脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 News Letter Aug, 2015, Vol 11 発 行 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 事 務 局 第 21 回 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 学 術 集 会 2014 年 4 月 20 日 に 開 催 されました 第 21 回 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 学 術 集 会 のご 報 告 をさせて 頂 きま す 今 回 はこれまでと 指 向 を 変 えて 午 前 の 基 調 講 演 は2 名 の 講 師 による2 本 立 てで 行 われました 午 後 は 一 般 演 題 や 各 種 講 座 やセミナーを 並 行 して4 会 場 で 開 催 しました どの 講 演 講 座 も 興 味 深 い 内 容 で 有 意 義 な 会 と なりました 一 般 演 題 では 口 述 発 表 ポスター 発 表 の 合 計 28 演 題 が 発 表 されました 基 調 講 演 の1 2は どちらもあっという 間 に1 時 間 が 過 ぎてしまいました 基 調 講 演 1では 糸 川 昌 成 先 生 の 臨 床 や 研 究 に 対 する 気 概 や 情 熱 純 粋 や 一 途 さを 随 所 に 感 じました 糸 川 先 生 は 一 貫 して 患 者 目 線 であり 統 合 失 調 を 治 した い 患 者 を 良 くしたい という 思 いが 原 動 力 であると 感 じまし た 講 演 の 最 後 に 話 された お 母 様 のエピソードは 先 生 の 著 書 にも 記 されてありますが とても 感 動 的 に 締 め 括 られました 我 々ももっと 患 者 のために 真 摯 に 臨 床 に 研 究 に 取 り 組 まなければならない 誰 のための 何 の ための 研 究 なのかということを 改 めて 気 付 かせて 頂 いた 講 演 となりました 不 思 議 なことに そのような 説 教 を 糸 川 先 生 からは 一 言 も 発 されてないのに ビシビシと 伝 わってくるのが とても 面 白 く 感 じました 基 調 講 演 2では 本 研 究 会 会 長 の 沼 田 憲 治 先 生 による 講 演 でした これまで 研 究 会 を 通 じて 報 告 されてきた 症 例 の 紹 介 が 中 心 に 構 成 されました 神 経 系 障 害 例 の 示 す 様 々な 臨 床 所 見 は 動 作 分 析 や 筋 緊 張 のみでは 理 屈 がつきません 従 来 の 理 学 療 法 評 価 の 限 界 や 弊 害 を 述 べ 脳 機 能 脳 科 学 から 分 析 してくという 評 価 戦 略 の 必 要 性 を 説 いて 頂 きました この 研 究 会 は 当 初 から 症 例 報 告 が 推 奨 され 多 くの 新 事 実 も 報 告 されて 来 ました そのことを 踏 まえると この 研 究 会 の 存 在 意 義 の 一 つが 何 であるかは 容 易 に 理 解 できます 午 後 の 各 種 講 座 セミナーも 大 勢 の 参 加 者 が 集 まりました 熱 心 メモを 取 る 人 積 極 的 に 質 問 する 人 等 参 加 者 の 皆 さんの 真 剣 な 眼 差 しが 大 変 印 象 的 でした 参 加 型 体 験 型 の 経 頭 蓋 磁 気 刺 激 装 置 (TMS)のセミナーでは 演 習 を 通 じて 実 際 に 皮 質 脊 髄 路 の 存 在 を 体 感 できるというのも 貴 重 であり こちらも 大 変 好 評 でした 糸 川 昌 成 先 生 による 基 調 講 演 1 統 合 失 調 症 の 解 明 と 治 療 のため 飽 くなき 臨 床 家 の 苦 悩 と 闘 いが 述 べられました 写 真 は 新 著 ( 統 合 失 調 症 が 秘 密 の 扉 をあけるまで- 新 しい 治 療 法 の 発 見 は 一 臨 床 家 の 研 究 から 生 まれた - )の 説 明 場 面 沼 田 憲 治 先 生 による 基 調 講 演 2 統 計 の 落 とし 穴 集 団 の 解 析 では 外 れてしまう 症 例 をど う 説 明 するのか? 脳 損 傷 例 で 見 逃 してはならないポイ ントを 解 説 され 1 症 例 検 討 の 重 要 性 必 要 性 を 説 明 し ている 場 面
高 杉 潤 先 生 による 教 育 基 礎 講 座 1 神 経 系 疾 患 の 症 例 報 告 の 書 き 方 について 押 さえてお くべきポイントを 分 かり 易 く 解 説 されていました 症 例 報 告 もポイントを 押 されば 研 究 としての 価 値 も 報 告 の 意 義 も 高 くなります 大 勢 の 参 加 者 が 詰 めかけ みなさ ん 真 剣 にメモを 取 られていました ポスター 発 表 (ディスカッション) 場 面 特 に 発 表 時 間 などは 設 けずに 一 定 時 間 のみのフリー ディスカッションでした 演 者 には 変 な 緊 張 感 はなく 演 者 と 質 問 者 で 忌 憚 のないディスカッションが 繰 り 広 げら れました 山 本 哲 先 生 による 教 育 実 践 講 義 1 岡 本 善 敬 先 生 による 教 育 実 践 講 義 2
脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 2014 年 研 修 会 11 月 24 日 に 茨 城 県 立 医 療 大 学 で 開 催 されました 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 2014 年 研 修 会 のご 報 告 を させて 頂 きます 参 加 者 は34 名 職 種 は 理 学 療 法 士 作 業 療 法 士 言 語 聴 覚 士 放 射 線 技 師 と 多 職 種 での 研 修 会 となりました 研 修 会 は 午 前 中 にCT MRI 脳 画 像 の 講 義 が 行 われました 前 半 は 昭 和 大 学 藤 が 丘 リハビリテーション 病 院 の 小 笹 佳 史 先 生 より CTとMRIの 特 徴 および 診 かたについて の 基 礎 知 識 について 講 義 が 行 われました 画 像 読 影 のはじめの 一 歩 として 自 分 で 絵 を 描 くことが 重 要 であり Mass effectやmidline shiftなどの 特 徴 的 な 所 見 を 見 逃 さないことを 学 びました 後 半 は 同 じく 昭 和 大 学 藤 が 丘 リハビリテーション 病 院 の 迫 力 太 郎 先 生 より CTとMRIの 所 見 の 時 間 経 過 に 伴 う 変 化 について 講 義 をしていただきました 臨 床 所 見 と 画 像 所 見 の 変 化 を 照 らし 合 わせて 評 価 することで 患 者 の 機 能 予 測 予 後 予 測 に 利 用 できることを 学 びました 午 後 は 脳 画 像 読 影 のグループワークが 行 われました 前 半 は 各 グループにそれぞれ 異 なる 脳 卒 中 患 者 の 脳 画 像 データを 配 布 し 脳 画 像 読 影 を 実 践 しました 脳 画 像 読 影 は 午 前 中 に 学 んだ 通 り まずはCTやMRI 画 像 のお 絵 描 きを 実 践 し 渡 された 症 例 の 病 巣 の 同 定 を 行 いました 後 半 では その 症 例 の 臨 床 所 見 と 画 像 所 見 との 照 らし 合 わせを 行 い 臨 床 症 候 が 出 現 する 根 拠 につ いて 話 し 合 われ 発 表 のためのプ レゼンテーション 作 成 を 行 いました 最 後 に メイン 会 場 に 集 まり 各 グルー プの 発 表 とディスカッションが 行 われました グループワーク 風 景 1 実 際 の 画 像 を 見 ながら 資 料 を 参 照 に 病 巣 を 同 定 し 障 害 を 予 測 しています グループワーク 風 景 2 発 表 の 準 備 に 取 りかかっています グループ 発 表 では 活 発 なディスカッ ションが 行 われました 集 合 写 真
定 例 勉 強 会 について 本 研 究 会 では 定 例 勉 強 会 を 約 3か 月 に1 回 の 頻 度 で 開 催 しております 参 加 者 は 毎 回 20 名 ~30 名 ほどで PT OT STなど 職 種 も 多 彩 です 時 には 学 生 さんの 姿 も 見 られます 2014 年 度 に 行 われた 第 9 回 から 第 12 回 の 勉 強 会 を 振 り 返 り 概 要 を 以 下 にまとめました どの 発 表 も 興 味 深 く 臨 床 でも 生 かせる 示 唆 に 富 む 内 容 ばかりでし た 内 容 の 詳 細 は 研 究 会 のブログでもご 覧 になれます 勉 強 会 開 催 のアナウンスは 事 前 にホームページ ブ ログ facebook twitterなどで 配 信 しております ぜひ 皆 さんも 参 加 してみてください 第 9 回 勉 強 会 の 報 告 日 時 :2014 年 5 月 11 日 13:00~16:30 症 例 検 討 1. 脳 出 血 後 病 巣 同 側 に 片 麻 痺 を 生 じた 症 例 大 村 優 慈 ( 国 際 医 療 福 祉 大 学 ) 2. 橋 梗 塞 により 高 次 脳 機 能 障 害 を 呈 した1 症 例 若 旅 正 弘 ( 鶴 巻 温 泉 病 院 ) 3. 遷 延 性 の 重 度 幻 肢 痛 がミラーセラピーで 消 失 した 右 大 腿 切 断 例 杉 山 聡 ( 下 志 津 病 院 ) 高 杉 潤 ( 千 葉 県 立 保 健 医 療 大 学 ) 体 性 感 覚 の 伝 達 経 路 とその 評 価 岡 本 善 敬 ( 茨 城 県 立 医 療 大 学 大 学 院 ) 第 10 回 勉 強 会 の 報 告 日 時 :2014 年 8 月 17 日 13:00~16:30 ヒトにおける 神 経 生 理 学 的 研 究 -H 反 射 による 脊 髄 神 経 機 構 と 痙 性 メカニズムの 解 明 - 梅 原 裕 樹 ( 茨 城 県 立 医 療 大 学 ) 1. 脳 画 像 における 内 包 後 脚 の 同 定 山 本 哲 ( 茨 城 県 立 医 療 大 学 ) 2. プレゼンテーションのコツ 山 本 竜 也 (つくば 国 際 大 学 ) 3. 高 次 脳 機 能 障 害 入 門 注 意 機 能 について 若 旅 正 弘 ( 鶴 巻 温 泉 病 院 ) 第 11 回 勉 強 会 の 報 告 日 時 :2014 年 11 月 9 日 13:00~16:30 片 麻 痺 に 間 違 われる 運 動 障 害 -その 症 候 の 特 徴 と 見 極 めるポイント- 高 杉 潤 ( 千 葉 県 立 保 健 医 療 大 学 ) 1. 橋 出 血 により 損 傷 側 に 運 動 失 調 反 対 側 に 運 動 麻 痺 感 覚 障 害 を 呈 した 症 例 の 介 入 について 濃 畑 陽 二 郎 市 村 大 輔 ( 多 摩 川 病 院 リハビリテーション 科 ) 2. 被 殻 出 血 により 運 動 麻 痺 を 呈 した2 症 例 の 予 後 に 関 して~なぜ 運 動 麻 痺 に 違 いが 生 じるのか~ 森 田 晃 成 氏 市 村 大 輔 氏 ( 多 摩 川 病 院 リハビリテーション 科 ) 3. 脳 卒 中 発 症 から3 年 以 上 が 経 過 し, 運 動 無 視 様 の 症 状 が 残 存 している 症 例 について 今 村 武 正 氏 ( 鶴 巻 温 泉 病 院 リハビリテーション 部 )
第 12 回 勉 強 会 の 報 告 日 時 :2014 年 2 月 15 日 13:00~16:30 視 覚 と 失 認 山 本 竜 也 (つくば 国 際 大 学 ) 1. 中 脳 大 脳 脚 ( 皮 質 橋 路 )の 損 傷 により lateropulsion 様 の 症 状 が 出 現 した 症 例 としなかった 症 例 の 比 較 沢 田 達 也 氏 ( 麻 生 リハビリ 総 合 病 院 ) 2. 非 麻 痺 側 下 肢 筋 力 の 向 上 が 起 立 動 作 時 のpusher 現 象 に 及 ぼす 効 果 曽 根 佑 太 氏 ( 鶴 巻 温 泉 病 院 ) 3. 両 側 被 核 損 傷 症 例 への 大 脳 基 底 核 周 囲 機 能 検 査 の 介 入 市 村 大 輔 氏 ( 多 摩 川 病 院 リハビリテーション 科 ) 4. 視 覚 触 覚 刺 激 以 外 で 誘 発 された 本 能 性 把 握 反 応 様 の 症 状 若 旅 正 弘 ( 茨 城 県 立 医 療 大 学 付 属 病 院 ) その 他 : 研 究 会 関 連 事 項 ホームページ:http://www.noukinou.com/ ブログ:http://noukinou.exblog.jp/ Facebook: 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 Twitter: 脳 機 能 とリハビリテーション 研 究 会 nourihaken Face book, Twitterでは 研 究 会 の 最 新 情 報 だけでなく 最 新 の 研 究 成 果 ( 論 文 )を 随 時 オンタイムでチェック 更 新 しています 最 新 の 神 経 科 学 研 究 を 知 るには 最 適 なツールですので 是 非 チェックしてみてください