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●電力自由化推進法案

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

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要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に


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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

〔自 衛 隊〕

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3 避 難 状 況 避 難 指 示 避 難 勧 告 都 道 府 県 名 市 区 町 村 名 指 示 日 時 勧 告 日 時 青 森 県 岩 手 県 山 形 県 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 鰺 ヶ 沢 町 月 16 日 12 時 55 分 10 月 22 日 10 時 00 分

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定款  変更

16 日本学生支援機構

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

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(8) 日 本 国 籍 を 有 し 日 本 国 憲 法 及 びその 下 に 成 立 した 政 府 を 暴 力 等 で 破 壊 すること を 主 張 する 団 体 等 その 他 を 結 成 し 又 は 加 入 し 若 しくは 協 力 していないことを 証 明 又 は 誓 約 し 若 しくは 保 証 で

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国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

Transcription:

反 論 書 (7) 平 成 28 年 4 月 4 日 審 査 申 出 人 は 国 地 方 係 争 処 理 委 員 会 の 審 査 の 手 続 きに 関 する 規 則 第 7 条 に 基 づき 反 論 書 を 提 出 する 国 地 方 係 争 処 理 委 員 会 御 中 審 査 申 出 人 代 理 人 弁 護 士 竹 下 勇 夫 同 久 保 以 明 同 秀 浦 由 紀 子 同 亀 山 聡 同 松 永 和 宏 同 加 藤 裕 同 仲 西 孝 浩

埋 立 必 要 理 由 に 実 証 的 根 拠 がないことについては 反 論 書 (6)におい て 示 した 通 りであるが 本 書 面 においては 答 弁 書 2の 第 3.4(イ) における 相 手 方 主 張 ( 地 理 的 優 位 性 米 軍 海 兵 隊 の 一 体 的 運 用 の 必 要 性 抑 止 力 盾 と 矛 論 )に 関 して 主 張 を 補 足 する 目 次 第 1 海 兵 隊 航 空 ( 輸 送 ヘリ オスプレイ 部 隊 ) 基 地 についての 日 本 本 土 との 対 比 における 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 の 実 証 的 根 拠 は 示 されていないこと... 4 1 日 本 本 土 沖 縄 は 大 陸 沿 岸 の 一 連 の 島 嶼 弧 を 形 成 すること... 4 2 南 西 諸 島 の 中 心 に 位 置 することをもって 海 兵 隊 輸 送 航 空 機 基 地 が 沖 縄 になければならないとすることの 不 合 理 性... 5 (1) 南 西 諸 島 のみを 取 り 上 げることの 不 合 理 性... 5 (2) 島 嶼 防 衛 の 必 要 性 と 海 兵 隊 航 空 基 地 が 沖 縄 に 所 在 しなければな らない 必 然 性 がなんら 具 体 的 合 理 的 に 説 明 されていないこと... 6 (3) シーレーン 防 衛 と 沖 縄 県 内 への 海 兵 隊 輸 送 機 の 駐 留 の 必 然 性 に ついての 合 理 的 根 拠 が 示 されていないこと... 10 (4) 台 湾 海 峡 との 関 係 ( 南 西 諸 島 の 島 嶼 防 衛 )について... 15 3 朝 鮮 半 島 やその 他 の 地 域 に 関 する 相 手 方 主 張 の 不 合 理 性 不 誠 実 性... 17 (1) 朝 鮮 半 島 有 事 と 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 について 何 ら 合 理 的 な 説 明 がなされていないこと... 17 (2) ロシアなどについて 一 切 触 れないという 恣 意 性... 23 1

4 我 が 国 周 辺 のそれぞれの 潜 在 的 紛 争 地 域 との 関 係 で 相 対 的 に 近 い ( 近 すぎない) 位 置 にある との 主 張 について... 26 (1) 相 手 方 の 主 張... 26 (2) パンフレット( 甲 D1) 9 頁 について... 27 (3) 一 川 防 衛 大 臣 による 第 1 次 回 答 ( 甲 D4) 5~6 頁 について. 28 第 2 揚 陸 艦 の 母 港 は 日 本 本 に 所 在 していることに 関 する 相 手 方 の 主 張 が 不 合 理 であること... 30 1 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 にかかる 主 張 の 非 論 理 性... 30 (1) 審 査 申 出 人 は 強 襲 上 陸 のみを 根 拠 としていないこと... 30 2 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 以 外 の 任 務 も 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われること... 34 (1) はじめに... 34 (2) 海 兵 隊 ウェブサイトや 元 防 衛 大 臣 の 著 書... 35 (3) 31MEUが 実 際 に 行 った 任 務 の 内 容... 36 (4) CH 46E の 行 動 半 径 から 判 明 すること... 37 (5) 海 兵 隊 の 根 拠 法 令 からも 海 軍 艦 船 に 搭 乗 して 行 う 任 務 が 主 任 務 であるといえること... 38 (6) 小 括... 40 3 相 手 方 の 主 張 する 事 例 について... 41 (1) 平 成 25 年 台 風 30 号 によるフィリピンの 台 風 被 害 への 救 援 活 動 (ダマヤン 作 戦 )について... 41 (2) イラクへの 輸 送 ヘリ 部 隊 の 派 遣 について... 42 第 3 抑 止 力 及 び 矛 という 主 張 について... 43 1 抑 止 力 という 主 張 について... 43 (1) 相 手 方 の 主 張... 43 (2) 抑 止 力 維 持 のために 海 兵 隊 の 配 置 場 所 が 沖 縄 でなければならな 2

いとする 相 手 方 主 張 の 非 論 理 性... 43 2 矛 という 主 張 について... 46 (1) 相 手 方 の 矛 という 主 張... 46 (2) 矛 という 主 張 は 海 兵 隊 が 沖 縄 に 配 備 されなければならないこ との 根 拠 とはならないこと... 46 3

第 1 海 兵 隊 航 空 ( 輸 送 ヘリ オスプレイ 部 隊 ) 基 地 についての 日 本 本 土 との 対 比 における 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 の 実 証 的 根 拠 は 示 されていない こと 1 日 本 本 土 沖 縄 は 大 陸 沿 岸 の 一 連 の 島 嶼 弧 を 形 成 すること 安 保 条 約 は 日 本 国 と 米 国 との 間 で 締 結 をされているものであり 日 本 国 全 体 の 問 題 であるが 埋 立 必 要 理 由 書 は 沖 縄 に 高 い 機 動 力 と 即 応 性 を 有 し 様 々な 緊 急 事 態 への 対 処 を 担 当 する 米 海 兵 隊 をはじ めとする 米 軍 が 駐 留 していることは わが 国 の 安 全 のみならずアジア 太 平 洋 地 域 の 平 和 と 安 定 に 大 きく 寄 与 している として 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 辺 野 古 における 埋 立 ての 根 拠 としている( 答 弁 書 2 65 頁 ) しかし 沖 縄 を 含 めた 広 義 の 日 本 列 島 がアジア 太 平 洋 地 域 において 大 陸 沿 岸 の 一 連 の 島 嶼 弧 を 形 成 しているものである アジア 太 平 洋 地 域 の 大 陸 沿 岸 の 島 嶼 弧 に 米 軍 基 地 が 必 要 であるとし ても それは 日 本 国 に 米 軍 基 地 を 置 くこと すなわち 日 本 国 内 に 基 地 を 提 供 することを 内 容 とする 安 全 保 障 条 約 の 根 拠 になるとしても 自 動 的 に 日 本 国 内 で 米 軍 基 地 が 沖 縄 に 所 在 しなければならないことの 根 拠 とはならない 4

2 南 西 諸 島 の 中 心 に 位 置 することをもって 海 兵 隊 輸 送 航 空 機 基 地 が 沖 縄 になければならないとすることの 不 合 理 性 (1) 南 西 諸 島 のみを 取 り 上 げることの 不 合 理 性 相 手 方 は 沖 縄 島 が 南 西 諸 島 の 中 心 にあることを 主 張 する( 答 弁 書 2 65 頁 以 下 ) しかし 南 西 諸 島 が 重 要 であるとしても 日 本 本 土 の 他 の 地 域 は 重 要 ではない あるいは 朝 鮮 半 島 は 重 要 ではないというのであろう か また 日 本 国 の 国 境 や 領 土 問 題 は 南 西 にのみ 所 在 するもので はない 日 本 国 は 日 本 海 やオホーツク 海 にも 面 し 太 平 洋 や 東 シナ 海 に 面 しているのは 沖 縄 だけではない 日 本 国 内 における 地 理 的 優 位 性 とは 日 本 国 全 体 の 安 全 保 障 の 問 題 として 米 軍 基 地 を 日 本 国 内 のどこに 設 置 するかという 問 題 であ り 沖 縄 に 米 軍 基 地 があることの 有 用 性 をいうだけでは 意 味 をなさ ない 日 本 本 土 では 有 用 性 がなく 沖 縄 であれば 有 用 性 があるとい うことを 言 わなければ それは 日 本 本 土 に 対 する 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 示 したことにはならない また 南 西 諸 島 の 中 心 に 所 在 する 沖 縄 に 米 軍 基 地 が 所 在 しても 日 本 本 土 や 朝 鮮 半 島 北 方 の 国 境 等 への 対 応 が 可 能 であるならば それは 逆 に 日 本 本 土 に 米 軍 基 地 があっても 南 西 諸 島 や 南 シナ 海 等 を 対 応 できることを 意 味 するはずである 安 全 保 障 は 南 西 諸 島 だけの 問 題 ではなく 日 本 国 全 体 の 問 題 で あるが 日 本 本 土 との 対 比 における 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 について 合 理 的 な 説 明 は 一 切 なされていない 相 手 方 が 潜 在 的 紛 争 地 域 とし て 明 示 している 朝 鮮 半 島 との 関 係 のみをとっても 日 本 国 のなかで 沖 縄 が 近 接 しているものではない 5

南 西 諸 島 の 重 要 性 を 言 うだけでは 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 示 した ことにはならないものである (2) 島 嶼 防 衛 の 必 要 性 と 海 兵 隊 航 空 基 地 が 沖 縄 に 所 在 しなければな らない 必 然 性 がなんら 具 体 的 合 理 的 に 説 明 されていないこと ア わが 国 の 島 嶼 防 衛 の 責 任 をおっているのは 自 衛 隊 である ( 平 成 27 年 版 防 衛 白 書 の 図 表 2Ⅲ 1 1 8) 平 成 17 年 10 月 29 日 日 米 同 盟 : 未 来 のための 変 革 と 再 編 ( 乙 21)において 日 本 は 弾 道 ミサイル 攻 撃 やゲリラ 特 殊 部 隊 による 攻 撃 島 嶼 部 への 侵 略 といった 新 たな 脅 威 や 多 様 な 事 態 への 対 処 を 含 めて 自 らを 防 衛 し 周 辺 事 態 に 対 応 する これ らの 目 的 のために 日 本 の 防 衛 態 勢 は 2004 年 の 防 衛 計 画 の 大 綱 に 従 って 強 化 される 平 成 27 年 4 月 27 日 日 米 防 衛 協 力 のた めの 指 針 ( 乙 71)においては 自 衛 隊 は 島 嶼 に 対 するものを 6

含 む 陸 上 攻 撃 を 阻 止 し 排 除 するための 作 戦 を 主 体 的 に 実 施 する 必 要 が 生 じた 場 合 自 衛 隊 は 島 嶼 を 奪 回 するための 作 戦 を 実 施 す る このため 自 衛 隊 は 着 上 陸 侵 攻 を 阻 止 し 排 除 するための 作 戦 水 陸 両 用 作 戦 及 び 迅 速 な 部 隊 展 開 を 含 むが これに 限 られな い 必 要 な 行 動 をとる とし 島 嶼 防 衛 はわが 国 の 責 任 であること が 明 確 にされている 1 イ また かりに 米 軍 海 兵 隊 が 南 西 諸 島 の 島 嶼 防 衛 をすること を 前 提 としても 沖 縄 に 海 兵 隊 輸 送 機 部 隊 が 配 備 されなければな らないとする 実 証 的 な 説 明 はなされていない (ア) 相 手 方 は 南 西 諸 島 地 域 にある 島 嶼 への 侵 攻 が 発 生 した 場 合 等 には 米 軍 海 兵 隊 の 即 応 性 機 動 性 を 有 する 能 力 が 必 要 に ならないなどということもできない 答 弁 書 2 80 頁 )として いるが 我 が 国 の 島 嶼 防 衛 を 米 海 兵 隊 が 行 うことを 想 定 すると しても そのような 作 戦 を 行 う 場 合 には 揚 陸 艦 が 必 要 となる 揚 陸 艦 が 洋 上 展 開 しているのであればその 地 点 から 向 かうこ とになり 沖 縄 に 地 理 的 必 然 性 はない また 揚 陸 艦 が 母 港 である 長 崎 県 佐 世 保 基 地 に 停 泊 をして いれば そこから 回 航 されることになるが 地 続 きで 佐 世 保 基 地 から 乗 艦 できる 地 域 との 優 劣 はなんら 明 らかにされていない ものであり 日 本 本 土 との 対 比 における 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 が 示 されているということはできない (イ) また 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 以 外 の 任 務 について 揚 陸 艦 が 無 関 係 ということはできない 在 日 米 軍 及 び 海 兵 隊 の 意 義 役 割 ( 乙 53)の 17 頁 の 図 及 び 在 日 米 軍 海 兵 隊 の 意 義 及 び 役 割 ( 甲 D1 以 下 パンフ 1 米 国 の 役 割 は 支 援 補 完 である 7

レット という )の 13 頁 の 図 にあるとおり 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 以 外 についても 海 兵 隊 は 揚 陸 艦 と 任 務 を 行 うことが 想 定 されているものである また MV 22 オスプレイのキャビン 寸 法 等 は 甲 D78 に 示 されているとおりであり 最 大 幅 1.8 メートル 最 大 高 1.83 メートル( 貨 物 の 最 大 積 載 可 能 寸 法 は 最 大 幅 1.73 メートル 最 大 高 1.68 メートル)であるから きわめて 小 型 な 特 殊 車 両 しか 搭 載 できないため 民 間 人 の 防 護 救 出 活 動 ( 甲 D1の 14 頁 の 図 参 照 )に 必 要 な 車 両 も 搭 載 することはできない 南 西 諸 島 への 侵 攻 という 事 態 への 対 応 について 強 襲 上 陸 作 戦 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 において 米 軍 海 兵 隊 にとっての 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々することは 意 味 がない とする 相 手 方 主 張 は 不 合 理 なものと 言 わざるをえない 強 襲 揚 陸 艦 との 関 係 については 第 2において 再 度 述 べるこ ととする ウ さらに かりに 相 手 方 の 主 張 するとおり 揚 陸 艦 が 関 係 しな いものとし オスプレイの 機 能 を 前 提 とするとしても やはり 沖 縄 でなければならないとする 実 証 的 な 説 明 はないものと 言 わな けれればならない 答 弁 書 2 46 頁 には 仮 に 当 該 航 空 部 隊 による 陸 上 部 隊 の 輸 送 に 当 たり MV 22 オスプレイ( 航 続 距 離 約 3,900 km 行 動 半 径 約 600 km/ 空 中 給 油 1 回 の 行 動 半 径 は 約 1,100 km( 乙 55 号 8

証 3 頁 )を 用 いれば 2 沖 縄 本 島 を 中 心 として 北 は 九 州 南 端 から 南 は 尖 閣 諸 島 や 与 那 国 島 に 至 るまでの 広 大 な 南 西 諸 島 ( 沖 縄 本 島 を 中 心 に 約 500 kmの 範 囲 ( 乙 第 56 号 証 乙 第 57 号 証 甲 第 58 号 証 22 ページ 及 び 34 ページ)は 同 機 の 行 動 半 径 に 含 まれるこ とになり また 1 回 の 空 中 給 油 を 行 えば 行 動 半 径 は 朝 鮮 半 島 南 部 台 湾 さらにフィリピン 北 部 にまで 及 んでおり 加 えて 給 油 なしの 航 続 距 離 は 実 に 3,900 kmに 及 ぶ( 乙 第 56 号 証 3ペ ージ) とされている 空 中 給 油 も 可 能 であり 最 高 速 度 は 時 速 500kmを 超 えるのである から( 甲 D75 60 頁 甲 E22 3 頁 ) 飛 行 できる 範 囲 は 広 範 に なり 実 際 山 口 県 岩 国 基 地 から 沖 縄 へも2 時 間 で 飛 来 してい る( 甲 D103) 相 手 方 の 主 張 を 前 提 とするならば 日 本 本 土 にMV 22 オスプ レイを 配 備 すれば 南 西 諸 島 まで 対 応 可 能 ということになる も ちろん 南 西 諸 島 については 沖 縄 島 に 配 備 した 場 合 には 日 本 本 土 に 配 備 した 場 合 と 比 して 飛 行 時 間 は 長 くなるが 他 方 で 朝 鮮 半 島 との 関 係 では 飛 行 時 間 は 短 くなる また 今 日 海 兵 隊 第 31MEU の 主 要 な 役 割 は 災 害 救 助 などのは 人 道 的 活 動 やテロな どへの 対 応 にあるが 日 本 本 土 における 災 害 への 対 応 を 考 えるな らば 沖 縄 に 配 備 することの 方 が 距 離 は 遠 いということになる 日 本 国 内 において どこにオスプレイを 配 備 するのかというこ とについて 日 本 本 土 との 対 比 で 沖 縄 島 に 配 備 しなければならな い 必 然 性 は 認 められない 2 緊 急 事 態 に 陸 上 部 隊 を 何 百 kmもの 距 離 にわたって 輸 送 するためにオスプ レイを 使 用 することは 甲 D78 で 示 したオスプレイの 輸 送 能 力 よりしても 想 定 しがたい 平 成 25 年 台 風 30 号 によるフィリピンの 救 援 活 動 の 際 K C-130( 現 在 岩 国 基 地 配 備 )は 一 度 に 約 90 名 を 輸 送 している 9

(3) シーレーン 防 衛 と 沖 縄 県 内 への 海 兵 隊 輸 送 機 の 駐 留 の 必 然 性 に ついての 合 理 的 根 拠 が 示 されていないこと ア 相 手 方 は シーレーンの 近 傍 にある 南 西 諸 島 の 安 全 を 確 保 する ことが 必 要 ( 答 弁 書 2 66 頁 )と 主 張 する シーレーンは 南 西 諸 島 を 終 点 とするものではなく 日 本 本 土 ま での 航 路 帯 であるが 相 手 方 の 主 張 は 日 本 本 土 についてはなんら 触 れていない イ また 自 衛 隊 は 概 ね 千 海 里 程 度 を 自 衛 することを 目 標 として シーレーン 防 衛 のために 防 衛 力 を 増 強 してきたものであり( 昭 和 五 十 八 年 五 月 二 十 四 日 内 閣 総 理 大 臣 中 曽 根 康 弘 答 弁 書 第 一 五 号 内 閣 参 質 九 八 第 一 五 号 平 成 四 年 十 二 月 二 十 五 日 内 閣 総 理 大 臣 宮 澤 喜 一 答 弁 書 第 四 号 内 閣 参 質 一 二 五 第 四 号 等 ) 平 成 25 年 9 月 30 日 現 在 護 衛 艦 47 隻 等 の 艦 船 やP 3C 哨 戒 機 75 機 P 1 哨 戒 機 4 機 SH60 哨 戒 ヘリ 84 機 などの 航 空 機 を 保 有 し 世 界 屈 指 の 哨 戒 能 力 を 有 しているものである なお P 3C 等 が 対 潜 哨 戒 機 能 を 有 することは 当 然 であるが それは 対 潜 水 艦 という 高 度 な 機 能 を 有 することが 他 の 機 能 を 有 しないということを 意 味 するものではないことは 言 うまでもないことであって 洋 上 監 視 捜 索 救 難 輸 送 等 の 多 目 的 の 機 能 を 有 しているものである 実 際 自 衛 隊 のP 3C 哨 戒 機 は ソマリア 沖 アデン 湾 の 海 賊 対 処 任 務 に 従 事 している また 米 軍 に 関 していうならば 嘉 手 納 飛 行 場 には 哨 戒 機 約 8 機 が 常 駐 し( 乙 D20 248 頁 ) その 他 の 空 軍 力 も 備 えている もちろん 米 軍 には 横 須 賀 佐 世 保 グアム 等 を 主 要 基 地 とす る 第 7 艦 隊 等 の 太 平 洋 艦 隊 が 洋 上 においてプレゼンスを 示 して いるものである 第 7 艦 隊 は 1 個 空 母 打 撃 群 を 中 心 に 構 成 され 10

ており 日 本 グアムを 主 要 拠 点 として 領 土 国 民 シーレー ン 同 盟 国 その 他 米 国 の 重 要 な 国 益 を 防 衛 することなどを 任 務 と し 空 母 水 陸 両 用 戦 艦 艇 やイージス 巡 洋 艦 などを 配 備 している ( 平 成 24 年 版 防 衛 白 書 )とされ シーレーン 防 衛 について 第 7 艦 隊 が 重 要 な 位 置 づけを 有 していることは 当 然 である シーレー ン 防 衛 に 関 わるのは 海 軍 空 軍 であり 海 兵 隊 ではない ウ 相 手 方 主 張 の 根 本 的 な 問 題 は シーレーン 防 衛 について 海 兵 隊 輸 送 機 の 任 務 を 示 していないということである (ア) 我 が 国 は 資 源 エネルギーを 海 上 輸 送 による 輸 入 に 依 存 して いる シーレーン 防 衛 が 重 要 である 沖 縄 はシーレーンに 隣 接 している とすることから 故 に 海 兵 隊 航 空 基 地 が 沖 縄 に 必 要 である というのは そもそも 論 理 をなしていない これを 論 理 として 完 成 させるならば 海 兵 隊 輸 送 機 がシー レーン 防 衛 の 任 務 を 担 っている ということが 介 在 しなければ ならない 相 手 方 の 主 張 は 論 理 をなしていない 失 当 なものである (イ) 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 されたオスプレイ その 前 身 のCH-46 Eは 輸 送 機 に 過 ぎず 対 潜 対 機 雷 という 機 能 は 有 しないこ とはもとより 対 空 砲 火 への 対 応 能 力 すらもない 答 弁 書 2の 65~67 71 72 74.75 82 91 頁 に シーレ ーン シーレーン 防 衛 について 触 れられているが 海 兵 隊 とシーレーン 防 衛 との 関 係 についての 具 体 的 な 説 明 は 一 切 なさ れていない 海 兵 隊 輸 送 機 は シーレーン 防 衛 の 任 務 を 担 っているもので はなく シーレーン 防 衛 に 係 る 相 手 方 の 主 張 に 根 拠 がないこと は 明 らかである 11

(ウ) なお 代 執 行 訴 訟 においては 国 土 交 通 大 臣 は シーレーン 防 衛 について 具 体 例 を 一 例 だけあげていたので 念 のため 取 り 上 げて 反 論 を 加 えておくこととする a 代 執 行 訴 訟 において 国 土 交 通 大 臣 は 具 体 例 として 米 海 兵 隊 は 例 えば アデン 湾 ソマリア 沖 において 海 賊 対 処 に 当 たっており( 証 拠 略 ) 米 軍 海 兵 隊 はその 優 れた 則 応 力 と 機 動 性 を 発 揮 して シーレーンの 安 全 確 保 のための 任 務 を 遂 行 している と 主 張 していた b しかし アデン 湾 ソマリア 沖 では 海 兵 遠 征 部 隊 (13MEU 15MEU)が 海 軍 艦 船 ( 揚 陸 艦 )に 搭 載 されて 海 賊 からの 商 船 の 救 出 活 動 が 行 われたものである そもそも 東 アフリカ 沖 及 び 東 アフリカとアラビア 半 島 に はさまれた 湾 において 米 海 兵 隊 が 海 賊 対 処 の 任 務 を 行 ったこ とが 日 本 本 土 ではなく 南 西 諸 島 に 位 置 する 沖 縄 に 海 兵 隊 の 輸 送 ヘリ 等 が 配 備 されなければならないことの 根 拠 にならな いことは 余 りにも 明 らかである c 代 執 行 訴 訟 におけるこの 国 土 交 通 大 臣 の 主 張 について 平 成 28 年 3 月 24 日 琉 球 新 報 記 事 は 国 は 海 兵 隊 の 運 用 や 作 戦 との 因 果 関 係 に 絡 めて 抽 象 的 な 表 現 を 列 挙 しながら その 中 で 具 体 的 な 事 例 を 一 つ 挙 げている 米 海 兵 隊 は 例 えば アデン 湾 ソマリア 沖 で 海 賊 対 処 に 当 たっており シーレー ン 確 保 のための 任 務 を 遂 行 している 中 東 とアフリカにま たがるアデン 湾 ソマリア 沖 の 海 賊 に 対 する 商 船 などの 護 衛 は 現 在 日 本 の 自 衛 隊 を 含 め 各 国 の 軍 隊 や 民 間 軍 事 企 業 がす でに 行 っている 確 かに 米 海 兵 隊 は 2010 年 海 賊 に 乗 っ 取 られた 貨 物 船 を 未 明 に 奇 襲 して 奪 還 する 作 戦 を 実 行 したこと 12

がある しかし 任 務 に 当 たったのは 米 西 海 岸 のキャンプ ペ ンデルトンに 拠 点 を 置 く 第 15 海 兵 遠 征 部 隊 であり 参 加 し た 兵 士 はわずか 24 人 だ 遠 く 位 置 する 沖 縄 の 海 兵 隊 が 中 東 アフリカ 地 域 まで 出 向 いて 海 賊 鎮 圧 に 加 勢 することに 中 谷 防 衛 相 が 主 張 する 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 見 いだすことは 難 しい 一 方 で わが 国 のシーレーンに 近 い 沖 縄 の 周 辺 海 域 で 一 国 のシーレーン 維 持 を 脅 かすような 活 動 を 展 開 して いる 海 賊 は 存 在 していない としている エ 審 査 申 出 書 においても 引 用 したが シーレーン 防 衛 とも 関 連 す るため 代 執 行 訴 訟 における 国 土 交 通 大 臣 の 主 張 についての 専 門 家 ( 田 岡 俊 次 )の 認 識 ( 乙 D58)をあらためて 引 用 しておく 記 政 府 の 訴 状 のうち 抑 止 力 に 関 わる 部 分 を 一 読 し 政 府 は 裁 判 官 が 軍 事 安 全 保 障 問 題 の 知 識 を 欠 くと 侮 り 心 理 戦 を 仕 掛 けたよ うに 感 じる 例 えば 沖 縄 県 はわが 国 の 全 貿 易 量 の 99% 以 上 を 依 存 するシーレーン( 海 上 交 通 路 )に 近 い として 戦 略 上 の 価 値 を 強 調 しているが これは 太 平 洋 経 由 の 海 上 輸 送 を 含 んだものだ 東 南 シナ 海 経 由 で 原 油 の 約 80%が 輸 入 されるが 紛 争 があれば インドネシアのバリ 島 の 東 ロンボク 海 峡 を 抜 け フィリピン 東 方 を 回 れば 済 む ペルシャ 湾 から 東 京 湾 までの 運 賃 は 巨 大 タンカ ーだとリットルあたり 1 円 余 片 道 2 3 日 航 路 が 延 びても 10 銭 程 度 増 えるだけだ 安 倍 晋 三 首 相 も 6 月 1 日 の 衆 院 安 保 法 制 特 別 委 員 会 などで 南 シナ 海 に 機 雷 が 敷 設 された 場 合 の 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 問 われ 南 シナ 海 ではさまざまな 迂 回 路 があり ホルムズ 海 峡 とは 大 きく 違 う と 答 弁 し 存 立 危 機 事 態 に 当 たらないとの 判 断 を 示 している 13

東 南 シナ 海 航 路 は 日 本 の 輸 出 額 の 23.8%を 占 める 中 国 香 港 と の 通 商 路 として 重 要 だが それを 米 海 兵 隊 が 守 るわけではない 現 在 普 天 間 にいるオスプレイ 24 機 とヘリコプター10 余 機 が 抑 止 力 というのも 誇 大 広 告 じみている 非 武 装 の 軽 輸 送 機 オ スプレイが 海 上 交 通 路 の 防 護 に 役 立 たないのはもちろんだし 米 軍 が 中 国 に 対 する 上 陸 作 戦 をするわけでもない 沖 縄 の 米 海 兵 隊 のうち 戦 闘 部 隊 は 1 個 歩 兵 大 隊 ( 約 800 人 ) にオスプレイとヘリ 計 20 余 機 装 甲 車 20 数 両 大 砲 6 門 などが 付 いた 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 だけで 佐 世 保 の 揚 陸 艦 4 隻 ( 常 時 3 隻 可 動 )に 乗 り 西 太 平 洋 インド 洋 を 巡 航 している 戦 車 はゼ ロで 歩 兵 800 人 では 戦 争 はできない 海 外 での 争 乱 や 災 害 の 際 一 時 的 に 飛 行 場 などを 確 保 し 在 留 米 国 人 を 避 難 させるのが 事 実 上 第 一 の 任 務 だ 横 須 賀 や 嘉 手 納 などは 抑 止 力 と 言 えようが 普 天 間 は 嘉 手 納 に 統 合 しても 大 勢 に 影 響 せず 米 本 国 の 海 兵 隊 飛 行 場 ではヘリが 戦 闘 機 と 同 居 している 尖 閣 防 衛 については 今 年 4 月 27 日 に 合 意 された 日 米 防 衛 協 力 の 指 針 の 英 文 で 自 衛 隊 は 島 嶼 に 対 するものを 含 む 陸 上 攻 撃 を 阻 止 し 排 除 するプライマリー リスポンシビリティー( 一 義 的 責 任 )を 有 する と 定 め 米 軍 は 支 援 補 完 を 行 う だけだ この 発 表 前 日 米 国 は 指 針 は 中 国 に 対 するものではない と 中 国 に 内 容 を 説 明 している 事 前 にご 説 明 に 参 上 するのでは 牽 制 にもならない 政 府 が 司 法 の 裁 定 を 求 めるに 当 たっては 極 力 正 確 で 公 正 な 事 実 のみを 提 示 すべきで 相 手 は 素 人 だとみてあざとい 訴 状 を 出 すの は 自 らの 威 信 を 傷 付 ける 14

(4) 台 湾 海 峡 との 関 係 ( 南 西 諸 島 の 島 嶼 防 衛 )について ア 審 査 申 出 人 は 審 査 申 出 書 135~136 頁 において 日 本 本 土 より 沖 縄 が 台 湾 海 峡 に 近 いとしても 佐 世 保 基 地 の 揚 陸 艦 が 到 着 することを 待 たなければならないことに 変 わりはなく 地 続 きで 佐 世 保 基 地 から 乗 艦 できる 地 域 との 優 劣 はなんら 明 らかにされ ていない また 朝 鮮 半 島 と 台 湾 海 峡 の 双 方 との 距 離 を 考 えても 例 えば 九 州 と 比 較 して 沖 縄 に 有 利 性 があるとは 言 えない と 主 張 した これに 対 して 相 手 方 は 答 弁 書 2 77 頁 ( 台 湾 海 峡 との 関 係 について)において 強 襲 揚 陸 艦 と 米 軍 海 兵 隊 とは 一 体 不 可 分 の 関 係 にあるわけではなく 強 襲 上 陸 作 戦 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 において 米 軍 海 兵 隊 にとっての 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々することは 意 味 がない と 主 張 している 3 イ 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 において 米 軍 海 兵 隊 にとっ ての 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々することは 意 味 がない とする 相 手 方 主 張 は およそ 合 理 的 なものではない (ア) 答 弁 書 2の 当 該 箇 所 ( 台 湾 海 峡 との 関 係 において)において は まさに 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 う 任 務 そのものが 主 張 されて いる すなわち 答 弁 書 2において 中 国 の 艦 艇 及 び 航 空 機 が 活 動 を 活 発 化 させている 地 域 は 尖 閣 諸 島 周 辺 ひいては 南 西 諸 島 に 重 なる 第 一 列 島 線 のライン 上 にまで 及 んでいると そ 3 なお 後 述 するとおり 審 査 申 出 人 は 強 襲 上 陸 作 戦 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 であるなどとは 主 張 していないものであり そもそも 反 論 たりえない 15

の 一 方 で 場 合 によっては 南 西 諸 島 のいずれかの 我 が 国 の 島 嶼 防 衛 のため 米 軍 海 兵 隊 の 優 れた 上 陸 作 戦 能 力 が 必 要 となり また 艦 船 に 対 して 海 上 阻 止 活 動 を 行 い あるいは 民 間 人 の 救 助 活 動 等 を 行 う 必 要 が 生 じる 可 能 性 も 十 分 にある (79 頁 ) としたうえで 南 西 諸 島 地 域 にある 島 嶼 への 侵 攻 が 発 生 した 場 合 等 には これに 対 応 するのは 海 軍 空 軍 のみであるというこ とはできず また 米 軍 海 兵 隊 の 即 応 性 機 動 性 を 有 する 能 力 が 必 要 にならないなどということもできないから 審 査 申 出 人 の 上 記 主 張 にも 理 由 がないことは 明 らかである (80 頁 )とさ れ 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 の 必 要 性 が 主 張 されているものであ る 強 襲 上 陸 作 戦 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 において 米 軍 海 兵 隊 にとって の 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々することは 意 味 がない と 主 張 し ながら 米 海 兵 隊 の 任 務 の 内 容 としてまさに 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 そのものを 主 張 しているものであり そもそも 相 手 方 の 当 該 主 張 には 明 白 な 論 理 矛 盾 があるものと 言 うべきである (イ) なお 答 弁 書 2における 台 湾 海 峡 との 関 係 において はと う 主 張 は 結 論 として 南 西 諸 島 にある 島 嶼 への 侵 攻 が 発 生 し た 場 合 等 には これに 対 応 するのは 海 軍 空 軍 のみであるとい うことはできず また 米 軍 海 兵 隊 の 即 応 性 機 動 性 が 必 要 に ならないなどということもできない (80 頁 )としているが これ 対 する 反 論 は 2( 南 西 諸 島 の 中 心 に 位 置 することをもっ て 海 兵 隊 輸 送 航 空 機 基 地 が 沖 縄 になければならないとすること の 不 合 理 性 )において 述 べたとおりである 16

3 朝 鮮 半 島 やその 他 の 地 域 に 関 する 相 手 方 主 張 の 不 合 理 性 不 誠 実 性 (1) 朝 鮮 半 島 有 事 と 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 について 何 ら 合 理 的 な 説 明 がなされていないこと ア 被 告 は 朝 鮮 半 島 有 事 に 対 する 海 兵 隊 の 役 割 との 関 係 において 日 本 本 土 に 対 する 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 は 認 められないことを 主 張 した すなわち 審 査 申 出 書 135 頁 以 下 において 沖 縄 に 駐 留 することは 朝 鮮 半 島 との 距 離 は 日 本 本 土 よりも 遠 ざかること になる 例 えば 沖 縄 ソウル 間 は 約 1260 キロメートルである のに 対 し 福 岡 ソウル 間 は 約 534 キロメートル 熊 本 ソウル 間 は 約 620 キロメートルである 朝 鮮 半 島 有 事 への 対 応 は 日 本 本 土 と 沖 縄 との 対 比 において 沖 縄 に 地 理 的 優 位 性 があることの 根 拠 にはならないものである 海 兵 隊 に 即 していうならば 朝 鮮 半 島 で 任 務 を 行 うとしても 洋 上 展 開 している 期 間 であればそこ から 朝 鮮 半 島 に 向 かうことになるから 沖 縄 の 地 理 的 位 置 は 関 係 がないものである 沖 縄 に 駐 留 している 部 隊 が 朝 鮮 半 島 に 向 かう ためには 長 崎 県 佐 世 保 基 地 から 沖 縄 県 まで 揚 陸 艦 が 回 航 し これに 乗 船 をしてから 朝 鮮 半 島 に 向 かうことになるものである から 一 旦 朝 鮮 半 島 とは 逆 方 向 の 沖 縄 に 揚 陸 艦 が 向 かい 沖 縄 で 31MEU を 搭 載 してから 朝 鮮 半 島 に 向 かうことになるのである 朝 鮮 半 島 有 事 との 関 係 において 海 兵 隊 基 地 として 沖 縄 に 地 理 的 優 位 性 が 存 しないことは 明 らかである と 主 張 した この 審 査 申 出 人 の 主 張 について 答 弁 書 2 74 頁 以 下 において 朝 鮮 半 島 有 事 との 関 係 についてと 題 した 相 手 方 の 主 張 が 示 さ れているが そこでは 国 は たんに 朝 鮮 半 島 との 関 係 で 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 を 主 張 しているのではない ということと 近 い( 近 すぎない) という2 点 を 言 うのみである 17

イ 国 は たんに 朝 鮮 半 島 との 関 係 で 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 を 主 張 しているのではない との 主 張 は 具 体 的 内 容 はなにもな い 南 西 諸 島 シーレーンについては 長 々と 主 張 しているのに 対 し て 朝 鮮 半 島 有 事 については そもそも 安 全 保 障 上 重 要 性 がある のか 否 かについてすら 一 切 述 べられていない しかし 朝 鮮 半 島 有 事 への 対 応 が 在 日 海 兵 隊 の 最 も 主 要 な 任 務 であることはあまりにも 明 らかであり そのことにも 触 れようと しない 相 手 方 の 主 張 がまったくの 誤 魔 化 しであることは 明 らか である 沖 縄 戦 後 海 兵 隊 は 沖 縄 にも 日 本 本 土 にも 駐 留 せず 米 国 に 戻 ったものであったが 日 本 に 駐 留 するようになったのは 朝 鮮 半 島 に 展 開 する 部 隊 の 支 援 等 のためであり 朝 鮮 半 島 こそが 海 兵 隊 の 主 要 な 対 象 地 であることは 当 然 である これが 違 うというので あれば 相 手 方 はそのことを 明 示 すべきである 平 成 27 年 版 防 衛 白 書 より 引 用 すると 朝 鮮 半 島 においては 半 世 紀 以 上 にわたり 同 一 民 族 の 分 断 が 継 続 し 南 北 双 方 の 兵 力 が 対 峙 する 状 態 が 続 いている 北 朝 鮮 においては 金 正 恩 (キム ジョンウン) 国 防 委 員 会 第 1 委 員 長 を 指 導 者 とする 体 制 への 移 行 後 党 軍 内 閣 の 要 職 を 中 心 に 人 事 面 で 多 くの 変 化 がみられて いるなど 金 正 恩 国 防 委 員 会 第 1 委 員 長 を 唯 一 の 指 導 者 とする 体 制 の 強 化 引 き 締 めが 継 続 しているとみられる 北 朝 鮮 は 軍 事 を 重 視 する 体 制 をとり 大 規 模 な 軍 事 力 を 展 開 している また 核 兵 器 をはじめとする 大 量 破 壊 兵 器 や 弾 道 ミサイルの 開 発 配 備 移 転 拡 散 を 進 行 させるとともに 大 規 模 な 特 殊 部 隊 を 保 持 する など 非 対 称 的 な 軍 事 能 力 を 引 き 続 き 維 持 強 化 している 特 に 18

北 朝 鮮 の 弾 道 ミサイル 開 発 は 累 次 にわたるミサイルの 発 射 によ る 技 術 の 進 展 により 新 たな 段 階 に 入 ったと 考 えられるほか 昨 今 は 弾 道 ミサイルの 研 究 開 発 だけでなく 奇 襲 攻 撃 を 含 む 運 用 能 力 の 向 上 を 企 図 した 動 きも 活 発 化 している また 北 朝 鮮 による 核 開 発 については 朝 鮮 半 島 の 非 核 化 を 目 標 とする 六 者 会 合 が 08 ( 平 成 20) 年 末 以 降 中 断 している 北 朝 鮮 は 国 際 社 会 からの 自 制 要 求 を 顧 みず 核 実 験 を 実 施 しており 核 兵 器 の 小 型 化 弾 頭 化 の 実 現 に 至 っている 可 能 性 も 排 除 できず 時 間 の 経 過 とともに わが 国 が 射 程 内 に 入 る 核 弾 頭 搭 載 弾 道 ミサイルが 配 備 されるリ スクが 増 大 していくものと 考 えられる また 高 濃 縮 ウランを 用 いた 核 兵 器 開 発 も 推 進 している 可 能 性 がある さらに 北 朝 鮮 は わが 国 を 含 む 関 係 国 に 対 する 挑 発 的 言 動 を 繰 り 返 し 特 に 13( 同 25) 年 には わが 国 の 具 体 的 な 都 市 名 をあげて 弾 道 ミサイルの 打 撃 圏 内 にあることなどを 強 調 した このような 北 朝 鮮 の 軍 事 動 向 は わが 国 はもとより 地 域 国 際 社 会 の 安 全 保 障 にとっても 重 大 な 不 安 定 要 因 となっており わが 国 として 今 後 も 強 い 関 心 を 持 って 注 視 していく 必 要 がある とされている また パンフレット( 甲 D1) 15 頁 に これらの 事 例 が 示 す ように 海 兵 隊 が 沖 縄 に 所 在 していることは 極 めて 重 要 である として 示 された 具 体 的 事 例 は 湾 岸 戦 争 と 最 近 の 中 東 作 戦 以 外 は 朝 鮮 戦 争 と 2010 年 11 月 の 北 朝 鮮 による 韓 国 砲 撃 であり わが 国 の 周 辺 の 事 例 としては 朝 鮮 半 島 のみが 具 体 的 に 示 されて いるものである イ そして 朝 鮮 半 島 に 対 する 関 係 では 海 兵 隊 の 輸 送 航 空 機 の 配 備 について 日 本 本 土 と 比 較 して 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 が 認 められ ないことは 明 らかである 19

朝 鮮 半 島 との 距 離 は 日 本 本 土 ( 西 日 本 )と 比 較 すれば 沖 縄 は 明 らかに 遠 いものである しかも ただ 日 本 本 土 よりも 遠 いわけではない 沖 縄 は 本 格 的 な 海 軍 基 地 の 建 設 には 適 していないため 日 本 本 土 にしか 本 格 的 な 海 軍 基 地 は 存 在 しないものであり 沖 縄 には 揚 陸 艦 の 母 港 が 存 しない 4 そのため 朝 鮮 半 島 有 事 の 際 に 沖 縄 本 島 から 輸 送 ヘリやその 任 務 の 支 援 にあたるヘリ 等 が 出 撃 するた めには 一 旦 長 崎 県 佐 世 保 基 地 から 沖 縄 島 まで 揚 陸 艦 が 回 航 し これに 搭 載 されてから 朝 鮮 半 島 に 向 かうことになるものであ るから 朝 鮮 半 島 有 事 に 対 する 即 応 性 という 点 では 日 本 本 土 と の 対 比 において 地 理 的 優 位 性 を 欠 くことは 明 らかというべきで ある ( 図 は 琉 球 新 報 平 成 28 年 3 月 24 日 記 事 沖 縄 基 地 の 虚 実 3 より 引 用 ) 4 甲 D89 18 頁 甲 D67 121 頁 20

ウ また 答 弁 書 2 75~76 頁 は 平 成 23 年 12 月 19 日 付 一 川 保 夫 防 衛 大 臣 の 回 答 ( 甲 A67 以 下 第 1 次 回 答 という )の 22 ~23 頁 の 内 容 を 引 用 している 第 1 次 回 答 の 内 容 は 仮 に 海 兵 隊 が 九 州 や 本 州 に 駐 留 し た 場 合 沖 縄 と 比 較 し 確 かに 朝 鮮 半 島 に 近 くなる 場 合 がある 一 方 で それだけ 台 湾 東 南 アジアといった 地 域 から 遠 ざかること になる 例 えば 沖 縄 から 比 較 的 近 い 九 州 に 所 在 する 米 海 軍 佐 世 保 基 地 であっても 沖 縄 北 東 約 800 kmに 位 置 しており 当 該 基 地 から 我 が 国 最 西 端 に 所 在 する 与 那 国 島 までは 約 1200kmの 距 離 時 間 にすれば 艦 船 (20 kt)で 約 32 時 間 回 転 翼 機 (120 kt) で 約 5 時 間 半 を 要 することとなる 他 方 で 沖 縄 から 与 那 国 島 までは 約 500 kmの 距 離 であり 同 様 に 換 算 すれば 艦 船 で 約 13 時 間 半 回 転 翼 機 で 約 2 時 間 となり 米 軍 佐 世 保 基 地 との 比 較 に おいて 艦 船 航 空 機 のいずれの 場 合 においても 半 分 以 下 の 時 間 で 展 開 が 可 能 であることを 意 味 する というものである この 内 容 自 体 は まったく 無 内 容 というほかはない 例 えば 以 下 で 延 々と 述 べている 内 容 は 長 崎 県 の 佐 世 保 と 沖 縄 県 の 与 那 国 島 の 間 の 距 離 と 沖 縄 島 と 与 那 国 島 の 間 の 距 離 を 比 較 すれば 佐 世 保 よりも 沖 縄 島 の 方 が 与 那 国 島 に 近 いということであり 当 たり 前 の 話 である 比 較 をするならば 少 なくとも 同 時 に 朝 鮮 半 島 有 事 に 対 応 す る 場 合 に 佐 世 保 から 朝 鮮 半 島 までの 時 間 と 佐 世 保 から 沖 縄 に 回 航 しさらに 朝 鮮 半 島 まで 達 するまでの 時 間 を 比 較 しなければ な んの 意 味 もなさない (なお 答 弁 書 2 75 頁 に 引 用 されている 防 衛 大 臣 の 回 答 ( 第 1 次 回 答 ) は 欺 瞞 と 言 うべきものであった 当 時 中 核 的 な 機 種 はCH46 Eであ 21

る パンフレット( 甲 D1)では CH46 Eの 航 続 距 離 680 kmとしてこ の 距 離 を 半 径 とした 図 を 示 し(14 頁 ) 与 那 国 島 をその 円 の 中 にいれてい る しかし 実 際 に 運 用 される 場 合 には 兵 員 等 が 搭 載 され 一 定 の 速 度 で 直 線 的 に 航 行 するわけでもなく 待 機 等 もあるため 米 軍 は 各 機 種 の 行 動 半 径 を 定 めており CH46 Eの 行 動 半 径 は 約 140 kmであるが このこ とは 記 されていなかった 防 衛 省 が 明 らかにしたのは MV-22 オスプ レイの 導 入 の 必 要 性 を 広 報 するためのパンフレットであった CH46 E の 兵 員 12 名 搭 乗 時 の 行 動 半 径 を 約 140 kmと 明 示 し 140 kmを 半 径 とする 円 を 示 して 沖 縄 島 周 辺 にしか 行 動 半 径 が 及 ばないことを 明 確 にした そし て MV-22 は 現 在 配 備 されているCH46-Eと 比 較 して 行 動 半 径 は 約 4 倍 となります として MV-22 オスプレイの 優 位 をアピールし た 第 1 次 回 答 当 時 の 中 核 機 CH46 Eの 行 動 半 径 は 沖 縄 島 周 辺 にとどま り 与 那 国 島 には 及 んでいないのであり 航 空 機 の 場 合 においても 半 分 以 下 の 時 間 で 展 開 が 可 能 である とすることは 欺 瞞 である ) エ 相 手 方 の 海 兵 隊 ( 輸 送 ヘリ オスプレイ 部 隊 ) 基 地 について 沖 縄 に 地 理 的 優 位 性 があるという 主 張 は 朝 鮮 半 島 に 関 する 合 理 的 な 疑 問 について 一 切 答 えていないものである 5 5 この 点 については 4 我 が 国 周 辺 のそれぞれの 潜 在 的 紛 争 地 域 との 関 係 で 相 対 的 に 近 い( 近 すぎない) 位 置 にある との 主 張 について におい て さらに 詳 述 する 22

(2) ロシアなどについて 一 切 触 れないという 恣 意 性 ( 以 下 の3つの 図 表 は 平 成 27 年 版 防 衛 白 書 からの 引 用 である ) 23

24

相 手 方 は 答 弁 書 2 90 頁 において 中 国 機 に 対 する 自 衛 隊 機 の 緊 急 発 進 (スクランブル)について 縷 々 述 べているが 平 成 26 年 度 に 外 国 機 に 対 する 自 衛 隊 機 の 緊 急 発 進 (スクランブル)の 回 数 が 最 も 多 かったのは 中 国 機 に 対 するものではなく ロシア 機 に 対 す るものである 日 本 の 安 全 保 障 は 南 西 だけの 問 題 ではない 平 成 27 年 版 防 衛 白 書 においては 答 弁 書 2の 我 が 国 を 取 り 巻 く 国 際 情 勢 (89 頁 以 下 )がロシアについて 一 切 触 れていないのと 対 照 的 に 第 1 部 我 が 国 を 取 り 巻 く 安 全 保 障 環 境 第 2 節 アジ 25

ア 太 平 洋 地 域 の 安 全 保 障 環 境 は 朝 鮮 半 島 中 国 とともに ロシ アを 取 り 上 げている すなわち ロシアについて 新 たな 経 済 力 文 明 力 軍 事 力 の 配 置 を 背 景 に 影 響 力 ある 大 国 になることを 重 視 しており これま での 経 済 発 展 を 背 景 に 軍 の 即 応 態 勢 の 強 化 や 新 型 装 備 の 開 発 導 入 を 推 進 すると 同 時 に 核 戦 力 を 引 き 続 き 重 視 している 昨 今 ロ シアは 自 らの 勢 力 圏 とみなすウクライナをめぐり 欧 米 諸 国 などと の 対 立 を 深 めているほか 引 き 続 き 国 防 費 を 増 大 させ 軍 の 近 代 化 を 継 続 しているほか 最 近 では アジア 太 平 洋 地 域 のみならず 北 極 圏 欧 州 米 本 土 周 辺 などにおいても 軍 の 活 動 を 活 発 化 させ そ の 活 動 領 域 を 拡 大 する 傾 向 がみられる 極 東 においては ロシア 軍 による 大 規 模 な 演 習 も 行 われている また ロシアは ウクライナ 領 内 において 国 家 による 武 力 攻 撃 と 明 確 には 認 定 し 難 い ハイブ リッド 戦 を 展 開 し 力 を 背 景 とした 現 状 変 更 を 試 みており アジ アを 含 めた 国 際 社 会 全 体 に 影 響 を 及 ぼし 得 るグローバルな 問 題 と 認 識 されている とし ロシアを 大 きく 取 り 上 げている 日 本 は 大 陸 沿 岸 の 島 嶼 弧 を 形 成 しているものであり 当 然 のこ とながら 東 側 北 側 にも 国 境 があり また ロシア 太 平 洋 艦 隊 の 本 部 は 日 本 海 に 面 したウラジオストクに 置 かれている( 上 記 図 表 Ⅰ -1-4-2( 日 本 列 島 は 地 図 の 右 下 ) 参 照 ) 南 西 諸 島 についてのみ 強 調 し ロシアに 至 っては 殊 更 に 触 れもし ないで 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 主 張 することは 不 合 理 である 4 我 が 国 周 辺 のそれぞれの 潜 在 的 紛 争 地 域 との 関 係 で 相 対 的 に 近 い ( 近 すぎない) 位 置 にある との 主 張 について (1) 相 手 方 の 主 張 相 手 方 は 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 及 び 抑 止 力 維 持 の 必 要 性 26

の 項 目 において 沖 縄 本 島 は いずれの 方 面 の 潜 在 的 紛 争 地 域 に 向 かっても 比 較 的 短 時 間 で 迅 速 な 軍 事 的 対 応 が 可 能 な 地 域 にありな がらも それらの 地 域 から 一 定 の 距 離 を 保 っている ( 答 弁 書 2 35 頁 )と 主 張 している また 前 述 したとおり 答 弁 書 2の 朝 鮮 半 島 有 事 との 関 係 について の 項 目 において 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 は 我 が 国 の 潜 在 的 紛 争 地 域 のいずれとの 関 係 でも 相 対 的 に 近 い( 近 すぎない) 位 置 にあって いずれの 方 面 にも 比 較 的 短 時 間 で 迅 速 な 軍 事 対 応 が 可 能 な 場 所 にあることにある (76 頁 )と 主 張 している これは 基 本 的 に パンフレット( 甲 D1) 及 び 第 1 次 回 答 ( 甲 D4)と 同 じ 内 容 であるが 日 本 本 土 との 対 比 における 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 についてなんらの 合 理 的 根 拠 は 示 されていないものである (2) パンフレット( 甲 D1) 9 頁 について 潜 在 的 紛 争 地 域 について パンフレット( 甲 D1) 9 頁 は 朝 鮮 半 島 と 台 湾 海 峡 を 具 体 的 に 挙 げ 6 距 離 的 近 接 性 による 対 応 の 迅 速 性 確 保 は 軍 事 上 極 めて 重 要 となります とし 沖 縄 ソウル 距 離 :1260 km 沖 縄 - 台 北 距 離 : 約 630 km と 距 離 を 示 している 朝 鮮 半 島 と 台 湾 海 峡 との 地 理 関 係 でいえば 日 本 本 土 についても その 双 方 について 1200 キロメートル 程 度 600 キロメートル 程 度 の 位 置 に 所 在 する 地 域 は 存 在 する 例 えば 熊 本 を 例 にとって 地 理 的 関 係 を 見 ると 熊 本 からソウルは 630 キロメートル 熊 本 から 台 北 は 1240 キロメートルである 加 えて 沖 縄 から 海 兵 隊 が 朝 鮮 半 島 に 向 かう 場 合 には 日 本 本 土 ( 長 崎 県 佐 世 保 基 地 )から 揚 陸 艦 が 一 旦 回 航 され これに 乗 船 し 6 3(2)において 述 べたとおり ロシアが 示 されていないことは 恣 意 的 と 言 わざるを 得 ない 27

てから 朝 鮮 半 島 に 向 かうのであるから 朝 鮮 半 島 有 事 に 対 宇 する 距 離 の 近 接 性 による 迅 速 性 確 保 という 点 においては 劣 っていること になる 沖 縄 が 日 本 本 土 との 対 比 において 地 理 的 優 位 性 があるとの 合 理 的 根 拠 は 示 されていないばかりか 国 の 沖 縄 県 に 対 する 不 誠 実 性 が 露 骨 に 示 されているものと 言 うべきである 琉 球 新 報 平 成 24 年 10 月 3 日 記 事 ( 甲 D103)は 防 衛 省 が 昨 年 5 月 に 作 成 した 冊 子 在 日 米 軍 海 兵 隊 の 意 義 及 び 役 割 には 沖 縄 は 米 本 土 やハワイ グ アムに 比 べ 朝 鮮 半 島 や 台 湾 海 峡 といった 潜 在 的 紛 争 地 域 に 近 い( 近 すぎない) 位 置 にある と 記 している 朝 鮮 半 島 や 台 湾 海 峡 という 潜 在 的 紛 争 地 域 への 対 処 のようだ しかしこの 近 い 近 すぎな い が 意 味 不 明 だ 県 の 質 問 に 対 して 防 衛 省 は 九 州 本 州 に 海 兵 隊 が 駐 留 した 場 合 沖 縄 と 比 べ 朝 鮮 半 島 に 近 くなるが それだけ 台 湾 東 南 アジアから 遠 ざかる と 回 答 してきた 沖 縄 に 過 重 負 担 を 強 いる 構 造 的 差 別 を 維 持 するための 詭 弁 (きべん)としかいい ようがない としているが 検 証 不 能 な 近 い( 近 すぎない) とい う 言 葉 で 沖 縄 への 基 地 集 中 固 定 化 を 正 当 化 することは 詭 弁 とし かいえない (3) 一 川 防 衛 大 臣 による 第 1 次 回 答 ( 甲 D4) 5~6 頁 について ア 第 1 次 回 答 の5~6 頁 は 潜 在 的 紛 争 地 域 との 位 置 関 係 につ いて 軍 事 作 戦 における 時 間 的 な 早 さ 遅 さは 作 戦 の 態 様 規 模 などによって 異 なるが 緊 急 事 態 における 一 日 あるいは 数 時 間 の 遅 延 は 軍 事 作 戦 上 致 命 的 な 遅 延 となり 得 ると 認 識 してい る 例 えば 米 海 兵 隊 岩 国 航 空 基 地 は 沖 縄 北 東 1000 km 米 海 軍 横 須 賀 基 地 は 同 約 1500 kmに 位 置 しており 沖 縄 と 比 較 し そ れだけ 台 湾 東 南 アジアといった 地 域 から 遠 ざかることになる 28

種 々の 緊 急 事 態 に 対 応 する 初 動 部 隊 としての 海 兵 隊 の 役 割 などを 勘 案 すれば 国 内 の 他 の 都 道 府 県 に 駐 留 した 場 合 距 離 的 近 接 性 を 活 かした 迅 速 な 対 応 を 確 保 できず 種 々の 事 態 への 対 処 に 遅 れが 生 ずることが 大 きな 問 題 点 であると 認 識 している と している しかし 台 湾 東 南 アジア から 遠 ざかるということは 逆 にいえば 他 の 地 域 には 近 づくことになるのであるから 朝 鮮 半 島 や 北 東 の 国 境 は 安 全 保 障 上 意 味 を 持 たないということを 同 時 に 論 証 しなければ 意 味 をなさない 例 えば 朝 鮮 半 島 有 事 について 第 1 次 回 答 5 頁 の 論 法 を 当 て はめるならば 沖 縄 県 に 駐 留 した 場 合 朝 鮮 半 島 との 距 離 的 近 接 性 がないことから 朝 鮮 半 島 有 事 について 迅 速 な 対 応 を 確 保 でき ず 種 々の 事 態 への 対 処 に 遅 れが 生 ずることが 大 きな 問 題 点 と なるということになる 沖 縄 と 日 本 国 内 の 他 の 地 域 との 比 較 で 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 論 じる 際 に 台 湾 東 南 アジアのみを 取 り 上 げること( 朝 鮮 半 島 等 を 同 時 に 取 り 上 げないこと)の 非 論 理 性 不 合 理 性 は 明 らかとい うべきである イ なお 紛 争 は 段 階 的 に 拡 大 していくものであるが そもそも 海 兵 隊 が 投 入 されるのは 紛 争 が 拡 大 した 後 の 段 階 である 上 陸 作 戦 は 海 兵 隊 の 機 動 性 即 応 性 を 示 すものであるが それは 数 時 間 といった 単 位 での 即 応 性 という 意 味 ではない 海 兵 隊 の 即 応 性 は 空 軍 の 航 空 機 の 緊 急 発 進 のような 意 味 での 即 応 性 とは 意 味 が 異 なるものである 7 7 なお 第 二 次 大 戦 後 も 朝 鮮 戦 争 での 仁 川 ベトナム 戦 争 でのダナンの 強 襲 上 陸 作 戦 等 があるが 現 在 では 多 数 の 犠 牲 を 伴 う 作 戦 は 行 われない 29

また 米 国 が 海 兵 隊 を 投 入 するためには 米 国 内 の 手 続 が 必 要 となる 相 手 方 は 答 弁 書 2 80 頁 ( 台 湾 海 峡 について の 項 目 )において 南 西 諸 島 地 域 にある 島 嶼 への 侵 攻 が 発 生 した 場 合 等 には 米 軍 海 兵 隊 の 即 応 性 機 動 性 を 有 する 能 力 が 必 要 になら ないなどということもできない と 主 張 している 南 西 諸 島 の 侵 攻 が 生 じた 事 態 は 米 国 にとっては 自 国 への 侵 攻 ではなく 外 国 の 紛 争 であり 他 国 間 の 紛 争 に 介 入 するか 否 かは 高 度 な 政 治 的 判 断 が 必 要 であり 米 国 内 の 手 続 が 必 要 であること は 当 然 であるから( 乙 D98 米 国 における 軍 隊 投 入 の 権 限 ) 仮 に 米 国 が 介 入 をするとしても 相 当 の 時 間 を 有 することになる 海 兵 隊 が 南 西 諸 島 の 侵 攻 といった 事 態 に 対 応 をすることを 想 定 するとしても 緊 急 事 態 における 一 日 あるいは 数 時 間 の 遅 延 は 軍 事 作 戦 上 致 命 的 な 遅 延 となり 得 る とするような 即 応 性 が 問 題 となるものではない なお 湾 岸 戦 争 アフガン 攻 撃 イラク 攻 撃 等 では 数 か 月 の 開 戦 準 備 期 間 をおいて 米 軍 の 戦 力 を 配 置 し 相 手 国 からの 攻 撃 を 受 けない 距 離 からミサイルを 撃 ち 込 み レーダーや 飛 行 場 などの 防 空 網 を 破 壊 し その 後 に 爆 撃 機 などで 地 上 戦 闘 部 隊 を 攻 撃 し その 戦 闘 能 力 を 奪 ったことを 確 認 して 海 兵 隊 などの 地 上 戦 闘 部 隊 が 上 陸 をしているものである 第 2 揚 陸 艦 の 母 港 は 日 本 本 に 所 在 していることに 関 する 相 手 方 の 主 張 が 不 合 理 であること 1 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 にかかる 主 張 の 非 論 理 性 (1) 審 査 申 出 人 は 強 襲 上 陸 のみを 根 拠 としていないこと ア 最 初 に 用 語 の 意 味 を 確 認 しておくこととする 答 弁 書 2では 強 襲 揚 陸 作 戦 について という 項 目 (53 頁 ) 30

中 で 強 襲 上 陸 作 戦 という 語 を 用 いているが 揚 陸 とは 船 舶 から 陸 上 への 荷 揚 げや 上 陸 を 意 味 するものであり 上 陸 とほぼ 同 義 であるから 強 襲 揚 陸 作 戦 の 強 襲 上 陸 作 戦 のいずれ についても 同 じ 意 味 すなわち 待 ち 構 える 敵 を 強 襲 し 強 行 突 破 的 に 上 陸 する 作 戦 ( 答 弁 書 2 54 頁 )という 意 味 で 用 い ているもので 特 に 用 語 を 使 い 分 けることに 意 味 はないものと 思 われる なお 揚 陸 艦 とは 輸 送 を 目 的 とした 艦 船 のうち 岸 壁 などの 港 湾 設 備 に 頼 ることなく 自 力 で 揚 陸 する( 上 陸 させる) 能 力 をもった 艦 艇 をいい 強 襲 揚 陸 艦 とは 揚 陸 艦 のうち 輸 送 ヘリコプター 及 びエア クッション 型 揚 陸 艇 を 始 めとした 各 種 上 陸 用 舟 艇 を 搭 載 運 用 する 能 力 を 持 つ 艦 陸 上 兵 力 を 輸 送 し 主 に ヘリコプターを 利 用 して 揚 陸 する( 上 陸 させる) 能 力 を 持 った 艦 艇 のことをいうものである イ 相 手 方 は 強 襲 上 陸 作 戦 とは 待 ち 構 える 敵 を 強 襲 し 強 行 突 破 的 に 上 陸 する 作 戦 である ( 答 弁 書 2 54 頁 )とした 上 で 審 査 申 出 人 が 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 のみが 海 兵 隊 第 31MEU の 任 務 であると 主 張 しているかのように 主 張 し 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 以 外 の 任 務 もあることから 審 査 申 出 人 の 主 張 は 成 り 立 たない としている しかし これは 審 査 申 出 人 がしてもいない 主 張 を 審 査 申 出 人 の 主 張 とした 上 で これを 批 判 しているに 過 ぎないものである イ 相 手 方 は 審 査 申 出 人 は 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 された 海 兵 隊 の 輸 送 機 の 主 任 務 とは 揚 陸 艦 から 陸 上 への 輸 送 ( 揚 陸 )である とした 上 で 森 本 防 衛 大 臣 が 退 任 後 の 著 書 において オスプレ イを 装 備 した2 個 飛 行 隊 (VMM)の 主 任 務 は 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 空 母 機 動 部 隊 とともに 行 動 し 強 襲 着 上 陸 捜 索 救 難 31

人 道 支 援 在 外 民 間 人 救 出 活 動 災 害 救 援 などに 従 事 する 第 31MEU( 海 兵 機 動 展 開 隊 )に 対 する 航 空 支 援 である としてい る 部 分 を 引 用 し 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 された 航 空 部 隊 は 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 艦 船 からの 輸 送 及 び 強 襲 揚 陸 に 対 する 支 援 を 行 うことを 任 務 としている と 主 張 する( 審 査 申 出 書 123 ペー ジ 及 び 124 ページ) しかしながら 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 乗 し 強 襲 上 陸 作 戦 を 実 施 するのは 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 (31ST MEU) の 主 任 務 の 一 つであるとしても その 全 てではないことは 上 記 の とおりであり 上 記 引 用 をもって 審 査 申 出 人 の 主 張 根 拠 とするこ とはできない (58 頁 ) 強 襲 上 陸 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 作 戦 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 において 米 軍 海 兵 隊 にとっての 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々すること は 意 味 がない ( 同 77 頁 )などと 主 張 している イ しかし 1 審 査 申 出 人 は 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 のみが 海 兵 隊 ないし 第 31MEU の 任 務 であるとの 主 張 はしていないものであり また 2 相 手 方 は 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 を 主 任 務 の 一 つである と 自 ら 主 張 しながら 海 兵 隊 ないし 第 31MEU の 任 務 は 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 以 外 にもあるというだけであり 日 本 本 土 に 揚 陸 艦 の 母 港 があるという 指 摘 自 体 には 何 らの 反 論 をしていないもの である すなわち 審 査 申 出 人 の 主 張 をすり 替 えるという 誤 魔 化 しをし ているにすぎない ウ 審 査 申 出 人 は 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 のみが 海 兵 隊 31MEU の 任 務 であるなどとの 主 張 はしていない 実 際 に 審 査 申 出 人 がしている 主 張 はその 真 逆 であり 審 査 申 出 書 における 第 31MEU の 任 務 の 実 態 役 割 についての 主 張 は 32

2013 年 にフィリピンで 実 施 された 共 同 演 習 に 中 国 軍 は 司 令 部 要 員 を 初 派 遣 しました フィリピンと 中 国 は 南 沙 諸 島 をめぐる 領 土 紛 争 を 抱 えています しかし 大 規 模 な 自 然 災 害 は 国 家 を 超 えた 全 人 類 的 な 問 題 であり そこは 手 を 携 えようという 考 えです 災 害 を 想 定 した 机 上 演 習 に 中 国 ベトナムや 豪 州 日 本 韓 国 など 11 カ 国 が 参 加 しました アジア 地 域 で 近 年 頻 発 する 大 規 模 災 害 に 各 国 軍 が 協 力 して 対 処 できるシステムを 構 築 する 取 り 組 みこそ が アジア 地 域 の 安 全 保 障 ネットワークを 強 化 するという 発 想 な のです その 国 際 協 力 体 制 の 中 に 中 国 も 引 き 込 もうとしています 2014 年 にタイで 実 施 された 米 タイ 共 同 演 習 コブラゴールド で 中 国 軍 は 陸 軍 兵 士 を 初 参 加 させ 他 国 軍 とともに 災 害 救 援 や 人 道 支 援 活 動 の 演 習 を 行 っています これが 沖 縄 の 海 兵 隊 がアジア 地 域 で 行 っている 安 全 保 障 の 取 り 組 みです (119~120 頁 ) 31MEU は オーストラリア タイ フィリピンなどのアジア 太 平 洋 地 域 の 国 々をめぐり 共 同 訓 練 を 行 い 信 頼 関 係 を 醸 成 す ることにその 重 要 な 役 割 があり アジア 太 平 洋 地 域 を 広 範 囲 に 巡 回 し 同 盟 国 との 共 同 訓 練 人 道 支 援 災 害 救 援 を 担 うことで アジア 太 平 洋 地 域 においてプレゼンスを 示 しているものである (129 頁 ) 31MEU は アジア 太 平 洋 地 域 の 同 盟 国 をめぐり 同 盟 国 との 共 同 訓 練 人 道 支 援 災 害 救 援 活 動 を 行 うことで 同 盟 国 との 信 頼 関 係 を 醸 成 する 活 動 を 行 い その 存 在 を 示 している ものである (134 頁 )というものである 審 査 申 出 人 がしてもいない 主 張 を 批 判 し そのことによって 強 襲 上 陸 作 戦 を 実 施 するのは 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 (31ST M EU)の 主 任 務 の 一 つであるとしても その 全 てではないことは 上 記 のとおりであり 上 記 引 用 をもって 審 査 申 出 人 の 主 張 根 拠 と 33

することはできない (58 頁 ) 強 襲 上 陸 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 作 戦 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 に おいて 米 軍 海 兵 隊 にとっての 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々す ることは 意 味 がない ( 同 77 頁 )とする 結 論 を 導 くことにはなら ないものであり 相 手 方 の 反 論 は 論 理 をなしていないものである ウ そもそも 相 手 方 が 様 々な 島 嶼 からなる 我 が 国 においては 島 嶼 防 衛 の 要 請 が 高 いことから 優 れた 上 陸 作 戦 能 力 を 有 する 米 軍 海 兵 隊 は 我 が 国 の 防 衛 に 資 するのである ( 答 弁 書 2 96 頁 ) と 主 張 しているものであり 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 乗 し 強 襲 揚 陸 作 戦 を 実 施 するのは 第 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 (31ST MEU)の 主 任 務 の 一 つである ( 答 弁 書 2 58 頁 )と 主 張 しているものであ る 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 は 海 兵 隊 の 任 務 であるとしながら 揚 陸 艦 が 長 崎 県 佐 世 保 に 配 備 されていることや 洋 上 展 開 して 即 応 体 制 をしていることについては なんらの 反 論 もない 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 に 関 して 揚 陸 艦 の 母 港 が 沖 縄 には 存 在 しないとい うことに 対 しては 反 論 をなしえていないものである 相 手 方 の 主 張 は 審 査 申 出 人 の 主 張 のすり 替 えによって 誤 魔 化 しているだけであり その 不 合 理 性 不 誠 実 性 には 顕 著 なものが あると 言 わなければならない 2 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 以 外 の 任 務 も 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われること (1) はじめに 1において 述 べたとおり 相 手 方 は 審 査 申 出 人 の 主 張 を 強 襲 揚 陸 ( 上 陸 ) 作 戦 のみが 海 兵 隊 31MEU の 任 務 であるとすり 替 え た 上 で 在 沖 海 兵 隊 の 任 務 は 強 襲 上 陸 作 戦 のみではなく 常 に 強 襲 揚 陸 艦 と 一 体 となって 任 務 を 運 用 しているわけでもないから 強 襲 34

揚 陸 艦 の 母 港 がないことをもって 沖 縄 本 島 に 海 兵 隊 を 配 備 する 理 由 がないということはできない ( 答 弁 書 2 80 頁 )としている しかし 強 襲 上 陸 作 戦 のみが 海 兵 隊 の 任 務 ではないというだけで は 揚 陸 艦 の 母 港 が 沖 縄 に 存 しないという 指 摘 に 対 する 反 論 にはな らない 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 以 外 の 任 務 は 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われるものではないことまで 示 さなければ 反 論 にはなりえないも のである そして 審 査 申 出 人 は 海 兵 隊 31MEU の 任 務 として 強 襲 上 陸 ( 揚 陸 ) 作 戦 を 強 調 しているものでは 決 してない 逆 に 同 盟 国 と の 共 同 訓 練 人 道 支 援 災 害 救 援 をしっかりと 担 っていくことで アジアに 安 全 保 障 の 網 を 張 りめぐらすような 活 動 をおこなっている ことが 海 兵 隊 の 主 要 な 任 務 であるとした 上 で その 任 務 が 基 本 的 に 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われることを 主 張 しているものである (2) 海 兵 隊 ウェブサイトや 元 防 衛 大 臣 の 著 書 先 に 引 用 したとおり 森 本 敏 元 防 衛 大 臣 の 大 臣 退 任 後 の 著 書 オ スプレイの 謎 その 真 実 ( 乙 D74)にも 普 天 間 基 地 に 配 備 され るオスプレイを 装 備 した2 個 飛 行 隊 (VMM)の 主 任 務 は 強 襲 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 空 母 機 動 部 隊 とともに 行 動 し 強 襲 着 上 陸 捜 索 救 難 人 道 支 援 在 外 民 間 人 救 出 活 動 災 害 救 援 などに 従 事 する 第 31MEU( 海 兵 機 動 展 開 隊 )に 対 する 航 空 支 援 である (77 頁 )とさ れている また 在 沖 海 兵 隊 のウェブサイトでは 第 31 海 兵 遠 征 部 隊 は 強 襲 揚 陸 艦 ドック 型 揚 陸 艦 ドック 型 輸 送 揚 陸 艦 の 三 隻 で 構 成 さ れる 揚 陸 即 応 群 の 艦 船 に 定 期 的 に 乗 船 し この 海 軍 海 兵 隊 共 同 チ ームは アジア 太 平 洋 地 域 での 有 事 の 際 には まず 最 初 に 選 ばれる 初 期 対 応 組 織 です 常 に 訓 練 に 励 み 上 陸 急 襲 や 上 陸 強 襲 略 奪 さ 35

れた 船 への 接 近 乗 船 捜 索 押 収 墜 落 した 航 空 機 や 人 員 の 戦 術 的 回 収 など 海 上 特 殊 任 務 を 含 む 急 な 任 務 にも 早 急 に 対 応 できる 機 能 を 備 えています さらに 人 道 支 援 や 災 害 救 助 に 対 応 できるように 常 時 訓 練 し 要 請 があれば 一 般 市 民 の 避 難 活 動 も 行 うことが 可 能 で す この 部 隊 の 機 能 には 中 型 大 型 航 空 輸 送 陸 上 輸 送 医 療 歯 科 衛 生 業 務 物 資 配 給 電 力 や 水 の 生 産 重 機 や 建 設 作 業 などが あり 2009 年 に 3 回 2010 年 に 1 回 そして 2011 年 にはトモダ チ 作 戦 にも 参 加 しました ( 乙 51 の7)とされている 以 上 のとおり 共 同 訓 練 人 道 支 援 災 害 救 援 については 揚 陸 艦 に 搭 乗 して 行 われる 任 務 として 紹 介 されているものである (3) 31MEUが 実 際 に 行 った 任 務 の 内 容 中 矢 潤 我 が 国 に 必 要 な 水 陸 両 用 作 戦 とその 運 用 上 の 課 題 ( 甲 D73)は 31MEU の 人 道 支 援 災 害 救 助 活 動 (HR/DR) 8 につい て 2009 年 1 月 から 2012 年 5 月 までの3 年 間 で 6つの HR/DR に 従 事 している 2009 年 は 8 月 7 日 から8 日 に 発 生 した 台 湾 で の HR/DR 9 月 26 日 に 発 生 したフィリピンでの HR/DR 9 月 30 日 から 10 月 1 日 に 発 生 した インドネシアにおける HR/DR 2010 年 には 9 月 26 日 に 発 生 したフィリピンにおける HR/DR 2011 年 は 3 月 11 日 の 東 日 本 大 震 災 での HR/DR 11 月 25 日 から 30 日 に 発 生 したタイにおける HR/DR に 従 事 している としている 平 成 21 年 から 平 成 23 年 の 第 31 海 兵 機 動 展 開 隊 (31MEU)の 活 動 をみると 平 成 21 年 は1 月 27 日 ~2 月 まで 大 平 洋 訓 練 2 月 4 日 ~2 月 17 日 までタイ 訓 練 3 月 25 日 ~3 月 31 日 まで 韓 国 訓 練 4 月 16 日 ~4 月 30 日 までフィリピン 訓 練 7 月 6 日 ~7 月 26 日 8 人 道 支 援 (Humanitarian Assistance ) 災 害 救 援 (Disaster Relief) の 頭 文 字 をとって HR/DR(ハーダー)と 呼 ばれる 甲 D48 70 頁 参 照 36

オーストラリア 訓 練 8 月 台 風 被 災 の 支 援 活 動 ( 台 湾 ) 10 月 14 日 ~10 月 20 日 フィリピン 訓 練 10 月 14 日 ~10 月 20 日 自 然 災 害 の 支 援 活 動 (インドネシア フィリピン) 11 月 韓 国 訓 練 となって おり 平 成 22 年 は2 月 1 日 から2 月 11 日 タイ 訓 練 3 月 9 日 ~3 月 19 日 フィリピン 訓 練 9 月 12 日 ~9 月 21 日 グアム 訓 練 10 月 14 日 ~10 月 22 日 フィリピン 訓 練 及 び 台 風 メーギーによる 人 的 支 援 10 月 30 日 シンガポール 地 域 交 流 イベント 11 月 16 日 ~11 月 19 日 地 域 交 流 イベント 12 月 3 日 ~12 月 10 日 自 衛 隊 と 日 米 共 同 演 習 12 月 8 日 ~12 月 15 日 霧 島 研 修 となっており 平 成 23 年 は2 月 7 日 ~2 月 19 日 タイ 訓 練 2 月 27 日 ~3 月 2 日 カンボジア 訓 練 3 月 12 日 ~4 月 7 日 トモダチ 作 戦 ( 東 北 ) 7 月 11 日 ~7 月 29 日 オーストラリア 作 戦 10 月 9 日 ~10 月 16 日 能 力 検 証 訓 練 (フィリ ピン) 10 月 17 日 から 10 月 28 日 フィリピン 訓 練 となっており 1 年 のうちの 大 半 の 期 間 は 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 活 動 しているもので ある 以 上 のとおり 海 兵 隊 が 現 に 行 っている 主 要 な 任 務 は 水 陸 両 用 戦 隊 (PHIBRON) 乗 艦 中 の MAGTAF(MEU) すなわち 水 陸 両 用 即 応 群 (ARG)によって 多 国 籍 訓 練 と HR/DR を 主 とした 実 任 務 を 行 い 練 度 を 維 持 するとともに 他 国 との 信 頼 関 係 を 醸 成 する というものであることは 明 らかである 海 兵 隊 の 任 務 がすべて 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われるものではな いからといって 主 任 務 が 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われていること 自 体 は 紛 れもない 事 実 である (4) CH 46E の 行 動 半 径 から 判 明 すること 辺 野 古 への 新 基 地 建 設 は オスプレイを 前 提 として 決 定 されたも のではなく オスプレイの 配 備 によって 海 兵 隊 の 任 務 の 在 り 方 が 37

基 本 的 に 変 わったものではない 乙 114 の2にも CH 46 飛 行 隊 をMV 22 飛 行 隊 に 改 編 することについて この 部 隊 レベ ルの 更 新 は 日 本 における 米 国 のプレゼンスを 大 きく 変 更 するもの ではない とされている 長 い 間 CH 46Eが 海 兵 隊 航 空 輸 送 部 隊 の 中 核 であったもので あり 乙 52~54 59 は CH 46Eを 前 提 としていたものである そして CH 46Eの 作 戦 行 動 半 径 は 12 名 搭 乗 時 で 約 140 キロメ ートルであり( 甲 E22 3 頁 甲 D25 101 頁 ) 沖 縄 島 を 起 点 と すると 宮 古 島 ですら 作 戦 行 動 半 径 外 ということになり このことか らも 航 空 輸 送 部 隊 の 任 務 が 主 に 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われるもの であることは 明 らかである (5) 海 兵 隊 の 根 拠 法 令 からも 海 軍 艦 船 に 搭 乗 して 行 う 任 務 が 主 任 務 であるといえること 防 衛 省 在 日 米 軍 及 び 海 兵 隊 の 意 義 役 割 について ( 乙 53)は 海 兵 隊 の 任 務 について 1 艦 隊 とともに 勤 務 し 前 方 の 海 軍 基 地 を 確 保 又 は 防 衛 するため あるいは 海 軍 の 作 戦 遂 行 に 不 可 欠 な 地 上 作 戦 を 実 施 するため 支 援 航 空 部 隊 とともに 諸 兵 科 連 合 の 艦 隊 海 兵 隊 を 提 供 2 海 軍 の 艦 船 に 分 遣 隊 及 び 支 援 組 織 を 提 供 3 海 軍 基 地 及 び 政 府 施 設 に 保 安 分 遣 隊 を 提 供 9 4 大 統 領 の 命 じるその 他 の 作 戦 の 遂 行 5 他 の 軍 種 と 協 同 で 水 陸 両 用 作 戦 で 上 陸 部 隊 が 使 用 する 教 義 戦 術 技 術 及 び 装 備 を 開 発 すること 6 総 動 員 計 画 に 従 い 戦 時 の 需 要 に 対 処 するため 平 時 編 制 の 拡 張 ( 予 備 役 )を 準 備 するこ と (14 頁 )としている すなわち 海 兵 隊 の 主 要 な 任 務 は 海 軍 の 艦 隊 への 海 兵 隊 の 提 供 9 例 えば 在 日 米 大 使 館 にも 十 数 名 の 海 兵 隊 員 から 成 る 警 備 分 遣 隊 が 配 属 されている 38

すなわち そもそも 海 兵 隊 の 主 たる 任 務 は 海 軍 の 艦 隊 に 搭 載 されて 行 われるということである 10 この 海 兵 隊 の 任 務 は 合 衆 国 法 典 に 規 定 されているものである すなわち 合 衆 国 法 典 第 5063 条 (U.S. Code 5063 - United States Marine Corps: composition; functions)は (a) The Marine Corps, within the Department of the Navy, shall be so organized as to include not less than three combat divisions and three air wings, and such other land combat, aviation, and other services as may be organic therein. The Marine Corps shall be organized, trained, and equipped to provide fleet marine forces of combined arms, together with supporting air components, for service with the fleet in the seizure or defense of advanced naval bases and for the conduct of such land operations as may be essential to the prosecution of a naval campaign. In addition, the Marine Corps shall provide detachments and organizations for service on armed vessels of the Navy, shall provide security detachments for the protection of naval property at naval stations and bases, and shall perform such other duties as the President may direct. However, these additional duties may not detract from or interfere with the operations for which the Marine Corps is primarily organized.(b) The Marine Corps shall develop, in coordination with the Army and the Air Force, those phases of amphibious operations that pertain to the tactics, technique, and equipment used by landing forces.(c) The Marine Corps is responsible, in accordance with integrated joint mobilization 10 海 兵 隊 の 成 り 立 ちについては 甲 D67 101~120 頁 参 照 39

plans, for the expansion of peacetime components of the Marine Corps to meet the needs of war.( 訳 (a) 海 兵 隊 は 海 軍 省 の 下 に あって 三 個 を 下 回 らない 戦 闘 師 団 及 び 三 個 を 下 回 らない 航 空 団 並 びにその 他 の 地 上 戦 闘 部 隊 航 空 部 隊 及 びその 他 の 部 隊 を 含 むよう に 組 織 されるものであり それゆえ 系 統 的 である 海 兵 隊 は 海 軍 前 進 基 地 の 奪 還 あるいは 防 衛 における 艦 隊 兵 力 のために 又 は 海 軍 の 作 戦 遂 行 に 不 可 欠 となる 場 合 における 地 上 作 戦 の 実 施 のために 支 援 航 空 部 隊 とともに 諸 科 連 合 の 艦 隊 海 兵 軍 を 提 供 すべく 組 織 さ れ 訓 練 され 及 び 装 備 されるものとする これに 加 えて 海 兵 隊 は 海 軍 の 武 装 船 への 役 務 のために 分 遣 隊 と 組 織 を 提 供 し 海 軍 の 施 設 及 び 基 地 における 海 軍 資 産 の 保 護 のために 保 安 分 遣 隊 を 提 供 し 又 は 大 統 領 の 命 令 によりその 他 の 任 務 を 実 行 する 但 し これらの 追 加 的 な 任 務 は 海 兵 隊 が 組 織 された 元 来 の 作 戦 を 妨 げ 又 は 損 な わないものとする (b) 海 兵 隊 は 陸 軍 と 空 軍 との 調 整 の 下 上 陸 部 隊 が 用 いる 戦 術 技 術 及 び 装 備 に 関 する 水 陸 両 用 作 戦 の 各 段 階 を 開 発 する (c) 海 兵 隊 は 統 合 合 同 動 員 計 画 に 従 い 戦 時 の 需 要 を 満 たすため 平 時 の 海 兵 隊 構 成 部 隊 を 拡 張 させる 責 任 を 負 う )と 定 めているものである 海 兵 隊 の 主 要 な 任 務 が 海 軍 艦 船 に 搭 乗 して 行 われるものである ことは 海 兵 隊 の 根 拠 法 令 からも 明 らかというべきである (6) 小 括 以 上 のとおり 海 兵 隊 の 主 要 な 任 務 は 海 軍 艦 艇 である 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われるものである そして 揚 陸 艦 の 母 港 は 沖 縄 からは 地 理 的 に 離 れた 日 本 本 土 ( 長 崎 県 佐 世 保 )に 所 在 するものであり また 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 洋 上 展 開 をしているときには その 洋 上 展 開 している 地 点 から 任 務 40

の 目 的 地 に 向 かうものであるから 沖 縄 に 海 兵 隊 ( 輸 送 ヘリ オス プレイ 部 隊 )が 所 在 しなければならない 必 然 性 は 認 められないもの である 3 相 手 方 の 主 張 する 事 例 について 相 手 方 は 答 弁 書 2 57 頁 において 平 成 25 年 11 月 8 日 に 発 生 した 台 風 30 号 によるフィリピンの 台 風 被 害 に 対 する 救 援 作 戦 (ダマ ヤン 作 戦 )においてMV 22 オスプレイが 普 天 間 飛 行 場 からフィリピ ンに 飛 行 したこと 及 びイラクにおけるCH 46Eの 活 動 を 挙 げてい るが これらの 例 は いずれも 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 基 礎 づけるも のではない (1) 平 成 25 年 台 風 30 号 によるフィリピンの 台 風 被 害 への 救 援 活 動 (ダマヤン 作 戦 )について 平 成 25 年 11 月 8 日 の 被 災 後 翌 9 日 に 青 森 県 三 沢 基 地 に 配 備 されたP 3 哨 戒 機 がフィリピンの 被 災 地 に 赴 き 捜 索 飛 行 を 開 始 した そして 10 日 にKC 1302 機 が 普 天 間 飛 行 場 から 被 災 地 に 赴 いた MV 22 オスプレイが 被 災 地 に 向 かったのは 11 日 のこと である 日 本 本 土 にオスプレイが 配 備 されていたとしても 岩 国 基 地 からでも2 時 間 で 沖 縄 に 飛 行 できるのであるから オスプレイが 日 本 本 土 に 配 備 されていても なんら 対 応 に 支 障 は 生 じなかったも のである また ダマヤン 作 戦 には 東 京 都 横 田 基 地 に 配 備 され てC 130 も 参 加 し 米 軍 機 による 航 空 援 助 活 動 は MV 22 オス プレイよりC 130 の 方 が 回 数 飛 行 時 間 は 多 い 三 沢 基 地 配 備 の P 3 普 天 間 飛 行 場 配 備 のKC 130 横 田 基 地 配 備 のC 130 がダマヤン 作 戦 には 参 加 しているものであり 日 本 本 土 の 中 で 沖 縄 に 輸 送 航 空 機 部 隊 がなければならないという 必 然 性 がないことを 示 したものとも 言 えるものである 41

また 11 月 12 日 に 長 崎 県 佐 世 保 基 地 の 揚 陸 艦 アシュランドと 揚 陸 艦 ジャーマンタウンの 増 派 が 決 定 され 11 月 14 日 に 佐 世 保 基 地 を 出 港 した2 隻 の 揚 陸 艦 は 11 月 15 日 にホワイト ビーチに 到 着 し ホワイト ビーチで 約 2000 名 の 海 兵 隊 員 や 車 両 物 資 等 を 搭 載 した 後 11 月 18 日 にホワイト ビーチを 出 港 して 被 災 地 に 向 か い 同 月 20 日 に 被 災 地 に 到 着 して 活 動 を 開 始 したものであり 水 陸 両 用 戦 隊 (PHIBRON) 乗 艦 中 の MAGTAF(MEU) すなわち 水 陸 両 用 即 応 群 (ARG)として 活 動 をしたものである なお 米 軍 の 艦 船 で 最 初 に 被 災 地 に 到 着 したのは 神 奈 川 県 横 須 賀 基 地 に 配 備 されていた 空 母 ジョージ ワシントンであり 定 期 パトロー ル 航 海 で 寄 港 中 の 香 港 から 被 災 地 に 向 かって 11 月 14 日 に 到 着 して 活 動 を 開 始 し 2 隻 の 揚 陸 艦 が 到 着 するまで 救 援 活 動 を 行 っている ダマヤン 作 戦 をもって 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 の 根 拠 とすることも また 海 兵 隊 の 活 動 が 揚 陸 艦 と 関 係 がないとすることの 根 拠 とする こともできないものである (2) イラクへの 輸 送 ヘリ 部 隊 の 派 遣 について イラクに 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 された 輸 送 ヘリ 部 隊 が 長 期 にわた って 派 遣 されたことは 事 実 であるが( 平 成 19 年 についてみると 1 月 26 日 から8 月 14 日 まで 第 262 海 兵 中 ヘリ 中 隊 がイラクに 派 遣 されている ) これも 沖 縄 に 送 航 空 機 部 隊 がなければならないと いう 必 然 性 がないことを 示 したものである すなわち 7か 月 もの 間 イラクに 派 遣 をされても 我 が 国 の 安 全 保 障 になんらの 問 題 は 生 じていないのであり 沖 縄 駐 留 の 必 然 性 がないことを 示 したもの である また イラクに 派 遣 される 部 隊 が 沖 縄 に 配 備 される 必 然 性 も 認 めえない 相 手 方 が 主 張 するイラク 派 遣 の 事 実 は 沖 縄 に 海 兵 隊 輸 送 航 空 機 42

部 隊 が 配 備 される 必 然 性 がないことをこそ 示 したものというべきで ある 第 3 抑 止 力 及 び 矛 という 主 張 について 1 抑 止 力 という 主 張 について (1) 相 手 方 の 主 張 相 手 方 は 抑 止 力 とは 侵 略 を 行 えば 耐 え 難 い 損 害 を 被 ること を 明 白 に 認 識 させることにより 侵 略 を 思 いとどまらせるという 機 能 を 果 たすもの ( 答 弁 書 2 89 頁 )と 抑 止 力 概 念 を 定 義 している そして 我 が 国 を 取 り 巻 く 国 際 情 勢 (87 頁 ) 日 米 同 盟 の 抑 止 力 (91 頁 )を 主 張 し 在 沖 海 兵 隊 は 在 日 米 軍 のなかで 唯 一 地 上 戦 闘 部 隊 を 有 しており 様 々な 危 機 に 対 処 するための 任 務 作 成 を 遂 行 する 能 力 を 有 していることから 日 米 同 盟 の 抑 止 力 の 不 可 欠 な 一 部 を 構 成 する 要 素 である 我 が 国 の 戦 略 的 要 衝 として 地 理 的 優 位 性 を 有 する 沖 縄 県 に 駐 留 することは 我 が 国 の 安 全 保 障 のための 抑 止 力 として 機 能 している (92 頁 )と 主 張 している (2) 抑 止 力 維 持 のために 海 兵 隊 の 配 置 場 所 が 沖 縄 でなければならな いとする 相 手 方 主 張 の 非 論 理 性 ア 審 査 申 出 人 の 主 張 は 安 保 条 約 を 否 定 するものでなければ 海 兵 隊 を 否 定 しているものでもない 海 兵 隊 が 沖 縄 に 駐 留 しなければならない 必 然 性 はなく 安 全 保 障 が 日 本 国 全 体 の 問 題 であるのに 沖 縄 にのみ 米 軍 基 地 の 負 担 を 押 し 付 けてさらに 将 来 にわたって 固 定 化 することは 正 当 化 され ないといっているものである これは 安 保 条 約 の 否 定 でも 海 兵 隊 の 否 定 でもない 空 軍 であれば 飛 行 場 所 在 地 から 戦 闘 機 等 が 直 接 飛 び 立 ち 任 務 地 に 向 かうことになるが 海 兵 隊 はそうではない 海 兵 隊 が 侵 43

略 を 行 えば 耐 え 難 い 損 害 を 与 える 任 務 を 行 うならば それは 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 うことになる しかし 揚 陸 艦 の 母 港 は 沖 縄 には 存 在 しない したがって 揚 陸 艦 が 回 航 されるのを 待 ち 揚 陸 艦 に 搭 乗 し それから 初 めて 任 務 地 に 赴 くことになるのであ る 朝 鮮 半 島 を 考 えるならば 揚 陸 艦 が 母 港 に 停 泊 しているときに 急 派 されるとするならば 長 崎 県 佐 世 保 から 一 旦 朝 鮮 半 島 とは 反 対 側 の 沖 縄 に 揚 陸 艦 が 向 かい 沖 縄 で 第 31MEUを 揚 陸 艦 に 搭 載 した 後 朝 鮮 半 島 に 向 かうことになる 日 本 本 土 よりも 沖 縄 に 近 い 台 湾 海 峡 を 考 えても 揚 陸 艦 が 母 港 に 停 泊 しているときに 急 派 されるとするならば 長 崎 県 佐 世 保 から 沖 縄 に 揚 陸 艦 が 向 か い 沖 縄 の 海 兵 隊 はその 到 着 を 待 ち 沖 縄 で 第 31MEU が 揚 陸 艦 に 搭 乗 した 後 はじめて 台 湾 海 峡 に 向 かうことになるのであり 日 本 本 土 に 海 兵 隊 が 駐 留 し 日 本 本 土 で 揚 陸 艦 に 搭 載 された 後 台 湾 海 峡 に 向 かう 場 合 と 比 して 即 応 性 があることにはならない また 揚 陸 艦 が 洋 上 展 開 している 場 合 には その 場 所 から 任 務 地 に 向 かうのであり 海 兵 隊 がどこで 揚 陸 艦 に 搭 乗 したかは 関 係 がないから 海 兵 隊 の 配 置 される 場 所 について 必 然 性 は 存 しない ことになる 海 兵 隊 が 侵 略 を 行 えば 耐 え 難 い 損 害 を 与 える 作 戦 をするな らば 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 うことになるものであり 揚 陸 艦 の 母 港 が 沖 縄 にはなく 日 本 本 土 に 在 ることよりすれば 沖 縄 に 海 兵 隊 が 配 置 されなければならないという 必 然 性 は 認 められない これまで 述 べたことのくり 返 しになっているが 相 手 方 は 地 理 的 優 位 性 を 有 する 沖 縄 県 に 駐 留 することは 我 が 国 の 安 全 保 障 のための 抑 止 力 として 機 能 と 主 張 しているものであり 地 理 的 44

優 位 性 という 主 張 に 対 する 批 判 がそのまま 当 てはまるものであ る ウ そして 海 兵 隊 の 任 務 は 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われるものであ るから 沖 縄 に 配 置 する 地 理 的 必 然 性 がない 揚 陸 艦 の 母 港 は 沖 縄 ではなく 日 本 本 土 である との 審 査 申 出 人 の 指 摘 に 対 して 相 手 方 は 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 う 任 務 自 体 については 反 論 をなし えていない 相 手 方 は 第 一 次 回 答 ( 甲 D4)が 強 襲 揚 陸 艦 は 米 海 軍 艦 艇 であり 強 襲 上 陸 作 戦 など 海 兵 機 動 展 開 隊 (MEU) 等 の 海 兵 空 地 任 務 部 隊 (MAGTAF)を 大 規 模 に 遠 隔 地 にある 作 戦 地 域 に 投 入 する 場 合 において 有 効 な 手 段 であるとしつつ 他 方 で 幅 広 い 任 務 を 有 する 海 兵 隊 にあっては 海 軍 艦 艇 による 支 援 を 要 さな い 次 のような 部 隊 の 運 用 も 行 われる として 一 小 規 模 な 部 隊 をもって 隠 密 裏 に 遂 行 する 必 要 がある 偵 察 監 視 任 務 や 特 殊 作 戦 及 び 一 高 度 な 機 動 性 や 即 応 性 が 求 められる 民 間 人 の 救 出 活 動 捜 索 救 難 活 動 や 人 道 支 援 災 害 救 助 への 対 応 ( 答 弁 書 2 56 頁 )としていることを 反 論 としている 11 しかし これらの 任 務 は 明 らかに 侵 略 を 行 えば 耐 え 難 い 損 害 を 被 ることを 明 白 に 認 識 させることにより 侵 略 を 思 いとど まらせるという 機 能 とは 異 質 なものである したがって 相 手 方 の 主 張 は そもそも 相 手 方 が 定 義 する 抑 止 力 の 論 拠 とはなりえないものであり その 主 張 は 論 理 をなし ていない 11 なお 人 道 支 援 災 害 救 助 活 動 も 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われているもの である 45

2 矛 という 主 張 について (1) 相 手 方 の 矛 という 主 張 相 手 方 は 様 々な 島 嶼 からなる 我 が 国 においては 島 嶼 防 衛 の 要 請 が 高 いことから 優 れた 上 陸 作 戦 能 力 を 有 する 米 軍 海 兵 隊 は 我 が 国 の 防 衛 に 資 する さらに 言 えば 自 衛 隊 と 米 軍 の 関 係 は い わば 盾 と 矛 の 関 係 であり 我 が 国 の 防 衛 にあたっては 自 衛 隊 が 防 衛 作 戦 を 担 当 し 米 国 が 攻 勢 作 戦 を 担 当 することで 我 が 国 の 抑 止 力 が 担 保 されるのであって 即 応 性 機 動 性 を 有 する 米 軍 海 兵 隊 はこの 矛 の 極 めて 重 要 な 部 分 を 占 めることになる ( 答 弁 書 2 96 頁 )と 主 張 している (2) 矛 という 主 張 は 海 兵 隊 が 沖 縄 に 配 備 されなければならないこ との 根 拠 とはならないこと ア 審 査 申 出 人 は 海 兵 隊 を 否 定 しているものではない 再 三 のくり 返 しになるが 審 査 申 出 人 が 主 張 しているのは 海 兵 隊 が 沖 縄 に 駐 留 しなければならない 必 然 性 はなく 安 全 保 障 が 日 本 国 全 体 の 問 題 であるにもかかわらず 沖 縄 にのみ 米 軍 基 地 の 負 担 を 押 し 付 けてさらに 将 来 にわたって 固 定 化 することは 正 当 化 されないといっているものである イ そして 相 手 方 は 海 兵 隊 の 任 務 は 揚 陸 艦 に 搭 載 されて 行 われ るものであるから 沖 縄 に 配 置 する 地 理 的 必 然 性 がない 揚 陸 艦 の 母 港 は 沖 縄 ではなく 日 本 本 土 である との 審 査 申 出 人 の 指 摘 自 体 については 反 論 しないで 強 襲 上 陸 の 遂 行 のみが 米 軍 海 兵 隊 の 任 務 作 戦 ではないから 強 襲 揚 陸 艦 の 母 港 との 位 置 関 係 にお いて 米 軍 海 兵 隊 にとっての 沖 縄 本 島 の 地 理 的 優 位 性 を 云 々する とは 意 味 がない ( 答 弁 書 2 77 頁 )と 主 張 した 上 で 隠 密 裏 に 遂 行 する 敵 地 での 偵 察 監 視 活 動 海 賊 対 処 人 質 の 奪 還 危 機 46

発 生 時 の 民 間 人 の 救 出 活 動 から 自 然 災 害 発 生 時 における 捜 索 救 難 活 動 や 物 資 輸 送 平 時 における 人 道 支 援 などの 任 務 を 主 張 して いるのである ウ 相 手 方 の 主 張 は 論 理 をなさないものであり 優 れた 上 陸 作 戦 能 力 を 有 する 米 軍 海 兵 隊 は 我 が 国 の 防 衛 に 資 する 米 国 が 攻 勢 作 戦 を 担 当 する 米 軍 海 兵 隊 はこの 矛 の 極 めて 重 要 な 部 分 を 占 める ( 答 弁 書 2 96 頁 )との 主 張 は 海 兵 隊 が 沖 縄 に 配 備 され なければならないことの 論 拠 にはならないものである 47