M i t s u i G l o b a l S t r a t e g i c S t u d i e s I n s t i t u t e 2012.7.20 CONTENTS
種 子 産 業 担 い 手 の 変 化 と 市 場 の 拡 大 戦 略 開 発 室 松 浦 武 蔵 新 興 国 の 経 済 発 展 に 伴 う 穀 物 需 要 の 増 加 や 気 候 変 動 による 食 料 供 給 不 安 が 懸 念 されるなか 農 作 物 の 増 産 生 産 性 向 上 は 喫 緊 の 課 題 となっている 課 題 解 決 に 向 けた 手 段 として 種 子 は 従 来 の 単 なる タネ から 高 機 能 を 付 加 し たハイテク 商 品 へと 変 化 を 遂 げており 農 業 生 産 において 重 要 な 役 割 を 担 っている こうした 種 子 における 技 術 革 新 は 他 産 業 から 種 子 産 業 への 参 入 を 促 し これまで 種 子 市 場 を 形 成 してきた 企 業 の 顔 ぶれに 大 きな 変 化 を 起 こした ここでは こうした 潮 流 変 化 に 着 眼 し 種 子 産 業 の 成 立 から 現 在 までの 歴 史 ならびに 市 場 の 分 析 と 今 後 の 産 業 動 向 について 考 察 する 1. 種 子 産 業 の 歴 史 (1) 種 子 市 場 の 発 生 人 類 が 農 耕 を 始 めたのは 1 万 2000 年 前 河 川 の 氾 濫 などにより 肥 沃 な 大 地 が 自 然 と 形 成 された 土 地 であった とされる 以 降 人 類 は 農 耕 を 世 界 中 に 拡 大 してきたが 19 世 紀 初 頭 までは 現 在 一 般 的 に 使 用 されているような 農 薬 や 肥 料 もなく ( 経 験 によって 効 率 的 に 作 物 を 栽 培 す る 方 法 は 存 在 していた) また 種 子 については 農 作 物 の 生 産 者 がその 土 地 で 伝 統 的 に 受 け 継 がれてきたものを 使 って 作 物 を 生 産 していた そして そのうちの 一 部 は 翌 年 に 使 用 する 種 子 として 自 家 採 種 していた こうして 使 用 されていた 種 子 は 固 定 種 と 呼 ばれるもので その 地 域 の 気 候 風 土 に 適 応 した 固 定 された 形 質 が 親 から 子 へ 受 け 継 がれる 種 子 であり 現 在 も 発 展 途 上 国 では 普 通 に 使 用 されている また 育 種 と 呼 ばれる 種 子 の 品 種 改 良 は 人 類 が 農 耕 生 活 を 始 めた 頃 から 同 時 に 進 められていたといわれ ており 先 述 の 固 定 種 も 自 然 に 採 れた 種 子 という よりは 育 種 によってその 地 に 合 うよう 品 種 改 良 された 種 子 である こうした 育 種 が 篤 農 家 などの 手 によって 行 わ れ その 中 から 生 み 出 された 優 良 な 種 子 は 売 買 の 対 象 と なった やがて 種 子 の 売 買 を 生 業 とする 者 たちが 現 れた のは 18 世 紀 中 頃 といわれる そして このような 小 規 模 な 取 引 が 農 業 を 行 っている 世 界 各 地 で 徐 々に 浸 透 してい き 種 子 が 産 業 と 呼 ばれるレベルになったのは 19 世 紀 中 頃 以 降 の 米 国 でのことである それまでは 先 述 した 小 規 模 の 売 買 や 農 家 による 自 家 採 種 農 家 間 での 融 通 政 府 からの 支 給 によって 取 り 扱 われていたが 1866 年 に 初 めてキャベツの 種 子 が 米 国 のロングアイランドで 商 用 生 産 され 卸 売 市 場 に 流 通 した アメリカ 種 子 取 引 協 会 (The American Seed Trade Association) が 設 立 されたの も 1883 年 である この 頃 には 農 務 省 や 州 立 大 学 農 業 研 究 試 験 場 が 主 導 する 公 的 育 種 体 制 が 確 立 され 彼 らの 手 によって 開 発 管 理 されている 種 子 が 大 半 を 占 め るようになっていた しかし これらの 種 子 は 一 度 農 家 が 買 ってしまえば 翌 年 は 自 家 採 種 可 能 なため 大 した 市 場 ともならず 地 域 も 限 定 的 なものであった (2)ハイブリッド 種 子 の 登 場 と 種 子 の 産 業 化 ところが 1930 年 代 に 入 り 従 来 とは 異 なる 育 種 技 術 が 市 場 の 様 相 を 変 化 させていった ハイブリッド 種 子 の 誕 生 である これは 異 なる 性 質 のタネを 掛 け 合 わせて 作 った 雑 種 一 代 目 のタネであり F1 (first filial generation) 種 子 とも 呼 ばれている 雑 種 の 一 代 目 には 雑 種 強 勢 という 性 質 が 働 いて 生 育 が 良 くなるほか 大 きさや 形 状 収 穫 時 期 がそろうので 大 量 生 産 に 向 く 作 物 を 作 ることができる こうした 特 性 から トウモロコシの 種 子 であるハイブリッドコ ーンは 全 米 で 急 速 に 普 及 し 1960 年 代 にはトウモロコシ の 作 付 面 積 の 大 部 分 がハイブリッド 種 子 に 置 き 換 わってい った ( 図 表 1) ところが この 種 子 にはもうひとつの 大 き な 特 徴 があった それは この 優 良 な 性 質 は 次 世 代 には 戦 略 研 レポート 2
図 表 1 米 国 のハイブリッドコーンの 普 及 率 (%) 100 ( 百 万 ha) 18,000 図 表 2 世 界 の GM 種 子 の 作 付 面 積 80 60 16,000 14,000 12,000 その 他 ナタネ ワタ トウモロコシ ダイズ 40 10,000 20 8,000 6,000 0 4,000 出 所 :The Seed Industry in U.S. Agriculture ( 年 ) 2,000 0 1996 2000 2005 2010 ( 年 ) 出 所 : 日 本 モンサント( 株 )ホームページをもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 受 け 継 がれないという 特 徴 で そのため 農 家 は 従 来 の ように 自 家 採 種 できなくなり 種 子 業 者 から 毎 年 買 う 必 要 性 が 出 てきたのである これは 種 子 は 自 家 採 種 して 毎 年 使 用 するもの という 慣 習 に 大 きな 変 化 をもたらし 種 子 は 農 家 が 自 給 するものから 購 入 資 材 化 されるようになっ たのである こうして 種 子 需 要 はハイブリッド 種 子 の 普 及 と ともに 増 大 し 種 子 市 場 を 成 長 させることにつながってい った さらには 1968 年 に 発 行 された UPOV 条 約 ( 植 物 の 新 品 種 の 保 護 に 関 する 国 際 条 約 ) に 基 づいて 各 国 が 日 本 の 種 苗 法 に 当 たる 法 律 を 制 定 し 種 苗 に 関 わる 知 的 財 産 管 理 をするようになった 育 成 者 権 保 護 の 制 度 化 は まだハイブリッド 化 されていなかった 小 麦 やダイズなどのコ モディティ 作 物 の 種 子 開 発 に 対 する 企 業 の 投 資 意 欲 に 拍 車 を 掛 けた また 同 時 期 には 緑 の 革 命 に 見 られ るように 人 口 増 による 需 要 を 賄 うべく 効 率 的 に 大 量 生 産 することが 要 求 され そのために 必 要 とされる 優 良 な 種 子 は 農 薬 肥 料 農 業 機 械 と 一 緒 に 国 をまたいで 輸 出 されるようになった その 結 果 種 子 市 場 の 国 際 化 が 進 み 優 良 な 種 子 を 持 つ 企 業 が 飛 躍 的 発 展 を 遂 げ 中 小 の 種 子 企 業 を 買 収 し 種 子 の 争 奪 戦 を 展 開 して 種 子 市 場 の 寡 占 化 が 進 行 していった (3)GM( 遺 伝 子 組 み 換 え) 技 術 の 導 入 1990 年 代 種 子 市 場 にハイブリッド 種 子 の 出 現 に 匹 敵 する 新 たな 技 術 が 導 入 された バイオテクノロジーの 進 化 即 ち 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 を 使 った 種 子 の 登 場 である 従 来 の 種 子 の 品 種 改 良 が 異 なる 優 良 な 形 質 を 持 った 種 子 の 掛 け 合 わせにより 開 発 されたものであるのに 対 し 遺 伝 子 組 み 換 え= GM (genetically modified) 種 子 は そ の 名 のとおり 遺 伝 子 を 直 接 操 作 することによって 新 たな 形 質 を 生 み 出 して 品 種 改 良 されたものである GM 種 子 は 従 来 のハイブリッド 種 子 よりも 価 格 は 高 くなるが 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 による 除 草 剤 への 耐 性 や 害 虫 に 抵 抗 性 を 持 つ 機 能 が 組 み 込 まれたことによって 農 薬 の 使 用 量 を 抑 えられること 生 産 者 の 手 間 が 省 けること ( 人 件 費 抑 制 ) から 農 業 生 産 の 全 体 コストを 下 げることを 可 能 とさせる 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 の 歴 史 を 振 り 返 ると 1973 年 に 米 国 の 分 子 生 物 学 者 が 大 腸 菌 を 人 為 的 に 形 質 変 換 させ ることに 成 功 したことに 端 を 発 する 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 が 確 立 された 当 初 は 微 生 物 への 研 究 が 進 み 医 薬 品 分 野 での 普 及 が 先 行 していたが 1980 年 代 半 ばに 入 り 植 物 に 対 する 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 開 発 へと 応 用 されるよ うになった 1994 年 にベンチャー 企 業 の Calgene ( 後 に Monsanto に 買 収 される) が 世 界 初 の 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 となる 完 熟 後 でも 日 持 ちがよい フレーバーセーバ ートマト を 作 り 出 し 米 国 で 販 売 された 次 いで 1996 年 には 害 虫 に 抵 抗 性 のあるトウモロコシを 皮 切 りに ダ イズ 等 の 主 要 品 目 における 遺 伝 子 組 み 換 え 作 物 の 商 業 栽 培 が 始 まった そして 2011 年 では GM 種 子 は 29 カ 国 1 億 6,000 万 ha まで 作 付 面 積 を 急 速 に 伸 ばしてきている ( 図 表 2) 主 要 農 作 物 の 全 世 界 作 付 面 積 のうち ワタ 82 % ダイズ 75% トウモロコシ 32% ナタネ 26%が GM 種 子 に 置 き 換 わっている (4) 農 薬 企 業 の 参 入 このように 急 速 に 発 展 してきた GM 種 子 は 実 は 種 子 企 業 が 研 究 を 進 めてきたものではなく 農 薬 を 生 産 する 化 学 系 企 業 が 深 化 させたものである 当 初 は 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 が 医 薬 品 分 野 等 で 発 展 を 遂 げてきた 経 緯 戦 略 研 レポート 3
から 医 薬 品 業 界 等 の 大 手 企 業 がバイオテクノロジーを 梃 子 に 種 子 分 野 への 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 の 導 入 を 試 み た また 農 薬 という 農 業 関 連 事 業 を 持 ち かつ バイ オテクノロジーへの 知 見 もある 化 学 品 業 界 も 同 様 に GM 種 子 の 開 発 に 参 入 した しかし 種 子 開 発 には 医 薬 品 開 発 と 同 様 に 莫 大 な 時 間 と 投 資 が 必 要 だったことから 農 業 関 連 事 業 を 持 たない 企 業 の 新 規 参 入 は 難 しく 撤 退 し ていくこととなり 一 方 農 薬 部 門 を 持 つ 化 学 系 企 業 は 一 層 種 子 の 分 野 へと 足 を 深 めていった その 理 由 のひと つに ほぼ 同 時 期 に 農 薬 の 人 体 への 悪 影 響 や 環 境 汚 染 などが 声 高 となり 農 薬 使 用 量 を 減 らそうとする 動 きが 世 界 に 出 始 めたことがある この 動 きに 市 場 縮 小 の 危 機 感 を 持 った 農 薬 企 業 にとって 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 を 利 用 した 農 薬 使 用 量 を 減 らせる 種 子 開 発 は 生 き 残 りを 掛 け た 戦 略 となった さらには 種 子 というものは ひとつの タネがどの 地 域 にも 適 合 するものではなく その 地 域 の 特 性 ( 緯 度 の 違 いによる 日 照 時 間 や 気 温 の 違 い) に 合 わ せた 育 種 が 必 要 であり これは GM 種 子 にも 同 様 のこと がいえる したがって その 地 域 の 特 性 に 合 ったタネと 掛 け 合 わせてカスタマイズする 必 要 があることから GM 種 子 を 開 発 する 農 薬 企 業 は 多 様 なタネを 持 つ 各 々の 地 場 の 種 子 企 業 を 押 さえなければならなかった こうした 背 景 が 農 薬 企 業 による 種 子 産 業 への 浸 食 を 後 押 しすることにな ったのである 2. 農 薬 企 業 と 種 子 産 業 農 薬 企 業 の 参 入 によって 種 子 産 業 の 様 相 は 一 変 した ここでは 種 子 市 場 への 参 入 を 果 たした 上 位 農 薬 企 業 の 顔 ぶれと これらの 企 業 が 種 子 産 業 に 参 入 してきた 経 緯 を 整 理 してみる 益 確 保 やコスト 削 減 などの 合 理 化 が 農 薬 企 業 には 急 務 と なり M&A による 業 界 再 編 や 大 手 化 学 企 業 の 農 薬 部 門 の 切 り 捨 てが 進 み 現 在 の 構 図 が 形 成 された (1) 主 要 な 農 薬 企 業 現 在 の 農 薬 市 場 を 形 成 する 主 要 企 業 は 図 表 3 のとお りであり 上 位 6 社 (Syngenta (スイス) Bayer ( 独 ) BASF ( 独 ) Dow Chemical ( 米 ) Monsanto ( 米 ) DuPont( 米 ))で 世 界 市 場 の 約 7 割 を 占 めている このうち BASF Dow Chemical DuPont は 総 合 化 学 企 業 の 一 部 門 Bayer は 医 薬 品 企 業 の 一 部 門 Syngenta と Monsanto は 農 業 化 学 企 業 であるが 6 社 はいずれも 大 手 化 学 系 多 国 籍 企 業 である 現 在 の 主 力 6 社 の 構 成 は 2000 年 頃 に ほぼ 形 成 されたが それまでの 農 薬 市 場 は 化 学 系 企 業 や 医 薬 系 企 業 の 群 雄 割 拠 となっていた 1990 年 代 には 欧 州 において EU 共 通 農 業 政 策 の 変 更 による 生 産 調 整 日 本 ではコメの 減 反 政 策 などといった 農 業 政 策 の 変 化 が あり さらに 環 境 や 人 体 への 悪 影 響 などの 懸 念 から 農 薬 市 場 の 環 境 は 急 速 に 悪 化 した 元 々 農 薬 の 新 商 品 開 発 には 多 大 な 経 費 と 時 間 が 必 要 であったが この 環 境 変 化 によって 多 額 の 研 究 開 発 費 をカバーするだけの 収 図 表 3 世 界 主 要 農 薬 企 業 の 売 上 高 (2010 年 ) 順 ( 百 万 米 ドル) 位 社 名 農 薬 売 上 高 注 1 総 売 上 高 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Syngenta( スイス ) Bayer CropScience( ドイツ ) BASF( ドイツ ) Dow AgroSciences( 米 国 ) Monsanto( 米 国 ) DuPont( 米 国 ) Makhteshim-Agan( イスラエル ) Nufarm( オーストラリア ) 住 友 化 学 ( 日 本 ) FMC( 米 国 ) 8,878 8,136 5,342 4,089 2,892 2,486 2,180 2,003 1,599 1,242 11,641 46,784 85,164 53,674 10,483 31,505 2,362 2,169 22,584 3,116 11 アリスタライフサイエンス ( 日 本 ) 注 2 1,170 1,283 12 13 14 United Phosphorus( インド ) Cheminova( デンマーク ) 石 原 産 業 ( 日 本 ) 1,078 934 441 1,149 997 1,204 15 日 本 農 薬 ( 日 本 ) 416 460 * 緑 の 網 掛 けは 種 子 産 業 へ 参 入 している 企 業 注 1: 各 社 の 農 薬 売 上 高 ( 農 業 バイテク 製 品 は 含 まれない) 注 2:トーメンとニチメンの 農 薬 およびライフサイエンス 事 業 を 統 合 し た 企 業 2001 年 10 月 に 設 立 され 農 薬 など 化 学 製 品 の 製 造 加 工 販 売 を 行 っている 現 在 は 欧 州 ファンド Permira の 資 本 下 にある 出 所 : 世 界 化 学 工 業 白 書 2011 年 3 月 増 刊 号 をもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 戦 略 研 レポート 4
(2) 種 子 企 業 を 傘 下 に 取 り 込 む 農 薬 企 業 1990 年 代 から 始 まった 農 薬 企 業 による 種 子 産 業 への 進 出 は Monsanto や Dow Chemical による 大 手 企 業 の 買 収 が 端 緒 となった 図 表 4 は 1996 年 と 2009 年 の 種 子 企 業 の 売 上 高 順 の 対 比 である 1996 年 の 上 位 10 社 中 種 子 を 本 業 としない 企 業 は 2 位 の Novartis と 10 位 の Cargill のみである ところが 世 界 最 大 の 種 子 企 業 で ある Pioneer Hi-Bred は 1999 年 に DuPont の 100% 子 会 社 となる (96 年 時 点 でも 20%の 出 資 は 受 けていた) ま た 4 位 の Advanta 8 位 の Dekalb 10 位 の Cargill の 種 子 部 門 は Monsanto に 取 り 込 まれた 他 の 農 薬 大 手 企 業 も 同 様 の 買 収 を 行 い 2009 年 には 上 位 10 社 のうち 5 社 が 占 めるようになった そして この 5 社 に 加 えて 同 じく GM 種 子 開 発 に 力 を 注 いでいる BASF を 含 んだ 6 社 は 種 子 農 薬 分 野 におけるメジャー 企 業 ( 種 子 メジャ ー) として 種 子 産 業 と 農 薬 産 業 に 強 い 影 響 力 を 持 つよ うになった 農 薬 企 業 が 種 子 産 業 に 参 入 した 狙 いは GM 種 子 の 開 発 に 必 要 な 伝 統 的 な 優 良 種 子 の 取 り 込 みと 自 社 の 農 った Asgrow やトウモロコシ 種 子 の 3 割 以 上 の 原 種 を 保 有 する Holden's Foundation seeds などの 大 手 種 子 企 業 を 買 収 した DuPont が 買 収 した Pioneer Hi-Bred も 100 種 類 近 いハイブリッドコーンの 種 子 を 保 有 している これら の 企 業 の 狙 いは 入 手 した 優 良 種 子 を 使 い 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 によって 特 定 の 除 草 剤 を 使 用 しても 枯 れない 耐 性 ( 即 ち 自 社 の 除 草 剤 には 枯 れない 耐 性 ) を 組 み 込 ん だ 種 子 を 開 発 し 自 社 の 農 薬 とともに 販 売 することにあっ た 有 名 なものでは Monsanto 社 の 除 草 剤 ( 商 品 名 : ラ ウンドアップ) とその 除 草 剤 に 耐 性 を 持 つ 種 子 のセット 販 売 である 一 般 に 販 売 されている 除 草 剤 は 種 類 が 多 く 枯 らす 作 物 の 選 択 性 にも 違 いがあるため 農 業 生 産 者 は 複 数 の 剤 を 適 切 に 使 い 分 ける 必 要 がある ラウンドアップ は 作 物 自 体 も 枯 らせてしまう 非 選 択 性 の 除 草 剤 だが こ のセット 販 売 により 生 産 者 は 除 草 剤 を 使 い 分 ける 手 間 を 大 幅 に 省 くことができる 一 方 メーカー 側 も 種 子 と 農 薬 さらには 肥 料 と 技 術 指 導 もセット 販 売 することで 自 社 の 利 益 を 増 加 させるとともに 顧 客 を 固 定 化 するという 種 子 メ ジャーのビジネスモデルを 確 立 した 薬 の 販 売 拡 大 である 先 にも 述 べた 通 り GM 種 子 も 従 来 の 種 子 同 様 に 育 種 が 必 要 なため 伝 統 的 な 種 子 を 保 有 している 大 手 種 子 企 業 を 取 り 込 み 彼 らの 持 つ 優 良 な 種 子 と 掛 け 合 わせる 工 程 を 避 けては 通 れなかったのであ る 例 えば Monsanto は 全 米 一 のダイズ 種 子 企 業 であ 図 表 4 世 界 の 主 要 種 子 企 業 の 再 編 順 位 1996 年 2009 年 社 名 売 上 高 社 名 ( 百 万 米 ドル) 売 上 高 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 Pioneer Hi-Bred( 米 国 ) Novartis( スイス ) Limagrain( フランス ) Advanta( オランダ ) Grupo Pulsar( メキシコ ) サカタのタネ ( 日 本 ) タキイ 種 苗 ( 日 本 ) Dekalb Plant Genetics( 米 国 ) KWS( ドイツ ) Cargill( 米 国 )( 非 公 開 のため 推 定 値 ) 1,721 991 552 493 400 403 396 388 377 300 Monsanto( 米 国 ) DuPont( 米 国 ) Syngenta( スイス ) Groupe Limagrain( フランス ) Land O Lakes( 米 国 ) KWS( ドイツ ) Bayer CropScience( ドイツ ) Dow AgroSciences( 米 国 ) サカタのタネ ( 日 本 ) DLF-TRIFOLIUM( デンマーク ) 7,297 4,641 2,564 1,252 1,100 997 700 635 491 385 注 : 実 線 は 買 収 点 線 は Cargill の 種 子 事 業 のみを 買 収 売 上 高 は 種 子 事 業 のみ 2009 年 の 網 掛 けの 5 社 は 農 薬 企 業 出 所 :RAFI ETCgroup 資 料 をもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 戦 略 研 レポート 5
3. 種 子 市 場 の 現 状 これまでは 種 子 産 業 が 形 成 されるまでを 種 子 および 農 薬 の 視 点 から 見 てきたが ここでは 種 子 市 場 の 現 状 に 触 れ また 今 後 の 市 場 拡 大 のドライバになると 思 われる GM 種 子 の 浸 透 状 況 について 確 認 していく 種 子 市 場 に 関 す る 公 式 統 計 は な く 正 確 に 把 握 することは 難 しいが 国 際 的 な 種 苗 業 界 団 体 である International Seed Federation (ISF) の 調 べ に よ れ ば 2011 年 で 約 420 億 ドル 規 模 と 推 計 されている その 内 訳 に 関 する 記 述 はないが 他 の 調 査 を 参 考 に 推 定 すると グローバル 市 場 を 相 手 にしている 穀 物 種 子 が 360 億 ドル 図 表 5 種 子 市 場 上 位 20カ 国 の 推 定 市 場 規 模 および 総 作 付 面 積 に 対 する GM 作 付 面 積 の 割 合 順 位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 国 名 米 国 中 国 フランス ブラジル インド 日 本 ドイツ イタリア アルゼンチン カナダ 11 ロシア 12 13 14 スペイン オーストラリア 韓 国 15 トルコ 16 英 国 17 18 19 南 アフリカ メキシコ オランダ 20 チェコ 種 子 市 場 推 定 規 模 ( 億 ドル) 120.0 95.0 24.0 20.0 20.0 14.0 12.6 7.8 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 4.0 4.0 4.0 3.7 3.5 3.2 3.0 総 作 付 面 積 ( 万 ha) GM 作 付 面 積 ( 万 ha) (a) (b) (b)/(a) 13,447 17,124 1,867 6,547 19,169 445 1,910 970 3,706 3,255 6,018 1,295 4,892 258 1,941 6,900 390 3,030 1,060 2,370 1,040 10 74 51.3% 2.3% 46.3% 5.5% 64.0% 31.9% 0.7% 1.5% 571 670 1,754 88 272 230 18 1 34.3% 1.0% 0.2% 出 所 : 種 子 市 場 推 定 規 模 は ISF(International Seed Federation) より 引 用 2011 年 11 月 時 点 での 最 新 値 採 用 年 は 各 国 の 判 断 に 基 づく 作 付 面 積 は FAO-STAT(Production, 2010, Crops Primary) からダウンロード GM 作 付 面 積 は ISAAA(International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications)の 2011 年 実 績 を 引 用 (86%) 地 場 の 気 候 や 食 文 化 に 根 ざして 生 産 される 野 菜 果 実 が 55 億 ドル (13%) 花 卉 が 5 億 ドル (1%) とみられる ただし これらの 数 字 には 途 上 国 等 における 自 家 採 種 や 公 的 機 関 からの 配 給 によるものが 含 まれてお らず それらを 含 めるとその 市 場 規 模 はおよそ 500 億 ドル 程 度 であろうといわれている 国 別 では 市 場 規 模 が 10 億 ドルを 上 回 る 上 位 7 カ 国 で 全 体 の 73%を 占 めている 特 に 米 国 と 中 国 は 3 位 以 下 を 大 きく 引 き 離 している ( 図 表 5) 図 表 6 GM 作 物 の 栽 培 状 況 (2011 年 ) 順 栽 培 作 物 位 作 付 面 積 国 名 ( 万 ha) トウモ ロコシ ダイズ ワタ ナタネ その 他 ポテト パパイヤ 1 米 国 6,900.0 〇 〇 〇 〇 アルファルファ テンサイ 等 2 ブラジル 3,030.0 〇 〇 〇 3 アルゼンチン 2,370.0 〇 〇 〇 4 インド 1,060.0 〇 5 カナダ 1,040.0 〇 テンサイ トマト 6 中 国 390.0 〇 パパイヤ 等 7 パラグアイ 280.0 〇 8 パキスタン 260.0 〇 9 南 アフリカ 230.0 〇 〇 〇 10 ウルグアイ 130.0 〇 〇 11 ボリビア 91.0 〇 12 オーストラリア 73.6 〇 〇 13 フィリピン 64.4 〇 14 ミャンマー 28.3 〇 15 ブルキナファソ 24.7 〇 16 メキシコ 17.6 〇 〇 17 スペイン 9.7 〇 18 コロンビア 4.9 〇 19 チリ 4.2 〇 〇 〇 20 ホンジュラス 1.8 〇 21 ポルトガル 0.8 〇 22 チェコ 共 和 国 0.5 〇 23 ポーランド 0.3 〇 24 エジプト 0.3 〇 25 スロバキア 0.1 〇 26 ルーマニア 0.1 〇 27 スウェーデン 0.0 ポテト 28 コスタリカ 0.0 〇 〇 29 ドイツ 0.0 ポテト 合 計 ( 万 ha) 16,000.0 5,100 7,540 2,470 820 70 出 所 :バイテク 情 報 普 及 会 ホームページをもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 戦 略 研 レポート 6
他 方 The International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications (ISAAA) の 報 告 書 によると 2011 年 時 点 での 種 子 市 場 は 約 370 億 ドルであり その 36%に 当 たる 132 億 ドルが GM 種 子 としている また 同 報 告 書 では GM 種 子 の 普 及 度 合 いを 表 す 指 標 として 作 付 面 積 を 用 いていることから 国 ごとの 作 付 面 積 を FAO 統 計 データベース (FAOSTAT) から 入 手 し この 数 値 と 比 較 してみた GM 種 子 の 作 付 面 積 は 約 1 億 6,000 万 ha であり このうち 主 要 4 品 種 (トウモロコシ ダイズ ワタ ナタネ) で 99.6%を 占 めている ( 図 表 6) FAOSTAT によれば この 4 品 種 の 世 界 の 作 付 面 積 は 約 3 億 2,800 万 ha なので およそ 半 分 が GM 種 子 に 置 き 換 わってい るといえる 残 り 半 分 のうち 特 に 大 きな 作 付 面 積 を 持 つ のが 中 国 であり トウモロコシの 3,250 万 ha ナタネの 700 万 ha ダイズの 850 万 ha がまだ GM 種 子 を 使 用 し ていないため 中 国 は 今 後 の 潜 在 的 な 市 場 と 考 えられる 国 別 の GM 作 付 面 積 では 1 位 が 米 国 の 6,900 万 ha と なり 以 下 ブラジル アルゼンチン インド カナダと 続 き 4 位 のインドを 除 く 4 カ 国 はこの 4 品 種 の 作 付 面 積 の 8 割 以 上 に GM 種 子 を 使 用 している ただし GM 作 物 に 関 しては 生 物 多 様 性 に 絡 む 環 境 への 影 響 に 対 する 懸 念 や 人 体 への 安 全 性 に 対 する 疑 念 などから 抵 抗 感 を 持 つ 人 々も 多 く 国 ごとによってその 対 応 方 法 が 異 なっている (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 2000 図 表 7 米 国 の GM 作 物 の 栽 培 状 況 2005 2010 ( 年 ) ダイズ ワタ トウモロコシ 出 所 :バイテク 情 報 普 及 会 ホームページをもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 (1) 北 米 1 概 要 北 米 の 種 子 市 場 は 米 国 が 世 界 一 となる 120 億 ドルで 突 出 しており (2011 年 ) カナダが 5.5 億 ドルとなってい る 米 国 の 種 子 市 場 は 当 初 は 公 的 な 機 関 が 主 導 的 役 割 を 果 たして 拡 大 してきたが ハイブリッド 種 子 の 普 及 拡 大 とともに 民 間 企 業 が 急 速 に 発 達 し Pioneer Hi-Bred や Dekalb などの 専 業 の 種 子 企 業 が 成 長 してきた その 後 これまでに 見 てきたように Monsanto や DuPont 等 の 種 子 メジャーが 種 子 専 業 企 業 の 買 収 を 繰 り 返 して 傘 下 に 収 め てきたことから 種 子 メジャーによる 市 場 の 寡 占 化 が 進 ん でおり Monsanto DuPont Syngenta の 3 社 で 90% 超 ともいわれている また 市 場 の 成 長 には 同 地 域 が 主 要 穀 物 の 生 産 大 国 であり 特 に 米 国 における GM 種 子 の 使 用 比 率 が 非 常 に 高 いことも 大 きく 影 響 を 及 ぼしたと 考 え られる 2 GM 種 子 米 国 内 では 既 にダイズの 作 付 面 積 の 94% トウモロ コシの 86% ワタの 90%で GM 種 子 が 使 用 されており ( 図 表 7) 今 後 従 来 の 種 子 から GM 種 子 への 置 き 換 えに よる 大 幅 な 市 場 拡 大 は 見 込 み 難 い そうした 状 況 下 例 えば Monsanto は 既 存 の GM トウモロコシ 種 子 よりも 収 量 が 倍 増 可 能 な 商 品 開 発 を 進 め 機 能 付 加 による 種 子 単 価 アップ シェア 拡 大 を 目 論 んでいる また GM 種 子 から 採 れた 作 物 に 対 する 考 え 方 については GM 品 は 従 来 品 と 同 等 のもの として 扱 われるため 消 費 者 に 対 する 表 示 についても 著 しく 組 成 が 変 わらなければ GM 品 である 旨 の 表 示 義 務 は 課 されない (2) 欧 州 1 概 要 欧 州 の 種 子 市 場 は 約 100 億 ドル 規 模 (2011 年 ) と 推 定 されている 国 別 に 見 ると フランスの 24.0 億 ドルが 最 も 多 く ドイツ 12.6 億 ドル イタリア 7.8 億 ドル スペイン 4.5 億 ドル イギリス 4.0 億 ドル オランダ 3.2 億 ドルと 続 く この 地 域 は 種 子 の 生 産 拠 点 でもあるため 輸 出 量 も 大 きい また 欧 州 内 での 種 子 の 売 り 上 げの 大 半 (99.9 戦 略 研 レポート 7
%) は 伝 統 的 な 非 GM 種 子 の 売 り 上 げによるものであり 理 由 は 後 述 するが GM 種 子 はほとんど 浸 透 していない 現 在 では 世 界 中 に 広 まっている 品 種 保 護 制 度 の 発 祥 地 が 欧 州 であることからも 分 かるとおり この 地 域 は 民 間 による 育 種 の 関 心 が 非 常 に 高 く 国 によって 若 干 の 違 い はあるが 育 種 や 種 子 の 検 査 等 を 行 う 公 的 機 関 と 民 間 と の 協 調 体 制 が 確 立 されている こうした 点 を 特 徴 付 けるよ うに 種 子 会 社 はフランスの Limagrain やドイツの KWS な ど 農 民 組 合 系 の 企 業 が 多 い 2 GM 種 子 欧 州 内 での GM 種 子 を 使 用 した 生 産 は 欧 州 委 員 会 が GM 作 物 の 商 業 栽 培 を 承 認 しているにもかかわらず 各 国 判 断 によって 禁 止 されるなど 現 状 足 並 みがそろっ ていない 現 在 GM 種 子 による 栽 培 を 行 っているのは スペイン チェコ ポルトガル スロバキア ルーマニア ポーランドで 過 去 に 栽 培 していたフランスやドイツが 中 止 するなど 反 対 もしくは 慎 重 な 態 度 を 表 明 する 国 が 散 見 され 全 体 としてはあまり 導 入 が 進 んでいない このよ うに GM 種 子 が 欧 州 内 で 順 調 に 浸 透 していかないことか ら BASF は 2012 年 1 月 にヨーロッパ 向 けに 開 発 してき た GM ポテトや 真 菌 病 抵 抗 性 小 麦 などの GM 作 物 の 研 究 開 発 から 撤 退 し 事 業 を 米 国 に 移 転 させると 発 表 している 一 方 消 費 面 では 日 本 と 同 様 に 大 量 の 遺 伝 子 組 み 換 えトウモロコシ ダイズ ナタネが 飼 料 用 や 加 工 食 品 用 と して 輸 入 されている ただし 表 示 制 度 は 日 本 と 異 なり 最 終 製 品 に 組 み 換 えた 遺 伝 子 が 残 存 する しないに 関 わ らず GM 作 物 を 使 用 した 食 品 や 飼 料 は 全 て 表 示 する 義 務 がある (3) 中 国 1 概 要 中 国 の 種 子 市 場 の 規 模 は 約 95 億 ドル (2011 年 ) とさ れている 市 場 規 模 は 大 きいが 約 6 割 以 上 を 輸 入 に 頼 っている 中 国 国 内 の 種 子 生 産 企 業 は 約 8,700 社 あ り 多 くは 研 究 開 発 機 能 を 持 たない 小 規 模 会 社 が 中 心 で 資 本 金 3,000 万 元 以 上 の 大 手 は 200 社 程 度 である 甘 粛 省 敦 煌 種 業 合 肥 豊 楽 種 業 袁 隆 平 農 業 高 科 技 山 東 登 海 種 業 などが 大 手 企 業 として 存 在 する 外 資 企 業 は 種 子 メジャーなどの 大 手 を 含 めて 50 社 以 上 が 進 出 している Monsanto は 1996 年 11 月 から 河 北 省 農 業 庁 と 岱 字 綿 会 社 と 提 携 して 生 物 技 術 合 弁 企 業 を 設 立 中 国 国 内 へ 進 出 している また 2001 年 には 中 国 種 子 集 団 と トウモロコシなどの 農 作 物 販 売 が 許 可 され た 中 米 合 弁 企 業 を 設 立 した Bayer は 1991 年 に 農 業 化 学 品 合 弁 企 業 を 設 立 して 進 出 し 2000 年 に 杭 州 市 工 業 資 産 経 営 有 限 公 司 との 共 同 出 資 により 拜 耳 (バイエル) 作 物 科 学 ( 中 国 ) 有 限 公 司 を 設 立 している 2 GM 種 子 中 国 の GM 作 物 に 対 する 取 り 組 みは 1986 年 から 研 究 が 開 始 され 技 術 開 発 や 田 間 試 験 の 段 階 では 世 界 でも 進 んでいる 部 類 に 入 る 中 国 政 府 は 深 刻 化 する 食 料 安 全 保 障 問 題 を 解 決 する 重 要 手 段 として 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 の 研 究 開 発 を 推 進 する 一 方 安 全 面 への 配 慮 から GM 作 物 に 対 しては 慎 重 な 態 度 を 取 っている そのため GM 作 物 の 研 究 試 験 生 産 加 工 販 売 の 各 段 階 で 安 全 評 価 を 義 務 付 けている このため 研 究 開 発 が 活 発 な 割 に は GM 作 物 の 商 業 化 のスピードは 遅 く これまでに 商 業 化 された 作 物 は 害 虫 抵 抗 性 ( 抗 虫 ) 綿 花 くらいしかない GM 作 物 では 2011 年 で 抗 虫 綿 花 が 390 万 ha 栽 培 されている 1998 年 時 点 では 6 万 3,000ha で 生 産 され ていたうち 5 万 3,000ha は Monsanto が 中 国 で 開 発 した 種 子 1 万 ha は 中 国 自 主 開 発 品 であったが 現 在 では 9 割 超 が 中 国 の 自 主 開 発 品 となっている 中 国 は 2007 年 に 施 行 した 外 商 投 資 ガイドラインによって 農 作 物 の 新 品 目 育 種 は 外 資 制 限 類 ( 外 資 50% 以 下 ) GM 作 物 の 種 子 は 外 資 禁 止 類 としており 自 国 開 発 を 優 先 する 姿 勢 を 見 せている その 他 少 量 ではあるが ウィルス 抵 抗 性 パパイヤが 広 東 省 の 5,300ha の 土 地 で 生 産 されている また 消 費 者 の GM 作 物 に 対 する 認 知 度 はあまり 高 く ない 過 去 違 法 に 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 が 市 場 に 出 た 際 マスコミが 健 康 に 有 害 という 報 道 をしたこともあっ て 日 本 同 様 国 民 の 不 信 感 や 抵 抗 感 は 強 いようである さらに コメの GM 作 物 が 違 法 栽 培 され 市 場 に 出 回 っ たこともあり 中 国 政 府 は 徹 底 的 な 取 り 締 まりを 行 っている 戦 略 研 レポート 8
GM 作 物 使 用 の 表 示 に 関 しては 欧 州 同 様 に GM 作 物 から 作 られた 食 品 や 飼 料 全 てに 義 務 が 課 せられている (4) 日 本 1 概 要 日 本 の 種 子 市 場 の 規 模 は 約 14 億 ドル (2011 年 ) とさ れる また 貿 易 額 は JETRO 資 料 では 野 菜 種 子 (2008 年 ) の 輸 出 金 額 は 8,142 万 ドル 輸 入 金 額 は 8,636 万 ド ルとされている これらの 貿 易 額 には 採 種 のための 原 種 (もとになるタネ) の 輸 出 や 海 外 で 生 産 されたタネを 輸 入 した 数 字 も 含 まれている 市 場 は サカタのタネ タキイ 種 苗 の 2 大 企 業 を 筆 頭 に カネコ 種 苗 雪 印 種 苗 トキタ 種 苗 渡 辺 採 種 場 等 の 中 堅 企 業 のほか 対 象 作 物 を 限 定 した 育 種 や 卸 小 売 を 中 心 とする 中 小 種 苗 会 社 によって 構 成 されている 品 種 に よっては 大 手 企 業 と 対 等 に 競 争 できる 卓 越 した 知 見 を 持 つ 中 小 業 者 も 存 在 する キュウリを 専 門 に 研 究 開 発 し ている 企 業 などが 一 例 である また 上 記 大 手 2 社 は 既 に 海 外 へ 展 開 しており サカタのタネは 海 外 130 カ 国 で 種 子 を 販 売 し その 売 上 高 は 種 子 部 門 の 60%にも 上 る 同 じくカネコ 種 苗 やトキタ 種 苗 などの 中 堅 企 業 も 海 外 に 事 業 拠 点 を 設 立 している 日 本 企 業 の 特 徴 は 野 菜 と 花 卉 などを 中 心 に 取 り 扱 っ ていることである これは 食 糧 管 理 制 度 下 の 主 要 農 作 物 種 子 法 によって 稲 大 麦 はだか 麦 小 麦 大 豆 の 種 子 が 公 的 機 関 に 管 理 されていたことから 民 間 企 業 は 野 菜 や 花 の 種 子 しか 扱 えなかったという 過 去 の 経 緯 が 影 響 している 国 内 種 子 企 業 が 直 面 している 課 題 のひとつに 採 種 地 の 問 題 がある 種 子 企 業 は 国 内 で 品 種 改 良 のような 研 究 開 発 を 行 っているが 商 用 に 種 子 を 栽 培 するのは 海 外 の 採 種 会 社 や 採 種 農 家 に 頼 っており その 比 率 は 95%と 極 めて 高 い 種 子 の 生 産 には 広 い 作 付 面 積 と 隔 離 された 場 所 の 確 保 が 必 要 であるが 国 内 には 適 地 がほとんどな いことや 天 候 不 順 による 不 作 のリスクをヘッジするため 海 外 での 採 種 が 一 般 的 となっている ところが 最 近 になっ て 海 外 大 手 種 子 企 業 による 採 種 地 の 囲 い 込 みが 進 行 し 国 内 種 子 メーカーが 委 託 できる 先 が 減 少 している 傾 向 にある こうした 事 態 に 対 して 委 託 先 との 契 約 が 難 航 し 結 果 として 委 託 金 額 が 上 昇 コストアップ 要 因 につな がっている 一 方 種 子 メジャーの 多 くは 日 本 法 人 を 作 っているが これらは 自 社 製 品 の 輸 入 販 売 窓 口 の 色 彩 が 濃 く 国 内 種 子 企 業 を 買 収 するためではないようである 以 前 か ら 国 内 種 子 企 業 買 収 を 通 じた 外 資 参 入 が 懸 念 されてきた が 現 時 点 では Vilmorin & Cie ( 仏 Limagrain 傘 下 ) が みかど 協 和 を 子 会 社 化 している 以 外 に 大 きな 事 例 は 見 当 たらない また このみかど 協 和 へは 三 菱 商 事 が 出 資 参 画 しているが それ 以 外 に 総 合 商 社 の 動 きはあまり 見 られ ていない 2 GM 種 子 日 本 で 初 めて 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 を 使 って 商 業 的 に 栽 培 された 作 物 は 2009 年 にサントリーから 発 売 された 青 いバラである ダイズやトウモロコシなど 食 用 や 飼 料 用 の 栽 培 が 承 認 されている 品 種 はあるが 消 費 者 の 抵 抗 感 が 強 く 商 業 栽 培 は 行 われていない また 種 子 企 業 も 需 要 が 見 込 めないことから GM 種 子 を 国 内 では 販 売 し ていない ただし 研 究 レベルでは 農 水 省 管 轄 下 の 研 究 機 関 が 耐 病 性 イネやスギ 花 粉 症 緩 和 米 などの 付 加 的 な 機 能 を 持 たせたイネの 開 発 を 行 っている 民 間 企 業 でも ごく 一 部 に 研 究 が 進 められているが 遺 伝 子 組 み 換 えに 関 する 主 要 技 術 特 許 が 海 外 企 業 に 押 さえられていること や 企 業 イメージを 意 識 して 積 極 的 な 開 発 は 行 われてい ない また 表 示 制 度 については 例 えば 食 用 油 のよう に 最 終 製 品 の 中 に 組 み 換 えられた 遺 伝 子 およびこれに よって 生 じたたんぱく 質 が 検 出 されなければ 表 示 不 要 とな る 農 水 省 による 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 の 定 義 は a. あ る 生 き 物 から 特 定 のたんぱく 質 に 対 応 する 遺 伝 子 を 取 り 出 し b. 改 良 しようとする 生 き 物 の 細 胞 の 中 に 遺 伝 子 を 導 入 し c. 細 胞 がたんぱく 質 を 合 成 するようになる ( 結 果 とし て 細 胞 はたんぱく 質 のもたらす 新 たな 形 質 を 有 するよう になる) というものである 従 って 日 本 の 表 示 制 度 では 先 述 のように 後 から 組 み 入 れられた 成 分 ( 遺 伝 子 と 新 たに 生 じたたんぱく 質 ) が 最 終 製 品 に 含 まれなければ 遺 伝 子 組 み 換 え 食 品 とは 見 なされず 表 示 は 必 要 とされない 戦 略 研 レポート 9
4. 今 後 の 展 望 (1) 成 長 が 見 込 まれる 中 国 市 場 中 国 の 種 子 市 場 は 現 在 の 530 億 元 が 2015 年 までに 2 倍 増 の 1,000 億 元 規 模 になるという 予 測 がある 図 表 8 は 2010 年 の 農 業 生 産 額 に 対 する 種 子 市 場 規 模 の 比 較 で ある 米 国 の 7.6%に 対 して 中 国 は 1.6%と 米 国 に 比 べ て 5 分 の 1 程 度 と 低 い これは 中 国 では 自 家 採 種 や 固 定 種 を 使 用 した 農 法 がまだ 多 く 残 っており 中 国 の 種 子 市 場 が 未 成 熟 なことがひとつの 理 由 と 考 えられ 今 後 ハイブリッド 種 子 や GM 種 子 の 導 入 により 転 換 が 進 むこと によって 市 場 が 拡 大 していくものと 推 測 される また 中 国 はコメ 小 麦 トウモロコシの 基 礎 穀 物 につ いて 95%の 自 給 率 を 維 持 することを 食 料 安 全 保 障 の 基 本 としているが 政 府 はこれら 主 要 穀 物 の GM 作 物 の 商 業 栽 培 と 生 産 加 工 を 許 可 していない しかし 2010 年 には コメ 2 品 目 トウモロコシ 1 品 目 の 遺 伝 子 組 み 換 え 作 物 企 業 育 成 を 目 指 している 一 方 の 種 子 メジャーは 既 に 中 国 市 場 への 足 掛 かりを 築 いているが 外 商 投 資 ガイドラインによって 外 資 によ る GM 作 物 の 種 子 の 取 り 扱 いが 禁 止 されているため 例 えば Monsanto は 合 弁 企 業 を 持 っていても 取 扱 商 品 は 伝 統 的 な 野 菜 種 子 とハイブリッドコーン 種 子 に 限 定 され GM 種 子 は 扱 っていない ただし 研 究 機 関 としては 中 国 農 業 科 学 院 華 中 農 業 大 学 湖 南 大 学 などと 協 力 関 係 を 構 築 し 2009 年 11 月 に 北 京 で Monsanto 生 物 技 術 センターを 開 設 同 社 製 品 の 中 国 内 のサポートのほか ゲノミクスと 生 物 情 報 学 を 中 心 とする 自 主 研 究 開 発 中 国 の 科 学 者 や 研 究 機 関 との 協 力 の 強 化 を 主 要 目 標 としてい る また Vilmorin & Cie も 袁 隆 平 農 業 高 科 技 と 提 携 す るなど 各 社 とも 中 国 の 研 究 機 関 や 企 業 と 緊 密 な 関 係 を 張 り 巡 らせている が 農 業 遺 伝 子 組 み 換 え 生 物 生 産 応 用 安 全 証 を 取 得 即 ち 国 内 で 規 定 されている 安 全 審 査 に 合 格 した これ によって 今 後 品 目 審 査 種 子 の 生 産 許 可 種 子 の 販 売 許 可 などを 経 て 2 ~ 4 年 後 には 商 業 化 に 至 るとい われており こうした 動 きも 種 子 市 場 拡 大 へ 拍 車 を 掛 ける と 思 われる このような 種 子 市 場 拡 大 に 備 え 中 国 政 府 は 第 12 次 5 カ 年 計 画 (2011 ~ 15 年 ) の 中 で 新 産 業 育 成 を 掲 げ そのひとつとして 種 子 産 業 を 取 り 上 げている 経 営 の 大 規 模 化 と 継 続 的 な 研 究 開 発 費 が 必 要 と 判 断 し 政 府 主 導 で の 業 界 再 編 を 行 う 方 針 を 固 めた 国 務 院 が 2011 年 4 月 に 種 子 産 業 の 急 速 な 発 展 を 目 指 す 方 針 を 打 ち 出 し 同 9 月 には 国 家 種 子 管 理 局 を 新 設 合 併 で 大 規 模 化 し た 企 業 には 補 助 金 を 交 付 するなど 3 ~ 5 年 間 で 整 理 淘 汰 して 業 界 再 編 を 進 め 世 界 の 大 手 に 伍 する 国 内 有 力 (2) 種 子 企 業 の 対 象 領 域 の 拡 大 種 子 メジャーは 従 来 狙 いとしていた 主 要 穀 物 以 外 即 ち 野 菜 果 実 花 卉 種 子 へも 進 出 し 始 めている 2005 年 には Monsanto が 野 菜 果 実 種 子 市 場 では 世 界 最 大 で 市 場 シェア 約 2 割 を 持 つ Seminis ( 米 ) を 買 収 花 卉 分 野 では2008 年 に Syngenta が Goldsmith Seeds( 米 ) を 買 収 するなど 残 された 種 子 分 野 でのシェアを 高 めてき ている しかし 野 菜 などは 地 域 の 食 文 化 によって 味 や 形 状 の 好 みにも 違 いがあり 少 量 多 品 種 生 産 が 必 要 なた め 多 額 の 研 究 開 発 費 を 必 要 とする 現 在 の 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 には 向 いてない 従 って それぞれの 国 の 地 場 の 有 力 種 子 企 業 を 買 収 もしくはそれらと 提 携 することに よって 地 場 の 固 定 種 を 使 った 生 産 からハイブリッド 種 子 を 使 う 農 法 への 転 換 を 促 し 市 場 拡 大 を 目 指 している この 分 野 においては 野 菜 果 実 花 卉 を 強 みとす 図 表 8 農 業 生 産 額 に 対 する 種 子 市 場 規 模 の 比 較 (2010 年 ) る 日 本 の 種 子 企 業 とも 競 合 する 日 本 の 種 子 企 業 も 国 内 米 国 中 国 国 名 農 業 生 産 額 ( 百 万 米 ドル ) 158,800 598,706 種 子 市 場 規 模 ( 百 万 米 ドル) 12,000 9,500 割 合 (%) 7.6 1.6 で 培 った 技 術 を 駆 使 して 世 界 の 大 手 同 様 に 固 定 種 から ハイブリッド 種 子 への 転 換 を 普 及 させ 野 菜 花 の 種 子 の 売 り 上 げ 拡 大 を 目 指 しており 世 界 の 大 手 と 互 角 に 競 出 所 : 世 界 銀 行 ISF 資 料 をもとに 三 井 物 産 戦 略 研 究 所 作 成 っている こうなると 野 菜 分 野 で 秀 でた 知 見 や 技 術 力 戦 略 研 レポート 10
を 有 する 日 本 企 業 は 種 子 メジャーにとって 魅 力 的 に 映 り 資 金 力 を 活 かして 国 内 種 子 企 業 を 買 収 する 可 能 性 も 出 て くるかもしれない これに 対 して 国 内 企 業 は 抵 抗 するのか それとも 提 携 や 傘 下 に 収 まることで 自 らの 海 外 展 開 を 有 利 に 進 めようと 判 断 するのか その 動 向 が 注 目 される また 種 子 メジャーの 主 力 商 品 である GM 種 子 につ いては 今 までとは 違 った 付 加 価 値 の 提 供 を 目 指 して いる ひとつは 気 候 変 動 によって 頻 発 する 旱 魃 による 不 作 を 低 減 するための 乾 燥 耐 性 をもった 種 子 である 既 に Monsanto と BASF が 共 同 開 発 した 乾 燥 耐 性 トウモロコシ は 商 業 栽 培 が 目 前 に 迫 っている 穀 物 生 産 大 国 の 中 国 でも 水 不 足 は 問 題 となっており このような 種 子 の 商 業 化 は 市 場 拡 大 はもちろんのこと 農 作 物 の 供 給 不 安 や 食 料 価 格 の 高 騰 を 回 避 するうえでの 大 きな 要 因 となるであろ う もうひとつは 従 来 の 製 品 が 生 産 者 側 の 利 点 (コスト 生 産 性 等 ) に 重 きを 置 いていたのに 対 し 消 費 者 側 の 視 点 に 立 ち 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 によって 商 品 に 健 康 という 付 加 価 値 を 付 けた 種 子 の 開 発 が 行 われている 例 えば オメガ 3 ダイズ は オメガ 3 脂 肪 酸 という 魚 から 抽 出 して 健 康 食 品 に 使 う 油 を ダイズから 採 る 油 で 代 用 するものである 健 康 をアピールすることによって 広 く 存 在 する 消 費 者 の GM 製 品 に 対 する 抵 抗 感 を 低 くでき れば GM 種 子 市 場 の 提 供 領 域 拡 大 に 大 きく 寄 与 するも のと 考 えられる ここで 見 たように 種 子 産 業 は 地 域 と 領 域 の 拡 大 によって 今 後 も 成 長 が 続 くと 見 込 まれる そのペースや 方 向 性 を 左 右 する 要 素 としては 産 業 の 主 役 として 位 置 付 けられる 種 子 メジャーの 動 きに 加 え 市 場 として 拡 大 が 見 込 まれる 中 国 の 当 局 による 国 内 種 子 産 業 育 成 や 外 資 規 制 などの 動 き さらには 穀 物 の 需 給 バランスやそれに 伴 う 食 料 価 格 の 変 動 などが 想 定 され これらを 注 視 していくことが 必 要 であろう 参 考 文 献 アグリビジネスに 囲 い 込 まれる 遺 伝 子 久 野 秀 二 多 国 籍 アグリビジネスのグローバル 戦 略 と 日 本 企 業 久 野 秀 二 Seed Industry History Family Farmers Seed Cooperative HP 遺 伝 子 組 換 え 作 物 をめぐる 状 況 国 立 国 会 図 書 館 ISSUE BRIEF NUMBER 686(2010.8.3.) 農 林 環 境 課 ( 本 田 伸 彰 ) 中 国 における 遺 伝 子 組 換 え 作 物 の 導 入 と 今 後 の 見 通 し 農 林 水 産 省 官 製 業 界 再 編 と 補 助 金 テコに 3 産 業 育 成 へ 週 刊 東 洋 経 済 2012 年 1 月 7 日 号 純 輸 入 に 転 じた 中 国 のトウモロコシと 世 界 市 場 への 影 響 農 林 中 金 総 合 研 究 所 ルアンウエイ アジアにおける 農 業 バイオテクノロジー : 最 新 の 動 向 ( 日 本 モンサント 社 セミナー 資 料 ) Harvey L. Glick 遺 伝 子 組 換 え 農 作 物 について 農 林 水 産 省 Monsanto Biennial Investor Event RESUME 種 苗 産 業 の 将 来 ビジョン 農 林 統 計 協 会 農 業 と 環 境 No.124 (2010 年 8 月 1 日 ) No.129 (2011 年 1 月 1 日 ) 独 立 行 政 法 人 農 業 環 境 技 術 研 究 所 我 が 国 における 遺 伝 子 組 換 え 植 物 研 究 とその 実 用 化 に 関 する 現 状 と 問 題 点 日 本 学 術 会 議 種 子 会 社 の 海 外 戦 略 ~ いのち の 不 思 議 と 種 子 ビジネス~ ( 中 村 学 園 大 学 大 学 院 セミナー 資 料 ) 太 田 誠 種 子 産 業 中 国 領 先 産 業 研 究 専 門 機 構 2010 年 中 国 及 び 世 界 の 種 子 業 界 市 場 規 模 分 析 中 国 業 界 諮 問 網 (www.china-consulting.cn) 食 料 がなくなる 日 日 経 ビジネス 2010 年 7 月 19 日 号 戦 略 研 レポート 11