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災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

16 日本学生支援機構

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

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公表表紙

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便


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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

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スライド 1

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弁護士報酬規定(抜粋)

m07 北見工業大学 様式①


 

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

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スライド 1

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PowerPoint プレゼンテーション

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

定款

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

別紙3

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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

平成16年度

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

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(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

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1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

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18 国立高等専門学校機構

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

入札公告 機動装備センター

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

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住宅税制について

資料8(第2回水害WG)

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

目 標 を 達 成 するための 指 標 第 4 章 計 画 における 環 境 施 策 世 界 遺 産 への 登 録 早 期 登 録 の 実 現 史 跡 の 公 有 地 化 平 成 27 年 度 (2015 年 度 )までに 235,022.30m 2 施 策 の 体 系 1 歴 史 的 遺 産 とこ

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や


4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

Microsoft Word - H27概要版

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

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別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

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賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口


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税制面での支援

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定


文化政策情報システムの運用等

後期高齢者医療制度

( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補 助 金 の 額 は 第 5 条 第 2 項 の 規 定 による 無 線 LAN 機 器 の 設 置 箇 所 数 に 1 万 5 千 円 を 掛 けた 金 額 と 第 5 条 第 3 項 に 規 定 する 補 助 対 象 経 費 の2 分 の1のいずれか 低

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Transcription:

今 日 のお 墓 事 情 はじめに 山 田 俊 一 土 曜 日 の 新 聞 チラシは 新 聞 より 数 倍 も 厚 く 重 さもずっしりと 感 じられる 主 に 土 地 住 宅 自 動 車 スーパーを 初 め 小 売 業 外 食 の 特 売 チラシが 入 っている その 中 に 霊 園 の 案 内 チラシも 必 ずと 言 うほど 見 受 けられる 特 にお 彼 岸 近 くの 日 には 数 枚 折 り 込 まれている この 頃 である 柏 市 内 の 読 売 新 聞 の 2006 年 10 月 から 2007 年 3 月 まで 6 ケ 月 間 の 霊 園 関 連 のチラシは 約 100 枚 新 聞 広 告 は 約 25 ケ 所 も 掲 載 されている これは 霊 園 に 関 する 需 要 があるのか 需 要 を 創 造 しているのか 不 明 であるが 都 市 を 中 心 として 霊 園 開 発 が 相 次 いでいることである 2007 年 は 団 塊 世 代 が 大 量 に 60 歳 を 迎 え 高 齢 化 社 会 に 本 格 的 に 入 る 年 間 死 亡 数 は 約 100 万 人 弱 で 2036 年 には 175 万 人 と 予 測 され ている しかも 世 帯 数 は 1970 年 代 に 28,093 千 世 帯 が 2000 年 では 47,063 千 世 帯 2005 年 では 49,566 千 世 帯 2015 年 では 50,476 千 世 帯 ( 将 来 推 定 でピーク 年 )に 増 加 する 見 通 しである 1)これらの 世 帯 でお 墓 を 所 持 してない 世 帯 がお 墓 を 求 めるとすれば かなり 多 くのお 墓 が 必 要 となり 霊 園 関 連 産 業 はこの 数 10 年 間 成 長 が 見 込 める 1

写 真 は 柏 市 内 読 売 新 聞 2006 年 6 月 から 2007 年 3 月 までの 折 込 チラシ 群 お 墓 を 持 たない 世 帯 は 生 前 に 自 分 のお 墓 を 建 てたいという 気 運 が 最 近 高 まっているよう に 見 受 けられる 生 前 のお 墓 の 建 立 は 寿 陵 といって 縁 起 がいいと 旧 来 よりいわれていた 最 近 では 縁 起 がよいということだけでなく 子 供 に 負 担 をかけたくない 子 供 はあてにな らない 終 の 安 住 地 は 自 分 らしく 等 の 理 由 でお 墓 を 購 入 しているようである また 相 続 税 の 節 税 にもなる ここで 霊 園 開 発 の 仕 組 みや 個 人 が 購 入 する 手 順 価 格 等 を 探 ってみる また 最 近 のお 墓 に 関 する 意 識 も 多 様 化 され 従 来 の 墓 苑 のみならず 最 新 の 納 骨 堂 樹 木 墓 お 墓 がない 散 骨 等 のお 墓 事 情 も 探 って みる 墓 地 に 関 する 宗 教 的 民 俗 学 的 等 の 考 察 はしない 民 間 墓 地 は 柏 我 孫 子 市 周 辺 のものを 対 象 とする 写 真 は 柏 市 内 読 売 新 聞 2006 年 6 月 から 2007 年 3 月 までの 新 聞 広 告 の 一 部 1 霊 園 開 発 ふりそそぐ 太 陽 と 心 を 癒 す 豊 かな 緑 悠 久 の 時 を 刻 む 聖 地 自 然 聖 園 手 賀 沼 を 眼 下 に 大 パノラマ 霊 園 星 に 抱 かれて 永 遠 に 星 座 の 里 野 ばらの 里 等 新 聞 チラシのキ ャッチフレーズが 躍 っている 民 間 の 霊 園 ( 墓 地 )の 案 内 である さしずめマンションや 住 宅 販 売 のチラシと 変 わらない 写 真 チラシである 法 律 では どのように 表 現 されているとしても 死 体 を 埋 葬 し 又 は 焼 骨 を 埋 葬 する 施 設 を 墳 墓 といい 保 健 所 の 許 可 された 区 域 を 墓 地 と 定 義 している 2) 墓 地 は 経 営 主 体 がどこであるかによりおおまかに 3 つに 分 類 できる 3) 地 方 公 共 団 体 による 公 営 墓 地 ( 例 えば 東 京 都 立 多 摩 霊 園 八 柱 霊 園 青 山 霊 園 )と 民 営 墓 地 である 民 営 墓 地 は 境 内 墓 地 寺 院 の 檀 家 であること 檀 家 になる 事 を 条 件 として 提 供 する 墓 地 ( 近 隣 寺 院 の 墓 地 )と 条 件 は 全 くなく 誰 でも 宗 教 に 関 係 なく 提 供 する 普 通 墓 地 に 分 類 できる 普 通 墓 地 は 事 業 型 墓 地 ともいわれチラシ 新 聞 広 告 に 多 く 見 られる 墓 地 形 態 ( 事 業 形 態 )である 4) 墓 地 の 提 供 者 は 地 方 公 共 団 体 宗 教 法 人 公 益 法 人 である 5) 公 営 墓 地 は 地 方 公 共 団 体 の 共 有 財 産 でもある 共 有 財 産 である 墓 地 区 画 の 使 用 者 はその 行 政 区 域 の 住 人 で 一 定 の 条 件 の 下 で 墓 所 区 画 を 占 有 することが 許 されているのが 一 般 的 である 境 内 墓 地 の 提 供 者 はその 寺 院 の 住 職 であり 使 用 者 はお 墓 を 建 てることを 目 的 とする 墓 所 区 画 の 占 有 契 約 2

だけでなく 檀 信 徒 としての 契 約 も 含 まれる それに 反 して 普 通 墓 地 は 提 供 者 が 誰 であ ろうとも 提 供 者 と 使 用 者 は 墓 所 区 画 を 占 有 するだけの 契 約 である 占 有 とは ある 目 的 のために 独 占 的 排 他 的 に 利 用 する 権 利 である 境 内 墓 地 の 購 入 者 はかなりの 人 が 誤 解 して 檀 信 徒 契 約 を 意 識 してない 場 合 が 多 く 寺 院 から 予 期 してない 檀 家 として 高 額 な 金 銭 を 請 求 され 戸 惑 いトラブルがかなりあるようである( 表 1-1) 表 1-1 墓 地 分 類 による 契 約 関 係 分 類 契 約 内 容 檀 信 徒 契 約 公 営 公 営 墓 地 墓 地 区 画 占 有 契 約 契 約 含 まず 民 間 境 内 墓 地 墓 地 区 画 占 有 契 約 檀 信 徒 契 約 含 む 普 通 墓 地 墓 地 区 画 占 有 契 約 契 約 含 まず 出 所 : 山 田 作 成 公 営 墓 地 は 全 国 で 500 ケ 所 ぐらい 運 営 されているといわれている 当 然 公 営 であるか ら 地 方 自 治 体 ないしこれに 準 ずる 主 体 が 開 発 している 新 たな 開 発 は 最 近 の 地 方 自 治 体 の 財 政 状 況 からしてほとんど 新 たな 開 発 は 行 われていないようである 境 内 墓 地 は 寺 院 が 独 自 または 第 三 者 と 提 携 して 寺 院 境 内 の 余 地 に 開 発 している 境 内 に 離 れた 別 の 所 有 土 地 があれば そこを 開 発 している 寺 院 も 見 受 けられる 積 極 的 に 新 聞 チラシ 新 聞 広 告 寺 院 の 門 前 での 広 告 看 板 で 墓 地 販 売 を 推 進 している 所 もある 全 国 的 地 域 的 に 有 名 な 寺 院 の 境 内 墓 地 は 墓 地 購 入 希 望 者 を 慎 重 に 壇 信 徒 として ふさ わしいかを 見 定 めながら 契 約 しているようである 境 内 墓 地 といえども 墓 石 業 者 と 提 携 けん ぼけん して 墓 地 墓 石 が 売 れるたびに 何 がしの 金 銭 が 寺 院 に 献 納 ( 建 墓 権 料 )されているのが 現 状 のようである その 実 情 は 闇 でぼやかされ 明 らかになってないといわれている 当 然 そ の 負 担 は 墓 地 墓 石 の 購 入 者 であることは 明 らかである 一 般 的 に 新 聞 チラシや 新 聞 広 告 インターネットで 開 発 宣 伝 販 売 しているのは 普 通 墓 地 で 大 衆 に 身 近 な 墓 苑 である これらの 普 通 墓 地 の 開 発 手 続 及 び 開 発 事 業 費 について 最 近 の 事 情 を 探 ってみる 2006 年 10 月 28 日 付 け 朝 日 新 聞 によると 次 のようである 霊 園 開 発 者 が 2,000 数 百 平 方 メートルの 開 発 を 終 われば 墓 石 墓 地 販 売 者 が 墓 地 の 販 売 権 を 開 発 業 者 から 買 い 取 り 墓 石 込 みで 墓 地 を 売 り 込 んでくれる 墓 地 提 供 者 管 理 者 は 汗 水 流 さなくて 投 資 資 金 を 回 収 している 朝 日 新 聞 の 例 では 墓 石 業 者 は 10 数 社 1 平 方 メートル 当 たり 60 数 万 円 の 保 証 金 を 積 んで 墓 地 販 売 権 を 買 い 取 る 2 年 で 墓 石 業 者 は 約 半 分 の 権 利 を 買 い 取 った その 収 入 が 8 億 数 千 万 円 お 墓 が 建 った 時 墓 石 業 者 から 建 墓 権 料 が 約 2 億 円 投 資 金 額 10 億 円 を 回 収 したと 墓 地 墓 石 販 売 業 者 の 販 売 中 の 墓 地 の 価 格 は 1.1 平 方 メートルで 200 万 円 前 後 墓 石 は 中 国 からの 輸 入 品 で 20 万 ~30 万 ( 国 産 価 格 の 1/3 ぐらい)で 彫 刻 料 5 万 円 や 工 事 費 PR 費 など 差 し 引 き 3~4 割 りの 粗 利 益 がでる 勘 定 販 売 が 長 引 くと 人 件 費 や 宣 伝 費 がかさむので いかに 早 く 販 売 するかが 勝 負 であるから 3

宣 伝 費 は 惜 しまない 売 り 出 しから 3 ケ 月 は 参 加 墓 石 業 者 が 合 同 で 出 すチラシ 合 チラシ 費 用 は 月 600 万 円 この 3 ケ 月 間 の 客 は 参 加 業 者 で 平 等 に 割 り 振 られる それ 以 後 は 独 自 のチラシ 単 チラシ で 販 売 拡 大 を 目 論 む 単 チラシ に 費 用 は 1 社 約 月 30 万 ~40 万 円 である 首 都 圏 の 霊 園 が 割 高 なのは 土 地 代 が 高 いだけでなく 宣 伝 費 がかさむからであるといわれている 朝 日 新 聞 ではこのように 利 益 の 上 がる 事 業 であるから 不 動 産 業 をはじめ 異 業 種 の 参 入 が 激 しいとしている その 弊 害 として 違 法 経 営 で 販 売 停 止 の 事 例 も 増 加 傾 向 であると 報 じ ている 横 浜 市 ではここ 2 年 間 に 青 葉 区 保 土 ヶ 谷 区 の 霊 園 が 一 部 使 用 禁 止 命 令 ( 販 売 停 止 命 令 ) を 受 けている これらは 宗 教 法 人 の 名 義 を 借 りて( 名 義 貸 し) 墓 地 の 開 発 経 営 許 可 を 受 け 取 っていたことと 違 法 造 成 などによる また 霊 園 開 発 が 近 隣 住 民 の 反 対 などの 紛 争 もみられる 墓 地 経 営 の 公 共 性 永 続 性 などからの 観 点 から 墓 地 経 営 は 地 方 自 治 体 か 宗 教 法 人 財 団 法 人 しか 認 められていない 許 可 権 限 を 持 つ 地 方 自 治 体 は 霊 園 開 発 業 者 が 宗 教 法 人 などから 名 前 を 借 りる 名 義 貸 し の 監 督 を 厳 しくしているようである 朝 日 新 聞 はこのように 霊 園 開 発 には 問 題 はあるが うまい 汁 が 期 待 できる 事 業 と 紹 介 している 一 方 これに 反 し 厚 生 労 働 省 墓 地 経 営 管 理 の 指 針 等 について 6)によると 墓 地 経 営 を 取 り 巻 く 厳 しい 現 状 をつぎにように 記 述 している 最 近 の 墓 地 破 綻 事 例 から 3 つの 背 景 があるとしている 第 一 に 墓 地 使 用 権 の 販 売 等 により 一 時 的 に 多 額 の 金 銭 が 集 まることによる 危 うさの 存 在 である これを 墓 地 経 営 でなく 他 の 事 業 に 回 した 結 果 多 額 の 損 失 を 被 り 回 収 不 能 に 陥 ってしまうケースや 一 時 的 な 収 入 目 当 てに 他 者 が 経 営 に 介 入 し 利 益 を 奪 いとるよう なケースが 考 えられる 第 二 に 最 近 では 特 に 金 利 が 低 いために 財 産 の 運 用 が 大 変 難 しいことが 挙 げられる いわゆるバブルの 時 期 に 比 較 すれば 経 営 がより 難 しいのが 当 然 である 第 三 に 墓 地 経 営 の 見 通 しが 難 しいことである もともと 長 期 的 な 需 要 を 予 測 すること は 簡 単 ではないが すなわち 無 縁 化 しないかについて 予 想 が 立 てにくくなっている こうしたことからすると 現 在 地 方 公 共 団 体 以 外 の 者 が 墓 地 を 安 定 的 に 経 営 するには 大 変 厳 しい 状 況 にあると 言 えるだろう 経 営 を 行 おうとする 者 及 びこれを 許 可 する 者 の 双 方 がこのことを 十 分 認 識 しておく 必 要 がある 厚 生 労 働 省 は 普 通 墓 地 開 発 経 営 にこのように 慎 重 な 態 度 をとっている また 霊 園 の 開 発 には 敷 地 の 約 3 分 の 1 程 度 の 面 積 しか 墓 地 として 造 成 できないことも 採 算 に 足 枷 をかけているようである その 原 因 は 比 較 的 新 しい 公 営 墓 地 民 間 墓 地 でも 墓 地 全 体 が 緑 木 草 花 に 豊 かに 囲 まれ 公 園 化 されている 厚 生 労 働 省 の 墓 地 経 営 管 理 の 指 針 等 について の 通 達 で 墓 地 の 設 置 場 所 及 び 構 造 4

設 備 の 項 目 で 次 のように 通 知 している 墓 地 の 経 営 許 可 に 関 しては 周 辺 の 生 活 環 境 との 調 和 も 1 つの 判 断 要 素 である 地 域 の 実 情 に 応 じて 学 校 病 院 その 他 の 公 共 施 設 住 宅 河 川 等 との 距 離 が 一 定 程 度 以 上 ある こと 等 を 求 めることが 考 えられる なお この 場 合 墓 地 が 生 活 必 需 施 設 であることにも 十 分 留 意 すべきである 墓 地 の 構 造 設 備 についても 良 好 な 環 境 を 保 ち 利 用 者 が 気 持 ちよく 利 用 できるよう 一 定 以 上 の 水 準 を 満 たしている 必 要 があろう 例 えば 周 囲 に 垣 根 を 設 ける 通 路 幅 や 墓 地 区 画 の 面 積 を 一 定 以 上 とする 不 要 となった 墓 石 供 物 等 の 集 積 場 所 を 設 けるなどの 基 準 を 設 定 することが 考 えられる なお この 場 合 都 市 計 画 法 の 都 市 計 画 又 は 都 市 計 画 事 業 として 行 う 場 合 の 基 準 である 墓 地 計 画 標 準 (1959 年 建 設 省 発 計 第 25 号 建 設 事 務 次 官 通 知 )7) 等 も 参 考 にすることが 適 切 である としている これは 墓 地 開 発 に 当 たって 許 可 条 件 に 墓 地 内 に 公 共 施 設 を 設 けるよう また 墓 地 開 発 内 にはそれ 相 応 の 緑 地 地 区 を 設 けることを 許 可 条 件 に 多 くの 自 治 体 が 考 慮 しているからで ある 横 田 睦 氏 による 8) 墓 地 開 発 のシミユレーションを 次 に 紹 介 する 規 模 は 総 面 積 15,000 m2( 約 5,000 坪 ) 内 通 路 も 含 み 墓 域 面 積 は 4,000 m2( 約 1,300 坪 ) 墓 所 数 は 1,000 区 画 を 見 込 む 残 りの 11,000 m2( 約 3,700 坪 )は 緑 地 や 駐 車 場 管 理 事 務 所 用 地 等 などに 当 てる 用 地 取 得 費 は 1 m2 10,000 円 と 仮 定 する 用 地 取 得 費 は 総 額 1 億 5,000 万 円 となる 高 級 感 のある 墓 地 造 成 と 設 定 する 販 売 完 了 期 間 の 予 定 は 10 年 間 と 仮 定 する 墓 所 1,000 区 画 は 3 m2のタイプを 中 心 とし それを 550 区 画 残 りは 2 m2 5 m2のタイ プを 各 々150 区 画 とする 各 墓 地 の 形 態 は 使 用 者 が 自 由 な 形 で( 従 来 型 洋 風 型 ニュー デザイン 型 等 )お 墓 を 建 てられるとする 残 り 150 区 画 は 2 m2の 規 格 化 画 一 化 による 安 い 墓 所 とする 園 内 の 施 設 関 係 として 管 理 棟 ( 鉄 骨 2 階 建 て 伸 床 面 積 300 m2 1 階 には 受 付 売 店 墓 石 販 売 の 展 示 場 等 ) 2 階 には 30 名 ぐらいの 式 場 職 員 の 部 屋 等 ) 駐 車 場 参 道 植 栽 等 が 必 要 である その 他 垣 根 給 排 水 設 備 必 要 な 設 備 等 を 準 備 する 必 要 がある これらを 合 計 すると 6 億 円 となる 勿 論 開 発 者 の 所 有 地 であるとか 地 形 により 造 成 工 事 費 により 総 投 資 額 は 変 動 する このような 規 模 の 事 業 となると A 寺 院 独 力 だけで 行 うには 資 金 的 に 困 難 である B 建 設 に 強 力 を 求 めるか 逆 に B 建 設 が A 寺 院 に 事 業 を 持 ちかけるか 別 して 共 同 で C 事 業 ( 墓 地 開 発 販 売 管 理 )を 行 わなければならない C 事 業 の 主 体 は A 寺 院 でなければ 許 可 されな い しかし 当 座 の 運 転 資 金 とか 投 資 資 金 の 回 収 は 第 三 者 である 石 材 店 との 提 携 が 必 然 なのである 墓 地 販 売 担 当 の 石 材 店 の 参 加 がなければ C 事 業 の 墓 苑 開 発 はなりたたないの である 5

このようにして 販 売 担 当 の 石 材 店 の 資 金 がなければ C 事 業 体 自 体 が 成 り 立 たないこと なのである 石 材 店 への 販 売 権 の 販 売 お 墓 の 建 立 したことへの 献 納 金 ( 建 墓 権 料 )で 投 資 金 額 を 回 収 するということにより 成 り 立 っているのである すべて 墓 地 が 販 売 完 了 すれば(10 年 間 で 販 売 予 定 )C 事 業 体 は 解 散 され A 寺 院 が 墓 地 管 理 運 営 を 担 当 することになるのである その 販 売 終 了 期 間 は 不 動 産 事 業 と 同 じように 数 十 年 に 亘 ることもある その 間 の 経 済 事 情 とか 墓 地 開 発 者 の 事 情 墓 地 に 関 する 購 買 者 の 認 識 の 変 化 墓 地 立 地 周 辺 の 変 化 ( 住 宅 地 として 開 発 される 等 )により 種 々の 関 係 者 の 争 いや 行 政 との 紛 争 が 起 こる 場 合 があるようである さて 試 算 A 寺 院 の 運 営 管 理 はいかになされるのであろうか 運 営 管 理 費 は 販 売 期 間 中 墓 地 開 発 の 総 収 入 の 20%ぐらいとされている 販 売 完 了 後 は 広 告 費 等 販 売 費 がないので 販 売 期 間 中 の 70%ぐらいとされている 使 用 料 1 m2 当 たり 20 万 円 とすると 墓 地 面 積 合 計 3,000 m2で 使 用 料 収 入 合 計 は 6 億 円 と なる((550 区 画 3 m2)+(300 区 画 2 m2)+(150 区 画 5 m2)=3,000 m2) この 試 算 に よる 総 投 資 金 額 は 6 億 円 であったので 使 用 料 収 入 6 億 円 で 総 投 資 金 額 を 回 収 できて プラ ス マイナス 零 になる 借 り 入 れ 資 金 があるとすれば 利 息 分 だけマイナスとなる 次 に 石 材 店 の 墓 石 の 販 売 建 墓 工 事 等 の 収 入 はどうか 仮 に 2 m2 区 画 の 墓 地 の 場 合 墓 石 代 建 墓 工 事 費 合 わせて 200 万 円 3 m2 区 画 は 250 万 円 5 m2 区 画 は 350 万 円 2 m2の 完 成 墓 所 は 150 万 円 とする 上 記 試 算 による 石 材 店 収 入 は 24 億 2 千 5 百 万 円 である((150 区 画 200 万 円 )+(550 区 画 250 万 円 )+(150 区 画 350 万 円 )+(150 区 画 150 万 円 )=242,500 万 円 ) 手 数 料 を 10%とすると C 事 業 体 の 収 入 は 約 2 億 4 千 万 円 である 石 材 店 収 益 は 全 墓 地 区 画 完 売 する 時 点 までに 材 料 費 工 事 費 広 告 販 売 諸 経 費 など 総 売 金 額 24 億 円 の 50% 程 度 とすると C 事 業 体 に 支 払 う 手 数 料 を 差 し 引 くと 石 材 店 収 益 は 約 10 億 円 となり それを 参 加 石 材 店 で 分 け 合 うことになる さて A 寺 院 の 管 理 費 は 販 売 期 間 10 年 で 墓 地 使 用 料 6 億 円 と 石 材 店 の 売 上 金 額 24 億 円 と 合 わせて 30 億 円 となるので その 20%は 6 億 円 となる 1 年 毎 にすると 年 6 千 万 円 完 売 後 は 管 理 運 営 費 として 年 4 千 2 百 万 円 が 永 遠 に 必 要 な 金 額 となる 販 売 期 間 はそれなり に 収 入 があるし その 大 半 は 石 材 店 が 負 担 するので 年 6 千 万 円 はなんとかなりそうである しかし 販 売 期 間 10 年 間 に 将 来 の 管 理 費 の 積 み 立 ては 期 待 出 来 ない 収 入 である そのため 課 題 は 完 売 後 の 永 遠 にわたる A 寺 院 の 管 理 費 年 4 千 2 百 万 円 をいかに 捻 出 するかである 表 1-2 C 事 業 体 のシミユレーションの 事 業 費 経 費 の 要 約 ( 単 位 : 万 円 ) 6

項 目 C 事 業 体 石 材 店 投 資 額 と 経 費 事 業 費 60,000 墓 地 販 売 管 理 費 60,000 合 計 120,000 収 入 使 用 料 60,000 墓 石 関 連 売 上 242,500 墓 石 関 連 手 数 料 24,250-24,250 合 計 84,250 差 し 引 き -35,750 注 )C 事 業 体 の 墓 地 管 理 費 のマイナス 分 は 石 材 店 の 経 費 として 計 上 され 負 担 している 出 所 : 山 田 作 成 墓 地 完 売 後 A 寺 院 に 移 転 した 墓 地 管 理 費 は 墓 地 管 理 料 に 求 めるしかない この 試 算 では 墓 地 一 律 ならば 墓 地 1 区 画 4 万 円 以 上 にしなければならない 首 都 圏 の 現 在 の 相 場 は 2 m2 で 3 万 円 前 後 のようである 東 京 都 立 の 霊 園 の 管 理 料 は 年 間 2 千 円 前 後 で これでは 管 理 費 用 は 賄 われないので 不 足 分 は 税 金 で 補 填 していることになる 横 田 氏 はこのような 公 営 墓 地 が 公 園 としての 役 割 を 担 っているとしても 現 状 の 公 営 墓 地 の 年 管 理 費 の 低 廉 さが 民 間 墓 苑 の 経 営 を 圧 迫 していると 懸 念 している また 厚 生 労 働 省 の 墓 地 経 営 管 理 の 指 針 等 について の 指 摘 は 民 間 墓 地 の 維 持 管 理 についての 不 安 定 性 を 懸 念 している 開 発 者 許 可 権 限 のある 地 方 自 治 体 の 双 方 に 慎 重 であるよう 期 待 してい るのであろう 現 実 的 には 特 に 人 口 が 多 い 都 市 部 においては 公 営 墓 地 が 墓 地 使 用 希 望 者 の 需 要 に 充 分 に 応 じられないのである 寺 院 墓 地 も 需 要 の 一 端 を 担 っているが 多 くの 場 合 寺 院 墓 地 は 檀 信 徒 契 約 が 伴 うし 墓 地 使 用 希 望 者 の 需 要 を 満 たすには 数 量 的 に 不 足 している 従 って その 需 要 の 受 け 皿 が 民 間 普 通 墓 地 なのである このような 状 況 の 中 で 公 営 墓 地 の 経 費 の 低 廉 さが 民 間 墓 地 の 経 営 に 好 ましくない 影 響 を 与 えていることには 課 題 がある さて 民 間 墓 地 の 経 営 主 体 が 破 産 をしたり 墓 地 開 発 経 営 許 可 を 取 り 消 されたりしたら 墓 地 使 用 者 の 立 場 はどうなるのであろうか 結 論 的 にいうと 既 墓 地 使 用 者 はさほど 心 配 はない 安 心 して 今 まで 通 り 埋 葬 者 を 供 養 できる 債 権 者 と 言 えども 墓 地 経 営 主 体 に 簡 単 に 成 り 代 わることは 困 難 である 墓 地 経 営 主 体 は 地 方 公 共 団 体 宗 教 法 人 財 団 法 人 に 限 られているからである 債 権 者 が 納 骨 されている 墓 地 を 破 壊 して 他 の 用 途 に 変 えたくても 墓 地 破 壊 は 刑 法 で 罰 せられるのである 知 人 の 使 用 している 民 間 墓 地 も 紛 争 が 続 いていると 聞 いたことがあるが 墓 地 使 用 者 に は 何 も 影 響 がないといわれ 不 安 無 く 過 ごしている 7

左 の 写 真 は 牛 久 市 牛 久 浄 苑 の 5 月 連 休 での 園 内 花 見 の 新 聞 広 告 である 花 見 入 場 料 を 取 り 墓 苑 の 認 知 へ のアッピール 墓 苑 販 売 促 進 の 努 力 の 一 環 と 思 える 写 真 は 牛 久 市 牛 久 浄 苑 の 5 月 の 連 休 に 対 しての 新 聞 折 り 込 みチラシ 2007 年 5 月 11 日 付 け 読 売 新 聞 によると 墓 地 経 営 の 規 制 を 強 化 する 条 例 を 千 葉 市 が 考 えているようである 宗 教 法 人 が 新 たに 墓 地 を 開 発 する 場 合 原 則 境 内 地 内 や 隣 接 する 土 地 に 限 る との 規 定 を 盛 り 込 み 境 内 より 離 れていても 宗 教 法 人 の 自 己 所 有 土 地 でれば 開 発 可 能 であったが 新 たな 条 例 では 許 可 しないと 墓 地 開 発 の 規 制 を 強 化 するものである 1988 年 以 降 許 可 した 38 の 墓 地 のうち 30 が 若 葉 緑 区 ( 市 中 心 より 東 南 郊 外 地 域 )に 集 中 し 造 成 地 周 辺 住 民 との 紛 争 が 目 立 っていた それを 回 避 するための 条 例 改 正 である 千 葉 市 は 今 後 6 年 市 内 墓 地 が 不 足 する 可 能 性 が 低 いとして この 条 例 改 正 に 踏 み 切 った 模 様 である 2 お 墓 を 建 てる 2-1 多 様 化 するお 墓 いえはか 明 治 時 代 に 一 般 的 になって 以 来 日 本 のお 墓 は 家 墓 として 子 孫 が 代 々 引 き 継 いできた 家 墓 ( 家 族 墓 )は 現 在 でも 多 くの 人 々に 支 持 され 維 持 されている しかし 戦 後 高 度 経 済 成 長 の 結 果 人 口 が 都 市 へ 集 中 し 大 家 族 制 が 崩 壊 して 核 家 族 へと 家 族 の 構 成 が 変 化 した 都 市 部 におけるお 墓 の 所 有 状 況 は 大 阪 市 のアンケートによると 45% 前 後 である( 所 有 してな いのは 54.3%) 持 っている 人 の 21.5%が 自 分 でお 墓 を 購 入 している( 表 2-1-1)9) こ のアンケートからすると 都 市 部 においてはお 墓 を 求 める 需 要 はまだまだ 衰 えないものと 思 われる ただ 現 在 は 子 孫 が 代 々お 墓 を 承 継 し 守 っていけない 状 況 も 深 刻 化 してきた 両 親 が 眠 る 郷 里 のお 墓 へは 遠 くて 守 れない 結 婚 しても 子 供 がいない また 1 人 っ 子 でそれぞ れの 実 家 のお 墓 はどうするか 生 涯 独 身 である 子 供 にはお 墓 で 負 担 はかけたくない 家 8

墓 には 入 りたくない 自 分 らしいお 墓 に 入 りたい 等 々 少 子 化 高 齢 化 によりお 墓 の 承 継 が 困 難 であったり お 墓 に 対 する 認 識 の 変 化 で 家 墓 を 承 継 したくないということであったり し このよう 社 会 状 況 の 変 化 個 々のお 墓 に 対 する 認 識 の 変 化 で 家 墓 から 個 人 のお 墓 へと お 墓 の 個 人 化 が 徐 々に 増 加 している 模 様 である 表 2-1-1の 大 阪 市 のアンケートによるとお 墓 を 必 要 とするとの 回 答 はどちらかとい えば 必 要 とするものを 含 めると 85.4%に 達 している お 墓 の 場 所 は 公 営 墓 地 お 寺 の 境 内 墓 地 合 わせて 71.2%である このアンケートには 民 間 墓 地 の 希 望 は 不 明 である 墓 地 墓 石 の 形 式 は 伝 統 的 な 形 式 が 好 まれている ただ 墓 地 の 形 式 では 公 園 式 墓 地 の 希 望 も 30%で ある 墓 地 までの 所 要 時 間 は 1 時 間 以 内 が 57%であり 墓 地 の 広 さは 1 m2~2 m2 合 わせて 72%である これはおそらく 大 阪 市 の 土 地 価 格 が 高 額 により 墓 地 価 格 もかなり 高 額 なため と 思 われる このアンケートから 墓 地 に 関 しては 伝 統 的 な 形 体 を 望 む 人 々が 大 勢 である しかし 芝 生 を 敷 き 詰 めた 公 園 式 墓 地 であるとか 横 置 き 洋 式 な 墓 石 を 希 望 する 人 々も 20%~30% となっている 約 10%の 人 は 個 性 ある 自 分 のための 自 由 な 墓 石 を 望 んでいる また 墓 地 を 必 要 としない 納 骨 堂 式 (ロッカー 形 式 )も 13%とであり やはり 徐 々に 墓 地 に 関 しての 認 識 の 変 化 を 見 ることができる 表 2-1-1 大 阪 市 の 墓 地 に 関 する 市 民 意 識 について のアンケート 概 要 ( 単 位 :%) 9

項 目 パーセント お 墓 の 必 要 度 当 然 必 要 48.8 どちらかといえば 必 要 37.0 必 要 でない 14.4 わからない 0.2 お 墓 の 所 有 状 況 ある 45.5 ない 54.3 誰 が 用 意 したか 先 祖 伝 来 のお 墓 52.6 自 分 以 外 の 家 族 が 用 意 した 25.9 自 分 が 用 意 した 21.5 場 所 公 営 墓 地 39.0 寺 の 境 内 墓 地 32.2 墓 地 の 形 式 日 本 式 の 墓 地 49.0 芝 生 を 敷 き 詰 めた 公 園 墓 地 30.4 合 葬 式 の 共 同 墓 地 9.2 納 骨 堂 形 式 (ロッカー 形 式 ) 7.2 自 宅 からの 所 要 時 間 1 時 間 以 内 57.5 30 分 以 内 25.4 2 時 間 以 内 10.7 墓 地 の 広 さ 1m2 位 33.7 2m2 位 37.9 3m2 位 9.8 納 骨 堂 等 土 地 の 必 要 でない 13.1 墓 石 の 形 式 伝 統 式 墓 石 70.7 横 長 の 様 式 12.7 個 性 的 な 墓 石 9.9 お 墓 の 形 式 身 近 な 家 族 のみ 入 る 墓 35.4 一 族 全 員 が 入 る 墓 26.7 特 にこだわらない 25.2 購 入 時 の 重 視 店 ( 複 数 回 答 ) 価 格 ( 使 用 料 / 管 理 料 ) 44.8 交 通 の 便 42.7 環 境 がよい 41.1 管 理 経 営 がしっかりしている 37.4 注 :2002 年 11 月 13 日 ~19 日 の 大 阪 市 の 電 話 調 査 600 人 回 答 543 人 (90.5%) 出 所 : 大 阪 市 http://www.city.osaka.jp/より 山 田 作 成 さまざまなお 墓 のタイプは 次 のようなものである 家 墓 代 々の 家 族 を 祀 り 子 孫 が 承 継 していく 従 来 型 のお 墓 火 葬 が 普 及 したことにより 一 般 化 したお 墓 で 新 たに 遺 骨 を 納 める 時 には 墓 誌 に 戒 名 や 俗 名 死 亡 年 月 日 を 刻 む まだ 多 くのお 墓 の 典 型 的 なお 墓 形 式 である 現 在 は 承 継 者 が 無 くなる 場 合 が 増 えこのような 形 のお 墓 の 悩 みでもある 墓 碑 銘 は 家 の 代 々 之 墓 などである 10

個 人 墓 夫 婦 墓 個 人 墓 は 一 人 で 入 る 夫 婦 墓 は 2 人 で 入 る 一 代 限 りのお 墓 で 承 継 者 がいない 場 合 など である 墓 碑 銘 は 自 由 に 刻 まれている 多 くの 場 合 永 代 供 養 墓 であるが 兄 弟 姪 甥 が 守 る 場 合 もある 両 家 墓 2 つの 家 族 を 祀 るお 墓 墓 碑 には 両 家 の 姓 を 刻 むこともあるが 絆 和 とか 多 様 な 言 葉 を 墓 碑 銘 にしている 墓 誌 には 亡 くなった 人 の 氏 名 を 記 しているお 墓 もある 合 葬 墓 ( 共 同 墓 ) 価 値 観 信 仰 を 同 じくする 他 人 どうしが 集 まって 一 つのお 墓 に 入 り 後 に 続 く 人 達 が 皆 でお 墓 を 守 っていくという 形 式 である 東 京 の もやいの 碑 10)が 有 名 である 会 員 制 で あり 生 前 からの 交 流 が 特 徴 である また このタイプが 増 えている 原 因 は 離 婚 者 独 身 者 子 供 がいない 夫 婦 などの 増 加 夫 と 同 じお 墓 に 入 りたくない 女 性 などとされている 価 格 も 比 較 的 安 いのも 原 因 の 一 つである 東 京 都 も 合 葬 墓 の 経 営 に 参 入 している 永 代 供 養 墓 継 承 を 前 提 としないお 墓 供 養 管 理 は 寺 院 墓 地 管 理 者 がおこなう 遺 骨 は 個 々に 骨 壷 に 入 れて 納 める 場 合 と 最 初 から 一 緒 に 納 める 場 合 がある 生 前 に 申 し 込 むのが 一 般 的 で ある 永 代 供 養 には 現 在 法 的 基 準 がなく 供 養 期 間 は 経 営 主 体 により 異 なる 一 定 の 期 間 ( 三 十 三 回 忌 等 )が 過 ぎれば 個 別 に 骨 壷 で 納 骨 されたものも 土 に 返 し 共 同 墓 地 で 祀 ら れる 場 合 が 大 半 である 壁 墓 地 ロッカー 式 墓 地 納 骨 堂 壁 墓 地 とは 墓 石 を 壁 のように 一 列 に 並 べ 墓 地 区 画 を 節 約 した 墓 地 である 東 京 都 が 1991 年 に 都 営 八 柱 霊 園 と 小 平 霊 園 に 合 わせて 450 基 募 集 したところ 即 日 完 売 した 東 京 都 は 2002 年 までに1 万 基 余 を 設 置 する 計 画 を 立 て 1 万 1336 件 の 応 募 があったとのことである 11) ロッカー 式 墓 地 は 都 内 の 寺 院 などの 霊 廟 は 基 本 的 にロッカー 式 である ほとんど 満 員 と のことである 芝 の 増 上 寺 の 霊 廟 など 名 刹 の 寺 院 のロッカー 式 墓 地 の 価 格 は 郊 外 の 墓 地 価 格 より 高 いとのことである 12) また ターミナル 駅 の 近 くに 新 たなロッカー 式 墓 地 が 販 売 され 比 較 的 安 価 である 様 式 は 多 様 で 骨 壷 を 安 置 するだけのもの 仏 壇 形 式 などである これらは 土 地 事 情 を 考 えた 場 合 省 スペースに 有 効 な 一 つのお 墓 である 核 家 族 が 各 個 人 がお 墓 を 作 れば 特 に 都 市 部 では 墓 地 不 足 がちになる 墓 地 の 開 発 は 自 然 破 壊 という 一 面 もある 自 然 との 調 和 を 考 慮 しなければならない 現 在 理 にかなった 将 来 のお 墓 ともいわ れている 本 来 は 一 時 的 に 骨 壷 を 預 かる 役 割 を 担 っていた 納 骨 堂 が 現 在 は 墓 地 化 している のである また より 省 スペースとなるインターネットお 墓 も 出 現 している 樹 木 葬 墓 樹 木 葬 は 1999 年 に 岩 手 県 一 関 市 の 祥 雲 寺 ではじまった 13) 同 寺 院 が 所 有 する 山 林 11

は 全 体 が 墓 地 と 認 められている その 一 部 に 遺 骨 を 直 接 埋 葬 し その 上 に 墓 石 でなく 苗 木 を 植 えそれを 墓 標 とするお 墓 である 自 然 との 共 生 を 願 う 人 たちに 支 持 されている 個 人 墓 夫 婦 墓 の 変 形 である また シンボルとなる 桜 の 木 の 下 に 個 別 区 画 共 同 区 画 を 持 つ 合 葬 墓 ( 共 同 墓 )の 一 例 もある 散 骨 散 骨 とは 細 かく 砕 いた 遺 骨 を 海 や 山 などにまく 葬 送 である 法 律 的 には 適 法 である かどうかは 不 明 であるが 散 骨 をしたことにより 刑 罰 を 受 けた 例 は 今 までのところ 聞 かな い 遺 族 が 自 分 で 行 うか 業 者 に 依 頼 しても 行 われている JTB などもハワイの 海 に 散 骨 旅 行 を 販 売 している ロケットで 遺 骨 を 衛 星 に 乗 せて 地 球 軌 道 上 へ 打 ち 上 げる 宇 宙 葬 も 散 骨 葬 の 例 であろう 2-2 お 墓 を 買 うとは 墓 地 を 買 う とは お 墓 を 建 てる 土 地 を 買 う ことではない これは 土 地 を 墓 地 とし て 使 用 する 権 利 を 買 うことである 一 般 に 永 代 使 用 料 という 契 約 が 済 み 支 払 いが 完 了 すると 永 代 使 用 承 諾 証 ( 民 間 墓 地 ) 使 用 許 可 証 ( 公 営 墓 地 ) 檀 信 徒 加 入 契 約 証 ( 寺 院 墓 地 )という 書 類 の 契 約 書 が 交 わされる これは 一 般 的 に 承 継 者 がいる 限 り 永 遠 永 劫 に 墓 地 を 使 用 できる 権 利 書 である 承 継 者 がいなくなればこの 使 用 権 は 消 滅 す のが 普 通 である 永 代 使 用 権 は 原 則 として 1 人 に 受 け 継 がれる 第 三 者 には 譲 渡 贈 与 は 出 来 ない 承 継 者 の 条 件 は 一 般 的 に 三 親 等 以 内 で 同 じ 姓 であるとかになっている ま た 永 代 使 用 料 の 払 い 戻 しはないのが 原 則 である 墓 地 にはそれぞれ 墓 地 使 用 規 則 がある 墓 地 管 理 者 が 定 めている 墓 地 区 画 を 使 用 する 規 則 とか デザインの 制 約 とか 建 墓 の 時 期 とかが 定 められている 場 合 もある 墓 地 使 用 規 則 の 主 な 項 目 使 用 目 的 使 用 資 格 使 用 料 管 理 料 工 事 の 承 認 ( 工 事 を 行 う 時 は 届 け 出 ること 石 材 店 の 指 定 など) 墓 地 内 の 設 備 制 限 ( 墓 碑 等 の 建 立 は 3 年 以 内 墓 碑 等 の 高 さは 2.5m 以 下 デザインの 制 限 とか) 埋 葬 改 葬 の 手 続 き( 宗 教 の 指 定 など) 埋 葬 者 の 制 限 ( 墓 地 使 用 者 の 親 族 以 外 の 者 を 埋 葬 することは 出 来 ない ペットはいい とか 駄 目 とか など) 墓 地 を 買 うときは 墓 地 使 用 規 則 を 充 分 に 読 み 理 解 しておかないと 自 分 の 思 いと 異 な り 大 きなトラブルとなることもある 永 代 使 用 料 は 墓 地 の 場 所 地 形 施 設 状 況 道 路 緑 地 開 発 施 設 費 用 等 公 営 であ 12

るか 民 間 墓 地 か 寺 院 の 格 等 により 千 差 万 別 である 表 2-2-1 東 京 都 霊 園 条 例 施 行 規 則 ( 単 位 : 円 ) 種 別 使 用 料 単 位 金 額 一 般 埋 蔵 施 設 青 山 霊 園 1m2につき 2,832,000 谷 中 霊 園 1,667,000 多 摩 霊 園 625,000 八 柱 霊 園 191,000 小 平 霊 園 537,000 芝 生 埋 蔵 施 設 多 摩 霊 園 1m2につき 661,000 八 柱 霊 園 203,000 小 平 霊 園 573,000 八 王 子 霊 園 267,000 壁 型 埋 葬 施 設 多 摩 霊 園 1 箇 所 につき 1,570,000 八 柱 霊 園 585,000 小 平 霊 園 1,472,000 立 体 埋 葬 施 設 青 山 霊 園 1 箇 所 につき 1,079,000 合 葬 埋 葬 施 設 多 摩 霊 園 期 間 限 定 個 人 壷 95,000 最 初 より 共 同 埋 葬 53,000 小 平 霊 園 1 箇 所 につき 96,000 出 所 : 東 京 都 霊 園 条 例 http://reiki.metoro.tokyo.jp/ 表 2-2-2 2006 年 松 戸 市 営 募 集 白 井 聖 地 公 園 永 代 使 用 料 ( 単 位 : 円 ) 永 代 使 用 料 1 年 管 理 料 一 般 墓 地 5m2 東 向 き 468,000 4,800 西 向 き 418,000 4,800 芝 生 墓 地 4m2 東 向 き 368,000 4,800 西 向 き 328,000 4,800 出 所 :つたや http://www2.ocn.ne.jp/~tsutaya/ 表 2-2-3 2006 年 市 川 市 営 霊 園 募 集 永 代 供 養 使 用 料 ( 単 位 : 円 ) 墓 地 の 面 積 永 代 使 用 料 1 年 管 理 料 2.5m2 830,000 1,750 4.0m2 1,190,000 2,810 6.0m2 1,790,000 4,220 12.0m2 3,590,000 8,440 出 所 :ついのすみか http://www.tsuino-sumika.net/ これらの 3 つの 地 方 自 治 体 経 営 墓 地 を 1 m2 当 たりに 換 算 すると 松 戸 市 営 白 井 聖 地 は 82,000 円 ~93,600 円 で 市 川 市 営 霊 園 は 1 m2 当 たり 297,500 円 ~332,000 円 である 東 京 都 営 は 191,000 円 ~2,832,000 円 である 永 代 使 用 料 の 差 は 土 地 の 価 格 や 墓 地 の 施 設 による ものと 思 われる 13

表 2-2-4 新 聞 織 り 込 み 墓 地 販 売 チラシの 価 格 墓 地 名 と 住 所 墓 地 面 積 等 内 容 永 代 使 用 料 円 1m2 当 たり 円 年 管 理 円 備 考 興 福 院 平 和 公 園 1.5m2 西 向 き 380,000 253,400 3,000 宗 教 不 問 檀 家 柏 市 手 賀 252-3 1.5m2 東 向 き 430,000 286,700 3,000 制 度 無 し 3m2 西 向 き 930,000 310,000 6,000 ペット 合 同 墓 地 3m2 東 向 き 1,130,000 376,700 6,000 共 葬 墓 地 3.4m2 一 般 1,280,000 276,500 7,000 3.4m2 特 別 1,580,000 464,800 7,000 4.4m2 一 般 1,620,000 398,200 9,000 4.4m2 特 別 1,920,000 436,400 9,000 5.0m2 一 般 1,750,000 350,000 10,000 5.0m2 特 別 2,080,000 416,000 10,000 6.0m2 一 般 1,920,000 320,000 12,000 6.0m2 特 別 2,310,000 385,000 12,000 柏 メモリアル 1.5m2 西 向 き 450,000 300,000 3,600 宗 教 不 問 檀 家 ガーデン 1.5m2 西 角 500,000 333,400 3,600 制 度 無 し 柏 市 増 尾 180-2 1.5m2 東 向 き 495,000 330,000 3,600 墓 石 デザイン 自 由 1.5m2 東 角 550,000 366,700 3,600 2.25m2 西 向 き 675,000 300,000 5,400 2.25m2 西 角 765,000 340,000 5,400 2.25m2 東 向 き 745,000 331,200 5,400 2.25m2 東 角 850,000 377,800 5,400 3.0m2 西 向 き 900,000 300,000 7,200 3.0m2 西 角 1,000,000 333,400 7,200 3.0m2 東 向 き 990,000 330,000 7,200 3.0m2 東 角 1,120,000 373,400 7,200 4.0m2 西 向 き 1,200,000 300,000 9,600 4.0m2 西 角 1,350,000 337,500 9,600 4.0m2 東 向 き 1,320,000 330,000 9,600 4.0m2 東 角 1,475,000 368,800 9,600 6.0m2 西 向 き 1,800,000 300,000 14,400 6.0m2 西 角 2,040,000 340,000 14,400 6.0m2 東 向 き 1,980,000 330,000 14,400 6.0m2 東 角 2,200,000 366,700 14,400 12.0m2 西 向 き 3,600,000 300,000 28,800 16.0m2 西 角 5,300,000 331,300 38,400 城 山 聖 地 霊 園 2m2 680,000 340,000 5,000 宗 教 不 問 檀 家 柏 市 鷲 野 谷 城 山 3m2 880,000 293,400 7,500 制 度 無 し 146 4m2 1,170,000 292,500 10,000 墓 石 デザイン 6m2 2,000,000 333,400 15,000 自 由 ペットok かしわ 青 光 苑 1.5m2 西 向 き 495,000 330,000 4,500 柏 市 布 施 700 1.5m2 東 向 き 555,000 370,000 4,500 3.0m2 西 向 き 990,000 330,000 9,000 3.0m2 東 向 き 1,110,000 370,000 9,000 4.0m2 西 向 き 1,340,000 335,000 12,000 4.0m2 東 向 き 1,460,000 365,000 12,000 神 々 廻 霊 園 1.5m2 280,000 186,700 2,500 宗 教 不 問 檀 家 白 井 市 神 々 廻 1.8m2 430,000 238,900 3,000 制 度 無 し 字 河 原 子 台 2.5m2 720,000 288,000 4,000 墓 地 承 継 者 なく 1714-3 3.0m2 780,000 260,000 5,000 てもよい 3.8m2 920,000 242,200 6,000 4.5m2 1,020,000 226,700 7,500 14

宗 賢 寺 1.0m2 370,000 370,000 日 蓮 宗 寺 境 内 墓 地 柏 市 塚 崎 607-1 2.0m2 670,000 276,200 信 徒 契 約 3.0m2 800,000 266,700 牛 久 浄 苑 1.0m2 230,000 230,000 2,100 宗 教 不 問 檀 家 牛 久 市 久 野 町 1.5m2 芝 生 420,000 280,000 3,150 制 度 無 し 2083 2.0m2 396,000 198,000 4,200 墓 地 承 継 者 なくてもよい 3.0m2 594,000 198,000 6,300 出 所 : 柏 市 内 読 売 新 聞 の 折 り 込 みチラシより 山 田 作 成 表 2-2-5 2007 年 版 優 良 霊 園 石 材 ガイド 掲 載 墓 地 での 価 格 墓 地 名 と 住 所 墓 地 面 積 等 内 容 永 代 使 用 料 円 1m2 当 たり 円 年 管 理 円 備 考 我 孫 子 清 陵 苑 1.5m2 180,000 120,000 7,000 宗 派 不 問 我 孫 子 市 布 佐 1.6m2 410,000 256,300 7,000 全 区 画 バリアフリ- 808-2 1.95m2 500,000 256,400 7,000 3.0m2 750,000 250,000 12,000 4.0m2 1,080,000 270,000 16,000 我 孫 子 霊 園 1.92m2 西 向 き 570,000 296,800 3,000 宗 派 不 問 我 孫 子 市 岡 発 戸 2.4m2 西 向 き 720,000 300,000 3,500 榎 町 1380 3.0m2 西 向 き 920,000 306,700 4,000 4.0m2 西 向 き 1,050,000 262,500 5,000 1.92m2 東 向 き 650,000 338,600 3,000 2.4m2 東 向 き 820,000 341,700 3,500 3.0m2 東 向 き 1,000,000 333,400 4,000 4.0m2 東 向 き 1,150,000 287,500 5,000 柏 市 ひがし 聖 地 3.0m2 680,000 226,700 9,000 宗 派 不 問 公 苑 4.5m2 1,180,000 262,300 13,500 柏 市 柳 戸 612 6.0m2 1,680,000 280,000 18,000 萬 福 寺 3.0m2 2,000,000 666,700 12,000 真 言 宗 豊 山 派 柏 市 増 尾 4-14-1 檀 信 徒 契 約 南 柏 霊 園 1.5m2 西 向 き 465,000 310,000 2,700 宗 派 不 問 柏 市 逆 井 中 台 1199 1.5m2 東 向 き 525,000 350,000 2,700 医 王 寺 墓 苑 3.0m2 580,000 193,400 6,000 真 言 宗 豊 山 派 柏 市 船 戸 1067 檀 信 徒 契 約 出 所 :インデックス 編 者 2007 年 版 全 国 優 良 霊 園 石 材 店 ガイド より 山 田 作 成 寺 院 の 境 内 墓 地 の 情 報 は 少 ない おそらく 寺 院 の 格 式 交 通 の 便 による 場 所 宗 派 住 職 の 経 営 意 識 等 などにより 価 格 が 異 なるものと 思 われる 参 考 に 新 聞 広 告 をみてみる 鎌 倉 の 臨 済 宗 円 覚 寺 境 内 の 墓 所 (2007 年 3 月 20 日 付 け 朝 日 新 聞 ) 真 言 宗 高 野 山 金 剛 峰 寺 境 内 墓 地 (2007 年 3 月 18 日 付 け 朝 日 新 聞 ) 横 浜 市 鶴 見 曹 洞 宗 大 本 山 総 持 寺 境 内 墓 地 (2007 年 3 月 1 日 付 け 朝 日 新 聞 )の 永 代 使 用 料 を 表 2-2-6に 示 す 他 の 墓 地 永 代 使 用 料 と 比 べるとかなり 高 額 である それぞれ 地 方 の 格 式 のある 寺 院 の 永 代 使 用 料 も 近 在 の 墓 地 と 比 べると 高 額 だと 思 われる 15

表 2-2-6 新 聞 広 告 掲 載 寺 院 の 永 代 使 用 料 墓 地 名 と 住 所 墓 地 面 積 等 内 容 永 代 使 用 料 円 1m2 当 たり 円 年 管 理 円 備 考 円 覚 寺 0.8m2 1,340,000 1,675,000 12,000 臨 済 宗 円 覚 寺 派 1.0m2 1,600,000 1,600,000 12,000 本 山 高 野 山 0.81m2 850,000 1,049,400 5,250 真 言 宗 本 山 金 剛 峰 寺 宗 派 不 問 横 浜 鶴 見 0.54m2 1,200,000 2,222,300 13,300 曹 洞 宗 本 山 曹 洞 宗 総 持 寺 5.75m2 14,000,000 2,434,800 25,900 入 檀 料 53 万 円 出 所 : 朝 日 新 聞 (2007 年 3 月 1 日 3 月 18 日 3 月 20 日 付 け)より 山 田 作 成 表 2-2-1から 表 2-2-6の 永 代 使 用 料 をまとめると 表 2-2-7のようになる 表 2-2-7 各 永 代 使 用 料 の 1 m2で 価 格 比 較 ( 伝 統 式 墓 地 での 比 較 ) 霊 園 種 類 霊 園 名 1m2 当 たり 価 格 ( 円 ) 公 青 山 霊 園 2,832,000 谷 中 霊 園 1,667,000 営 多 摩 霊 園 625,000 八 柱 霊 園 191,000 墓 松 戸 白 井 霊 園 東 向 き 93,600 地 市 川 霊 園 332,000 興 福 院 平 和 公 園 350,000 民 柏 メモリアルカ -テ ン 350,000 城 山 聖 地 霊 園 330,000 間 かしわ 青 光 苑 340,000 神 々 廻 霊 園 250,000 牛 久 浄 苑 250,000 墓 清 陵 苑 250,000 地 我 孫 子 霊 園 330,000 柏 市 ひがし 聖 地 公 苑 260,000 南 柏 霊 園 東 向 き 350,000 境 宗 賢 寺 300,000 萬 福 寺 667,000 内 医 王 寺 195,000 円 覚 寺 1,675,000 墓 金 剛 峰 寺 1,050,000 地 横 浜 鶴 見 総 持 寺 2,400,000 注 ) 価 格 は 多 様 な 墓 地 のだいたいの 平 均 である 出 所 : 表 2-2-1から 表 2-2-6より 山 田 作 成 以 上 表 2-2-7は 東 京 都 松 戸 市 市 川 市 の 公 営 墓 地 と 柏 市 我 孫 子 市 の 民 間 墓 地 寺 の 境 内 墓 地 の 新 聞 織 り 込 みでの 伝 統 式 墓 地 の 1 m2 当 たりの 価 格 比 較 表 である 参 考 に 全 国 的 に 有 名 な 格 式 のある 3 寺 院 である 寺 の 境 内 墓 地 は 交 通 の 利 便 性 近 在 の 土 地 価 格 により 永 代 使 用 料 が 高 額 になり 勝 ちだと 思 えるが 永 代 使 用 料 の 価 格 が 決 定 される 重 要 な 要 素 は 寺 院 の 格 式 である 境 内 墓 地 は 檀 信 徒 契 約 を 交 わしその 寺 院 の 信 者 となるので 公 営 民 間 墓 地 と 比 べてその 後 の 寺 院 運 営 の 費 用 がかさむことになる 公 営 墓 地 に 関 しては 近 在 土 地 価 格 交 通 の 利 便 性 によるものと 思 われる 民 間 墓 地 と 比 較 すると 割 安 である 公 営 墓 地 の 公 募 の 競 争 率 が 高 いのは 頷 ける 16

この 近 在 での 民 間 墓 地 は 手 賀 沼 柏 市 側 に 数 多 く 開 発 されている その 他 墓 地 も 市 内 中 心 から かなり 離 れている 場 所 である 個 々の 墓 地 の 永 代 使 用 料 は 1 m2 当 たり 25 万 円 ~35 万 円 で 余 り 差 額 はないようである 墓 地 の 環 境 だとか 眺 望 だとか 墓 苑 のサービス 等 で 墓 地 購 買 者 は 購 買 を 決 定 していると 思 われる 樹 木 葬 は 墓 石 もなく お 骨 を 安 置 する 場 所 もなく 直 接 永 代 使 用 できる 場 所 に 埋 葬 する 墓 地 形 式 である 表 2-2-8 樹 木 葬 永 代 使 用 料 の 例 霊 園 名 価 格 ( 円 ) 備 考 一 関 市 長 倉 山 知 勝 院 500,000 ペット 駄 目 伊 豆 大 島 千 の 風 みらい 園 60,000~500,000 ペット 認 める 千 葉 県 いすみ 市 天 徳 寺 650,000 出 所 :http://www.jumokuso.or.jp/ http://www.miraien.jp/ http://www5f.biglobe.ne.jp/ より 山 田 作 成 納 骨 堂 式 の 墓 地 (ロッカー 式 )の 価 格 の 一 例 で 千 葉 祖 啓 堂 ( 千 葉 市 )14)を 紹 介 する 少 なく 見 積 もって 通 常 1.5 m2の 民 間 墓 地 だと 永 代 使 用 料 50 万 円 程 度 建 墓 費 用 200 万 円 程 度 合 計 約 250 万 円 はかかる 千 葉 祖 啓 堂 納 骨 堂 の 場 合 は 永 代 使 用 料 厨 子 代 石 銘 板 字 彫 り 代 の 合 計 57 万 円 である 普 通 墓 地 の 25%の 価 格 である 東 京 都 公 営 の 納 骨 堂 式 霊 園 は 青 山 霊 園 では( 表 2-2-1)107.9 万 円 である やはり 場 所 と 利 便 性 によるのだろう このように 永 代 使 用 料 はさまざまである お 墓 に 対 しての 認 識 を 考 慮 しなくて 経 済 的 にの み 考 えればそれほどのコストはかからない 納 骨 堂 式 樹 木 葬 などの 選 択 肢 もある コスト を 考 えなければ 規 模 墓 地 様 式 場 所 等 500 万 円 以 上 もする 永 代 使 用 料 もする 墓 地 もある 普 通 に 考 えればこの 近 在 では 民 間 墓 地 で 3 m2の 墓 地 であれば 永 代 使 用 料 は 100 万 円 前 後 である 年 間 管 理 費 は 公 営 境 内 墓 地 民 間 墓 地 とも 1 万 円 前 後 である 経 営 主 体 による 大 きな 差 額 はみあたらない 2-3 建 墓 の 価 格 さてお 墓 を 建 てるとは お 墓 を 建 てる 土 地 を 確 保 すれば 一 般 的 には 墓 石 を 作 らなければ ならい 墓 石 も 経 済 活 動 からしたら 商 品 であるが 他 の 商 品 と 異 なり 相 場 が 無 きがごとく 標 準 価 格 など 見 当 たらないといわれている 原 石 の 種 類 による 価 格 差 デザイン 加 工 の 手 間 産 地 や 内 国 産 か 外 国 産 か 工 事 に 大 型 機 械 が 使 えるかどうか 工 事 環 境 さらに 墓 地 開 発 がらみの 開 発 費 などの 上 乗 せ 等 複 雑 である だいたい 公 営 墓 地 は 別 として 寺 院 境 内 墓 地 民 間 墓 地 は 墓 地 販 売 と 石 材 店 の 墓 石 とがセットになり 契 約 されるのが 大 勢 である さい 原 石 1 尺 ( 約 30.3 cm) 四 方 の 立 方 体 を 切 という 普 通 の 和 型 三 段 墓 を( 図 2-3-1) あ じ 作 るのにほぼ 12 切 は 必 要 とされている 最 高 級 品 の 香 川 県 産 出 庵 治 石 は 1 切 の 特 級 品 は 12 17

万 円 和 型 三 段 墓 の 原 石 だけで 144 万 円 は 最 低 かかる 比 較 的 安 価 な 茨 城 県 の 真 壁 石 が 1 切 1 万 円 で 国 産 石 材 も 価 格 幅 が 大 きい 中 国 からの 輸 入 石 だと 国 内 港 引 渡 し(1998 年 頃 ) 1 切 2.5 千 円 である この 原 石 を 採 寸 して 研 磨 等 加 工 代 が 1 切 1.5 万 円 前 後 である 高 級 品 である 庵 治 石 の 加 工 は 7 割 ぐらい 割 高 である したがって 輸 入 石 材 も 国 内 で 加 工 した 墓 石 は 21 万 くらい 国 産 真 壁 石 だと 30 万 円 と 計 算 できる 中 等 程 度 の 国 内 加 工 の 墓 石 だと 大 きな 価 格 差 はない しかしながら 高 級 品 である 庵 治 石 での 国 内 加 工 墓 石 は 180 万 円 ぐら いである 中 国 で 加 工 しての 製 品 輸 入 墓 石 は 11 万 円 程 度 で 180 万 円 の 約 6%に 過 ぎない 国 内 加 工 でも 機 械 加 工 での 同 一 規 格 大 量 生 産 品 とオリジナルデザイン 等 個 性 的 なお 墓 では 価 格 は 大 きな 差 がある 15) 図 2-3-1 典 型 的 和 型 三 段 墓 出 所 : 田 代 尚 嗣 お 墓 のすべてがわかる 本 新 星 出 版 社 2006 年 4 月 p.102 図 2-3-1は 典 型 的 な 和 型 三 段 式 募 である 多 くの 墓 地 で 見 られるオーソドックスな 形 式 な 墓 である みかげいし 墓 石 の 種 類 は 現 在 花 崗 岩 ( 御 影 石 )が 主 流 で ある 御 影 石 は 風 化 しにくく 磨 くと 光 沢 がで る 御 影 石 の 種 類 には 白 御 影 石 ( 関 西 で 好 まれ る) 黒 御 影 石 ( 関 東 で 好 まれる)と 色 調 によ り 桜 御 影 石 赤 御 影 石 と 呼 ばれるものもある あ また 産 地 により 最 高 級 品 は 香 川 県 産 の 庵 じ 治 石 ほん 兵 庫 県 産 の 本 御 影 石 と 言 われているものもあ る 従 来 主 流 であった 安 山 岩 で 最 高 級 品 の 神 奈 川 県 産 小 松 石 もよく 使 われている 輸 入 石 材 は 1965 年 代 から 始 まって 最 初 は 原 石 であったが 1985 年 頃 から 中 国 製 の 墓 石 外 柵 の 完 成 品 の 輸 入 が 始 まった 10 年 くらい 前 からは 多 くの 日 常 製 品 もそうであるように 中 国 産 の 完 成 品 がなくては 日 本 の 石 材 産 業 は 考 えられなくなったと 言 われている 他 産 業 と 同 じく 製 造 拠 点 が 発 展 途 上 国 に 移 り 石 材 産 業 も 空 洞 化 してしまっている 墓 石 産 業 も 伝 統 技 術 を 海 外 に 移 転 しているのである 表 2-3-1は 原 石 の 国 別 輸 入 年 推 移 と 完 成 品 の 国 別 輸 入 年 推 移 である 金 額 は 日 本 港 着 価 格 で 小 売 には 輸 送 費 設 置 代 利 息 人 件 費 利 潤 等 が 加 算 される 日 本 全 体 の 墓 石 関 連 販 売 金 額 は 2003 年 実 績 2,700 億 円 ~2,800 億 円 で 墓 石 の 需 要 は 年 間 約 28 万 基 で その 内 訳 は 次 のようである 18

製 品 輸 入 24 万 数 千 基 ( 内 中 国 産 24 万 基 韓 国 数 千 基 インド 千 基 程 度 ) 国 内 加 工 3.8 万 基 ( 内 輸 入 材 2 万 基 国 産 材 1.8 万 基 )16) 表 2-3-1 花 崗 岩 原 石 と 完 成 品 の 輸 入 年 推 移 花 崗 岩 原 石 の 輸 入 年 推 移 ( 単 位 :1,000t) 1991 年 1994 年 1997 年 2000 年 2003 年 韓 国 242.6 169.6 69.2 21.5 2.1 中 国 296.4 312.6 154.2 46.1 10.9 インド 212.5 180.9 93.7 38.7 14.1 その 他 408.9 313.2 215.7 116.1 31.8 計 1,160.4 976.3 532.8 222.4 58.9 花 崗 岩 製 品 の 輸 入 推 移 ( 単 位 : 百 万 円 ) 韓 国 28,682 16,629 8,811 1,993 591 中 国 5,916 24,993 60,356 60,229 73,012 インド 2,488 2,744 3,002 1,325 1,197 その 他 22,176 6,266 6,516 3,275 1,672 計 59,262 50,633 78,684 66,822 76,472 出 所 :IBPC 大 阪 日 本 のマーケット 情 報 http://www.ibpcosaka.or.jp/ 以 上 が 業 界 事 情 である さて 我 々がお 墓 を 建 てるにはいくらほどの 価 格 になるのであろうか 石 材 店 の 新 聞 チラ シ ホームページから 推 定 すると 伝 統 的 な 和 型 三 段 墓 ( 図 2-3-1)で 一 般 的 な 大 き さ 8 寸 型 ( 墓 石 の 石 柱 ( 竿 石 )が 8 寸 角 のもの 約 3.03 cm*8 寸 =24.24 cm)で 墓 石 加 工 も 別 段 なく 中 国 産 花 崗 岩 の 完 成 品 ( 墓 石 外 柵 )で 中 心 価 格 200 万 円 前 後 である 規 模 が 小 さい 墓 地 で 設 置 場 所 を 選 ばなければ 特 売 価 格 で 永 代 使 用 料 も 含 めて 100 万 円 弱 で 販 売 し ている 民 間 墓 地 もある 規 模 も 大 きく 高 級 な 石 を 多 く 使 い 墓 石 の 独 自 デザイン 手 の 込 んだ 加 工 を 施 すと 程 度 により 300 万 円 代 500 万 円 代 となる イタリア 産 の 大 理 石 で 墓 石 を 建 立 すれば 1,000 万 円 以 上 になる カタログだけでなく 実 物 見 本 の 墓 石 を 設 置 している 墓 苑 もある 図 2-3-2 オルガンタイプ 墓 洋 型 墓 石 ( 図 2-3-2)は 芝 生 墓 地 などに 多 くみられる オルガンに 似 ているのでオルガンタイプ ストレートタイプ プレートだけの 墓 地 形 態 もある この 型 では 墓 地 の 外 柵 (お 墓 の 隣 接 との 境 界 を 明 確 にするために 墓 所 の 周 りを 石 材 で 囲 ん でいるもの)を 持 たないものもあり 当 然 石 材 の 使 用 量 は 和 型 より 少 ない 普 及 タイプで 高 く 見 積 もっても 150 万 円 ぐらい である 洋 型 墓 石 には 黒 御 影 石 がよく 使 われ 産 地 により 価 格 差 がある プレート 式 であればより 安 くなる 以 上 仏 教 式 墓 石 について 述 べてきたが 神 道 の 墓 石 は 先 が 細 長 い 角 柱 で 墓 石 の 頭 部 は 4 角 錐 のものが 多 い 全 体 の 形 式 は 出 所 : 田 代 尚 嗣 お 墓 のすべてがわかる 本 新 星 出 版 社 2006 年 6 月 p.103 19

仏 教 形 式 の 墓 地 に 近 い 従 って 価 格 は 仏 教 形 式 墓 石 に 準 ずる キリスト 教 の 墓 地 は 一 般 的 には 芝 生 墓 地 にプレート 式 が 多 いようであるが 仏 教 式 での 横 長 墓 石 (オルガンタイプ ストレートタイプ)も 多 く 見 受 けられる 普 通 は 墓 地 には 外 柵 が 無 いのだが 仏 教 式 のような 外 柵 がありデザインに 凝 った 墓 石 もある 当 然 価 格 は 原 石 の 種 類 使 用 量 デザイン 等 により 異 なるが 石 版 1 枚 のプレート 式 墓 地 は 別 として 仏 教 の 洋 型 墓 石 に 準 ずるものと 思 われる 図 2-3-3 全 国 優 良 石 材 店 の 会 2007 年 ニューデザインお 墓 写 真 コンテスト 入 賞 作 品 図 2-3-3は 原 石 の 種 類 も 高 品 質 でデザインも 斬 新 で 故 人 への 思 い を 込 めた 凝 った 加 工 がなされた 墓 石 である かなり 高 額 なものであろう また ほとんど の 石 材 店 は 墓 石 建 立 の 代 金 について かなり 高 額 なもの についてはローン を 紹 介 している 出 所 :インデックス 編 著 全 国 優 良 霊 園 石 材 店 ガイド 東 日 本 西 日 本 総 合 版 インデックス 2007 年 3 月 p.99 田 代 尚 嗣 氏 による 17) 建 墓 のコツを 紹 介 する 石 選 びのコツ ひび 自 分 の 目 で 色 艶 模 様 を 実 物 大 で 確 認 する 石 質 は 硬 いものを 選 ぶ 墓 石 の 罅 とか 欠 け た 場 合 のアフターサービスを 契 約 の 時 点 で 確 認 する 自 分 の 予 算 を 率 直 に 話 し プランは 総 額 で 考 える 墓 石 に 関 しては 知 識 が 無 いのであるから 石 材 店 に 相 談 にのってもらい 総 額 予 算 内 で 自 分 の 希 望 にそうようなプランを 石 材 店 に 提 案 してもらう 契 約 には 工 事 の 方 法 墓 石 の 種 類 20

型 期 間 文 字 彫 刻 など 明 確 に 勿 論 図 面 も 確 認 すること 指 定 業 者 制 の 長 所 短 所 ほとんどの 墓 地 は 指 定 業 者 制 である 長 所 は 墓 地 霊 園 作 りに 統 一 がとれて 完 成 度 が 高 い また いろいろと 便 利 である 短 所 は 場 合 によっては 石 材 店 が 霊 園 開 発 の 投 資 資 金 の 一 部 を 墓 石 建 立 費 に 組 み 込 んでいる 従 って 割 高 な 場 合 がある 製 造 物 責 任 法 (PL 法 )と 石 材 業 者 施 工 業 者 輸 入 業 者 墓 石 も 当 然 保 護 の 対 象 になるものと 考 えられる 従 って 短 期 間 での 墓 石 の 劣 化 崩 壊 小 さな 地 震 による 倒 壊 などが 生 じたなら 関 係 業 者 へ 損 害 賠 償 責 任 を 問 えるものと 考 えられ る しかしながらトラブルを 避 けるためには 保 障 制 度 がある 石 材 店 を 選 ぶことは 大 事 であ る 例 えば 石 材 店 業 界 では 全 国 優 良 石 材 店 の 会 ( 約 1,000 店 加 盟 )という 全 国 団 体 がある この 加 盟 店 で 購 入 した 製 品 施 工 で 欠 陥 した 墓 石 は 5 年 間 の 保 障 が 付 けられている 仮 に 購 入 した 加 盟 石 材 店 が 廃 業 したとしても 5 年 以 内 なら 全 優 石 が 代 わりに 保 障 する 二 重 保 障 制 度 を 持 っている その 他 トラブルなども 全 優 石 には 相 談 制 度 がある おわりに 霊 園 産 業 墓 石 産 業 界 は 週 末 彼 岸 前 の 新 聞 広 告 新 聞 チラシ テレビのコマーシャル 等 売 り 込 みの 激 しい 状 況 は 続 いている 霊 園 墓 石 産 業 の 需 要 の 推 定 基 礎 数 値 は 年 死 亡 者 数 である 団 塊 の 世 代 がこの 世 を 去 るまでの 今 後 30 年 間 ほどまでは 死 亡 数 は 増 加 をたどる その 後 は 少 子 化 で 低 下 傾 向 になる このような 人 口 状 況 が 今 の 霊 園 墓 石 産 業 界 の 盛 況 と 競 争 激 化 の 要 因 であろう 年 間 約 28 万 基 の 墓 石 ( 墓 地 ) 墓 石 関 連 売 り 上 げ 2,700~2,800 億 円 の 争 奪 戦 である 人 口 減 はこの 産 業 界 にも 大 きな 課 題 を 呈 している 全 体 的 には 人 口 の 減 少 傾 向 であるが 都 市 への 人 口 集 中 度 は 増 加 している これは 過 疎 地 帯 での 無 縁 仏 の 増 加 寺 院 の 檀 信 徒 の 減 少 による 墓 苑 寺 院 の 衰 退 である 一 方 都 会 では 墓 苑 土 地 の 確 保 が 困 難 になる そのこ とは 墓 地 への 認 識 の 変 化 と 経 済 のグローバル 化 による 自 由 市 場 経 済 の 拡 大 と 共 に 新 しい 墓 地 墓 石 の 形 態 がでてきている 一 因 でもある 中 国 等 で 加 工 された 規 格 型 墓 石 の 普 及 寺 院 の 地 下 屋 上 を 利 用 する 墓 地 納 骨 堂 (ロッカー 式 ) 形 式 墓 地 壁 墓 地 プレート 型 墓 地 両 家 夫 婦 墓 永 代 供 養 墓 有 期 限 の 墓 樹 木 葬 墓 散 骨 将 来 的 には 人 口 は 確 実 に 減 少 していくことによる 無 縁 仏 の 増 加 これらの 課 題 に 対 処 するために 墓 石 産 業 界 では 新 たなサービスを 試 みている 18) ➀ お 墓 テ イレクター 検 定 制 度 の 導 入 日 本 のお 墓 文 化 の 正 しい 理 解 と 普 及 を 図 るため お 墓 についての 幅 広 い 知 識 と 教 養 に 21

ついて 審 査 するもので 日 本 石 材 産 業 協 会 が 2004 年 以 降 毎 年 実 施 している ➁ 石 材 産 地 証 明 書 の 発 行 石 材 の 原 産 国 原 石 名 加 工 地 輸 入 業 者 販 売 店 等 が 明 記 されている ➂ 関 連 サービスの 着 手 その 代 表 が 墓 石 クリーニングである これを 足 がかりに 新 たな 需 要 の 開 拓 に 結 びつける 2007 年 5 月 30 日 付 日 本 経 済 新 聞 によると おそうじ 本 舗 ( 長 谷 川 興 産 : 家 庭 向 け 清 掃 サービス 業 東 京 豊 島 区 )が 全 国 規 模 (800 店 の 店 舗 )で 全 国 一 律 料 金 ( 交 通 費 お 線 香 代 含 む)3.3 m2の 墓 地 18,900 円 でお 墓 の 清 掃 墓 参 り 代 行 に 参 入 したと 報 じている 申 し 込 みは 電 話 インターネットで 海 外 からでも 受 け 付 けるとのこと 申 し 込 みを 受 け 2~3 日 後 に 写 真 で 報 告 する 内 容 である さて 人 は 生 まれたからには 必 ず 死 を 迎 える 死 んだ 後 自 分 をどのように 処 置 される か 墓 地 墓 苑 を 訪 れたならば 自 分 の 死 後 の 空 間 は 拠 り 所 は? と 考 えるので あろうか 墓 地 業 界 は 生 前 に 墓 地 の 購 入 を 猛 烈 に 我 々に 仕 掛 けてやまない つい 業 者 に 乗 せられて 高 いの 安 いのとお 金 のことが 頭 の 中 をめぐってしまう 後 に 残 る 者 のために 自 分 のお 墓 を 用 意 して 少 しでも 経 済 援 助 をしておくのも 悪 くはない また 後 を 始 末 して くれる 人 がいない 場 合 自 分 の 後 始 末 を 託 しておくのもいいかもしれない 宗 教 的 に 考 え るか ただ 骨 の 置 き 場 所 と 合 理 的 に 考 えるか 終 の 棲 家 もなかなかの 難 題 である 金 銭 的 には 墓 地 墓 石 形 態 により 1 万 円 より 1,000 万 円 以 上 とその 人 の 認 識 と 後 に 残 った 供 養 者 の 認 識 と 好 みにより 決 まる 大 阪 市 のアンケート( 表 2-1-1)によると 大 勢 は やおよろず 仏 教 的 な 伝 統 的 墓 地 制 を 支 持 しているようであるが 祖 先 崇 拝 八 百 万 の 神 という 事 物 に は 霊 魂 が 宿 るというアニミズム 的 宗 教 観 も 垣 間 見 られる それが 散 骨 樹 木 葬 とか 会 員 制 の 共 同 墓 等 であろう 私 のお 墓 の 前 で 泣 かないでください そこには 私 はいません 眠 ってなんかいません 千 の 風 に 千 の 風 になって あの 大 きな 空 を 吹 きわたっています NHK2006 年 紅 白 歌 合 戦 で 秋 川 雅 史 氏 が 歌 った 千 の 風 になって がミリオンセラーにな る 勢 いで 売 れていて 中 高 年 の 合 唱 団 などで 人 気 がある 2007 年 6 月 20 日 付 けの 朝 日 新 聞 によると 千 の 風 の 世 界 観 を 死 者 と 生 者 の 関 係 が 非 常 に 近 く 個 人 的 だ こ れまでは 身 内 が 亡 くなれば 墓 を 大 事 にすることで 家 というシステムにおいて 死 者 との 一 体 感 を 維 持 していた 死 者 との 交 わりが 個 的 になり 痛 みや 苦 しみも 個 々 人 で 抱 えてしまっている そうした 時 代 を 生 きる 人 たちには 風 になって 空 を 吹 きわたっている 死 者 との 交 流 がストレートに 胸 に 響 くのだろう と 分 析 している 家 墓 もしっくりこない 散 骨 もどうか~ 核 家 族 化 親 子 関 係 の 断 絶 少 子 化 等 22

により いま 在 るお 墓 の 多 くが 供 養 されずに 見 放 され 無 縁 墓 の 可 能 性 は 今 後 高 い こつぶつかいげん 大 阪 市 天 王 寺 区 の 浄 土 宗 一 心 寺 の 骨 佛 開 眼 を 紹 介 する 19) 宗 派 を 問 わず 納 骨 できる 寺 院 である 明 治 20 年 ( 約 5 万 体 )が 最 初 で 納 められた お 骨 を 10 年 ごとに まとめて お 骨 佛 というホトケサマ 1 体 ( 阿 弥 陀 如 来 像 )を 造 立 す かいげん る 決 まりになっている 現 在 まで 13 体 が 開 眼 されている 2007 年 4 月 (1997 年 1 月 ~2006 年 12 月 の 間 の 納 骨 )の 造 立 13 体 目 のお 骨 佛 は 16 万 3 千 人 の 人 達 のもので 本 堂 と は 別 棟 の 納 骨 堂 に 今 までの お 骨 佛 とともに お 骨 佛 として 安 置 されている 未 来 永 劫 に 一 心 寺 が お 骨 佛 を 供 養 するのである お 骨 佛 は 納 骨 ( 料 金 は 1 万 円 ~3 万 円 )されたお 骨 を 細 かく 砕 いてフルイに 通 して 粉 末 を 集 め この 粉 末 に 適 量 のセメントを 接 着 剤 として 加 え 石 膏 状 にして 仏 像 を 錬 造 してい る お 骨 が 主 成 分 として 造 立 されているので 多 勢 の 方 と 一 体 となる 佛 様 のお 姿 があり がたい 将 来 まで 安 心 であるなど また 参 拝 される 方 々は そのお 顔 の 中 に 亡 き 方 の 面 影 を 見 ることが 出 来 るともいわれている このようなシステムは 死 後 処 理 として 合 理 性 ( 骨 の 粉 末 処 理 )と 宗 教 的 な 安 心 感 を 持 た せていて 現 代 の 共 同 墓 の 認 識 に 通 じるものでもある 明 治 時 代 より 続 いてきているとは 驚 きである 伝 統 的 な 墓 制 にはしっくりしない 人 々の 終 の 棲 家 として 現 代 人 にも 支 持 されている ようである 注 1) 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 http://www.ipss.go.jp/ 2) 墓 地 埋 葬 等 に 関 する 法 律 第 2 条 4,5 項 3) 墓 地 埋 葬 等 に 関 する 法 律 第 10 条 より 第 18 条 4) 横 田 睦 お 博 士 のお 墓 と 葬 儀 のお 金 のはなし 光 文 社 2003 年 3 月 p.170 5) 厚 生 労 働 省 1998 年 第 10 回 これからの 墓 地 の 在 り 方 を 考 える 懇 談 会 では 営 利 を 目 的 とする 企 業 にも 開 放 が 論 じられている 6) 厚 生 労 働 省 2000 年 12 月 生 衛 発 第 1764 号 http://www.mhlw.go.jp/ 7) 墓 所 面 積 を 全 墓 地 面 積 の 3 分 に 1 以 下 にとする 1 墓 所 の 面 積 は 4 m2 以 上 とすることを などが 定 められている 現 在 効 力 は 失 効 されていると 解 せられるが 多 くの 自 治 体 では 墓 地 許 可 に 際 して 考 慮 されている 各 自 治 体 の 条 例 には 充 分 に 考 慮 すべきと 盛 り 込 まれ ている 当 時 公 園 の 面 積 が 都 市 に 少 なく 墓 地 開 発 に 際 し 公 園 を 設 けることにより 都 市 の 公 園 面 積 の 拡 大 を 期 待 したものと 言 われている 8) 横 田 睦 お 博 士 のお 墓 と 葬 儀 のお 金 のはなし 光 文 社 2003 年 3 月 p.181~p.193 9) 大 阪 市 市 政 モニターアンケート 2002 年 11 月 13 日 ~19 日 の 間 600 人 を 対 象 にした 電 話 アンケート 調 査 543 人 90.5%からの 回 答 http://www.city.osaka.jp/ 10)もやいの 会 http://haka.co.jp/ 単 に 死 後 眠 るところを 提 供 する 場 でなく 仲 間 づくり 23

縁 づくり を 具 体 化 しています 無 縁 になったお 骨 をどうするか? ということだけ でなく 生 前 に 死 後 の 住 みかを 共 にする 仲 間 作 りを 通 じ お 墓 を 中 心 としたネット ワーク 作 りを 目 指 しています 11) 田 代 尚 嗣 お 墓 のすべてがわかる 本 新 星 出 版 社 2006 年 4 月 p.21 12) 杉 村 和 美 建 てるお 墓 継 ぐお 墓 小 学 館 2005 年 9 月 p.141 13) 杉 村 和 美 建 てるお 墓 継 ぐお 墓 小 学 館 2005 年 9 月 p.145 14) 千 葉 祖 啓 堂 http://www.chiba-sokeidou.ecnet.jp 15) 横 田 睦 お 博 士 のお 墓 と 葬 儀 のお 金 のはなし 光 文 社 2003 年 3 月 p.203~p.207 16)IBPC 大 阪 日 本 のマーケット 情 報 http://www.ibpcosaka.or.jp/ 17) 田 代 尚 嗣 お 墓 のすべてがわかる 本 新 星 出 版 社 2006 年 4 月 p.122~p.132 18)IBPC 大 阪 日 本 のマーケット 情 報 http://www.ibpcosaka.or.jp/ 19) 一 心 寺 http://isshinji.or.jp/ 参 考 文 献 インデックス 編 著 全 国 優 良 霊 園 石 材 店 ガイド 東 日 本 西 日 本 総 合 版 インデックス 2007 年 3 月 杉 村 和 美 建 てるお 墓 継 ぐお 墓 小 学 館 2005 年 9 月 田 代 尚 嗣 お 墓 のすべてがわかる 本 新 星 出 版 社 2006 年 4 月 横 田 睦 お 博 士 のお 墓 と 葬 儀 のお 金 のはなし 光 文 社 2003 年 3 月 厚 生 労 働 省 1998 年 第 10 回 これからの 墓 地 の 在 り 方 を 考 える 懇 談 会 墓 地 埋 葬 等 に 関 する 法 律 朝 日 新 聞 日 本 経 済 新 聞 毎 日 新 聞 読 売 新 聞 一 心 寺 http://isshinji.or.jp/ IBPC 大 阪 日 本 のマーケット 情 報 http://www.ibpcosaka.or.jp/ 大 阪 市 http://www.city.osaka.jp/ 国 土 交 通 省 http://www.mlit.go.jp/ 厚 生 労 働 省 2000 年 12 月 生 衛 発 第 1764 号 http://www.mhlw.go.jp/ 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 http://www.ipss.go.jp/ 千 の 風 みらい 園 http://miraien.jp/ 天 徳 寺 http://www5f.biglobe.ne.jp/ 東 京 都 霊 園 条 例 施 行 規 則 http://www.reiki.metro.tokyo.jp/ 長 倉 山 知 勝 院 http://jumokuso.jp/ もやいの 会 http://haka.co.jp/ 24