8 栄 養 1 アスリートにとっての 食 事 とは 2010 年 に 発 表 された 国 際 オリンピック 委 員 会 (IOC)のスポーツ 栄 養 に 関 する 合 意 声 明 に 広 く 一 般 的 に 利 用 できる 食 品 で 十 分 なエネルギーをとれる 食 事 は トレーニングや 競 技 で 必 要 な 炭 水 化 物 たんぱく 質 脂 質 や 微 量 栄 養 素 を 満 たすことができる 適 切 な 食 事 は アスリートが 競 技 で 成 功 する ための 理 想 的 な 体 格 や 体 組 成 に 近 づける 手 助 けとなるだろう とあります このように トレーニン グを 行 うアスリートは の 食 事 から 必 要 なエネルギー 量 および 栄 養 素 量 をとることが 重 要 です アスリートにとって 栄 養 食 事 が 大 切 であることには 以 下 の3つの 意 味 があります 1.トレーニングによる 身 体 づくり 試 合 で 力 を 発 揮 するためには 日 常 の 身 体 づくりが 基 本 になります 2. 試 合 ( 競 技 )で 能 力 を 発 揮 するための 状 況 づくり 試 合 前 試 合 直 前 試 合 中 試 合 後 といった 食 事 の 調 整 が 必 要 です 3.スポーツに 伴 いやすい 種 々の 障 害 の 予 防 および 改 善 脱 水 症 状 や 貧 血 疲 労 骨 折 などの 予 防 および 改 善 が 必 要 です アスリートとして まずは 以 下 の4つの 食 習 慣 を 守 りましょう! 1. 欠 食 をしない 2. 好 き 嫌 いをしない 3. 基 本 的 な 食 事 の 形 をそろえる 4.トレーニングスケジュールに 合 わせて 食 事 時 間 と 内 容 を 考 える 2 アスリートの 食 事 ~ 基 本 的 な 食 事 の 形 ~ 成 長 期 のアスリートはどれくらいのエネルギー 量 が 必 要 か(どれだけ 食 べたらよいか)というのは 年 齢 や 性 別 成 長 による 増 加 分 体 格 ( 体 重 もしくは 除 脂 肪 量 ) 競 技 種 目 練 習 内 容 などによって 異 なります 厚 生 労 働 省 が 策 定 した 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 [2010 年 版 ] では 日 本 人 の 基 準 体 位 をもとに 身 体 活 動 レベル 別 の 推 定 エネルギー 必 要 量 が 示 されており 成 長 期 では 成 長 に 必 要 なエネ ルギー 量 を 加 味 した 値 になっています( 表 1) 表 をみると 身 体 活 動 レベルⅠはレベルⅢの 約 80% のエネルギー 量 になっていることがわかります したがって 練 習 のある 日 練 習 のない 日 けがの 時 などでは 摂 取 するエネルギー 量 を 調 整 する 必 要 があります 52
8. 栄 養 表 1 推 定 エネルギー 必 要 量 (kcal/ 日 ) 男 性 女 性 年 齢 身 体 活 動 レベル 身 体 活 動 レベル ( 歳 ) Ⅰ( 低 い) Ⅱ(ふつう) Ⅲ( 高 い) Ⅰ( 低 い) Ⅱ(ふつう) Ⅲ( 高 い) 8~9 1,600 1,800 2,050 1,500 1,700 1,900 10~11 1,950 2,250 2,500 1,750 2,000 2,250 12~14 2,200 2,500 2,750 2,000 2,250 2,550 15~17 2,450 2,750 3,100 2,000 2,250 2,500 18~29 2,250 2,650 3,000 1,700 1,950 2,250 身 体 活 動 レベルと 日 常 生 活 の 内 容 Ⅰ( 低 い) Ⅱ(ふつう) Ⅲ( 高 い) 生 活 の 大 部 分 が 座 位 で 静 的 な 活 動 が 中 心 な 場 合 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 [2010 年 版 ]より 抜 粋 座 位 中 心 の 仕 事 だが 職 場 内 での 移 動 や 立 位 での 作 業 接 客 等 あるいは 通 勤 買 物 家 事 軽 いスポーツ 等 のい ずれかを 含 む 場 合 移 動 や 立 位 の 多 い 仕 事 への 従 事 者 あ るいは スポーツなど 余 暇 における 活 発 な 運 動 習 慣 をもっている 場 合 アスリートとして エネルギーだけではなく 栄 養 素 を 過 不 足 なく 食 事 からとるためには 栄 養 素 の 主 なはたらき と 食 品 に 含 まれている 栄 養 素 の 知 識 を 身 に 付 けることが 大 切 です そして ど の 食 品 にどのような 栄 養 素 が 多 く 含 まれているかを 把 握 し 食 生 活 に 活 かすことが 重 要 です( 図 1) 食 事 としては 毎 食 1) 主 食 (からだを 動 かすエネルギー 源 :ご 飯 パン 麺 類 ) 2) 主 菜 ( 筋 肉 や 骨 血 液 の 材 料 となる: 肉 類 魚 介 類 卵 大 豆 大 豆 製 品 ) 3) 副 菜 ( 体 調 を 整 えたり 骨 や 血 液 の 材 料 となる: 野 菜 いも きのこ 海 藻 ) 4) 牛 乳 乳 製 品 ( 骨 や 歯 を 形 成 する) 5) 果 物 ( 疲 労 回 復 に 役 立 つ) これら5つがそろった 基 本 的 な 食 事 の 形 になるようにしましょう( 図 2) 図 1 主 な 栄 養 素 のはたらきと 多 く 含 まれる 食 品 53
1 主 食 ( 主 に 炭 水 化 物 ) からだを 動 かすエネルギー 源 となる 2 主 菜 ( 主 にたんぱく 質 ) 筋 肉 骨 血 液 など 人 のからだを 作 る 3 副 菜 ( 主 にビタミン ミネラル) 体 調 を 整 えたり 骨 や 血 液 の 材 料 となる 4 牛 乳 乳 製 品 ( 主 にカルシウム たんぱく 質 ) 骨 をつくるのに 欠 かせない 5 果 物 (ビタミンC 炭 水 化 物 ) 疲 労 回 復 コンディショニングに 役 立 つ 図 2 アスリートの 基 本 的 な 食 事 の 形 3 ウエイトコントロール 一 般 的 に 健 康 な 成 人 では 体 重 が 変 化 しなければエネ ルギー 消 費 量 と 等 量 のエネルギーを 摂 取 していると 考 えら れます したがって 体 重 を 増 やすには エネルギー 消 費 量 を 上 回 るエネルギー 量 を 摂 取 し 体 重 を 減 らすには エネ ルギー 消 費 量 よりもエネルギー 摂 取 量 を 少 なくします こ のようなエネルギー 摂 取 量 の 増 減 が 適 正 に 行 われているか を 判 断 するためには 日 々 体 重 を 測 定 し 変 化 を 把 握 する ことが 重 要 です ただし 体 重 の 増 減 だけでは 筋 肉 が 増 減 して 体 重 が 変 化 したのか あるいは 脂 肪 が 増 減 して 変 化 したのかを 区 別 す ることは 困 難 なので 身 体 の 中 身 を 把 握 するためには 身 体 組 成 の 測 定 が 必 要 になります 54
8. 栄 養 1) 身 体 組 成 からだを 構 成 する 身 体 組 成 は 脂 肪 組 織 と 脂 肪 以 外 の 組 織 の2つに 大 別 されます 体 重 除 脂 肪 量 : 筋 量 骨 量 体 水 分 量 な どを 含 む 体 脂 肪 量 以 外 の 重 さ 体 脂 肪 量 2) 増 量 理 想 的 な 増 量 : 体 重 を 増 やすというよりも 除 脂 肪 量 が 増 加 するようにトレーニングを 行 い そのう えでの 食 事 が 大 事 になります 食 事 では エネルギー 消 費 量 よりもエネルギー 摂 取 量 が 多 くなるように 食 事 の 質 + 量 ともに 充 実 させましょう 筋 肉 増 量 時 の 食 事 のポイント 1エネルギー 収 支 を プラスにする エネルギー 摂 取 量 >エネルギー 消 費 量 2 欠 食 をしない 欠 食 すると 増 量 に 必 要 なエネルギーと 栄 養 素 が 不 足 する 可 能 性 が 高 くなります 朝 食 を 食 べない 習 慣 がある 人 は まずしっかり3 食 食 べるようにしましょう 炭 水 化 物 で エネルギー 源 を 確 保 します 3 炭 水 化 物 たんぱく 質 を 十 分 にとる たんぱく 質 ( 肉 類 魚 介 類 卵 大 豆 製 品 乳 製 品 )を3 食 の 食 事 で 十 分 に とりましょう 4 場 合 によっては 油 脂 類 を 上 手 に 使 う 油 脂 類 は 少 量 で 高 エネルギーです かさを 減 らして 効 率 よくエネルギーをとるには 油 脂 類 ( 油 バター マヨネー ズなど)や 高 エネルギーの 主 菜 も 上 手 にとり 入 れるとよいでしょう 5 補 食 を 利 用 する 一 度 にたくさん 食 べられない 場 合 は エネルギー 源 を 確 保 するため 炭 水 化 物 を 中 心 に 補 食 を 考 えます 練 習 の 前 後 や 食 事 との 合 間 にとるようにしましょう 6 食 べるタイミングも 大 切 練 習 後 の 補 食 は たんぱく 質 ( 牛 乳 チーズ ヨーグルトなど)に 加 え 炭 水 化 物 (おにぎりやバナナなど)をとると 筋 量 増 加 に 効 果 的 です 55
3) 減 量 理 想 的 な 減 量 : 初 経 をむかえてから 数 年 たつと 排 卵 のある 周 期 的 な 月 経 が 成 立 します 月 経 終 了 後 から 排 卵 までの 卵 胞 期 はプロゲステロンの 分 泌 が 少 ないため 身 体 がむくみにく く 減 量 にも 適 した 時 期 であると 考 えられます 反 対 に 月 経 前 はむくみやすいた め 体 重 が 減 りにくい 傾 向 にあります ただし 個 人 差 があります したがって 食 事 とトレーニングで 計 画 的 に 減 量 することが 重 要 です 競 技 に 必 要 な 除 脂 肪 量 を 保 ちながら 余 分 な 体 脂 肪 が 減 るように トレーニングの 他 食 事 内 容 につ いても 見 直 しましょう まずは 欠 食 はしない 体 調 を 整 えるため またエネルギー 代 謝 を 円 滑 に するために 必 要 な 栄 養 素 は 不 足 しないように 摂 取 する エネルギー 摂 取 量 をコントロールするた めに し 好 品 や 脂 質 を 多 く 含 んだ 食 品 料 理 を 控 える ことです 減 量 時 の 食 事 のポイント 1エネルギー 収 支 を マイナスにする エネルギー 消 費 量 >エネルギー 摂 取 量 除 脂 肪 量 の 維 持 体 調 管 理 のために 以 下 を 選 びましょう *たんぱく 質 低 脂 肪 高 たんぱく 質 の 食 品 肉 類 :ヒレ 肉 もも 肉 ( 鶏 肉 は 皮 なし) 鶏 肉 の 胸 肉 ささみ 魚 介 類 :かつおや 赤 身 のまぐろ たら かれいなどの 白 身 魚 2たんぱく 質 ビタミン ミネラル 食 物 繊 維 を しっかりとる *ビタミン ミネラル 食 物 繊 維 野 菜 きのこ 類 海 藻 類 3 炭 水 化 物 を 毎 食 とる 減 量 中 もご 飯 パン 麺 類 を 減 らし 過 ぎないようにしましょう 4 油 脂 類 し 好 品 類 の 使 用 頻 度 量 を 減 らす 高 エネルギー 高 脂 肪 なうえ たんぱく 質 ビタミン ミネラル 類 はあまり 含 まれません 我 慢 し 続 けたことで 過 食 になるよりも 時 間 と 量 と 内 容 を 考 慮 して 上 手 にとりましょう * 油 脂 類 油 バター マヨネーズ ドレッシング 脂 身 の 多 い 肉 類 など マヨネーズ 大 さじ1 杯 約 80kcal *し 好 品 類 菓 子 類 ( 菓 子 パン ケーキ チョコレート スナック 菓 子 など) ジュース 類 など 100g(1 切 れ) 約 300kcal 50g( 約 1 枚 ) 約 300kcal 100g(1 個 ) 約 400kcal 500ml 約 230kcal 5 食 事 時 間 食 事 配 分 6 味 付 けを 工 夫 する 寝 る 前 の 遅 い 時 間 の 夕 食 は 避 け 食 べ 過 ぎないようにしましょう 濃 い 味 付 けは 食 が 進 み 食 べ 過 ぎることにもなります 薄 味 を 心 がけましょう 56
8. 栄 養 4 骨 粗 鬆 症 予 防 の 食 事 1) 骨 粗 鬆 症 予 防 に 必 要 な 栄 養 素 10 代 において 高 い 骨 密 度 を 獲 得 するためには 食 習 慣 も 重 要 になります 骨 粗 鬆 症 の 予 防 治 療 に 不 可 欠 な 栄 養 素 は 骨 のミネラル 成 分 の 重 要 な 構 成 栄 養 素 であるカルシウ ムです また 腸 管 からのカルシウムの 吸 収 や カルシウムの 骨 への 沈 着 にはビタミンD ビタミンK が 必 要 になります このように 骨 の 健 康 にかかわる 栄 養 素 は 多 く カルシウムのみが 重 要 というわけ ではないため 栄 養 素 全 体 の 摂 取 量 を 考 えることが 大 切 になります また 特 に 避 けるべき 食 品 はあ りませんが カルシウムの 吸 収 を 抑 制 したり 尿 中 へのカルシウムの 排 泄 を 増 やしたりすることから リン 食 塩 カフェインの 過 剰 摂 取 は 控 えるように 心 がけましょう 2)カルシウムをどのくらい 摂 取 すればよいか 健 康 な 人 を 対 象 に 策 定 されている 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 [2010 年 版 ] では カルシウムをどの くらい 摂 取 すればよいのか 推 奨 量 が 示 されています( 表 2) 最 近 の 研 究 では 骨 粗 鬆 症 の 治 療 のためには1 日 700~800mgのカルシウム 摂 取 がすすめられ 同 時 に 食 事 からのビタミンDとビタミ ンKの 摂 取 も 考 慮 するべきであるといわれています 表 2 カルシウムの 推 奨 量 (mg/ 日 ) 年 齢 男 性 女 性 8~9 歳 650 750 10~11 歳 700 700 12~14 歳 1,000 800 15~17 歳 800 650 18~29 歳 800 650 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 [2010 年 版 ]より 3)カルシウム 摂 取 量 を 増 やすには カルシウムは 牛 乳 乳 製 品 小 魚 類 大 豆 製 品 一 部 の 緑 黄 色 野 菜 に 多 く 含 まれています 食 品 例 を 参 考 に 日 常 の 食 事 で 摂 取 量 を 増 やしていきましょう また 表 3は 短 時 間 で 摂 取 量 を 推 定 できる カルシウム 自 己 チェック 表 です 習 慣 的 なカルシウ ム 摂 取 量 を 把 握 し 不 足 しないように 心 がけましょう 57
58 カルシウムを 多 く 含 む 食 品 ( 食 品 名 の 下 は1 回 の 使 用 量 とカルシウムの 含 有 量 )
8. 栄 養 表 3 カルシウム 自 己 チェック 表 0 点 0.5 点 1 点 2 点 4 点 点 数 牛 乳 を どのくらい 飲 みますか? 1 月 1~2 回 週 1~2 回 週 3~4 回 (1 回 量 : 牛 乳 コップ1 杯 (160mL)) 飲 まない 2 ヨーグルトをよく 食 べますか? (1 回 量 :ヨーグルト1 個 (100g)) 食 べない 3 4 5 6 チーズなどの 乳 製 品 やスキムミルク をよく 食 べますか? (1 回 量 :スキムミルク 大 さじ1.5 杯 (10g) チーズ 一 切 (20g)) 大 豆 納 豆 など 豆 類 をよく 食 べます か? (1 回 量 : 納 豆 1パック 煮 豆 小 鉢 1 杯 きな 粉 大 さじ2 杯 ) 豆 腐 がんも 厚 揚 げなど 大 豆 製 品 をよく 食 べますか? (1 回 量 : 豆 腐 1/4 丁 がんも 小 1 個 厚 揚 げ 小 1 枚 ) ほうれん 草 小 松 菜 チンゲン 菜 な どの 青 菜 をよく 食 べますか? (1 回 量 :お 浸 し 小 鉢 1 杯 ) 7 海 藻 類 をよく 食 べますか? 8 9 10 シシャモ 丸 干 しいわしなど 骨 ごと 食 べられる 魚 を 食 べますか? (1 回 量 :シシャモ 丸 干 しいわし 2 尾 ) しらす 干 し 干 し 海 老 など 小 魚 類 を 食 べますか? (1 回 量 :しらす 干 し 干 し 海 老 1 つかみ) 食 べない 食 べない 食 べない 食 べない 食 べない 食 べない 食 べない 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 月 1~2 回 週 1~2 回 週 3~4 回 週 1~2 回 週 3~4 回 2 個 2 種 類 以 上 2 種 類 以 上 2 種 類 以 上 2 種 類 以 上 2 種 類 以 上 朝 食 昼 食 夕 食 と1 日 に3 食 を 食 べますか?((1 日 1~2 食 しか 食 べない(1 点 ) 欠 食 する ことが 多 い(2 点 )1 日 3 食 きちんと 食 べる(3 点 ) 合 計 点 数 判 定 コメント 20 点 以 上 良 い 1 日 に 必 要 な800mg 以 上 とれています このままバランスのとれた 食 事 を 続 けましょう 16~19 点 少 し 足 りない 1 日 に 必 要 な800mgに 少 し 足 りません 20 点 になるよう もう 少 しカルシウムをと りましょう 11~15 点 8~10 点 足 りない かなり 足 りない 1 日 に600mgしかとれていません このままでは 骨 がもろくなっていきます あと 5~10 点 増 やして20 点 になるよう の 食 事 を 工 夫 しましょう 必 要 な 量 の 半 分 以 下 しかとれていません カルシウムの 多 い 食 品 を 今 の2 倍 とるよ うにしましょう 0~7 点 まったく 足 り ない 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン2006 年 版 より カルシウムがとれていません このままでは 骨 が 折 れやすくなってとても 危 険 です 食 事 をきちんと 見 直 しましょう 59
4)ビタミンDとビタミンK 摂 取 量 を 増 やすには ビタミンDは 魚 類 (サケ ウナギ サンマなど) きのこ 類 などに ビタミンKは 緑 の 葉 の 野 菜 納 豆 に 多 く 含 まれています ビタミンKの 摂 取 水 準 を 推 定 できる ビタミンKチェック 表 を 参 考 に 習 慣 的 なビタミンK 摂 取 量 を 把 握 し 不 足 しないように 心 がけましょう( 表 4) 表 4 ビタミンKチェック 表 簡 易 ビタミンK 摂 取 調 査 表 納 豆 (1パック 50g) 1 食 べない 2 週 1~3 回 3 週 4~5 回 41 日 1 回 以 上 野 菜 (1 回 の 食 事 あたり)1 食 べない 2 少 し 食 べる 3 普 通 に 食 べる 4たっぷり 食 べる 野 菜 の 普 通 に 食 べる はきざんだ 野 菜 を 片 手 に1 杯 くらい あるいは 小 鉢 1 杯 くらいが 目 安 簡 易 ビタミンK 摂 取 調 査 表 の 点 数 納 豆 10 点 210 点 325 点 440 点 野 菜 10 点 210 点 315 点 425 点 合 計 点 数 が40 点 未 満 の 場 合 には ビタミンK 摂 取 不 足 が 予 想 される 血 清 のUCOCの 測 定 を 行 うこともすすめられる 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン2011 年 版 より 5 貧 血 予 防 の 食 事 1)アスリートの 貧 血 貧 血 とは からだの 各 組 織 に 酸 素 を 運 搬 するヘモグロビン 量 が 減 少 した 状 態 で 症 状 は 息 切 れ 動 悸 めまい 頭 痛 疲 労 感 などがみられます したがって ヘモグロビン 量 の 減 少 は 運 動 能 力 の 低 下 につながるため アスリートは 貧 血 の 予 防 が 重 要 になります アスリートの 貧 血 の 多 くは 鉄 欠 乏 による 貧 血 であり 血 液 を 造 る 材 料 (たんぱく 質 鉄 ビタミ ン 類 )の 不 足 などが 原 因 と 考 えられます 貧 血 =ヘモグロビン 濃 度 の 低 下 の 前 段 階 として 貯 蔵 鉄 (フェリチン)の 減 少 血 清 鉄 の 減 少 の 状 態 がみられます 運 動 能 力 が 低 下 する 前 に 定 期 的 に 血 液 検 査 を 受 けて 危 険 信 号 を 把 握 しましょ う 2) 貧 血 予 防 の 食 事 長 期 的 な 減 量 や 食 欲 低 下 などでエネルギー 摂 取 量 の 不 足 が 続 くと 血 液 を 造 る 材 料 であるたんぱく 質 鉄 ビタミン 類 も 不 足 すると 考 えられます したがって 貧 血 を 予 防 改 善 するためには 1 活 動 量 に 見 合 った 食 事 量 にすること 2 鉄 が 多 く 含 まれる 食 品 とビタミンCが 多 く 含 まれる 食 品 を 組 み 合 わせて 食 べることが 重 要 です 60
8. 栄 養 鉄 が 多 く 含 まれる 食 品 鉄 を 確 保 したうえで 吸 収 率 を 高 めよう 豚 レバー(7.8mg/60g) 鶏 レバー(5.4mg/60g) 牛 レバー(2.4mg/60g) お 店 では ショウガ 煮 炒 め 物 など お 総 菜 としても 売 られています 赤 身 の 牛 肉 (2.2mg/80g) 厚 揚 げ(1.8mg/70g:1/3 枚 ) 納 豆 (1.7mg/50g) 木 綿 豆 腐 (1.4mg/150g:1/2 丁 ) 高 野 豆 腐 ( 乾 )( 1.0mg/15g:1 枚 ) 卵 (0.9mg/1 個 ) かつお(1.5mg/80g) まぐろの 赤 身 (1.4mg/80g) アサリ(3.0mg/80g) カキ(1.5mg/80g) しじみ(1.1mg/20g) 常 備 しやすい 佃 煮 は ご 飯 のおともに おすすめです ひじき( 乾 )( 4.4mg/8g) きくらげ( 乾 )( 0.7mg/2g) 濃 い 緑 色 の 青 菜 類 など に 多 く 含 まれています 小 松 菜 (2.2mg/80g) ほうれん 草 (1.6mg/80g) 大 根 の 葉 (1.6mg/50g) 菜 の 花 (1.5mg/50g) 切 干 大 根 ( 乾 )( 1.5mg/15g) 枝 豆 (1.4mg/50g) その 他 の 鉄 の 多 い 食 材 玄 米 日 本 そば ライ 麦 パン ゴマなど の 種 実 類 など 特 に 吸 収 の 良 い 鉄 が 含 まれている ( ) 内 は 鉄 量 mg/1 回 目 安 量 (g) ビタミンC 野 菜 果 物 類 など 鉄 の 吸 収 を 高 める これらの 食 品 が 鉄 の 吸 収 を 高 めます 組 み 合 わせて 一 緒 にとりましょう 貧 血 および 鉄 欠 乏 予 防 の 食 事 のポイント 基 本 的 な 食 事 の 形 をそろえることを 前 提 に 11 日 の 摂 取 エネルギーを 適 正 に 主 に 関 係 する 栄 養 素 2 魚 介 肉 類 の 継 続 的 な 摂 取 ( 主 菜 ) 鉄 たんぱく 質 ビタミンB 6 3 緑 黄 色 野 菜 の 積 極 的 な 摂 取 ( 副 菜 ) 鉄 ビタミンB 12 葉 酸 ビタミンC 4 大 豆 大 豆 製 品 を 意 識 的 に 摂 取 (もう1 品 ) 鉄 たんぱく 質 61
6 補 食 1) 補 食 とは 補 食 とは 朝 昼 夕 の3 食 だけでは 摂 取 しきれないエネルギーと 栄 養 素 を 満 たすための 食 事 を 意 味 します トレーニング 前 およびトレーニング 後 において 適 した 時 間 に 適 した 内 容 の 補 食 を 摂 取 することが 重 要 になります 2) 補 食 の 重 要 性 運 動 中 の 主 なエネルギー 源 は 血 中 のグルコース( 血 糖 )と 筋 肉 肝 臓 に 貯 蔵 されているグリコー ゲンです これらが 不 足 すると 空 腹 感 疲 労 感 をおこしやすく 集 中 力 が 落 ちるなどパフォーマンス 低 下 の 一 因 となり 運 動 時 の 体 タンパク 質 の 分 解 も 多 くなります しかし トレーニング 後 すみやか に 炭 水 化 物 を 摂 取 した 場 合 は 何 も 摂 取 しなかった 場 合 よりトレーニング 後 の 筋 タンパク 質 の 分 解 が 少 ないことがわかっています 3) 補 食 のとり 方 食 事 をとらずに 空 腹 状 態 での 練 習 は 好 ましくありません トレーニング 前 にはグリコーゲンの 原 料 である 炭 水 化 物 を トレーニング 後 は すみやかに 炭 水 化 物 とたんぱく 質 をとるようにしましょう 空 腹 で 練 習 しない トレーニング 後 速 やかに 栄 養 補 給 する ことが 重 要 です ただし トレーニ ング 後 の 補 食 は 夕 食 に 支 障 をきたさない 程 度 にしましょう そのためには 基 本 的 にトレーニング 開 始 2~3 時 間 前 トレーニング 終 了 後 なるべく 早 くに 食 事 ( 補 食 )がとれるようにスケジュールを 組 み 立 てましょう( 図 3) 起 床 朝 練 学 校 練 習 就 寝 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 朝 食 8:00 昼 食 12:00 夕 食 21:00 補 食 1 朝 練 をする 場 合 は 練 習 前 に 補 食 2 昼 食 から 練 習 まで 時 間 が 空 いて しまう 時 は 練 習 開 始 の 前 に 補 食 3 夕 食 まで 時 間 が 空 いて しまう 時 は 練 習 後 にも 補 食 1 身 体 を 目 覚 めさせる 空 腹 でトレーニングをしない エネルギー 補 給 水 分 補 給 ( 炭 水 化 物 と 水 分 ) 補 食 2 空 腹 でトレーニングをしない エネルギー 補 給 筋 タンパク 質 の 分 解 を 防 ぐ ( 炭 水 化 物 と 水 分 ) 補 食 3 トレーニング 後 すみやかに 栄 養 補 給 する 身 体 作 りをより 効 果 的 にするために ( 炭 水 化 物 とたんぱく 質 と 水 分 ) 図 3 生 活 時 間 練 習 時 間 に 合 わせた 補 食 のとり 方 例 62
8. 栄 養 補 食 の 食 品 例 トレーニングの 後 なるべく 早 くに 食 事 をとるのが 理 想 です 食 事 に 影 響 がでないようにとりましょう 炭 水 化 物 炭 水 化 物 とたんぱく 質 7 水 分 補 給 1) 熱 中 症 の 病 型 熱 中 症 とは 暑 さによって 生 じる 障 害 の 総 称 で 熱 失 神 熱 疲 労 熱 けいれん 熱 射 病 などの 病 型 があります 症 状 は めまいや 失 神 痛 みをともなう 筋 けいれん 脱 力 感 倦 怠 感 頭 痛 吐 き 気 な どがみられます 2) 熱 中 症 予 防 気 温 が 高 いとき また 同 じ 気 温 でも 湿 度 が 高 いとき 運 動 強 度 が 高 いほど 熱 中 症 の 危 険 性 が 高 くな ります 暑 いときに 無 理 な 運 動 をしても 効 果 は 上 がりません 環 境 条 件 に 応 じて 運 動 強 度 を 調 節 し 適 宜 休 憩 をとり 適 切 な 水 分 補 給 を 心 掛 けることが 重 要 です 3) 運 動 時 の 水 分 補 給 運 動 中 は 過 度 の 脱 水 にならないように 発 汗 量 に 見 合 った 水 分 を 補 う 必 要 があり 同 時 に 飲 み 過 ぎにも 注 意 しなければなりません 汗 からは 水 分 と 同 時 に 塩 分 も 失 われるので 飲 料 には 食 塩 (0.1~0.2%)を 含 んだものがよい でしょう さらには 糖 質 を 含 んだもの 5~15 に 冷 やしたものが 効 果 的 です 63
特 に1 時 間 以 上 の 運 動 をする 場 合 には 4~8% 程 度 の 糖 質 を 含 んだものが 疲 労 の 予 防 に 役 立 ちます また のどが 渇 く 前 に 水 分 を 摂 取 することも 重 要 です 4) 体 重 測 定 で 汗 の 量 を 知 る 適 切 な 水 分 の 摂 取 量 は 練 習 前 後 の 体 重 の 差 が2% 以 内 におさまっているかが 目 安 になります 運 動 前 後 に 体 重 をはかり 体 重 減 少 量 ( 脱 水 量 )が2% 以 内 におさ まるように 水 分 を 摂 取 しましょう 体 重 の2%の 計 算 式 体 重 (kg) 2(%) 100 例 体 重 2%の 体 重 45kg 50kg 55kg 0.9kg 1.0kg 1.1kg 5) 栄 養 成 分 表 示 の 見 方 スポーツドリンクは 製 品 によってエネルギー 量 や 含 まれる 塩 分 量 が 異 なります エネルギー 量 は おおよそ100mlあたり0kcal~30kcalと 幅 広 いので トレーニング 時 間 や 発 汗 量 に 合 わせて 飲 む 種 類 や 飲 む 量 を 調 節 しましょう そのためにも 製 品 のラベルをよく 見 て 成 分 を 確 認 しましょう ラベルの 見 方 ラベルをみて 4~8%の 糖 分 0.1~0.2%の 塩 分 を 含 んでいる か 確 認 しよう スポーツドリンク 例 1 栄 養 成 分 表 示 100ml 当 たり:エ ネルギー25kcal タンパク 質 脂 質 0g 炭 水 化 物 6.2g ナトリウム 49mg カリウム20mg カルシウ ム2mg マグネシウム0.6g 例 2 栄 養 成 分 表 示 (100ml 当 り) エネルギー19kcal たんぱく 質 脂 質 0g 炭 水 化 物 4.7g ナト リウム34mg カリウム8mg マグネシウム1.2mg アルギニ ン25mg イソロイシン1mg バリン1mg ロイシン0.5mg 栄 養 成 分 表 示 が 100ml 当 たり 1 本 当 たり かを 確 認 ( 1 本 当 たり の 場 合 100ml 当 たりに 換 算 する) 4~8%の 糖 分 100ml 当 たりの 炭 水 化 物 4~8g 0.1~0.2% 程 度 の 塩 分 100ml 当 たりのナトリウム40~80mg 炭 水 化 物 は 糖 質 と 食 物 繊 維 によって 構 成 されています ラベルには 炭 水 化 物 を 糖 質 と 表 記 している 場 合 もあります 64
8. 栄 養 8 サプリメントとドーピング スポーツの 世 界 でドーピングとは 自 分 の 力 以 外 の 不 正 な 手 段 によって 競 技 能 力 を 高 めることを 言 いま す 具 体 的 には 使 ってはいけない 薬 の 使 用 であり 行 ってはいけない 方 法 を 用 いる ことや 検 査 でドー ピングであることを 隠 す こと( 尿 のすり 替 えなど)で つまりズルすることを 指 します 競 技 スポーツに 関 わるアスリートはもちろんのこと アスリートを 支 えるスタッフ コーチ 競 技 団 体 などもドーピングをしてはならないとルールでうたわれています なぜ 栄 養 とドーピングが 関 係 あるのでしょうか?それはサプリメントの 摂 取 の 際 問 題 になります スポーツ 界 ではスポーツ 専 門 家 の 指 導 以 外 でのサプリメント 摂 取 は 推 奨 されていません なぜならば サプリメントに 使 ってはいけない 成 分 が 含 まれていることがあり それを 摂 取 してドーピング 検 査 で 陽 性 になると ある 期 間 スポーツができなくなってしまうからです 海 外 の 健 康 食 品 やサプリメント で 表 示 がないにも 関 わらず 禁 止 物 質 の 筋 肉 増 強 剤 が 検 査 した 商 品 の 約 15%に 含 まれていたとの 報 告 が あります このようにサプリメントでは 意 図 的 ではなくてもドーピング 違 反 になってしまう 可 能 性 が あり 非 常 に 危 険 です 元 気 がでる 力 がつく 疲 れがとれる などがうたい 文 句 のサプリメント ドリンク 剤 漢 方 薬 には 同 様 に 禁 止 物 質 が 含 まれることが 多 く 要 注 意 です 選 手 にとって 大 事 なこ とは バランスの 良 い 食 事 を 何 においても 優 先 し サプリメントは 特 別 な 状 況 で 専 門 家 の 指 導 のも とにしか 摂 取 しないということです 9 保 護 者 の 方 へ 1) 料 理 に 用 いる 素 材 毎 食 の 基 本 的 な 食 事 の 形 としては 1 主 食 2 主 菜 3 副 菜 4 牛 乳 乳 製 品 5 果 物 (P54 参 照 )をそろえるようにすることが 好 ましいですが その 際 に 注 意 するべきことは 料 理 に 用 いる 素 材 調 理 法 およびその 組 み 合 わせ 方 です 料 理 に 用 いる 肉 の 部 位 または 製 品 の 種 類 ( 缶 詰 の 水 煮 缶 や 油 漬 缶 )によって 同 じ 重 量 でもエネ ルギー 量 含 まれているたんぱく 質 や 脂 質 の 量 は 異 なります 図 4は 肉 の 部 位 別 のエネルギーと 三 大 栄 養 素 の 量 を 示 しています 牛 肉 と 豚 肉 の ばら と もも を 比 較 すると エネルギーと 脂 質 の 量 はともに ばら が2 倍 以 上 ありますが たんぱく 質 の 量 は もも の 方 が 多 く 含 まれています このように 体 重 管 理 や 体 調 に 合 わせて どの 素 材 を 用 いるかということがとても 重 要 になります 2) 献 立 の 考 え 方 減 量 時 の 献 立 では エネルギー 摂 取 量 を 少 なくするために エネルギーが 低 い 素 材 油 脂 類 を 使 わな い 調 理 法 エネルギーが 低 い 調 味 料 を 組 み 合 わせましょう 反 対 に 増 量 時 の 献 立 では 食 べる 量 を 増 やす だけではなく 効 率 よくエネルギーをとるために エネルギーが 高 い 素 材 油 脂 類 を 使 った 調 理 法 エネ ルギーが 高 い 調 味 料 を 組 み 合 わせましょう また エネルギー 量 を 調 整 するために 主 菜 を 高 エネルギー の 料 理 にし 副 菜 はマヨネーズを 使 わないサラダや 酢 の 物 にするなど 献 立 全 体 のバランスが 大 切 です 図 5はエネルギーが 低 い~ 高 い 素 材 調 理 法 調 味 料 を 示 しています これらを 参 考 にし 上 手 く 組 み 合 わせて 献 立 を 考 えてください 65
図 4 肉 の 部 位 別 エネルギーと 三 大 栄 養 素 量 の 比 較 図 5 素 材 調 理 法 調 味 料 の 組 み 合 わせパターン( 文 献 3 一 部 改 変 ) 66
8. 栄 養 3) 試 合 前 調 整 期 の 食 事 試 合 前 の 食 事 で 大 切 なことのひとつに 安 全 性 があります 緊 張 すると 消 化 吸 収 能 力 が 抑 制 され る 可 能 性 があり 便 秘 や 下 痢 などの 胃 腸 系 の 障 害 が 見 られます したがって 衛 生 面 や 試 合 前 の 体 調 に 配 慮 した 食 事 が 必 要 になります ポイント1 普 段 どおりの 食 事 ができる 環 境 を 整 える 食 べなれない 食 品 や 料 理 調 理 法 は 避 け 消 化 のよい 食 べなれた 食 事 を 中 心 にしましょう ポイント2 安 全 性 の 高 い 食 品 料 理 を 選 ぶ 刺 身 (カキやアサリなどの 貝 類 やカニなども)や 生 卵 などの 生 もの 生 焼 けの 肉 などは 避 けましょう 調 理 してから 時 間 がたった 料 理 保 存 状 態 が 悪 い 料 理 は 食 べないようにしましょう ポイント3 体 重 体 調 管 理 のための 食 事 を 心 がける 体 重 が 増 えてしまう 人 試 合 に 向 けて 体 重 を 落 とさなければならない 人 は 揚 げ 物 や 脂 質 の 多 い 食 品 ( 肉 の 脂 身 脂 の 多 い 魚 ドレッシング マヨネーズなど)は 控 えるようにしましょう 食 物 繊 維 が 多 くガスを 発 生 させやすい 食 品 (そば さつまいも モロヘイヤ ごぼう えのき ひ じきなど)は とりすぎないようにしましょう ポイント4 エネルギー 源 となる 炭 水 化 物 を 中 心 とした 食 事 にする 体 内 にエネルギーを 蓄 えておくために 炭 水 化 物 (ご 飯 もち パン 麺 類 )を 中 心 とした 食 事 に しましょう 4)おすすめレシピ 国 立 スポーツ 科 学 センター(JISS)では 自 炊 をするアスリートのために 考 案 した わいわいレシ ピ をホームページおよび 書 籍 にて 展 開 しています レシピでは たんぱく 質 カルシウム 鉄 など が 多 く 含 まれる 食 品 をマークで 表 し 手 に 入 りやすい 食 品 で 簡 単 な 調 理 法 食 べやすい 味 付 けを 紹 介 しています からだづくりは の 食 事 から ですので 日 頃 の 食 事 作 りの 参 考 にしていただけ ればと 思 います その 中 から 高 カルシウムレシピ 高 鉄 分 レシピ を 主 食 主 菜 副 菜 デザートから 一 品 ずつ ご 紹 介 します 67
主 食 高 カルシウムレシピ ~ 目 指 せ 骨 強 化 ~ 主 菜 68
8. 栄 養 副 菜 デザート 69
主 食 高 鉄 分 レシピ ~ 目 指 せ 貧 血 予 防 ~ 主 菜 70
8. 栄 養 副 菜 デザート 71
参 考 文 献 1)IOC Consensus Statement on Sports Nutrition 2010. Journal of Sports Sciences, 29(S1): S3-S4,2011 2) 厚 生 労 働 省 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 策 定 検 討 会 報 告 書. 日 本 人 の 食 事 摂 取 基 準 [2010 年 版 ], 第 一 出 版, 2009. 3) 樋 口 満 編 著. 新 版 コンディショニングのスポーツ 栄 養 学, 市 村 出 版,2007. 4) 香 川 芳 子 監 修. の 食 事 のカロリーガイド, 女 子 栄 養 大 学 出 版 部,2012. 5) 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン 作 成 委 員 会 編 集. 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン2011 年 版,ラ イフサイエンス 出 版,2012. 6) 文 部 科 学 省 科 学 技 術 学 術 審 議 会 資 源 調 査 分 科 会 報 告. 日 本 食 品 標 準 成 分 表 2010, 全 国 官 報 販 売 協 同 組 合 2010. 7) 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン 作 成 委 員 会 編 集. 骨 粗 鬆 症 の 予 防 と 治 療 ガイドライン2006 年 版,ラ イフサイエンス 出 版,2006. 8) 川 原 貴 ら 編.スポーツ 活 動 中 の 熱 中 症 予 防 ガイドブック, 公 益 財 団 法 人 日 本 体 育 協 会,2013 9)アスリートのわいわいレシピhttp://www.jpnsport.go.jp/jiss/recepe/tabid/334/Default.aspx 10) 国 立 スポーツ 科 学 センター 著.JISS 国 立 スポーツ 科 学 センターのアスリートレシピ, 主 婦 と 生 活 社, 2012. 11)Geyer H, Parr MK, Mareck U, Reinhart U, Schrader Y, Schänzer W. Analysis of non-hormonal nutritional supplements for anabolic-androgenic steroids - results of an international study. Int J Sports Med. 25 (2): 124-129, 2004. 成 分 値 は 日 本 食 品 標 準 成 分 表 2010 から 算 出 しています 72