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別紙3

Transcription:

分 譲 マンション 市 場 の 動 向 地 価 の 下 げ 止 まり 等 によるマンション 販 売 価 格 上 昇 や 量 的 緩 和 政 策 及 びゼロ 金 利 政 策 解 除 による 金 利 上 昇 など 分 譲 マンション 市 場 を 取 り 巻 く 外 部 環 境 は 変 化 が 生 じてき ている 分 譲 マンション 市 場 をめぐる 最 近 の 動 向 と 今 後 の 先 行 きについて 検 証 を 行 った (1) 最 近 の 住 宅 着 工 件 数 全 体 の 動 向 住 宅 の 供 給 側 の 指 標 として 新 設 の 住 宅 着 工 件 数 の 推 移 をみると 全 体 では 15 年 以 降 は 前 年 比 で 増 加 傾 向 が 続 いている 利 用 関 係 別 の 内 訳 をみると 貸 家 が 大 きく 増 加 に 寄 与 し 好 調 な 伸 びを 続 けている 一 方 17 年 に 寄 与 度 が 大 きかった 分 譲 マンションは18 年 に 寄 与 度 が 大 きく 減 少 している ( 第 Ⅰ-2-21 図 ) 第 Ⅰ-2-21 図 利 用 関 係 別 住 宅 着 工 件 数 の 推 移 ( 前 年 比 伸 び 率 寄 与 度 ) 1 5 5 分 譲 マンション 分 譲 マンション 寄 与 度 が 低 下 1 マンション 持 ち 家 貸 家 その 他 ( 分 譲 戸 建 等 ) 全 国 次 に 好 調 な 貸 家 と 伸 びが 鈍 化 した 分 譲 マンションについて 地 域 別 の 着 工 件 数 の 動 向 をみてみる 貸 家 の 地 域 別 の 動 向 をみると 17 年 までは 首 都 圏 の 寄 与 度 が 大 きかったものの 18 年 に 入 り 寄 与 度 が 小 さくなっている 一 方 中 部 圏 近 畿 圏 3 大 都 市 圏 以 外 のその 他 の 地 域 の 寄 与 度 が17 年 18 年 と 大 きくなっていることが 分 かる なお 首 都 圏 の 都 県 別 寄 与 度 をみると 18 年 には 東 京 都 の 寄 与 度 が 小 さくなっていることが 分 かる( 第 Ⅰ-2-22 図 23 図 ) - 54 -

第 Ⅰ-2-22 図 全 国 の 貸 家 着 工 件 数 の 動 向 ( 前 年 比 伸 び 率 寄 与 度 ) 1 首 都 圏 以 外 の 地 域 が 大 きく 増 加 5 その 他 近 畿 圏 中 部 圏 5 首 都 圏 首 都 圏 中 部 圏 近 畿 圏 その 他 地 域 全 国 第 Ⅰ-2-23 図 首 都 圏 の 貸 家 着 工 件 数 の 動 向 ( 前 年 比 伸 び 率 寄 与 度 ) 3 2 1 1 東 京 都 東 京 都 の 寄 与 が 大 きく 減 少 東 京 神 奈 川 埼 玉 千 葉 首 都 圏 一 方 分 譲 マンション 着 工 件 数 の 地 域 別 動 向 をみると 17 年 の 分 譲 マンションの 増 加 に 首 都 圏 が 大 きく 寄 与 しているが 18 年 には 首 都 圏 は 減 少 に 寄 与 していることが 分 かる また 3 大 都 市 圏 ( 首 都 圏 近 畿 圏 中 京 圏 ) 以 外 のその 他 の 地 域 については 1 6 年 以 降 増 加 傾 向 が 続 いていることが 分 かる( 第 Ⅰ-2-24 図 ) - 55 -

第 Ⅰ-2-24 図 全 国 の 分 譲 マンション 着 工 件 数 の 動 向 ( 前 年 比 伸 び 率 寄 与 度 ) 2 1 1 首 都 圏 首 都 圏 の 寄 与 が 大 きく 減 少 首 都 圏 中 京 圏 近 畿 圏 その 他 全 国 (2) 首 都 圏 における 分 譲 マンション 市 場 の 動 向 ~ 用 地 取 得 難 から 郊 外 化 へ~ 18 年 に 減 少 に 転 じた 首 都 圏 の 動 向 について 詳 細 にみていきたい 首 都 圏 の 分 譲 マ ンション 着 工 件 数 の 都 県 別 寄 与 度 をみると シェアが 最 も 大 きい 東 京 都 における 着 工 件 数 が16 年 以 降 減 少 に 寄 与 しており 東 京 都 における 着 工 件 数 の 低 迷 が 続 いていること が 分 かる 神 奈 川 県 は16 年 17 年 は 増 加 に 寄 与 していたが18 年 は 減 少 に 転 じた ま た 埼 玉 県 千 葉 県 の 動 向 をみると17 年 18 年 と 増 加 に 大 きく 寄 与 しており 首 都 圏 分 譲 マンションを 下 支 えしているのは 埼 玉 県 や 千 葉 県 などのいわゆる 郊 外 の 地 域 であるこ とが 分 かる( 第 Ⅰ-2-25 図 ) 第 Ⅰ-2-25 図 首 都 圏 の 分 譲 マンション 着 工 件 数 の 動 向 ( 前 年 比 伸 び 率 寄 与 度 ) 15 1 5 5 1 東 京 都 東 京 都 は 低 迷 東 京 神 奈 川 埼 玉 千 葉 首 都 圏 - 56 -

着 工 件 数 という 供 給 面 でみた 場 合 東 京 都 が 低 迷 しているがこれは 東 京 都 における 分 譲 マンションの 需 要 が 伸 び 悩 んでいるためであろうか 需 要 面 の 指 標 として 分 譲 マンションの 契 約 率 (17 年 18 年 上 半 期 においてはそれぞ れ17 年 末 時 点 18 年 上 半 期 末 時 点 での 累 積 契 約 率 18 年 第 3 四 半 期 については7 月 ~9 月 の 初 月 契 約 率 の 平 均 )をみると 東 京 都 部 神 奈 川 県 などの 契 約 率 は 高 くなっ ている 一 方 着 工 件 数 が 増 え 今 後 供 給 が 伸 びると 見 込 まれる 千 葉 県 や 埼 玉 県 について は 東 京 都 などと 比 較 すると 相 対 的 に 契 約 率 が 低 くなっており 需 要 に 追 いつかない ため 供 給 が 増 えたという 状 況 とも 異 なる 可 能 性 が 高 い( 第 Ⅰ-2-26 図 ) 第 Ⅰ-2-26 図 首 都 圏 各 地 域 の 分 譲 マンション 契 約 率 1 9 (%) 17 年 累 積 契 約 率 8 18 年 上 半 期 累 積 契 約 率 7 6 18 年 第 3 四 半 期 初 月 契 約 率 (7~9 月 平 均 ) 都 部 都 下 神 奈 川 埼 玉 千 葉 ( 注 ) 17 年 18 年 上 半 期 においてはそれぞれ17 年 末 時 点 18 年 上 半 期 末 時 点 での 累 積 契 約 率 1 8 年 第 3 四 半 期 については7 月 ~9 月 の 初 月 契 約 率 の 平 均 であり 比 較 する 期 間 計 算 方 法 等 が それぞれ 異 なっていることに 注 意 が 必 要 資 料 : 首 都 圏 マンション 市 場 動 向 (25 年 のまとめ 26 年 上 半 期 26 年 7 月 度 26 年 8 月 度 26 年 9 月 度 ) (( 株 ) 不 動 産 経 済 研 究 所 ) 一 方 直 近 3 年 間 における 東 京 23 における 別 の 人 口 変 化 率 をみると 千 代 田 中 央 港 などの 都 心 部 や 江 東 といったいわゆる 湾 岸 エリアの 増 加 率 が23 平 均 と 比 較 して 顕 著 に 高 いことが 分 かり いわゆる 都 心 回 帰 と 呼 ばれる 都 心 部 への 人 口 流 注 入 は 依 然 として 続 いていることが 分 かる ) ( 第 Ⅰ-2-27 図 ) 注 ) ただし 実 際 に 人 口 が 増 加 するのは 入 居 した 時 点 であり 着 工 と 販 売 と 入 居 はそれぞれ 時 点 が 異 なることには 留 意 する 必 要 がある - 57 -

第 Ⅰ-2-27 図 東 京 23 における 直 近 3 年 間 の 人 口 変 化 率 8 (%) 6 4 2 2 千 代 田 中 央 港 新 宿 文 京 台 東 墨 田 江 東 品 川 目 黒 大 田 世 田 谷 渋 谷 中 野 杉 並 豊 島 北 荒 川 板 橋 練 馬 足 立 葛 飾 江 戸 川 平 成 16 年 度 平 成 17 年 度 平 成 18 年 度 23 全 体 ( 各 年 の 単 純 平 均 ) ( 注 )23 全 体 は16 年 17 年 18 年 の 人 口 変 化 率 を 単 純 に 平 均 したもの 資 料 : 東 京 都 の 人 口 ( 推 計 ) ( 東 京 都 ) 以 上 のように 東 京 都 の 都 心 部 における 分 譲 マンション 需 要 は 郊 外 と 比 較 して 依 然 と して 高 いものであるにもかかわらず 着 工 件 数 において 東 京 都 が 伸 び 悩 んでいる 一 方 千 葉 県 や 埼 玉 県 が 伸 びている 理 由 は 供 給 面 の 制 約 に 係 る 要 因 が 大 きいと 考 えられる 首 都 圏 における 東 京 都 の 住 宅 着 工 件 数 シェアを 分 譲 マンション 分 譲 戸 建 持 家 貸 家 で 比 較 すると 分 譲 マンション 分 譲 戸 建 はシェアの 減 少 が 顕 著 であるものの 持 家 貸 家 などでは 顕 著 な 低 下 はみられない( 第 Ⅰ-2-28 図 ) 第 Ⅰ-2-28 図 利 用 形 態 別 にみた 首 都 圏 内 における 東 京 都 の 住 宅 着 工 件 数 シェア 7 6 (%) 分 譲 マンション 5 4 3 2 総 数 持 家 貸 家 分 譲 マンション 分 譲 戸 建 ( 注 ) 首 都 圏 とは 東 京 都 神 奈 川 県 埼 玉 県 千 葉 県 を 指 し 18 年 は9 月 までの 数 値 による これらのことから 分 譲 マンションの 供 給 において 東 京 都 のシェアが 下 がっている 理 由 - 58 -

の 一 つとして 用 地 取 得 難 が 発 生 していると 推 察 される バブル 崩 壊 やその 後 の 景 気 低 迷 を 経 て 199 年 代 後 半 から 行 われてきた 企 業 の 資 産 リストラによる 遊 休 地 等 の 放 出 が 一 段 落 し 東 京 の 都 心 部 では 分 譲 マンションの 建 設 に 必 要 な ある 程 度 まとまった 広 さ の 土 地 の 確 保 が 難 しくなっていると 考 えられる その 結 果 として 東 京 都 ほど 契 約 の 状 況 が 活 発 ではないが まとまった 土 地 の 取 得 が 可 能 な 埼 玉 県 や 千 葉 県 といった 郊 外 に 分 譲 マンション 供 給 がシフトしている 可 能 性 が 考 えられる (3) 3 大 都 市 圏 以 外 のその 他 地 域 の 分 譲 マンションの 動 向 続 いて 3 大 都 市 圏 以 外 のその 他 の 地 域 の 分 譲 マンションの 動 向 についてみていき たい 3 大 都 市 圏 以 外 のその 他 の 地 域 の 分 譲 マンション 着 工 件 数 の 全 体 の 伸 びに 対 す る 寄 与 度 をみると 最 近 では 茨 城 県 や 福 岡 県 の 寄 与 が 大 きくなっていることが 分 かる 茨 城 県 がこの3 年 ほど 増 加 が 大 きくなっている 背 景 としては 前 述 の 東 京 都 の 都 心 部 にお ける 用 地 取 得 難 に 加 えて 17 年 8 月 につくばエクスプレス( 秋 葉 原 ~つくば)が 開 業 した ことによる 沿 線 開 発 の 進 展 が 大 きく 影 響 していると 考 えられる つくばエクスプレス 沿 線 は 開 発 があまり 進 んでいなかった 一 方 都 心 部 からの 距 離 がそれほど 離 れていないた め 今 後 も 郊 外 化 の 受 け 皿 として 増 加 傾 向 が 続 く 可 能 性 が 考 えられる( 第 Ⅰ-2-7 表 ) 第 Ⅰ-2-7 表 3 大 都 市 圏 以 外 の 地 域 における 分 譲 マンション 増 加 上 位 5 都 道 府 県 ( 単 位 :%) 平 成 15 年 平 成 16 年 平 成 17 年 平 成 18 年 (9 月 まで) 都 道 府 県 寄 与 度 都 道 府 県 寄 与 度 都 道 府 県 寄 与 度 都 道 府 県 寄 与 度 北 海 道.6 福 岡.8 茨 城 1.2 茨 城.8 秋 田.1 広 島.5 福 岡.6 福 岡.6 福 井.1 岡 山.5 長 崎.4 新 潟.5 広 島.1 鹿 児 島.5 北 海 道.3 栃 木.3 徳 島.1 茨 城.3 新 潟.3 広 島.2 ( 注 ) 3 大 都 市 圏 とは 首 都 圏 近 畿 圏 中 部 圏 を 指 す (4) 今 後 の 分 譲 マンション 市 場 の 見 通 し 今 後 の 分 譲 マンション 市 場 の 見 通 しに 関 して 今 年 に 入 ってからの 初 月 契 約 率 は 依 然 として 7%を 越 える 水 準 を 維 持 しており 需 給 バランスは 好 調 に 保 たれていることが 分 かる また 人 口 構 造 をみても 定 年 による 引 退 を 控 えた 団 塊 の 世 代 住 宅 取 得 適 齢 期 に 達 している 団 塊 ジュニアの 世 代 が 存 在 するため 潜 在 的 な 需 要 は 当 面 存 在 すると みられるものの 一 方 で 1 都 心 部 における 広 大 なマンション 用 地 の 取 得 難 による 立 地 - 59 -

条 件 の 悪 化 2 東 京 都 23 を 中 心 とする 地 価 の 上 昇 や 建 築 資 材 等 の 値 上 がり 等 を 背 景 にした 東 京 都 23 などにおける 販 売 単 価 の 上 昇 3 量 的 緩 和 政 策 ゼロ 金 利 政 策 解 除 を 受 けた 金 利 の 上 昇 による 取 得 負 担 額 の 増 加 などのリスク 要 因 も 存 在 しており 消 費 者 マインドに 影 響 を 与 える 可 能 性 があるため 今 後 の 市 場 動 向 には 注 意 が 必 要 であ る( 第 Ⅰ-2-29 図 3 図 31 図 ) 1 (%) 第 Ⅰ-2-29 図 分 譲 マンション 初 月 契 約 率 の 推 移 ( 首 都 圏 ) 7 16 年 17 年 18 年 資 料 : 首 都 圏 マンション 市 場 動 向 ( 各 月 ) (( 株 ) 不 動 産 経 済 研 究 所 ) 第 Ⅰ-2-3 図 年 齢 階 級 別 人 口 25 2 ( 万 人 ) 団 塊 ジュニア 世 代 昭 和 46~49 年 生 団 塊 の 世 代 昭 和 22~24 年 生 15 1 5 5 1 15 2 25 3 35 4 45 5 55 6 65 7 75 8 85 9 95 1 ( 歳 ) ( 注 ) 11 歳 以 上 は 1 歳 に 計 上 した 資 料 : 国 勢 調 査 ( 総 務 省 ) - 6 -

第 Ⅰ-2-31 図 東 京 23 における 分 譲 マンション m 2 単 価 の 推 移 75 ( 万 円 ) 7 65 6 ( 注 ) m 2 単 価 18 年 については 上 半 期 の 数 値 資 料 : 首 都 圏 マンション 市 場 動 向 (25 年 のまとめ 26 年 上 半 期 ) (( 株 ) 不 動 産 経 済 研 究 所 ) - 61 -