最 優 秀 賞 意 欲 的 に 取 り 組 む 生 徒 を 育 成 する 天 体 学 習 いし 静 岡 県 浜 松 市 立 庄 内 中 学 校 石 はら 原 たか 貴 し 志 概 要 空 にあるたくさんの 天 体 は 地 球 からはるか 遠 くに 離 れており 実 際 にその 天 体 の 動 きを 観 察 す る 方 法 は 限 られている また 宇 宙 空 間 を 頭 に 思 い 浮 かべて 天 体 がどのように 動 くのかを 考 えるのはとても 難 しい 生 徒 に 事 前 アンケートをとった 結 果 地 球 が 自 転 や 公 転 をしていることは 知 っているが 星 の 日 周 運 動 にどうかかわっているかは 約 6 割 の 生 徒 がわかっていなかった 知 識 はあるが しくみ については 理 解 していない 本 研 究 では 透 明 半 球 における 太 陽 の 動 きの 観 察 方 法 を 工 夫 して できるだけ 多 くの 発 見 がで きるようにした また いろいろな 天 体 模 型 を 考 案 し 本 物 の 天 体 の 動 きに 似 せてイメージを 持 て るようにした 生 徒 は 与 えられた 知 識 ではなく 観 察 結 果 よ り 得 た 結 果 をもとに 天 体 の 動 きを 考 えることがで きる また いろいろな 天 体 模 型 を 使 うことで 天 体 の 動 きに 対 する 明 確 なイメージを 持 つことが でき 意 欲 的 に 課 題 解 決 に 取 り 組 むことができ ると 考 える 1.はじめに 6. 地 球 と 宇 宙 における 天 体 の 学 習 は 生 徒 が 宇 宙 空 間 (3 次 元 )の 中 で 星 の 動 きをイメー ジすること 空 間 (3 次 元 )でイメージしたもの をワークシート(2 次 元 )にまとめることを 行 わ なければならず とても 難 しい 単 元 である 本 研 究 では 1 本 物 の 星 に 似 た 動 きをする 教 具 で できる だけ 実 際 の 観 測 に 近 づけた 観 察 をすること 2 教 具 を 使 って3 次 元 の 中 で 方 位 や 角 度 を 明 確 にすること 3 3 次 元 のイメージを2 次 元 のワークシートに まとめること の3 点 を 重 視 し これらを 解 決 するための 教 具 の 作 成 を 考 えた 具 体 的 に1としては 実 際 に 観 測 する 場 面 に 近 づけるように 星 の 模 型 地 面 の 模 型 観 測 者 の 模 型 を 作 った 2としては 地 面 模 型 に 東 西 南 北 を 書 き 地 球 の 模 型 に 取 りつけることで 方 位 を 明 確 にした 自 由 に 向 きを 変 えて 取 り 付 けられる 観 測 者 模 型 を 地 面 につけ 観 測 する 方 向 を 明 確 にした 日 周 運 動 する 太 陽 の 角 度 を 測 定 する 道 具 を 製 作 した 3としては 背 景 の 空 間 を 示 した 図 を 作 り その 上 で 天 体 模 型 を 動 かせることで 3 次 元 から2 次 元 にイ 20
最 優 秀 賞 メージを 変 えていく 補 助 ができるようにした 生 徒 全 員 が 共 通 の 視 点 を 持 つことができるよ うに 一 人 で 実 験 観 察 できる 扱 いやすい 大 きさの 教 具 にし 生 徒 が 扱 っている 教 具 を 見 る 視 線 で 写 真 を 撮 り ワークシートに 利 用 した 以 上 のことをふまえて 以 下 に 製 作 した 教 具 を 紹 介 する 天 体 模 型 としては 地 球 模 型 太 陽 模 型 日 周 運 動 学 習 用 の 恒 星 模 型 金 星 模 型 を 製 作 した 地 球 模 型 には 方 位 を 示 した 地 面 模 型 地 面 が 受 ける 温 度 を 測 定 できる 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 観 測 者 の 位 置 と 観 測 の 方 向 を 示 す 観 測 者 模 型 などを 取 り 付 けて 観 察 する 地 球 などの 公 転 のときには 天 体 の 位 置 関 係 がわかるように 背 景 の 空 間 図 を 用 意 した 測 定 用 教 具 としては 透 明 半 球 用 分 度 器 を 製 作 した 以 上 の 教 具 を 使 って 理 解 したことを 記 憶 に 残 すために 観 察 場 面 の 写 真 を 利 用 してワーク シートを 作 った これらの 教 具 は 生 徒 一 人 一 人 が 自 分 で 動 か して 理 解 するためにも 3 次 元 のイメージを 生 徒 全 員 が 共 通 の 視 点 を 持 って2 次 元 のワークシー トにまとめるためにも 一 人 で 実 験 観 察 がで きる 大 きさの 教 具 を 製 作 するようにした 2. 教 材 教 具 の 製 作 方 法 生 徒 が 意 欲 的 にわかりやすく 取 り 組 むための 教 具 について 検 討 した できるだけ 一 人 の 生 徒 が 教 具 を 授 業 中 長 く 使 って 実 験 観 察 できるよ うに 身 近 な 材 料 で 扱 いやすい 大 きさの 物 を 選 ぶようにした ア 透 明 半 球 用 分 度 器 透 明 半 球 を 使 って 太 陽 の 通 り 道 を1 時 間 ごとに 記 録 する 観 察 ( 教 科 書 に 記 載 )を 行 った 後 そ の 結 果 をより 深 く 考 察 するものとして 作 った 材 料 は 半 球 面 には 観 察 で 使 った 薄 型 透 明 塩 ビ 半 球 (φ100 50(H)mm)と 同 じものを 使 用 し 底 面 には 厚 紙 を 使 った 底 面 は 円 の 中 心 から 黒 線 で 半 球 面 は 頂 部 を 中 心 として 赤 線 で15 ずつ 区 切 った また 半 球 面 を 球 の 中 心 を 基 準 に 頂 部 から 底 面 まで 青 点 で10 ずつ 区 切 った イ 地 球 模 型 直 径 約 3cmの 鉄 球 を 使 った 地 面 模 型 観 測 者 模 型 を 地 球 模 型 に 付 けるためには 磁 石 を 利 用 するのが 有 効 と 考 え 地 球 には 磁 石 が 付 く 鉄 を 素 材 に 選 んだ また 球 が 転 がらず 安 定 さ せるために 塩 ビ 管 を 下 に 取 り 付 けた ウ 地 面 模 型 地 球 は 球 形 であるが 大 きいために 普 段 地 球 上 にいる 私 たちが 見 る 地 面 は 平 面 である その ため 生 徒 がふだんどおりのイメージを 持 つこと ができるように 地 面 模 型 を 作 った 地 面 模 型 に は 東 西 南 北 を 書 き 込 み 方 位 がわかるようにし た 地 面 模 型 の 裏 には 薄 型 の 磁 石 を 取 り 付 け 地 球 模 型 のどの 場 所 にも 付 くようにしている 材 料 は 塩 ビ 板 を 使 用 した エ 観 測 者 模 型 観 測 者 の 位 置 がどこであるか 明 確 にするため に 観 測 者 ( 動 物 )の 模 型 を 取 り 付 けるようにした 足 の 部 分 に 磁 石 が 付 いていて 地 面 模 型 上 のど の 方 角 を 向 いても 付 くようになっている 観 測 者 模 型 の 見 ている 向 きにより どの 方 向 で 観 察 する か 視 点 を 定 めることができる オ 太 陽 模 型 消 しゴムとまち 針 で 簡 単 に 作 った 太 陽 が 東 から 西 へどのように 動 くかを 確 かめ 地 球 がどの 向 きに 自 転 するかを 考 えるために 使 う 透 明 半 球 用 分 度 器 地 球 模 型 地 面 模 型 観 測 者 模 型 がついた 状 態 太 陽 模 型 21
カ 日周運動学習用の恒星模型 3 教材 教具の使い方 地球の自転によって 太陽以外の恒星 星座 を夜に観察したら どのように動くかを確かめる ア 透明半球用分度器の使い方 ために作った 観測者地面付地球模型 太陽模 ① 透明半球を使って太陽の通り道を1時間ごと 型の実験で地球模型の使い方 自転の向きを理 に記録する観察を行う 6月ごろから10月 解した後でこの恒星模型を使うと効果的である ごろまで班で実施日をずらして行う 特に 直径150mmの透明半球を2個 塩ビ板 塩ビ管 夏至 秋分の日は必ず実施する を使用した 底面の中央には 地球模型を取り ② 結果を記録した透明半球の内側に透明半球 付けるように塩ビ管を接着した 矢印は地球の 用分度器を重ねて 秋分の日に付けた点の規 自転の向きを示している これに図のように地球 則性を調べる 模型と 恒星のシールをはった透明半球をかぶ せて使用する 恒星模型の下部 恒星模型上部をかぶせたところ キ 液晶温度計付地面模型 観察結果 ③ 秋分の日の点が 分度器の一つの円に重なっ 地面を想定した透明な塩ビ板に 液晶温度計 ていることを調べる このことから 地球の自 をはり付けた 転により太陽が円軌道を描くと考え 分度器 ク 金星模型 の底面の直線からこの円の垂線を選び 回転 白色のハッポースチロール球の半分をマジック 軸を見つけて透明半球に印を付ける で黒に塗り ゴムホースを輪切りにしたものを下 部にはり付けた 満ち欠けがわかりやすくなるよ うにした 液晶温度計付地面模型 金星模型 回転軸を見つけて印を付ける 一つの円に 重 なってい る ケ 背景の空間図 点 が15 ず つ 移 動して いる ア クの模型は立体であるが 背景の空間図 ④ 透明半球用分度器の頂部を ③で印を付け は平面にした この空間図により 3次元から2 た回転軸に合わせて 観察結果の点が半球面 次元にイメージしやすくなると考える 分度器の赤線を1時間に何 ずつ移動している かを調べる 15 ずつとわかる ⑤ 秋分の日の結果から印を付けた回転軸に 透明半球用分度器の頂部を合わせると ほか の日に記録した太陽の動きの観察結果も こ 金星用空間図 の回転軸から15 ずつ移動していることがわか 季節と星座用の空間図 る このことから 季節が変わっても回転軸 地 22
最 優 秀 賞 軸 )の 向 きが 変 わらないことがわかる 後 に 学 習 する なぜ 四 季 があるのか につなげ ていく * 秋 分 から 春 分 の 間 を 調 べる 場 合 は 半 球 では 記 録 した 点 の 位 置 に 届 かなくなるので 分 度 器 を 二 つ 使 用 し 球 形 にして 測 定 するとわかり やすい 6 秋 分 の 日 に 太 陽 が 南 中 した 点 と 夏 至 の 日 に 太 陽 が 南 中 した 点 が 透 明 半 球 用 分 度 器 の 青 い 点 で 何 違 うかを 調 べる この 結 果 から 地 軸 が 地 球 の 公 転 面 の 垂 線 から23.4 傾 いてい ることにつなげていくことができる イ 地 球 と 太 陽 の 模 型 の 使 い 方 ( 太 陽 の 一 日 の 動 き 方 と 地 球 の 自 転 の 方 向 ) 1 教 室 の 天 井 が 地 軸 の 北 床 が 南 とすること を 伝 え 地 面 模 型 を 地 球 模 型 の 日 本 の 位 置 に くっつけさせる 2 地 球 模 型 の 横 に 太 陽 模 型 を 置 く 3 顔 を 地 球 模 型 に 近 づけさせて 観 測 者 の 模 型 の 位 置 から 太 陽 模 型 を 見 るようにする 太 陽 が 東 の 地 平 線 から 昇 り 西 の 地 平 線 へ 沈 む ように 地 球 模 型 を 手 で 回 す そのとき 太 陽 は 東 南 西 の 空 をどのように 動 いていくかを 観 察 させる 東 の 空 南 の 空 西 の 空 青 い 点 は10 ずつ 区 切 られ ている 夏 至 と 秋 分 の 日 の 南 中 した 点 は 23.4 ずれている 7 透 明 半 球 用 分 度 器 に 結 果 を 記 録 した 透 明 半 球 を 頂 部 を 合 わせてピッタリと 重 ねる 青 い 点 を 利 用 すると その 日 の 南 中 高 度 を 測 定 する ことができる 下 図 は 秋 分 の 日 の 南 中 高 度 を 測 定 している 約 55 であった 測 定 場 所 の 緯 度 は34 度 45 分 である これにより 南 中 高 度 から 緯 度 を 考 えさせることができる また 違 う 観 測 日 から 南 中 高 度 の 比 較 をすること ができる * 透 明 半 球 でこれらの 結 果 を 得 るためには 正 確 な 測 定 南 中 高 度 の 測 定 が 必 要 である 中 央 標 準 時 から 観 測 場 所 の 正 確 な 南 中 時 刻 を 計 算 し 正 確 な 方 位 で 観 察 させた 点 も 付 けた 後 点 の 影 が 台 紙 の 正 しい 位 置 に 写 っている かを 確 認 させた * 太 陽 が 東 の 空 では 右 上 がりに 南 の 空 で は 左 から 右 へ 弧 を 描 き 西 の 空 では 右 下 がり に 移 動 するのがわかる 4 手 で 回 した 地 球 模 型 を 北 ( 上 )から 見 て 地 球 の 自 転 はどう 回 転 するかを 考 えさせる * 反 時 計 回 りに 動 くのがわかる ウ 地 球 と 太 陽 の 模 型 の 使 い 方 ( 朝 昼 夕 夜 中 ) 1 観 測 者 地 面 付 地 球 模 型 と 太 陽 模 型 を 置 く 2 太 陽 の 側 に 地 面 があると 昼 反 対 が 夜 など 太 陽 と 地 球 の 位 置 関 係 から 朝 昼 夕 方 真 夜 中 を 考 えさせる 朝 の 太 陽 と 地 球 の 位 置 昼 の 位 置 夕 方 の 位 置 南 中 高 度 の 測 定 23
エ 地 球 と 太 陽 の 模 型 の 使 い 方 ( 北 半 球 南 半 球 ) 1 観 測 者 地 面 付 地 球 模 型 と 太 陽 模 型 を 置 く 2 地 面 と 太 陽 の 角 度 から 北 半 球 赤 道 付 近 南 半 球 の 三 つの 場 所 で 真 昼 ( 正 午 )に 太 陽 が 上 がったとき それぞれの 太 陽 の 方 位 を 考 えさせる * 真 昼 の 太 陽 が 北 半 球 では 真 上 よりも 南 に 南 半 球 では 真 上 よりも 北 にあるのがわかる から 順 に 見 ると カシオペヤ 座 が ほぼ 北 極 星 を 中 心 に 反 時 計 回 りをしているのがわかる A3 枚 の 写 真 は 北 の 空 黄 は 北 極 星 赤 はカシオペヤ 座 北 半 球 の 場 所 の 南 中 オ 地 球 模 型 と 日 周 運 動 学 習 用 恒 星 模 型 の 使 い 方 1 恒 星 模 型 下 部 の 回 転 板 に 観 測 者 地 面 模 型 付 地 球 模 型 を 取 り 付 ける 2 恒 星 模 型 上 部 の 透 明 半 球 を 下 部 にかぶせ る 南 半 球 の 場 所 の 北 中 3 観 測 者 模 型 の 視 線 で 見 るように 顔 を 近 づ け 上 部 の 透 明 半 球 を 固 定 しながら 下 部 の 回 転 板 をゆっくり 回 す その 時 顔 を 常 に 観 測 者 の 視 線 になるように 観 測 者 模 型 の 裏 側 に 移 動 して 観 察 する もしくは 自 転 を 理 解 し たら 下 の 回 転 板 を 固 定 し 透 明 半 球 を 自 転 と は 逆 向 きに 回 転 させながら 観 測 者 の 視 線 で 恒 星 を 見 て 恒 星 の 動 きを 確 かめる 4 恒 星 (シール)の 動 き 方 を 観 察 する * この 模 型 を 使 うと 東 南 西 の 空 での 星 の 動 きをつなげて 観 察 しやすい また 地 面 の 下 の 見 えない 部 分 も 星 が 円 軌 道 を 描 いている ことをイメージさせることができる また 太 陽 模 型 ではできなかった 北 の 空 の 星 の 動 きも 観 察 することができる Aの3 枚 の 写 真 を 左 授 業 の 様 子 カ 地 球 模 型 と 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 の 使 い 方 1 地 球 模 型 に 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 を 付 け る 角 度 を 変 えて 地 球 模 型 に 付 けた 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 を2セット 用 意 し 裸 電 球 から 等 距 離 離 す 2 一 定 時 間 裸 電 球 を 点 灯 し それぞれの 温 度 を 測 定 し 比 較 する 3 二 つの 地 面 模 型 の 南 中 高 度 の 違 いから 光 を 受 ける 地 面 の 角 度 と 温 度 上 昇 の 違 いについ て 考 察 させる * 地 面 が 電 球 の 側 に 傾 いている 方 が 温 度 が 高 くなることがわかる 夏 の 地 面 と 冬 の 地 面 の 温 度 の 比 較 温 度 測 定 のようす 恒 星 模 型 の 下 部 恒 星 模 型 上 部 をかぶせたところ 24
最優秀賞 キ 背景の空間図の使い方 四季の星座 ① 四季の星座 太陽 地球の位置が書かれ た空間図を机上に敷く ② 観測者地面付地球模型を地球の位置に置く ③ 空間図の上で 地球模型を公転や自転をさ 空間図 せながら 朝 昼 夕 夜中に観測者から見 た星座の方向を地面模型に書かれた方位で調 べる 金星の満ち欠けを調べる 見かけの大きさを調べる 秋の真夜中 ペガスス座を見ている 授業の様子 授業の様子 夕方 西の空 太陽の方 に見える金星 ク 背景の空間図の使い方 金星 ① 太陽 地球 金星の位置の書かれた空間図 4 授業におけるその他の工夫 を机上に敷く ⑴ 天体模型の継続活用 ② 金星模型を太陽の側が明るく 白く なるよ うに置く 生徒が興味をもって天体学習に取り組むように ③ 地球の位置に観測者地面付地球模型を置く 天体模型の継続活用を考えた できるだけ同じ ④ 観測者模型に顔を近づけて 地球の位置か 教具 地球模型 地面模型 観測者模型 を続け ら見える金星の形を観察する て使用することで 生徒が教具の使い方に慣れ ⑤ 観測者模型のすぐ横に定規を置き顔を近づ 地球の動き方をイメージしやすくなるようにした けて 金星模型の直径を測り それぞれの見 生徒は 次は何を調べる教具になるのだろうと かけの大きさを比べる わくわくしながら授業を受けることができた ⑵ 授業における天体模型の説明の仕方 ⑥ 明けの明星 よいの明星とはどういうときか 位置関係を確認する 全体に視点をしっかり示すために プレゼン 25
テーション用ソフトを使って 映像で示すように した 金星模型を観察した結果を 書き込む プレゼンテーションの例① プレゼンテーションの例② 実験で測定した温度を書き 込む プレゼンテーションの例③ 朝 昼 夕 真夜中の地 面の方位を書き込ませる ⑷ 意見交流 本校では 生徒が人前で話す力を身に付ける 授業の様子 ように 総合的な学習の時間を 探究 と名付 ⑶ ワークシートの特徴 け 1対1 1対複数で他学年相手にいろいろな 天体模型は個人が机上で観察できるように作 テーマでSHOW TELL 資料を提示して説明 られた教材であり どのように観察するかの視 する を行っている そこで 理科と探究をリンク 点も明確に与えているので ワークシートに使 して 天体の内容を教具を使ってSHOW TELL う写真のアングルも決まってくる そこで 天 する意見交流を行った 自分が選択した内容を 体模型を使って頭にイメージしたことを わか しっかりと理解し 相手にうまく伝えることを目的 りやすくまとめられるように写真を利用した として行う 質問応答による意見交流 うまく伝 ワークシートを作成した 以下に 生徒のワー えるために内容を整理する中で理解を深めるこ クシートを紹介する とができた 26
最 優 秀 賞 左 から 青 :とてもそう 思 う 水 色 :だいたいそう 思 う 黄 :あまりそう 思 わない 赤 : 全 くそう 思 わない SHOW&TELLの 様 子 < 天 体 模 型 活 用 授 業 の 生 徒 アンケート 集 計 結 果 > ビデオによる 撮 影 5. 成 果 ⑴ アンケート 結 果 生 徒 は 天 体 模 型 を 使 用 することで 楽 しく 理 解 して 授 業 を 受 けることができた 以 下 は 生 徒 のアンケート 結 果 である ( 対 象 3 年 101 人 透 明 半 球 用 分 度 器 太 陽 模 型 日 周 運 動 学 習 用 恒 星 模 型 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 背 景 の 空 間 図 ( 四 季 の 星 座 ) 背 景 の 空 間 図 ( 金 星 )を 使 用 した 授 業 6 回 のアンケート 結 果 を 集 計 した ) すべての 項 目 で とてもそう 思 う だいたい そう 思 う と 答 えた 生 徒 がそれぞれ92% 以 上 で あった 特 に 意 欲 を 持 てた という 項 目 で と てもそう 思 う だいたいそう 思 う と 答 えた 生 徒 が 合 わせて99パーセントであった この 結 果 から 天 体 教 具 活 用 授 業 が 生 徒 に 受 け 入 れられ 期 待 されていることがわかる ⑵ 生 徒 の 感 想 1 透 明 半 球 用 分 度 器 利 用 の 授 業 地 球 の 自 転 は 回 転 軸 が 変 わらず 等 間 隔 で 同 じ 速 さで 動 くことがわかった 天 体 教 具 があ るおかげで 天 体 についてすごくわかったと 思 いま す 地 球 の 自 転 が15 ということは 知 っていたけ ど 実 際 には 確 かめたことなんてなかったので 確 かめることができて 良 かった 太 陽 の 速 さが 速 く 感 じられるときもあったけ ど 実 際 は 朝 も 昼 も 太 陽 の 速 さは 変 わっていな かったので 意 外 でした 地 軸 は 季 節 によって 変 わらないことがわかっ た だから 北 の 空 はいつも 北 極 星 を 中 心 に 星 が 回 るのかと 思 った 地 軸 の 傾 きは 知 ってはいたけど 秋 分 と 夏 至 の 南 中 高 度 の 差 が23.4 になっていたのには 驚 い た 冬 至 の 時 は 逆 の 方 向 に23.4 傾 いているの か 確 かめてみたい 2 太 陽 模 型 利 用 の 授 業 地 平 線 に 対 して 太 陽 の 動 きが 変 わることが はっきりわかったので 良 かった 模 型 がわかり やすかった 天 体 模 型 を 使 うことでわかりやすかった 模 型 で 実 際 に 顔 を 動 かしてみたので 地 球 の 自 転 がよくわかった 27
模 型 を 使 った 授 業 は わかりやすかった 太 陽 の 出 方 や 方 向 などが 地 球 の 自 転 によることがよ くわかった 3 日 周 運 動 学 習 用 恒 星 模 型 利 用 の 授 業 ほかの 星 も 同 じように 地 球 の 自 転 でまわっ ている 下 から 見 る 方 法 もあるんだなと 思 った 北 から 見 た 星 と 南 から 見 た 星 は やっぱり 逆 に 動 いている 4 液 晶 温 度 計 付 地 面 模 型 利 用 の 授 業 温 度 がすごく 違 ったから すごいと 思 ったし 角 度 が 違 うだけで 温 度 がかわるなんて 思 わな かった 模 型 を 使 ったりして わかりやすかったです 最 後 に 使 ったものは とてもすごいと 思 いました 左 右 に 置 いたもので 温 度 差 がはっきりとでて な んで 温 度 が 変 わるのかよくわかりました こんな に 温 度 差 があるとは 思 いませんでした こう 考 え ると 夏 と 冬 もこんなに 温 度 差 があるのかなと 思 いました 5 四 季 の 星 座 空 間 図 利 用 の 授 業 このやり 方 がわかれば いつどこに 何 の 星 座 があるのかひと 目 でわかるのですごいと 思 いまし た 6 金 星 模 型 利 用 の 授 業 金 星 模 型 の 直 径 を 測 ってみてびっくり! 同 じ 金 星 が 近 くにあるときと 遠 くにあるときで 長 さが 変 わるとは 思 いませんでした 金 星 の 満 ち 欠 けには 太 陽 や 地 球 との 位 置 関 係 が 大 きく 関 わっていることがわかりました あとは 金 星 が 光 を 発 する 星 ではないことが 原 因 だということがわかった 金 星 は 地 球 に 近 づく ほど 大 きく 見 える 生 徒 の 感 想 には 天 体 教 具 の 効 果 と 天 体 の 動 き 方 について 書 かれた 意 見 が 数 多 く 見 られた 生 徒 は 天 体 教 具 の 授 業 を 通 して 地 球 の 自 転 公 転 地 軸 の 傾 きから 起 こる 変 化 に 興 味 を 持 ち 天 体 についての 関 心 を 高 め 課 題 解 決 に 取 り 組 むことができた ⑶ 活 動 のようす 右 の 写 真 は 生 徒 の 活 動 の 様 子 である どの 生 徒 も 意 欲 的 に 課 題 解 決 に 取 り 組 むことができ た 28