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探 査 技 術 開 発 事 業 高 精 度 物 理 探 査 技 術 の 開 発 ( 高 温 SQUID による 電 磁 探 査 装 置 開 発 ) 事 後 評 価 報 告 書 平 成 25 年 6 月 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構

目 次 内 容 第 1 章 はじめに... 2 第 2 章 技 術 評 価 ガイドライン... 3 1. 技 術 評 価 の 目 的... 3 2. 技 術 評 価 の 基 本 理 念... 3 3. 本 ガイドラインの 適 用 範 囲... 4 4. 評 価 の 類 型 と 実 施 時 期... 4 5. 評 価 体 制... 4 6. 評 価 の 方 法... 5 7. 評 価 結 果 等 の 取 り 扱 い 及 び 公 開 の 在 り 方... 5 8. 評 価 システムの 見 直 し... 6 9. 評 価 における 留 意 事 項... 6 第 3 章 プロジェクトの 概 要... 9 1. 担 当 部 課... 9 2. 技 術 開 発 テーマ... 9 3. プロジェクトの 目 標... 9 4. プロジェクトの 背 景 と 意 義 必 要 性... 11 5. 国 内 外 の 類 似 または 周 辺 研 究 動 向... 12 6. プロジェクトの 計 画 ( 期 間 年 度 ごとの 目 標 と 予 算 )... 12 7. 技 術 開 発 実 施 体 制... 14 8. 事 前 評 価 に 基 く 計 画 の 見 直 し... 15 9. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 の 意 義... 15 第 4 章 評 価 結 果... 22 1. プロジェクト 実 施 の 妥 当 性... 22 2. プロジェクト 目 標 の 妥 当 性... 23 3. プロジェクト 計 画 の 妥 当 性... 24 4. 実 施 者 の 事 業 体 制 運 営 の 妥 当 性 ( 資 源 機 構 の 事 業 体 制 運 営 は 妥 当 であったか)... 24 5. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 の 意 義... 25 6. 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 普 及 広 報 波 及 効 果... 26 7. 費 用 対 効 果... 27 1

第 1 章 はじめに 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 資 源 機 構 )は 平 成 21 年 度 から 探 査 技 術 開 発 事 業 として 高 精 度 物 理 探 査 技 術 の 開 発 ( 次 世 代 SQUITEM 機 器 開 発 )を 実 施 している この 技 術 開 発 は 資 源 機 構 が 所 有 する 高 温 超 伝 導 磁 力 計 に 基 づく 電 磁 探 査 装 置 (SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 )より も 地 下 深 部 についての 取 得 データ 精 度 がさらに 高 く 可 搬 性 操 作 性 に 優 れた 装 置 (SQUITEM3 号 機 )を 開 発 することを 目 的 としている 今 回 の 評 価 は 事 後 評 価 として 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 業 務 評 価 委 員 会 金 属 鉱 物 資 源 開 発 鉱 害 防 止 等 技 術 評 価 部 会 ( 探 査 技 術 分 科 会 )において 実 施 されたものである 本 報 告 書 は 当 該 分 野 に 関 わる 国 内 外 の 研 究 開 発 動 向 や 社 会 情 勢 の 変 化 を 踏 まえつつ プロジェクトの 目 標 計 画 研 究 体 制 成 果 の 意 義 実 用 化 の 可 能 性 波 及 効 果 などに 関 する この 事 後 評 価 結 果 をとりまとめたものである なお 評 価 者 被 評 価 者 評 価 事 務 局 及 び 審 議 日 は 次 のとおりである 評 価 者 : 業 務 評 価 委 員 会 金 属 鉱 物 資 源 開 発 鉱 害 防 止 等 技 術 評 価 部 会 ( 探 査 技 術 分 科 会 ) ( 分 科 会 長 ) 米 田 哲 朗 北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 客 員 教 授 ( 委 員 ) 佐 藤 功 一 般 財 団 法 人 宇 宙 システム 開 発 利 用 推 進 機 構 利 用 技 術 本 部 技 術 参 与 ( 委 員 ) 横 井 浩 一 日 鉄 鉱 コンサルタント 株 式 会 社 企 画 部 長 被 評 価 者 ( 担 当 課 ): 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 資 源 探 査 部 探 査 技 術 開 発 課 評 価 事 務 局 : 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 評 価 部 業 務 評 価 課 審 議 日 : 平 成 25 年 5 月 21 日 2

第 2 章 技 術 評 価 ガイドライン 独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 技 術 評 価 ガイドライン( 以 下 本 ガイドライン )は 石 油 天 然 ガス 金 属 鉱 物 資 源 機 構 が 実 施 する 技 術 開 発 プロジェクトの 技 術 評 価 を 行 うに 当 たって 配 慮 しなければならない 事 項 を 取 りまとめたものある 1. 技 術 評 価 の 目 的 技 術 評 価 の 目 的 は 以 下 の 項 目 から 成 る (1) 技 術 開 発 に 対 するニーズの 反 映 技 術 開 発 プロジェクトの 目 標 成 果 資 源 機 構 の 業 務 における 位 置 付 けを 明 確 にすることにより 技 術 開 発 プロジェクトに 対 して 確 実 に 社 会 的 ニーズや 資 源 機 構 のニーズを 反 映 させる (2) より 効 率 的 効 果 的 な 技 術 開 発 の 実 施 評 価 をする 者 ( 評 価 者 )と 評 価 を 受 ける 者 ( 被 評 価 者 )が 意 見 交 換 を 通 じ 研 究 開 発 技 術 開 発 の 意 義 内 容 達 成 状 況 今 後 の 方 向 性 等 について 検 討 し より 効 率 的 効 果 的 な 技 術 開 発 を 実 施 していく (3) 国 民 への 開 示 技 術 開 発 プロジェクトの 意 義 や 内 容 については 評 価 結 果 の 公 表 を 通 じて 一 般 国 民 に 開 示 していく (4) 資 源 の 重 点 的 効 率 的 配 分 への 反 映 評 価 の 結 果 を 事 業 や 技 術 開 発 プロジェクトの 継 続 拡 大 縮 小 中 止 など 資 源 の 配 分 へ 反 映 させることにより 資 源 の 重 点 化 及 び 効 率 化 を 促 進 していく 2. 技 術 評 価 の 基 本 理 念 評 価 の 実 施 に 当 たっては 以 下 の 考 え 方 を 基 本 理 念 とする (1) 透 明 性 の 確 保 プロジェクトの 実 施 者 は 積 極 的 に 成 果 を 公 開 し その 内 容 について 広 く 学 識 者 成 果 の 応 用 分 野 の 有 識 者 等 の 意 見 を 聴 く 評 価 事 務 局 ( 資 源 機 構 業 務 評 価 審 査 グループ 業 務 評 価 チーム)においては 透 明 で 公 正 な 評 価 システムの 形 成 定 着 を 図 るため 評 価 手 続 き 評 価 項 目 評 価 基 準 を 含 めた 評 価 システム 全 般 について 予 め 明 確 に 定 め これを 公 開 する (2) 中 立 性 の 確 保 3

評 価 を 行 う 場 合 には 被 評 価 者 に 直 接 利 害 を 有 しない 中 立 的 な 者 である 外 部 評 価 者 の 導 入 等 により 中 立 性 の 確 保 に 努 める (3) 継 続 性 の 確 保 技 術 開 発 プロジェクトにおいては 個 々の 評 価 がそれ 自 体 意 義 を 持 つだけで はなく 評 価 とそれを 反 映 したプロジェクトの 推 進 というプロセスを 繰 り 返 し ていく 時 系 列 のつながりにも 意 義 がある したがって 当 該 担 当 部 課 にとっ て 評 価 結 果 を 後 の 技 術 開 発 プロジェクトの 企 画 立 案 等 に 反 映 させ 易 い 継 続 性 のある 評 価 方 法 で 評 価 を 行 うことが 必 要 である 3. 本 ガイドラインの 適 用 範 囲 本 ガイドラインに 係 る 技 術 評 価 の 対 象 となる 技 術 開 発 プロジェクトは 以 下 のとおりである 1 石 油 天 然 ガスの 探 鉱 開 発 生 産 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクトのうち 大 型 な 技 術 開 発 及 び 公 募 型 研 究 2 金 属 鉱 物 資 源 の 探 鉱 開 発 生 産 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクト 3 鉱 害 防 止 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクト 4. 評 価 の 類 型 と 実 施 時 期 評 価 は 技 術 開 発 プロジェクトの 実 施 期 間 に 対 するその 実 施 時 期 により 事 前 評 価 中 間 評 価 事 後 評 価 に 類 型 化 される 原 則 として 技 術 開 発 プロジェクト 開 始 前 に 事 前 評 価 を プロジェクト 終 了 後 に 事 後 評 価 を 実 施 する プロジェクト 期 間 が5 年 以 上 の 場 合 及 び 後 継 プロジ ェクトの 提 案 を 予 定 する 場 合 には プロジェクト 期 間 中 に 中 間 評 価 を 実 施 する 後 継 プロジェクトが 実 施 されることとなったプロジェクトについては 事 後 評 価 を 省 略 し 後 継 プロジェクト 終 了 時 にあわせて 評 価 を 実 施 することができ ることとする 5. 評 価 体 制 (1) 評 価 者 資 源 機 構 の 外 部 に 属 する 者 で 当 該 技 術 開 発 プロジェクトの 知 見 を 有 する 専 門 家 自 然 科 学 一 般 に 深 い 見 識 のある 者 社 会 科 学 一 般 に 深 い 見 識 のある 者 当 該 技 術 開 発 プロジェクトで 開 発 された 技 術 を 利 用 する 産 業 界 に 属 する 有 識 者 や 専 門 家 等 (2) 被 評 価 者 技 術 開 発 プロジェクト 実 施 担 当 部 課 4

(3) 評 価 事 務 局 評 価 部 業 務 評 価 課 技 術 企 画 部 評 価 普 及 課 (4) 評 価 委 員 会 評 価 は 上 記 評 価 者 で 構 成 される 下 記 評 価 委 員 会 により 実 施 される 1 業 務 評 価 委 員 会 石 油 天 然 ガス 技 術 評 価 部 会 石 油 天 然 ガスの 探 鉱 開 発 生 産 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクトのうち 大 型 な 技 術 開 発 及 び 公 募 型 研 究 の 評 価 2 業 務 評 価 委 員 会 金 属 資 源 開 発 鉱 害 防 止 技 術 評 価 部 会 金 属 鉱 物 資 源 の 探 鉱 開 発 生 産 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクトの 評 価 鉱 害 防 止 に 係 る 技 術 開 発 プロジェクトの 評 価 6. 評 価 の 方 法 (1) プロジェクト 原 簿 プロジェクト 原 簿 ( 第 3 章 ) 又 はそれに 相 当 するプロジェクト 内 容 を 記 述 し た 資 料 に 基 づき 評 価 を 実 施 する (2) 評 価 項 目 評 価 の 類 型 に 応 じた 技 術 評 価 評 価 項 目 ( 別 紙 )に 従 い 評 価 を 実 施 する (3) 評 価 手 法 技 術 開 発 プロジェクトの 類 型 評 価 の 類 型 に 応 じて 適 切 な 評 価 手 法 を 用 いる 複 数 の 技 術 開 発 プロジェクト 間 の 相 対 的 評 価 を 行 う 場 合 等 においては 評 点 法 の 活 用 が 有 効 と 考 えられ 技 術 開 発 プロジェクトの 類 型 評 価 の 類 型 及 び 対 象 案 件 の 態 様 に 応 じて 適 宜 活 用 することが 望 ましい (4) 評 価 の 簡 略 化 評 価 の 実 施 に 当 たっては 評 価 者 及 び 被 評 価 者 の 過 重 な 負 担 を 回 避 するため メールレビューを 実 施 したり 評 価 項 目 を 限 定 する 等 の 簡 略 化 を 行 うことがで きるものとする 7. 評 価 結 果 等 の 取 り 扱 い 及 び 公 開 の 在 り 方 評 価 結 果 及 びこれに 基 づいて 講 ずる 叉 は 講 じた 措 置 については 機 密 の 保 持 が 必 要 な 場 合 を 除 き 個 人 情 報 や 企 業 秘 密 の 保 護 知 的 財 産 権 の 取 得 等 に 配 慮 しつつ 一 般 に 公 開 することとする 5

8. 評 価 システムの 見 直 し いかなる 評 価 システムにおいても 評 価 は 評 価 者 の 主 観 的 判 断 によってなさ れるものであり その 限 りにおいては 完 璧 な 客 観 性 公 平 性 を 求 めることは 困 難 である したがって 評 価 作 業 が 終 了 する 度 ごとにその 評 価 方 法 を 点 検 より 精 度 の 高 いものとしていく 努 力 が 必 要 である また 本 ガイドラインにつ いては こうした 一 連 の 作 業 を 踏 まえ 原 則 として 毎 年 度 見 直 すこととする 9. 評 価 における 留 意 事 項 (1) 評 価 者 と 被 評 価 者 の 対 等 性 1 評 価 者 と 被 評 価 者 の 関 係 評 価 作 業 を 効 果 的 に 機 能 させるためには 評 価 者 と 被 評 価 者 の 双 方 が 積 極 的 にその 知 見 と 情 報 を 提 供 し 合 うという 協 調 的 関 係 と 評 価 者 もその 評 価 能 力 を 評 価 されるという 意 味 で 相 互 に 相 手 を 評 価 するという 緊 張 関 係 を 構 築 し この 中 で 討 論 を 行 い 評 価 を 確 定 していく 必 要 がある 2 評 価 者 に 係 る 留 意 事 項 研 究 者 が 評 価 者 となる 場 合 評 価 者 は 評 価 作 業 を 評 価 者 自 らの 研 究 を 妨 げるものとして 捉 えるべきではなく 自 らの 研 究 の 刺 激 になる 行 為 とし て 積 極 的 に 取 り 組 むことが 必 要 である 3 被 評 価 者 に 係 る 留 意 事 項 被 評 価 者 は 評 価 を 技 術 開 発 プロジェクトの 質 をより 高 めるものとして 積 極 的 に 捉 え 評 価 は 評 価 者 被 評 価 者 両 者 の 共 同 作 業 であるとの 認 識 の 下 真 摯 な 対 応 を 図 ることが 必 要 である (2) 評 価 の 不 確 実 性 評 価 時 点 では 見 通 し 得 なかった 技 術 や 社 会 情 勢 の 変 化 が 将 来 的 に 発 生 し 得 るという 点 で 評 価 作 業 は 常 に 不 確 実 性 を 伴 うものである 従 って 評 価 者 は その 精 度 の 向 上 には 必 然 的 に 限 界 があることを 認 識 した 上 で 評 価 時 点 で 最 良 と 考 えられる 評 価 手 法 をとるよう 努 めることが 必 要 である 係 る 観 点 から 厳 正 さを 追 求 するあまりネガティブな 面 のみを 過 度 に 減 点 法 で 評 価 することとな ると 将 来 大 きな 発 展 をもたらす 技 術 を 阻 害 する 恐 れがある 点 にも 留 意 する 必 要 がある また 技 術 開 発 にしばしば 当 初 目 的 としていなかった 成 果 が 生 じることがあ るが こうした 成 果 も 積 極 的 に 評 価 することが 必 要 である ただし これはあ くまでも 副 次 的 結 果 であり 本 来 目 指 していた 成 果 が 十 分 得 られなかったこと を 補 償 するものとして 位 置 付 けるべきではない 6

(3) その 他 の 留 意 事 項 1 所 期 の 成 果 を 上 げられなかった 技 術 開 発 技 術 開 発 は 必 ずしも 成 功 するとは 限 らず また 失 敗 から 貴 重 な 教 訓 が 得 られることもある したがって 失 敗 した 場 合 には まずその 原 因 を 究 明 し 今 後 の 技 術 開 発 にこれを 生 かすことが 重 要 であり 成 果 を 上 げられなかった ことをもって 短 絡 的 に 従 事 した 研 究 者 や 組 織 機 関 を 否 定 的 に 評 価 すべきも のではない また 評 価 が 積 極 的 な 技 術 開 発 の 実 施 の 阻 害 要 因 とならないよ う 留 意 しなければならない 2 数 値 的 指 標 の 活 用 論 文 の 被 引 用 度 数 特 許 の 申 請 状 況 等 による 成 果 の 定 量 的 評 価 は 一 定 の 客 観 性 を 有 するが 技 術 開 発 プロジェクトにおいては 技 術 開 発 分 野 や 内 容 によ り その 意 味 は 大 きく 異 なり 得 るものであり 必 ずしも 成 果 の 価 値 を 一 義 的 に 表 すものではない したがって これらを 参 考 資 料 として 有 効 に 活 用 しつ つも 偏 重 しないよう 留 意 すべきである 7

技 術 評 価 評 価 項 目 ( 事 後 評 価 ) ( 別 紙 ) 1. プロジェクト 実 施 の 妥 当 性 プロジェクトの 意 義 資 源 機 構 が 実 施 する 必 要 性 ( 資 源 機 構 のプロジェクトとして 妥 当 であったか) 2. プロジェクト 目 標 の 妥 当 性 技 術 開 発 目 標 は 妥 当 であったか 中 間 評 価 時 点 の 目 標 見 直 しは 妥 当 であったか 3. プロジェクト 計 画 の 妥 当 性 目 的 達 成 のために 妥 当 なスケジュール 予 算 となっていたか 情 勢 変 化 への 対 応 は 妥 当 であったか ( 技 術 動 向 や 社 会 市 場 ニーズの 変 化 等 に 対 応 して 計 画 を 適 切 に 見 直 していた か) 4. 実 施 者 の 事 業 体 制 運 営 の 妥 当 性 ( 資 源 機 構 の 事 業 体 制 運 営 は 妥 当 であった か) 技 術 開 発 実 施 者 の 選 定 等 は 適 切 に 行 われたか 関 係 者 間 の 連 携 / 競 争 が 十 分 行 われるような 体 制 となっていたか 意 思 決 定 進 捗 状 況 計 画 見 直 し 等 の 検 討 は 適 切 か 5. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 の 意 義 ( 中 間 評 価 事 後 評 価 のみ) 計 画 と 比 較 して 目 標 は 達 成 されたか 目 標 のうち 達 成 されなかった 部 分 の 要 因 分 析 は 適 切 か 要 素 技 術 から 見 た 成 果 は 得 られたか 6. 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 普 及 広 報 波 及 効 果 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 ( 資 源 機 構 が 開 発 された 技 術 を 利 用 するシナリオは 描 かれているか) 成 果 の 公 表 広 報 ( 論 文 発 表 特 許 の 取 得 等 )は 十 分 成 されたか 成 果 の 普 及 波 及 効 果 は 今 後 期 待 できるか 7. 費 用 対 効 果 プロジェクトを 実 施 したことによりもたらされる 効 果 が 投 じた 予 算 との 比 較 に おいて 効 率 的 効 果 的 であるか( 費 用 対 効 果 はどうか) 8

第 3 章 プロジェクトの 概 要 1. 担 当 部 課 資 源 探 査 部 探 査 技 術 開 発 課 2. 技 術 開 発 テーマ 高 精 度 物 理 探 査 技 術 の 開 発 ( 高 温 SQUID による 電 磁 探 査 装 置 開 発 ) 3.プロジェクトの 目 標 資 源 機 構 が 所 有 する 高 温 超 伝 導 磁 力 計 に 基 づく 電 磁 探 査 装 置 (SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 )よりも 地 下 深 部 についての 取 得 データ 精 度 がさらに 高 く 可 搬 性 操 作 性 に 優 れた 装 置 (SQUITEM3 号 機 )を 開 発 する SQUITEM3 号 機 は SQUID 磁 力 計 と 受 信 装 置 からなる それぞれの 装 置 の 具 体 的 な 開 発 目 標 値 については 既 存 システムの 調 査 及 びデバイス 開 発 企 業 へ のヒアリング 等 を 通 して 研 究 開 発 期 間 内 に 達 成 できる 見 込 みのある 範 囲 の 上 限 値 ( 研 究 開 発 が 順 調 に 進 んだ 場 合 に 達 成 される 値 )から 決 定 した (1)SQUID 磁 力 計 の 開 発 磁 場 感 度 の 高 い SQUID 素 子 の 開 発 : SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 の SQUID 素 子 よりも 磁 場 感 度 が 高 い(ノイズレベルが 低 い)SQUID 素 子 を 開 発 する SQUID 素 子 中 の 超 伝 導 材 の 形 成 方 法 については 1 号 機 及 び2 号 機 では 高 温 超 伝 導 薄 膜 単 層 型 を 採 用 したが 本 プロジェクトでは 平 成 18 年 に 開 発 された 高 温 超 伝 導 薄 膜 積 層 型 技 術 を 用 いた SQUID 素 子 ( 積 層 型 SQUID 素 子 )を 開 発 する 積 層 型 SQUID 素 子 では 従 来 の SQUID 素 子 よりも 約 5 倍 の 高 磁 場 感 度 が 見 込 まれ る また SQUID 素 子 中 のジョセフソン 接 合 には 従 来 の 段 差 型 接 合 ではなく SQUID 変 調 電 圧 (SQUID に 印 加 される 磁 場 に 対 する SQUID 出 力 電 圧 の 割 合 )が 大 きいランプエッジ 接 合 を 採 用 することで 従 来 よりも 約 2 倍 の 磁 場 感 度 が 期 待 できる したがって 薄 膜 積 層 型 技 術 及 びランプエッジ 型 ジョセフソン 接 合 を 採 用 することにより 従 来 の SQUID 素 子 の 約 10 倍 の 高 磁 場 感 度 が 達 成 可 能 で ある( 市 販 の 低 温 SQUID とほぼ 同 等 ) 開 発 する SQUID 素 子 のノイズレベル 目 標 値 としては 20fT/ Hz@1kHz 以 下 ( 磁 気 シールド 中 )を 目 指 す(2 号 機 のノイ ズレベルは 約 100fT/ Hz@1kHz) なお 従 来 SQUID 素 子 で 採 用 していた 段 差 型 に 変 えてランプエッジ 型 ジョセフソン 接 合 を 採 用 することにより SQUID 素 子 の 磁 場 耐 性 や 経 時 安 定 性 が 強 化 され SQUID 素 子 中 への 磁 束 トラップの 頻 度 を 軽 減 することができる ノイズレベルの 低 い FLL 回 路 の 開 発 : FLL 回 路 のシステムノイズは SQUID 出 力 の 増 幅 器 のノイズが 支 配 的 である SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 では 増 幅 器 9

としてオペアンプを 採 用 したが 本 プロジェクトでは 低 温 トランスなどのノイ ズレベルの 低 い 増 幅 器 も 併 用 する FLL 回 路 のシステムノイズ 目 標 値 としては 開 発 した 積 層 型 SQUID 素 子 の 感 度 を 損 なわない 程 度 の 値 を 目 指 す スルーレートの 大 きい FLL 回 路 の 開 発 : スルーレートとは SQUID 磁 力 計 が 追 従 できる 単 位 時 間 あたりの 磁 場 変 化 (mt/sec)である TEM 法 調 査 におい て 深 部 データの 精 度 を 向 上 させるためには 送 信 ループに 大 きな 電 流 を 通 電 す る 必 要 がある しかし 送 信 電 流 値 を 大 きくするとそれが 誘 起 する 磁 場 変 化 も 大 きくなり SQUID 磁 力 計 が 追 従 できない 場 合 がある また 環 境 磁 気 ノイズ に 対 する SQUID 磁 力 計 の 安 定 性 を 高 めるためにも スルーレートを 大 きくする 必 要 がある これについて ランプエッジ 型 ジョセフソン 接 合 を 採 用 すること による SQUID 変 調 電 圧 の 向 上 により 従 来 の FLL 回 路 よりもスルーレートが 向 上 するものと 期 待 される 本 プロジェクトでは 積 層 型 SQUID 素 子 及 び 低 ノイ ズの 増 幅 器 の FLL 回 路 への 導 入 に 対 する FLL 回 路 パラメータの 最 適 化 を 行 い 高 いスルーレートの 達 成 を 目 指 す SQUID 磁 力 計 のスルーレート 目 標 値 として 8mT/sec 以 上 を 目 指 す (2) 受 信 装 置 の 開 発 可 搬 性 / 操 作 性 の 向 上 : SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 よりも 小 型 軽 量 で 可 搬 性 に 優 れた 受 信 装 置 を 開 発 する また 受 信 装 置 と 送 信 機 の 同 期 操 作 の 作 業 性 を 改 善 する 具 体 的 には 1 号 機 及 び2 号 機 では 受 信 機 と 送 信 機 をケーブルに より 結 線 し 受 信 装 置 より 信 号 を 出 すことにより 送 信 機 による 送 信 ループへ の 通 電 を 制 御 している しかし 送 信 ループのサイズが 大 きい 場 合 この 同 期 ケーブル 敷 設 に 作 業 時 間 を 要 する そこで 受 信 装 置 と 送 信 機 の 同 期 方 法 とし て 同 期 ケーブルにより 結 線 する 場 合 と 同 期 クロック 装 置 による 同 期 の2 種 類 を 選 択 可 能 な 装 置 を 開 発 する 測 定 値 の 分 解 能 の 向 上 : 1 号 機 及 び2 号 機 で 採 用 したアナログ デジタル 変 換 機 のビット 数 を16ビットから24ビットに 変 更 して SQUID 磁 力 計 によ る 測 定 値 の 分 解 能 を 向 上 させ 地 下 深 部 からの 微 小 な 測 定 データも 取 得 できる ように 改 良 を 行 う 品 質 の 高 いデータを 効 率 的 に 取 得 できる 機 能 の 導 入 : (1)で 開 発 する SQUID 磁 力 計 の 高 感 度 ( 低 ノイズ)を 損 なわない 程 度 の 低 ノイズな 受 信 装 置 を 開 発 す る また 測 定 値 の 時 間 サンプリング 間 隔 に 対 するアンチエリアジングフィル タ 50Hz/60Hz の 電 線 ノイズに 対 する 帯 域 通 過 フィルタの 導 入 測 定 制 御 プロ グラムにおいて 精 度 の 高 いデータと 低 いデータを 自 動 的 に 識 別 して 精 度 の 低 い データをスタッキングデータとして 平 均 加 算 しない 機 能 ( 取 得 データの 取 捨 選 択 機 能 )を 導 入 するなど 品 質 の 高 いデータを 効 率 的 に 取 得 できる 機 能 を 有 す る 受 信 装 置 を 開 発 する 10

4.プロジェクトの 背 景 と 意 義 必 要 性 (1) 背 景 従 来 の 金 属 鉱 床 探 査 では 露 頭 などの 鉱 徴 が 地 表 に 表 れている 鉱 床 を 探 査 対 象 とした 場 合 が 多 かったために 地 質 調 査 とボーリングに 比 重 をおいた 手 順 で 探 査 が 行 われた しかし 近 年 地 表 に 露 出 した 鉱 床 の 探 査 が 進 み 鉱 床 が 深 部 化 しているために 従 来 の 探 査 技 術 では 対 応 が 困 難 となってきてお り 地 中 を 調 査 することができる 物 理 探 査 の 役 割 が 大 きくなっている 金 属 鉱 床 探 査 に 利 用 される 物 理 探 査 については 比 抵 抗 の 低 い 金 属 鉱 床 または それに 付 随 する 鉱 徴 ( 粘 土 化 変 質 帯 など)の 位 置 を 探 る 方 法 として 時 間 領 域 電 磁 探 査 法 (TEM 法 )が 多 用 されている しかし 地 表 が 低 比 抵 抗 の 被 覆 層 で 覆 われている 場 合 誘 導 コイル 型 磁 力 計 を 用 いる TEM 法 の 従 来 装 置 では 被 覆 層 下 の 鉱 床 を 捕 捉 できない 場 合 がある そこで 鉱 床 が 深 部 化 している 昨 今 TEM 法 の 探 査 深 度 の 向 上 を 中 心 とした TEM 技 術 の 高 度 化 が 求 められている そこで 資 源 機 構 は 使 用 頻 度 の 多 い TEM 法 の 探 査 深 度 を 向 上 させるため に 平 成 13 年 度 から 17 年 度 までの 5 年 間 で 高 温 超 伝 導 量 子 干 渉 素 子 (High Temperature Superconducting Quantum Interference Device ; 高 温 SQUID)を 用 いた TEM 装 置 (SQUITEM1 号 機 )を 開 発 した また 資 源 機 構 による 金 属 資 源 探 査 における SQUITEM1 号 機 の 利 用 機 会 が 増 した ことから 平 成 19 年 度 には1 号 機 と 同 等 の 性 能 を 有 する2 号 機 を 製 作 した なお 資 源 機 構 は その 金 属 資 源 探 査 において 平 成 18 年 度 にはオースト ラリア ボーダー 地 域 平 成 20 年 度 にはカナダ バージントレンド 地 域 ( 資 源 機 構 石 油 部 門 が 開 発 した 石 油 探 査 用 SQUITEM を 利 用 ) オーストラリ ア メーベルクリーク 地 域 チリ パパス 地 域 及 びプンタアルタ 地 域 で SQUITEM 調 査 を 実 施 した 資 源 機 構 による SQUITEM 開 発 後 の 技 術 開 発 動 向 としては 平 成 18 年 には 高 温 SQUID よりもノイズレベルが 一 桁 小 さい 低 温 SQUID とほぼ 同 等 のノイズレベルを 有 する 高 温 SQUID が 高 温 超 伝 導 薄 膜 積 層 技 術 を 用 いて 開 発 された また 昨 今 のハードウェア 技 術 の 進 歩 は 著 しく それらを SQUITEM に 導 入 することにより SQUITEM のパフォーマンス( 探 査 深 度 のさらなる 向 上 など)がさらに 向 上 することが 期 待 される (2)プロジェクトの 意 義 新 規 鉱 床 の 深 部 化 に 伴 い 物 理 探 査 の 重 要 性 が 増 し TEM 法 調 査 が 実 施 される 件 数 が 増 加 している しかし TEM 法 の 従 来 装 置 では 探 査 対 象 深 度 の 地 下 情 報 を 捕 らえられない 場 合 も 多 く TEM 法 の 探 査 深 度 の 向 上 という ニーズがあったことから 資 源 機 構 では 平 成 13 年 度 から 平 成 17 年 度 にか 11

けて SQUITEM1 号 機 を 開 発 し 平 成 18 年 度 には2 号 機 を 製 作 した SQUID を TEM 装 置 の 磁 力 計 として 用 いると 探 査 深 度 が 向 上 する 理 由 は 従 来 の TEM 装 置 の 磁 力 計 である 誘 導 コイル 型 磁 力 計 で 計 測 する 磁 場 時 間 微 分 よりも SQUID で 計 測 する 磁 場 の 方 がゆっくりと 減 衰 するので TEM 法 の 従 来 装 置 と SQUITEM の 計 測 値 についてのダイナミックレンジが 同 じ ならば 磁 場 の 方 が 遅 い 時 間 ( 深 部 )まで 取 得 できるためである 資 源 機 構 の 金 属 鉱 床 探 査 において SQUITEM1 号 機 及 び2 号 機 を 利 用 し ており 従 来 の TEM 装 置 では 捉 えられなかった 深 部 を 捉 える 等 成 果 を 上 げているところである しかし SQUID のスルーレートの 限 界 から 十 分 な 電 流 を 送 信 ループに 流 すことができない 等 SQUID の 探 査 深 度 に 関 する 優 位 な 特 徴 を 十 分 に 活 かし 切 れていない この 課 題 については 最 新 のハード ウェア 技 術 を 導 入 することにより SQUID のスルーレートを 向 上 できる 可 能 性 がある また 最 近 開 発 された 高 温 超 伝 導 薄 膜 積 層 技 術 や 最 新 のハー ドウェア 技 術 を 導 入 して SQUITEM3 号 機 を 開 発 することにより SQUID 素 子 の 磁 場 感 度 をさらに 高 めることができ 1 号 機 及 び2 号 機 で 捕 捉 した 深 部 ターゲットをより 明 瞭 化 することが 可 能 である (3) 資 源 機 構 が 実 施 する 必 要 性 金 属 資 源 探 査 で 使 用 頻 度 の 多 い TEM 法 において 従 来 の TEM 法 装 置 よ りも 探 査 深 度 が 大 きい SQUITEM3 号 機 を 開 発 することにより それまで 取 得 できなかった 地 下 深 部 の 比 抵 抗 分 布 の 取 得 が 可 能 となり 深 部 ボーリン グターゲットの 抽 出 においてより 確 度 が 向 上 する したがって 資 源 機 構 の 金 属 資 源 探 査 の 効 率 を 向 上 させることができるため 資 源 機 構 が 実 施 する 技 術 開 発 プロジェクトとして 妥 当 である 5. 国 内 外 の 類 似 または 周 辺 研 究 動 向 国 内 においては 平 成 10 年 度 補 正 予 算 の 工 業 技 術 院 先 導 研 究 災 害 予 知 技 術 開 発 として SQUID を 使 った 調 査 技 術 の 予 備 的 研 究 を NEDO からの 委 託 により 金 属 鉱 業 事 業 団 ( 資 源 機 構 の 前 身 )が 実 施 した そのほか 近 年 におい て( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 早 稲 田 大 学 等 が 基 礎 研 究 を 実 施 した 国 外 においては 豪 州 連 邦 科 学 技 術 研 究 開 発 機 構 (CSIRO)が 1992 年 より 高 温 SQUID 磁 力 計 を 用 いた 探 査 技 術 の 研 究 開 発 を 実 施 しているが 未 だ 課 題 が 多 い その 他 ドイツの 研 究 機 関 が 地 質 調 査 への 適 用 を 目 指 し 開 発 を 行 ってい る 6.プロジェクトの 計 画 ( 期 間 年 度 ごとの 目 標 と 予 算 ) プロジェクトの 計 画 と 実 績 を 以 下 の 図 に 示 した 図 中 黒 矢 印 は 計 画 赤 矢 12

印 が 実 績 を 表 わす 当 初 計 画 における 期 間 は 平 成 21 年 2 月 から 平 成 24 年 3 月 までの3 年 2 ヶ 月 間 の 予 定 であったが 後 述 する 理 由 により 期 間 を 平 成 25 年 1 月 まで 延 長 して 開 発 を 実 施 した 開 発 する 技 術 要 素 項 目 は SQUID 磁 力 計 ( 積 層 型 SQUID 素 子 及 び FLL 回 路 ) 及 び 受 信 装 置 の2 項 目 である (FLL 回 路 とは SQUID 素 子 からの 出 力 を 線 形 化 する 電 気 回 路 である ) 平 成 21 年 2 月 及 び3 月 を 含 む 平 成 21 年 度 は SQUID 磁 力 計 及 び 受 信 装 置 試 作 機 の 設 計 及 びそれらの 製 作 を 行 う(SQUITEM3 号 機 の 試 作 ) 平 成 22 年 度 は 試 作 機 の 特 性 評 価 及 び 野 外 試 験 を 行 い SQUITEM3 号 機 の 実 機 開 発 に 向 けた 課 題 を 抽 出 する そして 抽 出 した 課 題 を 踏 まえて 実 機 開 発 に 向 けた 設 計 改 良 を 行 い 実 機 開 発 に 着 手 する 平 成 23 年 度 下 半 期 には 実 機 を 完 成 させ そのパフォーマンスを 評 価 するた めの 実 証 試 験 を 金 属 鉱 床 賦 存 地 区 で 実 施 し その 性 能 評 価 を 行 う 予 定 であった が 動 作 確 認 試 験 中 に 発 見 された 装 置 の 不 具 合 の 改 良 のため 契 約 期 間 を 延 長 し 平 成 24 年 度 5 月 まで 実 機 の 改 良 を 実 施 し 平 成 24 年 10 月 に 性 能 評 価 試 験 を 実 施 する 計 画 とした 不 具 合 の 改 良 及 び 契 約 延 長 の 理 由 については 8. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 に 詳 述 する 予 算 については 計 画 時 の 見 積 もりでは 平 成 21 年 度 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 に 各 30 百 万 円 を 予 定 していたが 変 更 契 約 により 平 成 24 年 度 分 としてさらに35 百 万 円 を 見 積 もった 予 算 平 成 21 年 度 平 成 22 年 度 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 計 画 時 見 積 り 30 百 万 円 30 百 万 円 30 百 万 円 35 百 万 円 実 績 51 百 万 円 40 百 万 円 33 百 万 円 33 百 万 円 13

7. 技 術 開 発 実 施 体 制 (1)プロジェクトの 実 施 体 制 プロジェクト 全 体 の 企 画 運 営 管 理 関 連 情 報 収 集 進 捗 状 況 管 理 について は 資 源 機 構 が 実 施 した 個 別 要 素 技 術 開 発 の 実 施 については 専 門 能 力 のある 組 織 企 業 として SQUID 磁 力 計 開 発 については 公 益 財 団 法 人 国 際 超 電 導 産 業 技 術 研 究 センターを 受 信 装 置 開 発 については 三 井 金 属 資 源 開 発 株 式 会 社 をそれ ぞれ 提 案 型 委 託 公 募 により 選 定 し それぞれに 委 託 することにより 研 究 開 発 を 実 施 した 段 階 ごとの 野 外 動 作 試 験 及 び 実 機 完 成 後 の 性 能 評 価 試 験 については 資 源 機 構 主 導 で 実 施 し ユーザーとなる 機 構 職 員 が 実 用 性 についての 確 認 及 び 評 価 を 行 った また 学 識 経 験 者 鉱 山 技 術 者 等 の 外 部 有 識 者 からなる 鉱 物 資 源 探 査 技 術 開 発 研 究 会 を 設 置 し 研 究 会 を 開 催 して 適 宜 アドバイスを 受 け ることにより 本 開 発 の 効 率 的 実 施 を 図 った 研 究 の 計 画 や 実 施 についても 専 門 的 な 判 断 を 要 する 部 分 においては 個 々の 研 究 会 委 員 と 打 ち 合 わせし 最 適 な 判 断 を 行 うこととした プロジェクト 全 体 の 企 画 運 営 管 理 関 連 情 報 収 集 資 源 機 構 金 属 資 源 探 査 技 術 開 発 研 究 会 プロジェクト 進 捗 への 助 言 進 捗 状 況 管 理 委 託 公 益 財 団 法 人 国 際 超 電 導 産 業 技 術 研 究 センター (SQUID 磁 力 計 開 発 ) 三 井 金 属 資 源 開 発 株 式 会 社 ( 受 信 装 置 開 発 ) 実 施 体 制 (2) 委 託 事 業 者 の 選 定 SQUID 磁 力 計 開 発 については 業 務 を SQUID 磁 力 計 の 試 作 機 開 発 ( 平 成 21 年 度 ~ 平 成 22 年 9 月 )と SQUID 磁 力 計 の 実 機 開 発 ( 平 成 22 年 10 月 ~ 平 成 24 年 度 )に 分 割 し それぞれ 提 案 型 委 託 公 募 により 事 業 者 を 募 集 し 資 源 機 構 の 管 轄 部 署 内 外 から 選 定 した 評 価 者 5 名 により 審 査 を 実 施 したところ いずれも 公 益 財 団 法 人 国 際 超 電 導 産 業 技 術 研 究 センター(ISTEC)が 採 択 され た ISTEC は SQUID を 含 む 超 電 導 技 術 の 研 究 開 発 機 関 であり SQUITEM 2 号 機 の 開 発 を 担 当 した 住 友 電 工 ハイテックス 株 式 会 社 が SQUID 事 業 から 撤 退 して 以 来 国 内 では SQUID の 研 究 開 発 を 行 う 唯 一 の 企 業 である また 医 14

療 用 SQUID 素 子 開 発 等 の 実 績 から SQUID 素 子 の 製 造 及 び SQUID 周 辺 機 器 の 開 発 に 関 して 高 い 技 術 力 を 有 している ISTEC より 提 出 された 提 案 書 は 本 事 業 の 趣 旨 に 合 致 しており また 数 値 性 能 及 びそれを 達 成 するための 提 案 が 具 体 的 に 示 されており 委 託 先 として 妥 当 であると 判 断 された 受 信 装 置 開 発 については SQUID 磁 力 計 同 様 業 務 を 試 作 機 開 発 ( 平 成 2 1 年 度 ~ 平 成 22 年 9 月 )と 実 機 開 発 ( 平 成 22 年 10 月 ~ 平 成 24 年 度 )に 分 割 し それぞれ 提 案 型 委 託 公 募 により 事 業 者 を 募 集 し 資 源 機 構 の 管 轄 部 署 内 外 から 選 定 した 評 価 者 5 名 により 審 査 を 実 施 したところ いずれも 三 井 金 属 資 源 開 発 株 式 会 社 (MINDECO)が 採 択 された MINDECO は 資 源 開 発 環 境 事 業 等 の 物 理 探 査 を 専 門 とするコンサルタント 企 業 であり 金 属 資 源 探 査 を 目 的 とした 物 理 探 査 の 実 施 及 びその 機 器 開 発 につ いて 豊 富 な 実 績 を 持 つ MINDECO より 提 出 された 提 案 書 は 本 事 業 の 趣 旨 に 合 致 しており 特 に 実 用 性 の 観 点 から 機 能 性 能 に 関 する 具 体 的 な 提 案 が 示 されている 点 が 評 価 され 委 託 先 として 妥 当 であると 判 断 された 8. 事 前 評 価 に 基 く 計 画 の 見 直 し 物 理 探 査 への 適 用 実 績 がない 積 層 型 SQUID 素 子 に 関 しては 当 初 目 標 を 達 成 する 見 込 みが 少 ないと 判 断 された 場 合 を 考 慮 して 事 前 に 開 発 や 改 良 をす る 技 術 範 囲 ( 積 層 型 SQUID 素 子 の 基 礎 研 究 は 行 わない 等 )を 明 確 にしてお くことが 望 まれる とのコメントに 対 応 し SQUID 素 子 については 作 成 評 価 を 行 う 仕 様 を 事 前 に 明 確 化 し 目 標 に 達 成 しない 場 合 に 備 えて 他 の 構 造 (SQUITEM 2 号 機 と 同 じ 直 結 型 )についても 素 子 を 作 成 し 比 較 検 討 を 行 うこととした 結 果 的 に 当 初 想 定 していた 積 層 型 素 子 は 磁 束 トラップに 起 因 する 問 題 が 解 決 される 見 通 しが 立 たず 直 結 型 素 子 の 構 造 を 一 部 取 り 入 れ た 改 良 積 層 型 の 素 子 を 実 機 に 採 用 することとした 3 年 後 後 半 に 予 定 されている 実 証 試 験 は 半 年 間 と 短 く 機 器 開 発 成 果 に 応 じ た 柔 軟 なスケジュールの 立 案 が 望 まれる SQUID 磁 力 計 開 発 と 受 信 装 置 開 発 の 連 携 と 調 整 が 開 発 成 功 の 重 要 な 鍵 となると 考 えられ 資 源 機 構 の 細 部 にわたる 開 発 管 理 が 望 まれる とのコメントから 試 作 機 開 発 と 実 機 開 発 に 業 務 を 分 割 したほか 資 源 機 構 の 指 示 により 適 時 報 告 会 及 び 野 外 動 作 試 験 を 行 い 問 題 点 の 抽 出 を 行 うことのできるスケジュールとした 9. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 の 意 義 (1) 成 果 1SQUID 磁 力 計 開 発 15

積 層 型 SQUID 素 子 の 地 磁 気 中 冷 却 による 磁 束 トラップの 抑 制 をねらいとし モート 付 き 積 層 型 素 子 の 設 計 と 試 作 を 行 ったが 段 差 乗 り 越 え 箇 所 における 超 電 導 配 線 の 特 性 劣 化 等 により 正 常 動 作 する 素 子 が 得 られなかった 一 方 直 結 型 SQUID に 第 2 の 入 力 コイルを 結 合 させた 新 構 造 の 積 層 型 素 子 ( 改 良 積 層 型 素 子 )の 試 作 を 行 い 野 外 試 験 において 磁 束 トラップによるノイズ 増 大 が 生 じないことを 確 認 した また 同 試 験 で 評 価 したノイズレベルは 25 ft/hz 1/2 スルーレート 10.5mT/sec で 目 標 値 をほぼ 満 足 することが 確 認 さ れた 実 機 の 液 体 窒 素 デュワとして 1L 容 量 のガラスデュワを 採 用 し FLL ボック スを 外 付 け 方 式 にすることにより 真 空 ポンプによる 排 気 を 不 要 とすると 共 に 全 体 の 高 さを 300 mm と 2 号 機 に 比 べて 低 減 することができた また 野 外 での 17 時 間 連 続 試 験 が 可 能 だったことより 液 体 窒 素 保 持 時 間 の 仕 様 で ある 8 時 間 を 十 分 満 足 することを 確 認 した 製 作 した 磁 力 計 実 機 のデュワ プローブ FLL ボックス SQUID チップ プロ ーブ FLL ボックス 間 高 シールドケーブル FLL 受 信 機 間 30 m ケーブルの 総 重 量 は 15 kg で 60 cm 長 さの 防 水 トランクにより 一 人 で 容 易 に 運 搬 できる など 2 号 機 に 比 べ 大 幅 な 軽 量 化 とコンパクト 化 を 実 現 した 2 受 信 装 置 開 発 軽 量 化 を 図 るためにバッテリーを 改 良 し 最 終 的 に 16 時 間 連 続 稼 動 できる システム 構 成 となり 筐 体 は 1 つで 受 信 装 置 の 総 重 量 は 10.6kg となった SQUITEM 2 号 機 に 比 べ 体 積 比 重 量 比 は 1/4 程 度 となり 測 定 現 場 での 作 業 性 は 大 幅 に 向 上 している SQUITEM 3 号 機 の 操 作 性 を 向 上 させるために GUI 形 式 の 受 信 装 置 の 測 定 プロ グラムを 新 規 に 作 成 した 電 源 のオン オフ 以 外 の 測 定 作 業 は すべてこの GUI 上 で 実 施 可 能 となっている 測 定 データを 評 価 するためのアルゴリズム を 搭 載 した 処 理 プログラムは 測 定 修 了 後 に 保 存 されたデータファイルを 元 に 積 算 処 理 / 品 質 評 価 をすることができるようにした この 処 理 プログラム は SQUITEM3 Data Acquisition Program に 組 み 込 まれているので 測 定 終 了 後 直 ちにデータの 評 価 を 実 施 できるようになっている 作 業 性 の 向 上 を 図 り 再 測 定 の 必 要 があるかどうかをその 場 で 判 断 できるようするためのツール となった 受 信 装 置 から 発 生 する 電 磁 ノイズを 極 力 低 く 抑 えるための 工 夫 を 行 った FLL 回 路 との 接 続 部 には 磁 気 シールドを 施 し 外 部 からのノイズの 混 入 を 防 いで いる 内 部 では 電 源 を 共 通 にするとノイズが 混 入 することから SQUID 磁 力 計 部 アンプ 部 システム 部 と 独 立 した 電 池 を 使 用 して 絶 縁 した PC と 受 信 装 置 の 接 続 には USB 光 インターフェースを 使 用 することで PC のノイズが 受 信 装 置 に 混 入 しないようにした また 第 1 回 野 外 実 証 試 験 においてアン 16

プ 回 路 部 品 の 絶 縁 不 良 によりノイズが 混 入 する 不 具 合 が 発 見 されたため 絶 縁 及 び 固 定 の 強 化 を 施 すとともに メンテナンス 性 向 上 のために 外 部 入 出 力 端 子 の 追 加 等 の 改 良 を 行 った GPS 同 期 システムを 開 発 し 受 信 装 置 に 実 装 し 動 作 試 験 を 実 施 したところ 正 常 動 作 が 確 認 された アナログフィルタ(OFF(スルー),x2,x4,x10,x20) アンチエリアジングフィ ルタ(50kHz 3 次 ベッセル) 帯 域 通 過 フィルタ(50Hz / 60Hz / OFF (ス ルー))を 受 信 装 置 に 実 装 し 動 作 試 験 を 実 施 したところ 正 常 動 作 が 確 認 された 3 野 外 実 証 試 験 金 属 資 源 探 査 の 実 フィールドにおける 性 能 ( 探 査 深 度 操 作 性 可 搬 性 耐 久 性 等 )を 評 価 することを 目 的 として 豪 州 クロンカリー 地 域 において 実 際 の 鉱 床 をターゲットとした 野 外 実 証 試 験 を 計 画 した 3 測 線 42 測 点 を 設 定 し 実 際 の 探 査 に 則 した 測 定 試 験 を 実 施 した 最 初 の 測 点 において 試 験 測 定 を 実 施 し 動 作 確 認 及 び 最 適 パラメータの 決 定 を 行 った 後 調 査 測 定 を 実 施 した その 結 果 全 ての 測 点 で 良 質 と 考 えられ るデータを 取 得 することができた また 本 試 験 地 での SQUITEM 3 号 機 の 送 信 可 能 電 流 は 200m 200m 2 ターンのループにおいて 20A 以 上 であり 送 信 機 の 性 能 限 界 を 上 回 る 値 であった 操 作 性 可 搬 性 に 関 しては SQUITEM 2 号 機 による 測 定 と 比 較 して 1 点 当 た りの 測 定 時 間 が 約 20 分 (SQUITEM 2 号 機 の 60%)に 短 縮 されることが 確 認 さ れた これについては 装 置 の 小 型 軽 量 化 及 び GPS 同 期 機 能 の 導 入 の 寄 与 が 大 きい 取 得 データを 既 存 TEM データ(フラックスゲート 磁 力 計 で 取 得 ) 及 び SQUITEM 2 号 機 のデータと 比 較 し SQUITEM 3 号 機 の 優 位 性 を 評 価 したところ 測 定 可 能 時 間 の 平 均 値 より フラックスゲート 磁 力 計 及 び SQUITEM 2 号 機 よりも 探 査 深 度 の 大 きい 測 定 が 可 能 であることが 明 らかになった 取 得 データに 対 し 層 状 モデルに 基 く 1 次 元 逆 解 析 及 び 3 次 元 プレートモデ ルに 基 く 逆 解 析 を 行 い 比 抵 抗 構 造 モデルを 作 成 した 1 次 元 逆 解 析 による 比 抵 抗 断 面 モデルでは いずれの 測 線 についても 地 表 から 深 度 150m 程 度 ま で 比 較 的 低 比 抵 抗 を 示 す 水 平 構 造 が 解 析 された これはグラファイトを 含 む 黒 色 頁 岩 の 被 覆 を 反 映 していると 考 えられる その 下 位 では 北 北 西 - 南 南 東 に 伸 展 する 高 磁 気 トレンドとほぼ 一 致 する 位 置 に 低 比 抵 抗 構 造 が 解 析 さ れた 全 体 的 な 傾 向 として この 低 比 抵 抗 構 造 は 既 存 ボーリングの 化 学 分 析 により 求 められた 鉄 及 び 銅 含 有 量 と 良 い 相 関 を 示 している また プレートモデル 解 析 の 結 果 東 落 ち 傾 斜 で 北 東 - 南 西 方 向 に 連 続 して いる 数 枚 の 低 比 抵 抗 構 造 を 仮 定 し 理 論 プロファイルと 一 致 するモデルを 作 17

成 したところ それはボーリング 結 果 とも 整 合 的 であった (2) 計 画 と 比 較 した 目 標 の 達 成 度 実 施 期 間 及 び 予 算 については 平 成 23 年 度 の 野 外 試 験 において SQUID 磁 力 計 について 製 作 した SQUID 素 子 について 不 具 合 が 確 認 され 構 造 を 変 更 することで 性 能 向 上 の 余 地 が 認 められたこと また 受 信 装 置 について 解 析 プログラムの 機 能 が 不 十 分 であったことから 委 員 の 承 認 を 得 た 上 で 契 約 期 間 を 平 成 24 年 7 月 末 まで 延 長 する 変 更 契 約 を 締 結 し 開 発 を 継 続 した また 平 成 24 年 6 月 に 実 施 した 野 外 試 験 において 輸 送 中 の 振 動 により 受 信 装 置 の 内 部 回 路 が 短 絡 する 不 具 合 が 確 認 されたため 契 約 期 間 を 平 成 25 年 1 月 末 まで 再 度 延 長 し 機 器 の 改 良 及 び 実 証 試 験 を 実 施 した これにより 当 初 計 画 と 比 較 して プロジェクト 期 間 は 約 1 年 予 算 は 約 27,000 千 円 増 加 した 装 置 性 能 については 下 表 に 示 した 通 り SQUID 磁 力 計 受 信 装 置 ともに 目 標 としていた 性 能 をほぼ 全 て 達 成 したことが 野 外 試 験 等 により 確 認 され た 18

SQUID 磁 力 計 性 能 概 要 ( 黒 字 : 目 標 値 赤 字 : 達 成 値 ) 総 重 量 最 大 稼 働 時 間 スルーレート ノイズレベル 小 型 軽 量 化 15kg 8 時 間 以 上 最 大 17 時 間 (フィールド 測 定 値 ) 8 mt/s 以 上 10.5mT/s 以 上 (フィールド 測 定 値 ) 2 号 機 の 1/5 程 度 (20 ft/hz 1/2 @1kHz) 20-30 ft/hz 1/2 ( 積 層 型 )@10kHz 重 量 受 信 装 置 性 能 概 要 ( 黒 字 : 目 標 値 赤 字 : 達 成 値 ) SQUITEM 2 号 機 の 1/4 以 下 ( 約 14kg) 10.6kg ( 操 作 用 PC 部 含 む) フィルタ AD 変 換 対 応 送 信 機 選 択 周 波 数 同 期 方 式 最 大 稼 働 時 間 アナログフィルタ アンチエリアジングフ ィルタ 帯 域 通 過 フィルタの 導 入 アナログフィルタ: OFF(スルー),x2,x4,x10,x20 アンチエリアジングフィルタ: 50kHz 3 次 ベッセル 帯 域 通 過 フィルタ: 50Hz / 60Hz / OFF (スルー) ±10V 24bit ±10V 24bit Geonics 社 送 信 機 Geonics 社 送 信 機 (TEM37,TEM47,TEM57) ZONGE 社 送 信 機 (ZT-30,GGT-30) 50Hz 系 0.25,1,2.5,25Hz 60Hz 系 0.3,0.9,3,30Hz 50Hz 系 0.25,1,2.5,25Hz 60Hz 系 0.3,0.9,3,30Hz GPS クロック/ 有 線 接 続 GPS クロック/ 有 線 接 続 8 時 間 以 上 15 時 間 以 上 (フィールド 測 定 値 ) 19

(3) 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 普 及 広 報 波 及 効 果 1 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 本 プロジェクトで 開 発 した SQUITEM3 号 機 は 今 後 資 源 機 構 による 金 属 資 源 探 査 に 積 極 的 に 活 用 する 予 定 である ノウハウの 保 持 またオペレーション に 専 門 知 識 を 必 要 とすることから 第 三 者 への 販 売 は 行 わない また 本 件 で 得 られた 知 見 から 1 件 の 特 許 出 願 を 行 っている 2 成 果 の 公 表 広 報 本 プロジェクトの 成 果 を 普 及 広 報 するために 以 下 の 通 り 成 果 公 表 を 行 っ ている 発 表 日 発 表 先 発 表 タイトル 平 成 22 年 9 月 16 日 第 71 回 応 用 物 理 学 会 2 段 トランスを 用 いた 電 磁 ノイズによるSQUID 特 性 劣 化 の 抑 制 平 成 23 年 3 月 1 日 平 成 23 年 3 月 29 日 平 成 23 年 8 月 1 日 平 成 23 年 11 月 21 日 平 成 23 年 11 月 30 日 電 磁 情 報 通 信 学 会 エレクトロニクスソサエティ 英 文 論 文 誌 IEICE transactions on electronics 平 成 23 年 度 資 源 素 材 学 会 春 期 大 会 超 電 導 Web21 H23 年 度 SEGJ 国 際 シンポジウム 財 団 法 人 国 際 超 電 導 産 業 技 術 研 究 センター 第 32 回 SRL 研 究 報 告 会 Reduction of Radio Frequency Interference to HTS-dc-SQUID by Adding a Cooled Transformer SQUID 技 術 を 用 いた 金 属 資 源 探 査 のための 深 部 電 磁 探 査 装 置 の 開 発 高 温 超 伝 導 磁 力 計 を 用 いた 金 属 資 源 探 査 装 置 (SQUITEM) 技 術 の 現 状 Development and application of a new TEM data acquisition system based on a HTS SQUID magnetometer (SQUTEM) for metal exploration 次 世 代 SQUITEM 用 SQUID 磁 力 計 開 発 平 成 24 年 3 月 15 日 応 用 物 理 学 関 係 連 合 講 演 会 地 下 資 源 探 査 用 SQUID-TEM 磁 力 計 の 開 発 平 成 24 年 4 月 6 日 超 電 導 工 学 研 究 所 ホームページ 資 源 探 査 用 SQUID-TEMシステムの 開 発 平 成 24 年 4 月 20 日 平 成 24 年 5 月 30 日 ( 社 ) 未 踏 科 学 技 術 協 会 超 伝 導 科 学 技 術 研 究 会 FSST news 11th International Symposium on High Temperature Superconductors in High Frequency Fields (HTSHFF2012) 地 下 資 源 探 査 用 高 温 超 電 導 SQUID 磁 力 計 の 開 発 Development of an HTS SQUID system for geophysical exploration based on transient electromagnetic technique. 平 成 24 年 7 月 5 日 応 用 物 理 学 会 超 伝 導 分 科 会 研 究 会 地 下 資 源 探 査 用 SQUID-TEM 磁 力 計 の 開 発 平 成 24 年 8 月 20 日 東 京 大 学 大 学 院 のWeb: 超 電 導 コミュニケーションズ SQUID TEMによる 鉱 物 探 査 試 験 始 まる! 平 成 24 年 10 月 7 日 Applied Superconductor Conference (ASC 2012) Development of HTS-SQUID magnetometer system with high slew rate for exploration of earth resources 平 成 25 年 3 月 19 日 電 子 情 報 通 信 学 会 2013 総 合 大 会 地 下 金 属 資 源 探 査 用 高 温 超 電 導 SQUID-TEMシステムの 開 発 平 成 25 年 3 月 28 日 60 回 応 用 物 理 学 会 春 季 学 術 講 演 会 高 温 SQUIDを 用 いた 金 属 資 源 探 査 装 置 (SQUITEM)の 開 発 平 成 25 年 4 月 16 日 一 般 社 団 法 人 未 踏 科 学 技 術 協 会 超 伝 導 科 学 技 術 金 属 資 源 電 磁 探 査 用 高 性 能 SQUID 磁 力 計 実 用 機 の 開 発 平 成 25 年 4 月 20 日 東 京 大 学 大 学 院 のWeb: 超 電 導 情 報 研 究 会 SQUIDを 用 いた 鉱 物 探 査 実 用 機 最 新 情 報 平 成 25 年 5 月 20 日 平 成 25 年 度 超 電 導 動 向 報 告 会 金 属 資 源 探 査 用 次 世 代 SQUITEM(SQUITEM 3 号 機 ) 開 発 ( 仮 題 ) 平 成 25 年 6 月 物 理 探 査 学 会 大 128 回 学 術 講 演 会 高 温 SQUIDを 用 いた 金 属 資 源 探 査 用 電 磁 探 査 装 置 の 開 発 平 成 25 年 7 月 学 会 誌 応 用 物 理 第 82 巻 第 7 号 高 温 SQUIDを 用 いた 金 属 資 源 探 査 装 置 (SQUITEM)の 開 発 3 成 果 の 普 及 波 及 効 果 資 源 機 構 による 金 属 資 源 探 査 ( 海 外 鉱 山 会 社 との 共 同 探 鉱 )において 先 進 的 で 優 れた 探 査 技 術 を 所 有 することは 優 良 な 探 査 案 件 及 び 共 同 探 鉱 者 を 得 る 上 で 極 めて 重 要 である したがって 金 属 鉱 床 の 深 部 化 が 進 む 現 在 において 探 査 深 度 が 従 来 TEM 装 置 よりも 大 きい SQUITEM3 号 機 を 開 発 することによ 20

り 資 源 機 構 の 探 査 成 功 確 率 が 向 上 するだけでなく 世 界 の 金 属 資 源 探 査 業 界 における 資 源 機 構 の 地 位 がより 向 上 することが 期 待 される また 本 プロジェクトで 得 られた 野 外 調 査 用 SQUID 磁 力 計 の 開 発 に 関 する 知 見 ノウハウは 資 源 機 構 資 源 探 査 部 で 実 施 中 の SQUID 磁 場 偏 差 計 開 発 プ ロジェクト 及 び 石 油 技 術 部 の 超 電 導 磁 気 センサ(SQUID)を 用 いた 広 域 電 磁 検 層 システムの 開 発 プロジェクトに 継 承 され 活 用 されている 4 費 用 対 効 果 本 プロジェクトに 要 した 費 用 は 総 額 で 157 百 万 円 である 本 研 究 開 発 で 作 成 した SQUITEM 3 号 機 を 用 いることで 従 来 装 置 では 検 出 できなかった 深 部 の 鉱 化 帯 や ノイズ 地 質 条 件 等 の 理 由 により 従 来 装 置 の 適 用 が 困 難 な 環 境 下 において 鉱 化 帯 を 検 出 できる 可 能 性 がある 新 規 鉱 床 の 深 部 化 に 伴 い 資 源 機 構 がそのような 地 域 で 探 査 を 行 う 可 能 性 は 今 後 より 増 加 す ると 考 えられる また SQUITEM 3 号 機 を 用 いた TEM 調 査 により 得 られる 比 抵 抗 情 報 は 探 査 深 度 の 点 で 他 の 手 段 に 代 え 難 いものであり 目 標 とする 鉱 床 の 発 見 に 至 れば その 経 済 的 な 利 益 は 本 プロジェクトの 費 用 に 対 して 十 分 に 大 きいと 考 えられる なお SQUITEM 3 号 機 は SQUITEM 2 号 機 と 比 較 して ノイズレベルは 約 1/5 に またスルーレートの 増 加 により 測 定 可 能 な 最 大 電 流 値 は 約 4 倍 に 向 上 した これにより TEM 探 査 においてより 大 きな 入 力 信 号 でより 高 感 度 の 測 定 が 可 能 となる 動 作 試 験 を 行 った 秋 田 県 由 利 本 庄 市 のデー タ 及 び 比 抵 抗 構 造 で Diffusion Depth を 比 較 すると これにより 探 査 深 度 が 580m から 約 900m に 増 加 したと 計 算 される また 従 来 機 である SQUITEM 2 号 機 と 比 較 すると 探 査 深 度 以 外 にも 操 作 性 可 搬 性 作 業 性 の 向 上 が 経 済 性 の 向 上 をもたらしている 操 作 性 につい ては GPS 同 期 システムの 採 用 により 1 点 当 たり 約 20 分 作 業 時 間 が 削 減 さ れることが 実 証 試 験 により 確 認 された これにより 作 業 日 数 が 10-20% 短 縮 されることが 見 込 まれる 仮 に 作 業 日 数 が 15% 短 縮 されるとすると 豪 州 の フィールドで 3 測 線 54 点 の 測 定 を 実 施 した 場 合 ( 平 成 23 年 度 に SQUITEM 2 号 機 を 用 いて 実 施 した 調 査 測 定 の 仕 様 に 準 拠 ) 約 110 万 円 の 削 減 になると 試 算 される また 可 搬 性 については 従 来 機 では 測 点 間 の 機 材 運 搬 に 3 名 の 作 業 員 が 必 要 であったのに 対 して SQUITEM 3 号 機 では 小 型 軽 量 化 により 2 名 の 作 業 員 で 運 搬 が 可 能 となった これにより フィールド 環 境 によっては 雇 用 する 作 業 員 を 1 名 削 減 することができる 作 業 性 の 向 上 については 液 体 窒 素 及 びバッテリーの 保 持 時 間 が 延 びたことから 1 日 中 の 入 れ 替 え 作 業 が 不 要 とな り また 液 体 窒 素 の 使 用 量 は 2.5L/ 日 から 0.8L/ 日 程 度 に 減 少 した 液 体 窒 素 価 格 は 1 千 円 /L 程 度 であるが 加 えて 液 体 窒 素 容 器 の 輸 送 コストが 削 減 される これについては 豪 州 の 場 合 900AUD/ 往 復 程 度 の 削 減 が 見 込 まれる 21

第 4 章 評 価 結 果 1.プロジェクト 実 施 の 妥 当 性 平 均 評 点 : 5 点 (1)プロジェクトの 意 義 金 属 鉱 床 探 査 地 域 の 奥 地 化 深 部 化 が 進 む 中 で 高 性 能 な 探 査 技 術 開 発 の 必 要 性 は 増 大 している 本 プロジェクトは 平 成 9 年 度 から 平 成 20 年 度 まで 行 われた 電 磁 探 査 装 置 SQUITEM 開 発 の 後 継 プロジェクトで 次 世 代 機 (3 号 機 ) 開 発 を 目 的 として いる SQUITEM 1 号 機 および 2 号 機 の 開 発 の 結 果 従 来 の TEM 探 査 装 置 に 比 べ 深 部 探 査 能 力 は 向 上 しつつも スルーレート 等 の 限 界 のために 効 率 性 での 課 題 が 残 っ ていた このプロジェクト 実 施 により SQUID 磁 力 計 と 受 信 装 置 の 性 能 の 向 上 が 図 ら れ 3 号 機 の 探 査 深 度 および 可 搬 性 操 作 性 が 向 上 していることが 鉱 床 地 域 における 実 地 試 験 で 実 証 されている SQUITEM 3 号 機 の 開 発 により 深 部 潜 頭 鉱 床 などに 対 し てより 高 精 度 の 探 査 を 行 うことが 可 能 となり 深 部 の 新 規 鉱 床 発 見 につながる 探 査 の より 一 層 の 効 率 化 が 図 られるものと 期 待 され このプロジェクトによる 装 置 開 発 は 意 義 があった 高 温 超 電 導 技 術 を 金 属 鉱 床 探 査 のセンサに 応 用 して 高 性 能 な 探 査 機 器 を 開 発 するこ とは わが 国 が 得 意 とする 電 子 技 術 と 資 源 探 査 技 術 を 融 合 させた わが 国 の 特 長 を 生 かした 技 術 開 発 として 意 義 のあることである (2) 資 源 機 構 が 実 施 する 必 要 性 ( 資 源 機 構 のプロジェクトとして 妥 当 であっ たか) 本 プロジェクトの 趣 旨 は 資 源 機 構 が 事 業 主 体 として 開 発 し 鉱 床 探 査 への 応 用 を 重 ねてきた 電 磁 探 査 装 置 SQUITEM の 改 良 を 行 い 探 査 が 行 われている 地 域 でその 実 用 性 を 実 証 することにある したがって 鉱 床 探 査 プロジェクトを 展 開 している 資 源 機 構 が 自 らこの 技 術 開 発 プロジェクトを 実 施 することは 妥 当 であった 当 該 プロジェクトは 機 構 が 実 施 する 金 属 鉱 床 探 査 における 探 査 能 力 の 向 上 のみな らず 探 査 の 効 率 化 を 図 るもので 保 有 すべき 技 術 であるとともに その 向 上 のため に 実 施 する 必 要 がある 特 に 資 源 獲 得 における 競 争 に 伍 していくには 不 断 の 技 術 向 上 に 立 脚 せずにはなし 得 ないと 考 える 資 源 機 構 自 らが 解 明 の 進 んでいない 未 探 査 地 域 において 先 導 的 な 探 査 を 行 い わ が 国 企 業 による 海 外 での 資 源 開 発 にインセンティブを 与 えることは 意 義 のあること である 未 探 査 地 域 での 探 査 に 有 効 な 高 性 能 な 探 査 技 術 を 資 源 機 構 が 保 有 することは 鉱 床 発 見 の 可 能 性 を 増 大 させるとともに 当 該 地 域 における 資 源 機 構 のネームバリュ ーの 向 上 につながり わが 国 企 業 による 権 益 確 保 と 工 業 原 料 の 安 定 供 給 に 寄 与 すると 期 待 される 22

2.プロジェクト 目 標 の 妥 当 性 平 均 評 点 : 5 点 (1) 技 術 開 発 目 標 は 妥 当 であったか SQUITEM 2 号 機 からの 改 良 点 として SQUID 素 子 感 度 やスルーレートの 向 上 また 装 置 の 操 作 性 可 搬 性 の 改 良 が 目 標 に 設 定 されている 深 部 探 査 能 力 を 高 めるこ とと 同 時 に 探 査 作 業 効 率 も 高 いことは 必 要 性 が 高 まっている 深 部 探 査 に 対 応 可 能 な 探 鉱 機 として 基 本 的 な 要 件 であり この2つを 目 標 に 設 定 することは 極 めて 自 然 かつ 妥 当 である 実 現 に 向 けて 1) 検 出 精 度 の 向 上 2) 雑 音 の 低 減 さらには3) 操 作 性 の 向 上 という 観 点 から 技 術 開 発 目 標 をブレークダウンし 同 時 に 差 別 化 しうるレベルを 具 体 的 な 到 達 目 標 としていることも 妥 当 である 感 度 目 標 20fT/ Hz@1kHz は 探 査 深 度 500m 以 上 に 対 応 した 感 度 であり 妥 当 な 目 標 設 定 であったといえる 研 究 開 発 の 結 果 感 度 目 標 値 の 達 成 を 確 認 し かつ 実 際 のフィールドにおいて 探 査 深 度 として 810m を 確 認 したことは 結 果 としても 妥 当 な 目 標 値 であったといえる スルーレートの 向 上 は 大 電 流 での 測 定 を 可 能 とし 信 号 レベルを 増 大 させ センサ 感 度 と 併 せて 探 査 深 度 を 向 上 させる 要 素 として 重 要 である スルーレート 8mT/sec は 従 来 機 器 のスルーレート 1mT/sec を 大 幅 に 改 善 して 大 電 流 での 測 定 を 可 能 とする 目 標 として 妥 当 である 開 発 成 果 として 目 標 値 を 上 回 る 10.5mT/sec を 達 成 したことは 探 査 深 度 の 向 上 及 び 測 定 効 率 の 向 上 に 貢 献 したと 考 えられる 可 搬 性 向 上 のための 目 標 重 量 14kg を 定 めた 開 発 方 針 は わかりやすく 妥 当 であっ たといえる さらに デュワ 小 型 化 液 体 窒 素 消 費 量 削 減 GPS 同 期 による 配 線 の 不 要 自 作 ソフトによる 操 作 性 の 向 上 等 の 複 数 の 目 標 が 設 定 されており SQUITEM3 号 機 を 実 用 機 として 完 成 させるための 技 術 開 発 が 網 羅 されており 妥 当 であったとい える 薄 膜 積 層 型 SQUID 素 子 の 電 磁 探 査 への 適 用 は 新 技 術 を 適 用 することによって より 高 性 能 な 探 査 機 器 の 開 発 につながると 期 待 されるが 反 面 チャレンジングな 目 標 であり トラブルも 予 想 された 積 層 型 SQUID 素 子 の 磁 束 トラップに 起 因 する 問 題 の 発 生 に 対 し 積 層 型 に 固 執 することなく 直 結 型 素 子 の 構 造 を 取 り 入 れた 新 積 層 型 SQUID 素 子 を 開 発 したことは 高 く 評 価 できる 本 プロジェクトの 実 施 期 間 は 当 初 は 3 年 間 で 一 貫 して 高 い 目 標 を 維 持 してきた 途 中 動 作 不 良 により 開 発 期 間 が 1 年 延 びるなどの 変 更 はあったが これも 的 確 な 要 因 分 析 と 判 断 のもとに 最 終 的 に 目 標 を 実 現 していることから 妥 当 であったと 考 え る (2) 中 間 評 価 時 点 の 目 標 見 直 しは 妥 当 であったか ( 中 間 評 価 の 実 施 がなかったため 記 載 なし) 23

3.プロジェクト 計 画 の 妥 当 性 平 均 評 点 : 5 点 (1) 目 的 達 成 のために 妥 当 なスケジュール 予 算 となっていたか 研 究 開 発 は 試 作 機 の 設 計 製 作 実 機 の 設 計 製 作 実 機 の 改 良 性 能 評 価 試 験 とス テップを 追 って 進 められており 妥 当 な 計 画 であったといえる 当 初 計 画 の 3 年 2 ヶ 月 のプロジェクト 期 間 が 野 外 試 験 において 見 出 された SQUID 素 子 や 受 信 装 置 の 不 具 合 また 解 析 プログラムの 問 題 から 最 終 的 に 1 年 間 延 長 されて いる 研 究 開 発 は 最 善 の 設 計 を 行 い 性 能 を 評 価 し 目 標 と 比 較 して 不 足 する 部 分 を 改 良 するという 繰 り 返 しであり 関 係 者 の 了 解 のもと 目 標 達 成 を 最 終 目 標 として 研 究 期 間 を 延 長 した 柔 軟 な 対 応 は 妥 当 であったといえる また この 延 長 によりそれ ら 問 題 が 解 決 され 野 外 実 証 試 験 を 経 た 技 術 評 価 が 行 われていることから 延 長 は 妥 当 な 判 断 であったといえる 使 用 する SQUID 素 子 については 適 切 な 比 較 検 討 の 結 果 目 標 値 の 実 現 に 向 けた 素 子 選 択 を 適 切 に 実 施 しており 妥 当 な 判 断 である また 事 前 評 価 のコメントを 活 かした 柔 軟 なスケジュール 管 理 の 観 点 から 試 作 機 と 実 機 の 2 段 階 開 発 を 行 っている ことも 妥 当 であった スケジュール 予 算 とも 柔 軟 に 対 応 することによって 最 小 の 変 更 に 留 めながら 最 終 的 に 目 標 を 達 成 したことは 適 切 であったといえる (2) 情 勢 変 化 への 対 応 は 妥 当 であったか( 技 術 動 向 や 社 会 市 場 ニーズの 変 化 等 に 対 応 して 計 画 を 適 切 に 見 直 していたか) 資 源 メジャーによる 寡 占 と 中 国 の 進 出 による 資 源 獲 得 競 争 の 激 化 資 源 ナショナリ ズムの 台 頭 と 資 源 をめぐる 状 況 に 変 化 はなく 銅 価 格 鉛 価 格 についても 欧 州 経 済 危 機 にも 関 わらず 高 いレベルを 維 持 しているなど 社 会 市 場 情 勢 に 変 化 はない 資 源 獲 得 競 争 に 変 化 はなく 探 鉱 地 域 の 奥 地 化 深 部 化 難 地 域 化 にも 変 化 はない また 資 源 ナショナリズムの 台 頭 は 先 進 国 が 保 有 する 優 れた 技 術 を 資 源 と 引 き 替 え に 資 源 国 へ 提 供 する 機 会 を 増 加 させており 技 術 開 発 の 必 要 性 もさらに 増 している 研 究 開 発 期 間 中 に 高 温 SQUID 素 子 に 代 替 する 素 子 の 発 見 新 たな 電 磁 探 査 法 の 開 発 などの 技 術 を 取 り 巻 く 情 勢 に 変 化 もなく 高 温 SQUID 素 子 を 用 いた 研 究 開 発 の 必 要 性 に 変 化 はなかった 4. 実 施 者 の 事 業 体 制 運 営 の 妥 当 性 ( 資 源 機 構 の 事 業 体 制 運 営 は 妥 当 であ ったか) (1) 技 術 開 発 実 施 者 の 選 定 等 は 適 切 に 行 われたか 平 均 評 点 : 5 点 開 発 実 施 体 制 に 係 る 実 施 者 については 開 発 要 素 が 大 きく 異 なることを 反 映 して SQUID 磁 力 計 開 発 と 受 信 装 置 開 発 との 業 務 に 分 割 するとともに 両 業 務 ともに 提 24

案 型 委 託 公 募 しており 審 査 を 経 て 委 託 先 を 決 定 していて 実 施 者 の 選 定 方 法 は 適 切 であったといえる SQUID 磁 力 計 開 発 については 国 内 唯 一 の 専 門 機 関 で 高 い 技 術 力 を 有 しており ま たと 受 信 装 置 開 発 については 物 理 探 査 に 実 績 があるコンサルタント 企 業 で 機 器 開 発 に ついても 高 い 専 門 性 を 有 しており 妥 当 であったと 思 われる (2) 関 係 者 間 の 連 携 / 競 争 が 十 分 行 われるような 体 制 となっていたか 資 源 機 構 がプロジェクト 全 体 の 運 営 ならびに 進 捗 管 理 を 行 う 体 制 であり かつ 段 階 ごとに 野 外 動 作 試 験 や 性 能 評 価 試 験 を 資 源 機 構 が 主 導 して 実 施 した 点 は 責 任 を 明 確 化 した 点 で 適 切 であり 連 携 は 十 分 に 行 われるように 考 慮 されていた 外 部 の 有 識 者 からなる 研 究 会 から 適 切 な 助 言 を 得 ることができるなど 関 係 者 間 の 連 携 体 制 は 妥 当 であったと 考 えられる (3) 意 思 決 定 進 捗 状 況 計 画 見 直 し 等 の 検 討 は 適 切 か 資 源 機 構 職 員 がユーザーとして 委 託 者 の 管 理 を 実 施 したことは 責 任 を 明 確 とした 点 で 適 切 であった 特 に 資 源 機 構 職 員 自 らが 開 発 段 階 毎 の 野 外 動 作 試 験 実 機 完 成 後 の 豪 州 における 鉱 床 賦 存 実 フィールドにおいて 性 能 評 価 を 行 っており 目 標 値 と 実 績 値 を 比 較 しながら 改 良 計 画 見 直 しを 行 っていることは 適 切 であったといえる 学 識 経 験 者 鉱 山 技 術 者 等 から 構 成 される 金 属 資 源 探 査 技 術 開 発 研 究 会 が プロジ ェクト 進 捗 への 助 言 を 行 っており 技 術 開 発 の 妥 当 性 と 透 明 性 が 確 保 されており 適 切 であったといえる プロジェクト 実 施 期 間 の 1 年 間 延 長 に 際 し 進 捗 状 況 の 把 握 や 意 思 決 定 が 適 切 にな されたものと 判 断 され 本 プロジェクトにおける 資 源 機 構 の 事 業 体 制 運 営 は 妥 当 で あったと 考 えられる 5. 計 画 と 比 較 した 達 成 度 成 果 の 意 義 平 均 評 点 : 4.67 点 (1) 計 画 と 比 較 して 目 標 は 達 成 されたか 本 プロジェクトで 開 発 された 電 磁 探 査 装 置 SQUITEM3 号 機 は 従 来 機 に 比 べ 精 度 と 可 搬 性 操 作 性 が 改 良 された 結 果 野 外 実 証 試 験 で 計 画 時 に 目 標 とされた 性 能 がほ ぼすべて 実 現 されていることが 確 認 されている 具 体 的 には 野 外 実 証 試 験 において 1 点 当 たりの 測 定 時 間 が 約 20 分 と 改 善 されることを 確 認 している また 同 実 証 試 験 で 2 号 機 よりも 探 査 深 度 の 大 きな 測 定 が 可 能 であることも 確 認 している さらに 実 フィールドに 於 いて 深 度 400m 以 上 の 深 部 鉱 床 の 検 出 ができている これにより TEM 探 査 の 探 査 深 度 と 実 用 性 が 向 上 することが 実 証 されており 目 標 は 十 分 達 成 され たと 判 断 される 25

(2) 目 標 のうち 達 成 されなかった 部 分 の 要 因 分 析 は 適 切 か 実 施 期 間 と 予 算 については SQUID 素 子 の 不 具 合 などのため また 受 信 装 置 の 内 部 回 路 での 運 搬 時 の 振 動 に 起 因 する 短 絡 による 不 具 合 のため いずれも 契 約 期 間 の 延 長 が 発 生 している いずれのケースも 対 策 が 図 られており 要 因 分 析 は 適 切 であっ たと 言 える 当 初 計 画 していた 薄 膜 積 層 型 SQUID 素 子 の 開 発 にとらわれることなく 探 査 に 利 用 できる 実 用 的 な 素 子 として 新 積 層 型 SQUID 素 子 を 新 たに 開 発 したことは 実 用 性 を 優 先 した 成 果 として 適 切 であった (3) 要 素 技 術 から 見 た 成 果 は 得 られたか 目 標 達 成 のための 個 々の 要 素 技 術 の 目 標 を 定 め それぞれに 関 して 目 標 値 を 達 成 し ており 要 素 技 術 からも 十 分 な 成 果 は 得 られたと 言 える また 従 来 機 に 比 べ 精 度 と 可 搬 性 操 作 性 が 改 良 された SQUITEM3 号 機 自 体 が 電 磁 探 査 技 術 分 野 における 要 素 技 術 が 総 合 化 された 成 果 であると 評 価 できる 6. 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 普 及 広 報 波 及 効 果 平 均 評 点 : 4.33 点 (1) 成 果 の 実 用 化 の 可 能 性 ( 資 源 機 構 が 開 発 された 技 術 を 利 用 するシナリオ は 描 かれているか) SQUITEM3 号 機 は オーストラリア クロンカリー 鉱 床 地 域 の 野 外 実 証 試 験 にお いて 既 存 データと 整 合 的 で ボーリング 結 果 と 調 和 的 な 比 抵 抗 断 面 を 与 えることが 確 認 され 実 用 機 として 探 査 への 適 用 性 があることが 実 証 されている その 実 用 性 は 3 号 機 が 実 際 の 鉱 床 探 査 で 広 く 利 用 される 中 で 検 証 され また 高 められていくものと 考 えられる 今 後 とも SQUITEM 技 術 開 発 への 関 心 と 環 境 を 持 続 させていくことが 必 要 である 積 極 的 な 活 用 のためには 操 作 マニュアルを 充 実 させ SQUITEM に 習 熟 した 物 理 探 査 技 術 者 を 増 やす 努 力 も 必 要 と 考 えられる また 今 後 は 開 発 を 委 託 した 民 間 企 業 での 利 用 や 講 習 会 を 通 して 鉱 山 会 社 やコンサルタントによる 利 用 も 考 慮 する 必 要 があると 考 えられる (2) 成 果 の 公 表 広 報 ( 論 文 発 表 特 許 の 取 得 等 )は 十 分 成 されたか SQUITEM3 号 機 の 開 発 の 現 状 や 技 術 的 成 果 について 現 在 まで 国 内 外 で 講 演 論 文 公 表 (17 件 )が 行 われてきており 今 後 も 3 件 の 講 演 論 文 公 表 が 予 定 されている また 特 許 1 件 が 出 願 中 であり 資 源 機 構 のホームページ 上 でも 開 発 の 状 況 や 成 果 が 適 切 に 公 開 されてきている これらより 成 果 の 公 表 広 報 は 十 分 になされていると 評 価 できる 26

(3) 成 果 の 普 及 波 及 効 果 は 今 後 期 待 できるか 今 後 鉱 床 探 査 の 海 外 プロジェクトにおける SQUITEM3 号 機 の 活 用 が 進 むことに より 本 プロジェクトの 成 果 が 世 界 的 に 普 及 することが 期 待 できる また 本 プロジ ェクトで 開 発 されてきた 技 術 の 成 果 は 既 に SQUID 磁 場 偏 差 計 開 発 や 石 油 探 査 にお ける 電 磁 検 層 システム 開 発 などで 活 かされている 鉱 床 探 査 以 外 でも 地 下 水 や 活 断 層 の 調 査 さらに 地 磁 気 観 測 地 震 研 究 などの 地 球 物 理 学 分 野 へも 波 及 効 果 があり SQUID 技 術 の 利 用 拡 大 が 期 待 される 資 源 機 構 が 実 施 する 探 査 の 成 功 確 率 の 向 上 が 期 待 されるだけでなく 優 位 な 技 術 力 を 背 景 に 資 源 機 構 の 地 位 向 上 につながり 海 外 鉱 山 会 社 との 共 同 研 究 などにも 効 果 が 期 待 される 7. 費 用 対 効 果 平 均 評 点 : 4.33 点 (1)プロジェクトを 実 施 したことによりもたらされる 効 果 が 投 じた 予 算 と の 比 較 において 効 率 的 効 果 的 であるか( 費 用 対 効 果 はどうか) SQUITEM 3 号 機 を 用 いた TEM 探 査 は 他 の 方 法 では 得 難 い 深 部 の 比 抵 抗 情 報 を もたらすことにより 概 査 ~ 精 査 段 階 の 深 部 新 規 鉱 床 探 査 においてより 精 度 高 い 探 鉱 指 針 を 与 え トータルの 探 鉱 コストへの 経 済 的 効 果 が 期 待 できる また 3 号 機 は 従 来 機 と 比 べ 可 搬 性 操 作 性 作 業 性 の 点 でより 実 用 的 であり 作 業 効 率 の 観 点 のみか らでも 作 業 日 数 の 削 減 作 業 人 員 の 削 減 など TEM 探 査 コストの 削 減 が 見 込 まれる 世 界 的 に 新 規 鉱 床 探 査 が 深 部 化 している 傾 向 にあるなかで SQUITEM3 号 機 が 広 く 活 用 され その 経 済 的 効 果 を 発 揮 することが 期 待 でき 本 プロジェクトの 費 用 対 効 果 は あると 考 えられる 費 用 対 効 果 は 資 源 機 構 の 目 的 である 資 源 権 益 の 獲 得 新 鉱 床 の 発 見 技 術 移 転 による 資 源 外 交 への 貢 献 等 でも 図 られるべきである 特 に 資 源 ナショナリズムの 台 頭 によって 資 源 国 では 先 進 国 からの 技 術 移 転 による 資 源 開 発 の 促 進 を 求 めており 優 れた 技 術 力 により 資 源 機 構 の 知 名 度 が 向 上 し 資 源 権 益 が 確 保 される もしくは 新 鉱 床 発 見 に 導 かれれば その 効 果 は 大 きいと 考 えられる 27