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Transcription:

平 成 20 年 度 観 光 の 状 況 第 Ⅰ 部 観 光 政 策 の 新 たな 展 開 第 1 章 観 光 を 巡 る 国 際 情 勢 と 政 府 を 挙 げた 観 光 政 策 の 推 進 第 1 節 観 光 庁 の 発 足 平 成 18 年 12 月 の 観 光 立 国 推 進 基 本 法 の 成 立 平 成 19 年 6 月 の 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 の 閣 議 決 定 等 観 光 立 国 の 実 現 が 21 世 紀 の 我 が 国 経 済 社 会 の 発 展 のために 不 可 欠 な 国 家 的 課 題 とされているところ 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 の 目 標 を 達 成 し 観 光 立 国 を 実 現 するためには 関 係 省 庁 との 連 携 調 整 を 強 化 して 政 府 を 挙 げて 総 合 的 かつ 計 画 的 に 観 光 立 国 の 実 現 に 向 けた 施 策 を 推 進 する 必 要 がある そこで 機 能 的 かつ 効 果 的 な 業 務 の 遂 行 を 可 能 とする 体 制 を 整 本 保 初 代 観 光 庁 長 官 ( 左 )と 金 子 国 土 交 通 大 臣 観 光 立 国 担 当 大 臣 ( 右 )による 除 備 するとともに 観 光 行 政 の 責 任 を 有 する 組 織 を 明 確 化 するため 幕 式 平 成 20 年 10 月 1 日 に 国 土 交 通 省 の 外 局 として 観 光 庁 が 発 足 した 観 光 庁 では 訪 日 外 国 人 旅 行 者 日 本 人 海 外 旅 行 者 双 方 向 の 国 際 観 光 交 流 の 促 進 や 国 際 会 議 の 誘 致 促 進 宿 泊 を 伴 う 滞 在 型 観 光 のための 観 光 圏 の 整 備 の 促 進 等 に 取 り 組 み 観 光 立 国 の 実 現 を 目 指 していくこ ととしている また 観 光 立 国 の 実 現 に 向 けた 取 組 みが 効 果 的 に 進 められるよう 当 面 の 目 標 や 具 体 的 な 施 策 及 びスケジ ュールを 示 した 観 光 庁 アクションプラン を 策 定 した 第 2 節 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 とその 推 進 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 では 観 光 立 国 の 実 現 に 関 する 施 策 についての 基 本 的 な 方 針 や 1 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 を 平 成 22 年 までに 1,000 万 人 にする 2 日 本 人 の 海 外 旅 行 者 数 を 平 成 22 年 までに 2,000 万 人 にする 3 国 内 における 観 光 旅 行 消 費 額 を 平 成 22 年 度 までに 30 兆 円 にする 4 日 本 人 の 国 内 観 光 旅 行 に よる 一 人 当 たりの 宿 泊 数 を 平 成 22 年 度 までに 年 間 4 泊 にする 5 我 が 国 における 国 際 会 議 の 開 催 件 数 を 平 成 23 年 までに 5 割 以 上 増 やす などの 目 標 を 掲 げるとともに その 達 成 のために 必 要 な 施 策 等 を 定 めてい る 今 後 も 観 光 庁 を 中 心 に 政 府 一 丸 となって 観 光 立 国 の 実 現 に 向 けた 施 策 を 総 合 的 かつ 計 画 的 に 実 施 し ていくこととしている - 1 -

観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 における 観 光 立 国 実 現 のための5つの 目 標 第 2 章 観 光 立 国 の 実 現 に 向 けた 重 点 課 題 と 戦 略 的 取 組 第 1 節 国 民 の 観 光 旅 行 の 現 状 1. 国 民 の 観 光 旅 行 の 現 状 近 年 わが 国 における 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 や 海 外 旅 行 者 数 は 伸 び 悩 む 状 況 にあるが 今 後 の 少 子 高 齢 社 会 において 活 力 に 満 ちた 地 域 社 会 を 実 現 するとともに 国 際 相 互 理 解 の 増 進 や 諸 外 国 の 期 待 に 応 えていくた めには 我 が 国 において 観 光 による 交 流 人 口 を 拡 大 していくことが 重 要 である このため 国 民 の 観 光 旅 行 の 動 向 と 旅 行 行 動 に 影 響 を 与 える 要 因 について 分 析 を 行 うとともに 国 民 の 観 光 旅 行 の 促 進 に 向 けた 課 題 の 検 証 を 行 う - 2 -

(1) 国 内 旅 行 の 現 状 1 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 推 移 国 民 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 推 移 を 見 ると 国 民 1 人 当 たりの 旅 行 回 数 宿 泊 数 ともに 平 成 3 年 をピーク に 減 少 傾 向 にある( ) 平 成 20 年 度 においては 国 民 1 人 当 たりの 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 1.55 回 国 内 観 光 旅 行 宿 泊 数 は 2.44 泊 と 推 計 され 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 に 定 められた 国 民 の 国 内 観 光 旅 行 による1 人 当 たりの 宿 泊 数 を 平 成 22 年 度 までに 年 間 4 泊 にするという 目 標 に 対 して 約 6 割 の 水 準 に 低 迷 している 2 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 分 析 平 成 15 年 度 から 平 成 19 年 度 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 推 移 を 見 ると 国 民 1 人 当 たりでは 平 成 17 年 度 に 1.77 回 となったものの 平 成 19 年 度 には 1.50 回 まで 低 下 している 年 代 別 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 特 徴 を 見 ると 20 歳 代 から 50 歳 代 は ほぼ 平 均 より 低 い 水 準 にある 60 歳 代 は 平 均 を 常 に 上 回 り 平 均 回 数 を 牽 引 していたが 平 成 19 年 度 に 大 きく 落 ち 込 み 平 均 を 押 し 下 げる 結 果 となった 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 は 観 光 レクリエーションを 主 目 的 とするものを 対 象 とし 出 張 業 務 や 帰 省 知 人 訪 問 及 びそれらを 主 目 的 とした 兼 観 光 は 含 まない - 3 -

(2) 海 外 旅 行 の 現 状 1 全 体 の 推 移 近 年 の 海 外 旅 行 者 数 の 推 移 を 見 ると 平 成 12 年 に 過 去 最 高 となる 約 1,782 万 人 を 記 録 した 後 同 時 多 発 テロ( 平 成 13 年 ) SARSの 発 生 ( 平 成 15 年 ) 等 により 大 きく 落 ち 込 んだ 平 成 20 年 の 日 本 人 の 海 外 旅 行 者 数 は 約 1,599 万 人 であり 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 に 定 められた 国 民 の 海 外 旅 行 者 数 を 平 成 22 年 ま でに 2,000 万 人 にするという 目 標 に 対 して 約 8 割 の 水 準 にとどまっている 2 海 外 旅 行 者 の 出 国 率 の 分 析 出 国 率 の 推 移 を 年 齢 階 層 別 に 見 ると 各 年 代 とも 平 成 12 年 までは 漸 増 傾 向 にあった 後 同 時 多 発 テロ SARSの 発 生 等 により 大 きく 落 ち 込 んだ 平 成 16 年 からは 増 加 に 転 じ ほとんどの 年 代 が 平 成 12 年 の 水 準 まで 回 復 したが 20 歳 代 は 平 成 12 年 の 約 85%にとどまっている また 平 成 12 年 と 平 成 19 年 の 出 国 率 を 年 齢 区 分 ごとに 見 ると 20 歳 代 から 30 歳 代 前 半 で 大 きく 減 少 していることが 分 かる 20 歳 代 の 出 国 率 を 男 女 別 に 見 ると 特 に 女 性 の 出 国 率 が 落 ち 込 んでいる - 4 -

2. 国 内 旅 行 に 関 する 動 向 と 課 題 (1) 分 析 対 象 の 設 定 1.(1)で 見 たように 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 が 低 迷 する 状 況 が 続 いていることを 踏 まえ 国 民 の 国 内 旅 行 の 動 向 に 影 響 を 与 える 要 因 を 検 証 するため 年 齢 人 口 規 模 家 族 構 成 等 により 以 下 の 対 象 を 設 定 し 平 成 20 年 度 日 本 人 の 旅 行 行 動 に 関 する 実 態 調 査 等 に 基 づき 対 象 ごとに 現 状 と 課 題 の 分 析 を 行 った 国 土 交 通 省 観 光 庁 平 成 20 年 度 日 本 人 の 旅 行 行 動 に 関 する 実 態 調 査 の 概 要 調 査 実 施 期 間 : 平 成 21 年 2 月 26~29 日 調 査 方 法 :インターネット 調 査 (パネル 調 査 ) 調 査 対 象 及 び 回 収 状 況 : 調 査 は 全 国 18,278 名 を 対 象 に 実 施 また 対 象 のうち 5 年 前 と 比 較 した 国 内 宿 泊 旅 行 回 数 が 0~3 回 で 変 わらない 又 は 5 年 前 と 比 較 した 国 内 宿 泊 旅 行 回 数 が 減 少 した と 回 答 した 大 学 生 20~34 歳 社 会 人 ( 子 供 はいない) 小 学 生 の 子 供 を 持 つ 親 について それぞれ 1,030 名 ( 合 計 3,090 名 )を 抽 出 し 追 加 調 査 を 実 施 1 若 年 層 ( ) 国 内 旅 行 海 外 旅 行 双 方 について 男 性 女 性 それぞれの 傾 向 が 異 なっている 層 である また 今 後 は 家 族 旅 行 の 実 施 主 体 となるなど その 子 供 への 影 響 を 含 め 中 長 期 的 な 国 内 旅 行 の 動 向 に 大 きな 影 響 を 与 えると 考 えられる 20~29 歳 と 設 定 人 口 規 模 は 約 1,520 万 人 で 全 人 口 に 占 める 比 率 は 約 12.1%である - 5 -

2 家 族 層 ( ) ( 財 ) 日 本 交 通 公 社 旅 行 者 動 向 2008 によると 国 内 旅 行 に 占 める 家 族 旅 行 の 割 合 は 平 成 19 年 で 46.2%と 最 も 大 きい 家 族 旅 行 の 内 訳 を 見 ると 小 学 生 連 れ 家 族 旅 行 の 割 合 が 43.7%と 最 も 大 きく 国 内 観 光 旅 行 全 体 の 約 2 割 を 占 めていると 考 えられる また 家 族 旅 行 を 通 じた 子 供 の 旅 行 経 験 は 将 来 的 な 国 内 旅 行 の 動 向 に 大 きな 影 響 を 与 えると 考 えられる 小 学 生 の 子 供 のいる 世 帯 と 設 定 3 団 塊 世 代 及 び 60 歳 代 ( 以 下 団 塊 世 代 等 という) 60 歳 代 の 平 成 19 年 度 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 年 代 ごとの 比 較 で 最 も 多 い 1.86 回 ( 国 民 一 人 当 たり 1.50)であり 国 民 全 体 の 旅 行 回 数 を 牽 引 する 層 となっている また 平 成 19 年 からは 団 塊 世 代 ( 昭 和 22 年 から 24 年 生 まれ )が 順 次 60 代 に 達 しており 定 年 による 余 暇 時 間 の 増 大 が 今 後 の 旅 行 回 数 を 押 し 上 げることが 期 待 される 総 務 省 平 成 17 年 国 勢 調 査 によると 団 塊 世 代 の 人 口 は 約 674 万 人 で 全 人 口 の 5.4% 60~69 歳 の 人 口 は 約 1,590 万 人 で 全 人 口 に 占 める 割 合 は 約 12.6%である (2) 若 年 層 の 国 内 旅 行 に 関 する 動 向 と 課 題 1 国 内 旅 行 の 現 状 平 成 15 年 度 から 平 成 19 年 度 の 若 年 層 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 男 性 の 旅 行 回 数 が 少 なく 女 性 が 多 いという 傾 向 が 続 いている 年 代 別 男 女 別 の 比 較 では 男 性 の 旅 行 回 数 が 最 も 少 なく 女 性 の 旅 行 回 数 が 最 も 多 い 結 果 となっている - 6 -

若 年 層 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 を 20 歳 代 前 半 後 半 に 分 けて 見 ると 0 回 (1 年 間 ( )に1 度 も 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 に 行 っていない)の 割 合 は 20 歳 代 前 半 で 41.3% 20 歳 代 後 半 で 34.1%となっている また 5 年 前 と 現 在 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 を 比 較 すると 0 回 の 割 合 は この5 年 間 において 20 歳 代 前 半 で 7.8% 20 歳 代 後 半 で 14.1% 増 加 しており 回 数 別 での 増 加 幅 が 最 も 大 きくなっている 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 同 行 者 を 男 女 別 に 見 ると 男 性 の 同 行 者 としては 友 人 ( 学 校 職 場 ) (50.5%) を 挙 げるものが 最 も 多 く 次 に 多 い 1 人 で (37.3%)は 女 性 (18.4%)の2 倍 以 上 の 回 答 割 合 となって いる また 女 性 の 同 行 者 では 家 族 ( 親 ) (48.0%)を 挙 げるものが 最 も 多 く その 回 答 割 合 は 男 性 に 比 べ 約 20%も 多 い 2 旅 行 行 動 に 影 響 を 与 える 要 因 国 内 宿 泊 旅 行 回 数 の 減 少 理 由 について 若 年 層 を 大 学 生 と 社 会 人 のグループに 分 けて 見 てみる と お 金 に 余 裕 がなくなって と 経 済 面 の 理 由 を 挙 げる 回 答 が 大 学 生 (47.4%) 社 会 人 (52.1%)ともに 最 も 多 く その 詳 細 を 見 ると 所 得 や 仕 送 りが 減 った ことに 次 いで 貯 蓄 に 回 すようになった とい う 回 答 が 多 くなっており 若 年 層 において 消 費 に 充 てる 資 金 の 割 合 を 減 らしていることが 推 察 される また 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 減 少 理 由 として 休 暇 が 減 って という 時 間 面 を 挙 げる 回 答 が 特 に 社 会 人 (44.7%)に 多 い 社 会 人 においては 一 緒 に 行 っていた 友 達 と 休 日 が 重 ならなくなって という 回 答 も 多 く 休 暇 の 減 少 に 伴 い 同 行 者 と 旅 行 の 日 程 等 を 合 わせにくくなっていることが 考 えられる - 7 -

3 国 内 旅 行 の 実 施 動 機 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 に 出 かける きっかけ について 上 位 3つの 回 答 を 見 ると 大 学 生 については 誘 いがあると (52.5%)が 最 も 多 く 行 きたいところが 見 つかると (50.7%) 資 金 ができると (43.0%) が 続 く 社 会 人 については 行 きたいところが 見 つかると (55.3%)が 最 も 多 く 資 金 ができると (41.6%) 時 間 に 余 裕 があると (39.5%)と 続 いている 大 学 生 と 社 会 人 の きっかけ を 比 較 すると 大 学 生 については 誘 いがあると とが 社 会 人 より 約 14% 多 く 社 会 人 では 日 常 から 離 れてリフレッシュしたくなると という 回 答 が 大 学 生 より 約 15% 多 い 国 内 宿 泊 旅 行 に 出 かけるきっかけ( 若 年 層 ) - 8 -

4 今 後 の 旅 行 実 施 に 対 する 意 向 今 後 の 国 内 旅 行 実 施 に 対 する 意 向 について 見 ると 旅 行 回 数 を 増 やしたいという 回 答 が 大 学 生 で 55.6% 社 会 人 で 62.0%を 占 め 若 年 層 において 半 数 以 上 がもっと 旅 行 に 行 きたいと 考 えていることが 分 かる また 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 回 数 別 に 見 ると 最 近 1 年 間 の 国 内 宿 泊 旅 行 回 数 が1 回 以 上 の 場 合 には 大 学 生 社 会 人 ともに 旅 行 回 数 を 増 やしたいという 回 答 が 6~7 割 程 度 を 占 めている 一 方 0 回 の 場 合 には 旅 行 回 数 を 増 やしたいという 回 答 が 大 学 生 (40.1%) 社 会 人 (48.9%)ともに5 割 に 満 たない 特 に 大 学 生 の3 割 以 上 が 旅 行 回 数 を 増 やしたくないと 回 答 しており 旅 行 に 行 く 層 と 行 かない 層 への 二 極 化 等 将 来 的 な 国 内 旅 行 の 動 向 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 がある 旅 行 回 数 の 増 加 意 向 ( 大 学 生 ) - 9 -

旅 行 回 数 の 増 加 意 向 ( 社 会 人 ) 5 今 後 の 取 組 の 方 向 性 前 述 のように 若 年 層 については 20 代 男 性 における 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 低 迷 が 顕 著 であることや 旅 行 に 全 く 行 かない 層 が 増 加 していることなどが 明 らかになっている しかしながら 若 年 層 の 半 数 以 上 は 国 内 旅 行 の 回 数 を 増 やしたいと 考 えていることから 多 様 な 視 点 を 持 つ 若 年 層 のニーズに 応 じた 取 組 みを 進 めていくことが 必 要 である 例 えば 若 年 層 が 今 後 の 生 活 で 重 点 を 置 きたい 分 野 として 所 得 収 入 資 産 貯 蓄 等 の 経 済 面 の ほか 自 己 啓 発 能 力 向 上 を 挙 げるものが 多 くなっており このような 若 年 層 のニーズに 対 応 するため に 体 験 型 旅 行 等 の 知 識 や 教 養 を 高 めることに 効 果 のある 旅 行 等 を 促 進 していくことや 物 見 遊 山 レジ ャーといった 観 光 に 対 するイメージそのものを 変 えていくことが 重 要 であると 考 えられる また 特 に 大 学 生 については グループ 活 動 等 に 旅 行 を 組 み 込 み 働 きかけや 若 年 層 が 魅 力 を 感 じる 旅 行 コンテンツの 開 発 等 社 会 人 については 有 給 休 暇 の 取 得 を 促 進 する 環 境 整 備 等 それぞれのニーズに 合 っ た 対 応 が 求 められる (3) 家 族 層 の 国 内 旅 行 に 関 する 動 向 と 課 題 1 国 内 旅 行 の 現 状 家 族 層 における 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 回 数 は 平 成 19 年 度 で 1.56 回 となっており 国 民 全 体 の 1.50 回 と 同 程 度 の 水 準 となっている - 10 -

N=1030 5 年 前 と 現 在 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 を 比 較 すると 0 回 (1 年 間 に 一 度 も 宿 泊 旅 行 に 行 っていない) の 割 合 は 28.1%で この5 年 間 で 15.0% 増 加 しており 旅 行 実 施 率 が 低 下 していることが 分 かる 2 旅 行 行 動 に 影 響 を 与 える 要 因 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 減 少 理 由 について 見 ると 若 年 層 と 同 様 に お 金 に 余 裕 がなくなって (76.6%) という 経 済 面 を 挙 げる 回 答 が 最 も 多 くなっており その 内 訳 で 最 も 多 いのは 教 育 費 が 増 えた (61.2%) である また 経 済 面 以 外 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 の 減 少 理 由 として 子 供 と 休 日 が 重 ならなくなって (35.4%) という 時 間 面 を 挙 げる 回 答 が 多 くなっており 親 子 の 休 日 が 合 わず 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 に 行 きにくくなっ ていることが 考 えられる - 11 -

3 今 後 の 旅 行 実 施 に 対 する 意 向 今 後 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 実 施 に 対 する 意 向 を 見 ると 子 供 との 旅 行 回 数 を 増 やしたいという 回 答 が 86.8% を 占 めており 家 族 層 における 旅 行 回 数 の 増 加 意 向 が 非 常 に 強 いことが 分 かる 4 今 後 の 取 組 の 方 向 性 国 内 観 光 旅 行 市 場 において 最 大 のシェアを 占 める 家 族 層 は 今 後 の 旅 行 回 数 を 増 やしたいという 意 向 を 強 く 持 っているが 教 育 費 等 の 増 加 や 所 得 の 減 少 により 経 済 的 余 裕 を 持 ちにくいことや 小 学 生 の 子 供 と 親 の 休 暇 を 合 わせにくいこと 等 が 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 実 施 に 影 響 を 及 ぼしていることが 推 察 される しかしながら 親 の 子 供 時 代 の 旅 行 の 経 験 印 象 が 肯 定 的 である 程 親 になった 時 に 家 族 旅 行 をより 多 く 実 施 する 傾 向 があることから 子 供 にとって 有 意 義 な 家 族 旅 行 を 促 進 することは 将 来 的 な 家 族 旅 行 の 振 興 のために 重 要 な 取 組 であると 考 えられる このようなニーズに 対 応 するため 利 用 しやすい 価 格 帯 の 旅 行 商 品 の 開 発 等 により 家 族 旅 行 に 要 する 費 用 を 軽 減 するとともに 年 次 有 給 休 暇 の 取 得 の 促 進 学 校 休 業 の 多 様 化 柔 軟 化 等 の 取 組 を 通 じ 家 族 旅 行 をしやすい 環 境 の 整 備 を 進 めることが 必 要 である また 家 族 それぞれの 旅 行 に 対 するニーズにきめ 細 かく 対 応 できる 観 光 地 づくりや 旅 行 商 品 の 開 発 が 期 待 される - 12 -

(4) 団 塊 世 代 等 の 旅 行 行 動 に 関 する 動 向 と 課 題 1 国 内 旅 行 の 現 状 60 歳 代 の 平 成 19 年 度 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 1.86 回 ( 男 性 1.91 回 女 性 1.81 回 )であり 国 民 1 人 当 たり(1.50 回 )よりも 0.36 回 多 く 各 年 代 との 比 較 でも 最 も 高 い 水 準 となっている 一 方 旅 行 回 数 の 変 化 を 見 ると 60 歳 代 の 平 成 19 年 度 の 旅 行 回 数 は 対 前 年 度 比 で 0.33 回 (15.0%) 減 少 しており 各 年 代 の 中 で 最 も 大 きな 減 少 幅 となっている 2 旅 行 行 動 に 影 響 を 与 える 要 因 団 塊 世 代 等 については 退 職 後 現 在 の 退 職 世 代 よりも 余 暇 活 動 を 拡 大 することが 予 想 され 国 内 旅 行 市 場 を 牽 引 する 層 として 期 待 されているが 団 塊 世 代 の 一 部 が 初 めて 60 歳 代 となった 平 成 19 年 度 におけ る 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 前 述 のとおり 大 きく 減 少 している 団 塊 世 代 等 の 旅 行 回 数 が 期 待 に 反 して 伸 び 悩 む 状 況 については 様 々な 角 度 からの 分 析 が 必 要 であるが 経 済 的 要 因 としては 将 来 に 対 する 不 安 や 資 産 価 値 の 低 下 から 貯 蓄 意 欲 が 強 まる 一 方 で 消 費 意 欲 の 盛 り 上 がりに 欠 けることが 考 えられる また 時 間 的 要 因 としては 定 年 延 長 を 実 施 する 企 業 の 増 加 等 により 団 塊 世 代 等 の 余 暇 時 間 が 伸 び 悩 んでいることが 挙 げられる - 13 -

3 今 後 の 取 組 の 方 向 性 一 般 的 に 定 年 を 迎 えるものが 多 くなる 60 歳 代 は 退 職 後 に 余 暇 活 動 を 拡 大 することが 期 待 されているが 前 述 のとおり 平 成 19 年 度 には 60 歳 代 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 が 大 きく 落 ち 込 んでいる しかしながら 団 塊 世 代 等 は 貯 蓄 現 在 高 が 高 く 定 年 延 長 が 行 われたとしてもいずれは 退 職 者 となる ことから 国 内 旅 行 の 主 要 な 実 施 主 体 として 旅 行 需 要 を 牽 引 することが 期 待 されている このような 団 塊 世 代 等 の 国 内 旅 行 を 促 進 するためには 退 職 後 は 余 暇 時 間 が 増 大 することを 踏 まえ 滞 在 型 の 旅 行 平 日 旅 行 等 に 対 応 した 観 光 地 づくりに 取 り 組 むとともに 団 塊 世 代 等 の 国 内 旅 行 に 対 する 満 足 度 を 高 め リピート 需 要 を 喚 起 していくこと 等 が 必 要 であると 考 えられる また 定 年 後 に 増 加 すると 考 えられる 夫 婦 旅 行 に 対 応 した 旅 行 商 品 の 開 発 等 が 期 待 される 国 内 旅 行 の 主 要 な 交 通 手 段 は 自 家 用 車 であるが 団 塊 世 代 等 については 加 齢 に 伴 い 自 家 用 車 による 旅 行 が 困 難 になると 考 えられることから ユニバーサルデザインの 考 え 方 に 基 づく 交 通 機 関 の 整 備 や 旅 行 商 品 の 開 発 など 旅 行 しやすい 環 境 の 整 備 をより 一 層 進 めていくことが 必 要 である - 14 -

3. 海 外 旅 行 に 関 する 動 向 と 課 題 (1) 海 外 旅 行 及 び 国 内 旅 行 に 対 する 志 向 日 本 人 の 海 外 旅 行 と 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 実 施 率 (1 年 回 に 1 回 以 上 旅 行 に 行 った 人 の 割 合 )を 比 較 すると 2008 年 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 実 施 率 が 68.7%であるのに 対 し 2008 年 の 海 外 旅 行 の 実 施 率 は 16.8%にとどま っている 旅 行 実 施 率 に 差 が 生 じる 主 な 要 因 としては 海 外 旅 行 は 一 般 的 に 国 内 旅 行 より 旅 行 費 用 が 高 く 旅 行 期 間 も 長 くなること 等 が 考 えられる 一 方 で 旅 行 実 施 の 際 に 国 内 旅 行 と 海 外 旅 行 を 比 較 検 討 するかという 点 については 約 8 割 が 国 内 旅 行 と 海 外 旅 行 は 別 のものなので 比 較 検 討 しない と 考 えており 単 純 な 国 内 旅 行 との 比 較 ではなく 海 外 旅 行 の 特 性 に 応 じた 分 析 が 必 要 である また 国 内 旅 行 と 海 外 旅 行 は 別 のものなので 比 較 検 討 しない とする 層 について 国 内 旅 行 と 海 外 旅 行 に 対 する 志 向 を 見 ると 約 85%の 回 答 は 今 は 国 内 旅 行 中 心 としているが 今 後 は 海 外 旅 行 も 考 えたい とする 回 答 も 約 7 割 (68.8%)あることから 海 外 旅 行 に 対 しても 強 い 関 心 が 存 在 することが 考 えられる (2) 海 外 旅 行 の 実 施 に 影 響 を 与 える 要 因 ( 社 ) 日 本 旅 行 業 協 会 若 者 の 海 外 旅 行 意 識 調 査 によると 海 外 旅 行 を 否 定 する 要 因 としては 価 値 が あるのかわからない 環 境 の 変 化 に 対 応 するのが 面 倒 等 が 上 位 に 挙 げられており また 海 外 旅 行 に 行 きた いと 思 っている 時 の 不 満 要 因 は 旅 行 代 金 は 高 すぎる 海 外 旅 行 の 旅 行 代 金 はわかりにくい 等 の 経 済 的 要 因 が 挙 げられている - 15 -

1 海 外 旅 行 の 実 施 に 影 響 を 与 える 経 済 的 要 因 海 外 旅 行 の 実 施 回 数 と 世 帯 年 収 の 関 係 について 見 ると 世 帯 年 収 400 万 円 を 境 に 旅 行 実 施 の 有 無 に 大 き な 違 いが 生 じている また 2 回 以 上 海 外 旅 行 を 経 験 しているものの 割 合 は 世 帯 年 収 が 高 くなるほど 増 加 している 2 今 後 の 海 外 旅 行 の 実 施 意 向 海 外 旅 行 の 未 経 験 者 のうち 2010 年 末 まで 海 外 旅 行 に 行 く おそらく 行 く と 回 答 した 割 合 (17.0%) は 海 外 旅 行 の 経 験 者 の 回 答 割 合 (45.4%)の 半 分 にも 達 しておらず 海 外 旅 行 については 経 験 の 有 無 により 海 外 旅 行 の 実 施 意 向 に 大 きな 違 いが 生 じていることわかる (3) 海 外 旅 行 の 促 進 に 向 けた 方 向 性 海 外 旅 行 を 計 画 するきっかけについて 見 ると 20 歳 代 及 び 30 歳 代 前 半 の 大 学 生 社 会 人 においては 資 金 ができると という 経 済 的 要 因 を 挙 げるものが 最 も 多 く 時 間 に 余 裕 ができると 誘 いがあると リ フレッシュしたくなると といった 時 間 的 心 理 的 要 因 が 続 いている また 海 外 旅 行 には 関 心 がないため 計 画 しない という 回 答 が 約 3 割 を 占 めており 国 内 旅 行 ( 同 5%)に 比 べ そもそも 検 討 の 対 象 として 認 識 していない 者 が 多 いことがわかる 前 述 のように 海 外 旅 行 については その 経 験 の 有 無 が 海 外 旅 行 の 実 施 意 向 に 大 きな 影 響 を 与 えていると 考 えられることから 特 に20 歳 代 から30 歳 代 前 半 の 男 女 の 出 国 率 が 減 少 傾 向 にあることを 念 頭 に 置 きつつ 国 民 の 海 外 への 関 心 を 高 めるための 取 組 みを 一 層 進 めていくことが 必 要 である - 16 -

( 注 ) 観 光 庁 平 成 20 年 度 日 本 人 の 旅 行 行 動 の 実 態 に 関 するアンケート 調 査 による 第 2 節 訪 日 外 国 人 2,000 万 人 時 代 の 実 現 へ- もてなしの 心 によるあこがれの 国 づくり - 平 成 21 年 3 月 観 光 立 国 推 進 戦 略 会 議 ( 座 長 : 牛 尾 治 朗 ウシオ 電 機 ( 株 ) 代 表 取 締 役 会 長 )において 2020 年 訪 日 外 国 人 2,000 万 人 の 実 現 に 向 け 海 外 プロモーション( 日 本 ブランドの 確 立 ) 受 入 体 制 の 整 備 国 際 会 議 等 の 誘 致 の3つを 施 策 の 柱 とする 提 言 訪 日 外 国 人 2,000 万 人 時 代 の 実 現 へ- もてな しの 心 によるあこがれの 国 づくり - がとりまとめられた 2020 年 に 訪 日 外 国 人 2,000 万 人 を 実 現 するためには この 提 言 を 踏 まえ 政 府 内 部 はもとより 地 方 自 治 体 民 間 企 業 等 のあらゆる 関 係 者 と 連 携 しながら 一 丸 となって 次 のような 取 組 みを 進 めていくことが 必 要 である 世 界 に 誇 るべき 高 質 な 生 活 環 境 洗 練 された 文 化 芸 術 食 等 我 が 国 の 魅 力 の 多 様 性 を 日 本 ブラ ンド の 核 として 位 置 付 け 中 国 韓 国 台 湾 等 12 の 国 地 域 に 対 しプロモーションを 強 化 するとと もに 訪 日 旅 行 需 要 の 増 加 が 見 込 まれるインド ロシア マレーシア 等 の 新 興 市 場 に 対 象 を 拡 大 する 十 分 な 経 済 力 を 有 する 中 国 人 を 対 象 とする 添 乗 員 なしの 個 人 観 光 ビザ の 実 現 等 観 光 客 へのビザ 発 給 要 件 の 緩 和 入 国 審 査 待 ち 時 間 の 短 縮 公 共 交 通 機 関 等 における 外 国 語 表 示 の 充 実 宿 泊 施 設 におけ る 外 国 人 受 入 体 制 の 充 実 など 訪 日 外 国 人 の 受 入 体 制 を 整 備 することにより もてなし の 国 を 実 現 す る 国 際 会 議 誘 致 開 催 施 策 の 対 象 を 狭 義 の 国 際 会 議 (Convention)から 文 化 スポーツイベント 展 示 会 見 本 市 等 を 含 む 広 義 の 国 際 会 議 (MICE) 全 般 に 拡 大 する MICE:Meeting, Incentive(Travel), Convention, Event/Exhibition の 頭 文 字 - 17 -

第 Ⅱ 部 平 成 20 年 度 の 観 光 の 状 況 及 び 施 策 第 1 章 観 光 の 現 状 第 1 節 国 民 の 観 光 の 動 向 1 国 民 の 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 動 向 (1) 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 概 況 平 成 20 年 度 における 国 民 1 人 当 たりの 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 回 数 は 1.55 回 と 推 計 され 対 前 年 度 比 で 3.3% 増 となっている また 国 民 1 人 当 たりの 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 宿 泊 数 は 2.44 泊 と 推 計 され 対 前 年 度 比 0.8% 増 となっている 国 内 宿 泊 観 光 旅 行 の 回 数 及 び 宿 泊 数 の 推 移 (2) 宿 泊 の 概 況 平 成 19 年 1 月 より1 全 国 統 一 基 準 により 2すべての 都 道 府 県 を 対 象 に 3 従 業 者 数 10 人 以 上 のホテ ル 旅 館 及 び 簡 易 宿 所 のすべての 宿 泊 者 数 等 を 調 査 する 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 ( 承 認 統 計 ) を 開 始 した こ の 調 査 結 果 によると 平 成 20 年 1 月 から 12 月 における 延 べ 宿 泊 者 数 は 全 体 で 3 億 615 万 人 泊 であり こ のうち 日 本 人 延 べ 宿 泊 者 数 は 全 体 で 2 億 8,387 万 人 泊 であった これを 月 別 に 見 ると 8 月 が 3117 万 人 と 一 番 多 く 1 月 が 2,067 万 人 と 一 番 少 なくなっている また 8 月 以 降 は 景 気 減 速 の 影 響 を 受 けて 対 前 年 同 期 比 5 ヶ 月 連 続 でのマイナスとなっている - 18 -

月 別 日 本 人 延 べ 宿 泊 者 数 ( 平 成 20 年 ) 2 国 民 の 海 外 旅 行 の 動 向 (1) 海 外 旅 行 者 数 の 推 移 平 成 20 年 の 海 外 旅 行 者 数 は 約 1,599 万 人 となった 燃 油 サーチャージの 値 上 げや 世 界 的 な 景 気 減 速 の 影 響 を 受 けて 全 体 的 に 伸 び 悩 み 前 年 に 比 べると 約 131 万 人 減 少 し 対 前 年 比 7.6% 減 であった 日 本 人 の 海 外 旅 行 者 数 の 推 移 - 19 -

3 国 民 の 旅 行 等 に 関 する 意 識 の 動 向 と 実 態 今 後 の 生 活 で 重 点 をおきたい 分 野 は レジャー 余 暇 生 活 を 挙 げるものが 34.4%と 最 も 多 く 増 加 し ている 以 下 所 得 収 入 食 生 活 と 続 いている 今 後 の 生 活 の 力 点 第 2 節 外 国 人 の 訪 日 旅 行 の 動 向 1 外 国 人 宿 泊 旅 行 の 動 向 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 の 調 査 結 果 によると 平 成 20 年 1 月 から 12 月 における 外 国 人 延 べ 宿 泊 者 数 は 全 体 で 2,227 万 人 泊 となった また 都 道 府 県 別 外 国 人 延 べ 宿 泊 者 数 を 国 地 域 別 に 構 成 比 で 表 すと 下 図 の とおりとなり 北 海 道 北 陸 には 台 湾 から 首 都 圏 京 都 にはアメリカから 九 州 には 韓 国 からの 旅 行 者 が 多 数 宿 泊 していることがうかがえる - 20 -

都 道 府 県 別 国 地 域 別 外 国 人 延 べ 宿 泊 者 数 構 成 比 ( 平 成 20 年 ) (2) 旅 行 者 数 とその 国 籍 平 成 20 年 の 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 は 835 万 人 ( 前 年 比 0.05% 増 )となり 下 半 期 に 世 界 的 な 金 融 危 機 による 景 気 後 退 や 円 高 の 急 進 の 影 響 を 受 けつつも 過 去 最 高 値 を 達 成 した 州 別 にみると アジアが 615 万 人 で 全 体 の 73.7%を 占 め 次 いで 北 アメリカが 97 万 人 (11.6%) ヨ ーロッパが 89 万 人 (10.6%) オセアニアが 28 万 人 (3.3%)の 順 となっている - 21 -

上 位 12 か 国 州 別 国 地 域 別 訪 日 外 国 人 旅 行 者 の 割 合 ( 平 成 20 年 ) 2 国 際 コンベンションの 動 向 我 が 国 における 国 際 会 議 の 開 催 件 数 についてみると 平 成 15 年 には 247 件 とアジアにおいて 首 位 であっ たが 平 成 18 年 には 166 件 と 減 少 した しかし 平 成 19 年 には 448 件 と 大 きく 伸 ばし アジア2 位 ( 世 界 5 位 )となった なお 平 成 19 年 に 従 来 の 国 際 会 議 の 統 計 基 準 が 緩 和 されているが 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 に 定 めら れた 目 標 値 における 基 準 に 照 らすと 平 成 19 年 の 国 際 会 議 開 催 件 数 は 216 件 と 推 計 される 第 3 節 旅 行 が 我 が 国 全 体 にもたらす 経 済 効 果 1 平 成 19 年 度 の 経 済 効 果 (1) 旅 行 消 費 の 現 状 平 成 19 年 度 における 国 民 の 国 内 での 旅 行 消 費 額 は 宿 泊 旅 行 が 15.3 兆 円 ( 対 前 年 度 比 2.5% 減 ) 日 帰 り 旅 行 が 4.9 兆 円 ( 対 前 年 度 比 4.3% 増 )となった また 訪 日 外 国 人 の 我 が 国 国 内 での 旅 行 消 費 額 は 1.5 兆 円 ( 対 前 年 度 比 8.7% 増 )であり 訪 日 外 国 人 数 の 増 加 に 伴 い 前 年 度 より 増 加 した これらを 合 計 した 我 が 国 の 国 内 旅 行 消 費 額 は 前 年 度 からほぼ 横 ばいの 23.5 兆 円 ( 対 前 年 度 比 0.2% 減 )と 推 計 される 国 内 の 旅 行 消 費 額 23.5 兆 円 の 市 場 別 内 訳 - 22 -

(2) 旅 行 が 我 が 国 全 体 にもたらす 経 済 効 果 上 記 の 平 成 19 年 度 国 内 旅 行 消 費 額 23.5 兆 円 による 我 が 国 経 済 にもたらす 直 接 的 な 経 済 効 果 は 直 接 の 付 加 価 値 誘 発 効 果 が 11.8 兆 円 雇 用 誘 発 効 果 が 211 万 人 と 推 計 される さらに この 旅 行 消 費 がもたらす 間 接 的 な 効 果 を 含 めた 生 産 波 及 効 果 は 53.1 兆 円 ( 国 内 生 産 額 の 5.6%) 付 加 価 値 誘 発 効 果 は 28.5 兆 円 ( 国 内 総 生 産 ( 名 目 GDP)の 5.5%) 雇 用 誘 発 効 果 は 441 万 人 ( 全 就 業 者 数 の 6.9%)と 推 計 される (3) 旅 行 の 我 が 国 産 業 への 経 済 効 果 我 が 国 の 旅 行 消 費 は 旅 行 観 光 関 連 産 業 への 直 接 的 な 経 済 効 果 をもたらすとともに 旅 行 観 光 関 連 産 業 の 雇 用 者 による 家 計 消 費 への 刺 激 により 国 内 の 幅 広 い 産 業 へ 生 産 波 及 効 果 をもたらす 産 業 別 経 済 効 果 ( 平 成 19 年 度 ) 第 4 節 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 からみた 都 道 府 県 の 観 光 の 状 況 1 宿 泊 者 数 の 現 状 (1) 都 道 府 県 別 延 べ 宿 泊 者 数 平 成 20 年 の 都 道 府 県 別 延 べ 宿 泊 者 数 をみると 1 位 の 東 京 都 が 3,676 万 人 泊 (12.0%) 2 位 の 北 海 道 が 2,457 万 人 泊 (8.0%) 3 位 の 大 阪 府 が 1,602 万 人 泊 (5.2%)で 上 位 3 都 道 府 県 で 全 体 の 約 1/4 を 占 めてい る - 23 -

都 道 府 県 別 延 べ 宿 泊 者 数 ( 平 成 20 年 ) 第 5 節 世 界 における 観 光 の 動 向 世 界 観 光 機 関 (UNWTO)の 推 計 によると 2007 年 において 各 国 が 受 け 入 れた 外 国 人 旅 行 者 の 総 数 は 9 億 329 万 人 ( 前 年 比 6.6% 増 ) 各 国 の 国 際 観 光 収 入 の 総 計 は 8,560 億 米 ドル( 前 年 比 15.4% 増 )といずれも 前 年 に 引 き 続 き 大 幅 増 となり 過 去 最 高 を 記 録 した 特 に アジア 太 平 洋 地 域 は ヨーロッパ 地 域 に 比 べシェア 自 体 は 小 さいものの 受 け 入 れた 外 国 人 旅 行 者 数 の 伸 び( 前 年 比 10.4% 増 )は 世 界 全 体 の 平 均 ( 前 年 比 6.6% 増 ) 及 びヨーロッパ 地 域 ( 前 年 比 4.8% 増 )を 大 きく 上 回 るものであり ここ 数 年 国 際 観 光 旅 行 の 目 的 地 としての 地 位 を 大 いに 高 めてきている 我 が 国 にとっては 近 隣 諸 国 を 訪 れる 外 国 人 旅 行 者 の 来 訪 を 促 進 することによって 観 光 立 国 の 実 現 を 図 る 好 機 となっている - 24 -

第 2 章 国 際 競 争 力 の 高 い 魅 力 ある 観 光 地 の 形 成 第 1 節 国 際 競 争 力 の 高 い 魅 力 ある 観 光 地 の 形 成 1 地 方 公 共 団 体 と 観 光 事 業 者 その 他 の 関 係 者 との 連 携 による 観 光 地 の 特 性 を 生 かした 良 質 なサービス の 提 供 の 確 保 (1) 地 域 の 幅 広 い 関 係 者 が 連 携 して 2 泊 3 日 以 上 の 滞 在 型 観 光 ができるような 観 光 エリアの 整 備 を 促 進 するため 平 成 20 年 5 月 16 日 に 成 立 した 観 光 圏 の 整 備 による 観 光 旅 客 の 来 訪 及 び 滞 在 の 促 進 に 関 する 法 律 に 基 づき 平 成 20 年 度 は 16 地 域 の 観 光 圏 整 備 実 施 計 画 の 認 定 を 行 い 併 せて 民 間 組 織 の 取 り 組 みを 一 体 的 かつ 総 合 的 に 支 援 するため 観 光 圏 整 備 事 業 補 助 制 度 を 創 設 し 14 地 域 を 対 象 地 域 として 選 定 した 観 光 圏 整 備 による 観 光 旅 客 の 滞 在 の (2) 観 光 地 域 づくりの 取 組 を 企 画 演 出 するなど 集 客 効 果 を 地 域 に 還 元 することができる 人 材 を 育 成 選 定 し 地 域 への 橋 渡 しを 行 う 観 光 地 域 プロデューサー モデル 事 業 を 実 施 している (3) 地 方 ブロックごとに 観 光 カリスマや 学 識 経 験 者 旅 行 会 社 等 からなる 観 光 まちづくりアドバイ ザリー 会 議 において 観 光 まちづくりに 関 するアドバイスを 行 っている 2 宿 泊 施 設 食 事 施 設 案 内 施 設 その 他 の 旅 行 に 関 連 する 施 設 及 び 公 共 施 設 の 整 備 (1) ホテル 旅 館 の 整 備 を 図 るため 公 庫 融 資 や 税 制 優 遇 措 置 を 講 じている (2) まちづくり 交 付 金 により ハード 事 業 からソフト 事 業 まで 幅 広 い 事 業 を 支 援 した (3) 個 性 あるまちづくりや 住 宅 等 の 外 観 の 修 景 電 線 の 地 中 化 道 路 公 園 等 の 地 区 施 設 の 整 備 景 観 重 要 建 造 物 の 整 備 等 街 なみ 環 境 の 整 備 景 観 に 配 慮 した 道 路 整 備 等 旅 行 に 関 連 する 施 設 及 び 公 共 施 設 の 整 備 を 行 っている - 25 -

第 2 節 観 光 資 源 の 活 用 による 地 域 の 特 性 を 生 かした 魅 力 ある 観 光 地 の 形 成 1 国 宝 重 要 文 化 財 等 文 化 財 や 世 界 文 化 遺 産 の 保 護 や ナショナルトラスト 運 動 の 推 進 を 図 っている 2 京 都 市 等 古 都 における 歴 史 的 風 土 の 保 存 や 国 営 飛 鳥 平 城 宮 跡 歴 史 公 園 平 城 京 跡 区 域 等 国 営 公 園 の 整 備 など 歴 史 風 土 に 関 する 観 光 資 源 の 保 護 育 成 及 び 開 発 を 推 進 している 3 国 立 国 定 公 園 世 界 自 然 遺 産 地 域 等 優 れた 自 然 の 風 景 地 に 関 する 観 光 資 源 の 保 護 育 成 及 び 開 発 を 推 進 している 4 景 観 形 成 総 合 支 援 事 業 により 景 観 法 に 基 づく 景 観 重 要 建 造 物 及 び 景 観 重 要 樹 木 の 保 全 活 用 を 中 心 と した 取 組 を 支 援 するなど 良 好 な 景 観 に 関 する 観 光 資 源 の 保 護 育 成 及 び 開 発 を 推 進 している 5 温 泉 その 他 文 化 産 業 等 に 関 する 観 光 資 源 の 保 護 育 成 及 び 開 発 を 図 った 第 3 節 観 光 旅 行 者 の 来 訪 の 促 進 に 必 要 な 交 通 施 設 の 総 合 的 な 整 備 成 田 国 際 空 港 等 国 際 交 通 機 関 の 整 備 や 新 幹 線 高 速 道 路 等 の 整 備 を 推 進 した また 地 域 の 観 光 振 興 などを 図 るため 高 速 道 路 の 料 金 について 地 方 部 の 休 日 で 終 日 5 割 引 ( 上 限 料 金 1,000 円 )とするなどの 割 引 拡 大 を 行 った 第 3 章 観 光 産 業 の 国 際 競 争 力 の 強 化 及 び 観 光 の 振 興 に 寄 与 する 人 材 の 育 成 第 1 節 観 光 産 業 の 国 際 競 争 力 の 強 化 1 観 光 産 業 における 顧 客 満 足 度 を 重 視 した 経 営 の 普 及 定 着 を 促 すため 旅 行 前 旅 行 中 旅 行 後 の 心 理 状 態 を 調 査 する 国 内 旅 行 者 満 足 度 調 査 を 実 施 し 結 果 の 集 計 分 析 を 行 った 2 宿 泊 産 業 の 国 際 競 争 力 の 強 化 のため オフシーズンの 客 室 流 通 の 拡 大 や 宿 泊 施 設 の 予 約 情 報 の 通 知 フォーマットの 標 準 化 をはじめとした 6 件 の 実 証 事 業 を 採 択 し そのノウハウの 普 及 啓 発 を 行 う 上 での 課 題 の 抽 出 問 題 点 の 整 理 を 行 った 第 2 節 観 光 の 振 興 に 寄 与 する 人 材 の 育 成 1 観 光 地 及 び 観 光 産 業 の 国 際 競 争 力 の 強 化 に 資 する 高 等 教 育 の 充 実 (1) 産 学 官 連 携 による 高 等 教 育 機 関 の 充 実 観 光 分 野 の 人 材 育 成 に 当 たっては 平 成 20 年 11 月 に カリキュラムワーキンググループ を 設 置 し 観 光 経 営 マネジメント 教 育 の 必 要 性 の 確 認 や 既 存 の 観 光 系 大 学 のカリキュラムの 分 析 検 討 を 行 った また 平 成 20 年 4 月 には 和 歌 山 大 学 琉 球 大 学 ノースアジア 大 学 大 阪 学 院 大 学 神 戸 海 星 女 子 学 院 大 学 倉 敷 芸 術 科 学 大 学 等 において 観 光 関 連 学 部 学 科 が 開 設 され 観 光 関 連 学 部 学 科 の 入 学 定 員 は 4,800 人 (39 大 学 )となり 最 近 5 年 間 では 2,232 人 増 加 している 一 方 平 成 20 年 5 月 現 在 専 門 学 校 における 旅 行 関 係 学 科 の 生 徒 数 は 11,753 人 学 科 数 は 168 学 科 となっている 2 観 光 事 業 に 従 事 する 者 の 知 識 及 び 能 力 の 向 上 (1) 観 光 マネジメントの 強 化 ホテル 旅 館 等 の 事 業 経 営 地 域 経 営 に 携 わる 人 材 の 育 成 に 向 けて 経 営 幹 部 人 材 の 育 成 のためのプ ログラム 開 発 を 支 援 するとともに 観 光 地 経 営 専 門 家 を 育 成 するプログラムの 開 発 を 行 っている また 旅 館 業 従 事 者 の 能 力 向 上 につながるような 制 度 や 仕 組 み 等 についての 検 討 を 行 った さらに 訪 日 外 国 人 旅 行 者 の 受 入 に 熱 心 な 全 国 10 において 観 光 関 係 従 事 者 を 対 象 とした 研 修 を 実 施 するとともに 訪 日 外 国 人 旅 行 者 の 接 遇 事 例 等 を 取 り 入 れたマニュアルを 作 成 した (2) 観 光 カリスマ 塾 の 開 催 地 域 の 観 光 振 興 を 担 う 人 材 育 成 を 目 指 す 観 光 カリスマ 塾 を 8 地 区 で 開 催 した - 26 -

3 地 域 の 固 有 の 文 化 歴 史 等 に 関 する 知 識 の 普 及 の 促 進 6 月 に 開 催 した 観 光 地 域 づくり 人 材 育 成 シンポジウム において 児 童 生 徒 によるボランティアガ イド 活 動 事 例 の 紹 介 を 行 うとともに 北 海 道 松 前 町 青 森 県 八 戸 市 滋 賀 県 湖 北 町 鹿 児 島 県 鹿 児 島 市 の 4 地 区 でモデル 事 業 を 実 施 し 学 校 における 地 域 固 有 の 文 化 歴 史 等 に 関 する 教 育 の 充 実 を 図 った 第 4 章 国 際 観 光 の 振 興 第 1 節 外 国 人 観 光 旅 客 の 来 訪 の 促 進 1 我 が 国 の 観 光 魅 力 の 重 点 的 かつ 効 果 的 な 発 信 (1) 我 が 国 の 観 光 魅 力 の 海 外 発 信 等 1 ビジット ジャパン キャンペーンの 概 要 Yokoso!JAPAN ロゴ 一 人 一 人 の 交 流 を 通 じ 相 互 理 解 の 促 進 を 図 ることは 国 家 間 の 外 交 を 補 完 し 安 全 保 障 に 大 きく 貢 献 するものである また 我 が 国 の 少 子 高 齢 化 に 伴 う 人 口 減 少 や 周 辺 諸 国 の 経 済 発 展 に 対 応 して 観 光 交 流 を 促 進 し 地 域 活 性 化 に 貢 献 すると 共 に 外 国 人 観 光 旅 客 の 受 入 れに 伴 う 国 内 ビジネスを 後 押 ししていく 必 要 がある これを 踏 まえ 平 成 15 年 より YŌKOSO!JAPAN のロゴ キャッチフレーズの 下 日 本 の 観 光 魅 力 を 発 信 するとともに 魅 力 的 な 訪 日 旅 行 商 品 の 造 成 支 援 等 を 行 うビジット ジャパン キャンペ ーンの 取 組 を 官 民 一 体 で 推 進 してきており 平 成 15 年 に 521 万 人 であった 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 は 平 成 20 年 には 835 万 1 千 人 となった 2 ビジット ジャパン キャンペーン 事 業 日 本 を 訪 れる 外 国 人 旅 行 者 の 多 い 12 か 国 地 域 ( 韓 国 台 湾 中 国 香 港 タイ シンガポール アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス オーストラリア)を 重 点 市 場 として 定 めるとと もに 各 市 場 の 特 性 を 踏 まえ 重 点 市 場 を 対 象 として 外 国 人 旅 行 者 の 訪 日 促 進 のための 事 業 を 実 施 している また 平 成 19 年 度 より 重 点 市 場 に 次 ぐ 3 か 国 (インド ロシア マレーシア)を 有 望 新 興 市 場 として 定 め 効 果 的 なプロモーション に 取 り 組 むことが 出 来 るよう 戦 略 的 な 市 場 調 査 を 実 施 している 外 国 人 旅 行 者 の 訪 日 促 進 のための 事 業 内 容 としては 主 に 海 外 メ ディアの 日 本 への 招 請 取 材 支 援 海 外 の TVCM 等 による 広 告 宣 伝 シンガポールにおける 旅 行 見 本 ウェブサイトによる 情 報 発 信 海 外 の 旅 行 博 覧 会 等 への 出 展 等 を 行 市 (NATAS) 日 本 パビリオン い 観 光 目 的 地 として 日 本 への 関 心 を 高 め 訪 日 旅 行 の 需 要 の 喚 起 を 図 るとともに 海 外 旅 行 会 社 の 日 本 への 招 請 や 商 談 会 の 実 施 によ る 魅 力 的 な 訪 日 旅 行 商 品 の 造 成 販 売 支 援 や 青 少 年 交 流 の 拡 大 に 向 けた 訪 日 教 育 旅 行 の 誘 致 等 を 行 っている (2) 日 本 ブランド 戦 略 との 連 携 知 的 財 産 推 進 計 画 2008 ( 平 成 20 年 6 月 18 日 知 的 財 産 戦 略 本 部 決 定 )に 基 づき コンテンツ 食 ファッション デザイン 等 の 産 業 を ソフトパワー 産 業 として 位 置 づけこれら 産 業 の 振 興 や 海 外 展 開 を 総 合 的 に 推 進 するため 平 成 21 年 3 月 に 日 本 ブランド 戦 略 ( 仮 称 ) を 策 定 した この 中 において ビジット ジャパン キャンペーンとの 連 携 等 を 強 化 していくこととしている (3) 北 海 道 洞 爺 湖 サミットを 契 機 とした 観 光 振 興 の 取 組 平 成 20 年 7 月 7 日 ~9 日 に 北 海 道 洞 爺 湖 サミット が 開 催 されたが これを 契 機 に 北 海 道 ブ ランドの 確 立 接 遇 の 向 上 的 確 な 情 報 発 信 等 の 取 組 みを 推 進 し 観 光 振 興 を 図 った - 27 -

(4) 独 立 行 政 法 人 国 際 観 光 振 興 機 構 (JNTO)による 情 報 発 信 等 ( 独 ) 国 際 観 光 振 興 機 構 (JNTO)( 通 称 : 日 本 政 府 観 光 局 )は 13 の 海 外 事 務 所 を 設 置 し 我 が 国 の 観 光 魅 力 の 広 報 宣 伝 現 地 旅 行 会 社 に 対 する 訪 日 旅 行 商 品 の 造 成 販 売 支 援 海 外 セールスを 実 施 する 日 本 の 地 方 自 治 体 民 間 企 業 に 対 するコンサルティングなど 多 岐 にわたる 活 動 を 行 うととも に ビジット ジャパン キャンペーンへの 貢 献 を 最 大 の 使 命 として 活 発 な 活 動 を 展 開 し 訪 日 外 国 人 旅 行 者 の 増 大 を 図 った また 9 言 語 による 訪 日 旅 行 情 報 のポータルサイトの 運 営 を 行 っている (5) 地 域 の 魅 力 の 海 外 発 信 等 各 地 方 運 輸 局 等 は 地 方 自 治 体 等 と 連 携 してビジット ジャパン キャンペーン 地 方 連 携 事 業 を 実 施 している (6) その 他 大 使 総 領 事 公 邸 等 を 活 用 した 観 光 プロモーション 等 の 実 施 芸 術 家 文 化 人 等 による 文 化 発 信 の 推 進 日 本 食 日 本 食 材 等 の 海 外 への 情 報 発 信 ポップカルチャーに 関 する 情 報 の 発 信 和 のコンテンツの 情 報 発 信 及 びネットワーク 化 国 際 放 送 による 情 報 発 信 の 強 化 等 を 図 った 2 国 内 における 交 通 宿 泊 その 他 の 観 光 旅 行 に 要 する 費 用 に 関 する 情 報 の 提 供 (1) 旅 行 費 用 に 関 する 情 報 の 提 供 日 本 は 物 価 が 高 いというイメージを 払 拭 するため 諸 外 国 と 我 が 国 の 物 価 を 比 較 し 飲 食 店 や 宿 泊 施 設 等 の 価 格 情 報 を 紹 介 する AFFODABLE JAPAN パンフレットを 作 成 し 海 外 において 配 布 している (2) 公 共 交 通 事 業 者 等 による 情 報 提 供 措 置 の 促 進 外 客 旅 行 容 易 化 法 によって 特 に 多 数 の 外 国 人 観 光 客 が 利 用 する 区 間 等 について 公 共 交 通 事 業 者 等 ( 平 成 20 年 4 月 現 在 249 事 業 者 )が 外 国 語 等 による 情 報 提 供 促 進 措 置 事 業 を 実 施 している 3 国 際 会 議 その 他 の 国 際 的 な 規 模 で 開 催 される 行 事 の 誘 致 の 促 進 国 際 会 議 開 催 誘 致 拡 大 局 長 級 会 合 において 国 際 会 議 の 開 催 誘 致 推 進 による 国 際 交 流 拡 大 プログラム が 取 りまとめられ 国 を 挙 げた 誘 致 開 催 の 促 進 等 を 図 っており その 結 果 我 が 国 における 平 成 19 年 の 国 際 会 議 開 催 件 数 は 平 成 18 年 の 年 の 166 件 から 448 件 と 大 きく 伸 ばし アジア 2 位 ( 世 界 5 位 )となっ た この 理 由 として 従 来 の 国 際 会 議 の 統 計 基 準 が 緩 和 されたことなどが 一 因 である しかしながら 観 光 立 国 推 進 基 本 計 画 に 定 められた 目 標 値 における 基 準 に 照 らすと 平 成 19 年 の 国 際 会 議 開 催 件 数 は 216 件 であると 推 察 され 引 き 続 き 国 際 会 議 開 催 誘 致 に 向 けた 取 組 みを 積 極 的 に 推 進 していく 必 要 がある 4 外 国 人 観 光 旅 客 の 出 入 国 に 関 する 措 置 の 改 善 通 訳 案 内 サービスの 向 上 その 他 の 外 国 人 観 光 旅 客 の 受 入 れの 体 制 の 確 保 等 (1) 査 証 発 給 手 続 の 迅 速 化 円 滑 化 申 請 から 5 労 働 日 以 内 に 発 給 等 訪 日 査 証 発 給 の 便 宜 を 図 っている また 観 光 のための 査 証 免 除 対 象 は 62 か 国 地 域 中 国 においては 平 成 20 年 の 団 体 観 光 査 証 発 給 数 は 約 35 万 1 千 件 に 達 し 前 年 比 で 約 34% 増 加 し た また 平 成 20 年 3 月 から 一 定 の 経 済 力 のある 家 族 に 対 しても 査 証 を 発 給 することとした 今 後 とも より 一 層 の 査 証 発 給 の 便 宜 を 図 っていく 一 方 不 法 滞 在 やテロ 等 を 防 ぐよう 努 めていく (2) 出 入 国 手 続 の 迅 速 化 円 滑 化 事 前 確 認 (プレクリアランス) セカンダリ 審 査 ( 二 次 審 査 ) 事 前 旅 客 情 報 システム(APIS) 等 の 効 果 的 な 活 用 を 図 るとともに 外 航 大 型 客 船 の 入 港 前 船 上 審 査 を 行 うなど 出 入 国 手 続 の 迅 速 化 円 滑 化 を 図 った さらに 検 疫 所 では 鳥 インフルエンザ 患 者 発 生 国 からの 入 国 者 に 対 し サー モグラフィー 等 を 活 用 することにより 手 続 の 迅 速 化 を 図 っている (3) 外 国 人 旅 行 者 に 対 する 観 光 案 内 所 の 整 備 通 訳 案 内 士 制 度 の 充 実 ボランティアガイド 等 の 普 及 を 図 っている - 28 -

(4) 博 物 館 美 術 館 国 立 劇 場 国 立 公 園 等 における 外 国 人 への 対 応 の 促 進 を 図 っている 第 2 節 国 際 相 互 交 流 の 促 進 1 外 国 政 府 との 協 力 の 推 進 (1) 日 中 韓 三 国 間 の 観 光 交 流 と 協 力 の 強 化 平 成 20 年 6 月 韓 国 釜 山 で 第 3 回 日 中 韓 観 光 大 臣 会 合 が 開 催 され 日 中 韓 3 国 間 の 観 光 交 流 の 促 進 と 協 力 の 強 化 を 取 りまとめた 日 中 韓 の 観 光 交 流 協 力 の 促 進 に 関 する 釜 山 宣 言 を 採 択 した (2) 二 国 間 の 観 光 交 流 の 取 組 の 推 進 1 日 韓 両 国 の 観 光 交 流 の 促 進 平 成 20 年 を 日 韓 観 光 交 流 年 とし 同 年 4 月 にソウルにて 行 われた 日 韓 観 光 交 流 の 夕 べ を 始 め 青 少 年 交 流 事 業 自 治 体 交 流 事 業 及 び 国 際 観 光 博 覧 会 への 出 展 を 通 じて 観 光 交 流 の 促 進 を 図 っ た 2 中 国 における 家 族 観 光 査 証 制 度 の 開 始 訪 日 団 体 査 証 制 度 を 利 用 した 中 国 人 観 光 客 数 は 順 調 に 増 加 している また 平 成 20 年 3 月 2 名 以 上 4 名 以 下 を 対 象 にした 訪 日 家 族 観 光 査 証 の 発 給 を 開 始 し た 3 日 仏 観 光 交 流 年 記 念 事 業 日 仏 修 好 通 商 条 約 締 結 150 周 年 に 当 たる 平 成 20 年 を 日 仏 観 光 交 流 年 とし 同 年 5 月 にパリにおいて 開 催 された 日 仏 観 光 交 流 年 オープニングセミナー をはじめ ミシュランガイ ドシリーズの 日 本 ガイドブックの 著 者 招 請 10 月 には 日 仏 観 光 交 流 年 観 光 地 域 振 興 セミナー をパリにおいて 開 催 し 日 本 の 観 光 魅 力 の PR を 行 うなど 両 国 内 において 積 極 的 に 交 流 事 業 が 展 開 された パリ 市 内 観 光 バスのラッピング 広 告 (2) 世 界 観 光 機 関 (UNWTO) 経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) 協 力 を 通 じた 国 際 観 光 振 興 や 開 発 途 上 国 等 の 観 光 振 興 に 対 する 協 力 も 行 った 2 我 が 国 と 外 国 との 間 における 地 域 間 の 交 流 の 促 進 (1) 日 本 人 の 海 外 旅 行 の 促 進 国 際 航 空 チャーター 便 ( 包 括 旅 行 チャーター)ルールの 更 なる 規 制 緩 和 に 伴 い 地 方 空 港 における 国 際 航 空 チャーター 便 の 利 用 拡 大 等 多 様 な 旅 行 者 ニーズに 応 えやすい 環 境 を 整 備 した (2) 姉 妹 友 好 都 市 提 携 の 活 用 姉 妹 友 好 都 市 の 交 流 事 業 を ビジット ジャパン キャンペーン 地 方 連 携 事 業 により 実 施 している 3 青 少 年 による 国 際 交 流 の 促 進 (1) 訪 日 教 育 旅 行 の 促 進 官 民 一 体 の 組 織 である 訪 日 教 育 旅 行 促 進 全 国 協 議 会 が 訪 日 教 育 旅 行 誘 致 のための 取 組 を 推 進 した (2) 海 外 の 青 少 年 との 交 流 促 進 諸 外 国 の 青 少 年 を 我 が 国 に 招 き 様 々な 交 流 事 業 を 実 施 している 特 に 21 世 紀 東 アジア 青 少 年 大 交 流 計 画 に 基 づき 平 成 20 年 度 には 東 アジア 各 国 を 対 象 に 合 計 で 約 8,300 名 を 招 へいした - 29 -

第 5 章 観 光 旅 行 の 促 進 のための 環 境 の 整 備 第 1 節 観 光 旅 行 の 容 易 化 及 び 円 滑 化 1 休 暇 の 取 得 の 促 進 休 暇 の 取 得 を 促 進 することにより 国 内 旅 行 の 需 要 の 喚 起 並 びに 平 準 化 を 図 るため 休 暇 取 得 の 促 進 に 関 する 有 識 者 委 員 会 を 開 催 し 休 暇 取 得 のメリット 等 を 検 討 するとともに 休 暇 取 得 に 関 する 民 間 企 業 の 取 組 をまとめた 事 例 集 の 作 成 や 乳 幼 児 連 れ 旅 行 等 の 旅 行 需 要 の 創 出 平 準 化 に 資 する 実 証 実 験 を 行 い 委 員 会 提 言 を 取 りまとめるとともに 平 成 21 年 3 月 に 開 催 したシンポジウム 等 を 通 じた 普 及 啓 発 活 動 を 進 めた 2 観 光 旅 行 の 需 要 の 特 定 の 時 季 への 集 中 の 緩 和 地 域 の 独 自 性 を 生 かした 休 日 の 設 定 秋 休 みや 2 学 期 制 地 域 行 事 に 連 動 した 学 校 休 業 等 小 中 学 校 の 休 業 の 多 様 化 と 柔 軟 化 が 進 んでいる ( 社 ) 日 本 ツーリズム 産 業 団 体 連 合 会 では 1ウィークバカンスキャンペーン を 実 施 した 3 観 光 に 係 る 消 費 者 の 利 益 の 擁 護 平 成 20 年 度 には 広 告 や 契 約 書 面 に 燃 油 サーチャージを 含 めた 旅 行 代 金 を 表 示 する 等 旅 行 者 にわかり やすい 表 示 を 行 うよう 旅 行 業 者 に 周 知 徹 底 した また 貸 切 バスの 安 全 確 保 や 関 係 法 令 の 遵 守 等 について 指 導 の 徹 底 を 図 った 4 観 光 週 間 の 実 施 や 旅 フェア 2008 JATA 世 界 旅 行 博 2008 等 を 通 じ 観 光 の 意 義 に 対 する 国 民 の 理 解 の 増 進 等 を 図 った 第 2 節 観 光 旅 行 者 に 対 する 接 遇 の 向 上 1 旅 行 に 関 連 する 施 設 の 整 備 観 光 活 性 化 標 識 ガイドライン の 普 及 啓 発 を 図 るとともに 道 路 等 を 利 用 した 観 光 客 への 情 報 提 供 の 高 度 化 を 図 り 観 光 客 の 移 動 を 支 援 する 実 証 実 験 まちめぐりナビプロジェクトを 全 国 20 地 域 で 実 施 した 2 我 が 国 の 伝 統 ある 優 れた 食 文 化 その 他 の 生 活 文 化 産 業 等 の 紹 介 の 強 化 我 が 国 又 は 地 域 の 特 色 を 生 かした 魅 力 ある 商 品 の 開 発 VJC 魅 力 ある 日 本 のおみやげコンテスト 2009 を 実 施 するなど 地 域 ブランドの 振 興 を 図 った 第 3 節 観 光 旅 行 者 の 利 便 の 増 進 1 高 齢 者 障 害 者 外 国 人 その 他 特 に 配 慮 を 要 する 観 光 旅 行 者 が 円 滑 に 利 用 できる 旅 行 関 連 施 設 等 の 整 備 及 びこれらの 利 便 性 の 向 上 (1) 旅 行 関 連 施 設 等 のバリアフリー 化 の 促 進 を 図 るとともに ユニバーサルデザインの 考 え 方 に 基 づく 観 光 を 定 着 させるための 手 引 き 集 を 策 定 し 普 及 啓 発 を 図 った (2) バスロケーションシステム の 導 入 促 進 等 バスの 利 便 性 向 上 道 路 交 通 情 報 通 信 システム(VI CS)の 情 報 提 供 エリア 拡 大 等 の 道 路 交 通 の 円 滑 化 等 を 図 っている 2 電 子 国 土 web システムの 提 供 や 駐 車 場 の 位 置 や 満 空 情 報 を 提 供 する 駐 車 場 案 内 システムの 導 入 等 情 報 通 信 技 術 を 活 用 した 観 光 に 関 する 情 報 の 提 供 を 促 進 した 第 4 節 観 光 旅 行 の 安 全 の 確 保 1 気 象 情 報 等 の 提 供 をはじめ 災 害 危 険 箇 所 及 び 避 難 場 所 避 難 路 等 の 周 知 徹 底 等 国 内 外 の 観 光 地 におけ る 事 故 災 害 等 の 発 生 の 状 況 に 関 する 情 報 の 提 供 を 推 進 した 2 公 共 交 通 機 関 や 道 路 海 上 交 通 宿 泊 施 設 の 安 全 対 策 海 外 における 事 故 事 件 への 対 応 と 安 全 対 策 等 観 光 旅 行 における 事 故 の 発 生 の 防 止 等 に 取 り 組 んだ - 30 -

第 5 節 新 たな 観 光 旅 行 の 分 野 の 開 拓 グリーンツーリズム エコツーリズム 等 各 地 域 の 地 域 密 着 型 の ニューツーリズム に 係 る 取 組 みを 支 援 するため 各 運 輸 局 ごとに 旅 行 会 社 や 有 識 者 等 によるコンサルティングを 行 うとともにモニターツア ーの 実 施 の 支 援 等 を 行 い 旅 行 商 品 化 を 進 めるための 留 意 点 等 をまとめたマニュアルや 事 例 集 を 作 成 した また 観 光 関 係 者 等 に 対 するセミナーの 開 催 等 により ニューツーリズム の 普 及 啓 発 を 図 った 第 6 節 観 光 地 における 環 境 及 び 良 好 な 景 観 の 保 全 観 光 地 における 環 境 の 保 全 を 図 るとともに 景 観 法 の 活 用 促 進 基 本 理 念 の 普 及 啓 発 観 光 地 における 屋 外 広 告 物 に 関 する 制 度 の 充 実 歴 史 文 化 風 土 を 生 かしたまちづくり 支 援 等 観 光 地 における 良 好 な 景 観 の 保 全 に 取 り 組 んでいる 第 7 節 観 光 に 関 する 統 計 の 整 備 宿 泊 旅 行 統 計 調 査 について 平 成 20 年 調 査 から 1 人 当 たり 平 均 宿 泊 数 を 把 握 する 調 査 項 目 の 追 加 市 区 町 村 別 宿 泊 数 の 公 表 などを 行 った 今 後 客 室 稼 働 率 を 把 握 する 調 査 項 目 の 追 加 など 更 なる 充 実 を 図 ると 共 に 調 査 結 果 の 分 析 活 用 の 検 討 を 行 うこととしている また 日 帰 り 旅 行 者 及 びその 他 の 観 光 旅 行 者 に 関 する 統 計 について 地 方 公 共 団 体 が 採 用 可 能 な 共 通 基 準 を 策 定 するため 平 成 20 年 度 に 観 光 統 計 の 整 備 に 関 する 検 討 懇 談 会 においてとりまとめられた 観 光 入 込 客 統 計 観 光 消 費 額 統 計 の 方 針 に 基 づいた 試 験 調 査 を 新 潟 県 及 び 岡 山 県 において 実 施 した 平 成 21 年 度 も 引 き 続 き 試 験 範 囲 を 拡 大 して 実 施 し 共 通 基 準 を 策 定 し 平 成 22 年 度 からの 実 施 を 目 指 す さらに 観 光 経 済 効 果 の 国 際 間 比 較 を 正 確 に 行 うことができるよう 国 際 的 に 導 入 が 進 みつつある TSA (Tourism Satellite Account) の 平 成 22 年 本 格 導 入 に 向 け 作 成 手 法 等 の 調 査 検 討 を 行 っている - 31 -