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微分法 ( 導関数の計算 ) 微分係数 () 関数 f() = の, = における微分係数を求めよ () 関数 f ()= - について, 次の問いに答えよ = において連続かどうかを調べよ = において微分可能かどうかを調べよ 微分係数と微分可能 数学 Ⅱ で学んだように, 関数 f () の =a における微分係数 f '(a) は次のように表される f (a) f(a + ) f(a) ここで,a+= とおくと,=-a であり, のとき a であるから, 微分係数 f '(a) は次のよう にも表される f (a) a f() f(a) a 関数 f () について,=a における微分係数 f '(a) が存在するとき,f () は =a で微分可能であるという また, 関数 f () がある区間のすべての の値に対して微分可能であるとき,f () はその区間で微分可能 であるという 微分可能と連続 数学 Ⅲ 極限 で学んだように, 関数 f() において, その定義域内の = a に対して, 極限値 lim a f() が存在し, lim a f() = f(a) が成り立つとき,f () は =a で連続であるという 連続の定義は, 極限値 lim f() が存在し, lim f() = f(a) が成り立つ であるが, 次のように a a 言い換えることもできる lim f() f() = f(a) a+0 a 0 関数 f() について, = aにおける微分可能の定義は, 微分係数 f f(a + ) f(a) (a) が存在する であるが, 連続と同様に次のように 言い換えることもできる f(a + ) f(a) f(a + ) f(a) lim = f (a) +0 0

微分可能と連続について, 次のことが成り立つ 関数 f () が =a で微分可能ならば,f () は =a で連続である 証明関数 f () が =a で微分可能ならば,f '(a) が存在して lim a {f() f(a)} a f(a) {f() ( a)} = f (a) 0 = 0 a よって lim a f() = f(a) これより, 関数 f() は = a で連続である () f () f( + ) f() + ( + ) + + + = () lim f() ( ) = 0, lim +0 +0 f() { ( )} = 0 0 0 また,f() = 0 であるから, lim f() = f() が成り立つ よって, 関数 f () は = において連続である f( + ) f() 0 lim +0 +0 +0 =, f( + ) f() 0 lim 0 0 0 = であるから,f '() は存在しない よって, 関数 f () は = において微分可能ではない (), からわかるように, 関数 f () が =a で微分可能ならば,f () は =a で連続である の 逆 関数 f () が =a で連続ならば,f () は =a で微分可能である は, 一般には成り立たない 導関数 次の関数を, 導関数の定義に従って微分せよ () y = () y = 関数 f () がある区間で微分可能であるとき, その区間の の値 a に微分係数 f '(a) を対応させる関数を, f () の導関数といい,f '() で表す 関数 f () からその導関数 f '() を求めることを,f () を微分する という 関数 f() の導関数 f () は, 次の式で定義される f () f( + ) f() 関数 y = f() の導関数 f () は, 右のように表すこともある y, {f()}, d, d d f()

() y f( + ) f() + ( + ) ( + ) ( + ) ( + ) = () y f( + ) f() ( + ) ( ( + ) ) ( ( + ) + ) ( ( + ) + ) ( + ) ( ( + ) + ) ( + ) + = 積 商の導関数 () 関数 y=(+)( -) を微分せよ () 次の関数を微分せよ y = + y = y = n (n は正の整数 ), 定数, 和 差の導関数の性質 数学 Ⅱ で学んだように, n (n は正の整数 ) と定数 c の導関数について, 次の公式が成り立つ n が正の整数のとき ( n )' =n n- c が定数のとき (c)' =0 関数 f (),g() が微分可能であるとき, 次の公式が成り立つ {k f ()}' =k f '() {f ()+g()}' =f '()+g'(), {f ()-g()}' =f '()-g'() {k f ()+l g()}' =k f '()+l g'() 積の導関数 関数 f (),g() が微分可能であるとき, 次の公式が成り立つ {f ()g()}' =f '()g()+f ()g'() ( まえ微分うしろそのままプラスまえそのままうしろ微分 ) 証明 {f()g()} f( + )g( + ) f()g() f( + )g( + ) f()g( + ) + f()g( + ) f()g() {f( + ) f()}g( + ) + f(){g( + ) g()} f( + ) f() { g( + ) + f() g( + ) g() } ここで,g() は微分可能であるから連続であるので lim g( + ) = g() よって {f ()g()}' =f '()g()+f ()g'() 導関数の定義に戻り, 極限値の性質 を用いれば証明できる f '(),g'() の定義式が現れるように, f ()g(+) を引いて足す

商の導関数 関数 f (),g() が微分可能であるとき, 次の公式が成り立つ { g() } = g () {g()} ( マイナス ( 分母の 乗 ) 分の ( 分母の微分 )) { f() g() } = f ()g() f()g () {g()} 証明 { g() } (( 分母の 乗 ) 分の ( 上微分下そのままマイナス上そのまま下微分 ) g( + ) g() g() g( + ) g( + )g() { g( + )g() g( + ) g() } = g () {g()} g() は連続より lim g( + ) = g() { f() g() } = {f() g() } = f () g() + f() { g() } = f () g () + f() ( g() {g()} ) f() g() を,f() と g() の積とみなす 積の導関数の公式 {f ()g()}' =f '()g()+f ()g'() 商の導関数の公式 を利用 n (n は整数 ) の導関数 = f ()g() f()g () {g()} n が正の整数のとき, ( n )' =n n- が成り立つことは先ほど確認した n が負の整数のときも, ( n )' =n n- が成り立つかどうかを調べる 負の整数 n は,m を n と絶対値が等しい正の整数として n=-m とおくことができる ( n ) = ( m ) = ( m) = (m ) ( m ) = mm m = m m = n n よって,n が負の整数のときも, ( n )' =n n- が成り立つ また,( 0 )' =()' =0 であるから, n=0 のときも, ( n )' =n n- が成り立つ 以上から, 次の公式が成り立つ n が整数のとき ( n )' =n n- () y' ={(+)( -)}' =(+)' ( -)+(+) ( -)' = ( -)+(+) 4 = -+4 + =6 +- (+)' =, ( -)' = - =4 4

() y = ( + ) y = ( ) ( + ) = ( + ) = ( + ) = () () = 0 = 別解 = とみると y = ( ) = ( ) = = = y = ( ) = ( + ) ( ) = () ( ) ( ) ( ) = ( ) ( ) = 4 ( ) 4 合成関数の微分法 関数 y=( +) を微分せよ 関数 y = f() において, の増分を, に対する y の増分 f( + ) f() を y で表すと, 導関数 f () は次のように表される f y () 0 f( + ) f() 0 合成関数の微分法 y=f (u) が u の関数として微分可能,u=g() が の関数として微分可能であるとき, 合成関数 y=f (g()) も の関数として微分可能で d = du du d 証明 u = g() において, の増分 に対する u の増分を u,y = f(u) において,u の増分 u に対する y の増分を y として y = y u u と変形することができる ここで, u = g( + ) g() で,g() は連続であるから, 0 のとき u 0 となる よって d y 0 0 ( y u u ) y 0 u lim u 0 y u 0 u lim u 0 = du du d ここで,y=f (u) と u=g() の合成関数 y=f (g()) において, d = {f(g())}, du = f (u) = f (g()), du d = g () であるから, 合成関数の微分法の公式 d = du du d は, 次のようにも表される {f(g())} = f (g())g () 5

y' ={( +) }' =( +) - ( +)' =( +) =6( +) この関数のように, y={g()} n (n は整数 ) と表されるとき, y = n{g()} n g () が成り立つ u=g()= + とおくと,y={g()} =u =f (u) であるから y = du du = f (u) g () d 5 逆関数の微分法 関数 y = ( > 0) を微分せよ 逆関数の微分法 関数 y=f () が,=g(y) と表すことができるとする この両辺を の関数とみて, それぞれについて微分すると, 左辺は 右辺は d d = d d g(y) = d g(y) d = d d =g(y) の と y を入れかえて y=g() と表したものが, もと の関数の逆関数 y=f - () である となるから よって, = d d d = d が成り立つ 関数 y=f () のままでは微分しづらいが, について 解いた =g(y) の形だと微分しやすいとき, 逆関数の 微分法を利用するとよい r (r は有理数 ) の導関数 r が有理数のときも, ( r )' =r r- が成り立つかどうかを調べる まず,q を正の整数として,r = q で表される関数 y = r の導関数について考える y = qの両辺をq 乗すると, = y q から d = = d qy q = q q = q (q) q = q q = r r 次に,pを整数,qを正の整数として,r = p q で表される関数 y = r の導関数は, r p = q = (q) y = ( r ) p = {(q) } 以上から, 次の公式が成り立つ p = p (q) r が有理数のとき ( r )' =r r- p (q) = p q q q = p p q q q + q = p p q q = r r p より 6

y = より y = すなわち = y 逆関数の微分法により d = = = d y y = ( ) = 9 別解 y = y = = = = より = = 9 6 三角関数の導関数 次の関数を微分せよ () y = sin () y = tan 三角関数の導関数 (sin ) sin( + ) sin sin cos + cos sin sin 三角関数の加法定理 sin(+)=sincos+cossin sin ここで, lim =, であるから cos sin sin ( cos ) (cos sin cos lim cos ( + cos ) (sin)' =cos -sin 0=cos (cos ) = {sin ( + π )} sin ( + cos ) cos sin ) = cos ( + π ) ( + π ) = cos ( + π ) = sin (tan ) sin = ( cos ) = (sin ) cos sin (cos ) cos = cos + sin cos = cos 以上から, 三角関数の導関数について, 次の公式が成り立つ (sin ) = cos, (cos ) = sin, (tan ) = cos sin sin + cos = 0 + = 0 7

() 合成関数の微分法により y' =(sin)' =cos ()' =cos 別解 sin=sincos より, 積の導関数の公式を利用すると y' =(sin)' =(sincos)' =(sin)' cos+sin(cos)' =cos cos+sin (-sin) =cos -sin =cos () y = ( tan ) = () tan (tan ) tan = sin tan cos cos tan = cos sin = cos sin cos sin tan の導関数の公式をあえて用いず,sin,cos の導関数の公式のみを用いて, 次のようにしてもよい y = ( tan ) = ( ) sin cos cos = ( sin ) = ( cos ) sin cos (sin ) sin = {() cos + (cos ) } sin cos cos sin = cos sin sin cos sin = {cos + ( sin )} sin cos sin = sin cos (sin + cos ) sin = sin cos sin 7 対数関数 指数関数の導関数 () 次の関数を微分せよ y=(log ) y=log (+) y=log - () 関数 y = を微分せよ () 次の関数を微分せよ y = e y = 自然対数の底 e lim( + t) t の極限値を e とする t 0 e=.78 であり, 無理数であることが e y = ( + t) t 知られている 残念ながら, lim t 0 ( + t) t = e は, 高校数学で求めることはできない 8

対数関数の導関数 y=log a (a>0,a ) の導関数を考える y = (log a ) log a ( + ) log a log + a log a ( + ) ここで = t とおくと, 対数関数 y = log a の定義域は > 0 であるから, 0 のとき t 0 である よって (log a ) log a ( + ) t 0 lim( + t) t = eであるから (log a ) = t 0 log a e = log e a t log a( + t) = lim log a( + t) t t 0 特に a=e のとき,e を底とする対数 log e を の自然対数という 一般に,log e は底 e を省略して log と書く log ee=log e= より, 対数関数の導関数について, 次の公式が成り立つ (log ) =, (log a ) = log a ( log )',( log a )' について考える > 0 のとき (log ) = (log ) =, < 0 のとき (log ) = {log( )} = ( ) = よって (log ) = したがって, 次の公式が成り立つ (log ) =, (log a ) = また (log a ) log = ( log a ) = log a = log a log a 合成関数の微分法により {log f() } = f () f() α (α は実数 ) の導関数 α が実数のときも, ( α )' =α α- が成り立つかどうかを調べる y= α の両辺の自然対数をとると log y=αlog 両辺を について微分すると y y = α = α よって y = α y = α α = α α したがって, 次の公式が成り立つ α が実数のとき ( α )' =α α- 例えば,α=e( 自然対数の底 ) であるとき, ( e )' =e e- である また, 両辺の自然対数をとる微分法を対数微分法という 9

指数関数の導関数 y=a (a>0,a ) の導関数を考える y = a の両辺の自然対数をとると log y = log a よって y = y log a = a log a 両辺を について微分すると y y 特に a = e のとき, log e = であるから (e ) = e したがって, 指数関数の導関数について, 次の公式が成り立つ (e )' =e, (a )' =a log a 合成関数の微分法により {e f () }' =e f () f '() = log a () y = {(log ) } = log (log ) = y = {log ( + )} = log ( + ) ( + ) log = ( + ) log y = (log ) = ( ) = () ( 対数微分法を用いる ) y = の両辺の絶対値の自然対数をとると log y = log = log log 両辺を について微分すると y y = ( ) ( ) = ( ) = ( )( ) = ( )( ) よって y = ( )( ) = ( ) 対数関数の微分法において, 真数部分に絶対値が付いていても, 微分すると絶対値は外れる 絶対値を 付けて対数をとるのは, 真数条件をチェックする必がなくなるため, 計算がラクになるからである 別解 ( 商の導関数の公式を用いる ) y = ( ) = ( ) ( ) ( ) ( ) = ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) = ( ) ( ) = ( ) = ( ) 0

対数微分法を用いると, 対数関数の真数の積や商を和や差に表すことができ, 微分は楽になるが, その 結果を通分したり, 両辺に y を掛けたりする計算を考えると, 全体として計算量はあまり変わらない ことが多い 底と指数の両方に変数を含む関数, 例えば y= (>0) のような関数を微分する場合, 以下のように 対数微分法を用いる必がある y= の両辺の自然対数をとると log y=log = log 両辺をについて微分すると y y = () log + (log ) = log + = log + よって y' =(log +)y=(log +) () y' =( e )' =( )' e + (e )' = e + e ()' =e + e =(+)e y = ( ) = log ( ) = log = log 8 高次導関数 () 次の関数の第 次導関数, 第 次導関数を求めよ y=log y=cos y=e () 関数 y=sin +cos は, 等式 y+y'' =0 を満たすことを示せ () 関数 y=e の第 n 次導関数を求めよ 高次導関数 関数 y=f () の導関数 f '() が微分可能であるとき, これをさらに微分して得られる導関数を f () の 第 次導関数といい, y, f (), d y d, などの記号で表す d f() d さらに, 第 次導関数 f ''() の導関数を第 次導関数といい, y, f (), d y d, などの記号で表す d f() d 一般に, 関数 y=f () を n 回微分して得られる関数を f () の第 n 次導関数といい, y (n), f (n) (), dn y d n, などの記号で表す dn f() dn なお,y (), y (), y () は, それぞれ y', y'', y''' を表す 第 次以上の導関数をまとめて, 高次導関数という y', f '() を第 次導関数 ということがある

() y = (log ) =, y = ( ) = ( ) = =, y = ( ) = ( ) = = y' =(cos )' =cos (cos )' =-sin cos =-sin, y'' =(-sin )' =-cos ()' =-cos, y''' =(-cos )' =sin ()' =4sin y' =(e )' =()' e +(e )' =e +e =(+)e, y'' ={(+)e }' =(+)' e +(+)(e )' =e +(+)e =(+)e, y''' ={(+)e }' =(+)' e +(+)(e )' =e +(+)e =(+)e () y =sin +cos, y' =(sin +cos )' =cos -sin, y'' =(cos -sin )' =-sin -cos よって y+y'' =(sin +cos )+(-sin -cos )=0 () y =e, y' =(e )' =e ()' =e, y'' =(e )' =e ()' =4e, よって, y (n) = n e と推測できる これを, 数学的帰納法を用いて示す (ⅰ) n= のとき, y () =y' =e = e より,は成り立つ (ⅱ) n=k のときが成り立つと仮定すると y (k) = k e ここで,n=k+ のときを考えると y (k+) ={y (k) }' =( k e )' = k e ()' = k+ e よって,n=k+ のときもは成り立つ (ⅰ),(ⅱ) から, すべての自然数 n について,は成り立つので y (n) = n e 9 曲線のいろいろな表し方と微分法 () 次の曲線の方程式で定められるの関数 yの導関数を,,yを用いて表せ d y = 6 + y 9 = y = (),yが, 媒介変数 tを用いて次の式で表されるとき,の関数 yの導関数をtを用いて表せ d =t-, y=t - =sin t, y=sin 4t

陰関数の導関数 の関数 y が方程式 F(,y)=0 の形で表されているとき,y を の陰関数ということがある F(,y) の中の y を含む式を f (y) とする f (y) を で微分するとき, 合成関数の微分法を 用いて次のようにする d d f(y) = d f(y) d 陰関数に対して,y=f () の 形で表される関数を 陽関数ということがある 媒介変数表示された関数の導関数,y が, 媒介変数 t を用いて =f (t),y=g(t) で表されており,,y が t について微分可能で,f '(t) 0 の とき, 合成関数の微分法により 以上より, 次の公式が成り立つ = f(t),y = g(t) のとき d = d = dt dt d dt = g (t) d f (t) dt また, 逆関数の微分法により dt d = d dt () 方程式 y = の両辺をで微分すると d d y = d () よって y d d = したがって,y 0 のとき d = y 方程式 6 + y 9 = の両辺を で微分すると d d ( 6 ) + d d (y 9 ) = d d () よって 8 + y 9 d = 0 したがって,y 0 のとき d = 9 6y 方程式 y = の両辺を で微分すると d d (y) = d d () よって y + d = 0 したがって d = y () d dt = d (t ) =, dt dt = d dt (t ) = tであるから d = dt = t d = t dt d d (y) = () y + (y) d dt = d dt (sin t) = cos t d (t) = cos t, dt dt = d dt (sin 4t) = cos 4t d (4t) = 4 cos 4t dt であるから, cos t 0 のとき d = dt 4 cos 4t = d cos t dt