系 列 の TO DO リストなど ( 図 5 の 例 1 参 照 ) 危 機 発 生 時 の 初 動 対 応 留 学 生 とのコミュニケーショ ンや 派 遣 先 教 職 員 の 現 地 における 対 応 安 全 確 保 な ど 海 外 生 活 の 心 得 現 地 で 想 定 される 危 機 に 対 する 平 時 からの 留 意 点 緊 急 時 対 応 など ( 図 5 の 例 2 参 照 ) なお 未 成 年 者 を 含 む 学 生 は 社 会 人 に 比 してリスクに 対 する 意 識 が 希 薄 になりがちであるこ とから 学 生 向 けのマニュアルについては 現 地 で 想 定 されるリスクの 特 性 対 策 の 必 要 性 重 要 性 などを 分 かり 易 く 解 説 する 工 夫 も 必 要 となろう 4

さらに 近 年 は 海 外 からの 留 学 生 を 受 け 入 れるケースも 増 えている 日 本 は 外 国 に 比 べ 治 安 が 良 いとはいえ 日 本 の 文 化 習 慣 等 に 慣 れていない 留 学 生 にとっては 日 本 人 が 想 定 していないト ラブルに 巻 き 込 まれるリスクもある このため 受 け 入 れ 留 学 生 を 対 象 としたマニュアルの 整 備 も 検 討 されるべきであろう 資 料 4: 各 種 マニュアル 構 成 のイメージ < 例 1: 緊 急 時 対 策 本 部 向 けマニュアル> 1.マニュアルの 目 的 2.マニュアルの 位 置 づけ 3. 基 本 方 針 4. 対 応 方 法 基 準 (1) 報 告 すべき 危 機 の 範 囲 (2) 報 告 ルート (3) 危 機 レベルの 判 定 対 策 本 部 設 置 基 準 (4) 渡 航 退 避 基 準 5. 危 機 別 対 応 要 領 (1) 誘 拐 脅 迫 の 場 合 (2) 病 気 事 故 の 場 合 (3) テロ 紛 争 の 場 合 (4) 6. 関 連 資 料 等 < 例 2: 海 外 への 留 学 生 向 けマニュアル> 1. 海 外 渡 航 前 の 留 意 事 項 (1) 渡 航 前 の 安 全 対 策 オリエンテーションへの 参 加 健 康 診 断 予 防 接 種 海 外 旅 行 保 険 の 付 保 (2) 入 国 時 の 留 意 点 2. 現 地 での 生 活 上 の 留 意 点 (1) 健 康 管 理 (2) セキュリティ 対 策 3. 海 外 で 想 定 される 危 機 と 対 応 (1) 交 通 事 故 (2) 感 染 症 (3) テロ 4. 緊 急 時 対 応 5. 家 族 の 心 構 え (4) 海 外 への 留 学 生 向 けのサポート 大 学 として 安 全 配 慮 義 務 を 果 たすという 観 点 からは 平 時 はもちろん 実 際 に 事 件 事 故 が 発 生 した 場 合 においても 海 外 留 学 中 の 学 生 向 けのサポートを 行 うことが 不 可 欠 である (3)で 述 べた 学 生 向 けマニュアル 策 定 も その 一 つといえる しかし マニュアルを 渡 すのみで 以 後 の 対 応 を 学 生 個 人 に 委 ねてしまうのでは 対 策 として 不 十 分 である 大 学 としても 有 事 に 海 外 への 留 学 生 に 対 してどのような 対 応 を 行 うのか 危 機 管 理 マニュアルや 個 別 の 危 機 ごとの 緊 急 時 対 応 計 画 にて 定 めることが 不 可 欠 である 実 際 に 定 め るべき 内 容 としては 以 下 の 事 項 が 考 えられる 留 学 生 の 安 否 確 認 前 提 として 学 生 の 渡 航 情 報 を 把 握 しておくことが 必 要 となる( 特 に 学 生 が 協 定 校 以 外 に 自 主 的 に 渡 航 する 場 合 ) 留 学 生 の 避 難 場 所 や 当 座 の 生 活 物 資 の 確 保 日 本 との 連 絡 手 段 の 確 保 医 療 機 関 の 紹 介 医 療 搬 送 現 地 への 要 員 等 派 遣 留 学 中 止 の 判 断 緊 急 帰 国 の 手 配 留 学 生 本 人 および 家 族 の 精 神 面 のケア 以 上 のサポート 特 に 医 療 関 係 のサポートについては 日 本 に 比 べ 費 用 が 高 額 になることが 多 いため 海 外 旅 行 保 険 への 加 入 も 検 討 すべきである 但 し 保 険 が 適 用 されないケースもあるこ とや 保 険 会 社 によって 付 帯 サービスの 内 容 が 異 なること 等 から 同 保 険 で 不 足 する 部 分 は 大 学 として 補 完 的 なサービスの 活 用 も 検 討 しておくべきである また 海 外 生 活 には 多 くのリスクが 伴 い 日 常 的 にトラブルに 巻 き 込 まれる 可 能 性 もあること 5

から 学 生 が 平 時 から 相 談 できる 窓 口 を 整 備 していくことも 必 要 である 当 然 時 差 の 問 題 等 もあ るので 学 内 の 相 談 窓 口 だけでは 対 応 できない 場 合 もある この 場 合 相 談 窓 口 を 支 援 する 専 門 業 者 との 契 約 が 必 要 になろう (5) 周 知 徹 底 (3)のルール マニュアルを 対 象 者 に 確 実 に 周 知 徹 底 することによって はじめてマニュアルの 実 効 性 も 確 保 される 周 知 徹 底 の 手 法 は 様 々である 留 学 生 向 けマニュアルであれば オリエンテーションなどで 説 明 することは 必 須 である また 携 帯 カードなど 持 ち 運 びが 容 易 で 必 要 に 応 じすぐに 参 照 できるツールも 有 効 である 大 学 に よっては 留 学 先 からでも 容 易 にアクセス 相 談 できるように 学 内 の 専 用 WEB を 設 け マニュ アル 類 を 掲 載 するケースもある 対 策 本 部 向 け 危 機 管 理 マニュアルでも 関 係 者 に 役 割 分 担 を 理 解 させる 意 味 で 説 明 会 などを 行 っておくことが 望 ましい さらに ルール マニュアル 類 が 有 効 に 機 能 するかを 確 認 するための 実 践 的 なトレーニング を 行 うことが 重 要 である トレーニングの 仕 様 には 幅 があり 簡 易 シナリオを 付 与 して 机 上 で 検 討 を 実 施 させる 形 式 記 者 会 見 の 部 分 のみを 疑 似 体 験 するメディアトレーニングなど 比 較 的 簡 便 に 実 施 できるトレーニングもあるが ここでは 危 機 管 理 シミュレーション の 実 施 を 推 奨 す る 危 機 管 理 シミュレーション では シナリオをブラインドとし 刻 一 刻 と 変 化 する 状 況 の 中 で 対 策 本 部 が 対 応 を 検 討 する 検 討 を 踏 まえ 模 擬 記 者 会 見 を 実 施 する 場 合 もある より 実 践 的 な 対 応 の 疑 似 体 験 となるため 教 職 員 のリスク 感 性 の 向 上 が 期 待 される 終 わりに 留 学 生 の 数 は 今 後 一 層 増 加 し 渡 航 先 も 多 様 化 すると 想 定 される これに 伴 い リスクも 増 大 し かつ 複 雑 化 することになろう また 少 子 化 による 国 内 学 生 数 の 減 少 に 伴 い 海 外 からの 留 学 生 受 け 入 れも 増 加 すると 考 えられ る 国 内 外 を 問 わず 留 学 生 が 事 件 事 故 に 巻 き 込 まれ 大 学 として 迅 速 かつ 適 切 な 緊 急 時 対 応 を 行 うことは 大 学 事 業 の 継 続 のためにも 今 や 必 須 といえる 取 組 の 進 んでいる 大 学 取 組 の 途 上 にある 大 学 のいずれも それぞれの 現 状 に 応 じて 取 り 組 むべ き 課 題 を 明 確 にし 着 実 に 態 勢 を 強 化 していくことが 求 められる 以 上 ( 事 業 リスクマネジメント 部 CSR 法 務 グループ 上 席 コンサルタント 高 橋 敦 司 ) 6

株 式 会 社 インターリスク 総 研 は MS&AD インシュアランスグループに 属 する リスクマネジメン トについての 調 査 研 究 及 びコンサルティングに 関 する 専 門 会 社 です 海 外 危 機 管 理 に 関 しても 以 下 のようなコンサルティング セミナー 等 を 実 施 しております これらのコンサルティングに 関 するお 問 い 合 わせ お 申 込 み 等 は 下 記 の 弊 社 お 問 い 合 わせ 先 または お 近 くのあいおいニッセイ 同 和 損 保 三 井 住 友 海 上 の 各 社 営 業 担 当 までお 気 軽 にお 寄 せ 下 さい お 問 い 合 せ 先 インターリスク 総 研 事 業 リスクマネジメント 部 (CSR 法 務 グループ) TEL.03-5296-8912 http://www.irric.co.jp/ < 海 外 危 機 管 理 コンサルティングメニュー> Phase 0 取 組 準 備 現 状 評 価 グランドデザインの 策 定 Phase 1 態 勢 整 備 (1) 危 機 管 理 基 本 規 程 の 策 定 (2) 海 外 安 全 対 策 マニュアルの 策 定 (3) 留 学 生 向 けマニュアルの 策 定 (4) 危 機 管 理 広 報 マニュアルの 策 定 Phase 2 個 別 リスク 対 策 (1) 緊 急 時 対 応 計 画 の 策 定 Phase 3 周 知 徹 底 (1) シミュレーショントレーニングの 実 施 (2) 留 学 生 派 遣 教 職 員 向 け 研 修 の 実 施 不 許 複 製 / 株 式 会 社 インターリスク 総 研 2014 7