目 次 第 1 章 総 論 1. 人 権 施 策 推 進 指 針 の 策 定 にあたって 1 2. 基 本 方 針 の 目 標 1 第 2 章 人 権 施 策 の 推 進 方 針 2 1. 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 2 (1)あらゆる 場 を 通 じた 人 権 教 育 啓 発 の 推 進



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飛 驒 市 人 権 施 策 推 進 指 針 岐 阜 県 飛 驒 市

目 次 第 1 章 総 論 1. 人 権 施 策 推 進 指 針 の 策 定 にあたって 1 2. 基 本 方 針 の 目 標 1 第 2 章 人 権 施 策 の 推 進 方 針 2 1. 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 2 (1)あらゆる 場 を 通 じた 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 2 1 学 校 における 人 権 教 育 の 推 進 2 家 庭 地 域 における 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 (2) 市 民 の 主 体 的 な 参 加 3 2. 人 権 擁 護 委 員 の 活 動 体 制 3 3. 相 談 支 援 の 充 実 3 第 3 章 分 野 別 施 策 の 推 進 4 1. 女 性 に 関 する 問 題 4 2. 子 どもに 関 する 問 題 5 3. 高 齢 者 に 関 する 問 題 6 4. 障 がい 者 に 関 する 問 題 6 5. 外 国 人 に 関 する 問 題 7 6. インターネットに 関 する 問 題 8 7. 様 々な 人 権 問 題 9 第 4 章 推 進 体 制 1. 国 県 等 関 係 機 関 との 連 携 強 化 11 2. 市 における 推 進 体 制 11 3. 指 針 推 進 の 期 間 11 参 考 資 料 人 権 に 関 する 用 語 集 12 アンケート 結 果 14

~ 考 えよう 相 手 の 気 持 ち 育 てよう 思 いやりの 心 ~ 市 民 一 人 ひとりが 人 権 教 育 を 通 じて 人 権 問 題 を 自 分 自 身 の 課 題 としてとらえ 人 権 尊 重 の 意 識 や 態 度 を 身 に 付 け 日 常 生 活 の 中 で 人 権 尊 重 を 当 たり 前 のこととして 行 動 できる 人 権 尊 重 のまちづくり を 目 標 とします ~ 推 進 体 制 ~ じじ 差 別 の な い 明 る い 飛 驒 市 づ く り じ 基 本 目 標 人 権 尊 重 の ま ち づ く り 人 権 教 育 人 権 啓 発 相 談 支 援 の 充 実 女 性 に 関 する 問 題 子 どもに 関 する 問 題 高 齢 者 に 関 する 問 題 障 がい 者 に 関 する 問 題 外 国 人 に 関 する 問 題 インターネットに 関 する 問 題 その 他 の 人 権 問 題 飛 騨 市 人 権 施 策 推 進 指 針 平 成 27 年 3 月 飛 驒 市 役 所 市 民 福 祉 部 市 民 児 童 課 電 話 :0577-73-7464(タ イヤルイン) E-mail:shimin@city.hida.gifu.jp Hida.

第 1 章 総 論 1. 人 権 施 策 推 進 指 針 の 策 定 にあたって 飛 騨 市 では 市 民 一 人 ひとりの 人 権 が 尊 重 される 差 別 のない 明 るい 飛 騨 市 の 実 現 を 図 ることを 目 的 として 平 成 17 年 度 に 飛 騨 市 人 権 教 育 啓 発 に 関 する 基 本 計 画 を 作 成 し 人 権 教 育 人 権 啓 発 に 関 する 施 策 を 推 進 してきました 人 権 とは 人 間 が 人 間 らしく 生 きていく 権 利 であり 誰 もが 生 まれながらにも っている 権 利 です 日 本 国 憲 法 では すべての 国 民 に 基 本 的 人 権 を 保 障 し 人 権 に 関 する 諸 制 度 の 整 備 や 諸 条 約 への 加 入 など これまでに 人 権 に 関 する 各 般 の 施 策 が 講 じられ 取 り 組 みが 行 われてきました しかし 最 近 の 私 たちのまわりでは 少 子 高 齢 化 の 進 展 に 伴 い 高 齢 世 帯 や 単 独 世 帯 などが 増 加 し 家 族 の 関 係 が 薄 れ 地 域 社 会 のつながりが 低 下 しています また 学 校 でのいじめや 女 性 子 ども 高 齢 者 障 がい 者 など 社 会 的 弱 者 に 対 する 暴 行 虐 待 などの 事 件 も 増 加 し 命 に 関 わる 重 大 な 事 件 も 多 く 発 生 しています さらに 急 速 な 情 報 化 社 会 に 伴 う 個 人 情 報 の 流 出 や 悪 質 な 人 権 侵 害 などが 非 常 に 深 刻 な 問 題 と なっています 飛 騨 市 第 二 次 総 合 計 画 まちづくりの 基 本 目 標 である 市 民 がいつまでも 安 心 して 暮 らせるまち の 取 り 組 みを 踏 まえ 各 種 の 施 策 により 人 権 尊 重 社 会 の 実 現 に 向 け て 人 権 問 題 を 自 分 の 課 題 としてとらえ 日 常 生 活 において 人 権 尊 重 を 当 たり 前 のこ ととして 行 動 できるよう 考 えよう 相 手 の 気 持 ち 育 てよう 思 いやりの 心 を 基 本 理 念 のもと 国 県 関 係 団 体 と 連 携 を 図 り 飛 騨 市 人 権 教 育 人 権 啓 発 に 取 り 組 んでいきます この 度 の 改 定 は 飛 騨 市 人 権 施 策 推 進 指 針 と 名 称 を 変 更 し 市 民 の 皆 さんのご 意 見 を 反 映 し これまでの 取 り 組 みを 踏 まえ 現 在 の 基 本 計 画 を 継 承 発 展 させて 新 たな 人 権 課 題 に 対 応 するため 平 成 27 年 度 からの 人 権 施 策 のあり 方 について 方 向 性 を 示 すものです 2. 基 本 方 針 の 目 標 飛 騨 市 人 権 教 育 啓 発 に 関 する 基 本 計 画 に 引 き 続 き 差 別 のない 明 るい 飛 騨 市 づくり を 実 現 するために 市 民 一 人 ひとりが 人 権 教 育 を 通 じて 人 権 問 題 を 自 分 自 身 の 課 題 としてとらえ 人 権 尊 重 の 意 識 や 態 度 を 身 に 付 け 日 常 生 活 の 中 で 人 権 尊 重 を 当 たり 前 のこととして 行 動 できる 人 権 尊 重 のまちづくり を 目 標 とします 1

第 2 章 人 権 施 策 の 推 進 方 針 1. 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 (1)あらゆる 場 を 通 じた 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 私 たちの 身 の 回 りには 様 々な 差 別 や 偏 見 が 根 強 く 存 在 しています 差 別 のあらわ れ 方 や 特 性 は それぞれ 異 なっていますが 人 権 が 侵 害 されるという 点 で 共 通 してい ます 一 人 ひとりの 人 権 を 尊 重 するために 自 分 自 身 が 経 験 する 辛 さや 痛 みを 通 して 差 別 する 恥 ずかしさや される 悔 しさなどの 差 別 の 実 態 を 理 解 し 差 別 を 一 つひとつ 無 くしていくことが 重 要 です 人 権 意 識 を 高 めるためには 人 権 の 意 義 や 重 要 性 が 知 識 として 身 につくよう 啓 発 を 行 うことはもちろんのこと 日 常 生 活 の 中 で 人 権 の 配 慮 や 態 度 に 現 れるよう 家 庭 地 域 社 会 職 場 等 あらゆる 場 を 通 じて 人 権 教 育 啓 発 活 動 を 推 進 します 様 々な 人 権 問 題 や 命 の 大 切 さについて 生 涯 にわたり 継 続 した 学 習 ができるよう 子 どもから 大 人 まで 長 期 的 視 野 に 立 った 学 習 を 進 めていきます 1 学 校 における 人 権 教 育 の 推 進 学 校 教 育 においては 教 育 活 動 全 体 を 通 じて 児 童 生 徒 が 様 々な 人 権 問 題 の 解 決 に 向 けた 態 度 や 行 動 力 を 身 に 付 けることができるよう 人 権 尊 重 の 意 識 を 高 めていくこ とが 大 切 であり 人 権 教 育 は 単 なる 知 識 の 伝 達 にとどまらず 命 の 大 切 さや 他 人 の 痛 みが 理 解 できる 心 お 互 いの 違 いを 認 め 合 う 心 や 豊 かな 人 間 性 を 養 うことが 必 要 です 飛 騨 市 全 小 中 学 校 では 市 小 中 学 校 教 育 の 重 点 人 権 教 育 いじめや 差 別 を 絶 対 許 さない 学 校 学 級 づくりに 取 り 組 み 人 間 尊 重 の 精 神 あふれる 校 風 づくりに 取 り 組 み ます のもとに 進 めています また 飛 騨 市 ではこれまでに 人 権 擁 護 委 員 による 人 権 人 形 劇 (ペープサート)や 人 権 の 花 運 動 を 通 じ 子 ども 達 に 命 の 大 切 さ 思 いやりの 心 を 伝 え 体 験 学 習 の 充 実 に 努 めています 子 どもの 頃 から 人 権 教 育 をしていくことにより 人 権 問 題 に 対 する 実 践 的 態 度 を 育 成 し 人 権 感 覚 を 高 めるなど 様 々な 人 権 問 題 の 解 決 のための 教 育 を 推 進 します 2 家 庭 地 域 における 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 家 庭 は 家 族 のふれ 合 いを 通 して 思 いやりや 命 の 尊 重 人 間 の 尊 厳 など 人 権 に 関 する 基 本 的 な 学 習 の 場 として 重 要 な 役 割 を 果 たしています 地 域 社 会 は 日 常 出 会 う 人 々を 通 して 善 悪 の 判 断 や 生 活 習 慣 などを 身 に 付 けてい く 重 要 な 学 習 の 場 であり お 互 いの 人 権 を 尊 重 する 意 識 や 相 手 を 思 いやる 心 を 育 む 役 割 があります 家 庭 と 学 校 地 域 社 会 が 連 携 し 地 域 に 暮 らす 人 々が 生 涯 を 通 して 人 権 について 学 2

んでいけるよう 学 習 の 場 の 提 供 や 機 会 の 充 実 を 図 るとともに 研 修 講 師 の 派 遣 や 学 習 プログラムの 研 究 指 導 者 の 養 成 など 社 会 教 育 における 指 導 体 制 の 充 実 に 努 めま す (2) 市 民 の 主 体 的 な 参 加 人 権 問 題 全 般 の 正 しい 理 解 と 実 践 を 図 るためには あらゆる 場 を 通 じての 人 権 教 育 の 推 進 を 図 る 必 要 がありますが これらの 人 権 について 学 ぶ 場 に 市 民 が 広 く 機 会 をとらえて 主 体 的 に 参 加 することが 大 切 です そのためには 講 習 会 や 研 修 会 の 機 会 をより 多 く 設 けると 共 に 市 民 誰 もが 参 加 し やすく 主 体 的 に 学 ぶことができるように 分 かりやすく 参 加 者 の 心 に 響 き 実 践 につながるものになるよう 内 容 を 充 実 していきます また 各 種 の 広 報 媒 体 やインターネット 等 あらゆる 場 を 通 じて 研 修 会 等 の 参 加 に ついて 積 極 的 にPRを 行 い 市 民 の 主 体 的 参 加 を 促 進 していきます 2. 人 権 擁 護 委 員 の 活 動 体 制 人 権 擁 護 委 員 は 法 務 大 臣 から 委 嘱 を 受 け 人 権 擁 護 委 員 法 に 基 づき 人 権 相 談 人 権 侵 害 の 防 止 や 被 害 者 の 救 済 人 権 意 識 の 高 揚 などを 目 的 に 活 動 を 行 っています 人 権 擁 護 委 員 制 度 は 様 々な 分 野 の 人 たちが 人 権 思 想 を 広 め 地 域 の 中 で 人 権 が 侵 害 されないように 配 慮 して 人 権 を 擁 護 していくことが 望 ましいという 考 えから 設 け られたもので 諸 外 国 に 例 のない 制 度 です 関 係 機 関 と 連 携 のもと 地 域 に 根 ざした 啓 発 活 動 や 相 談 活 動 を 積 極 的 に 行 うなど 人 権 教 育 啓 発 の 担 い 手 として 大 きな 役 割 を 果 たしております 飛 騨 市 においても 人 権 問 題 への 取 り 組 みを 推 進 し 人 権 課 題 の 市 民 意 識 の 高 揚 を 図 り 効 果 的 な 人 権 啓 発 事 業 を 推 進 するため 行 政 と 地 方 法 務 局 人 権 擁 護 委 員 で 構 成 する 高 山 人 権 啓 発 活 動 地 域 ネットワーク 協 議 会 において 人 権 講 演 会 や 人 権 啓 発 展 等 の 人 権 啓 発 活 動 を 行 っています 近 年 の 社 会 情 勢 の 急 激 な 変 化 に 伴 い 新 たな 人 権 課 題 への 対 応 や 専 門 的 な 知 識 が 求 められており 市 では 人 権 擁 護 委 員 が 行 う 資 質 向 上 のための 研 修 や 人 権 啓 発 活 動 相 談 活 動 について 支 援 いたします 3. 相 談 支 援 の 充 実 一 人 ひとりの 基 本 的 人 権 が 尊 重 され 誰 もが 豊 かな 心 を 育 み 安 心 して 生 活 を 送 る ことができるよう ドメスティック バイオレンス(DV) 児 童 虐 待 いじめ 不 登 校 児 童 生 徒 や 引 きこもり 状 態 にある 人 などが それぞれの 個 性 能 力 に 応 じた 進 路 を 見 いだせるような 新 しい 居 場 所 づくり 支 援 など それぞれの 分 野 の 相 談 窓 口 において 問 題 の 早 期 解 決 が 図 られるよう 相 談 支 援 体 制 を 充 実 します 3

第 3 章 分 野 別 施 策 の 推 進 日 本 社 会 の 中 には 様 々な 人 権 課 題 が 存 在 しますが 人 権 問 題 を 取 り 巻 く 社 会 環 境 の 変 化 の 中 で さらに 新 たな 課 題 も 生 まれています それらの 中 でも 身 近 な 人 権 課 題 として 市 民 アンケートの 中 でも 特 に 関 心 の 高 かった 課 題 を 重 点 施 策 として 推 進 します 1. 女 性 に 関 する 問 題 現 状 と 課 題 飛 騨 市 では 平 成 17 年 度 に 飛 騨 市 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 を 策 定 し 男 女 がお 互 いの 生 き 方 を 尊 重 し 認 め 合 い 支 え 合 い 個 性 や 能 力 を 十 分 に 発 揮 できるまちづ くり やさしさと 思 いやりで 築 く 男 女 共 同 参 画 社 会 を 目 指 す 取 組 みが 始 まりました 法 律 や 制 度 面 の 整 備 は 着 実 に 進 んでいますが 依 然 として 社 会 には 固 定 的 な 性 別 役 割 分 担 意 識 や 意 見 発 言 の 軽 視 雇 用 の 場 における 格 差 夫 やパートナーからの 暴 力 (ドメスティック バイオレンス)やストーカー 行 為 性 犯 罪 職 場 におけるセクシ ュアル ハラスメントなど いまだに 広 く 女 性 に 対 する 直 接 間 接 の 差 別 が 存 在 し 多 くの 課 題 が 残 されています 推 進 方 針 飛 騨 市 は 飛 騨 市 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 の 目 標 である 男 女 共 同 参 画 社 会 実 現 に 向 けての 基 礎 づくり 男 女 が 共 に 働 きやすい 社 会 環 境 づくり 男 女 共 同 参 画 に よる 豊 かで 活 力 ある 地 域 づくり を 目 指 し 男 女 が 互 いの 基 本 的 人 権 を 尊 重 し 対 等 な 社 会 の 構 成 員 として 自 らの 持 てる 能 力 を 発 揮 し 活 躍 できるような 社 会 を 市 民 と ともに 推 進 します 社 会 的 性 別 による 固 定 的 役 割 分 担 や 差 別 偏 見 等 につながる ような 誤 った 男 らしさ 女 らしさ を 押 しつけるのではなく 自 分 らしく 生 き ることができる 社 会 の 実 現 を 目 指 します 施 策 の 内 容 飛 騨 市 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 より (1) 人 権 を 尊 重 する 男 女 共 同 参 画 の 推 進 (2) 男 女 共 同 参 画 の 理 念 に 則 った 学 習 教 育 の 推 進 (3) 安 心 安 全 なまちづくりの 推 進 (4) 国 際 交 流 及 び 国 際 協 力 を 通 じた 男 女 共 同 参 画 の 推 進 (5) 制 度 慣 行 の 見 直 し 及 び 意 識 改 革 の 推 進 (6) 施 策 方 針 決 定 過 程 への 女 性 参 画 の 拡 大 (7) 雇 用 における 男 女 均 等 な 機 会 と 待 遇 の 改 善 (8) 健 康 な 生 活 を 確 保 できる 環 境 整 備 (9) 男 女 が 協 力 しあう 家 庭 生 活 の 推 進 (10) 職 業 生 活 と 家 庭 地 域 生 活 の 両 立 支 援 4

2. 子 どもに 関 する 問 題 現 状 と 課 題 社 会 構 造 やライフスタイルの 変 化 に 伴 い 家 庭 の 教 育 力 に 格 差 が 生 じたり 貧 困 問 題 が 新 たに 発 生 したりしています 近 年 著 しい 少 子 化 核 家 族 化 情 報 化 などの 社 会 環 境 の 変 化 が 大 きな 影 響 をもたらし 子 どもが 犯 罪 に 巻 き 込 まれる 事 件 や 青 少 年 の 非 行 問 題 いじめ 不 登 校 ひきこもり 虐 待 自 傷 行 為 など 子 どもを 取 り 巻 く 環 境 は 厳 しい 状 況 になっています このような 状 況 から 子 どもに 関 する 問 題 については 学 校 家 庭 行 政 地 域 の 中 で 子 どもたちが 安 全 で 健 やかに 育 つ 環 境 づくりが 早 急 に 求 められています 飛 騨 市 では 子 ども 会 育 成 会 連 絡 協 議 会 や 青 少 年 育 成 推 進 員 を 設 置 し 自 治 会 PTA 地 域 の 公 民 館 をはじめ 市 民 全 体 の 協 力 を 得 て 青 少 年 の 健 全 育 成 活 動 を 推 進 しています 推 進 方 針 地 域 社 会 全 体 で 子 どもの 育 つ 環 境 づくりを 推 進 し 子 どもが 一 人 の 人 間 として 尊 重 され 偏 見 や 差 別 によって 人 権 の 被 害 を 受 けることのない 社 会 の 充 実 を 図 ります 思 いやりの 心 を 育 み 基 本 的 な 生 活 習 慣 や 自 立 心 など 社 会 の 一 員 として 生 きること のできる 力 を 身 に 付 けるため 年 代 ごとに 親 の 学 びを 応 援 する 家 庭 教 育 に 関 する 学 習 プログラムの 充 実 を 図 ります 施 策 の 内 容 (1) 学 校 家 庭 企 業 地 域 など 市 民 全 体 で 相 互 に 連 携 を 取 りながら 子 どもの 人 権 尊 重 と 保 護 に 向 け 啓 発 活 動 を 推 進 します (2) 子 どもたちの 主 体 性 を 育 む 育 成 組 織 の 充 実 を 図 ります (3) 人 権 学 習 を 通 して 子 どもたちが 自 他 の 権 利 を 大 切 にすることや 社 会 の 中 で 果 たすべき 責 任 や 義 務 についての 指 導 に 努 めます (4) 子 どもが 社 会 性 を 身 に 付 けるとともに 他 人 への 思 いやりや 生 命 を 大 切 に 思 う 心 を 育 むよう 様 々な 世 代 の 人 たちとのふれあいや 交 流 活 動 等 を 推 進 します (5)ボランティア 活 動 などの 社 会 奉 仕 体 験 活 動 自 然 体 験 活 動 等 を 推 進 します (6) 子 どもの 健 全 な 育 成 を 図 るために 相 談 体 制 の 充 実 を 図 ります (7) 子 どもたちに 有 害 な 環 境 の 改 善 に 努 めます (8) 子 どもたちへの 地 域 の 教 育 力 の 向 上 を 図 ります (9) 校 内 暴 力 やいじめ 不 登 校 などに 対 して 学 校 と 連 携 して 教 育 相 談 指 導 の 充 実 を 図 ります 5

3. 高 齢 者 に 関 する 問 題 現 状 と 課 題 全 国 的 に 少 子 高 齢 化 が 進 行 する 中 飛 騨 市 においても 市 民 の 36 パーセントが 65 歳 以 上 の 高 齢 者 であり 高 齢 者 人 口 は 増 加 の 一 途 をたどっています こうした 状 況 の 中 孤 独 死 や 高 齢 者 への 身 体 的 心 理 的 虐 待 高 齢 者 に 対 する 悪 質 な 訪 問 販 売 財 産 奪 取 などの 犯 罪 や 権 利 侵 害 が 増 加 する 傾 向 にあります また 高 齢 化 に 伴 い 介 護 の 必 要 な 高 齢 者 はますます 増 加 すると 予 想 され 介 護 する 家 族 の 負 担 や 高 齢 者 に 対 する 身 体 的 精 神 的 な 虐 待 などの 人 権 問 題 が 提 起 されています 高 齢 者 が 安 心 して 自 立 した 生 活 を 送 れるように 支 援 するとともに 高 齢 者 が 社 会 を 構 成 する 重 要 な 一 員 として 各 種 の 活 動 に 積 極 的 に 参 加 できるような 取 組 みを 推 進 す ることが 大 切 です 推 進 方 針 高 齢 者 が 自 らの 意 志 に 基 づき 知 識 や 経 験 を 活 かして 家 庭 や 地 域 の 中 で 積 極 的 な 役 割 を 果 たしていけるよう 人 権 が 尊 重 され 健 康 で 生 きがいを 持 って 生 活 してい ける 社 会 の 現 実 を 図 ります いつまでも 住 み 慣 れた 地 域 で 安 心 して 暮 らすことので きる 社 会 づくりを 支 援 します また シルバー 人 材 センターの 活 動 を 支 援 し 高 齢 者 の 雇 用 の 場 の 拡 充 と 社 会 参 加 の 充 実 に 努 めます 施 策 の 内 容 (1) 飛 騨 市 高 齢 者 保 健 福 祉 計 画 第 6 期 介 護 保 険 事 業 計 画 を 推 進 します (2) 高 齢 者 も 社 会 の 重 要 な 一 員 として 生 き 生 きと 暮 らせる 社 会 の 実 現 を 目 指 し 人 権 尊 重 思 想 の 普 及 啓 発 を 図 ります (3) 高 齢 者 の 学 習 機 会 の 確 保 や 高 齢 者 の 持 つ 優 れた 知 識 経 験 等 を 生 かした 社 会 参 加 機 会 の 充 実 を 図 ります (4) 人 権 擁 護 委 員 社 会 福 祉 協 議 会 と 連 携 した 高 齢 者 相 談 体 制 の 充 実 を 図 ります (5) 高 齢 者 が 犯 罪 や 権 利 侵 害 にあわないよう 啓 発 活 動 を 推 進 します 4. 障 がい 者 に 関 する 問 題 現 状 と 課 題 障 がいのある 人 に 対 する 偏 見 や 差 別 意 識 等 のこころの 障 壁 建 築 物 や 歩 道 の 段 差 な どの 物 理 的 な 障 壁 文 化 情 報 面 での 障 壁 など 障 がいのある 人 が 地 域 社 会 に 住 み 社 会 生 活 に 平 等 に 参 加 するために 取 り 除 かなければならない 多 くの 障 壁 があります また 障 がいに 対 する 理 解 が 十 分 でない 人 達 の 心 ない 言 葉 や 行 動 によって 障 がい のある 人 やその 家 族 が 人 間 としての 尊 厳 を 傷 つけられることがあり 社 会 全 体 が 障 がいについて 正 しく 理 解 することが 必 要 です そして 自 立 と 社 会 参 加 を 市 民 全 体 で 6

促 進 していくことが 大 切 です 推 進 方 針 様 々な 障 壁 を 取 り 除 き 障 がいの 有 無 にかかわらず 基 本 的 人 権 を 享 有 する 個 人 と して 尊 重 されるよう 人 権 擁 護 施 策 を 一 層 推 進 します 市 民 一 人 ひとりが 障 がいに 対 して 適 切 な 理 解 をより 深 め 地 域 で 共 に 生 き 生 活 す る 上 で 障 がいのある 人 に 対 する 偏 見 や 差 別 意 識 などの 解 消 に 努 めます 障 がいがあっても 自 立 し 社 会 のあらゆる 分 野 に 参 画 できるよう 共 に 学 び 働 く 場 の 確 保 情 報 提 供 の 充 実 まちづくり 等 地 域 生 活 を 支 援 する 施 策 を 推 進 します 特 に 人 権 の 課 題 として 障 がいのある 人 の 中 には 実 際 に 生 活 する 上 で 自 己 選 択 や 自 己 決 定 の 意 思 表 示 が 困 難 な 場 合 があります このため 成 年 後 見 制 度 の 活 用 を 推 進 し 権 利 擁 護 の 一 層 の 強 化 を 図 ります 施 策 の 内 容 (1) 飛 騨 市 障 がい 福 祉 計 画 を 推 進 します (2) 障 がい 者 に 対 する 偏 見 や 差 別 をなくすために 障 がい 者 や 障 がいに 対 する 正 し い 理 解 と 認 識 を 深 めるための 啓 発 活 動 を 実 施 します (3) 障 がいのある 人 もない 人 も 共 に 生 きる 社 会 実 現 のため ボランティア 活 動 や 各 種 交 流 活 動 を 推 進 します (4) 障 がい 者 の 自 立 や 社 会 参 加 を 促 進 するため 物 理 的 な 障 がいを 無 くすなど 福 祉 のまちづくり を 推 進 します 学 校 施 設 についても 改 善 を 進 めます 5. 外 国 人 に 関 する 問 題 現 状 と 課 題 国 際 化 の 進 展 とともに 職 場 学 校 地 域 社 会 など 日 常 生 活 の 様 々な 場 面 で 外 国 人 と 密 接 に 関 わりを 持 つようになりました 日 本 が 将 来 にわたり 活 力 ある 社 会 を 維 持 していくために 日 本 人 と 外 国 人 の 双 方 が それぞれの 文 化 的 宗 教 的 背 景 などの 立 場 を 理 解 し 共 存 共 栄 を 図 っていく 多 文 化 共 生 の 考 え 方 が 重 要 になっています 日 本 人 と 外 国 人 が 住 民 として 共 に 生 活 する 開 かれた 地 域 社 会 を 実 現 するためには 外 国 の 歴 史 や 文 化 を 正 しく 認 識 し 尊 重 するとともに 広 く 市 民 の 間 にいろいろな 文 化 や 多 様 性 を 容 認 する 共 生 の 心 を 育 てることが 必 要 とされます 推 進 方 針 日 本 人 と 外 国 人 それぞれがお 互 いの 立 場 を 理 解 し 合 い それぞれの 才 能 を 十 分 に 活 用 できる 社 会 づくりに 努 めます また 外 国 人 を 取 り 巻 く 問 題 は 生 活 の 幅 広 い 分 野 にまたがっており 地 域 全 体 の 課 題 として 企 業 学 校 及 び 自 治 会 等 が 適 切 な 役 割 分 担 の 下 に 連 携 を 図 り 取 り 組 む 7

よう 推 進 します 施 策 の 内 容 (1) 文 化 習 慣 等 の 違 いから 生 じる 外 国 人 に 対 する 差 別 や 偏 見 をなくすため 多 文 化 共 生 の 学 習 を 推 進 します (2) 学 校 において 国 際 理 解 のための 教 育 を 推 進 します (3) 日 常 生 活 に 必 要 な 情 報 の 提 供 生 活 相 談 など 支 援 体 制 を 充 実 します (4) 外 国 人 住 民 が 安 心 安 全 に 自 立 して 生 活 できるよう 教 育 住 宅 医 療 福 祉 防 災 など 様 々な 分 野 で 生 活 支 援 の 充 実 を 図 ります 6. インターネットに 関 する 問 題 現 状 と 課 題 インターネットの 急 速 な 普 及 は 利 用 者 に 大 きな 利 便 性 をもたらす 一 方 で その 匿 名 性 情 報 発 信 の 容 易 さから 他 人 を 誹 謗 (ひぼう) 中 傷 する 表 現 や 差 別 を 助 長 す る 表 現 の 掲 載 など 人 権 に 関 わる 様 々な 問 題 が 発 生 しています また 近 年 インタ ーネットを 介 して 大 量 の 個 人 情 報 が 流 出 するなどの 事 件 が 多 発 しており プライバ シーに 関 する 不 安 も 高 まっています また 有 害 サイトを 利 用 したことから 犯 罪 に 巻 き 込 まれる 事 件 も 発 生 しています こうした 状 況 を 考 慮 し 国 は インターネット 上 の 人 権 侵 害 への 様 々な 対 策 を 進 め ていますが インターネットを 通 じた 人 権 侵 害 は 依 然 としてなくなりません 推 進 方 針 個 人 情 報 保 護 の 体 制 強 化 とともに 個 人 のプライバシーや 名 誉 に 関 する 理 解 を 深 め るための 啓 発 や インターネット 上 の 人 権 侵 害 プライバシーに 関 する 問 題 に 対 し インターネットについて 正 しい 知 識 を 学 ぶとともに 相 談 支 援 体 制 の 充 実 を 図 るこ とが 必 要 です プライバシーの 侵 害 に 関 する 事 例 は 情 報 化 社 会 の 中 で 以 前 にも 増 して 多 く 発 生 し ており プライバシーの 保 護 について 啓 発 に 努 めます 施 策 の 内 容 (1)インターネット 上 での 人 権 侵 害 や 個 人 情 報 の 流 出 などのプライバシーに 関 わる 問 題 に 対 して 関 係 機 関 と 連 携 を 図 りながら 迅 速 かつ 的 確 な 対 応 に 努 めます (2) 学 校 教 育 において インターネットに 関 する 正 しい 知 識 や 情 報 の 収 集 発 信 に おける 個 人 の 責 任 やモラルに 関 する 学 習 の 充 実 に 努 めます (3)インターネットによる 人 権 侵 害 を 防 止 するための 教 育 啓 発 人 権 を 侵 害 する おそれのある 書 き 込 みや ネット 上 のいじめへの 対 応 を 関 係 機 関 との 連 携 を 図 り 実 施 します 8

7. 様 々な 人 権 問 題 これまで 述 べてきた6 項 目 の 分 野 別 人 権 課 題 のほかにも 次 のような 人 権 問 題 が 存 在 します これらの 人 権 問 題 についても 人 権 尊 重 の 視 点 から 適 切 な 教 育 啓 発 活 動 を 推 進 するとともに 関 係 機 関 等 と 連 携 して 効 果 的 な 相 談 支 援 活 動 を 推 進 します (1) 同 和 問 題 に 関 する 偏 見 や 差 別 をなくそう 日 本 固 有 の 人 権 問 題 である 同 和 問 題 は 憲 法 が 保 障 する 基 本 的 人 権 に 関 わる 重 要 な 問 題 です 人 々の 観 念 や 潜 在 意 識 に 関 わる 心 理 的 差 別 については 着 実 に 解 消 へ 向 け て 進 んでいるものの 結 婚 問 題 を 中 心 に 依 然 として 根 深 く 存 在 しています 同 和 教 育 を 人 権 教 育 の 重 要 課 題 として 位 置 付 け 心 理 的 差 別 の 解 消 のため 同 和 問 題 に 対 する 正 しい 理 解 と 意 識 が 深 まるよう 創 意 工 夫 を 凝 らした 人 権 教 育 啓 発 活 動 を 推 進 します (2) アイヌの 人 々に 対 する 理 解 を 深 めよう 我 が 国 の 少 数 民 族 であるアイヌの 人 々は アイヌ 民 族 であることを 理 由 として 結 婚 や 就 職 などで 様 々な 差 別 を 受 け 経 済 的 にも 困 難 な 状 況 に 置 かれています アイヌの 人 たちに 対 する 人 権 擁 護 については アイヌ 民 族 の 歴 史 文 化 に 対 する 関 心 を 一 層 高 め 偏 見 や 差 別 の 解 消 に 努 めます (3) 感 染 症 患 者 に 対 する 偏 見 や 差 別 をなくそう 様 々な 感 染 症 にかかった 患 者 感 染 者 に 対 する 偏 見 は 正 しい 知 識 や 理 解 の 不 足 か ら 医 療 現 場 における 診 察 上 のトラブルのほか 就 職 拒 否 や 職 場 解 雇 等 の 人 権 問 題 と なって 現 われています エイズ 患 者 HIV 感 染 者 その 他 の 感 染 症 患 者 が 差 別 を 受 けることなく 安 心 し て 治 療 を 受 けることができるよう 感 染 症 について 正 しい 情 報 の 提 供 を 行 い 地 域 で 共 に 生 活 できる 社 会 の 実 現 を 図 ります (4) 刑 を 終 えて 出 所 した 人 に 対 する 偏 見 や 差 別 をなくそう 刑 を 終 えて 出 所 した 人 や その 家 族 に 対 する 地 域 社 会 からの 偏 見 や 就 労 住 居 確 保 の 問 題 など 社 会 復 帰 を 目 指 す 人 たちにとって 極 めて 厳 しい 状 況 にあります 刑 を 終 えて 出 所 した 人 に 対 する 人 権 擁 護 については 真 に 更 正 し 社 会 の 一 員 とし て 円 滑 な 生 活 を 営 むことができるよう 偏 見 や 差 別 の 解 消 に 努 めます (5) 犯 罪 被 害 者 とその 家 族 の 人 権 に 配 慮 しよう 9

犯 罪 被 害 者 やその 家 族 は 直 接 的 な 被 害 のみならず これに 付 随 して 生 じる 精 神 的 経 済 的 等 様 々な 被 害 を 受 けている 場 合 が 多 く マスメディアの 行 き 過 ぎた 取 材 や 報 道 などによって 人 権 が 侵 害 される 場 合 もあります 犯 罪 被 害 者 等 の 人 権 擁 護 については マスメディアの 自 主 的 な 取 組 みを 促 し プラ イバシー 侵 害 名 誉 毀 損 過 剰 取 材 などからの 人 権 擁 護 に 対 する 啓 発 に 努 めます (6) 北 朝 鮮 当 局 による 人 権 侵 害 問 題 に 対 する 認 識 を 深 めよう 北 朝 鮮 当 局 による 拉 致 問 題 は 我 が 国 の 主 権 及 び 国 民 の 生 命 と 安 全 に 関 わる 重 大 な 人 権 侵 害 問 題 であり 国 際 社 会 を 挙 げて 取 り 組 むべき 課 題 です 広 く 拉 致 問 題 につい ての 関 心 と 認 識 をもち 国 の 取 り 組 みを 積 極 的 に 推 進 します (7) ホームレスに 対 する 偏 見 や 差 別 をなくそう 雇 用 構 造 の 変 化 所 得 格 差 の 拡 大 などにより 安 定 した 居 住 の 場 所 を 有 しないホー ムレス( 野 宿 生 活 者 )が 増 加 しています ホームレスの 自 立 を 図 るため 様 々な 取 り 組 みが 行 われていますが 就 業 や 住 居 の 確 保 が 難 しく 偏 見 や 差 別 ばかりでなく 嫌 が らせや 暴 行 を 受 けるなどの 問 題 が 生 じています この 問 題 について 関 心 と 理 解 を 深 めていくことが 必 要 です (8) 性 的 指 向 性 同 一 性 障 がいを 理 由 とする 偏 見 や 差 別 をなくそう 性 的 指 向 性 同 一 性 障 がいのある 人 に 対 する 雇 用 面 における 差 別 性 の 区 分 を 前 提 とした 社 会 生 活 上 の 制 約 そして 根 強 い 偏 見 があります この 問 題 について 関 心 と 理 解 を 深 めていくことが 必 要 です (9) 人 身 取 引 をなくそう 性 的 搾 取, 強 制 労 働 等 を 目 的 とした 人 身 取 引 (トラフィッキング)は, 重 大 な 犯 罪 であり 基 本 的 人 権 を 侵 害 する 深 刻 な 問 題 です この 問 題 について 関 心 と 理 解 を 深 めていくことが 必 要 です (10) 東 日 本 大 震 災 に 起 因 する 人 権 問 題 に 取 り 組 もう 災 害 時 の 避 難 所 におけるプライバシーが 保 護 されないという 問 題 のほか 高 齢 者 障 がいのある 人 子 ども 外 国 人 などの 災 害 時 要 援 護 者 保 護 や 女 性 の 避 難 所 生 活 で の 配 慮 の 問 題 があります また 根 拠 のない 思 い 込 みや 偏 見 で 風 評 被 害 やいじめな どの 問 題 が 発 生 しています 一 人 ひとりが 正 しい 知 識 と 思 いやりの 心 を 持 ち 新 たな 人 権 問 題 の 発 生 を 防 止 して いくことが 必 要 です 10

第 4 章 推 進 体 制 1. 国 県 等 関 係 機 関 との 連 携 強 化 人 権 施 策 の 推 進 に 当 たっては 国 県 近 隣 市 町 村 などの 行 政 機 関 及 び 関 係 団 体 等 と 連 携 し 幅 広 い 活 動 を 行 っていくことが 必 要 です このため 岐 阜 地 方 法 務 局 や 高 山 人 権 啓 発 活 動 地 域 ネットワーク 協 議 会 を 中 心 に 人 権 に 関 わる 機 関 や 団 体 と 連 携 を 密 にし 協 力 体 制 を 図 りながら 人 権 啓 発 活 動 を 推 進 します 2. 市 における 推 進 体 制 この 指 針 の 推 進 に 当 たっては 関 係 部 局 の 相 互 連 携 を 図 り 協 力 体 制 を 強 化 してい くことが 必 要 です 総 合 的 かつ 効 果 的 な 推 進 を 図 ります 関 係 部 局 においては この 指 針 の 趣 旨 を 踏 まえ 諸 施 策 を 積 極 的 に 推 進 します 3. 指 針 の 推 進 期 間 この 指 針 の 推 進 期 間 は 平 成 27 年 度 から 平 成 36 年 度 までの 10 か 年 間 とします なお この 期 間 の 満 了 後 においても その 成 果 を 踏 まえ 国 関 係 機 関 及 び 市 民 と ともに 人 権 に 関 する 総 合 的 かつ 効 果 的 な 取 り 組 みを 継 続 します 11