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独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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①表紙

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

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○医療用医薬品の使用上の注意記載要領について

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2 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 差 し 控 え 国 は 平 成 25 年 4 月 から 定 期 接 種 化 したが ワクチン 接 種 との 関 連 を 否 定 できない 持 続 的 な 痛 みなどの 症 状 が 接 種 後 に 見 られたことから 平 成 25 年 6 月 定 期 接 種 と

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

全設健発第     号

スライド 1

( 運 用 制 限 ) 第 5 条 労 働 基 準 局 は 本 システムの 維 持 補 修 の 必 要 があるとき 天 災 地 変 その 他 の 事 由 によりシステムに 障 害 又 は 遅 延 の 生 じたとき その 他 理 由 の 如 何 を 問 わず その 裁 量 により システム 利 用 者

デュアック 配 合 ゲル に 係 る 医 薬 品 リスク 管 理 計 画 書 (RMP)の 概 要 販 売 名 デュアック 配 合 ゲル 有 効 成 分 クリンダマイシンリン 酸 エステ ル 水 和 物 / 過 酸 化 ベンゾイル 製 造 販 売 業 者 株 式 会 社 ポーラファルマ 薬 効 分

製 造 業 者 は 製 造 販 売 業 者 の 管 理 監 督 の 下 適 切 な 品 質 管 理 を 行 い 製 品 を 製 造 します なお 製 造 業 は 製 造 に 特 化 した 許 可 となっており 製 造 業 の 許 可 のみでは 製 品 を 市 場 に 出 荷 することはできま せん

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

独立行政法人国立病院機構

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

大学病院治験受託手順書

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認 し 通 常 の 立 入 検 査 に 際 しても 許 可 内 容 が 遵 守 されていることを 確 認 するこ と 2 学 校 薬 剤 師 業 務 の 兼 任 学 校 薬 剤 師 の 業 務 を 兼 任 する 場 合 の 取 扱 いは 次 のとおりとする (1) 許 可 要 件 1 薬 局 等 の

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

公表表紙

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

目 次 事 例 法 別 5 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 誕 生 が 昭 和 9 年 月 以 降 の 者 3 法 別 5 70 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置 対 象 者 法 別 歳 以 上 ( 患 者 負 担 割 ) 特 例 措 置

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( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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Taro-02 基本診療料施設基準通知

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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

(1) 児 童 福 祉 施 設 等 の 職 員 が 出 産 する 場 合 ( 以 下 産 休 の 場 合 という ) 次 のア 又 はイに 掲 げる 期 間 ア その 職 員 の 出 産 予 定 日 の6 週 間 多 胎 妊 娠 の 場 合 は14 週 間 前 の 日 から 産 後 8 週 間 を

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600


3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

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国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

こうした 経 緯 を 踏 まえ 当 該 製 剤 の 供 給 が 安 定 するまでの 間 は これら 2 疾 患 の 適 応 が 認 められていない 下 記 2 の 免 疫 グロブリン 3 製 剤 が 使 用 された 場 合 であっても 診 療 報 酬 の 審 査 にあたり 柔 軟 な 対 応 がなさ

4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

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003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

件名

2 立 候 補 するには 次 に 掲 げる 条 件 を 満 たしていることとする (1) 理 事 又 は 評 議 員 2 名 以 上 の 推 薦 があること (2) 連 続 5 年 以 上 本 学 会 の 正 会 員 で 会 費 を 完 納 していること (3) 選 考 が 行 われる 前 年 の1

Microsoft Word - 諮問第82号答申(決裁後)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

製剤であり、本製剤の自己注射を行っている患者に対して指導管理を行った場合は、「診療報酬の算定方法」(平成20年厚生労働省

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地域支援心理研究センター 紀要 第10号

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

2 条 例 の 概 要 (1) 趣 旨 この 条 例 は 番 号 利 用 法 第 9 条 第 2 項 に 基 づく 個 人 番 号 の 利 用 に 関 し 必 要 な 事 項 を 定 めます (2) 定 義 この 条 例 で 規 定 しようとする 用 語 の 意 義 は 次 のとおりです 1 個 人

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Q5 育 児 休 業 を 請 求 する 際 の 事 務 手 続 は? A5 育 児 休 業 を 請 求 しようとする 職 員 は, 育 児 休 業 承 認 請 求 書 ( 様 式 第 1 号 )に 子 の 氏 名 や 請 求 する 期 間 等 を 記 入 し, 育 児 休 業 を 始 めようとする1

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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

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430 2016 4 一 般 発 行 編 集 ( 社 団 ) 香 川 県 薬 剤 師 会 760-0006 高 松 市 亀 岡 町 9 番 20 号 087 831 3093 087 831 0508 http://www.kagayaku.jp/ ( 本 号 目 次 ) 最 近 話 題 の 副 作 用 トピックス 他 2 主 な 使 用 上 の 注 意 改 訂 情 報 ( 平 成 28 年 02 月 16 日 指 示 分 ) 1) 重 大 な 副 作 用 欄 の 改 訂 として リタリン コンサータ に 肝 不 全 肝 機 能 障 害 ネキシウム に 横 紋 筋 融 解 症 ハラヴェン に 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 多 形 紅 斑 バ ラクルード に 肝 機 能 障 害 を 追 記 し 注 意 喚 起 する DI 実 例 集 3 質 問 1. 妊 娠 産 褥 期 に 処 方 される 経 口 抗 凝 固 薬 について 教 えてください 話 題 を 追 って 4 1.アトピー 性 皮 膚 炎 のガイドライン 概 説 2. 早 期 慢 性 膵 炎 の 治 療 薬 行 政 の 窓 10 1. 医 薬 品 医 療 機 器 等 安 全 性 情 報 No.330 2. 厚 生 労 働 省 通 知 (1) 新 たに 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 において 公 知 申 請 に 関 する 事 前 評 価 を 受 けた 医 薬 品 の 適 応 外 使 用 について 1

最 近 話 題 の 副 作 用 トピックス 他 使 用 上 の 注 意 改 訂 情 報 ( 平 成 28 年 02 月 16 日 指 示 分 ) 厚 生 労 働 省 が 製 薬 企 業 に 指 示 した 医 薬 品 を 使 う 上 での 新 たな 注 意 事 項 製 薬 企 業 はこれに 基 づき 添 付 文 書 を 改 訂 する 117 精 神 神 経 用 剤 ( 中 枢 神 経 刺 激 薬 ) (1)メチルフェニデート(リタリン コンサータ ) 重 大 な 副 作 用 の 項 に 肝 不 全 肝 機 能 障 害 : 肝 不 全 ( 急 性 肝 不 全 等 ) 肝 機 能 障 害 があらわれることがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 異 常 が 認 められた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこと を 追 記 する 232 消 化 性 潰 瘍 用 剤 (PPI) (2)エソメプラゾール(ネキシウム ) 重 大 な 副 作 用 の 項 に 横 紋 筋 融 解 症 : 横 紋 筋 融 解 症 があらわれることがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 筋 肉 痛 脱 力 感 CK(CPK) 上 昇 血 中 及 び 尿 中 ミオグロビン 上 昇 等 があらわれた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこと また 横 紋 筋 融 解 症 による 急 性 腎 不 全 の 発 症 に 注 意 すること を 追 記 する 429 その 他 の 腫 瘍 用 薬 ( 手 術 不 能 または 再 発 乳 がん) (3)エリブリンメシル 酸 塩 (ハラヴェン ) 重 大 な 副 作 用 の 項 に 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 (Stevens-Johnson 症 候 群 ) 多 形 紅 斑 : 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 多 形 紅 斑 があらわれ ることがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 異 常 が 認 められた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 う こと を 追 記 する 2

625 抗 ウイルス 剤 (B 型 肝 炎 治 療 剤 ) (4)エンテカビル 水 和 物 (バラクルード ) 重 大 な 副 作 用 の 項 に 肝 機 能 障 害 : 本 剤 での 治 療 中 に AST(GOT) ALT(GPT)が 上 昇 することがある AST(GOT) ALT(GPT)の 上 昇 が 認 められた 場 合 より 頻 回 に 肝 機 能 検 査 を 行 うなど 観 察 を 十 分 に 行 うこと 検 査 値 等 の 経 過 から 肝 機 能 障 害 が 回 復 する 兆 候 が 認 められない 場 合 には 投 与 を 中 止 するなど 適 切 な 処 置 を 行 うこと を 追 記 する 参 考 文 献 1) 添 付 文 書 改 訂 / 厚 労 省 主 な 使 用 上 の 注 意 改 訂 情 報 (2016/02/16 指 示 分 ) 2) 医 薬 品 安 全 性 情 報 Vol.14 No.04(2016/02/25) 3) 医 薬 品 安 全 性 情 報 Vol.14 No.03(2016/02/10) DI 実 例 集 質 問 1. 妊 娠 産 褥 期 に 処 方 される 経 口 抗 凝 固 薬 について 教 えてください 妊 娠 産 褥 期 における 抗 凝 固 療 法 の 対 象 疾 患 は 表 1 に 示 すような 妊 娠 に 関 連 する 疾 患 が 多 い 妊 娠 という 特 別 な 過 凝 固 状 態 ( 表 2)によって 生 じる 疾 患 に 対 する 治 療 が 目 的 となる 3

妊 婦 に 対 して 経 口 の 抗 凝 固 薬 を 選 択 する 際 は ワルファリンやリバーロキサバンが 使 用 できないことに 注 意 する ワルファリンは 妊 娠 初 期 には 催 奇 形 性 があり 中 期 以 降 は 胎 児 の 凝 固 因 子 の 低 下 による 子 宮 内 で 頭 蓋 内 出 血 が 起 こることが 知 られている また リバーロキサバンでは 動 物 実 験 レベルで 催 奇 形 性 などがあることか ら 禁 忌 となっている ダビガトランやアピキサバン エドキサバンの 使 用 については 有 益 性 が 危 険 性 を 上 回 るとき であり 個 々のケースで 主 治 医 の 意 向 に 委 ねられる しかし 実 際 には これらの NOAC は 発 売 され てまだ 日 も 浅 いうえに 表 1 のような 疾 患 の 方 が 多 いわけではないため 投 与 実 績 はほとんどないと 思 われる 経 口 ではないが 実 臨 床 では 妊 娠 中 に 抗 凝 固 療 法 が 必 要 なときは 状 態 によっては 入 院 のうえヘパリナイゼー ションする( 経 静 脈 的 にヘパリンを 持 続 点 滴 する) 方 が 安 全 かつ 確 実 な 方 法 である 外 来 で 治 療 する 場 合 など は ヘパリン 製 剤 の 皮 下 注 射 を 自 宅 で 患 者 自 身 にしてもらい 定 期 的 に APTT を 測 定 しコントロールすると いう 方 法 も 行 われている 産 褥 期 の 女 性 では ワルファリンは 母 乳 移 行 しないため 使 用 できる ダビガトラン リバーロキサバン ア ピキサバン エドキサバンの 添 付 文 書 には 母 乳 移 行 が 動 物 実 験 で 認 められていると 記 載 されているため 産 褥 期 の 女 性 に 対 するこれらの 薬 剤 の 使 用 経 験 がほとんどない 現 状 では ワルファリンを 選 択 する 方 が 無 難 と 思 われる ( 杢 保 ) 参 考 文 献 Rp.+ レシピプラス Vol.15, No.1 各 医 薬 品 添 付 文 書 話 題 を 追 って 1.アトピー 性 皮 膚 炎 のガイドライン 概 説 (はじめに) 2015 年 に 改 訂 された 日 本 皮 膚 科 学 会 アトピー 性 皮 膚 炎 (atopic dermatitis:ad) 診 療 ガイドラインを 中 心 に 紹 介 する.1 瘙 痒,2 特 徴 的 皮 疹 と 分 布,3 慢 性 反 復 性 経 過 の 3 基 本 項 目 を 満 たすものを 症 状 の 軽 重 を 問 わず AD と 診 断 する. 治 療 方 針 は,1 薬 物 療 法,2 皮 膚 の 生 理 学 的 異 常 に 対 する 外 用 療 法 スキンケア,3 悪 化 因 子 の 検 索 と 対 策 の 3 点 が 基 本 になる. 薬 物 療 法 の 中 心 は, 抗 炎 症 外 用 薬 であるステロイド 外 用 薬 とタク ロリムス 軟 膏 である.ステロイド 外 用 薬 は 薬 効 の 強 さにより 5 つに 分 類 されるが, 個 々の 皮 疹 の 重 症 度 に みあったランクの 薬 剤 を 適 切 に 選 択 することが 重 要 である.タクロリムス 軟 膏 はとくに 顔 面 頸 部 の 皮 疹 に 対 して 高 い 適 応 のある 薬 剤 として 位 置 づけられている. 抗 ヒスタミン 薬 は 痒 みの 緩 和 を 目 的 として 補 助 的 に 用 い られる.スキンケアの 基 本 は 皮 膚 の 保 湿 である. 悪 化 因 子 は 年 齢 による 特 徴 もあり, 個 々の 症 例 で 十 分 に 吟 味 する 必 要 がある. アトピー 性 皮 膚 炎 治 療 ガイドラインの 主 なものとして, 日 本 皮 膚 科 学 会 によるものと 日 本 アレルギー 学 会 に よるものの 2 つがある. 両 者 は 大 筋 において 大 きな 差 異 はないが, 前 者 は 皮 膚 科 診 療 を 専 門 とする 医 師 を 対 象 としているのに 対 して, 後 者 は AD の 診 療 にかかわる 臨 床 医 を 広 く 対 象 としている.この 2 つのガイドライ ンは 将 来 的 には 統 合 される 予 定 である. (アトピー 性 皮 膚 炎 の 定 義 ) AD は 増 悪 寛 解 を 繰 り 返 す, 瘙 痒 のある 湿 疹 を 主 病 変 とする 疾 患 であり, 患 者 の 多 くはアトピー 素 因 を 持 つ.アトピー 素 因 とは,1 家 族 歴 既 往 歴 ( 気 管 支 喘 息,アレルギー 性 鼻 炎 結 膜 炎,AD のうちいずれか, 4

あるいは 複 数 の 疾 患 )があること,または,2 IgE 抗 体 を 産 生 しやすい 素 因 をさす. (ADの 病 態 ) AD の 病 態 は,1 皮 膚 バリア,2アレルギー 炎 症,3 瘙 痒 の 3 つの 観 点 から 考 えると 理 解 しやすい. 1. 皮 膚 バリア AD の 患 者 では 皮 膚 バリア 機 能 の 低 下 のため, 非 特 異 的 な 刺 激 に 対 する 皮 膚 の 被 刺 激 性 が 亢 進 し, 炎 症 がお こりやすくなると 想 定 されている. 2.アレルギー 炎 症 皮 膚 バリア 機 能 の 低 下 は, 抗 原 (アレルゲン)の 皮 膚 への 侵 入 しやすさにつながる.ダニや 花 粉 のようなア レルゲンは 蛋 白 抗 原 として 作 用 するだけでなく, 含 まれるプロテアーゼによって Th2 型 の 免 疫 応 答 を 誘 導 す る. 3. 瘙 痒 ヒスタミン H1 受 容 体 拮 抗 薬 ( 抗 ヒスタミン 薬 )が 著 効 する 蕁 麻 疹 と 異 なり,AD の 瘙 痒 に 対 する 抗 ヒスタ ミン 薬 の 効 果 は 症 例 によって 異 なることから,ヒスタミン 以 外 のメディエーターの 存 在 が 想 起 されている. 近 年,Th2 細 胞 が 産 生 するサイトカインのひとつである IL-31 が 瘙 痒 を 誘 導 することが 報 告 された. (ADの 診 断 ) 1. 診 断 基 準 日 本 皮 膚 科 学 会 による AD の 診 断 基 準 に 基 づき,1 瘙 痒,2 特 徴 的 皮 疹 と 分 布,3 慢 性 反 復 性 経 過 の 3 基 本 項 目 を 満 たすものを 症 状 の 軽 重 を 問 わず AD と 診 断 する( 表 1). 皮 疹 の 分 布 は 左 右 対 称 性 で, 屈 側 部 に 好 発 する. 年 齢 による 特 徴 もあり, 乳 児 期 には, 頭, 顔 から 皮 疹 が 出 現 し, 体 幹 や 四 肢 に 拡 大 する. 幼 少 児 期 には, 頸 部, 肘 下, 膝 窩 などの AD に 最 も 特 徴 的 な 部 位 に 皮 疹 が 出 現 する. 思 春 期 成 人 期 には 顔 面 を 含 む 上 半 身 に 皮 疹 が 強 くなる 傾 向 がある. 疑 診 例 では 急 性 あるいは 慢 性 の 湿 疹 とし, 年 齢 や 経 過 を 参 考 にして 診 断 する.なお, 世 界 的 には Hanifin & Rajka の 診 断 基 準 が 頻 用 されている. 表 1 アトピー 性 皮 膚 炎 の 診 断 基 準 ( 日 本 皮 膚 科 学 会 ) 2. 重 症 度 分 類 簡 便 な 重 症 度 分 類 として, 日 本 アレルギー 学 会 によるガイドラインでは 重 症 度 の 目 安 が 提 唱 されている.す なわち, 軽 度 の 皮 疹 のみがみられる 場 合 を 軽 症, 強 い 炎 症 を 伴 う 皮 疹 が 体 表 面 積 の 10% 未 満 にみられる 場 合 を 中 等 症,10% 以 上 30% 未 満 にみられる 場 合 を 中 重 症,30% 以 上 にみられる 場 合 を 最 重 症 と 定 めている.なお, 世 界 的 には Severity Scoring of Atopic Dermatitis(SCORAD)や,Eczema Area and Severity Index(EASI) 5

が 頻 用 されている. 一 方, 治 療 の 主 体 である 外 用 療 法 の 選 択 は 個 々の 皮 疹 の 重 症 度 ( 表 2)により 決 定 される.すなわち, 範 囲 は 狭 くとも 高 度 な 皮 疹 には 十 分 に 強 力 な 外 用 療 法 が 選 択 されるが, 範 囲 は 広 くとも 軽 度 の 皮 疹 には 強 力 な 外 用 療 法 は 必 要 としない. 表 2 皮 膚 の 重 症 度 とステロイド 外 用 薬 の 選 択 3. 診 断 や 重 症 度 の 参 考 になる 検 査 血 清 総 I g E 値 は AD 患 者 の 約 80%で 高 値 を 示 し 診 断 の 参 考 となり, 長 期 的 な 重 症 度 や 病 勢 を 反 映 するが, 短 期 的 な 変 化 は 反 映 しない.AD の 短 期 的 な 重 症 度 や 病 勢 の 参 考 となる 検 査 には, 末 梢 血 好 酸 球 数, 血 清 LDH 値 や TARC 値 などがある. 特 に 血 清 TARC 値 は 短 期 的 な 病 勢 を 鋭 敏 に 反 映 する 指 標 といえる. (ADの 治 療 ) 1. 治 療 の 目 標 治 療 の 最 終 目 標 は, 症 状 がないか,あっても 軽 微 で, 日 常 生 活 に 支 障 がなく, 薬 物 療 法 もあまり 必 要 としな い 状 態 に 到 達 し,その 状 態 を 維 持 することである.また,このレベルに 到 達 しない 場 合 でも, 症 状 が 軽 微 また は 軽 度 で, 日 常 生 活 に 支 障 をきたすような 急 な 悪 化 が 起 こらない 状 態 を 維 持 することを 目 標 とする. 2. 治 療 方 法 AD の 治 療 方 法 はその 病 態 に 基 づいて,1 薬 物 療 法,2 皮 膚 の 生 理 学 的 異 常 に 対 する 外 用 療 法 スキンケア, 3 悪 化 因 子 の 検 索 と 対 策 の 3 点 が 基 本 になる.これらはいずれも 重 要 であり, 個 々の 患 者 ごとに 症 状 の 程 度 や 背 景 などを 考 慮 して 適 切 に 組 み 合 わされる. 3. 薬 物 療 法 現 時 点 において AD の 炎 症 を 十 分 に 鎮 静 するための 薬 剤 で 有 効 性 と 安 全 性 が 科 学 的 に 十 分 に 検 討 されてい るものは,ステロイド 外 用 薬 とタクロリムス 軟 膏 である. ステロイド 外 用 薬 は 薬 効 の 強 さにより,Ⅰ 群 (ストロンゲスト),Ⅱ 群 (ベリーストロング),Ⅲ 群 (ストロ ング),Ⅳ 群 (ミディアム),Ⅴ 群 (ウィーク)の 5 つに 分 けられる.ステロイド 外 用 薬 を 使 用 する 際, 個 々 の 皮 疹 の 重 症 度 にみあったランクの 薬 剤 を 適 切 に 選 択 することが 重 要 である( 表 2).ステロイド 外 用 薬 の 外 用 量 としては 第 2 指 の 先 端 から 第 1 関 節 部 までチューブから 押 し 出 した 量 ( 約 0.5g)が, 成 人 の 手 で 2 枚 分, すなわち 成 人 の 体 表 面 積 のおよそ 2%に 対 する 適 量 である. タクロリムスはカルシニューリンを 抑 制 する 薬 剤 である.タクロリムス 軟 膏 はとくに 顔 面 頸 部 の 皮 疹 に 対 して 高 い 適 応 のある 薬 剤 として 位 置 づけられている.しかし,びらん, 潰 瘍 面 には 使 用 できない. 薬 効 の 強 さ には 上 限 があるなど,ステロイド 軟 膏 にはない 使 用 上 の 制 約 がある.なお, 発 癌 のリスクに 関 しては,タクロ リムス 軟 膏 の 使 用 が 皮 膚 癌 やリンパ 腫 の 発 症 リスクを 高 めることはないというエビデンスが 集 積 されてきている. プロアクティブ(proactive) 療 法 は 急 性 期 の 治 療 によって 寛 解 導 入 した 皮 膚 に, 保 湿 外 用 薬 によるスキン ケアに 加 え,ステロイド 外 用 薬 やタクロリムス 軟 膏 を 定 期 的 に( 週 2 回 など) 塗 布 し, 寛 解 状 態 を 維 持 する 治 6

療 法 である.ただし, 抗 炎 症 外 用 薬 の 連 日 塗 布 からプロアクティブ 療 法 を 行 っている 間 も 保 湿 外 用 薬 などによ る 毎 日 のスキンケアは 継 続 することが 必 要 である. AD の 瘙 痒 に 対 してヒスタミン H1 受 容 体 拮 抗 薬 ( 抗 ヒスタミン 薬 )が 広 く 用 いられているが,その 効 果 は 症 例 による 差 が 大 きい.AD の 治 療 においてはステロイドやタクロリムスなどの 抗 炎 症 外 用 薬 によって 皮 膚 炎 を 鎮 静 化 することが 最 も 重 要 であり, 抗 ヒスタミン 薬 の 内 服 はその 補 助 療 法 として 勧 められる. 抗 ヒスタミン 薬 には 抗 コリン 作 用 や 鎮 静 作 用 が 比 較 的 強 い 第 一 世 代 抗 ヒスタミンと 抗 コリン 作 用 の 少 ない 抗 ヒスタミン 薬 が ある. 治 療 効 果 には 差 がなく, 眠 気, 倦 怠 感 や 自 覚 を 伴 わない 能 力 低 下 (インペアードパフォーマンス)など の 副 作 用 が 少 ないことから, 非 鎮 静 性 の 第 二 世 代 抗 ヒスタミン 薬 の 使 用 が 勧 められる. シクロスポリンは, 日 本 においては 2008 年 に 既 存 治 療 で 十 分 な 効 果 が 得 られない 最 重 症 の 成 人 AD 患 者 に 対 する 使 用 が 承 認 された.3mg/kg/day を 開 始 用 量 とし, 症 状 により 5mg/kg/day を 超 えないよう 適 宜 増 減 し, 8 ~ 12 週 間 で 終 了 する. 使 用 中 は 腎 障 害 や 高 血 圧 感 染 症 などに 注 意 する 症 状 が 軽 快 した 後 は, 速 やかに 一 般 的 な 外 用 治 療 に 切 り 替 えることが 重 要 である. 長 期 投 与 が 必 要 な 場 合 は 2 週 間 の 休 薬 期 間 を 挟 む 間 欠 投 与 とする. 4. 皮 膚 バリア 機 能 の 異 常 に 対 する 外 用 療 法 スキンケア AD では, 角 質 の 水 分 含 有 量 が 低 下 して 皮 膚 が 乾 燥 し, 皮 膚 バリア 機 能 の 低 下 をきたしている. 保 湿 外 用 薬 ( 保 湿 剤 保 護 剤 )の 使 用 は 低 下 した 角 質 水 分 量 を 改 善 し, 皮 膚 バリア 機 能 を 回 復 させることで, 皮 膚 炎 の 再 燃 予 防 とアレルゲンの 侵 入 予 防, 痒 みの 抑 制 につながる. 保 湿 外 用 薬 による 維 持 療 法 中 に 皮 膚 炎 の 再 燃 がみら れた 部 位 には, 炎 症 の 程 度 に 応 じてステロイド 外 用 薬 やタクロリムス 軟 膏 などを 使 用 し, 炎 症 の 早 期 鎮 静 化 お よび 維 持 療 法 へと 回 帰 することをめざす. (ADの 治 療 手 順 ) 最 後 に AD の 治 療 手 順 を 図 1 に 示 す. 確 実 な 診 断 と 重 症 度 の 評 価 の 後, 患 者 の 皮 疹 の 状 態 に 応 じて 適 切 な 治 療 ア ド ヒ ア ラ ン ス へ の 配 慮 図 1 アトピー 性 皮 膚 炎 の 診 断 治 療 アルゴリズム 7

治 療 をうまく 組 み 合 わせて 行 うことが 重 要 である.とくに 初 診 時 には,AD の 病 態 や 治 療 法 をわかりやすく 具 体 的 に 説 明 して 認 識 を 共 有 することが 大 切 である. ( 大 西 ) 参 考 文 献 佐 伯 秀 久 : 医 学 のあゆみ アトピー 性 皮 膚 炎 Update P.43-48(2016) 2. 早 期 慢 性 膵 炎 の 治 療 薬 8

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行 政 の 窓 1. 医 薬 品 医 療 機 器 等 安 全 性 情 報 No.330 平 成 28 年 2 月 9 日 に 厚 生 労 働 省 から 発 行 されましたので 情 報 の 概 要 を 掲 載 します 詳 細 は 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 (PMDA)ホームページを 御 覧 ください http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/safety-info/0043.html No. 医 薬 品 等 情 報 の 概 要 1 子 どもによる 医 薬 品 誤 飲 事 故 の 防 止 対 策 について 近 年 子 どもによる 医 薬 品 誤 飲 事 故 が 多 く 発 生 していることが 報 告 されています 誤 飲 事 故 の 防 止 のために 医 療 関 係 者 の 方 々 へお 願 いしていることを 改 めて 紹 介 します 2 アムロジピンベシル 酸 塩 他 (1 件 ) 平 成 28 年 1 月 12 日 に 改 訂 を 指 導 した 医 薬 品 の 使 用 上 の 注 意 の うち 重 要 な 副 作 用 等 について 改 訂 内 容 等 とともに 改 訂 の 根 拠 となった 症 例 の 概 要 等 に 関 する 情 報 を 紹 介 します 3 アジルサルタン 他 (12 件 ) 使 用 上 の 注 意 の 改 訂 について(その 271) 4 市 販 直 後 調 査 の 対 象 品 目 一 覧 平 成 27 年 12 月 末 日 現 在 市 販 直 後 調 査 の 対 象 品 目 を 紹 介 しま す 2. 厚 生 労 働 省 通 知 最 近 の 厚 生 労 働 省 通 知 の 概 要 を 掲 載 します 通 知 の 全 文 は 香 川 県 庁 薬 務 感 染 症 対 策 課 ホームページ 薬 務 のページ に 掲 載 しています 10

http://www.pref.kagawa.lg.jp/yakumukansen/yakujinotice/iyaku/yakujishido.htm (1) 新 たに 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 において 公 知 申 請 に 関 する 事 前 評 価 を 受 けた 医 薬 品 の 適 応 外 使 用 について 平 成 28 年 2 月 26 日 付 け 薬 生 審 査 発 0226 第 1 号 薬 生 安 発 0226 第 1 号 各 都 道 府 県 保 健 所 設 置 市 特 別 区 衛 生 主 管 部 ( 局 ) 長 宛 厚 生 労 働 省 医 薬 生 活 衛 生 局 審 査 管 理 課 長 安 全 対 策 課 長 通 知 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 において 公 知 申 請 ( 注 1)に 関 する 事 前 評 価 が 行 われた 次 の 医 薬 品 については 公 知 申 請 を 行 うことが 認 められた ついては 医 療 機 関 での 当 該 医 薬 品 の 適 応 外 使 用 にあたっては その 適 正 使 用 を 通 じた 安 全 確 保 等 を 図 るた めに 下 記 事 項 ( 注 2)に 留 意 の 上 で 取 扱 いされたい 当 該 医 薬 品 の 医 療 上 の 必 要 性 の 高 い 未 承 認 薬 適 応 外 薬 検 討 会 議 公 知 申 請 への 該 当 性 に 係 る 報 告 書 (http://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/p-drugs/0017.html)の 内 容 を 熟 知 し 個 別 の 患 者 の 状 態 に 合 わせた 用 法 用 量 の 調 整 等 を 行 った 上 で 適 切 かつ 慎 重 に 使 用 する 当 該 医 薬 品 の 使 用 上 の 注 意 等 を 熟 知 し 治 療 内 容 や 発 生 しうる 副 作 用 等 に 関 する 患 者 への 事 前 説 明 と 同 意 の 取 得 に 努 める 重 篤 な 副 作 用 を 知 った 場 合 には 遅 滞 なく 関 係 企 業 又 は 厚 生 労 働 省 に 報 告 する 当 該 適 応 外 使 用 を 行 った 症 例 の 把 握 に 努 める 平 成 28 年 2 月 26 日 開 催 の 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 医 薬 品 第 二 部 会 において 公 知 申 請 を 行 うことが 認 められた 医 薬 品 一 般 名 販 売 名 ( 会 社 名 ) コルヒチン コルヒチン 錠 0.5mg タカタ ( 高 田 ) バルガンシクロビル 塩 酸 塩 バ リ キ サ 錠 450mg ( 田 辺 三 菱 ) カペシタビン ゼローダ 錠 300 ( 中 外 ) 追 加 または 変 更 予 定 の 効 能 効 果 追 加 される 予 定 の 効 能 効 果 家 族 性 地 中 海 熱 追 加 される 予 定 の 効 能 効 果 臓 器 移 植 ( 造 血 幹 細 胞 移 植 を 除 く) におけるサイトメガロウ イルス 感 染 症 の 発 症 抑 制 追 加 される 予 定 の 効 能 効 果 直 腸 癌 における 補 助 化 学 療 法 追 加 または 変 更 予 定 の 用 法 用 量 の 概 略 追 加 される 予 定 の 用 法 用 量 通 常 成 人 には コルヒチンとして 1 日 0.5mg を 1 回 又 は 2 回 に 分 けて 経 口 投 与 する なお 患 者 の 状 態 により 適 宜 増 減 するが 1 日 最 大 投 与 量 は 1.5mg までとする 通 常 小 児 には コルヒチンとして 1 日 0.01 ~ 0.02mg/kg を 1 回 又 は 2 回 に 分 けて 経 口 投 与 する なお 患 者 の 状 態 により 適 宜 増 減 するが 1 日 最 大 投 与 量 は 0.03mg/kg まで とし かつ 成 人 の 1 日 最 大 投 与 量 を 超 えないこととする 追 加 される 予 定 の 用 法 用 量 通 常 成 人 にはバルガンシクロビルとして 1 回 900mg (450mg 錠 2 錠 )を 1 日 1 回 食 後 に 経 口 投 与 する 追 加 される 予 定 の 用 法 用 量 直 腸 癌 における 補 助 化 学 療 法 には B 法 を 使 用 する 直 腸 癌 における 補 助 化 学 療 法 で 放 射 線 照 射 と 併 用 する 場 合 には D 法 を 使 用 する D 法 : 体 表 面 積 にあわせて 次 の 投 与 量 を 朝 食 後 と 夕 食 後 30 分 以 内 に 1 日 2 回 5 日 間 連 日 経 口 投 与 し その 後 2 日 間 休 薬 する これを 繰 り 返 す なお 患 者 の 状 態 により 適 宜 減 量 する 体 表 面 積 1 回 用 量 1.31 m2 未 満 900mg 1.31 m2 以 上 1.64 m2 未 満 1,200mg 1.64 m2 以 上 1,500mg 11

追 加 予 定 の 使 用 上 の 注 意 等 については 記 載 省 略 上 記 効 能 効 果 への 使 用 にあたっては 必 ず 事 前 に 通 知 全 文 検 討 会 議 報 告 書 その 他 必 要 な 情 報 を 入 手 し 熟 知 した 上 で 使 用 されたい 注 1) 通 常 の 承 認 申 請 時 には 臨 床 試 験 等 の 試 験 成 績 に 関 する 資 料 の 添 付 が 必 要 であるが その 申 請 に 係 る 事 項 が 医 学 薬 学 上 公 知 であると 認 められる 場 合 等 には 添 付 資 料 を 省 略 できる( 医 薬 品 医 療 機 器 等 法 施 行 規 則 第 40 条 第 2 項 ) また 平 成 22 年 8 月 25 日 の 中 央 社 会 保 険 医 療 協 議 会 で 適 応 外 薬 について 公 知 申 請 の 事 前 評 価 が 終 了 した 段 階 から 保 険 適 用 し 患 者 負 担 を 軽 減 する 方 針 が 決 定 されている 注 2) 平 成 22 年 8 月 30 日 付 け 薬 食 審 査 発 0830 第 9 号 薬 食 安 発 0830 第 1 号 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 審 査 管 理 課 長 及 び 安 全 対 策 課 長 連 名 通 知 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 において 公 知 申 請 に 関 する 事 前 評 価 を 受 けた 医 薬 品 の 適 応 外 使 用 について ( 医 薬 品 情 報 No.364 2010 年 10 月 号 に 掲 載 )で 示 された 取 扱 いと 同 様 の 取 扱 いを 行 う 編 集 委 員 地 一 荻 田 幸 阿 部 武 由 中 島 弘 毅 沖 上 朋 美 安 藤 智 美 小 畑 雅 彦 橋 本 はる 奈 近 藤 勇 人 森 末 健 也 12