Microsoft Word - 第25回臨床栄養学TTK252



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ウ 一 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 粒 ~ 粒 お 召 し 上 がりください という 旨 の 幅 の 両 端 をもって 表 示 することも 可 能 です エ 栄 養 成 分 の 量 及 び 熱 量 ( 栄 養 成 分 表 示 ) 一 日 の 摂 取 目 安 量 当 たりの 栄 養 成 分 の

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診療行為コード

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目次


栄養管理手順について

平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

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5 月 19 日 5 新 生 児 の 呼 吸 障 害 GIO: 新 生 児 期 に 生 じる 呼 吸 障 害 の 病 態 の 特 徴 を 説 明 でき 胸 部 XPから 診 断 できる SBO: 1. 新 生 児 呼 吸 障 害 の 病 態 に 基 づく 症 状 の 特 徴 を 説 明 できる 2.

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5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

人 間 ドックコース( 脳 検 査 がん 検 査 含 む) 298,000 円 / 税 込 その 他 肥 満 症 やせ 症 高 / 低 血 圧 近 視 乱 視 白 内 障 緑 内 障 網 膜 疾 患 外 部 の 音 を 遮 断 したブースで 音 を 聞 き 取 って 調 難 聴 腹 部 超 音 波

首 は 下 あ ご の 骨 の 下 か ら 鎖 骨 の 上 ま で 自 分 の 首 を 両 手 で は さ ん で お さ え て み ま し ょ う 師 首 っ て ど ん な 仕 事 を し て い る か な 子 頭 を の せ て い る 頭 を お さ え て い る 頭 を 動 か し

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第 3 回 肥 満 質 質 基 本 形 酸 質 胃 腸 酵 素 酸 分 解 小 腸 吸 収 血 中 注 入 酸 各 細 胞 質 材 料 使 不 要 質 分 解 再 利 用 糖 不 足 酸 肝 臓 窒 素 除 去 糖 生 成 源 低 血 糖 時 補 充 大 栄 養 素 脂 肪 炭 水 化 物 大 栄

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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別紙3

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認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

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3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

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光 輪 はさみこども 園 学 校 保 健 安 全 法 ( 第 19 条 )に 準 ずる(H24.4 改 定 ) 病 名 感 染 しやすい 期 間 登 園 のめやす 症 状 ( 発 熱 全 身 症 状 呼 吸 器 症 状 )がある 期 間 インフルエンザ ( 発 症 前 24 時 間 ~ 発 病 後

目  次

Transcription:

25-121 医 療 と 臨 床 栄 養 に 関 する 組 合 せである 正 しいのはどれか (1)クリニカルパス - 代 替 医 療 (2)インフォームドコンセント - 障 がい 者 との 共 生 (3)リスボン 宣 言 - 患 者 の 自 己 決 定 権 (4)QOL - 医 療 の 質 (5)ヘルシンキ 宣 言 - 医 療 者 の 権 利 (1) まず クリティカルパス(critical path)の 説 明 から クリティカルパスとは 経 営 工 学 の 分 野 で 製 造 工 程 管 理 手 法 としてアメリカで 1958 年 に 開 発 された その 目 的 は 製 品 製 作 作 業 過 程 を 分 析 し て より 短 期 に 効 率 よく 作 業 を 行 うことができるように 余 裕 日 程 ゼロの 作 業 経 路 (クリティカルパス) を 見 出 すための 手 法 である 1985 年 アメリカにおいて 診 断 群 別 定 額 前 払 い 方 式 (DRG/PPS) が 導 入 され 病 院 の 経 営 環 境 の 悪 化 に 対 応 するために 患 者 一 人 ひとりを より 質 が 高 く よりコストが 少 なく より 患 者 が 満 足 し 質 の 良 いケアを 受 けて 望 ましい 結 果 にいたる 方 策 を 模 索 する 中 で クリテ ィカルパスが 医 療 分 野 に 導 入 された ボストンのニューイングランド メディカルセンターにおいて 1985~1986 年 に 25 の 疾 患 に 試 用 したところ 虚 血 性 心 疾 患 や 白 血 病 に 治 療 で 在 院 日 数 の 短 縮 患 者 とスタッフの 満 足 度 の 改 善 が 認 められたことから 世 界 で 導 入 されるようになった 医 療 分 野 ではク リティカル( 重 篤 な)の 語 感 を 嫌 って クリニカルパスと 呼 ばれることが 多 くなった 代 替 医 療 とは 現 代 西 洋 医 学 領 域 において 科 学 的 未 検 証 および 臨 床 未 応 用 の 医 学 医 療 体 系 の 総 称 のことである (2) インフォームドコンセントとは 情 報 を 受 けたうえで 同 意 することで 治 療 を 受 ける 患 者 の 権 利 の 一 つである 治 療 を 行 う 場 合 患 者 の 生 命 に 何 らかの 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 があることから その 内 容 目 的 影 響 について 十 分 に 説 明 して 了 承 を 得 て 実 施 する 必 要 がある 障 害 者 が 健 常 者 ととも に 普 通 に 暮 らせるような 社 会 をつくることを ノーマリゼーションという (3) 〇 リスボン 宣 言 では 患 者 は 自 分 の 医 師 を 自 由 に 選 ぶ 権 利 がある ことが 記 されている また 患 者 は 法 が 許 す 範 囲 で 治 療 を 拒 否 する 権 利 があり またその 場 合 に 医 学 的 にどのような 結 果 になるか を 知 らされる 権 利 を 有 する と 記 されている (4) QOL とは ひとりひとりの 人 生 の 内 容 の 質 や 社 会 的 にみた 生 活 の 質 (Quality of Life)のこ とである (5) ヘルシンキ 宣 言 では 患 者 や 障 害 者 の 権 利 を 具 現 化 するインフォームドコンセントについて 記 されている 正 解 (3) 1

25-122 症 状 と 臨 床 検 査 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a 低 張 性 脱 水 では 血 清 ナトリウム 値 が 高 くなる b 溶 血 性 黄 疸 では 血 清 間 接 ビリルビン 値 が 高 くなる c 感 染 による 発 熱 では 血 清 C 反 応 性 たんぱく(CRP) 値 が 高 くなる d 頻 回 嘔 吐 では 血 清 クロール 値 が 高 くなる (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 脱 水 とは 体 内 の 水 分 が 不 足 することである 体 内 の 水 分 には Na が 含 まれている 体 外 に 水 分 が 失 われていくとき 失 われる 水 と Na の 割 合 によって 3 種 類 に 分 類 できる 水 の 喪 失 が 大 きく Na の 喪 失 が 少 ないときは 血 清 Na 値 が 上 昇 する そのため 血 漿 浸 透 圧 が 上 昇 するので 高 張 性 脱 水 とい う 水 の 喪 失 に 比 べて Na の 喪 失 が 大 きいときは 血 清 Na 値 は 低 下 する そのため 血 漿 浸 透 圧 は 低 下 するので 低 張 性 脱 水 という 水 と Na の 排 泄 が 血 漿 と 同 じときは 浸 透 圧 は 変 わらないので 等 張 性 脱 水 という b 〇 溶 血 性 ということは 赤 血 球 が 大 量 に 破 壊 されているということである ビリルビンはヘムの 代 謝 産 物 なので 多 量 のビリルビンが 産 生 される ビリルビンは 肝 臓 でグルクロン 酸 抱 合 を 受 けること によって 間 接 型 ( 不 溶 性 )から 直 接 型 ( 可 溶 性 )に 変 換 される 溶 血 性 黄 疸 とは 肝 臓 の 処 理 能 力 を 超 えて 多 量 の 間 接 ビリルビンが 産 生 される 状 態 をいうので 血 清 間 接 ビリルビン 値 は 上 昇 する c 〇 CRP(C-reactive protein)とは 肺 炎 双 球 菌 の 細 胞 壁 の C 多 糖 体 と 沈 降 反 応 を 起 こすので この ような 名 前 がついている 炎 症 組 織 のマクロファージから 分 泌 されたサイトカインが 肝 細 胞 に 働 いて 産 生 される 一 連 の 急 性 期 反 応 たんぱく 質 の 代 表 的 成 分 である 感 染 症 各 種 炎 症 性 疾 患 自 己 免 疫 疾 患 膠 原 病 悪 性 腫 瘍 心 筋 梗 塞 などで 増 加 する 最 近 では 高 感 度 CRP 測 定 法 が 実 用 化 され 正 常 範 囲 内 での 高 値 が 動 脈 硬 化 症 の 予 後 予 測 に 有 用 であることが 示 されている d 嘔 吐 とは 胃 の 内 容 物 を 口 から 吐 き 出 すことである 胃 の 内 容 物 には 胃 液 が 含 まれている 胃 液 には 胃 酸 ( 塩 酸 HCl)が 含 まれている よって 頻 回 に 嘔 吐 すると 塩 酸 が 体 外 に 大 量 に 失 われる その 結 果 体 内 のクロール( 塩 素 Cl のこと)は 減 少 し 血 清 クロール 値 は 低 下 する 正 解 (4) 2

25-123 臨 床 検 査 から 推 定 できる 栄 養 状 態 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1)24 時 間 尿 中 クレアチニン 排 泄 量 から 体 脂 肪 量 を 推 定 できる (2) 尿 中 ケトン 体 増 加 から エネルギー 源 としての 糖 質 利 用 亢 進 が 推 定 できる (3) 血 清 1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG) 値 から 体 たんぱく 質 貯 蔵 状 態 を 推 定 できる (4) 血 清 コリンエステラーゼ 値 から 体 内 のカルシウム 貯 蔵 状 態 を 推 定 できる (5) 血 中 ヘマトクリット 値 から 血 液 の 総 容 積 に 対 する 赤 血 球 の 相 対 的 容 積 (%)を 推 定 できる (1) クレアチニンは 非 酵 素 的 に クレアチンから 水 が 放 出 されるか ホスホクレアチンからリ ン 酸 が 放 出 されて 生 成 する クレアチンは グリシン アルギニン メチオニンの 3 つのアミノ 酸 から 合 成 される ホスホクレアチンは クレアチンがリン 酸 化 されて 生 成 する クレアチンは 腎 臓 と 肝 臓 で 合 成 されるが 血 液 中 に 放 出 されたのち その 98%が 筋 肉 細 胞 に 取 り 込 まれる 体 内 のクレアチン 量 の 1~2%がクレアチニンとなって 尿 中 に 排 泄 される よって 尿 中 クレアチニン 排 泄 量 から 筋 肉 量 を 推 定 できる (2) ケトン 体 は 糖 質 の 利 用 が 制 限 され 脂 肪 酸 の 燃 焼 が 亢 進 した 結 果 脂 肪 酸 のβ 酸 化 で 生 成 したアセチル CoA がクエン 酸 回 路 に 入 れないときに 産 生 が 増 加 する (3) 1,5-AG は ポリオールの 1 種 で グルコースとよく 似 た 構 造 をしている 糸 球 体 で 自 由 に 濾 過 され 尿 細 管 からほとんどが 再 吸 収 されるが 血 糖 値 が 高 いときは 再 吸 収 がグルコースと 競 合 する ため 尿 中 排 泄 が 増 加 し 血 中 濃 度 が 低 下 する 過 去 1 週 間 以 内 の 短 期 間 の 血 糖 値 の 変 動 を 反 映 する (4) コリンエステラーゼは 主 に 肝 臓 で 合 成 され 血 液 中 に 放 出 される よって 血 清 コリンエ ステラーゼ 値 は 肝 臓 のたんぱく 質 合 成 機 能 を 反 映 している (5) 〇 ヘマトクリットとは 全 血 に 対 する 赤 血 球 容 積 比 のことである 採 血 した 少 量 の 血 液 で 測 定 した 比 から 全 身 の 血 液 の 総 容 積 に 対 する 赤 血 球 の 相 対 的 容 積 (%)を 推 定 することは 可 能 である 正 解 (5) 3

25-124 身 体 計 測 に 関 する 記 述 である 誤 っているのはどれか (1) 身 長 は 膝 高 と 年 齢 により 算 出 できる (2) 体 脂 肪 率 は 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 と 肩 甲 骨 下 部 皮 下 脂 肪 厚 により 算 出 できる (3) 内 臓 脂 肪 量 は ウエスト 周 囲 径 から 推 定 できる (4) 上 腕 筋 面 積 は 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 と 上 腕 周 囲 長 により 算 出 できる (5) 上 腕 筋 囲 は 上 腕 周 囲 長 と 体 重 から 算 出 できる 栄 養 アセスメントを 行 う 際 に 必 要 ないろいろな 計 算 式 に 関 する 問 題 だ 計 算 式 自 体 を 覚 えておく 必 要 は ないが 変 数 として 何 が 式 に 入 っているか 教 科 書 を 見 て 確 認 しておこう (1) 〇 標 準 体 重 や BMI を 求 めるためには 身 長 を 測 定 する 必 要 が 直 立 できない 場 合 や 脊 椎 が 彎 曲 している 場 合 は 正 確 に 測 定 できない その 場 合 膝 高 ( 膝 下 高 )から 推 定 される 推 定 式 には 何 種 類 かあるが 変 数 として 膝 高 年 齢 性 別 が 入 っている (2) 〇 皮 下 脂 肪 厚 から 体 脂 肪 率 を 算 出 する 式 には 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 と 肩 甲 骨 下 部 皮 下 脂 肪 厚 の 合 計 が 入 っている (3) 〇 内 臓 脂 肪 量 は 腹 部 CT の 画 像 から 面 積 として 測 定 できる 疫 学 データより 腹 部 CT で 測 定 した 内 臓 脂 肪 面 積 とウエスト 周 囲 径 には 正 の 相 関 があることがわかっている (4) 〇 上 腕 筋 面 積 を 求 める 式 には 上 腕 周 囲 長 と 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 が 入 っている (5) 上 腕 筋 囲 を 求 める 式 には 上 腕 周 囲 長 と 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 が 入 っている 正 解 (5) 4

25-125 栄 養 アセスメントに 関 する 組 合 せである 正 しいのはどれか (1) 血 清 トリグリセリド 値 の 上 昇 - 摂 取 エネルギー 量 の 不 足 (2)クレアチニン 身 長 係 数 の 増 加 - 骨 格 筋 量 の 減 少 (3) 負 の 窒 素 平 衡 - 体 たんぱく 質 の 減 少 (4) 上 腕 筋 囲 の 低 下 - 体 脂 肪 量 の 減 少 (5) 血 中 総 リンパ 球 数 の 増 加 - 貯 蔵 鉄 の 減 少 (1) 血 清 中 のトリグリセリドは 主 にキロミクロンと VLDL( 超 低 比 重 リポタンパク 質 )に 含 ま れている キロミクロンは 食 物 中 の 脂 質 を 材 料 にして 小 腸 で 合 成 されるので 食 後 に 血 清 濃 度 が 上 昇 する VLDL は 肝 臓 で 合 成 され 空 腹 時 の 血 清 トリグリセリド 値 の 主 成 分 である 肝 臓 でのトリグリ セリド 合 成 は 摂 取 エネルギー 量 が 過 剰 な 時 に 増 加 し その 結 果 血 清 トリグリセリド 値 が 上 昇 する 血 腫 エネルギー 量 が 不 足 すると 肝 臓 でのトリグリセリド 合 成 が 低 下 するので 血 清 トリグリセリド 値 は 低 下 する (2) クレアチニン 身 長 係 数 とは 身 長 に 応 じた 標 準 体 重 の 尿 中 クレアチニン 排 泄 量 の 基 準 値 に 対 する 実 際 の 患 者 のクレアチニン 排 泄 量 との 比 を 求 めたものである クレアチニン 排 泄 量 は 全 身 の 筋 肉 量 に 比 例 するので 骨 格 筋 量 の 指 標 として 使 われる クレアチニン 身 長 係 数 の 増 加 は 骨 格 筋 量 の 増 加 と 判 定 する (3) 〇 窒 素 は たんぱく 質 に 含 まれている 食 事 に 含 まれる 窒 素 の 量 から 尿 中 に 排 泄 される 窒 素 の 量 を 引 いたものを 窒 素 平 衡 という 窒 素 平 衡 が 負 ということは 食 物 に 含 まれるたんぱく 質 以 上 のたん ぱく 質 が 体 内 で 分 解 されていることを 表 している つまり 負 の 窒 素 平 衡 は 体 たんぱく 質 が 減 少 して いることを 表 している (4) 上 腕 筋 囲 は 骨 格 筋 量 の 指 標 である 体 脂 肪 量 は 上 腕 三 頭 筋 部 皮 下 脂 肪 厚 が 指 標 となる 年 を 取 ると だいたい 筋 肉 が 落 ちてきて 皮 下 脂 肪 が 増 加 することが 多 い (5) 血 中 総 リンパ 球 数 は 免 疫 機 能 の 指 標 である 栄 養 状 態 が 悪 くなると 低 下 する 貯 蔵 鉄 の 指 標 は フェリチンである フェリチンは 鉄 と 結 合 するたんぱく 質 である 鉄 は フェリチンと 結 合 し て 組 織 に 貯 蔵 される 血 清 中 には 微 量 のフェリチンが 放 出 されているので 貯 蔵 鉄 が 増 加 すると 血 清 フェリチンも 上 昇 する 正 解 (3) 5

25-126 経 腸 栄 養 を 実 施 する 場 合 の 注 意 点 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a 空 腸 瘻 からの 成 分 栄 養 剤 の 投 与 は 持 続 注 入 とする b 誤 嚥 性 肺 炎 を 予 防 するためには 上 半 身 を 挙 上 して 投 与 する c 4 週 間 を 超 える 長 期 経 腸 栄 養 の 場 合 には 経 鼻 投 与 とする d 半 消 化 態 経 腸 栄 養 剤 は 投 与 開 始 時 には 2 倍 に 希 釈 する (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 〇 経 腸 栄 養 剤 の 投 与 方 法 には ボーラス 法 と 持 続 注 入 の 2 種 類 がある ボーラス 法 は 経 腸 栄 養 剤 を 半 固 形 化 することにより 胃 食 道 逆 流 を 防 止 することができる 食 道 瘻 と 胃 瘻 は ボーラス 法 が 可 能 で ある 空 腸 瘻 は 原 則 として 持 続 注 入 を 選 択 する b 〇 経 腸 栄 養 を 実 施 するときの 誤 嚥 性 肺 炎 は 経 腸 栄 養 剤 が 食 道 に 逆 流 し 吐 物 が 気 管 に 入 ることに よって 起 こる よって 逆 流 防 止 が 誤 嚥 性 肺 炎 防 止 になる 逆 流 を 防 止 する 方 策 は 1 栄 養 剤 の 半 固 形 化 2 適 切 な 注 入 速 度 3 上 半 身 の 挙 上 (30~45 ) 4チューブ 先 端 の 空 腸 留 置 などがある c 経 腸 栄 養 剤 の 投 与 経 路 は 消 化 管 機 能 の 状 態 施 行 期 間 誤 嚥 のリスク 活 動 状 態 によって 選 択 する 投 与 期 間 が 4~6 週 間 以 内 の 場 合 は 経 鼻 投 与 を 選 択 する それ 以 上 の 長 期 の 場 合 は 胃 瘻 腸 瘻 を 選 択 する d 以 前 は EN の 開 始 時 には 2 倍 希 釈 が 行 われていたが 根 拠 がなく 現 在 では 希 釈 (もしくは 基 準 濃 度 )で 開 始 して 問 題 ないとされる と 今 年 出 版 された 静 脈 経 腸 栄 養 ハンドブック ( 日 本 静 脈 経 腸 栄 養 学 会 )に 書 いてあった 適 切 な 投 与 速 度 さえ 守 っていれば 胃 液 や 消 化 液 で 希 釈 されるので 高 濃 度 製 剤 を 原 液 のまま 使 っても 問 題 ないそうだ 実 際 は 半 量 から 開 始 し 消 化 器 症 状 を 確 認 しなが ら 1~3 週 間 かけて 維 持 量 まで 増 量 する 正 解 (1) 6

25-127 胃 瘻 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a PEG(percutaneous endoscopic gastrostomy)は 内 視 鏡 的 に 胃 瘻 を 造 設 する 手 術 である b 胃 瘻 からの 経 腸 栄 養 剤 には 天 然 濃 厚 流 動 食 は 使 用 できない c 胃 瘻 造 設 により 経 口 摂 取 が 不 可 能 となる d 在 宅 での 胃 瘻 からの 経 腸 栄 養 剤 投 与 は 可 能 である (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 〇 percutaneous は 経 皮 endoscopic は 内 視 鏡 的 gastrostomy が 胃 瘻 増 設 術 のことである よって PEG を 日 本 語 いうと 経 皮 内 視 鏡 的 胃 瘻 増 設 術 となる b 経 腸 栄 養 剤 には 成 分 栄 養 剤 消 化 態 経 腸 栄 養 剤 半 消 化 態 経 腸 栄 養 剤 濃 厚 流 動 食 がある そ れぞれの 成 分 の 特 徴 については 教 科 書 で 復 習 をしておこう 経 腸 栄 養 剤 は 消 化 管 機 能 がどの 程 度 維 持 されているかによって 選 択 する 投 与 経 路 は 経 腸 栄 養 剤 の 選 択 に 影 響 しない c 経 口 摂 取 は 可 能 であるが 何 らかの 理 由 で 経 口 摂 取 だけでは 必 要 エネルギーを 摂 取 することがで きない 場 合 胃 瘻 増 設 による 経 腸 栄 養 剤 で 不 足 分 を 補 うことは 可 能 である d 〇 病 態 が 急 激 に 変 化 しない 慢 性 期 の 安 定 した 疾 患 であって 栄 養 低 下 や 栄 養 障 害 のために 長 期 の 栄 養 管 理 が 必 要 と 判 断 され 栄 養 管 理 により 病 態 の 改 善 が 期 待 でき 患 者 も 家 族 もそれを 希 望 する 場 合 は 在 宅 で 経 腸 栄 養 法 を 行 うことができる 正 解 (3) 7

25-128 高 カロリー 輸 液 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a ビタミン B1 を 投 与 する b わが 国 の 微 量 元 素 剤 は クロムを 含 む c 窒 素 源 に 非 必 須 アミノ 酸 ( 可 欠 アミノ 酸 )が 含 まれる d 大 量 のグルコース 投 与 は 脂 肪 肝 にならない (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 〇 ビタミン B1 は ピルビン 酸 脱 水 素 酵 素 (ピルビン 酸 からアセチル CoA を 生 成 )や ケトグルタル 酸 脱 水 素 酵 素 ( ケトグルタル 酸 からスクシニル CoA を 生 成 )の 補 酵 素 である ビタミン B1 が 不 足 す ると 解 糖 で 生 じたピルビン 酸 はクエン 酸 回 路 や 脂 肪 酸 合 成 に 入 って 行 けないので 細 胞 内 に 蓄 積 する その 結 果 解 糖 も 停 滞 して ATP を 産 生 できなくなる この 事 態 を 回 避 するため 乳 酸 脱 水 素 酵 素 の 作 用 でピルビン 酸 を 乳 酸 に 変 換 する 乳 酸 脱 水 素 酵 素 の 作 用 で 解 糖 の 基 質 である NAD + が 再 生 されるので 解 糖 を 進 行 させることができる ピルビン 酸 は 細 胞 膜 を 通 過 できないが 乳 酸 は 通 過 できる こうして ビタミン B1 不 足 では 嫌 気 的 解 糖 が 進 行 して 乳 酸 産 生 が 増 加 し 血 液 中 に 多 量 の 乳 酸 が 放 出 されるこ とにより 乳 酸 アシドーシスになる b わが 国 の 微 量 元 素 剤 に 含 まれている 微 量 元 素 は 亜 鉛 鉄 銅 ヨウ 素 マンガンの 5 種 類 であ る c 〇 アミノ 酸 製 剤 のアミノ 酸 組 成 は 人 乳 や 鶏 卵 のアミノ 酸 組 成 を 参 考 にした FAO(Food and Agriculture Organization)/WHO 基 準 をもとに 作 成 されている 一 般 に 8 種 類 の 必 須 アミノ 酸 と グルタミンとアスパラギンを 除 く 10 種 類 の 非 必 須 アミノ 酸 を 含 んでいる グルタミンとアスパラギン は 不 安 定 で 半 減 期 が 短 いために 通 常 の 輸 液 製 剤 には 含 まれていない しかし 近 年 侵 襲 が 加 わっ た 病 態 では グルタミンとアルギニンの 需 要 が 増 加 していることが 確 かめられ 輸 液 製 剤 に 加 えること の 効 果 が 検 討 されている d 過 剰 なグルコールは 肝 臓 で 代 謝 され 脂 肪 酸 合 成 の 材 料 に 使 用 される その 結 果 脂 肪 肝 になる ことがある 正 解 (2) 8

25-129 薬 剤 の 作 用 と 適 応 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1)ビグアナイド 剤 は インスリン 分 泌 促 進 作 用 がある (2)ステロイド 薬 は 血 糖 低 下 作 用 がある (3)HMG-CoA 還 元 酵 素 阻 害 薬 は Ⅴ 型 高 脂 血 症 に 適 応 がある (4)α-グルコシダーゼ 阻 害 薬 は 食 後 血 糖 値 の 上 昇 を 抑 制 する (5)カルシウム 拮 抗 薬 は 高 尿 酸 血 症 に 適 応 がある (1) 2 型 糖 尿 病 の 治 療 薬 である 経 口 血 糖 降 下 薬 は 1950 年 代 に 開 発 され 利 用 されるようになっ た その 一 つは インスリン 分 泌 促 進 作 用 をもつスルホニル 尿 素 薬 であり もう 一 つがは インスリン 抵 抗 性 改 善 作 用 をもつビグアナイド 薬 である ビグアナイド 薬 は 肝 臓 の 糖 新 生 を 抑 制 することにより 血 糖 値 を 低 下 させると 考 えられている ビグアナイド 薬 は 乳 酸 アシドーシスを 引 き 起 こす 可 能 性 があ ることから 一 時 期 ほとんど 使 用 されなくなったが 近 年 ビグアナイド 薬 が 乳 酸 アシドーシスを 起 こ す 頻 度 は 高 くないこと 低 血 糖 を 起 こさないこと 肥 満 を 助 長 しないこと などの 理 由 から 再 評 価 され 利 用 が 増 加 している (2) ステロイド 薬 は 肝 臓 での 糖 新 生 の 増 加 筋 肉 でのグルコース 取 り 込 み 低 下 膵 臓 でのイン スリン 分 泌 抑 制 グルカゴン 分 泌 促 進 などの 作 用 により 血 糖 値 を 上 昇 させる (3) HMG-CoA は 3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA の 略 である HMG-CoA は アセチル CoA から 作 られる HMG-CoA は HMG-CoA 還 元 酵 素 の 作 用 によりメバロン 酸 になる メバロン 酸 は あ と 何 段 階 か 経 てコレステロールになる HMG-CoA 還 元 酵 素 は 体 内 のコレステロール 合 成 の 律 速 酵 素 である この 酵 素 阻 害 薬 は 体 内 のコレステロール 合 成 を 抑 制 するので 高 コレステロール 血 症 の 治 療 に 使 用 される よって LDL コレステロールが 上 昇 するⅡa 型 や Ⅱb 型 高 脂 血 症 に 適 応 がある V 型 高 脂 血 症 は VLDL とキロミクロンが 上 昇 しているので HMG-CoA 還 元 酵 素 は 適 応 にならない (4) 〇 α-グルコシダーゼ 阻 害 薬 は 小 腸 粘 膜 にある 二 糖 類 分 解 酵 素 の 阻 害 薬 である 二 糖 類 の 分 解 が 阻 害 されるので 食 物 中 の 糖 質 の 吸 収 が 遅 れる よって 食 後 の 血 糖 値 の 上 昇 を 抑 制 することができ る (5) カルシウム 拮 抗 薬 は 血 管 平 滑 筋 の 収 縮 を 抑 制 する 薬 である 血 管 平 滑 筋 の 収 縮 が 抑 制 され ると 血 圧 が 低 下 する 高 尿 酸 血 症 には 尿 酸 合 成 を 抑 制 するアロプリノールや 尿 酸 排 泄 を 促 進 するベ ンズマロンを 使 用 する 正 解 (4) 9

25-130 ビタミン ミネラルの 欠 乏 に 関 する 組 合 せである 正 しいのはどれか (1)ビタミン K - 眼 球 結 膜 乾 燥 症 (2)ビタミン D - 高 カルシウム 血 症 (3)ビタミン C - 出 血 傾 向 (4) 銅 - 血 中 好 中 球 数 の 増 加 (5) 亜 鉛 - 食 欲 亢 進 (1) ビタミン K は γグルタミルカルボキシラーゼの 補 酵 素 として 働 く γグルタミルカルボキ シラーゼは 蛋 白 質 のグルタミン 残 基 にカルボキシル 基 をもう 一 つくっつける 酵 素 である この 反 応 は 肝 臓 で 作 られる 血 液 凝 固 因 子 (Ⅱ Ⅶ Ⅸ Ⅹ)の 合 成 で 必 須 である だから ビタミン K が 不 足 する と 血 液 の 凝 固 障 害 ( 出 血 傾 向 )がおこる この 反 応 でビタミン K は 還 元 型 からエポキシド 型 になる エポキシド 型 は ビタミン K エポキシド 還 元 酵 素 とビタミン K 還 元 酵 素 の 2 つの 酵 素 の 作 用 で 還 元 型 にもどる この 2 つの 酵 素 をワルファリンという 薬 が 阻 害 する だから ワルファリンを 服 用 すると 血 栓 ができにくくなる 眼 球 結 膜 乾 燥 症 と 角 膜 乾 燥 症 は ビタミン A 欠 乏 の 症 状 である (2) ビタミン D は 消 化 管 からの Ca 吸 収 を 促 進 するので ビタミン D が 過 剰 になると 高 Ca 血 症 になる 逆 に ビタミン D が 欠 乏 すれば Ca の 吸 収 が 減 少 するので 低 Ca 血 症 になる (3) 〇 ビタミン C は コラーゲンの 成 分 であるプロリンを 水 酸 化 してヒドロキシプロリンを 生 成 す る 反 応 に 必 須 である だから ビタミン C が 欠 乏 すると コラーゲンができなくなる コラーゲンがで きなければ 結 合 組 織 がもろくなる 結 合 組 織 がもろくなると 血 管 が 破 れやすくなる その 結 果 ちょ っとしたことで 出 血 しやすくなる 出 血 しやすい 状 態 を 出 血 傾 向 という (4) 銅 が 欠 乏 すると 貧 血 が 出 現 する 中 心 静 脈 栄 養 を 行 っている 患 者 で 貧 血 白 血 球 減 少 好 中 球 減 少 骨 髄 白 血 球 系 の 成 熟 障 害 骨 形 成 障 害 が 出 現 し 銅 を 投 与 することにより 改 善 したことが 報 告 されている (5) 亜 鉛 欠 乏 では 味 覚 障 害 が 有 名 だが その 他 口 内 炎 創 傷 治 癒 遅 延 成 長 障 害 免 疫 能 低 下 うつ 症 状 食 欲 低 下 などの 症 状 が 出 現 する 正 解 (3) 10

25-131 53 歳 女 性 身 長 155cm 体 重 68kg(BMI 28.3kg/m 2 ) ウエスト 周 囲 径 92cm 血 圧 120/70mmHg 空 腹 時 血 糖 値 80mg/dL 血 清 LDL-コレステロール 値 162mg/dL 血 清 HDL-コレステ ロール 値 42mg/dL 血 清 トリグリセリド 値 140mg/dL であった 食 欲 旺 盛 であり 太 り 気 味 だったが 特 に 何 もしていない 本 症 例 の 治 療 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1)1 か 月 間 の 減 量 目 標 は 現 体 重 の 20% 減 に 設 定 する (2) 超 低 エネルギー 食 を 指 導 する (3)エネルギー 出 納 を 正 にする (4) 食 欲 抑 制 剤 を 使 用 する (5) 食 生 活 セルフチェック 表 の 記 録 を 勧 める 中 年 女 性 で BMI が 25 以 上 なので 肥 満 がある ウエスト 周 囲 径 が 90cm 以 上 なので 内 臓 脂 肪 が 増 加 していると 考 えられる 血 圧 血 糖 値 は 基 準 範 囲 LDL コレステロールが 140mg/dL 以 上 なので 高 LDL コレステロール 血 症 だが HDL コレステロールとトリグリセリドは 基 準 範 囲 ということで 現 在 の 問 題 点 は 肥 満 と 高 LDL コレステロール 血 症 だけだ (1) 現 体 重 の 20%は 68 0.2=13.6kg である 1 か 月 の 減 量 目 標 としては 多 すぎる 一 か 月 の 減 量 目 標 としては 1~2kg が 適 切 であろう この 人 の 場 合 半 年 から 1 年 で 8kg やせれば BMI25 まで 改 善 する まずは これくらいが 無 難 な 目 標 だろう (2) 食 欲 旺 盛 で 特 に 何 もしていないのであれば 普 通 の 減 食 療 法 から 始 めるのが 適 当 だろう 超 低 エネルギー 食 は BMI が 30 以 上 あって 普 通 のダイエットでは 効 果 がみられない 場 合 に 実 施 する とよい (3) エネルギー 出 納 は 摂 取 エネルギーから 消 費 エネルギーを 引 いて 求 める よって それが 正 に なるということは 消 費 エネルギーより 摂 取 エネルギーが 大 きいということだ 減 量 するためには 摂 取 エネルギーより 消 費 エネルギーを 大 きくして エネルギー 出 納 を 負 にしなければならない (4) わが 国 で 保 険 適 用 になっている 食 欲 抑 制 薬 は マジンドール だけである BMI が 35 以 上 で 他 に 食 事 療 法 が 困 難 な 場 合 に 処 方 する 習 慣 性 があるために 投 与 期 間 は 3 か 月 以 内 に 限 定 されている (5) 〇 この 人 の 場 合 食 生 活 の 改 善 と 運 動 習 慣 を 身 に 付 けることが 大 事 である そのためには 望 ましい 生 活 習 慣 への 行 動 変 容 を 促 すような 指 導 を 行 うことが 大 切 である 行 動 変 容 を 成 功 させるために は 減 量 阻 害 要 因 の 抽 出 行 動 修 復 の 実 行 と 評 価 報 酬 による 強 化 修 復 行 動 の 拡 大 と 適 正 行 動 の 段 階 を 経 ることが 重 要 である 食 生 活 セルフチェック 表 を 記 録 することは 自 分 の 食 生 活 の 課 題 に 気 づくき っかけになるし 毎 日 記 録 することによって 自 分 が 行 動 を 振 り 返 ることができる さらに 記 録 する こと 自 体 が 喜 びや 自 信 につながり 行 動 変 容 の 強 化 と 継 続 につながることから 肥 満 者 のダイエットに 勧 められる 指 導 方 法 である 正 解 (5) 11

25-132 高 尿 酸 血 症 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a 低 用 量 アスピリンを 服 用 する b 痛 風 発 作 時 には 尿 酸 排 泄 促 進 薬 を 服 用 する c 腎 機 能 のモニタリングをする d 水 分 摂 取 を 増 やす (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 高 尿 酸 血 症 は 血 液 中 の 尿 酸 の 濃 度 が 上 昇 した 状 態 をいう 尿 酸 は プリン 体 の 代 謝 産 物 で 尿 中 に 排 泄 される だから プリン 体 の 代 謝 が 亢 進 して 尿 酸 の 産 生 が 増 加 するか できた 尿 酸 の 排 泄 が 減 少 したときに 高 尿 酸 血 症 になる よって 高 尿 酸 血 症 の 治 療 薬 は 尿 酸 の 産 生 が 促 進 している 場 合 は それを 抑 制 する 薬 (アロプリノール)が 尿 酸 の 排 泄 が 障 害 されている 場 合 は 排 泄 を 促 進 する 薬 (ベ ンズブロマリン プロペネシド)が 使 用 される 低 用 量 アスピリンは 血 小 板 凝 集 を 抑 制 する 作 用 があ るので 血 栓 形 成 を 抑 制 して 心 筋 梗 塞 を 予 防 するために 使 用 する b 痛 風 発 作 時 には 炎 症 を 抑 制 する 目 的 でコルヒチンや 解 熱 性 鎮 痛 薬 を 使 用 する コルヒチンは 白 血 球 の 遊 走 を 抑 制 して 炎 症 を 抑 えるので 足 がムズムズするなど 痛 風 発 作 が 起 こる 前 兆 症 状 の 段 階 で 使 用 すると 有 効 性 が 高 い c 〇 腎 臓 に 尿 酸 結 晶 が 沈 着 すると 痛 風 腎 となって 最 悪 の 場 合 腎 不 全 が 起 こる そこで そうならな いように 腎 機 能 の 低 下 を 早 期 発 見 早 期 治 療 するために 腎 機 能 のモニタリングを 行 う 具 体 的 には 血 中 クレアチニン 値 やクレアチニン クリアランスの 測 定 を 行 う d 〇 尿 酸 は アルカリ 性 で 溶 解 しやすく 酸 性 で 結 晶 になりやすい 尿 は 弱 酸 性 で 濃 縮 されるの で 高 尿 酸 血 症 の 人 は 尿 酸 結 石 ができやすい 結 石 ができるのを 予 防 するためには 十 分 な 尿 量 を 確 保 して 結 石 ができないようにする 必 要 がある そのためには 水 分 摂 取 量 を 増 やす 正 解 (5) 12

25-133 疾 病 と 食 事 療 法 に 関 する 組 合 せである 正 しいのはどれか a ハンター 舌 炎 - ビタミン B12 の 補 給 b 胆 のう 炎 - 飽 和 脂 肪 酸 摂 取 量 の 増 加 c 本 態 性 高 血 圧 - カリウム 摂 取 量 の 増 加 d 2 型 糖 尿 病 - 食 物 繊 維 の 制 限 (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 〇 舌 が 赤 くなって 表 面 がツルツルしていて 痛 みを 伴 っている 舌 炎 をハンター 舌 炎 という Hunter は 最 初 に 記 載 した 人 の 名 前 ビタミン B12 欠 乏 による DNA 合 成 障 害 が 原 因 で 起 こる b 胆 嚢 炎 とは 胆 嚢 に 細 菌 感 染 が 起 こって 炎 症 を 起 こしたものである 胆 石 症 や 胆 汁 うっ 滞 が 原 因 になることが 多 い 治 療 は 抗 生 物 質 の 投 与 胆 嚢 ドレナージによる 排 膿 を 行 う 食 事 療 法 については まず 急 性 期 は 絶 食 にする その 後 炎 症 が 治 まり 摂 食 が 可 能 になれば 流 動 食 軟 食 常 食 へ 順 次 移 行 していく 胆 嚢 の 収 縮 を 抑 制 するために 低 脂 肪 食 とする c 〇 カリウムには Na 排 泄 増 加 作 用 交 感 神 経 抑 制 作 用 血 管 拡 張 作 用 などがあり 血 圧 を 下 げる 効 果 がある 人 類 が 出 現 したころの Na と K 摂 取 の 比 は 1:1 程 度 であったといわれているが 現 在 の 我 が 国 の Na と K 摂 取 の 比 は 約 2:1 である 本 態 性 高 血 圧 患 者 には カリウム 摂 取 量 を 増 加 させる ため 野 菜 果 物 を 積 極 的 に 摂 取 することが 推 奨 されている d 食 物 繊 維 には 糖 質 の 吸 収 を 緩 やかにする 作 用 があることが 知 られており 2 型 糖 尿 病 患 者 には 積 極 的 に 摂 取 することが 勧 められる その 他 脂 質 代 謝 にも 好 影 響 があることも 脂 質 代 謝 異 常 を 合 併 することが 多 い 2 型 糖 尿 病 患 者 には 勧 められる 食 物 繊 維 の 摂 取 を 制 限 しなければならない 理 由 はない 正 解 (2) 13

25-134 胃 食 道 逆 流 症 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 原 因 には 食 道 裂 孔 ヘルニアがある (2) 下 部 食 道 括 約 部 圧 が 上 昇 する (3) 食 直 後 は 仰 臥 位 を 勧 める (4) 高 脂 肪 食 にする (5) 菓 子 類 の 摂 取 を 勧 める 胃 食 道 逆 流 症 とは 胃 液 が 食 道 に 逆 流 し 食 道 粘 膜 を 障 害 するものである 胸 焼 けや 嚥 下 障 害 などの 症 状 が 出 現 する 診 断 は X 線 透 視 による 造 影 剤 の 逆 流 の 証 明 や 内 視 鏡 による 食 道 粘 膜 の 発 赤 びら ん 潰 瘍 を 確 認 することにより 行 う (1) 〇 食 道 裂 孔 とは 食 道 が 横 隔 膜 を 貫 く 部 位 にある 穴 である その 穴 を 通 って 本 来 腹 腔 の 中 に あるべき 胃 の 一 部 が 胸 腔 内 に 入 り 込 んだ 状 態 を 食 道 裂 孔 ヘルニアという そのような 胃 では 噴 門 部 ( 食 道 から 胃 への 入 り 口 )での 逆 流 防 止 機 構 が 障 害 されるため 胃 食 道 逆 流 症 の 原 因 になる (2) 下 部 食 道 括 約 部 圧 が 上 昇 すると 胃 液 は 逆 流 しにくくなる 下 部 食 道 括 約 部 圧 が 低 下 すると 胃 液 は 逆 流 しやすくなる よって 胃 食 道 逆 流 症 の 原 因 は 下 部 食 道 括 約 部 圧 の 低 下 である (3) 仰 臥 位 とは あおむけに 寝 ることである 仰 臥 位 になると 胃 内 容 物 が 噴 門 の 方 に 流 れてく るので 逆 流 が 起 きやすくなる よって 食 直 後 に 仰 臥 位 になることは 勧 められない (4) 高 脂 肪 食 は 下 部 食 道 括 約 部 圧 を 低 下 させ 幽 門 ( 胃 から 十 二 指 腸 への 出 口 )からの 排 泄 遅 延 により 胃 内 滞 留 時 間 が 長 くなるので 逆 流 が 起 こる 確 率 が 高 くなる よって 高 脂 肪 食 は 勧 められな い (5) 菓 子 類 の 摂 取 は 下 部 食 道 括 約 部 圧 を 低 下 させ 胃 酸 分 泌 を 促 進 する 胃 食 道 逆 流 症 に 対 し て 勧 める 理 由 はない 正 解 (1) 14

25-135 非 アルコール 性 脂 肪 性 肝 炎 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a C 型 肝 炎 ウイルスは 原 因 になる b 肝 臓 組 織 の 鉄 量 は 低 下 する c インスリン 抵 抗 性 がみられる d 肝 臓 組 織 の 線 維 化 が 進 む (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d a 非 アルコール 性 脂 肪 性 肝 炎 (nonalcoholic steatoheptitis, NASH)は 明 らかな 飲 酒 歴 がないに も 関 わらず アルコール 性 肝 炎 に 類 似 した 脂 肪 沈 着 がみられるものをいう B 型 肝 炎 ウイルスや C 型 肝 炎 ウイルスの 感 染 や 自 己 免 疫 性 肝 炎 など 成 因 が 明 らかな 慢 性 肝 疾 患 がないことが 特 徴 である b NASH では 肝 組 織 に 鉄 が 過 剰 に 蓄 積 している 過 剰 な 組 織 鉄 は 活 性 酸 素 の 発 生 を 促 進 し 肝 細 胞 の 障 害 線 維 化 の 促 進 をもたらす c 〇 NASH は メタボリックシンドローム 肥 満 糖 尿 病 脂 質 異 常 症 高 血 圧 症 高 尿 酸 血 症 など を 合 併 していることが 多 く これらの 疾 患 に 共 通 にみられる 病 態 であるインスリン 抵 抗 性 が NASH の 発 症 の 背 景 にあると 考 えられている d 〇 NASH では 肝 組 織 の 壊 死 炎 症 線 維 化 がみられる 約 50%が 進 行 性 で 10 年 間 に 20%が 肝 硬 変 に 移 行 し 肝 癌 の 発 生 率 も 高 いことが 知 られている 正 解 (5) 15

25-136 膵 炎 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 急 性 膵 炎 の 急 性 期 は 経 口 栄 養 にする (2) 急 性 膵 炎 では 血 清 リパーゼ 値 が 低 下 する (3) 慢 性 膵 炎 では 糖 尿 病 を 合 併 する (4) 慢 性 膵 炎 では グルカゴン 分 泌 能 が 上 昇 する (5) 慢 性 膵 炎 では 脂 肪 負 荷 試 験 を 行 う (1) 急 性 膵 炎 は 膵 組 織 内 で 活 性 化 された 消 化 酵 素 により 膵 実 質 細 胞 が 自 己 消 化 され 浮 腫 出 血 壊 死 が 起 こる 状 態 である よって 急 性 期 では 消 化 酵 素 の 分 泌 を 最 小 限 にする 必 要 がある その ためには 絶 食 をすることが 原 則 である (2) 急 性 膵 炎 では 膵 組 織 の 破 壊 により 消 化 酵 素 が 血 液 中 に 流 入 する その 結 果 トリプシン キモトリプシン アミラーゼ リパーゼなど 膵 臓 から 小 腸 に 分 泌 されるはずの 消 化 酵 素 の 血 清 中 の 値 が 上 昇 する (3) 〇 慢 性 膵 炎 は 6 ヵ 月 以 上 持 続 する 炎 症 により 非 可 逆 的 な 線 維 化 と 膵 実 質 の 破 壊 が 起 こる そ のため 膵 臓 の 外 分 泌 機 能 および 内 分 泌 機 能 の 両 方 が 障 害 される 膵 臓 の 内 分 泌 機 能 として ランゲル ハンス 島 からのインスリンの 分 泌 があるが 慢 性 膵 炎 ではインスリンの 分 泌 が 減 少 するために 糖 尿 病 を 合 併 する (4) ランゲルハンス 島 は 血 糖 値 を 上 昇 させるグルカゴンも 分 泌 するが 慢 性 膵 炎 では ランゲ ルハンス 島 も 破 壊 されるので グルカゴン 分 泌 能 は 低 下 する (5) 慢 性 膵 炎 による 膵 外 分 泌 障 害 の 検 査 として BT-PABA 試 験 を 行 う PFD 試 験 (pancreatic functional diagnostant test)ともいう BT-PABA は N-benzoyl-L-tyrosyl-para-aminobenzoic acid の 略 称 である BT-PABA が キモトリプシンにより 分 解 されると PABA が 体 内 に 吸 収 されて 尿 中 に 排 泄 される BT-PABA 試 験 は BT-PABA を 内 服 後 一 定 時 間 内 に 尿 中 に 排 泄 される PABA を 測 定 して キモトリプシンの 分 泌 がどの 程 度 保 たれているかを 判 定 する 試 験 である 脂 肪 負 荷 試 験 は 脂 質 異 常 症 ( 高 トリグリセリド 血 症 )の 検 査 である 正 解 (3) 16

25-137 動 脈 硬 化 症 の 予 防 のための 生 活 習 慣 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a 飽 和 脂 肪 酸 を 制 限 する b 食 物 繊 維 を 制 限 する c 食 塩 を 制 限 する d 有 酸 素 運 動 を 制 限 する (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d 動 脈 硬 化 症 の 予 防 は 危 険 因 子 を 軽 減 することによって 行 う a 〇 飽 和 脂 肪 酸 の 摂 取 は 血 中 LDL コレステロールを 上 昇 させる 血 中 LDL コレステロールの 上 昇 は 動 脈 硬 化 症 の 危 険 因 子 である よって 動 脈 硬 化 症 を 予 防 するためには 飽 和 脂 肪 酸 の 摂 取 を 制 限 するというのは 正 しい b 食 物 繊 維 は 胆 汁 酸 と 結 合 し 胆 汁 酸 の 腸 肝 循 環 を 阻 害 する すると 肝 臓 はコレステロールか ら 胆 汁 酸 を 産 生 するので 肝 臓 内 のコレステロールが 減 少 し 結 果 として 血 中 コレステロール 濃 度 も 低 下 する よって 食 物 繊 維 の 摂 取 は 推 奨 する c 〇 血 圧 上 昇 は 動 脈 硬 化 症 の 危 険 因 子 である 食 塩 を 制 限 すると 血 圧 が 低 下 する よって 動 脈 硬 化 症 を 予 防 するために 食 塩 を 制 限 するのは 正 しい d 有 酸 素 運 動 は 肥 満 を 解 消 し インスリン 抵 抗 性 を 改 善 し 糖 脂 質 代 謝 を 改 善 する よって 動 脈 硬 化 症 を 予 防 するためには 有 酸 素 運 動 を 推 奨 する 正 解 (2) 17

25-138 成 人 ネフローゼ 症 候 群 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 糸 球 体 毛 細 血 管 のたんぱく 質 透 過 性 は 亢 進 している (2) 血 漿 膠 質 浸 透 圧 は 上 昇 している (3) 浮 腫 に 対 しては 水 分 摂 取 量 を 80 ml/kg 標 準 体 重 / 日 にする (4)たんぱく 質 摂 取 量 は 1.5g/kg 標 準 体 重 / 日 にする (5)エネルギー 摂 取 量 は 20~25 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 にする (1) 〇 糸 球 体 での 濾 過 は 毛 細 血 管 とそれを 包 む 足 細 胞 の 間 にある 基 底 膜 の 小 さな 穴 を 通 して 行 わ れる 正 常 な 糸 球 体 では β2 ミクログロブリンのような 分 子 量 の 小 さいたんぱく 質 を 除 いて ほとん ど 濾 過 されることはない 糸 球 体 毛 細 血 管 のたんぱく 質 透 過 性 の 亢 進 とは その 基 底 膜 の 穴 が 大 きくな り アルブミンなどのたんぱく 質 が 漏 れ 出 てくることをいう そのため ネフローゼ 症 候 群 では 大 量 のたんぱく 尿 が 出 現 する (2) 膠 質 とは コロイドのことである コロイド(colloid)の 語 源 は ギリシャ 語 の kolla で 膠 (にかわ)のことである 膠 は 動 物 の 皮 骨 などを 煮 た 液 を 乾 かしたもので ゼラチンを 多 く 含 ん でいる ゼラチンとは コラーゲンを 含 むたんぱく 質 である 血 漿 膠 質 浸 透 圧 とは 血 漿 たんぱく 質 濃 度 が 間 質 液 のたんぱく 質 濃 度 より 高 いことから 間 質 から 血 管 内 へ 水 を 吸 い 上 げる 圧 力 は 発 生 すること をいう ネフローゼ 症 候 群 では 大 量 の 血 漿 たんぱく 質 が 尿 中 に 失 われるために 低 たんぱく 血 症 が 出 現 する その 結 果 血 漿 膠 質 浸 透 圧 は 低 下 する (3) ネフローゼ 症 候 群 の 浮 腫 に 対 しては 塩 分 制 限 を 行 う ガイドラインでは 治 療 反 応 性 良 好 な 微 小 変 化 型 ネフローゼ 症 候 群 で 0~7g/ 日 微 小 変 化 型 ネフローゼ 症 候 群 以 外 で 5g/ 日 となっている 高 度 の 難 治 性 浮 腫 がある 場 合 は 水 分 制 限 が 必 要 であるが 80 ml/kg 標 準 体 重 / 日 だと 50 kgの 人 では 4l/ 日 となり 全 然 水 分 制 限 したことにならない (4) 従 来 ネフローゼ 症 候 群 に 高 たんぱく 食 が 処 方 されていたが 必 要 以 上 の 高 たんぱく 食 は 腎 機 能 を 悪 化 させる 可 能 性 があり また 低 たんぱく 血 症 を 改 善 する 効 果 も 認 められないことから 現 在 で は 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 を 目 標 とするか あるいは 軽 度 たんぱく 質 制 限 (0.8g/kg/ 日 )とすること が 推 奨 されている (5) たんぱく 質 制 限 を 行 う 場 合 体 内 のたんぱく 質 利 用 効 率 を 上 げるために 高 エネルギー 食 と する 腎 臓 病 の 高 エネルギー 食 は 35 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 が 基 本 である 正 解 (1) 18

25-139 慢 性 腎 不 全 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 血 清 リン 値 は 低 下 する (2) 副 甲 状 腺 ホルモンの 分 泌 は 低 下 する (3) 代 謝 性 アルカローシスを 起 こす (4) 血 中 1α,25-ジヒドロキシビタミン D 値 は 上 昇 する (5) 血 清 尿 素 窒 素 値 は 上 昇 する (1) リン(P)は ATP の 材 料 となるなど エネルギー 代 謝 で 重 要 な 働 きを 持 っていて 全 身 に 分 布 している 血 清 中 のリンは 約 90%がリン 酸 またはリン 酸 塩 として 存 在 し 残 りの 約 10%がたん ぱく 質 に 結 合 している リンの 約 60%は 尿 中 に 排 泄 され 残 りは 円 便 中 に 排 泄 される 慢 性 腎 不 全 では 糸 球 体 濾 過 値 が 減 少 するため 血 中 に 停 滞 するので 血 清 リン 値 は 上 昇 する (2) 慢 性 腎 不 全 では ビタミン D の 活 性 化 が 障 害 される その 結 果 小 腸 からのカルシウム(Ca) の 吸 収 が 減 少 する その 結 果 血 清 Ca 濃 度 が 低 下 する その 結 果 副 甲 状 腺 ホルモンの 分 泌 が 増 加 す る その 結 果 骨 吸 収 が 促 進 し 骨 粗 鬆 症 や 骨 軟 化 症 が 起 こる (3) 慢 性 腎 不 全 では 腎 臓 からの 酸 の 排 泄 が 障 害 される その 結 果 体 内 で 産 生 された 酸 を 処 理 するために 重 炭 酸 イオン(HCO3 - )が 消 費 され ph が 低 下 する これを 代 謝 性 アシドーシスという (4) ビタミン D は 肝 臓 と 腎 臓 で 活 性 化 される 肝 臓 では 1 位 の 炭 素 が 水 酸 化 され 1α ヒドロ キシビタミン D となる ヒドロキシ(hydroxy) は 水 酸 基 (OH)のことである 続 いて 腎 臓 で は 25 位 の 炭 素 が 水 酸 化 され 1α,25-ジヒドロキシビタミン D となる ジヒドロキシ(dihydroxy) は 水 酸 基 が 2 つという 意 味 である 慢 性 腎 不 全 では 腎 臓 での 水 酸 化 が 低 下 するので 1α,25-ジヒド ロキシビタミン D 値 は 低 下 する (5) 〇 尿 素 は 肝 臓 においてアンモニアから 尿 素 サイクルによって 合 成 される たんぱく 質 が 異 化 されるときに 発 生 する 有 害 なアンモニアを 処 理 する 仕 組 みである 尿 素 は 主 に 腎 臓 から 尿 中 に 排 泄 さ れる 尿 素 窒 素 は 尿 素 に 含 まれる 窒 素 を 測 定 したものである 慢 性 腎 不 全 では 腎 臓 からの 尿 素 の 排 泄 が 減 少 するので 血 清 尿 素 窒 素 値 は 上 昇 する 正 解 (5) 19

25-140 腹 膜 透 析 患 者 の 食 事 療 法 に 関 する 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 総 エネルギー 摂 取 量 は 30 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 とする (2)たんぱく 質 は 0.6g/kg 標 準 体 重 / 日 とする (3)カリウムは 800 mg/ 日 以 下 とする (4) 水 分 は 前 日 尿 量 に 500 mlを 加 えた 量 とする (5)カルシウムは 300 mg/ 日 以 下 とする (1) 〇 1998 年 の 腎 疾 患 の 生 活 指 導 食 事 療 法 ガイドライン ( 日 本 腎 臓 学 会 )では 透 析 液 から の 腹 膜 吸 収 分 も 含 めて 29~34 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 であり エネルギー 摂 取 量 は 肥 満 者 では 減 らし 栄 養 障 害 者 では 増 やす という( 注 )がついていた 同 じく 日 本 腎 臓 学 会 の 慢 性 腎 臓 病 に 対 する 食 事 療 法 基 準 2007 年 版 では 27~39 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 になり 厚 生 労 働 省 策 定 の 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 (2005 年 版 ) と 同 一 とする 性 別 年 齢 身 体 活 動 レベルにより 推 定 エネルギー 必 要 量 は 異 なる 透 析 液 か らの 吸 収 エネルギー 分 を 差 し 引 く という( 注 )がついた 2009 年 版 日 本 透 析 医 学 会 腹 膜 透 析 ガイド ライン では 30~35 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 を 目 安 にする となった さて どうしよう いずれの 基 準 であっても 30 kcal/kg 標 準 体 重 / 日 が 含 まれているので よしとするか しかし 個 別 にエネルギー 量 を 設 定 するのが 原 則 なのに 1 つの 値 しか 書 いていない 選 択 肢 を 正 解 にできるのか 疑 問 である ちなみに 腹 膜 からのブドウ 糖 吸 収 エネルギー 量 は 使 用 透 析 液 濃 度 総 使 用 液 量 貯 留 時 間 腹 膜 機 能 などの 影 響 を 受 ける 1.5%ブドウ 糖 濃 度 液 2l 4 時 間 貯 留 では 約 70 kcalが 2.5%ブドウ 糖 濃 度 液 2l 4 時 間 貯 留 では 約 120 kcalが 4.25%ブドウ 糖 濃 度 液 2l 4 時 間 貯 留 では 約 220 kcalが 吸 収 される (2) たんぱく 質 は 慢 性 腎 臓 病 に 対 する 食 事 療 法 基 準 2007 年 版 では 1.1~1.3g/kg/ 日 であっ たが 2009 年 版 日 本 透 析 医 学 会 腹 膜 透 析 ガイドライン では 0.9~1.2g/kg/ 日 を 目 標 とすることが 推 奨 されている この 理 由 は 以 前 は 透 析 液 中 へのたんぱく 質 の 喪 失 を 考 慮 して 1.1 1.3 /kg/day と されていたが わが 国 では 栄 養 状 態 が 良 好 に 維 持 されている 腹 膜 透 析 患 者 のたんぱく 質 摂 取 量 は 0.9 / kg/day であること 1.2 /kg/day 以 上 の 症 例 はほとんどいないこと だそうだ (3) カリウムは 1998 年 の 腎 疾 患 の 生 活 指 導 食 事 療 法 ガイドライン では 2.0~2.5g/ 日 で あったが 慢 性 腎 臓 病 に 対 する 食 事 療 法 基 準 2007 年 版 では 制 限 せずになった ただし 高 カリ ウム 血 症 では 血 液 透 析 と 同 様 に 制 限 という( 注 )がついている 血 液 透 析 では 2,000 mg/ 日 以 下 に 制 限 する (4) 水 分 は 慢 性 腎 臓 病 に 対 する 食 事 療 法 基 準 2007 年 版 では 尿 量 + 除 水 量 となっている (5) カルシウムは 1998 年 の 腎 疾 患 の 生 活 指 導 食 事 療 法 ガイドライン では 600 mg/ 日 とな っていたが 慢 性 腎 臓 病 に 対 する 食 事 療 法 基 準 2007 年 版 では カルシウム 含 有 薬 物 が 内 服 処 方 され る 機 会 が 多 く その 場 合 には 食 事 での 摂 取 量 を 規 定 しても 無 意 味 となるために 提 示 しないことになった 正 解 (1) 20

25-141 クッシング 症 候 群 の 病 態 である 正 しいのはどれか (1) 免 疫 能 亢 進 (2) 低 血 糖 (3) 低 血 圧 (4) 骨 粗 鬆 症 (5)やせ クッシング 症 候 群 は 慢 性 のグルココルチコイド 過 剰 分 泌 により 中 心 性 肥 満 高 血 圧 低 K 血 症 代 謝 性 アルカローシスなどが 出 現 する 疾 患 である 下 垂 体 の ACTH 過 剰 分 泌 が 原 因 である 場 合 をクッ シング 病 という クッシング 病 の 80~90%は 下 垂 体 の ACTH 産 生 腺 腫 が 原 因 である 副 腎 の 過 形 成 ま たは 腺 腫 によりグルココルチコイド 過 剰 産 生 が 原 因 である 場 合 を 狭 義 のクッシング 症 候 群 という クッ シング 病 と 副 腎 腺 腫 の 頻 度 は 約 1:1 である 20~40 歳 代 の 女 性 に 多 い( 男 女 比 1.3:5) 症 状 では 中 心 性 肥 満 満 月 様 顔 貌 水 牛 様 脂 肪 沈 着 皮 膚 線 条 多 毛 症 座 瘡 (にきび) 月 経 異 常 ( 無 月 経 ) 高 血 圧 ( 過 剰 のグルココルチコイドによりミネラルコルチコイド 様 の 作 用 が 出 現 する) 四 肢 の 筋 萎 縮 筋 力 低 下 骨 粗 鬆 症 などがある 検 査 所 見 では 血 中 コルチゾール 高 値 (デキサメタゾン 抑 制 試 験 でも 抑 制 されない) ACTH(クッ シング 病 では 高 値 副 腎 腺 腫 では 低 値 ) 赤 血 球 と 白 血 球 増 加 (リンパ 球 と 好 酸 球 は 減 少 ) 耐 糖 能 障 害 高 コレステロール 血 症 低 K 血 症 代 謝 性 アルカローシスなどがある (1) 副 腎 皮 質 ホルモンは 臓 器 移 植 などの 時 に 拒 絶 反 応 を 抑 制 する 目 的 で 使 用 する よって 免 疫 能 を 抑 制 する (2) 副 腎 皮 質 ホルモンは インスリンの 作 用 を 抑 制 し 肝 臓 での 糖 新 生 を 亢 進 する よって 耐 糖 能 異 常 が 出 現 し 高 血 糖 となる (3) Na の 貯 留 体 液 量 の 増 加 により 高 血 圧 となる (4) 〇 副 腎 皮 質 ホルモンは 腸 管 での Ca 吸 収 の 抑 制 腎 での Ca 再 吸 収 抑 制 により 二 次 性 副 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 を 引 き 起 こす 骨 組 織 に 対 しても 骨 芽 細 胞 の 活 動 を 抑 制 し 破 骨 細 胞 の 活 動 を 亢 進 させ るので 骨 粗 鬆 症 が 出 現 する (5) 手 足 の 骨 格 筋 と 脂 肪 組 織 の 減 少 により 手 足 は 細 いが 体 幹 には 脂 肪 が 沈 着 し 中 心 性 肥 満 に なる 正 解 (4) 21

25-142 神 経 性 食 思 不 振 症 に 関 する 記 述 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a BMI は 22kg/m 2 以 上 である b 性 周 期 は 正 常 である c 体 温 は 低 下 する d 隠 れ 食 いがみられる (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d 神 経 性 食 思 不 振 症 は 肉 体 的 に 原 因 がなく 心 因 的 な 理 由 から 拒 食 に 陥 り 極 度 のやせをきたす 疾 患 である 診 断 基 準 ( 厚 生 省 1990)は 以 下 のとおりである 1 標 準 体 重 の-20% 以 上 のやせ(3 ヵ 月 以 上 ) 2 食 行 動 の 異 常 ( 不 食 多 食 隠 れ 食 い など) 3 体 重 や 体 型 についてゆがんだ 認 識 ( 体 重 の 増 加 に 対 する 極 端 な 恐 怖 など) 4 発 症 年 齢 :30 歳 以 下 (ほとんどが 25 歳 以 下 まれに 30 歳 以 上 の 初 発 がある) 5( 女 性 ならば) 無 月 経 (その 他 の 身 体 症 状 としては うぶ 毛 密 生 徐 脈 便 秘 低 血 圧 低 体 温 浮 腫 などを 伴 うことがある ときに 男 性 例 がある) 6やせの 原 因 と 考 えられる 器 質 性 疾 患 がない 精 神 分 裂 病 による 奇 異 な 拒 食 うつ 病 による 食 欲 不 振 単 なる 心 因 反 応 ( 身 内 の 死 亡 など)による 一 時 的 な 摂 食 低 下 などを 鑑 別 する a BMI が 22 以 上 では やせとは 言 わない b 無 月 経 が 出 現 する c 〇 エネルギー 不 足 により 基 礎 代 謝 が 低 下 するので 低 体 温 になる その 他 検 査 所 見 として 貧 血 低 タンパク 血 症 低 カリウム 血 症 ( 下 剤, 利 尿 薬 の 乱 用 )など 低 栄 養 の 所 見 が 出 現 する d 〇 不 食 多 食 隠 れ 食 いなどの 食 行 動 の 異 常 がみられる 正 解 (5) 22

25-143 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 (COPD)に 関 する 病 態 である 正 しいのはどれか (1) 安 静 時 エネルギー 消 費 量 の 低 下 (2) 肺 の 過 膨 張 (3) 血 中 酸 素 分 圧 の 上 昇 (4) 血 中 二 酸 化 炭 素 分 圧 の 低 下 (5) 全 身 筋 肉 量 の 増 加 (1) 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 (COPD)では 呼 吸 困 難 が 出 現 する そのため 安 静 時 であっても 努 力 して 呼 吸 を 行 うために エネルギー 消 費 量 は 増 加 している (2) 〇 COPD は 非 可 逆 的 に 気 道 が 閉 塞 する 疾 患 である 空 気 を 吸 い 込 むときは 肺 が 膨 張 するの で 気 道 も 開 く しかし 空 気 を 吐 き 出 すときは 肺 が 収 縮 するので 気 道 も 押 しつぶされて 閉 塞 する そのため 肺 胞 に 入 った 空 気 を 吐 き 出 せなくなる このように 空 気 を 吸 い 込 むことはできるが 吐 き 出 すことができないので 肺 の 中 に 残 る 空 気 が 増 加 して 過 膨 張 が 起 きる (3) COPD では 十 分 な 換 気 が 行 えないことに 加 えて 肺 の 過 膨 張 により 肺 胞 の 構 造 が 破 壊 され るために 肺 胞 でのガス 交 換 が 障 害 される その 結 果 酸 素 の 取 り 込 みが 低 下 した 血 中 酸 素 分 圧 は 低 下 する 酸 素 分 圧 というとわかりにくいかもしれないが 血 液 に 溶 け 込 んでいる 酸 素 の 量 と 思 えばよい (4) 肺 胞 のガス 交 換 の 障 害 により 二 酸 化 炭 素 の 排 泄 が 障 害 されるために 血 中 二 酸 化 炭 素 分 圧 はは 上 昇 する (5) COPD では 安 静 エネルギー 消 費 量 が 増 加 している これに 食 欲 低 下 によるエネルギー 摂 取 量 の 低 下 が 加 わるので タンパク 質 エネルギー 欠 乏 症 (protein energy malnutrition PEM)をき たしやすい このため 骨 格 筋 の 異 化 が 亢 進 し 全 身 筋 肉 量 は 減 少 する 肺 の 過 膨 張 により 横 隔 膜 が 押 し 下 げられるため 腹 部 膨 満 感 が 出 現 し これも 摂 食 量 の 減 少 につながる 食 事 指 導 では 少 量 頻 回 食 を 指 導 する 正 解 (2) 23

25-144 貧 血 についての 記 述 である 正 しいのはどれか (1) 血 中 ヘモグロビン 値 が 低 値 の 時 は 貯 蔵 鉄 は 充 足 している (2) 血 中 エリスロポイエチン 値 の 減 少 により 小 球 性 低 色 素 性 貧 血 を 起 こす (3) 胃 切 除 後 の 悪 性 貧 血 は 手 術 直 後 に 起 こる (4) 体 内 の 貯 蔵 鉄 が 減 少 していると 鉄 の 吸 収 率 は 低 下 する (5) 非 ヘム 鉄 は ビタミン C の 同 時 摂 取 により 吸 収 率 が 上 昇 する (1) 鉄 欠 乏 性 貧 血 で 血 中 ヘモグロビン 値 が 低 値 の 時 は 貯 蔵 鉄 が 減 少 している 体 内 の 鉄 が 欠 乏 すると まず 貯 蔵 鉄 が 減 少 し 貯 蔵 鉄 が 枯 渇 すると ヘモグロビン 合 成 が 障 害 されて 貧 血 となる さら に 鉄 欠 乏 が 進 行 すると 組 織 鉄 が 欠 乏 する (2) エリスロポイエチンは 骨 髄 での 赤 血 球 産 生 を 促 進 するホルモンである エリスロポイエチ ンが 減 少 すると 骨 髄 での 赤 血 球 産 生 は 低 下 するが 一 つひとつの 赤 血 球 は 正 常 な 形 態 をしているので 正 球 性 正 色 素 性 貧 血 になる (3) 悪 性 貧 血 は ビタミン B12 欠 乏 によって 起 こる ビタミン B12 は 胃 壁 細 胞 から 分 泌 される 内 因 子 に 結 合 して 回 腸 で 吸 収 されるので 胃 切 除 後 にはビタミン B12 の 吸 収 障 害 が 出 現 する しかし 肝 臓 には 数 年 分 のビタミン B12 が 貯 蔵 されているので 悪 性 貧 血 が 出 現 するのは 胃 切 除 後 数 年 たってから である (4) 体 内 の 貯 蔵 鉄 が 減 少 すると 体 はそれを 補 充 しようとして 鉄 の 吸 収 率 は 上 昇 する 通 常 食 事 中 の 鉄 の 吸 収 率 は 10% 程 度 であるが 鉄 欠 乏 時 には 30%くらいになるといわれている (5) 〇 野 菜 などに 多 く 含 まれる 非 ヘム 鉄 は 胃 酸 によりイオン 化 され Fe 3+ から Fe 2+ ( 可 溶 性 )に 還 元 される Fe 2 + は ビタミン C 糖 質 アミノ 酸 と 結 合 して 可 溶 性 維 持 しつつ 十 二 指 腸 に 運 ばれて 吸 収 される 遊 離 の 鉄 イオンは ph7.0 では 不 溶 性 となり 吸 収 されない ビタミン C は 鉄 の 可 溶 化 と Fe 2 + への 還 元 を 促 進 するので 鉄 吸 収 を 促 進 する 肉 などに 多 く 含 まれるヘム 鉄 は そのままの 形 で 吸 収 されるので 吸 収 率 がよい 正 解 (5) 24

25-145 骨 粗 鬆 症 のリスクである 正 しいのはどれか (1) 果 糖 摂 取 不 足 (2)エイコサペンタエン 酸 摂 取 不 足 (3)ビタミン D 摂 取 不 足 (4)ビタミン B1 摂 取 不 足 (5)カリウム 摂 取 不 足 (1) 食 物 として 摂 取 したフルクトースは 肝 臓 においてフルクトース 1 リン 酸 を 経 て グリセ ルアルデヒド 3 リン 酸 となって 解 糖 系 に 入 る よって 果 糖 の 摂 取 不 足 があっても グルコース (でんぷん)の 摂 取 不 足 がなければ 何 の 問 題 もない 果 糖 を 過 剰 に 摂 取 した 場 合 は グリセルアルデ ヒドからグリセロールを 経 てトリグリセリド 合 成 に 利 用 されるので 高 トリグリセリド 血 症 の 人 は 摂 取 を 控 えた 方 がいい 動 脈 硬 化 性 疾 患 予 防 ガイドライン 2007 年 版 では 果 物 の 摂 取 量 は 1 日 80~100 kcal 以 内 が 望 ましいとしている 摂 取 不 足 と 骨 粗 鬆 症 との 関 連 はない (2) エイコサペンタエン 酸 は n 3 系 多 価 不 飽 和 脂 肪 酸 の 1 種 で 魚 油 に 多 く 含 まれている 血 清 脂 質 の 改 善 作 用 血 圧 低 下 作 用 血 液 凝 固 抑 制 作 用 血 管 内 皮 機 能 改 善 作 用 など 動 脈 硬 化 症 の 予 防 効 果 が 期 待 できるので 摂 取 不 足 にならないようにすることが 勧 められる 摂 取 不 足 と 骨 粗 鬆 症 との 関 連 はない (3) 〇 ビタミン D は 小 腸 でのカルシウム 吸 収 を 促 進 する ビタミン D 摂 取 不 足 では 腸 管 でのカ ルシウム 吸 収 の 減 少 し 血 清 カルシウム 濃 度 が 低 下 する その 結 果 副 甲 状 腺 機 能 から 副 甲 状 腺 ホルモ ン(パラソルモン)が 分 泌 されて 骨 吸 収 が 促 進 する その 結 果 骨 粗 鬆 症 が 出 現 する (4) ビタミン B1 摂 取 不 足 では 脚 気 ウェルニッケ コルサコフ 症 候 群 が 出 現 する (5) カリウム 摂 取 不 足 では 低 カリウム 血 症 になり 食 欲 不 振 筋 力 低 下 低 血 圧 不 整 脈 頻 脈 心 電 図 異 常 (T 波 平 低 )などが 出 現 する 摂 取 不 足 と 骨 粗 鬆 症 との 関 連 はない 正 解 (3) 25

25-146 短 腸 症 候 群 に 関 する 記 述 である 誤 っているのはどれか (1) 成 人 では 残 存 小 腸 の 長 さが 150cm 以 下 である (2) 症 状 に 下 痢 がある (3)クローン 病 は 原 因 疾 患 である (4) 在 宅 静 脈 栄 養 法 の 適 応 となる (5) 経 口 摂 取 は 不 可 能 である (1) 〇 小 腸 を 大 量 切 除 することにより 残 った 小 腸 が 短 くなる 小 腸 が 短 くなれば 栄 養 素 を 吸 収 する 面 積 が 狭 くなるので 消 化 吸 収 障 害 が 出 現 する このような 状 態 を 短 腸 症 候 群 という 一 般 に 小 腸 の 70~80%が 切 除 されると 消 化 吸 収 障 害 による 栄 養 障 害 が 出 現 する 小 腸 の 長 さは 小 児 で 200 ~250 cm 成 人 で 500~600 cmなので 短 腸 症 候 群 の 診 断 基 準 としては 小 児 で 75 cm 以 下 成 人 で 150 cm 以 下 が 用 いられている (2) 〇 短 腸 症 候 群 の 症 状 は 消 化 吸 収 障 害 による 消 化 管 の 症 状 と 栄 養 障 害 による 全 身 症 状 が 出 現 す る 消 化 管 症 状 としては 下 痢 が 最 も 多 い 全 身 症 状 としては 体 重 減 少 脱 水 PEM(protein-energy malnutrition)が 出 現 する (3) 〇 短 腸 症 候 群 の 原 因 疾 患 としては 成 人 では 上 腸 間 膜 動 脈 血 栓 症 クローン 病 外 傷 絞 扼 性 イレウスが 多 い 小 児 では 壊 死 性 腸 炎 中 腸 軸 捻 転 多 発 性 小 腸 閉 塞 ヒルシュスルング 病 が 多 い (4) 〇 術 後 早 期 は 下 痢 により 多 量 の 水 と 電 解 質 が 失 われ 栄 養 素 の 消 化 吸 収 障 害 が 著 しいので 中 心 静 脈 栄 養 法 (TPN)を 実 施 する 術 後 1~3 か 月 は 残 存 腸 管 の 機 能 が 亢 進 し 下 痢 が 治 まってく る この 時 期 は 経 腸 栄 養 法 を 導 入 することにより 残 存 腸 管 粘 膜 の 機 能 改 善 を 図 る 術 後 3~12 か 月 は 残 存 腸 管 の 適 応 が 進 み TPN から 経 腸 栄 養 法 への 離 脱 を 目 指 した 治 療 が 行 われる しかし 残 存 腸 管 の 長 さ 適 応 の 程 度 により すべての 患 者 が TPN から 離 脱 できるわけではない その 場 合 在 宅 静 脈 栄 養 法 が 適 応 となる (5) 術 後 早 期 は 消 化 吸 収 期 のが 著 しく 低 下 するので 経 口 摂 取 はできないが 術 後 数 か 月 のう ちに 残 像 腸 管 粘 膜 の 再 生 肥 厚 機 能 亢 進 などによる 適 応 が 起 こり 下 痢 を 起 こすことなく 経 口 摂 取 を 行 うことが 可 能 となる 経 腸 栄 養 法 には 残 存 腸 管 の 適 応 を 促 進 する 作 用 がある 正 解 (5) 26

25-147 嚥 下 過 程 と 嚥 下 機 能 に 関 する 組 合 せである 誤 っているのはどれか (1) 先 行 期 - 食 物 の 認 知 (2) 準 備 期 - 食 物 の 捕 捉 (3) 口 腔 期 - 咀 嚼 (4) 咽 頭 期 - 呼 吸 の 一 時 停 止 (5) 食 道 期 - 食 道 通 過 (1) 〇 先 行 期 ( 第 1 期 )は 食 物 を 口 に 入 れる 前 の 過 程 である 視 覚 触 覚 嗅 覚 により 食 物 を 認 知 し 食 べるものの 選 択 量 の 決 定 をする (2) 〇 準 備 期 ( 第 2 期 )は 摂 取 した 食 物 を 咽 頭 に 送 るまでの 時 期 をいう 捕 食 と 咀 嚼 (chewing) が 主 な 動 きである 捕 食 には 口 唇 による 取 り 込 みと 前 歯 による 裁 断 が 重 要 である 咀 嚼 ( 臼 歯 の 運 動 ) により 食 物 と 唾 液 を 混 和 して 嚥 下 できる 状 態 まで 加 工 する (3) 口 腔 期 ( 第 3 期 )は 咀 嚼 により 加 工 された 食 物 から 食 塊 を 形 成 して 咽 頭 へ 送 るまでの 時 期 をいう 口 腔 の 前 方 から 舌 を 口 蓋 に 押 し 付 けながら 食 塊 を 後 方 に 送 る 先 行 期 から 口 腔 期 までは 随 意 運 動 である (4) 〇 咽 頭 期 ( 第 4 期 )は 嚥 下 反 射 (swallowing reflex)により 咽 頭 の 食 塊 を 食 道 入 口 に 送 り 込 む 時 期 である これは 不 随 意 運 動 によって 行 われる 嚥 下 反 射 は 食 塊 が 咽 頭 粘 膜 を 刺 激 することによ って 起 こる 嚥 下 反 射 では 軟 口 蓋 の 上 昇 による 鼻 腔 との 連 絡 遮 断 喉 頭 筋 群 の 収 縮 による 声 門 の 閉 鎖 呼 吸 の 一 時 停 止 輪 状 咽 頭 筋 の 弛 緩 による 食 道 入 口 の 拡 大 などが 起 こる 輪 状 咽 頭 筋 は 上 部 食 道 括 約 筋 として 働 いている 嚥 下 反 射 に 関 わる 筋 肉 はすべて 横 紋 筋 である 嚥 下 中 枢 は 延 髄 にある (5) 〇 食 道 期 ( 第 5 期 )は 食 道 に 侵 入 した 食 塊 を 胃 に 移 送 する 時 期 である 食 塊 は 食 道 の 蠕 動 運 動 によって 移 送 が 促 進 される 正 解 (3) 27

25-148 ガラクトース 血 症 の 治 療 である 正 しいのはどれか (1)ショ 糖 除 去 (2) 果 糖 除 去 (3) 乳 糖 除 去 (4)メチオニン 除 去 (5)ヒスチジン 除 去 (1) ガラクトース 血 症 の 原 因 は ガラクトース 1 リン 酸 ウリジルトランスフェラーゼの 欠 損 で ある この 酵 素 は ガラクトース 1 リン 酸 と UDP グルコースから UDP ガラクトース+グルコ ース 1 リン 酸 を 生 成 する UDP ガラクトースは UDP グルコースに 変 換 される こうして 体 内 に 吸 収 されたガラクトースは グルコースに 変 換 されて 利 用 される ガラクトース 血 症 では 血 中 の ガラクトース 濃 度 とガラクトース-1-リン 酸 濃 度 が 上 昇 し 尿 中 への 排 泄 も 増 加 する 症 状 として 嘔 吐 下 痢 黄 疸 肝 硬 変 白 内 障 知 能 障 害 などが 出 現 する 常 染 色 体 劣 性 遺 伝 する 頻 度 は 新 生 児 約 4 万 人 に 1 人 である 治 療 が ガラクトースを 多 く 含 む 食 品 を 避 けることである ショ 糖 は グル コースとフルクトースからなる 二 糖 類 なので 除 去 する 必 要 はない (2) 果 糖 は フルクトースなので 除 去 する 必 要 はない (3) 〇 乳 糖 は グルコースとガラクトースの 二 糖 類 なので ガラクトース 血 症 では 乳 糖 を 除 去 す る (4) メチオニンは アミノ 酸 なので 除 去 する 必 要 はない ホモシスチン 尿 症 では 低 メチオニ ン 高 シツチン 食 とする (5) ヒスチジンは アミノ 酸 なので 除 去 する 必 要 はない 以 前 は ヒスチジン 血 症 で 低 ヒスチ ジン 食 としたが 現 在 は 血 中 ヒスチジン 濃 度 と 症 状 の 間 に 関 連 が 認 められないことから 治 療 しない ことになっている 平 成 4 年 からは 新 生 児 マススクリーニングから 除 外 されている 正 解 (3) 28

25-149 2 型 糖 尿 病 と 比 べた 1 型 糖 尿 病 の 病 態 治 療 の 特 徴 である 正 しいのはどれか (1) 肥 満 症 が 多 い (2) 抗 ランゲルハンス 島 抗 体 が 陽 性 (3) 遺 伝 因 子 が 濃 厚 (4) 尿 中 C ペプチド 値 が 上 昇 (5) 経 口 血 糖 降 下 薬 の 使 用 (1) 2 型 糖 尿 病 は インスリン 分 泌 不 全 とインスリン 抵 抗 性 によって 高 血 糖 をきたす インスリン 抵 抗 性 と 肥 満 には 関 連 があり 2 型 糖 尿 病 患 者 には 肥 満 を 伴 っていることが 多 い ただし 全 員 が 肥 満 というわけではない 1 型 糖 尿 病 の 原 因 は 免 疫 異 常 による 膵 ランゲルハンス 島 の 破 壊 による 絶 対 的 イン スリン 不 足 である よって 原 則 としてインスリン 抵 抗 性 はないと 考 えられており 肥 満 との 関 連 もな い (2) 〇 1 型 糖 尿 病 の 原 因 は 膵 ランゲルハンス 島 に 対 する 自 己 抗 体 が 産 生 されて 細 胞 障 害 性 T 細 胞 によりランゲルハンス 島 が 破 壊 されることである 自 己 抗 体 としては 膵 島 細 胞 抗 体 (ICA) 膵 島 細 胞 膜 抗 体 (ICSA) 抗 グルタミン 酸 脱 炭 酸 酵 素 (Glutamic acid decarboxylase GAD) 抗 体 など が 出 現 する ウイルス 感 染 や 食 事 抗 原 などの 外 来 抗 原 に 対 して 産 生 された 抗 体 が 良 く 似 た 体 内 の 抗 原 を 攻 撃 すると 考 えられている これを 分 子 相 同 性 仮 説 という (3) 1 卵 生 双 生 児 の 調 査 から 一 方 が 糖 尿 病 を 発 症 した 場 合 他 方 も 糖 尿 病 を 発 症 する 確 率 は 1 型 糖 尿 病 で 約 50% 2 型 糖 尿 病 で 約 90%とされている このことから 2 型 糖 尿 病 の 方 が 遺 伝 因 子 が 濃 厚 である (4) インスリンは 1 本 のペプチドであるプロインスリンとして 合 成 される その 後 ゴルジ 装 置 から 分 泌 顆 粒 へ 移 動 する 間 にプロセッシングを 受 けて A 鎖 B 鎖 C 鎖 の 3 本 に 分 かれる このうち A 鎖 と B 鎖 が S-S 結 合 でつながれインスリン 分 子 になる 残 った C 鎖 が C ペプチドである インス リンが 分 泌 される 際 C ペプチドも 等 モル 分 泌 されることから 尿 中 C ペプチド 排 泄 量 はインスリン 分 泌 量 を 反 映 している 1 型 糖 尿 病 では 絶 対 的 インスリン 分 泌 不 足 になるので 尿 中 C ペプチド 濃 度 は 低 下 する (5) 経 口 血 糖 降 下 薬 は インスリン 分 泌 能 がある 程 度 保 たれている 2 型 糖 尿 病 で 使 用 する 正 解 (2) 29

25-150 妊 娠 高 血 圧 症 候 群 に 関 する 病 態 である 正 しいものの 組 合 せはどれか a 血 圧 150/100mmHg b 尿 量 3,000mL/ 日 c 尿 たんぱく 量 1g/ 日 d てんかん (1)a と b(2)a と c(3)a と d(4)b と c(5)c と d 妊 娠 高 血 圧 症 候 群 の 定 義 は 妊 娠 20 週 以 降 分 娩 後 20 週 まで 高 血 圧 がみられる 場 合 または 高 血 圧 に 蛋 白 尿 を 伴 う 場 合 のいずれかで かつこれらの 症 状 が 単 なる 妊 娠 の 偶 発 合 併 症 によるものではない もの である 病 態 として 血 管 の 攣 縮 が 考 えられている 全 身 の 血 管 で 攣 縮 が 起 これば 末 梢 血 管 抵 抗 が 上 昇 して 高 血 圧 が 出 現 する 腎 血 管 系 の 攣 縮 が 起 これば たんぱく 尿 や 腎 機 能 障 害 が 出 現 する 脳 血 管 系 で 攣 縮 が 起 これば 子 癇 や 脳 内 出 血 が 出 現 する a 〇 血 圧 140/90mmHg 以 上 を 高 血 圧 というので 正 しい b 腎 機 能 が 低 下 し 体 液 は 貯 留 傾 向 にあるので 3,000 mlまで 尿 量 がぞうかすることはない c 〇 尿 たんぱくが 検 出 されているので 正 しい d 重 症 の 妊 娠 高 血 圧 症 候 群 では 全 身 の 痙 攣 や 意 識 消 失 が 起 こることがある これを 子 癇 という 脳 血 管 系 の 攣 縮 が 原 因 で 起 こるもので てんかんによる 痙 攣 ではない 正 解 (2) 30