事 務 所 ビルの 耐 震 化 を 巡 る 課 題 と 取 組 ( 一 社 ) 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 常 務 理 事 小 川 富 由 平 成 25 年 11 月 1
本 日 のお 話 震 災 での 建 築 物 の 被 害 と 耐 震 改 修 東 日 本 大 震 災 阪 神 大 震 災 での 被 害 耐 震 改 修 促 進 法 の 仕 組 み 平 成 25 年 耐 震 改 修 促 進 法 改 正 の 背 景 と 内 容 耐 震 改 修 の 進 捗 状 況 改 正 の 内 容 と 支 援 措 置 事 務 所 ビルでの 耐 震 改 修 の 課 題 連 合 会 会 員 の 取 り 組 み 状 況 ( 平 成 25 年 実 態 調 査 から) 中 小 規 模 ビルのテナントの 意 識 課 題 と 対 応 2
東 日 本 大 震 災 における 地 震 被 害 概 要 地 震 概 要 震 源 : 三 陸 沖 深 さ モーメントマグニチュード: 被 害 概 要 ( 警 察 庁 :H24 年 10 月 3 日 付 け) 人 的 被 害 : 死 者 人 行 方 不 明 人 建 物 被 害 : 全 壊 戸 半 壊 戸 死 因 焼 死, 1.1 圧 死 損 壊 死, 4.4 不 詳, 2.0 東 日 本 大 震 災 (2011) 溺 死 92.4% 溺 死, 92.4 3
津 波 による 建 築 物 の 代 表 的 な 被 害 資 料 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 崩 壊 倒 壊
津 波 による 建 築 物 の 代 表 的 な 被 害 資 料 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 波 や 漂 流 物 の 衝 突 による 外 装 材 等 の 被 害 5
建 築 物 被 害 状 況 資 料 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 応 急 危 険 度 判 定 結 果 ( 平 成 23 年 5 月 30 日 現 在 国 土 交 通 省 ) 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 茨 城 県 栃 木 県 千 葉 県 15.7% / 41.5% / 42.8% 10.1% 14.9% 75.1% 21.0% 42.4% 36.6% 9.8% 29.5% 60.6% 13.1% / 35.6% / 51.3% 12.3% / 29.5% / 58.3% 危 険 要 注 意 調 査 済 6
鉄 筋 コンクリート 造 等 建 築 物 の 代 表 的 な 被 害 資 料 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 柱 のせん 断 破 壊 とそれに 伴 う 層 崩 壊
鉄 筋 コンクリート 造 等 建 築 物 の 代 表 的 な 被 害 資 料 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 非 構 造 壁 のせん 断 破 壊 8
非 構 造 部 材 の 地 震 被 害 体 育 館 劇 場 空 港 などの 天 井 が 比 較 的 新 しい 建 築 物 も 含 め 部 分 的 にまたは 全 面 的 に 落 下 する 被 害 が 見 ら れたため 基 準 が 強 化 されることになった 9
阪 神 淡 路 大 震 災 での 被 害 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/97/4fed7a46b3f6b48eabe4ffcc9742b20c.jpg 木 造 住 宅 の 倒 壊 と 道 路 閉 塞 http://mainichi.jp/graph/select/archive/hanshin/004.html 高 速 道 路 の 崩 壊 10
阪 神 淡 路 大 震 災 での 被 害 http://www.oita-press.co.jp/bousai/imgfile/info/115621670614871-2.jpg http://mainichi.jp/graph/select/archive/hanshin/image/015.jpg 事 務 所 ビルの 倒 壊 と 道 路 閉 塞 11
阪 神 淡 路 大 震 災 での 建 築 物 の 被 害 阪 神 淡 路 大 震 災 における 死 亡 者 の 状 況 と 建 築 年 別 の 被 害 状 況 死 亡 者 の 死 因 死 者 数 家 屋 家 具 類 等 の 倒 壊 による 圧 迫 死 と 思 われるもの 焼 死 体 ( 火 傷 死 体 ) 及 びその 疑 いの あるもの (88%) (10%) その 他 (2%) 合 計 (100%) 平 成 7 年 度 版 警 察 白 書 より( 平 成 7 年 4 月 24 日 現 在 ) 警 察 庁 調 べ 消 防 庁 : 阪 神 淡 路 大 震 災 について( 確 定 報 平 成 8 年 5 月 19 日 )による 死 者 数 は6 434 名 全 壊 住 家 数 は 約 10 万 5 千 戸 ( 出 典 ) 平 成 7 年 阪 神 淡 路 大 震 災 建 築 震 災 調 査 委 員 会 中 間 報 告 死 者 数 の 大 部 分 が 建 物 等 の 倒 壊 が 原 因 現 在 の 耐 震 基 準 を 満 たさない 昭 和 年 以 前 の 建 物 に 被 害 が 集 中 12
阪 神 淡 路 大 震 災 での 被 害 不 詳, 3.9 死 因 の 比 較 焼 死, 12.8 阪 神 淡 路 大 震 災 (1995) 建 物 倒 壊 による 損 傷 窒 息 等, 83.3 建 物 倒 壊 83.3%
参 考 : 関 東 大 震 災 での 被 害 工 場 等 の 被 害, 1.4 流 失 埋 没, 1.0 家 屋 全 潰, 10.5 死 因 の 比 較 関 東 大 震 災 (1923) 火 災, 87.1 火 災 87.1%
阪 神 淡 路 大 震 災 での 死 亡 者 の 年 齢 分 布 800 700 600 500 400 300 200 100 0 死 亡 者 数 0-5- 10-15- 20-25- 30-35- 40-45- 50-55- 60-65- 70-75- 80-85- 90-95- 100- 兵 庫 県 阪 神 淡 路 大 震 災 の 死 者 にかかる 調 査 15
南 海 トラフ 巨 大 地 震 の 被 害 想 定 ( 平 成 24 年 8 月 29 日 )において 最 大 で 建 物 全 壊 焼 失 棟 数 238 万 6 千 棟 死 者 32 万 3 千 人 と 想 定
現 行 の 耐 震 基 準 建 築 基 準 法 は 最 低 の 基 準 昭 和 56 年 (1981 年 ) 以 降 の 建 物 に 適 用 地 震 に 対 して2 段 階 で 設 計 1 建 物 が 存 続 する 期 間 ( 数 十 年 )に 一 度 は 襲 われる 地 震 ( 震 度 5 程 度 )では 損 傷 しない 2 建 物 が 存 続 する 期 間 にごくまれに 襲 われ る 大 地 震 ( 震 度 6 以 上 )では 損 傷 しても 人 命 に 関 わる 倒 壊 などは 起 こさない 17
旧 耐 震 基 準 の 概 要 ( 現 基 準 の2が 無 い) 働 く 力 の 大 きさ 中 地 震 ( 震 度 5) 部 材 に 働 く 力 と 変 形 の 関 係 大 地 震 ( 震 度 7~) 最 大 の 力 ) ( 部 材 の 耐 え ら れ る 許 容 応 力 度 設 計 範 囲 力 を 除 いても 損 傷 ( 変 形 )は 残 る 検 証 せず ( 仕 様 規 定 で 安 全 性 を 仮 定 ) 倒 壊 崩 壊 変 形 通 常 の 状 態 力 を 除 く( 地 震 後 )と 元 の 状 態 に 戻 る 損 傷 せず ( 無 被 害 ) 18
ビル 改 修 で 使 われる 耐 震 性 の 指 標 (1): 耐 震 性 能 (Is 値 ) 19
ビル 改 修 で 使 われる 耐 震 性 の 指 標 (2): 地 震 リスク(PML 値 ) PML(Probable Maximum Loss: 予 想 最 大 損 失 ) 50 年 に10%の 確 率 で 起 こる 大 地 震 に 対 して 予 想 される 最 大 の 被 害 額 を 建 物 の 再 調 達 価 格 で 割 ったもの 地 震 危 険 度 ( 当 該 敷 地 での 地 震 の 大 きさと 発 生 確 率 ) X 建 物 損 傷 度 ( 地 震 発 生 の 際 の 損 傷 度 を 判 定 ) 被 害 額 の 算 定 PML= 予 想 最 大 被 害 額 / 建 物 の 再 建 価 格 PML<15%( 局 部 的 な 構 造 体 の 被 害 まで)となるようにするの がリスク 管 理 の 目 安 20
http://taishin.toda.co.jp/reinforce/case.html http://www.miyasaka-cc.co.jp/genba_data/kensetu/sekoutyuu2/h19/kinosyo/kinosyo.html 21
国 による 基 本 方 針 の 作 成 耐 震 改 修 促 進 法 の 概 要 住 宅 多 数 の 者 が 利 用 する 建 築 物 の 耐 震 化 の 目 標 (75%(H15) 少 なくとも9 割 (H27)) 耐 震 化 の 促 進 を 図 るための 施 策 の 方 針 相 談 体 制 の 整 備 等 の 啓 発 知 識 の 普 及 方 針 耐 震 診 断 耐 震 改 修 の 方 法 ( 指 針 ) 平 成 7 年 12 月 25 日 施 行 平 成 18 年 1 月 26 日 改 正 施 行 地 方 公 共 団 体 による 耐 震 改 修 促 進 計 画 の 作 成 住 宅 特 定 建 築 物 の 耐 震 改 修 等 の 目 標 公 共 建 築 物 の 耐 震 化 の 目 標 目 標 達 成 のための 具 体 的 な 施 策 緊 急 輸 送 道 路 等 の 指 定 特 定 建 築 物 所 有 者 に 対 して 耐 震 診 断 耐 震 改 修 の 努 力 義 務 指 導 助 言 対 象 多 数 の 者 が 利 用 する 一 定 規 模 の 建 築 物 学 校 病 院 劇 場 百 貨 店 賃 貸 住 宅 事 務 所 等 一 定 量 以 上 の 火 薬 類 石 油 類 を 取 り 扱 う 貯 蔵 場 処 理 場 ガソリンスタンド 塗 料 店 等 倒 壊 した 場 合 に 道 路 を 閉 塞 させる 住 宅 等 指 示 公 表 対 象 不 特 定 かつ 多 数 の 者 が 利 用 する 建 築 物 病 院 劇 場 百 貨 店 等 避 難 確 保 上 特 に 配 慮 を 要 する 者 が 利 用 する 建 築 物 小 中 学 校 保 育 所 老 人 ホーム 等 大 規 模 な 火 薬 類 石 油 類 を 取 り 扱 う 貯 蔵 場 等 の 建 築 物 倒 壊 の 危 険 性 が 高 い 場 合 建 築 基 準 法 に よ る 改 修 命 令 等 総 合 的 な 支 援 耐 震 改 修 支 援 セ ン タ ー ( 債 務 保 証 情 報 提 供 等 ) 総 合 的 な 支 援 耐 震 改 修 計 画 の 認 定 支 援 策 耐 震 以 外 の 規 定 は 既 存 不 適 格 のままで 可 とす る 特 例 補 助 等 の 実 施 住 宅 建 築 物 安 全 ス トック 形 成 事 業 耐 震 改 修 促 進 税 制 22
特 定 建 築 物 の 耐 震 化 の 進 捗 状 況 * 特 定 建 築 物 : 学 校 病 院 百 貨 店 等 の 多 数 の 者 が 利 用 する 一 定 規 模 以 上 の 建 築 物 平 成 15 年 平 成 20 年 平 成 27 年 ( 目 標 ) 耐 震 性 なし ( 約 9 万 棟 ) 耐 震 性 なし ( 約 8 万 棟 ) 耐 震 性 なし ( 約 4 万 棟 ) S56 以 前 耐 震 性 あり ( 約 10 万 棟 ) S57 以 降 S57 以 降 耐 震 性 あり ( 約 17 万 棟 ) 耐 震 性 あり ( 約 12 万 棟 ) S56 以 前 S57 以 降 S57 以 降 耐 震 性 あり ( 約 21 万 棟 ) S56 耐 震 性 あり 以 前 ( 約 13 万 棟 ) S57 以 降 S57 以 降 耐 震 性 あり ( 約 23 万 棟 ) 耐 震 化 率 7.5 割 耐 震 化 率 8 割 目 標 : 耐 震 化 率 9 割
改 正 内 容 その1 耐 震 化 促 進 のための 規 制 強 化 耐 震 診 断 の 義 務 化 診 断 結 果 の 公 表 病 院 店 舗 旅 館 等 の 不 特 定 多 数 の 者 が 利 用 する 建 築 物 及 び 学 校 老 人 ホーム 等 の 避 難 弱 者 が 利 用 する 建 築 物 のうち 大 規 模 なもの( 平 成 27 年 末 までに 実 施 ) 地 方 公 共 団 体 が 指 定 する 緊 急 輸 送 道 路 等 の 避 難 路 沿 道 建 築 物 ( 地 方 公 共 団 体 が 指 定 する 期 限 までに) 都 道 府 県 が 指 定 する 庁 舎 避 難 所 等 の 防 災 拠 点 施 設 ( 地 方 公 共 団 体 が 指 定 する 期 限 までに) すべての 建 築 物 の 耐 震 化 の 促 進 住 宅 など 小 規 模 建 築 物 等 にも 診 断 改 修 の 努 力 義 務 24
緊 急 輸 送 道 路 網 の 例 ( 東 京 都 ) 東 京 都 耐 震 ポータルサイトより 25
改 正 内 容 その2 耐 震 化 の 円 滑 な 促 進 のための 措 置 耐 震 改 修 計 画 の 認 定 基 準 の 緩 和 容 積 率 建 ぺい 率 の 特 例 マンション 等 について 大 規 模 改 修 の 場 合 の 決 議 要 件 を 緩 和 (3/4の 賛 成 1/2の 賛 成 ) 耐 震 性 に 係 る 表 示 制 度 の 創 設 26
支 援 策 の 強 化 ( 耐 震 対 策 緊 急 促 進 事 業 ) 耐 震 診 断 の 義 務 付 け 対 象 建 築 物 に 対 する 重 点 的 緊 急 的 支 援 耐 震 診 断 国 の 助 成 : 通 常 [1/3] 緊 急 [1/2] 耐 震 改 修 等 避 難 路 沿 線 建 築 物 避 難 所 等 防 災 拠 点 国 の 助 成 : 通 常 [1/3] 緊 急 [2/5] 上 記 以 外 国 の 助 成 : 通 常 [11.5%] 緊 急 [1/3] 27
連 合 会 の 取 り 組 み 実 態 調 査 による 状 況 把 握 機 関 紙 等 による 国 等 の 耐 震 改 修 関 係 施 策 の 紹 介 中 小 ビルの 災 害 対 応 マニュアル 防 災 ポケットブック の 作 成 普 及 税 制 予 算 要 望 耐 震 化 推 進 都 民 会 議 ( 耐 震 化 キャンペーン)への 参 加 ( 東 京 協 会 ) 28
連 合 会 による 耐 震 性 に 関 する 実 態 調 査 平 成 19 年 (2007 年 ) ビル 実 態 調 査 に 併 せて 第 1 回 調 査 本 年 第 2 回 目 の 調 査 を 実 施 対 象 は 全 国 19 地 方 協 会 1,101 社 の 所 有 若 しくは 経 営 するビル 本 年 4 月 にアンケート 調 査 形 式 で 実 施 回 答 数 1,206 棟 (397 社 回 答 率 36%) (2007 年 調 査 は 976 棟 ) 29
2013 年 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 耐 震 性 に 関 する 調 査 結 果 連 合 会 加 盟 ビルの 耐 震 性 ( 総 括 ) 調 査 棟 数 1209 棟 耐 震 性 に 問 題 がない( 新 耐 震 耐 震 補 強 済 ) 耐 震 補 強 中 建 替 予 定 で 近 く 解 消 予 定 それ 以 外 4% 10% 新 耐 震 や 補 強 対 策 済 などによ り 耐 震 性 に 問 題 がない 解 消 予 定 ビ ル は 9 割 86% 30
調 査 建 物 の 建 築 確 認 時 期 項 目 棟 数 比 率 (%) 新 耐 震 基 準 前 559 47.6 新 耐 震 基 準 616 52.4 合 計 1175 100.0 ( 全 1,206 棟 のうち 31 棟 は 本 項 目 回 答 なし) 31
調 査 建 物 の 規 模 別 建 築 確 認 時 期 項 目 小 規 模 ビル 中 規 模 ビル 大 規 模 ビル 全 体 棟 数 比 率 (%) 棟 数 比 率 (%) 棟 数 比 率 (%) 棟 数 比 率 (%) 新 耐 震 基 準 以 前 新 耐 震 基 準 103 46.0 201 47.0 255 48.8 559 47.6 121 54.0 227 53.0 268 51.2 616 52.4 合 計 244 100.0 248 100.0 523 100.0 1175 100.0 [ 凡 例 ] 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 32
耐 震 診 断 の 実 施 状 況 (1) 旧 耐 震 ビル559 棟 での 実 施 状 況 3% 15% 耐 震 診 断 実 施 診 断 していない 回 答 なし 82% 33
耐 震 診 断 規 模 別 実 施 率 小 規 模 ビルでの 未 実 施 率 が 高 い 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 4.9 8.5 14.9 31.1 89.6 82.7 64.0 小 規 模 ビル103 棟 中 規 模 ビル201 棟 大 規 模 ビル255 棟 診 断 実 施 診 断 未 実 施 未 回 答 凡 例 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 34
耐 震 診 断 の 実 施 状 況 (2) 診 断 実 施 457 棟 の 結 果 問 題 があった 問 題 がなかった 140 棟 31% 69% 317 棟 35
診 断 実 施 457 棟 の 結 果 ( 規 模 別 ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 68 32 77 23 63 69 37 31 問 題 がなかった 問 題 があった 凡 例 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 36
診 断 で 問 題 があったビルの 補 強 実 施 状 況 中 小 規 模 のビルほど 補 強 が 遅 れている 耐 震 補 強 実 施 と 未 実 施 の 比 率 (%) 補 強 実 施 済 補 強 未 実 施 24.4 16.7 0.7 11.0 75.6 83.3 99.3 89.0 小 規 模 ビル45 棟 中 規 模 ビル138 棟 大 規 模 ビル134 棟 全 体 317 棟 凡 例 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 37
耐 震 補 強 経 費 について 凡 例 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 38
( 円 ) 90,000 ( 百 万 円 ) 6000 1) 大 規 模 ビルに 比 べて 単 位 あたりコストが 高 い 80,000 2) 内 部 留 保 が 大 手 に 比 べて 十 分 ではない 5000 70,000 3)ブレース 補 強 や 壁 の 増 し 打 ちによる 有 効 面 積 減 の 経 営 への 影 響 が 大 規 模 ビルに 比 べて 相 対 的 に 大 きい 60,000 4000 50,000 3000 4) 敷 地 条 件 によっては 仮 設 工 事 のための 空 間 確 保 が 困 難 な 場 合 がある 40,000 30,000 2000 5)テナントへの 業 務 運 営 への 配 慮 に 限 界 大 手 と 異 なり 仮 移 転 用 のスペース 提 供 の 余 地 が 少 ない 居 ながら 補 強 が 絶 対 条 件 工 法 の 工 夫 の 他 行 政 による 補 助 税 制 面 からの 手 厚 い 支 0 援 が 必 要 0 段 階 的 な 改 修 を 可 能 とし これを 支 援 する 助 成 の 仕 組 みの 導 入 39 20,000 1000 10,000 < 耐 震 補 強 に 要 した した 経 費 (m2@; ; 散 布 図 散 > 布 図 > 耐 震 補 強 に 要 した 経 費 0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 延 床 面 積 (m2) 延 床 面 積 (m2)
補 強 未 実 施 の 理 由 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 15.0 37.7 47.5 36.4 55.9 24.2 11.8 39.4 32.3 34.6 25.2 40.2 その 他 の 理 由 経 営 上 資 金 的 余 裕 ができるまで 待 つ 必 要 がある 建 替 を 予 定 しており 二 重 投 資 を 避 けたい 凡 例 小 規 模 ビル:1000 坪 未 満 中 規 模 ビル:1000~3000 坪 大 規 模 ビル:3000 坪 以 上 40
中 小 ビルのテナントの 意 識 調 査 から 見 た 防 災 ニーズ 中 小 ビルのテナントアンケート 調 査 ( 平 成 24 年 )を 基 に 分 析 この 調 査 は 連 合 会 が 東 京 北 海 道 神 奈 川 大 阪 協 会 の 協 力 を 得 て 実 施 テナント 向 けアンケートとオーナー 向 けアンケートを 実 施 し 双 方 の 意 識 を 比 較 39ビル テナント235 社 から 回 答 41
中 小 規 模 ビルのテナントの 防 災 に 対 する 意 識 2.3 2.2 2.1 2 1.9 1.8 1.7 1.6 テナントの 考 える 重 要 度 H24 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 調 査 42
中 小 規 模 ビルのテナントとオーナーのビルに 関 する 意 識 差 3 重 要 度 と 満 足 度 の 差 が 最 も 大 きい 2.5 2 1.5 1 0.5 0 テナント の 重 要 度 オーナー の 満 足 度 H24 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 調 査 43
中 小 規 模 ビルテナントとオーナーのビル 防 災 対 策 に 関 する 意 識 差 地 震 放 送 防 災 知 識 2.5 2 1.5 1 0.5 0 すべての 面 で 重 要 度 よりも 満 足 度 が 低 い 共 同 組 織 テナントの 重 要 度 オーナーの 満 足 度 テナント 支 援 公 助 情 報 H24 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 調 査 44
中 小 規 模 ビルのテナントの 意 識 調 査 から 見 え てきたこと テナント 側 の 防 災 に 対 する 重 度 は 高 く 防 災 意 識 は 高 い オーナー 側 は 防 災 に 対 するテ ナント 意 識 をくみ 取 れていない オーナー 側 に 自 らの 取 り 組 みを アピールする 姿 勢 が 欠 けてい る 45
ビル 協 / 中 小 ビル 防 災 に 関 する 活 動 東 京 ビルヂング 協 会 中 小 ビル 事 業 委 員 会 中 小 ビルの 災 害 対 応 マニュアル 防 災 ポケットブック の 制 作 (2012 年 ) テナント 企 業 のBCP( 事 業 継 続 計 画 ) 策 定 の 動 き に 対 応 ホ ケットフ ック:テナント 在 館 者 全 員 と 従 業 員 に 配 付 46
災 害 対 応 マニュアルと 防 災 ポケットブックの 作 成 が BCAOアワード2012 奨 励 賞 を 受 賞 47
連 合 会 の 要 望 活 動 (H26 予 算 税 制 ) 緊 急 輸 送 路 沿 道 において 耐 震 改 修 を 行 った 事 業 用 建 物 に 対 する 固 定 資 産 税 の 減 額 民 間 投 資 活 性 化 税 制 改 正 ( 本 年 10 月 )で 反 映 され 耐 震 改 修 部 分 の 特 別 償 却 制 度 創 設 と ともに 固 定 資 産 税 を2 年 間 1/2 減 額 48
耐 震 化 推 進 都 民 会 議 ( 耐 震 化 キャンペーン) への 参 加 ( 東 京 協 会 ) 本 年 9 月 5 日 日 本 工 業 倶 楽 部 で 実 施 49
ビルの 耐 震 改 修 での 課 題 経 営 方 針 の 選 択 ( 出 口 戦 略 : 建 替 か 改 修 か 共 同 事 業 か 用 途 変 更 が 必 要 か 改 修 後 の 賃 貸 条 件 はど うなるか テナントの 移 動 はどうするのか) 工 法 の 選 択 ( 性 能 条 件 の 設 定 工 期 の 勘 案 ) 資 金 調 達 ( 工 事 費 敷 金 返 還 工 事 期 間 中 の 減 収 補 償 費 支 出 など) テナント 交 渉 ( 移 動 転 出 補 償 ) 新 規 テナント 募 集 50
中 小 ビルの 耐 震 改 修 促 進 への 課 題 1) 大 規 模 ビルに 比 べて 単 位 あたりコストが 高 い 2) 内 部 留 保 が 大 手 に 比 べて 十 分 ではない 3)ブレース 補 強 や 壁 増 打 ちによる 有 効 面 積 減 商 品 性 ( 競 争 力 )ダウンの 経 営 への 影 響 が 大 規 模 ビルに 比 べて 相 対 的 に 大 きい 4)テナントの 業 務 運 営 への 配 慮 に 限 界 大 手 と 異 なり ( 仮 ) 移 転 先 スペース 提 供 の 余 地 が 少 ない 居 ながら 補 強 が 絶 対 条 件 工 法 の 工 夫 の 他 行 政 による 補 助 税 制 面 からの 手 厚 い 支 援 が 必 要 51
建 物 を 供 用 しながらの 工 事 に 向 いた 耐 震 改 修 工 法 外 付 けフレーム 工 法 建 物 の 外 側 から 骨 組 を 新 設 する 工 法 免 震 改 修 工 法 1 基 礎 免 震 改 修 基 礎 部 に 免 震 装 置 を 挿 入 する 工 法 2 中 間 階 免 震 改 修 特 定 の 中 間 階 に 免 震 装 置 を 挿 入 す る 工 法 免 震 階 のテナントのみ 退 去 を 要 す る 敷 地 に 余 裕 の 少 ない 都 市 型 ビル 等 に 適 する
外 付 けフレーム 改 修 事 例 (A 事 務 所 ) 建 設 地 : 名 古 屋 市 用 途 : 事 務 所 構 造 規 模 :RC 造 地 上 6 階 地 下 1 階 延 べ 床 面 積 : 約 4000 竣 工 年 月 日 : 昭 和 37(1962) 年 耐 震 改 修 の 内 容 鉄 骨 フレームによる 外 付 け 改 修 柱 の 連 続 繊 維 シート 補 強 改 修 前 改 修 後 日 建 連 HP 耐 震 改 修 事 例 集 より
耐 震 改 修 工 法 炭 素 繊 維 巻 き 外 付 けフレーム 改 修 イメージ 鉄 骨 フレーム 耐 震 改 修 の 効 果 Is=0.29を0.6に 改 善 桁 方 向 のねじれの 解 消 改 修 位 置 日 建 連 HP 耐 震 改 修 事 例 集 より
外 付 けフレーム 改 修 工 法 の 施 工 手 順 1 2 あと 施 工 アンカー モルタル 充 填 頭 付 スタッド せん 断 補 強 筋 既 存 RC 躯 体 鉄 骨 フレーム 型 枠 落 下 防 止 アンカー 3 4 日 建 連 HP 耐 震 改 修 事 例 集 より
中 間 階 免 震 改 修 事 例 (B 事 務 所 ) 建 設 地 : 東 京 都 中 央 区 用 途 : 事 務 所 構 造 規 模 :SRC 造 地 上 9 階 地 下 2 階 延 床 面 積 : 約 8000 竣 工 年 月 日 : 昭 和 40(1965) 年 中 間 階 免 震 改 修 工 法 の 内 容 免 震 階 :2 階 免 震 装 置 : 積 層 ゴム+ 高 性 能 ダンパー 2 階 に 設 置 されたダンパー 点 線 部 分 が 免 震 階 可 動 部 分 外 装 のリニューアルも 同 時 に 行 っている 高 性 能 ダンパーによる 変 形 量 の 低 減
準 備 作 業 免 震 階 である2 階 のみテナントの 退 去 が 必 要 1 免 震 階 テナントの 引 越 2 内 装 仕 上 解 体 天 井 ホ ート,OAフロアーを 解 体 撤 去 外 装 サッシを 解 体 撤 去 内 部 LGS 間 仕 切 り 壁 を 解 体 撤 去 3 雑 壁 斫 解 体 4 柱 廻 り 防 水 柱 切 断 時 の 冷 却 水 対 策
免 震 装 置 設 置 手 順 1ジャッキによる 支 持 2 柱 の 切 断 免 震 装 置 3 免 震 装 置 の 挿 入 4 完 成
柱 切 断 時 の 騒 音 測 定 状 況 免 震 階 の 直 上 直 下 階 でも 執 務 可 能 各 階 測 定 位 置 9F 8F 暗 騒 音 以 下 暗 騒 音 以 下 73 64 7F 43 6F 45 5F 49 68 68 59 83 55 55 4F 56 3F 64 2 階 49 切 断 2F 屋 外 83 1F 62 62 各 階 騒 音 レベル 単 位 :(dba) 44 直 上 階 (3 階 ) 事 務 所 測 定 結 果 72 90dB(A) 80dB(A) 70dB(A) 60dB(A) 50dB(A) 40dB(A) 騒 々しい 工 場 の 中 電 車 の 車 内 騒 々しい 事 務 所 の 中 静 かな 乗 用 車 静 かな 事 務 所 図 書 館
( 提 言 ) ハード 面 のみならずソフト 面 からの 支 援 措 置 も 導 入 すべき Ex. 市 街 地 再 開 発 事 業 に 準 じた 支 援 仮 移 転 費 営 業 補 償 費 などの 補 償 費 も 補 助 対 象 に Ex. 耐 震 補 強 工 事 に 対 する テナントの 一 定 限 の 協 力 ( 受 忍 ) 義 務 の 制 度 化 期 間 中 の 営 業 補 償 や 耐 震 化 工 事 を 理 由 とする 退 去 の 場 合 の 補 償 額 の 算 定 に 反 映 60
まとめ 大 規 模 地 震 などの 災 害 に 想 定 外 はない 耐 震 性 の 確 保 は 国 家 的 課 題 であり 地 域 の 維 持 や 企 業 の 事 業 継 続 にとって 重 要 な 課 題 テナントの 防 災 ニーズ 対 応 も 求 められる 改 修 建 替 は 困 難 性 も 高 く 周 到 な 準 備 が 必 要 テナントや 行 政 との 課 題 意 識 の 共 有 が 重 要 業 界 としての 様 々な 取 組 が 求 められる 61
ご 清 聴 ありがとうございました ビル 協 は 今 後 とも さまざまなビル 経 営 課 題 について 研 究 し 積 極 的 に 有 用 な 機 会 を 捉 えて 情 報 発 信 と 政 策 提 言 に 努 めてまいります 一 般 社 団 法 人 日 本 ビルヂング 協 会 連 合 会 62