Column なぜ 粒 子 径 を 測 定 するのか? どこまで 測 定 できるのか? はじめに 粉 は 米 を 分 ける と 書 きます もともとは 米 などの 穀 物 を 細 かく 砕 いた 小 さいもの を 表 していたそうですが, 我 々の 周 りには 穀 物 の 粉 に 限 らず, 多 くの 粉 が 存 在 しています 中 にはPM 2.5など, 有 害 とされる 浮 遊 性 の 粉 も ありますが,もっとも 身 近 な 粉 といえば,やはり, 薬 や 食 品 ではないでしょう か 我 々は 毎 日 の 生 活 の 中 で, 小 麦 粉 から 家 電, 宇 宙 関 連 技 術 に 至 るまで, 多 くの 粉 の 恩 恵 にあずかっています 工 業 的 には, 目 で 見 て 認 識 できる 粉 から,マイクロメートル(0.001 mm)レベル,さらにはナノメートル(0.001 μm) レベルの 微 粒 子 粉 まで, 幅 広 く 利 用 され, 粉 の 持 つ 材 料 特 性, 大 きさに 関 係 する 諸 特 性 が 我 々の 生 活 をより 一 層 豊 かなものにしてくれています 100ナ ノメートル 以 下 の 粉 は 特 にナノ 粒 子 と 呼 ばれ, 有 機 物, 無 機 物 を 問 わず,さ まざまなテクノロジーを 支 える 重 要 な 技 術 要 素 となっています HORIBAグ ループではこの 粉 を 評 価 する 技 術 のひとつ, 光 を 使 った 粒 子 径 分 布 測 定 装 置 を,1980 年 代 から 製 造 販 売 しています 遠 心 沈 降 式 と 呼 ばれる 方 式 に 始 まり,レーザ 回 折 / 散 乱 法, 動 的 光 散 乱 法 ( 光 子 相 関 法 )へと 受 け 継 がれ,より 汎 用 的 で 迅 速 測 定 が 可 能 になりました 田 中 悟 Satoru TANAKA 石 原 聡 子 Satoko ISHIHARA 篠 崎 陽 子 Yoko SHINOZAKI 光 成 京 子 Kyoko MITSUNARI 大 石 誠 Makoto OHISHI 粒 子 径 分 布 測 定 装 置 は,いろいろな 分 野 で 活 躍 していますが,ここではその 一 部 をアプリケーションノートとしてご 紹 介 いたします なお, 粉 は 粒 子 と いったり, 粉 末, 粉 体 ( 粉 粒 体 )といったり, 場 合 によっては 粒 といったり, 場 面 や 業 界 によっても 表 現 が 違 うことがあります 粒 子 径 分 布 も 粒 度 分 布 といっ たりしますが,ここでは, 粒 子 径 分 布 としています なぜ, 粉 ( 粒 子 )の 大 きさを 測 定 するのでしょうか? レーザ 回 折 / 散 乱 式 の 粒 子 径 分 布 測 定 は, 散 乱 強 度 の 空 間 分 布 から 粒 子 径 分 布 を 測 定 します 粉 体 を 水 のような 分 散 媒 に 分 散 させてから 測 定 する 湿 式 測 定 法 と,そのまま 測 定 する 乾 式 測 定 法 があります LA-950V2(Figure 1)は10 nmから3 mmまでの 広 い 測 定 範 囲 を 有 しています ところで,なぜ, 食 品 や 薬 の 粉 末 粒 子 の 大 きさを 測 定 するのでしょうか? Figure 1 LA-9501/2 No.41 September 2013 97
C olumn 小 麦 粉 を 粉 にする 理 由 とその 粒 子 径 英 語 では, 粒 子 径 分 布 測 定 の 分 野 でよく 使 われるparticleやpowderだけで なく, 小 麦 粉 を 表 すflourが 粉 も 意 味 するように, 粉 といえば 小 麦 粉 のような 粉 体 を 想 像 されることが 多 いそうです 粉 の 代 表 格 である 小 麦 粉 の 用 途 は 非 常 に 多 岐 にわたっており, 食 生 活 において 欠 かせない 粉 のひとつです 小 麦 はお 米 の 様 に 皮 と 実 が 単 純 に 分 離 できる 構 造 ではなく, 粉 砕 してから 皮 を 分 離 します しかし, 粉 にするおかげで, 加 工 性 が 良 くなり,パン,パスタ,うど ん,ラーメン,ケーキ,お 好 み 焼 き, 使 われている 食 品 を 挙 げればきりがありま せん 小 麦 粉 はその 大 きさ, 色 や 成 分 によって, 強 力 粉, 薄 力 粉 といった 種 類 や 用 途 が 異 なりますが, 粒 子 径 を 把 握 することも, 製 品 品 質 を 保 証 する 上 で 非 常 に 重 要 になります ここでは 市 販 の 小 麦 粉 をLA-950V2の 湿 式 法 および 乾 式 法 で 測 定 しました 湿 式 法 では 分 散 媒 に 小 麦 粉 をといて 測 定 し, 乾 式 法 では 粉 のまま 測 定 しま す 小 麦 粉 は 水 中 では, 膨 潤 してしまうため, 分 散 媒 にはエタノールを 用 いま した その 測 定 結 果 を 次 に 示 します 湿 式 法 および 乾 式 法 の 粒 子 径 分 布 を 重 ねて 表 示 しています また, 小 麦 粉 のSEM 観 察 像 も 併 せて 示 します(Figure 2) Figure 2 LA-950 湿 式 測 定 法 と 乾 式 測 定 法 の 小 麦 粉 の 粒 子 径 分 布 比 較 およびSEM 観 察 像 SEM 像 からも 明 らかなように 小 麦 粉 は 大 小 混 在 していることがわかります 今 回,LA-950にて 湿 式 法 と 乾 式 法 にて 測 定 を 行 った 結 果,どちらも,ほぼ 同 様 の 広 い 粒 子 径 分 布 が 得 られました 分 散 系 が 安 定 する 湿 式 法 の 方 が,より 平 均 的 な 結 果 と 考 えられます *1: 累 積 値 50%の 粒 子 径 粒 子 径 分 布 の 中 位 径 (メジアン 径 )ともいう コーヒーの 風 味 ( 味 と 香 )と 粒 子 径 一 説 によるとコーヒーの 原 産 国 はエチオピアで,10 11 世 紀 ごろアラビア 半 島 に 伝 えられ, 薬 用 として 用 いられた 記 録 が 残 っているそうです コーヒーを 飲 む 習 慣 が 始 まったのは14 15 世 紀 同 じ 頃, 焙 煎 という 手 法 が 見 出 されま 98 No.41 September 2013
Technical Reports した 現 代 では 嗜 好 品 として 身 近 な 存 在 であり, 多 くの 人 に 親 しまれている 飲 料 のひとつです コーヒーの 抽 出 法 はフィルターを 使 う 方 法,サイフォンを 使 う 方 法,エスプレッソのような 圧 力 抽 出 法 など 様 々です エスプレッソでは 短 時 間 抽 出 するため, 粗 挽 きでは 充 分 な 風 味 が 引 き 出 せません したがって,で きるだけ 細 挽 きが 求 められます 一 方,フィルター 方 式 では 細 かすぎると 抽 出 過 多 になってしまい, 逆 に 風 味 を 損 ないますので, 中 挽 きが 基 本 です 粗 挽 き は 低 温 湯 でゆっくり 抽 出 するのに 向 いています ここでは, 市 販 のコーヒー( 挽 き 豆 )がどのような 粒 子 径 分 布 を 持 つのか, 挽 き 方 によって 粒 子 径 分 布 が 違 うのか, 挽 き 豆 そのものを 乾 式 測 定 法 で 確 認 して みました(Figure 3) Figure 3 LA-950 乾 式 測 定 法 による 挽 き 方 のコーヒー 豆 の 粒 子 径 分 布 比 較 測 定 された 分 布 を 見 ると,それぞれの 大 きさの 特 長 が 一 目 で 分 かります 固 体 を 粉 にする 目 的 の 一 つは 表 面 積 の 増 加 による, 反 応 性 溶 解 性 の 増 大 です 上 述 のようにコーヒーの 風 味 をコントロールするために, 粒 子 の 大 きさをそろ え,ばらつきをなくすことが 重 要 なファクターとなります 薬 の 効 き 目 と 粒 子 径 医 薬 品 分 野 における 粒 子 径 は, 薬 の 効 果 と 安 全 性 の 確 保 という 点 で 非 常 に 重 要 になってきます 薬 は 毒 性 のあるものが 多 いので, 副 作 用 がでないよう 厳 密 に 摂 取 量 をコントロールする 必 要 がありますし, 優 れた 治 療 効 果 をあげ るためには, 薬 分 子 を 必 要 な 部 位 に 必 要 な 量 だけ 届 けるという 技 術 が 求 めら れます これはドラッグデリバリーシステム(DDS)と 呼 ばれる 手 法 で, 造 粒 技 術 ( 大 きさ)や,コーティング 技 術,カプセル 化 によって 体 内 で 効 果 を 出 す 部 位 ( 胃 や 腸 など)を 狙 って, 薬 の 溶 け 出 す 時 間 や 到 達 する 時 間 をコントロールし ています 薬 は, 水 をはじめ, 種 々の 溶 媒 に 溶 けてしまうため,レーザ 回 折 / 散 乱 式 の 湿 式 測 定 法 で 測 定 するのは 困 難 な 場 合 があります また, 胃 薬 などの 顆 粒 化 さ No.41 September 2013 99
C olumn れた 粉 は 大 きさにも 意 味 がありますので, 有 姿 のまま, 測 定 する 必 要 がありま す こんなとき,どうやって 粒 子 径 分 布 を 測 定 するのでしょうか? 溶 媒 を 検 討 することもできますが,ここでは, 分 散 媒 を 使 わない 乾 式 測 定 法 にて 胃 薬 の 粒 子 径 分 布 測 定 を 行 いました 結 果 を 見 ますと, 広 い 分 布 を 持 ち, 大 粒 子 と 小 粒 子 が 同 時 に 検 出 されているのが 分 かります(Figure 4) Figure 4 LA-950 乾 式 測 定 法 による 医 薬 品 粉 末 ( 胃 薬 )の 測 定 結 果 近 年,より 高 精 度 なピンポイント 治 療 を 狙 ったナノ 粒 子 サイズDDSの 研 究 も 進 んでおり,リポソーム *2 やデンドリマー*3 のようなドラッグキャリアの 粒 子 径 も 測 定 対 象 となっています *2:リン 脂 質 から 構 成 される 人 工 の 微 粒 子 親 水 性 と 疎 水 性 の2 分 子 からなる 膜 をもつ *3: 規 則 的 に 樹 状 に 分 枝 した 構 造 を 持 つ 高 分 子 チョコレートの 食 感 ( 口 どけ, 甘 さ)と 粒 子 径 チョコレートの 主 原 料 となるカカオは, 中 央 アメリカから 南 アメリカの 熱 帯 地 域 を 原 産 とする,アオギリ 科 の 常 緑 樹 で,ココアノキとも 呼 ばれています カ カオの 実 は, 長 さ15 30 cm, 直 径 8 10 cmの 大 きな 卵 型 ( 種 によっては 楕 円 形, 偏 卵 型, 三 角 形 など)の 果 実 で, 幹 から 直 接 ぶら 下 がります この 中 に20 60 粒 のカカオ 豆 (cocoa beans)が 入 っています このカカオ 豆 を 水 に 漬 け, 発 酵 させたものがココアやチョコレートの 原 料 になります 代 表 的 なチョコ レートの 原 料 は,カカオ 豆 を 粉 砕 してペースト 状 にしたカカオマスとカカオ 豆 の 脂 肪 分 であるカカオバター,それに 砂 糖 とミルク, 香 料 などが 加 えられてい ます チョコレートを 食 べたときの 舌 触 り( 食 感 )はカカオマスの 粉 砕 度 合 いで 異 なります 粒 が 大 きいほど, 口 どけが 早 くなります 大 きすぎると, 粒 子 感, いわゆるザラツキを 感 じます 小 さいほど 滑 らかな 食 感 となりますが, 口 どけ が 悪 くなります ちなみに 人 の 舌 がザラツキを 感 じる 最 小 単 位 が20 μm 程 度 と いわれています ここでは, 日 本 製 のチョコレートと 米 国 製 のチョコレートを 例 に, 粒 子 径 分 布 測 定 の 結 果 を 比 較 いたしました 結 果 を 見 ると 両 者 の 食 感 には 違 いがありそ うです なお,チョコレートは 水 に 溶 けるので, 分 散 媒 はアイソパーH(パラ 100 No.41 September 2013
Technical Reports フィン 系 溶 剤 )を 用 いました(Figure 5) Figure 5 チョコレートの 粒 子 径 分 布 測 定 結 果 グラフ ここに 挙 げた, 一 部 の 食 品 だけみても,いかに 粒 子 径 分 布 測 定 技 術 が 必 要 と されているかがわかります *4: 累 積 値 100%の 粒 子 径 ( 最 大 値 ) 粉 ( 粒 子 )の 大 きさはどこまで 測 定 できるのでしょうか? ほとんど 目 に 見 えないような 小 さな 粉 の 大 きさ そんな 粉 の 大 き さをどうやって 測 定 するのでしょうか?ここで 登 場 する 動 的 光 散 乱 式 の 粒 子 径 分 布 測 定 では, 拡 散 速 度 から 粒 子 の 大 きさを 決 定 することができます SZ-100(Figure 6)はレーザ 回 折 / 散 乱 式 よ り 更 に 微 小 な 粒 子 径 分 布 を 測 定 することができ,0.3 nmから8 μm の 測 定 範 囲 を 有 しています ここまで 小 さいともはや 粉 のイ メージはないかもしれません ビタミンの 大 きさ Figure 6 SZ-100 ビタミンE(Vitamin E)は, 脂 溶 性 ビタミンの 一 種 で,ビタミンの 中 でもっとも 抗 酸 化 作 用 が 強 く, 老 化 防 止 にきくビタミンとして 有 名 です ビタミンEは,ト コフェロール(Tocopherol)とも 呼 ばれています このトコフェロールと 酢 酸 のエステルである 酢 酸 トコフェロールはビタミンE 誘 導 体 のひとつで, 医 薬 品, 化 粧 品, 食 品, 飼 料 など, 疾 病 の 治 療, 栄 養 の 補 給, 食 品 添 加 物 の 酸 化 防 止 剤 として 広 く 利 用 されています ビタミンの 大 きさってどれくらいなんでしょ うか? ここでは, 酢 酸 d-α-トコフェロール *5 を 水 溶 液 に 分 散 して 測 定 ました その 結 果 は 平 均 径 で45 nm わずか45 nmですが,いくつかの 酢 酸 d-α-トコ フェロール 分 子 が 集 まった 粒 子 と 考 えられます(Figure 7) No.41 September 2013 101
C olumn Figure 7 酢 酸 d-α-トコフェノールの 粒 子 径 分 布 酢 酸 d-α-トコフェロールの 分 子 構 造 ( 出 典 :フリー 百 科 事 典 Wikipedia ) *5: 酢 酸 d-α-トコフェノール10% 可 溶 化 液 ( 粘 度 1.6 mps s):(エーザイフード ケミカル 株 式 会 社 様 ご 提 供 ) 銀 コロイドの 大 きさ コロイドとはおよそ1 nmから100 nmの 大 きさを 持 つ 粒 子 で, 光 学 顕 微 鏡 で は 観 察 されず, 半 透 膜 を 通 過 しない,ブラウン 運 動 *6,チンダル 現 象 *7 など, 独 特 な 性 質 を 持 つ 粒 子 群 を 指 します 銀 コロイドは,100 nm 以 下 の 銀 ナノ 粒 子 が 液 体 中 に 均 一 に 分 散 した 溶 液 のことです 通 常 の 銀 コロイドは, 液 相 還 元 法 にて 作 成 します 還 元 剤 の 種 類 や 条 件 を 変 えることにより, 任 意 の 粒 子 径 の 銀 コロイドを 得 ることができます 表 面 に 高 分 子 修 飾 を 施 し, 立 体 障 壁 を 作 ったり, 還 元 電 位 を 利 用 して 粒 子 間 の 反 発 力 を 持 たせたりして 安 定 化 し ています ナノ 粒 子 である 銀 コロイドは 他 の 物 質 には 見 られない 光 学 的, 電 気 的, 熱 的 特 性 をもつので, 微 細 配 線 材 料 ( 導 電 性 インク)やペースト, 充 填 剤 などに 用 います 太 陽 電 池 からセンサー, 抗 菌 剤 にいたる 幅 広 い 製 品 で 応 用 されています Figure 8 銀 コロイドの 粒 子 径 分 布 102 No.41 September 2013
Technical Reports ここでは,ヘキサンに 分 散 させた 銀 コロイド 溶 液 を 測 定 した 結 果 を 示 します 平 均 径 で 約 2.5 nmが 得 られました 2.5 mmの1/1000の,さらに1/1000という 大 きさ もちろん 目 には 見 えない 粒 子 です(Figure 8) *6: 液 体 中 などに 散 在 する 微 粒 子 が, 不 規 則 に 運 動 する 現 象 *7: 微 粒 子 が 散 在 している 液 体 などに 光 を 当 てると, 光 の 通 路 が 見 える 現 象 スクロース( 砂 糖 の 主 成 分 )の 大 きさ 結 晶 質 の 食 塩 や 砂 糖 に 水 を 加 えると, 速 やかに 溶 けて 透 明 な 水 溶 液 になりま す 電 解 質 である 食 塩 (NaCl)は, 水 に 接 すると 原 子 スケールであるNaイオン, Clイオンにまで 電 離 して 溶 けるため, 粒 子 としてその 大 きさを 測 定 することは 難 しくなります 一 方, 砂 糖 は 分 子 の 形 を 維 持 して 水 に 溶 けて 存 在 していま すので, 分 子 サイズオーダーの 粒 子 として 測 定 することができます 砂 糖 の 主 成 分 であるスクロース(ショ 糖 )は,グルコース(ブドウ 糖 )とフルクトース( 果 糖 )が 結 合 した 二 糖 類 の 一 種 です 無 色 の 結 晶, 甘 味 を 有 し, 極 性 がないのに 水 に 溶 けるという 二 糖 類 共 通 の 性 質 を 持 っており, 甘 味 料 として 広 く 利 用 さ れています 実 際 の 測 定 では 平 均 径 として1 nm 以 下 の 粒 子 径 が 得 られました これはほ ぼ1 分 子 の 大 きさと 考 えられます 1 分 子 って, 想 像 できますか? 次 のような 構 造 をしています スクロースの 分 子 構 造 ( 出 典 :フリー 百 科 事 典 Wikipedia ) ここでは, 散 乱 強 度 を 得 るために,40%という 高 濃 度 で 測 定 しましたが, 凝 集 体 などの 有 意 な 混 在 にも 注 意 が 必 要 です また, 粘 度 もやや 高 く, 実 測 で3.5 mpa s *8 でした 次 にスクロース40% 水 溶 液 の 測 定 結 果 を 示 します(Figure 9) *8: 水 の 粘 度 約 0.9mPa s 牛 乳 の 粘 度 2 4mPa s スクロースの 結 晶 ( 出 典 :フリー 百 科 事 典 Wikipedia ) Figure 9 スクロースの 粒 子 径 分 布 No.41 September 2013 103
C olumn おわりに ここに 挙 げたように, 目 に 見 える 小 麦 粉 やコーヒーから, 目 には 見 えないビタ ミンや 砂 糖 の 中 の 分 子 までが, 粒 子 径 分 布 測 定 の 対 象 になります 食 品, 薬 品 の 他,セラミックス,インク 塗 料, 化 粧 品, 電 池 材 料, 半 導 体 関 連,ナノテ クノロジーなど, 挙 げればきりがありませんが,それらの 品 質 は 粒 子 径 分 布 測 定 に 依 存 しています これほど 簡 便 に 粒 子 径 分 布 を 測 定 できる 方 法 は 他 には なく, 非 常 に 重 要 な 計 測 技 術 といえるでしょう 田 中 悟 Satoru TANAKA 営 業 本 部 科 学 プロジェクト 石 原 聡 子 Satoko ISHIHARA 営 業 本 部 科 学 プロジェクト 篠 崎 陽 子 Yoko SHINOZAKI 開 発 本 部 アプリケーション 開 発 センター 科 学 半 導 体 開 発 部 光 成 京 子 Kyoko MITSUNARI 開 発 本 部 アプリケーション 開 発 センター 科 学 半 導 体 開 発 部 大 石 誠 Makoto OHISHI 開 発 本 部 アプリケーション 開 発 センター 科 学 半 導 体 開 発 部 104 No.41 September 2013