佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 ( 案 ) 平 成 27 年 12 月 佐 野 市
目 次 1. 生 活 排 水 処 理 構 想 について 1.1 生 活 排 水 処 理 構 想 とは P.1 1.2 生 活 排 水 処 理 施 設 の 種 類 P.1 2. 佐 野 市 の 現 状 と 課 題 2.1 整 備 状 況 P.2 2.2 主 な 汚 水 処 理 施 設 P.2 2.3 生 活 排 水 処 理 における 課 題 P.3 3. 生 活 排 水 処 理 構 想 の 内 容 3.1 基 本 方 針 P.4 3.2 検 討 手 順 P.5 3.3 目 標 年 度 と 将 来 人 口 P.6 3.4 構 想 見 直 しの 考 え 方 P.7 3.5 整 備 目 標 P.8~9 35 付 図 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 図 ( 案 )) P.10
1. 生 活 排 水 処 理 構 想 について 1.1 生 活 排 水 処 理 構 想 とは トイレや 台 所 などからの 汚 水 を 処 理 する 施 設 を 汚 水 処 理 施 設 と 呼 び 佐 野 市 では 公 共 下 水 道 農 業 集 落 排 水 浄 化 槽 による 汚 水 処 理 を 実 施 しています 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 の 目 的 は 市 内 全 ての 地 域 で それぞれの 汚 水 処 理 施 設 の 特 徴 を 生 かした 整 備 区 域 整 備 目 標 を 定 め 汚 水 処 理 施 設 整 備 を 効 率 的 かつ 効 果 的 に 進 めようとするものです 今 般 の 人 口 減 少 や 厳 しい 財 政 状 況 を 踏 まえ 都 道 府 県 構 想 の 見 直 しを 徹 底 するとともに 早 期 の 生 活 排 水 処 理 施 設 の 概 成 を 目 指 すために 持 続 的 な 汚 水 処 理 システム 構 築 に 向 けた 都 道 府 県 構 想 策 定 マニ ュアル ( 平 成 26 年 1 月 国 土 交 通 省 農 林 水 産 省 環 境 省 )が 示 さ れました 本 市 においても 新 栃 木 県 生 活 排 水 処 理 構 想 の 見 直 しに 合 わせ 県 と 密 接 に 連 携 を 図 りな がら 地 域 特 性 に 見 合 うように 構 想 を 見 直 すこととなりました 1.2 生 活 排 水 処 理 施 設 の 種 類 汚 水 処 理 施 設 整 備 を 進 めるために 以 下 のような 事 業 があります 佐 野 市 では これらの 事 業 のうち 公 共 下 水 道 事 業 農 業 集 落 排 水 事 業 浄 化 槽 設 置 整 備 事 業 を 実 施 しています 公 共 下 水 道 事 業 ( 国 交 省 ) 特 定 環 境 保 全 公 共 下 水 道 事 業 ( 国 交 省 ) 汚 水 処 理 施 設 集 合 処 理 施 設 農 業 集 落 排 水 事 業 ( 農 林 水 産 省 ) 漁 業 集 落 排 水 事 業 ( 農 林 水 産 省 ) 林 業 集 落 排 水 事 業 ( 農 林 水 産 省 ) 簡 易 排 水 施 設 整 備 事 業 ( 農 林 水 産 省 ) コミュニティー プラント ( 環 境 省 ) 小 規 模 集 合 排 水 処 理 施 設 整 備 事 業 ( 総 務 省 ) 個 別 処 理 施 設 浄 化 槽 設 置 整 備 事 業 ( 個 人 環 境 省 ) 浄 化 槽 市 町 村 整 備 推 進 事 業 ( 環 境 省 ) 個 別 排 水 処 理 施 設 整 備 事 業 ( 環 境 省 総 務 省 ) その 他 佐 野 市 で 実 施 している 事 業 - 1 -
2. 佐 野 市 の 現 状 と 課 題 2.1 整 備 状 況 佐 野 市 の 生 活 排 水 処 理 人 口 普 及 率 は 平 成 26 年 度 末 で74.9%であり 整 備 手 法 別 では 公 共 下 水 道 62.1% 農 業 集 落 排 水 施 設 3.5% 浄 化 槽 ( 合 併 )9.3%となって います 表 -1 処 理 人 口 及 び 普 及 率 整 備 手 法 処 理 人 口 ( 人 ) 普 及 率 (%) 集 合 処 理 公 共 下 水 道 事 業 75,424 62.1 農 業 集 落 排 水 事 業 4,247 3.5 個 別 処 理 浄 化 槽 事 業 ( 合 併 ) 11,290 9.3 整 備 済 計 90,961 74.9 未 整 備 30,561 25.1 合 計 ( 行 政 人 口 ) 121,522 100.0 普 及 率 = 処 理 人 口 / 行 政 人 口 100 図 -1 整 備 手 法 別 普 及 率 ( 平 成 26 年 度 末 ) 2.2 主 要 な 汚 水 処 理 施 設 平 成 26 年 度 末 において 佐 野 市 内 で 稼 働 している 主 な 汚 水 処 理 施 設 を 以 下 に 示 します 公 共 下 水 道 事 業 については 整 備 中 であり 今 後 も 整 備 を 進 め 必 要 に 応 じて 処 理 場 能 力 の 増 強 を 図 っていきます 農 業 集 落 排 水 事 業 は 施 設 整 備 が 完 了 しています 表 -2 主 な 汚 水 処 理 施 設 一 覧 事 業 処 理 区 処 理 場 供 用 開 始 現 有 処 理 能 力 (m3/ 日 ) 総 管 渠 延 長 (Km) 公 共 下 水 道 佐 野 佐 野 市 水 処 理 センター S51 48,900.0 509.8 並 木 地 区 佐 野 市 並 木 地 区 水 処 理 センター H5 273.9 5.5 農 業 集 落 排 水 飯 田 地 区 佐 野 市 飯 田 地 区 水 処 理 センター H5 257.4 4.6 佐 野 西 部 地 区 佐 野 市 佐 野 西 部 地 区 水 処 理 センター H12 1,273.8 18.0 常 盤 地 区 佐 野 市 常 盤 地 区 水 処 理 センター H17 547.8 16.2-2 -
2.3 生 活 排 水 処 理 における 課 題 平 成 22 年 度 に 策 定 した 構 想 に 基 づき 佐 野 市 では 生 活 排 水 処 理 施 設 の 整 備 を 進 めており ましたが 平 成 26 年 度 末 の 生 活 排 水 処 理 人 口 普 及 率 は 未 だ74.9%にとどまっており 快 適 な 生 活 環 境 と 良 質 な 水 環 境 づくりのためにも 早 期 の 普 及 促 進 が 必 要 となっております 一 方 で 市 の 厳 しい 財 政 事 情 の 中 昭 和 51 年 の 公 共 下 水 道 供 用 開 始 から 約 40 年 が 経 過 し 処 理 場 や 管 渠 等 の 老 朽 化 による 改 築 更 新 に 対 応 していかなければなりません 今 後 の 人 口 減 少 や 高 齢 化 などの 社 会 情 勢 の 変 化 も 踏 まえたうえで 経 済 性 や 地 域 特 性 などの 内 容 を 十 分 検 討 し より 一 層 効 率 的 で 持 続 可 能 な 構 想 の 見 直 しが 必 要 となっております - 3 -
3. 生 活 排 水 処 理 構 想 の 内 容 3.1 基 本 方 針 今 回 の 生 活 排 水 処 理 構 想 は 原 則 として 平 成 26 年 1 月 に 国 土 交 通 省 農 林 水 産 省 環 境 省 の3 省 合 同 で 示 された 持 続 的 な 汚 水 処 理 システム 構 築 に 向 けた 都 道 府 県 構 想 策 定 マニ ュアル ( 以 下 新 マニュアル )に 基 づき 見 直 し 作 業 を 行 います なお 新 マニュアル では 以 下 の4つの 視 点 が 盛 り 込 まれています Ⅰ. 時 間 軸 の 観 点 を 盛 り 込 み 中 期 (10 年 程 度 )での 早 期 整 備 と 共 に 長 期 (20~30 年 程 度 )での 持 続 的 な 汚 水 処 理 システムの 構 築 を 目 指 す Ⅱ. 汚 水 処 理 施 設 の 未 整 備 区 域 について 汚 水 処 理 施 設 間 の 経 済 性 比 較 を 基 本 としつつ 10 年 程 度 を 目 処 に 汚 水 処 理 の 概 成 ( 地 域 ニーズ 及 び 周 辺 環 境 への 影 響 を 踏 まえ 各 種 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 が 概 ね 完 了 すること)を 目 指 した より 弾 力 的 な 手 法 を 検 討 す る Ⅲ. 長 期 的 なスパン(20~30 年 程 度 )では 新 規 整 備 のみならず 既 整 備 地 区 の 改 築 更 新 や 運 営 管 理 の 観 点 を 含 める Ⅳ. 整 備 運 営 管 理 手 法 については 住 民 の 意 向 等 の 地 域 ニーズを 踏 まえ 水 環 境 の 保 全 施 工 性 や 用 地 確 保 の 難 易 度 処 理 水 の 再 利 用 汚 泥 の 利 活 用 の 可 能 性 災 害 に 対 する 脆 弱 性 等 の 地 域 特 性 も 総 合 的 に 勘 案 した 上 で 各 地 域 における 優 先 順 位 を 十 分 に 検 討 した 上 で 選 定 する そこで 今 回 の 検 討 を 進 めるうえでの 基 本 方 針 は 次 のとおりとします 1 事 業 に 着 手 済 みの 区 域 は その 事 業 を 継 続 するものとして 検 討 対 象 から 除 く 2 社 会 情 勢 の 変 化 等 を 反 映 ( 将 来 の 人 口 減 少 等 ) 3 時 間 軸 を 考 慮 し 中 期 10 年 程 度 による 概 成 を 目 指 す 4 汚 水 処 理 施 設 の 各 所 管 部 署 間 での 連 携 の 強 化 5 住 民 の 意 向 の 把 握 - 4 -
3.2 検 討 手 順 今 回 の 生 活 排 水 処 理 構 想 は 新 マニュアル に 基 づき 下 の 検 討 手 順 図 に 示 すフローに 従 って 策 定 しています なお 栃 木 県 から 検 討 時 の 調 書 様 式 が 提 供 されており 検 討 調 書 は 本 様 式 を 運 用 しています 1. 基 礎 調 査 2. 既 整 備 区 域 の 確 認 3. 経 済 性 による 集 合 処 理 区 域 の 検 討 4. 経 済 性 による 処 理 区 の 設 定 5-1. 総 合 判 定 地 域 性 時 間 軸 を 考 慮 5-2. 集 合 処 理 区 域 の 整 備 手 法 5-3. 個 別 処 理 区 域 の 整 備 手 法 5-4. 整 備 スケジュール 6. 計 画 図 書 の 作 成 報 告 書 処 理 構 想 図 7.パブリックコメント 検 討 手 順 図 - 5 -
3.3 目 標 年 度 と 将 来 人 口 Ⅰ 目 標 年 度 平 成 27 年 3 月 に 示 された 新 栃 木 県 生 活 排 水 処 理 構 想 基 本 方 針 では 中 間 目 標 年 度 を 平 成 37 年 度 とし 長 期 目 標 年 度 を 平 成 47 年 度 としています したがって 本 市 の 構 想 見 直 しに おいても 中 間 目 標 年 度 を 平 成 37 年 度 とし 長 期 目 標 年 度 を 平 成 47 年 度 としています Ⅱ 将 来 人 口 今 回 構 想 における 将 来 人 口 については 転 出 者 の 抑 制 転 入 者 の 増 加 による 社 会 動 態 の 改 善 と 出 生 率 の 向 上 による 自 然 動 態 の 改 善 を 踏 まえた 佐 野 市 人 口 ビジョン で 示 された 人 口 を 採 用 し 平 成 37 年 度 に109,878 人 平 成 47 年 度 に102,555 人 としてい ます 図 -2 行 政 人 口 の 将 来 予 測 - 6 -
3.4 構 想 見 直 しの 考 え 方 集 合 処 理 個 別 処 理 の 経 済 性 比 較 (P5 検 討 手 順 の 3. 経 済 性 による 集 合 処 理 区 域 の 検 討 に 該 当 ) ある 区 域 について 検 討 対 象 区 域 の 戸 数 人 口 管 渠 延 長 合 併 浄 化 槽 設 置 率 等 を 整 理 し て 集 合 処 理 と 個 別 処 理 の 整 備 費 用 と 維 持 管 理 費 用 をそれぞれ 算 出 します これを 比 較 して 集 合 処 理 または 個 別 処 理 のどちらが 経 済 的 に 有 利 であるかを 判 定 します 整 備 済 み 区 域 への 接 続 検 討 (P5 検 討 手 順 の 3. 経 済 性 による 集 合 処 理 区 域 の 検 討 及 び 4. 経 済 性 による 処 理 区 の 設 定 に 該 当 ) 検 討 対 象 区 域 が 集 合 処 理 の 整 備 済 み 区 域 に 近 接 している 場 合 は 整 備 済 み 区 域 に 接 続 する 場 合 の 費 用 と 接 続 しない 場 合 の 費 用 を 算 出 して どちらが 経 済 的 に 有 利 かを 判 定 します 地 域 特 性 等 を 考 慮 した 総 合 判 定 (P5 検 討 手 順 の 5-1. 総 合 判 定 に 該 当 ) 経 済 性 判 定 結 果 を 基 本 に 地 域 性 や 時 間 軸 を 考 慮 した 総 合 判 断 として 効 率 的 な 汚 水 処 理 手 法 を 判 定 します ここで 時 間 軸 とは 建 設 費 維 持 管 理 費 が 異 なる 処 理 施 設 に 対 し 投 入 費 用 の 総 額 が 概 成 を 目 指 す 10 年 ( 施 工 後 の 経 過 時 間 ) 後 において 他 の 施 設 に 比 べ 安 価 な 施 設 であることを 確 認 することで より 効 果 的 な 施 設 整 備 であると 判 断 することを 示 し ます - 7 -
3.5 整 備 目 標 公 共 下 水 道 区 域 は すでに 公 共 下 水 道 が 整 備 されている 区 域 下 水 道 法 の 事 業 計 画 策 定 済 区 域 市 街 化 区 域 (ただし 工 業 団 地 で 既 に 個 別 処 理 を 運 用 している 区 域 は 除 く)とします また 農 業 集 落 排 水 については 公 共 下 水 道 へ 編 入 し 施 設 の 統 合 を 行 うことで より 効 率 的 な 運 営 管 理 を 行 います 合 併 浄 化 槽 については 公 共 下 水 道 区 域 の 縮 小 に 伴 う 区 域 拡 大 から より 一 層 の 普 及 促 進 に 努 めます Ⅰ 中 期 整 備 目 標 ( 平 成 37 年 度 ) 下 水 道 施 設 の 建 設 費 及 び 整 備 のための 期 間 を 考 慮 し 公 共 下 水 道 区 域 として 設 定 した 中 の 未 整 備 区 域 761.4ha の 内 633.5ha の 整 備 を 進 めます 個 人 が 設 置 する 合 併 処 理 浄 化 槽 整 備 に 対 して 補 助 を 行 い 整 備 促 進 を 図 ります 農 業 集 落 排 水 ( 並 木 地 区 飯 田 地 区 佐 野 西 部 地 区 常 盤 地 区 )の 公 共 下 水 道 編 入 を 進 めます 生 活 排 水 処 理 人 口 普 及 率 91.3%を 目 指 します Ⅱ 長 期 整 備 目 標 ( 平 成 47 年 度 ) 公 共 下 水 道 区 域 の 整 備 完 了 に 向 け 合 併 浄 化 槽 による 弾 力 的 な 対 応 をしていた 未 整 備 区 域 127.9ha の 整 備 を 進 めます 個 人 が 設 置 する 合 併 処 理 浄 化 槽 整 備 に 対 して 補 助 を 行 い 整 備 促 進 を 図 ります 生 活 排 水 処 理 人 口 普 及 率 100%を 目 指 します - 8 -
表 -3 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 の 整 備 計 画 単 位 : 人 現 況 整 備 状 況 今 回 構 想 (H26) (H37) (H47) 公 共 下 水 道 75,424 84,179 81,401 ( 全 体 計 画 面 積 ) ( 2,440.5ha) (3,285.0ha) (3,412.9ha) 農 業 集 落 排 水 施 設 4,247 公 共 下 水 道 に 統 合 公 共 下 水 道 に 統 合 合 併 浄 化 槽 11,290 16,129 21,154 未 処 理 人 口 ( 汲 み 取 り+ 単 独 浄 化 槽 ) 30,561 9,570 - 合 計 121,522 109,878 102,555 生 活 排 水 処 理 人 口 90,961 100,308 102,555 生 活 排 水 処 理 人 口 普 及 率 74.9% 91.3% 100.0% 図 -3 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 の 整 備 計 画 - 9 -
付 図 佐 野 市 生 活 排 水 処 理 構 想 図 ( 案 ) - 10 -