糖尿病と歯周病の関係

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糖尿病の歯科病変

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光 輪 はさみこども 園 学 校 保 健 安 全 法 ( 第 19 条 )に 準 ずる(H24.4 改 定 ) 病 名 感 染 しやすい 期 間 登 園 のめやす 症 状 ( 発 熱 全 身 症 状 呼 吸 器 症 状 )がある 期 間 インフルエンザ ( 発 症 前 24 時 間 ~ 発 病 後

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栄養管理手順について

目次

平成24年度 福島県患者調査の概況(厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課 保健統計室:H )

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

5 月 25 日 2 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 2 GIO: 口 腔 咽 頭 唾 液 腺 の 疾 患 を 理 解 する SBO: 1. 急 性 慢 性 炎 症 性 疾 患 を 説 明 できる 2. 扁 桃 の 疾 患 を 説 明 できる 3. 病 巣 感 染 症 を 説 明 できる 4

首 は 下 あ ご の 骨 の 下 か ら 鎖 骨 の 上 ま で 自 分 の 首 を 両 手 で は さ ん で お さ え て み ま し ょ う 師 首 っ て ど ん な 仕 事 を し て い る か な 子 頭 を の せ て い る 頭 を お さ え て い る 頭 を 動 か し

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

北海道医療大学歯学部シラバス

診療行為コード

- 糖 結 合 質 変 性 劣 化 糖 - 炭 水 化 物 糖 + 食 物 繊 維 理 解 助 糖 取 上 酸 化 - 酸 化 合 病 気 酸 化 酸 化 活 性 酸 素 言 葉 目 機 会 多 思 比 言 葉 聞 思 体 内 酸 化 直 接 的 病 気 老 化 惹 起 遠 巻 病 気 老 化 要

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総 合 科 学 研 究 科 ( 留 学 生 担 当 ) 文 学 部 文 学 研 究 科 哲 学 思 想 文 化 学 コース 歴 史 学 コース 地 理 学 考 古 学 文 化 財 学 コース 日 本 中 国 文 学 語 学 コース 翀 欧 米 文 学 語 学 言 語 学 コース 比 較 日 本 文

スライド 1

子 育 てをサポート サポートする 休 暇 等 制 度 1 出 産 前 後 の 休 暇 休 暇 等 名 称 妊 娠 出 産 後 通 院 休 暇 ( 特 別 休 暇 ) 妊 娠 中 の 職 員 及 び 出 産 後 1 年 以 内 の 職 員 が 保 健 指 導 又 は 健 康 審 査 を 受 ける 場

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Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

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①表紙

第 3 回 肥 満 質 質 基 本 形 酸 質 胃 腸 酵 素 酸 分 解 小 腸 吸 収 血 中 注 入 酸 各 細 胞 質 材 料 使 不 要 質 分 解 再 利 用 糖 不 足 酸 肝 臓 窒 素 除 去 糖 生 成 源 低 血 糖 時 補 充 大 栄 養 素 脂 肪 炭 水 化 物 大 栄

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 135,6 243,7 2 級 185,8 37,8 3 級 4 級 222,9 354,7 ( 注 )

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想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

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会 計 士 大 会 計 事 務 所 立 上 70 歳 会 計 士 顧 客 計 算 指 摘 単 純 計 算 思 確 誤 後 多 半 年 後 医 者 中 期 診 断 受 元 経 営 者 若 頃 経 営 80 歳 頭 切 言 正 月 用 嫁 節 料 理 作 翌 日 机 節 料 理 懸 命 探 洋 服 出

資 料 1 栄 養 食 生 活 脂 肪 やコレステロールを とり 過 ぎない 人 の 増 加 塩 分 を 控 える 人 の 増 加 色 の 濃 い 野 菜 を 食 べる 人 の 増 加 カルシウムを 多 くとる 人 の 増 加 体 重 コントロールを 実 践 する 人 の 増 加 児 童 生 徒 の


頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

Microsoft Word - H27報告書

主 要 な が ん 治 療 に つ い て 入 院 に か か る 医 療 費 の 支 払 い か ら 計 算 し た も の で す 例 え ば 胃 が ん に つ い て は 平 均 入 院 費 は 総 額 約 万 円 で 自 己 負 担 額 は 約 3 3 万 円 程 度 必 要

PowerPoint プレゼンテーション

5) 在 宅 医 療 提 供 体 制 の 検 討 退 院 に 関 わる 業 種 ごとに 部 会 を 立 ち 上 げ 在 宅 医 療 に 必 要 なことについて 検 討 していく またそれを 拠 点 整 備 事 業 委 員 会 が 統 括 し さらにそれを 拠 点 整 備 事 業 協 議 会 が 監

( 新 ) 医 療 提 供 の 機 能 分 化 に 向 けたICT 医 療 連 携 導 入 支 援 事 業 費 事 業 の 目 的 医 療 政 策 課 予 算 額 58,011 千 円 医 療 分 野 において あじさいネットを 活 用 したICT したICT 導 入 により により 医 療 機 能

第 2 部 各 論 1 糖 尿 病 に 関 する 柏 市 の 現 状 及 び 健 康 課 題 糖 尿 病 に 関 する 柏 市 の 現 状 から, 柏 市 の 健 康 課 題 を 抽 出 します 柏 市 の 現 状 データ 疾 病 の 指 摘 状 況 再 掲 図 4 成 人 の 疾 病 の 指 摘

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

我孫子市小規模水道条例

神 経 系 統 の 機 能 神 経 系 統 の 機 能 の 著 しい 障 害 とは 脳 の 器 質 障 害 四 肢 その 他 の 神 経 の 損 傷 によって 生 じる 灼 熱 痛 脳 神 経 及 び 脊 髄 神 経 の 外 傷 その 他 の 原 因 による 神 経 痛 等 により 特 に 軽 易

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全設健発第     号

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第 3 章 歯 科 疾 患 の 予 防 及 び 口 腔 機 能 の 維 持 向 上 のた めの 課 題 全 般 高 齢 者 障 害 者 の 章 立 てが 必 要 ご 意 見 ありがとうございます 今 後 の 課 題 とさせて 頂 きます う 蝕 の 予 防 高 校 生 以 上 の 一 般 成 人 も

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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健 康 医 療 戦 略 に 係 る 農 林 産 省 の 主 な 取 組 みについて 1. 健 康 長 寿 社 会 の 形 成 のための 食 の 研 究 開 発 の 推 進 2. 医 福 食 農 連 携 の 取 組 の 推 進 3 5 2

5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき


2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

05_現状把握指標一覧(H28.1.1時点)【 確定版】

ウ 一 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 粒 ~ 粒 お 召 し 上 がりください という 旨 の 幅 の 両 端 をもって 表 示 することも 可 能 です エ 栄 養 成 分 の 量 及 び 熱 量 ( 栄 養 成 分 表 示 ) 一 日 の 摂 取 目 安 量 当 たりの 栄 養 成 分 の

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3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

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毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい



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こうした 経 緯 を 踏 まえ 当 該 製 剤 の 供 給 が 安 定 するまでの 間 は これら 2 疾 患 の 適 応 が 認 められていない 下 記 2 の 免 疫 グロブリン 3 製 剤 が 使 用 された 場 合 であっても 診 療 報 酬 の 審 査 にあたり 柔 軟 な 対 応 がなさ

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母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

00本文

Ⅰ 主 要 な 生 活 習 慣 病 発 症 予 防 と 重 症 化 予 防 徹 底 評 価 項 目 一 覧 81

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

75 歳 以 上 の 方 の 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 75 歳 になると 全 ての 方 が 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に 加 入 して 医 療 を 受 けます 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 は 東 京 都 後 期 高 齢 者 医 療 広 域 連 合 が 主 体 となり 区

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

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人 間 ドックコース( 脳 検 査 がん 検 査 含 む) 298,000 円 / 税 込 その 他 肥 満 症 やせ 症 高 / 低 血 圧 近 視 乱 視 白 内 障 緑 内 障 網 膜 疾 患 外 部 の 音 を 遮 断 したブースで 音 を 聞 き 取 って 調 難 聴 腹 部 超 音 波

1. 超 高 齢 社 会 生 活 習 慣 病 の 増 加 増 大 する 国 民 医 療 費 により 危 機 的 状 況 を 迎 える 国 民 の 健 康 生 活 国 民 の 健 康 や 将 来 の 生 活 に 対 する 不 安 の 増 大 医 療 費 増 大 等 による 医 療 介 護 制 度 の

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 分 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

044 多発血管炎性肉芽腫症

2. ネオdeしゅうほ 開 発 の 背 景 ネオdeしゅうほ は 保 険 期 間 中 に 万 一 のことがあった 場 合 に 収 入 減 少 に 対 する 備 えとして 毎 月 一 定 の 金 額 を 受 け 取 りたいというお 客 さまニーズに 応 える 商 品 です ライフスタイルの 多 様 化


2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

Microsoft Word - 諮問第82号答申(決裁後)

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第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

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2. 入 院 1 延 入 院 患 者 数 H27 H28 ( 単 位 : 人 ) 区 分 8 月 9 月 1 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 合 計 一 般 障 害 ( 西 42 床 ) 1,218 1,154 1,266 1,161 1,17 1,2

Transcription:

糖 尿 病 と 歯 周 病 の 関 係 ー お 口 の 中 の 変 化 から 初 期 症 状 を 発 見?! ー 入 野 田 歯 科 医 院 入 野 田 昌 史

日 本 糖 尿 病 対 策 推 進 会 議 で 作 成 されたポスターです 血 糖 値 が 下 がらないのは 歯 周 病 かもしれません

糖 尿 病 の 第 6 合 併 症 が 歯 周 病 と 言 われています

歯 の 喪 出 で 過 栄 養? 無 歯 顎 者 や 少 数 歯 で 入 れ 歯 を 使 ってい ない 者 は 歯 が 多 く 残 っている 者 や 入 れ 歯 を 使 っている 者 より 有 意 に 肥 満 の 者 が 多 く 腹 囲 が 大 きかった (Hilgert JB, Gerodontorogy 2009;26:45-52)

20 歯 以 上 歯 が 残 存 している 者 は, 適 切 な BMI(20-25)を 保 っている 者 が 多 い (Marcenes W,Steele JG Cad Saude Publica 2003;19:809-816) 8020(80 歳 で20 歯 残 そう!) 歯 の 存 在 は 健 康 を 維 持 させる

生 活 習 慣 病 糖 尿 病 歯 周 病 歯 周 病 = 口 の 生 活 習 慣 病

2.2 型 糖 尿 病 と 歯 周 病 との 係 わり 歯 周 病 は 歯 周 病 原 菌 による 感 染 症 であり その 際 の 炎 症 により 単 球 やマクロファージから 放 出 される TNF-αがインスリン 抵 抗 性 を 増 加 し 糖 尿 病 が 悪 化 するとも 言 われている

糖 尿 病 は 歯 周 病 のリスクを 高 める

糖 尿 病 の 人 は 歯 周 病 が 重 症 化 しやすい 糖 尿 病 の 人 は 歯 周 病 の 進 行 や 歯 周 ポケット( 歯 と 歯 肉 の 隙 間 の 深 さ)や 歯 槽 骨 ( 歯 を 支 えてい る 骨 )の 吸 収 が 糖 尿 病 でない 人 より 早 いことがわ かっています 血 糖 コントロールが 悪 い 人 ほど 歯 周 病 も 悪 化 する

糖 尿 病 の 人 が 歯 周 病 を 治 療 すると 血 糖 値 が 改 善 することがあると 言 われている?! 歯 周 病 の 治 療 によって 歯 周 組 織 の 炎 症 が 改 善 さ れると インスリンが 働 きやすい 状 態 になって 血 糖 コントロールが 改 善 する 可 能 性 があると 報 告 されて います

歯 周 炎 が 持 続 していると 歯 肉 から 炎 症 物 質 が 血 行 を 介 して 全 身 に 飛 び 火 する 筋 肉 や 肝 臓 の 細 胞 でのインスリン 抵 抗 性 の 増 加 (インスリンが 効 きにくくなる) 糖 尿 病 の 悪 化

( 糖 尿 病 性 腎 症 由 来 の 人 工 透 析 患 者 さんの 歯 周 病 を 調 べた 結 果 ) 糖 尿 病 の 合 併 症 ( 腎 症 )で 歯 周 病 がさらに 悪 化 する! 歯 槽 骨 の 吸 収 が 著 しく 進 行 している ( 唾 液 の 減 少?)

3. 糖 尿 病 に 関 連 する 口 腔 症 状 口 渇 口 腔 乾 燥 症 口 腔 内 感 染 症 免 疫 力 低 下 ( 智 歯 周 囲 炎 蜂 巣 炎 等 ) 歯 肉 炎 歯 周 炎 虫 歯 末 梢 神 経 知 覚 異 常 舌 痛 症 口 腔 衛 生 状 態 の 悪 化 味 覚 異 常 成 人 糖 尿 病 の1/3は 味 覚 低 下 口 臭 ケトン 臭 あるいは 歯 周 病 による 口 臭 口 腔 粘 膜 疾 患 慢 性 的 な 免 疫 低 下

唾 液 についての 話 唾 液 とは 口 腔 内 から 分 泌 される 水 溶 液 で 電 解 質 粘 液 多 くの 種 類 の 酵 素 が 含 まれています 正 常 な 成 人 の 分 泌 量 は1~1.5l/ 日 と 言 われています 唾 液 腺 : 口 腔 周 囲 にある 分 泌 腺 ( 大 唾 液 腺 と 小 唾 液 腺 ) 大 唾 液 線 ( 耳 下 腺 顎 下 腺 舌 下 腺 )の3つがある 小 唾 液 腺 ( 口 唇 腺 頬 線 口 蓋 腺 臼 歯 腺 舌 腺 ) 仙 台 歯 科 医 師 会 スマイルNo.57 唾 液 のパワーより 引 用

仙 台 歯 科 医 師 会 スマイルNo.57 唾 液 のパワーより 引 用 唾 液 腺 の 性 状 3 大 唾 液 腺 耳 下 腺 :サラサラとした 水 のような 性 状 顎 下 腺 : 糸 を 引 くようなネバネバした 粘 液 質 舌 下 腺 : 耳 下 腺 と 顎 下 腺 の 中 間 的 性 状

唾 液 の 働 き 1. 消 化 作 用 :アミラーゼで でんぷんを 麦 芽 糖 に 分 解 2. 溶 解 作 用 : 味 物 質 を 溶 解 して 味 覚 を 促 進 3. 洗 浄 作 用 : 食 べ 物 の 汚 れを 流 す 4. 円 滑 作 用 : 咀 嚼 嚥 下 発 声 をスムーズにする 5. 抗 菌 作 用 : 抗 菌 因 子 が 病 原 菌 に 抵 抗 する 6. 緩 衝 作 用 : 酸 アルカリに 対 する 中 和 作 用 温 度 の 緩 和 7. 保 護 作 用 : 刺 激 から 粘 膜 を 保 護 する 8. 排 泄 作 用 : 薬 物 の 一 部 は 唾 液 中 に 排 泄 される 参 考 ( 引 用 ): 唾 液 の 科 学 石 川 達 也 先 生 著

細 菌 に 対 する 唾 液 の 抗 菌 作 用 A)リゾチーム: 細 菌 の 細 胞 膜 を 破 壊 して 殺 菌 や 抗 炎 症 作 用 B)ペルオキシターゼ: 細 菌 の 代 謝 活 動 を 阻 害 して 殺 菌 する C)ラクトフェリン: 細 菌 の 発 育 を 抑 制 する D)ヒスタミン: 抗 菌 作 用 と 傷 の 治 癒 を 早 める 作 用 がある E) 免 疫 グロブリン: 細 菌 が 細 胞 に 取 り 付 く 機 能 を 無 くす 参 考 文 献 ( 引 用 ): 唾 液 の 科 学 石 川 達 也 先 生 著

ドライマウスの 原 因 1. ドライマウスとは 唾 液 が 不 足 して 口 が 渇 く 病 気 水 分 摂 取 不 足 体 液 の 喪 失 ( 多 量 出 血 嘔 吐 / 下 痢 発 汗 広 範 囲 熱 傷 透 析 ) 尿 量 増 加 ( 未 治 療 糖 尿 病 尿 崩 症 ) 口 呼 吸 仙 台 歯 科 医 師 会 スマイルNo.57 唾 液 のパワーより 引 用

唾 液 の 量 を 増 やす 唾 液 の 量 を 増 やすエクササイズ 食 べ 物 を 噛 む 回 数 をふやす 唾 液 の 量 を 増 やす 方 法 昆 布 を 噛 む: 昆 布 に 含 まれているアルギン 酸 には 唾 液 の 分 泌 量 を 増 やしてくれる 作 用 があります 酸 味 のあるものを 食 べる: 梅 干 し 酢 の 物 レモン など 酸 味 のあるものは 唾 液 を 多 く 出 してくれます 人 工 唾 液 や 飲 み 薬 を 使 う

唾 液 腺 マッサ-ジ 耳 下 腺 マッサージ: 耳 たぶの 下 に 親 指 をあて 人 さし 指 で 小 さな 円 を 描 き 斜 め 前 へとなでます 顎 下 腺 マッサージ: 親 指 であごの 内 側 の 軟 かい 部 分 を 押 します 舌 下 腺 マッサージ:あごの 下 を 親 指 で 舌 を 持 ち 上 げるように 押 します

味 覚 障 害 の 原 因 全 身 の 病 気 : 糖 尿 病 肝 疾 患 腎 疾 患 消 化 器 疾 患 など 口 の 病 気 : 口 腔 乾 燥 症 口 腔 粘 膜 疾 患 舌 炎 口 腔 カンジダ 症 など 心 因 性 :ストレス 不 安 症 など 薬 の 副 作 用 栄 養 障 害 : 亜 鉛 欠 乏 鉄 欠 乏 低 栄 養 など 参 考 文 献 ( 引 用 ); 味 覚 障 害 に 歯 科 医 院 を 役 立 てよう 東 北 大 佐 藤 しづ 子 先 生 著

口 臭 から 考 える 糖 尿 病 と 歯 周 病 糖 尿 病 が 悪 化 するとケトン 臭 がおこることがある 糖 尿 病 による 口 腔 乾 燥 症 ( 口 渇 )は 口 腔 内 の 免 疫 機 能 を 低 下 させることによって 歯 周 病 も 悪 く なり 歯 肉 から 炎 症 性 の 出 血 や 排 膿 から 悪 臭 がおこる また 痰 がからむことで 一 層 口 臭 が 増 悪 することがある

糖 尿 病 になると 口 腔 内 に 変 化 ( 炎 症 編 ) 歯 肉 炎 や 歯 周 炎 が 悪 化 したり 普 通 より 治 りが 遅 くなる 口 内 炎 や 口 腔 内 の 潰 瘍 が 治 りづらい 抜 歯 などの 口 腔 内 手 術 後 の 治 癒 が 遅 延 する

歯 周 病 とは? 歯 周 病 とは 歯 と 歯 ぐきの 間 のポケットと 呼 ばれている 細 菌 の 塊 (プラーク)による 感 染 症 です

歯 周 病 原 菌 による 感 染 症 について 歯 周 病 原 菌 は 一 般 の 人 のお 口 の 中 に 存 在 する 常 在 菌 です 歯 垢 や 歯 石 の 中 に 潜 んでいる 細 菌 の 数 が 増 加 した り 喫 煙 やストレスなどにより 体 の 抵 抗 力 が 低 下 し 感 染 することでおこる 感 染 症 です

歯 周 病 のチェックシート 歯 肉 が 赤 い 歯 肉 が 腫 れている 歯 肉 から 血 が 出 ることがある 歯 肉 が 下 がる 歯 がしみる 口 臭 が 気 になる 歯 が 動 く 噛 むと 痛 い 歯 肉 から 膿 が 出 る 歯 肉 を 押 すと 痛 い 1つでも 症 状 があれば 歯 周 病 の 疑 い 3つ 以 上 で 要 注 意 の 必 要 があります 5つ 以 上 で 重 症 の 可 能 性 があります

歯 周 病 の 治 療 歯 周 病 治 療 の 基 本 はプラークコントロール( 歯 垢 や 歯 石 の 除 去 ) セルフコントロール: 自 分 自 身 で 行 うもの プロフェッショナルコントロール: 歯 科 医 師 や 歯 科 衛 生 士 が 行 うもの 歯 周 外 科 治 療 : 歯 肉 切 除 フラップ 手 術 など 歯 周 組 織 再 生 治 療 :エムドゲインやGTR 法 など

歯 周 病 におけるプラークコントロール プロフェッショナルコントロール: 歯 科 医 師 や 歯 科 衛 生 士 が 行 う 歯 石 除 去 などの 口 腔 ケア ( 超 音 波 スケーラーや 機 械 的 歯 面 清 掃 など) セルフコントロール: 患 者 さん 自 身 で 行 う 歯 ブラシ 及 び 糸 ようじや 歯 間 ブラシによる 口 腔 清 掃

糖 尿 病 患 者 さんの 歯 科 受 診 時 のお 願 い! 初 診 時 には 必 ず 糖 尿 病 であることを 告 げる HbA1c が7% 以 上 の 場 合 には 治 療 に 影 響 することがあ るので 必 ず 申 告 する 糖 尿 病 連 携 手 帳 やお 薬 手 帳 を 持 っている 場 合 には 提 示 してほしい 糖 尿 病 の 処 方 薬 は 必 ず 服 用 して 適 正 な 食 事 をしてから 受 診 する 抜 歯 などの 観 血 的 処 置 は 午 前 中 が 好 ましい

糖 尿 病 連 携 手 帳 ( 日 本 糖 尿 病 協 会 編 ) 歯 周 病 の 記 載

歯 科 との 係 わり( 番 外 編 ) 1. 口 腔 機 能 の 改 善 運 動 機 能 の 改 善 2. 口 腔 機 能 の 改 善 栄 養 バラランスの 改 善 (ガムを 噛 むだけで 脳 の 血 流 量 が 増 すと 言 われている)

良 く 噛 んで 食 べよう! 良 く 噛 んで 美 味 しく 食 事 をすることで 満 腹 中 枢 を 刺 激 し 食 べ 過 ぎのリスクを 減 らす と 言 われている 満 腹 中 枢 とは 脳 の 中 でお 腹 がいっぱいになった ことを 知 らせる 中 枢 です

5. 最 後 に(まとめ)! 糖 尿 病 になったら 歯 科 も 受 診 して 下 さい 糖 尿 病 の 第 6 合 併 症 の 歯 周 病 かもしれません! サンスター 小 冊 子 より

謝 辞 と 参 考 文 献 東 北 大 学 大 学 院 歯 学 研 究 科 歯 周 病 科 教 授 島 内 英 俊 先 生 東 北 大 学 大 学 院 歯 学 研 究 科 予 防 歯 科 教 授 小 関 健 由 先 生 仙 台 歯 科 医 師 会 スマイルNo.57 唾 液 のパワー 味 覚 障 害 に 歯 科 医 院 を 役 立 てよう 東 北 大 学 病 院 佐 藤 しづ 子 先 生 著 サンスター 大 槻 様 モリタ フリーイラストより