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クリーンな 電 力 会 社 選 べる? 電 力 小 売 全 面 自 由 化 を 前 に 電 力 会 社 のクリーン 度 調 査 を 実 施 2016 年 3 月 発 行 グリーンピースレポート 2016 年 4 月 からスタートする 電 力 小 売 市 場 の 全 面 自 由 化 を 前 に 国 際 環 境 NGO グ リーンピース ジャパンは 一 般 電 気 事 業 者 に 代 わるクリーンな 電 力 会 社 を 見 つけ 出 すことを 目 的 に 独 自 のアンケート 調 査 を 実 施 しました 本 レポートは その 調 査 結 果 をまとめるとともに 今 後 必 要 な 対 策 について 説 明 するものです 概 要 電 力 システム 改 革 の 第 2 弾 として 2016 年 4 月 から 電 力 小 売 市 場 が 全 面 自 由 化 されます 電 力 会 社 を 選 ぶ 権 利 を 獲 得 する 消 費 者 が 社 会 と 環 境 の 両 方 を 守 る 有 意 義 な 選 択 ができるよう グリ ーンピースは 第 1 回 目 の 電 力 会 社 アンケート 調 査 を 実 施 しました 本 レポートは その 結 果 と 分 析 そして 必 要 な 対 策 について まとめたものです 今 回 の 調 査 は 電 力 会 社 の 総 合 的 な 分 析 をする ものではなく 電 力 会 社 のクリーン 度 について 消 費 者 に 知 らせることを 目 的 としています 今 回 グリーンピースは 2 月 8 日 までに 登 録 された 小 売 電 気 事 業 者 169 社 i に 対 し アンケートを 2 度 に 分 けて 送 付 計 26 社 から 有 意 の 回 答 を 得 ました アンケートへの 回 答 結 果 を 1) 電 源 構 成 のクリーン 度 2) 自 然 エネルギーへのコミットメント 3) 原 子 力 石 炭 産 業 からの 独 立 4) 情 報 の 透 明 性 の 4 つの 指 標 に 分 け 回 答 内 容 に 応 じたポイントを 付 与 しました 例 えば 電 源 構 成 のクリ ーン 度 では 環 境 や 社 会 への 影 響 の 大 きい 原 発 と 石 炭 火 力 にはマイナスのポイントを 自 然 エネ ルギーにはプラスのポイントを 付 与 しています 消 費 者 が 電 気 代 として 支 払 うお 金 が 自 然 エネル ギーへのエネルギー 転 換 のために 役 立 ち それに 反 するものに 使 われない ということを 確 かなも のとするため これらの 指 標 を 設 定 しています 調 査 結 果 は 家 庭 向 けに 供 給 する 登 録 小 売 電 気 事 業 者 のなかで もっとも クリーン に 近 い 事 業 者 でも 100 ポイント 中 52 ポイントとなりました また 商 店 など 小 規 模 事 業 者 向 けに 供 給 する 事 業 者 を 含 めても 50 ポイント 以 上 を 獲 得 したのは 7 社 のみでした ただし 登 録 小 売 電 気 事 業 者 の 平 均 が 45 ポイントだったのに 比 べ 全 国 に 10 ある 地 域 独 占 の 一 般 電 気 事 業 者 のスコアは 平 均 で 18 ポイントであり 登 録 小 売 電 気 事 業 者 のほうがよりクリーン 度 が 高 くなっていることが 分 か りました 一 般 電 気 事 業 者 はいずれも 原 発 の 再 稼 働 や 新 規 の 石 炭 火 力 発 電 所 建 設 に 投 資 をし 続 けていることから スコアを 下 げています

本 調 査 を 通 じ 電 力 小 売 市 場 に 健 全 な 競 争 を 生 み 出 すとともに 社 会 と 環 境 の 利 益 を 守 るためには 対 策 が 必 要 だとグリーンピースは 考 えています まず 発 電 方 法 ごとの 真 のコストが 明 らかにされる 必 要 があります 使 用 済 燃 料 の 処 理 東 京 電 力 福 島 第 一 原 発 事 故 の 一 刻 も 早 い 収 束 のための 費 用 は 現 在 原 発 のコストに 十 分 に 含 まれていません 各 発 電 所 から 排 出 される 二 酸 化 炭 素 によって 生 じる 気 候 変 動 のコストも 然 りです 原 発 や 石 炭 火 力 の 真 のコストが 明 らかにされない 一 方 で 固 定 価 格 買 取 制 度 の 賦 課 金 のみが 電 気 使 用 量 のお 知 らせ 等 に 表 示 されるなど 自 然 エネルギーの 負 担 のみが 目 立 っていては 競 争 市 場 で 自 然 エネルギ ーが 成 長 できません 原 発 や 石 炭 火 力 発 電 所 を 優 遇 する 安 倍 政 権 の 政 策 がつづく 中 自 然 エネルギーを 加 速 的 に 増 加 させるためには 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT)など 適 切 に 設 計 された 自 然 エネルギーの 支 援 策 が 必 要 不 可 欠 です また 消 費 者 自 らが 納 得 して 電 力 会 社 を 選 択 するためには さらなる 情 報 の 透 明 性 が 必 要 で す いよいよ 始 まる 電 力 自 由 化 いよいよ 4 月 1 日 から 電 力 小 売 市 場 が 全 面 的 に 自 由 化 され 低 圧 ( 契 約 電 力 50kW 未 満 )の 需 要 家 である 家 庭 やコンビニなどの 中 小 規 模 の 事 業 所 も 電 力 会 社 を 選 べるようになります 電 力 量 の 38%を 占 める 低 圧 需 要 家 は 7800 万 世 帯 の 家 庭 と 700 万 の 中 小 規 模 の 事 業 者 からなり 市 場 規 模 では 合 計 で 8 兆 円 となりま す ii 電 力 自 由 化 は クリーンな 電 気 を 求 める 消 費 者 にとって 大 きなチャンスになりえます 電 力 自 由 化 が 実 現 す る 以 前 は 消 費 者 はクリーンなエネルギーシステムへの 願 いを 意 識 調 査 などの 機 会 に 口 にするだけでした しかし これからは 自 分 の 消 費 するエネルギーを 選 択 することが 出 来 るようになり 自 らの 消 費 行 動 によって 直 接 エネルギー 転 換 に 影 響 を 与 えることができるようになります つまり 原 発 の 再 稼 働 や 石 炭 火 力 発 電 所 の 建 設 への 反 対 を 電 力 会 社 の 選 択 によって 表 明 することが 出 来 るようになるのです その 逆 に 自 然 エネ ルギー100%への 社 会 の 実 現 に 対 しても 家 計 が 電 気 料 金 の 支 払 いという 形 で 直 接 貢 献 できるようになりま す このような 消 費 者 の 選 択 を 可 能 とするためには 透 明 性 が 高 く 信 頼 できる 情 報 が 必 要 不 可 欠 です 消 費 者 は どの 電 力 会 社 がクリーンな 電 力 を 供 給 するのか そしてどの 電 力 会 社 を 避 けるべきなのかを 知 る 必 要 が あります 本 レポートは グリーンピースによる 第 1 回 目 の 電 力 会 社 アンケート 調 査 の 結 果 をまとめています 登 録 小 売 電 気 事 業 は 日 を 追 うごとに 増 加 し 3 月 23 日 時 点 では 253 社 iii が 登 録 されていますが 本 調 査 では そのうち 169 社 に 調 査 を 行 ったものです また 新 しい 電 力 会 社 との 比 較 ができるよう これまで 一 般 家 庭 に 独 占 的 に 電 力 を 供 給 してきた 一 般 電 気 事 業 者 にもアンケートを 送 付 調 査 しました 2

第 1 回 調 査 の 概 要 ( 範 囲 その 制 限 など) 本 調 査 は 2016 年 2 月 8 日 までに 登 録 された 小 売 電 気 事 業 者 169 社 を 対 象 にアンケートを 送 付 紙 媒 体 や オンラインフォームにて 回 答 があったものです 小 売 電 気 事 業 者 の 登 録 数 は 日 を 追 うごとに 増 加 しています が 本 調 査 結 果 を 4 月 までに 発 表 するために 第 1 回 目 の 調 査 は 2 月 8 日 までに 登 録 された 小 売 電 気 事 業 者 までに 限 定 しています 2 月 9 日 以 降 に 登 録 された 事 業 者 を 含 む 調 査 については 今 後 実 施 予 定 です また 本 調 査 は 全 ての 事 業 者 を 網 羅 し 総 合 的 な 概 略 を 示 すことを 目 的 とはしていません クリーンな 電 力 会 社 を 選 択 したいと 考 えている 消 費 者 の 選 択 に 資 するよう クリーンな 電 力 会 社 を 選 ぶ 際 の 指 標 と その 選 択 肢 を 示 すことを 目 的 としています 169 社 のうち 32 社 がアンケートを 返 送 うち 26 社 が 全 13 問 のうち 5 問 以 上 に 回 答 しました 4 問 以 下 の 回 答 だった 6 社 については 回 答 数 が 少 なく 分 析 が 困 難 だったため 本 レポートには 含 めていません また 本 調 査 の 大 きな 目 的 のひとつで かつ 消 費 者 も 重 視 している 電 源 構 成 について 回 答 のなかった 9 社 について は 全 体 の 分 析 には 含 めていません なお 家 庭 向 け 事 業 所 等 への 販 売 についての 内 訳 は 下 表 の 通 りで す 表 :アンケートに 回 答 した 登 録 小 売 電 気 事 業 者 の 販 売 先 の 内 訳 家 庭 事 業 所 等 双 方 への 電 力 販 売 の 予 定 がある 家 庭 への 電 力 販 売 の 予 定 がある 事 業 所 等 への 電 力 販 売 の 予 定 がある すでに 高 圧 需 要 者 に 販 売 している 未 定 合 計 12 社 4 社 11 社 3 社 2 社 32 社 これまで 一 般 家 庭 に 電 力 を 供 給 していた 一 般 電 気 事 業 者 については 東 北 電 力 のみがアンケートに 回 答 し ました 一 般 家 庭 では 電 力 会 社 乗 り 換 えの 手 続 きをしない 限 り 一 般 電 気 事 業 者 との 契 約 が 継 続 するため 一 般 電 気 事 業 者 のクリーン 度 を 明 らかにすることも 重 要 だと 考 え アンケートを 返 送 しない 一 般 電 気 事 業 者 に ついては 公 表 されている 各 社 の 情 報 を 元 にグリーンピースで 回 答 を 作 成 一 般 電 気 事 業 者 に 確 認 を 求 める プロセスを 経 て 10 社 すべてについて 本 レポートに 取 り 上 げています クリーンな 電 力 会 社 たらしめる 4 要 素 とは? 電 力 会 社 を クリーン たらしめる 要 素 は 何 でしょうか? 本 調 査 は 電 力 会 社 調 査 の 第 1 回 目 として 下 記 の 4 つの 指 標 を 元 に 各 アンケート 内 容 に 対 してポイントを 付 与 分 析 をしています 現 在 は 電 力 小 売 市 場 が 全 面 自 由 化 される 初 期 段 階 であり 小 売 電 気 事 業 者 のうち 7 割 が 異 業 種 からの 参 入 iv であることを 踏 まえて 指 標 やポイント 付 与 の 仕 組 みは 出 来 る 限 りシンプルなものとしています 今 後 市 場 の 成 熟 にともなって これ らの 指 標 は 見 直 していく 予 定 です 表 :クリーン 度 を 表 す 4 つの 指 標 とポイント 一 覧 1) 電 源 構 成 ( 自 然 エネルギーと 原 発 石 炭 火 力 発 電 の 内 訳 ) 40 ポイント 2) 100% 自 然 エネルギーへのコミットメント 20 ポイント 3) 原 子 力 石 炭 産 業 との 関 係 ( 資 本 関 係 投 資 ) 20 ポイント 4) 情 報 の 透 明 性 20 ポイント 合 計 100 ポイント 3

1) 電 源 構 成 : 自 然 エネルギー vs 原 発 石 炭 火 力 (40 ポイント) 供 給 する 電 気 の 電 源 構 成 は 重 要 な 指 標 です クリーン エコ グリーン など 環 境 価 値 を 訴 求 する 電 力 会 社 は 実 際 に 原 発 や 石 炭 火 力 など ダーティー な 電 気 の 供 給 をできるだけ 少 なく 一 方 で 太 陽 光 や 風 力 等 の 自 然 エネルギーなどのクリーンな 電 気 をできるだけ 多 く 供 給 しなければなりません 本 調 査 では 原 発 石 炭 火 力 の 電 力 にマイナスのポイントを 自 然 エネルギーの 電 力 の 供 給 に 対 しプラスのポイントを 付 与 していま す 本 調 査 では 分 析 をできるだけシンプルにするために 自 然 エネルギー 源 ごとの 環 境 への 影 響 の 違 いは 考 慮 していません また 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT)の 適 用 を 受 けている 自 然 エネルギーと そうではない 自 然 エネ ルギーの 区 別 もしていません FIT 電 気 の 調 整 後 の 二 酸 化 炭 素 排 出 係 数 は 全 国 平 均 値 が 適 用 されており 本 調 査 では 二 酸 化 炭 素 排 出 係 数 についても 評 価 の 数 値 としては 用 いていません なお これまで 電 力 供 給 実 績 のない 電 力 会 社 については 今 後 の 見 込 み 値 が 示 されています 今 後 の 調 査 によって これらの 数 字 が 達 成 されていたのか 確 認 していく 予 定 です 2) 100% 自 然 エネルギーへのコミットメント(20 ポイント) 電 力 小 売 市 場 の 自 由 化 される 初 期 段 階 にあり また 自 然 エネルギーの 接 続 義 務 および 優 先 給 電 が 制 度 的 に 確 保 されていないなど 自 然 エネルギーに 対 する 制 度 的 な 障 壁 がある 現 状 において 自 然 エネルギーを 競 争 力 ある 価 格 で 供 給 することは 多 くの 電 力 会 社 にとって いまだ 難 しいのが 現 実 です 本 調 査 ではこの 点 を 考 慮 し 供 給 する 電 力 をすべて 自 然 エネルギーに というコミットメント( 目 標 )について 評 価 しています 将 来 へ の 自 然 エネルギーのコミットメントは 消 費 者 から 受 け 取 った 電 気 代 を 化 石 燃 料 や 原 子 力 に 使 わないと 約 束 することと 同 義 と 考 えるからです また 自 然 エネルギーに 加 えて 自 然 エネルギーと 二 酸 化 炭 素 排 出 量 の 少 ない 天 然 ガスのみで 主 に 電 源 を 確 保 していることを 段 階 的 なエネルギーシフトへの 第 一 歩 として 評 価 しています 3) 原 子 力 石 炭 産 業 との 関 係 (20 ポイント) 電 力 自 由 化 によって 多 くの 市 民 が 望 む 方 向 とは 逆 の 結 果 に 陥 る 危 険 性 もはらんでいます たとえば ある 電 力 会 社 の 子 会 社 が グリーンな 電 力 のみを 供 給 し 環 境 意 識 の 高 い 消 費 者 の 支 持 を 得 ても その 子 会 社 の 利 益 は 親 会 社 による 石 炭 原 子 力 発 電 所 に 再 投 資 される 可 能 性 もあります このような 望 まない 結 論 を 防 ぐため 本 調 査 では 原 子 力 や 石 炭 産 業 から 財 政 的 に 独 立 している 電 力 会 社 を 評 価 しています 原 発 石 炭 火 力 発 電 所 の 運 転 に 加 えて これらの 発 電 所 の 製 造 や 重 要 なパーツ 燃 料 を 供 給 している 企 業 を 原 子 力 石 炭 産 業 関 連 産 業 としています また 同 様 の 理 由 から 石 炭 原 子 力 発 電 所 への 投 資 についてはマイ ナスの 自 然 エネルギー 発 電 への 投 資 についてはプラスのポイントをつけています 4) 情 報 の 透 明 性 (20 ポイント) 情 報 の 透 明 性 は 消 費 者 の 選 択 に 必 要 不 可 欠 なものです 本 調 査 では アンケートの 設 問 5 問 以 上 に 答 え た 電 力 会 社 に 情 報 をオープンにする 姿 勢 があるとしてポイントを 付 与 しているほか 供 給 する 電 気 の 電 源 構 成 キロワット 毎 時 あたりの 二 酸 化 炭 素 排 出 量 と 放 射 性 廃 棄 物 量 を 自 社 ウェブサイト 電 力 料 金 の 請 求 書 広 告 に 掲 載 するとした 電 力 会 社 にポイントがつけられています 4

一 般 電 気 事 業 者 の グレーさ が 際 立 つ: 調 査 結 果 概 要 登 録 小 売 電 気 事 業 者 の 平 均 は 45 ポイント(100 ポイント 中 )とスコアはそれ 程 高 くないものの 登 録 電 気 業 者 と 地 域 独 占 の 一 般 電 気 事 業 者 の 間 には 大 きな 違 いがあることがあることが 分 かりました 一 般 電 気 事 業 者 は 4 指 標 のすべてにおいてスコアが 低 く 100% 自 然 エネルギーで 持 続 可 能 なエネルギーシステムへの 転 換 に 本 気 で 取 り 組 もうとしていないことが 如 実 に 表 れています また 今 回 のアンケートに 回 答 したのは 東 北 電 力 のみで 全 般 的 には 市 民 の 要 請 に 応 じて 情 報 をオープンにする 必 要 性 への 認 識 が 低 いことも 改 めて 明 らか になりました 電 源 構 成 のスコアでは 一 般 電 気 事 業 者 のスコアは 登 録 小 売 電 気 事 業 者 と 同 じくらいかそれよりも 低 い 数 値 となっています 家 庭 向 けに 電 力 供 給 する 小 売 電 気 事 業 者 ( 予 定 を 含 む)の 中 で FIT 電 気 を 含 む 自 然 エネ ルギーが 50%を 超 えるところはありませんが 一 般 電 気 事 業 者 の 自 然 エネルギーの 比 率 ( 大 型 水 力 を 除 く) は 10% 以 下 のため 10%を 上 回 っていれば 一 般 電 気 事 業 者 よりも 自 然 エネルギー 比 率 は 高 いと 言 えます 5

100% 自 然 エネルギーへの 取 組 みについて 登 録 小 売 電 気 事 業 者 のうち 11 社 は 現 在 そして 将 来 にわたっ て 供 給 する 電 力 の 電 源 は 自 然 エネルギー(FIT 電 源 グリーン 電 力 証 書 含 む)と 調 整 用 電 源 ( 天 然 ガス 火 力 発 電 等 )のみである(ベースロード 電 源 としての 石 炭 火 力 や 原 子 力 発 電 は 使 わない) と 回 答 しています また 3 社 は 供 給 する 電 力 をすべて 自 然 エネルギーとする 目 標 を 達 成 時 期 とともに 設 定 し 公 表 していますか? という 設 問 に 対 し 今 後 予 定 がある と 答 えています すでに 小 売 電 力 市 場 が 自 由 化 されている 欧 州 や 米 国 ( 州 ごと)では 消 費 者 が 100% 自 然 エネルギーの 供 給 を 宣 言 している 電 力 会 社 を 選 択 できますが 日 本 では まだその 域 に 達 していません 一 般 電 気 事 業 者 が 石 炭 火 力 や 原 発 といった ダーティー な 電 源 を 保 有 しているのは 過 去 の 決 定 だったとして も 今 後 の 供 給 計 画 v を 見 ても 一 般 電 気 事 業 者 は 過 去 と 同 じ 路 線 を 突 き 進 もうとしています 沖 縄 電 力 を 除 く 9 社 が 原 発 の 再 稼 働 を 申 請 しており 5 社 が 新 規 の 石 炭 発 電 所 の 建 設 を 計 画 しています 一 方 で 一 般 電 気 事 業 者 の 供 給 計 画 からは 水 力 発 電 を 除 いて 大 規 模 な 自 然 エネルギーへの 投 資 計 画 が 見 受 けられません 6

電 源 構 成 等 の 開 示 表 示 については 政 府 が 定 める 電 力 の 小 売 営 業 に 関 する 指 針 vi にて 望 ましい 行 為 と されていますが 表 示 するとした 電 力 会 社 の 数 は 限 られています 供 給 する 電 気 全 体 の 電 源 構 成 二 酸 化 炭 素 排 出 量 ならびに 放 射 性 廃 棄 物 量 の 表 示 について 聞 いたところ 回 答 した 26 社 の 回 答 は 下 記 のような 状 況 となりました なお 新 規 の 電 力 会 社 で 原 発 を 保 有 する 社 はなく 放 射 性 廃 棄 物 量 の 情 報 については 原 発 を 保 有 する 大 手 電 力 会 社 などからの 情 報 提 供 が 必 要 不 可 欠 です 表 : 各 項 目 媒 体 ごとに 情 報 を 表 示 する と 回 答 した 登 録 小 売 電 気 事 業 者 数 ( 予 定 含 む) ホームページ 広 告 請 求 書 供 給 する 電 気 全 体 の 電 源 構 成 9 5 2 二 酸 化 炭 素 排 出 量 (kg/kwh) 5 3 2 放 射 性 廃 棄 物 量 (bq/kwh) 0 0 0 最 も 表 示 するとの 答 えが 多 かったのは ホームページへの 電 源 構 成 の 掲 載 です 一 般 電 気 事 業 者 も 全 社 がホームページに 電 源 構 成 を 記 載 していますが その 場 所 は 各 社 まちまちで 必 ずしも 消 費 者 にとって 見 つ けやすい 場 所 にはありません 消 費 者 が 日 常 的 に 目 にする 広 告 や 請 求 書 に 電 源 構 成 や 環 境 への 影 響 度 を 示 す 二 酸 化 炭 素 排 出 量 と 放 射 性 廃 棄 物 量 を 分 かりやすく 表 示 することが 重 要 です 7

クリーンな 選 択 肢 の 実 現 のために いま 必 要 な 対 策 電 力 小 売 市 場 の 透 明 性 が 確 保 され 健 全 に 機 能 しなければ 消 費 者 にとって 意 義 のある 電 力 自 由 化 とは 言 えません しかし 現 状 では 100% 自 然 エネルギーを 供 給 する 会 社 は 本 調 査 では 見 受 けられず クリーンな 電 気 を 供 給 しようとしている 登 録 電 気 事 業 者 にとって 現 状 には 多 くの 課 題 があることが 分 かりました 日 本 で もクリーンな 電 気 の 選 択 肢 を 実 現 するためには 下 記 のような 対 策 が 必 要 です 1) 真 の 価 格 の 反 映 を 電 気 料 金 の 原 価 は 発 電 方 法 によって 異 なりますが 現 在 の 電 気 料 金 システムには 真 の 原 価 が 反 映 されてい ません 原 発 も 石 炭 火 力 の 両 方 とも 電 気 の 原 価 はそれぞれが 環 境 や 社 会 に 与 える 影 響 のコストを 十 分 に 検 討 して 算 出 されておらず 汚 染 者 負 担 の 原 則 が 無 視 されています 自 然 エネルギーは 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT)の 賦 課 金 の 上 昇 を 理 由 に 価 格 の 高 さが 指 摘 されていますが 各 電 源 の 間 の 競 争 環 境 を 同 じに するために 原 発 の 電 気 料 金 には 使 用 済 み 核 燃 料 の 保 管 や 処 分 費 用 福 島 第 一 原 発 事 故 の 収 束 費 用 廃 炉 費 用 事 故 時 の 保 険 料 など 必 要 なコストを 全 て 織 り 込 むべきです また 炭 素 税 を 課 すなど すべての 発 電 所 は 二 酸 化 炭 素 排 出 量 が 要 因 となる 気 候 変 動 への 対 策 コストを 織 り 込 んだ 料 金 にするべきです 電 源 ごとの 真 のコストを 料 金 に 反 映 し そして 炭 素 税 を 導 入 することは よりクリーンな 電 力 会 社 の 誕 生 につ ながるだけではなく エネルギー 転 換 そのものに 寄 与 します 環 境 や 社 会 に 影 響 の 大 きい 原 発 や 石 炭 火 力 発 電 といった ダーティーエネルギー の 価 格 上 昇 は エネルギー 効 率 化 や 省 エネルギー 対 策 による 収 益 性 をあ げ また 自 然 エネルギーの 競 争 力 を 向 上 させることにつながるためです 固 定 価 格 買 取 制 度 のコスト 低 減 に もつながるはずです 電 力 価 格 が 実 際 のコストを 反 映 していない 段 階 では 自 然 エネルギーの 増 加 のためには FIT などの 自 然 エ ネルギー 支 援 策 を 維 持 するべきです また 自 然 エネルギーの 送 電 網 への 接 続 を 義 務 とし 優 先 的 に 給 電 す ることも 自 然 エネルギー 成 長 のための 必 須 条 件 です 接 続 義 務 優 先 接 続 が 実 現 しなければ 自 然 エネルギ ー 発 電 の 収 益 性 の 予 見 が 難 しく 投 資 は 及 び 腰 になります その 逆 に 収 益 性 の 予 見 がつけば 投 資 はより 活 発 になります 自 然 エネルギー 発 電 の 総 数 が 増 えることで コストは 低 減 に 向 かいます 2) 電 力 会 社 間 の 競 争 条 件 を 平 等 に 4 月 1 日 に 電 力 小 売 市 場 の 全 面 自 由 化 が 実 現 しますが 電 力 システム 改 革 の 完 結 は 発 送 電 分 離 が 実 現 する 2020 年 を 待 たなければなりません それまで 送 配 電 は 一 般 電 気 事 業 者 が 担 うことになりますが 送 配 電 網 が 中 立 でなければ すべての 小 売 電 気 事 業 者 にとって 競 争 条 件 が 平 等 であるとは 言 えません 電 気 の 送 配 電 のための 料 金 ( 託 送 料 金 )に 発 電 や 小 売 に 係 わるコストが 不 当 に 転 嫁 される 内 部 補 填 が 行 われた 場 合 一 般 電 気 事 業 者 は 小 売 価 格 を 下 げることが 可 能 となります その 他 の 電 力 会 社 は 高 い 託 送 料 金 と 一 般 電 気 事 業 者 が 引 き 起 こす 低 価 格 競 争 の 二 重 の 厳 しい 戦 いに 立 ち 向 かわなければなりません 大 手 電 力 会 社 10 社 が 提 出 した 託 送 料 金 は 電 力 取 引 監 視 等 委 員 会 がその 妥 当 性 を 検 証 し 査 定 方 針 案 を とりまとめています それを 受 けて 2015 年 12 月 に 経 済 産 業 省 が 認 可 しました vii 託 送 料 金 が 議 論 された 専 門 会 合 には 監 査 法 人 や 法 律 家 消 費 者 団 体 や 電 力 会 社 など 様 々な 専 門 家 が 参 加 し 議 論 が 行 われていま すが 一 般 電 気 事 業 者 による 内 部 補 填 の 防 止 をより 確 実 にし 透 明 性 を 高 めるためには 発 送 電 分 離 を 少 し でも 早 く 実 現 することが 必 要 です また 今 回 の 調 査 では 登 録 小 売 電 気 事 業 者 から 電 源 確 保 の 課 題 に 対 するコメントが 寄 せられました 国 内 の 既 設 発 電 設 備 の 多 くは 一 般 電 気 事 業 者 が 保 有 もしくは 長 期 間 の 調 達 契 約 を 結 んでいます 例 えば 資 源 エ ネルギー 庁 が 2013 年 に 地 方 公 共 団 体 に 対 して 行 った 調 査 では 買 電 契 約 の 状 況 について 85%が 一 般 電 気 事 業 者 との 随 意 契 約 であることが 明 らかになっています viii また 市 場 活 性 化 の 議 論 は 行 われているもの の 卸 売 電 力 市 場 に 出 回 る 電 気 は 2014 年 度 に 1.5%と 依 然 として 低 いままです このような 状 況 において 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT)の 対 象 発 電 所 からの 電 気 の 買 い 取 りが 新 規 参 入 の 電 力 会 社 の 貴 重 な 電 源 となっています FIT 電 気 を 仕 入 れられない 場 合 新 規 参 入 の 電 力 会 社 にとっては 著 しく 不 利 な 状 況 となります FIT 電 気 の 買 取 義 務 者 を 小 売 電 力 会 社 から 送 配 電 事 業 者 に 変 更 する 議 論 がされて いますが 小 売 電 力 会 社 が FIT 電 気 を 買 取 できる 制 度 を 維 持 することが 必 要 です 8

また 政 策 立 案 プロセスにおいて 一 般 電 気 事 業 者 だけではなく 全 ての 電 力 会 社 が 意 見 等 を 述 べる 機 会 を 設 けることも 重 要 です 3) 透 明 性 の 確 保 透 明 性 の 確 保 は 市 場 を 機 能 させるために 最 低 限 必 要 な 要 素 です 消 費 者 が 必 要 な 情 報 を 手 に 入 れられな ければ 300 社 以 上 にも 達 すると 言 われる 電 力 会 社 から 自 分 の 好 みにあった 適 切 な 電 力 会 社 を 選 ぶことは 不 可 能 です 河 野 消 費 者 担 当 大 臣 は 3 月 22 日 に 開 催 された 参 議 院 の 特 別 委 員 会 で 消 費 者 庁 として 電 源 の 開 示 を 積 極 的 に 事 業 者 に 働 きかけるよう 経 済 産 業 省 に 求 めているとしています ix が 現 時 点 で 電 力 会 社 の 情 報 開 示 表 示 に 対 する 取 り 決 めは 不 十 分 です 市 民 の 過 半 数 が 原 発 の 再 稼 働 に 反 対 し そして 二 酸 化 炭 素 排 出 量 を 実 質 的 にゼロにすることが 国 際 的 に 合 意 された 今 日 電 源 構 成 と 二 酸 化 炭 素 排 出 量 そして 放 射 性 廃 棄 物 量 を 表 示 することは すべての 電 力 会 社 に 義 務 づけられるべきです その 際 ホームページでの 表 示 だけではなく 日 常 的 に 消 費 者 が 手 に 取 る 広 告 や 請 求 書 にも 表 示 するべきです また 消 費 者 にとって 比 較 可 能 なよう 国 全 体 の 平 均 値 もあわせて 表 示 す る 必 要 があります 現 在 大 手 新 規 参 入 の 電 力 会 社 ともに それぞれの 形 式 で 電 源 構 成 等 の 表 示 を 始 めています その 表 示 を する 場 所 もバラバラです 消 費 者 が 情 報 を 容 易 に 入 手 し 各 電 力 会 社 を 比 較 しやすい 環 境 とは 言 えません また 常 時 バックアップ など 特 有 の 用 語 については 消 費 者 の 正 確 な 理 解 が 追 いついていない 可 能 性 もあ ります 定 期 的 に 実 例 を 元 に 評 価 し 消 費 者 の 声 を 取 り 入 れながら 望 ましい 表 示 形 態 について 議 論 検 証 し 続 けてくことが 必 要 です Greenpeace Japan greenpeace.org/japan i 資 源 エネルギー 庁 登 録 小 売 電 気 事 業 者 一 覧 http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/ (2016 年 3 月 23 日 ) ii 電 力 取 引 等 監 視 委 員 会 電 力 自 由 化 について http://www.emsc.meti.go.jp/info/session/index.html (2016 年 3 月 23 日 ) iii 脚 注 i 参 照 iv 東 京 商 工 リサーチ 登 録 小 売 電 気 事 業 者 199 社 の 経 営 調 査 https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160304_01.html (2016 年 3 月 23 日 ) v 電 力 広 域 的 運 営 推 進 機 関 平 成 27 年 度 供 給 計 画 のとりまとめ https://www.occto.or.jp/jigyosha/kyokyu/files/150703_kyoukyukeikaku_kai.pdf (2016 年 3 月 23 日 ) vi 経 済 産 業 省 電 力 の 小 売 営 業 に 関 する 指 針 http://www.meti.go.jp/press/2015/01/20160129007/20160129007-1.pdf (2016 年 3 月 23 日 ) vii 経 済 産 業 省 2015 年 12 月 18 日 発 表 ニュースリリース http://www.meti.go.jp/press/2015/12/20151218004/20151218004.html (2016 年 3 月 29 日 ) viii 資 源 エネルギー 庁 各 地 方 公 共 団 体 における 売 電 契 約 の 実 態 調 査 結 果 概 要 http://www.meti.go.jp/press/2013/06/20130625004/20130625004-2.pdf(2016 年 3 月 29 日 ) ix NHK 電 力 自 由 化 で 消 費 者 相 電 源 の 構 成 など 明 示 を http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160322/k10010451951000.html (2016 年 3 月 23 日 ) 9