Ⅰ Ⅱ 研 究 主 題 主 題 設 定 理 由 1 社 会 要 請 教 育 的 課 題 から 表 現 力 向 上 を 目 指 した 学 習 指 導 研 究 ~ 言 語 力 を 高 める 指 導 実 践 を 通 して~ 21 世 紀 は 新 しい 知 識 情 報 技 術 が 政 治 経 済 文 化 をはじめ 社 会 あらゆる 領 域 で 活 動 基 盤 として 飛 躍 的 に 重 要 性 を 増 す いわゆる 知 識 基 盤 社 会 時 代 である こよう な 社 会 変 化 中 にあって 学 校 教 育 において 確 かな 学 力 豊 かな 心 健 やかな 体 調 和 を 重 視 する 生 きる 力 を 育 むことがますます 重 要 になっている 学 力 に 関 しては 1 基 礎 的 基 本 的 な 知 識 技 能 習 得 2 知 識 技 能 を 活 用 して 課 題 を 解 決 するため 思 考 力 判 断 力 表 現 力 等 3 学 習 意 欲 が 重 要 な 要 素 として 示 された また OECD( 経 済 協 力 開 発 機 構 ) PISA 調 査 など 各 種 調 査 から 我 が 国 児 童 生 徒 課 題 として 思 考 力 判 断 力 表 現 力 等 を 問 う 読 解 力 や 記 述 式 問 題 知 識 技 能 を 活 用 する 問 題 に 課 題 がある と 挙 がっている こような 状 況 を 踏 まえ 新 学 習 指 導 要 領 改 訂 経 緯 中 には 思 考 力 判 断 力 表 現 力 を 育 むために 各 教 科 等 において 記 録 要 約 説 明 論 述 といった 学 習 活 動 に 取 り 組 む 必 要 があると 示 された さらに 国 語 科 をはじめとし 各 教 科 等 において 言 語 活 動 充 実 を 図 った 指 導 が 求 められている 2 地 域 実 態 から 高 原 町 は 県 西 霧 島 山 麓 に 位 置 し 豊 かな 自 然 に 恵 まれ 神 楽 や 棒 踊 りなど 伝 統 文 化 がしっ かりと 受 け 継 がれている 地 域 である 町 内 には 小 学 校 4 校 中 学 校 2 校 があり 高 原 中 学 校 区 と 後 川 内 中 学 校 区 地 域 ごとに 小 中 連 携 を 図 っている 小 中 連 携 では 確 かな 学 力 と 個 性 伸 長 を 図 ることを 目 指 し 知 徳 体 共 通 実 践 事 項 取 組 を 行 ったり 授 業 研 究 会 や 合 同 研 修 会 を 行 ったりしながら 連 携 を 深 めている 今 後 は 中 学 校 区 で 連 携 を 充 実 させながら 町 内 全 体 児 童 生 徒 基 礎 学 力 向 上 を 図 ることが 求 められている これらことを 踏 まえ 前 年 度 本 研 究 所 では 表 現 力 向 上 を 目 指 した 学 習 指 導 研 究 を 研 究 主 題 に 児 童 生 徒 話 す 聞 く 力 向 上 を 目 指 し スピーチワークシート 集 作 成 と 活 用 指 導 内 容 系 統 性 把 握 と 授 業 工 夫 改 善 などに 重 点 を 置 き 研 究 を 進 めてきた 昨 年 度 研 究 からスピーチワークシート 集 活 用 で 表 現 力 向 上 をある 程 度 図 ることができた が スピーチワークシート 集 を 活 用 するために 書 く 活 動 指 導 をさらに 工 夫 する 必 要 があ るという 課 題 が 挙 がった そこで 本 年 度 は 昨 年 度 に 引 き 続 き 表 現 力 向 上 を 目 指 した 学 習 指 導 研 究 を 研 究 主 題 に 掲 げた 本 研 究 所 では 言 語 力 を 読 む 力 書 く 力 考 える 力 伝 える 力 と 定 義 し 言 語 力 向 上 を 図 ることが 表 現 力 向 上 につながると 考 えた また 言 語 力 向 上 には 文 章 論 理 構 成 を 理 解 し 筋 道 通 った 文 章 表 現 をするという 言 語 学 びが 必 要 になるため 接 続 語 に 注 目 することにした こように 接 続 語 に 注 目 して 適 切 に 接 続 語 を 使 うことができるよう 言 語 力 向 上 に 重 点 を 置 いた 指 導 工 夫 を 図 ることで 児 童 生 徒 表 現 力 を 向 上 させること ができると 考 え 本 主 題 を 設 定 した - 1 -
Ⅲ 研 究 目 標 言 語 力 を 高 める 指 導 や 評 価 充 実 を 図 り そ 指 導 について 共 通 実 践 検 証 したことを 広 め 高 原 町 内 児 童 生 徒 表 現 力 を 向 上 させる Ⅳ 研 究 仮 説 1 各 教 科 領 域 を 通 して 発 表 や 文 章 表 現 際 に 活 用 する 語 彙 力 を 高 めるために 語 彙 力 を 高 める 資 料 作 成 を 行 い 資 料 活 用 を 図 った 実 践 を 工 夫 すれば 児 童 生 徒 表 現 へ 自 信 が 高 まり 表 現 力 が 確 実 に 身 に 付 くであろう 2 文 章 表 現 において 指 導 者 評 価 と 接 続 語 など 作 文 を 評 価 する 基 礎 的 な 観 点 に 注 目 した 評 価 を 比 較 し そ 関 連 をもとに 評 価 方 法 工 夫 改 善 を 行 い 児 童 生 徒 表 現 力 実 態 を 明 確 にとらえ 指 導 に 生 かせば 児 童 生 徒 文 章 表 現 関 心 意 欲 が 高 まり 表 現 力 を 高 めること ができるであろう Ⅴ 研 究 構 想 表 現 力 向 上 言 語 力 と は 読 む 力 書 く 力 考 える 力 伝 える 力 言 語 力 向 上 研 究 仮 説 1 語 彙 力 を 高 める 指 導 研 究 児 童 生 徒 実 態 把 握 語 彙 力 を 高 める 視 覚 資 料 作 成 言 語 力 を 高 める 実 践 研 究 仮 説 2 評 価 に 関 する 研 究 評 価 方 法 設 定 評 価 実 際 児 童 変 容 検 証 町 内 共 通 実 践 として 広 める Ⅵ 研 究 組 織 所 長 研 究 指 導 員 実 態 把 握 理 論 研 究 語 彙 力 を 高 める 指 導 評 価 に 関 する 研 究 高 原 小 学 校 研 究 員 広 原 小 学 校 研 究 員 狭 野 小 学 校 研 究 員 後 川 内 小 学 校 研 究 員 実 践 検 証 高 原 中 学 校 研 究 員 情 報 発 信 後 川 内 中 学 校 研 究 員 事 務 局 職 員 - 2 -
Ⅶ 研 究 内 容 1 言 語 力 を 高 め 表 現 力 向 上 を 図 る 指 導 研 究 (1) 児 童 実 態 調 査 研 究 を 始 める 前 に 各 小 中 学 校 ( 小 学 校 4 年 生 6 年 生 中 学 校 1 年 生 )を 対 象 に 意 識 調 査 を 行 った 調 査 は 表 現 力 に 関 するアンケートとテーマ 作 文 2 種 類 方 法 で 行 った ア イ 実 態 把 握 方 法 について アンケートは 以 下 内 容 について43214 段 階 自 己 評 価 をした 自 分 考 えをまとめること( 書 いたり 話 したり)が 好 きですか いつ どこで 何 を どうした (5W1H)に 気 をつけて 話 をしていますか しかし そして では また など( 接 続 語 )に 気 をつけて 話 をしていますか が した ( 主 語 述 語 )に 気 をつけて 話 をしていますか たとえばです など たとえ( 事 例 )をあげて 話 をしていますか なぜならば など わけ( 根 拠 )を 示 して 話 をしていますか 自 分 考 えや 感 想 を 付 け 加 えて 話 をしていますか また テーマ 作 文 では 自 分 良 いところ を400 字 にまとめたもを 教 師 方 で A~D(Aが 高 い 評 価 )4 段 階 で 評 価 した 考 察 右 グラフは テーマ 作 文 で 児 童 生 徒 が 使 用 した 接 続 語 数 平 均 と 作 文 評 価 と 関 係 を 表 したもである ( 縦 軸 は 作 文 で 使 用 した 接 続 語 数 平 均 を 横 軸 は 作 文 評 価 を 表 している ) 小 学 校 4 年 生 や6 年 生 については 作 文 評 価 が 高 いAやB 児 童 になるほど 作 文 で 接 続 語 を 多 く 活 用 していることが 分 かった 一 方 中 学 校 1 年 生 については 評 価 が 高 い A 生 徒 では 小 学 生 と 同 様 傾 向 があるが あまり 評 価 が 高 くない C 生 徒 では B 生 徒 よりも 接 続 語 を 多 く 活 用 していることが 分 かった こように 作 文 評 価 が 高 い 児 童 生 徒 は 接 続 語 使 い 方 が 上 手 であり 適 切 な 場 所 で 正 し い 接 続 語 を 活 用 して 表 現 することができると 考 えられる また 中 学 校 1 年 生 C 生 徒 につい ては 接 続 語 は 知 っていても 適 切 な 場 所 で 活 用 が 不 十 分 であることが 考 えられる 文 と 文 をつ なぐ 接 続 語 は 表 現 するため 基 礎 第 一 歩 であ る 相 手 に 分 かりやすく 伝 えるために 様 々な 接 続 語 使 い 方 を 知 り それを 適 切 な 場 所 で 活 用 す ることによって 文 章 論 理 構 成 が 明 確 になり 筋 道 通 った 表 現 が 可 能 になると 考 えられる - 3 - ( 接 2 続 語 1.5 数 1 平 0.5 均 ) 0 ( 接 続 語 数 平 均 ) ( 接 2 続 語 1.5 数 1 平 0.5 均 ) 0 ( 接 続 語 数 平 均 ) ( 接 2.5 続 語 2 数 1.5 1 平 均 0.5 ) 0 ( 接 続 語 数 平 均 ) 1.57 小 学 校 4 年 生 1 0.65 0.17 A B C D ( 作 文 評 価 ) 小 学 校 4 年 生 結 果 1.77 小 学 校 6 年 生 0.87 0.69 A B C D ( 作 文 評 価 ) 小 学 校 6 年 生 結 果 2 中 学 校 1 年 生 0.63 1.5 0 0.5 A B C D ( 作 文 評 価 ) 中 学 校 1 年 生 結 果
(2) 使 えるつなぎ 言 葉 ポケット 集 作 成 ア 作 成 に 至 った 経 緯 表 現 力 をたかめるためには どような 力 が 必 要 なか じぶん 表 現 力 ホームペ ージに 次 7つ 力 が 必 要 であると 記 述 されている 度 胸 力 恐 れずに 言 いたいことが 言 える 力 論 理 力 筋 道 を 立 ててまとめる 力 理 解 力 理 解 しながら 聞 く 力 応 答 力 話 に 反 応 し 働 きかける 力 語 彙 力 表 現 を 豊 かにする 力 説 得 力 話 し 合 いに 必 要 なスキル プレゼン 力 相 手 にアピールする 表 現 力 言 語 力 高 い 児 童 生 徒 は つなぎ 言 葉 ( 接 続 語 )を 適 切 に 使 うことができていること から 考 えて これら 力 中 で 語 彙 力 が 最 も 大 切 ではないかと 考 えた 言 葉 を 多 く 知 っていることは 表 現 力 基 本 であると 考 えるからである そ 語 彙 中 でも 論 理 力 理 解 力 にも 特 に 必 要 となる 接 続 語 (つなぎ 言 葉 )に 焦 点 を 当 てることにした いろいろな 接 続 語 を 知 り それを 適 切 に 使 う 力 が 向 上 することによって 文 章 論 理 構 成 が 明 確 になり 筋 道 通 った 表 現 ができるようになると 考 える つまり 接 続 語 を 意 識 して 読 み 話 し 書 くことで 表 現 力 も 向 上 するではないかと 考 える 児 童 生 徒 言 語 力 を 高 めるためには 語 彙 ( 接 続 語 )を 適 切 に 使 えるような 手 立 てをと ってはどうかと 考 え 語 彙 集 を 作 成 することにした また 町 内 小 学 校 3 年 生 以 上 児 童 生 徒 に 配 付 し 各 学 校 で 国 語 等 時 間 を 中 心 に 活 用 を 図 ってもらうことにした イ 接 続 語 洗 い 出 し まず 小 学 校 1 年 生 から6 年 生 まで 国 語 教 科 書 ( 東 京 書 籍 )に 出 てくる 接 続 語 を 全 単 元 から 洗 い 出 す 作 業 をして 接 続 語 種 類 と 出 てくる 頻 度 を 調 べてみた 次 に いろいろな 接 続 語 特 徴 についてインターネットや 文 献 などから 資 料 を 収 集 して どような 分 類 項 目 があるか 調 べた 以 下 は そ 資 料 一 部 である 資 料 1 < 四 種 十 類 > 1 論 理 接 続 3 理 解 接 続 1 順 接 だから 系 それなら 系 1 換 言 つまり 系 むしろ 系 2 逆 接 しかし 系 ところが 系 2 例 示 たとえば 系 とくに 系 2 整 理 接 続 3 補 足 なぜなら 系 ただし 系 1 並 列 そして 系 それに 系 かつ 系 4 展 開 接 続 語 2 対 比 一 方 系 または 系 1 転 換 さて 系 では 系 3 列 挙 第 一 に 系 最 初 に 系 まず 系 2 結 論 こように 系 とにかく 系 資 料 2 1 理 由 と 結 果 を 示 す 5 展 開 する 9 解 説 する 13 並 列 接 続 2 まとめ 6 逆 接 10 関 連 事 項 14 選 択 する 3 結 果 7 付 け 加 える 11 言 い 換 え 15 順 序 4 条 件 8 拡 充 ( 補 足 )を 表 す 12 話 題 転 換 - 4 -
これらを 参 考 に 次 10 種 類 分 類 項 目 を 設 定 して 多 くある 接 続 語 中 でも 特 に 活 用 させたい 接 続 語 を 精 選 して 作 成 することにした 番 号 種 類 活 用 させたい 接 続 語 例 1 理 由 を 表 す(とき) なぜかというと そわけは というも それで ~から ~で 2 まとめ 結 果 を 表 す(とき) だから つまり こように こうして 3 話 を 広 げる(とき) すると では そこで 実 は 4 付 け 加 えを 表 す(とき) さらに そして ほかにも それから また しかも そうえ 5 例 を 表 す(とき) 例 えば もし(も) まるで~ようです 6 反 対 を 表 す(とき) しかし だが けれども ところが 逆 に これに 対 して 7 話 ( 話 題 )をかえる(とき) ところで さて では 一 方 8 同 じ 内 容 を 並 べる(とき) たり たり それとも あるいは および 9 順 序 を 表 す(とき) はじめに(まず) 次 に 最 後 に つあります 1つ 目 は 2つ 目 は 10 意 見 を 強 く 表 す(とき) それでも しかも それどころか にもかかわらず ウ 語 彙 集 作 成 ポイント 作 成 に 当 たっては 次 ことに 留 意 して 行 った 1 種 類 を 表 す 見 出 しは 児 童 生 徒 に 分 かりやすい 言 葉 で 書 いた 2 ただ 接 続 語 を 集 めるだけでなく 国 語 辞 典 ように 言 葉 例 用 途 (どように 使 うか) 使 う 時 注 意 点 やポイント 例 文 といった 項 目 に 統 一 してまとめた 3 間 違 い 例 や 正 しい 使 い 方 例 を 載 せた 4 例 文 はできるだけ 短 く 児 童 生 徒 日 常 生 活 に 照 らし 合 わせた 内 容 にした 5 線 種 類 を 使 い 分 けて 表 示 することで 1つ 文 が 何 を 表 すか 見 やすくした 以 下 が 実 際 ページ 一 例 である - 5 -
(3) 語 彙 力 を 高 める 指 導 法 工 夫 ア 授 業 で 活 用 授 業 では 言 葉 を 取 り 上 げた 小 単 元 で 指 導 と 説 明 的 文 章 教 材 学 習 中 で 指 導 二 つ 場 面 で 語 彙 集 を 使 いながら 接 続 語 指 導 を 行 った 言 葉 を 取 り 上 げた 小 単 元 で 指 導 では 教 科 書 中 にある 小 単 元 言 葉 広 場 を 学 習 する 際 資 料 として 語 彙 集 をいっしょに 指 導 することで 児 童 接 続 語 へ 理 解 を 深 めることができた 小 単 元 で 指 導 読 み 取 る 場 面 で 活 用 話 し 合 い 場 面 で 活 用 まとめ 場 面 で 活 用 第 4 学 年 くらし 中 世 界 について 話 し 合 おう( 単 元 名 :くらし 中 和 と 洋 ) で 語 彙 習 得 を 意 識 した 指 導 を 行 った 読 み 取 る 場 面 話 し 合 う 場 面 まとめ 場 面 では 児 童 に 一 人 調 べさせたとき 資 料 として 語 彙 集 を 活 用 した 活 用 することで 順 序 を 表 す 言 葉 を 用 いるよさ 例 えば を 用 いることで 筆 者 主 張 が 明 確 に 伝 わるよさ これに 対 して を 用 いることでうまく 対 比 し ながら 論 が 展 開 できるというよさ 等 語 彙 を 用 いるよさ を 理 解 することができた 活 用 した 文 章 作 り 友 達 文 章 から よさを 見 つける 場 面 で 活 用 文 章 作 り 友 達 文 章 からよさを 見 つける 場 面 では 語 彙 集 を 手 がかりとすることで 接 続 語 に 着 目 しながら 文 章 を 組 み 立 てたり 自 分 力 で 友 達 文 章 を 読 み 取 ったりした 語 彙 集 を 用 いることは 文 論 理 構 成 を 考 える 際 手 がかりとなり 有 効 であった - 6 -
イ 日 常 指 導 で 活 用 単 文 作 り 日 常 的 に 語 彙 集 を 用 いながら 単 文 作 りに 取 り 組 んだ 今 日 はこ 言 葉 に 取 り 組 んでみよ う と 使 う 接 続 語 を 指 定 して 指 導 することで 日 常 的 に 進 んで 使 っていこうという 意 欲 につ ながり 多 く 言 葉 を 知 り 使 うよさを 学 ぶことができた 朝 スピーチで 活 用 日 記 で 活 用 朝 スピーチ 下 書 きを 書 かせる 際 語 彙 集 を 手 がかりにした 接 続 語 を 意 識 しながら 文 章 を 書 かせることにより 文 章 構 成 が 整 理 され 分 かりやすい 文 なった また 日 記 も 語 彙 集 を 活 用 させながら 書 かせた 使 った 言 葉 は 語 彙 集 にチェックを 入 れて いくことで 全 部 言 葉 を 使 ってみたいと 意 欲 をもち 日 記 に 取 り 組 むようになった 教 師 が 日 記 中 に 蛍 光 ペン 等 でマークをつけていくな ど 手 だてをとることで 児 童 も 接 続 語 を 使 って 文 章 を 書 くことが 多 くなってきた 教 室 中 に 接 続 語 コーナー を 設 け 語 彙 集 から 抜 粋 して 掲 示 した 日 常 的 に 接 続 語 に 触 れさ せることで 接 続 語 へ 興 味 関 心 を 高 めること ができた - 7 - 掲 示 コーナー
2 表 現 力 向 上 を 把 握 するため 評 価 について 研 究 (1) 作 文 評 価 について 教 師 は 幾 つか 観 点 に 基 づいて 作 文 を 評 価 していくが 作 文 評 価 は 個 人 感 覚 的 要 素 も 左 右 しやすく 数 学 ロジックようなきっちりとした 評 価 が 難 かしことも 事 実 である し かし 作 文 テキストをいくつか 観 点 から 数 量 的 に 分 析 し 評 価 することが 可 能 になれば 評 価 方 法 共 通 足 がかりや 作 文 指 導 指 針 として 大 いに 役 立 つと 考 えられる そこで 我 々は 作 文 を 評 価 するとき 基 本 的 な 観 点 として 5W1H 接 続 語 たとえ 事 例 わけ 根 拠 考 え 感 想 ナンバリング 6つ 調 査 項 目 を 挙 げ 教 師 評 価 と 作 文 中 に 書 かれている 各 項 目 出 現 回 数 と 関 係 を 調 べることにし た 下 表 相 関 係 数 は 課 題 作 文 中 に 書 かれている 調 査 項 目 出 現 回 数 と 課 題 作 文 に 対 する 教 師 評 価 と 相 関 関 係 を 調 べたもである 相 関 係 数 5 W 1 H 接 続 語 5W1H 1 0.50 0.40 0.46-0.02 0.19 0.34 接 続 語 0.50 1 0.34 0.29 0.20 0.06 0.35 たとえ 事 例 0.40 0.34 1 0.13 0.25 0.28 0.44 わけ 根 拠 0.46 0.29 0.13 1-0.20 0.22 0.30 考 え 感 想 -0.02 0.20 0.25-0.20 1 0.02 0.37 ナンバリング 0.19 0.06 0.28 0.22 0.02 1 0.30 教 師 による 評 価 0.34 0.35 0.44 0.30 0.37 0.30 1 た と え 事 例 ア 課 題 作 文 に 対 する 教 師 評 価 と 課 題 作 文 調 査 項 目 5W1H 接 続 語 わけ 根 拠 イ 考 え 感 想 ナンバリング と 間 には それぞれ 0.34 0.35 0.30 0.37 0.30 弱 い 正 相 関 関 係 が 得 られた 課 題 作 文 に 対 する 教 師 評 価 と 課 題 作 文 調 査 項 目 たとえ 事 例 と 間 には 0.44 正 中 程 度 相 関 関 係 が 得 られた わ け 根 拠 考 え 感 想 ナ ン バ リ ン グ 教 師 に よ る 評 価 ア イより 我 々が 調 査 した 課 題 作 文 調 査 項 目 と 教 師 による 課 題 作 文 評 価 と 間 には そ れぞれ 正 相 関 関 係 が 認 められる よって 本 調 査 項 目 を 指 針 とした 作 文 指 導 や 教 師 作 文 評 価 及 び 児 童 生 徒 作 文 自 己 評 価 へ 利 用 は 有 意 義 であると 考 える しかし 本 調 査 結 果 から 課 題 作 文 調 査 項 目 と 教 師 による 課 題 作 文 評 価 と 関 係 は 弱 い 正 相 関 関 係 であるため 更 に 調 査 すべき 項 目 や 分 析 手 法 が 多 く 残 されていることが 考 えられ る よって 本 調 査 項 目 みによる 作 文 数 量 的 分 析 に 基 づく 評 価 は 限 定 されたもであると 考 える また 今 回 作 文 調 査 では すべて 学 年 で 取 り 組 みやすいテーマとして 自 己 アピー ル 文 ( 私 よいところ) を 与 えたが テーマと 関 係 から 作 文 中 に 調 査 項 目 わけ 根 拠 は 出 現 しにくく 逆 に 調 査 項 目 ナンバリング は 多 く 児 童 生 徒 が 利 用 したため 両 調 査 項 目 と 教 師 評 価 と 相 関 関 係 が 小 さくなるなど 調 査 項 目 と 課 題 作 文 テーマと 係 わりや 分 析 方 - 8 -
法 検 討 が 必 要 である これら 課 題 解 決 一 つとして 今 後 課 題 作 文 テーマと 調 査 項 目 と 関 係 やすべて 品 詞 や 語 彙 分 析 更 に 文 章 構 造 分 析 など テキスト 分 析 手 法 等 が 必 要 であると 考 える (2) 児 童 生 徒 変 容 について 下 表 7 月 と 11 月 話 すことに 関 するアンケート 及 び 課 題 作 文 集 計 結 果 ( 全 学 年 ) は 7 月 と 11 月 に 実 施 した 話 すことに 関 するアンケート 各 項 目 平 均 と 課 題 作 文 内 各 項 目 平 均 出 現 回 数 並 びに 課 題 作 文 教 師 評 価 平 均 を 対 比 しやすく 棒 グラフに 整 理 したもで ある 7 月 と 11 月 話 すことに 関 するアンケート 及 び 課 題 作 文 集 計 結 果 ( 小 4 年 6 年 中 1 年 ) ( 平 均 ) 4.0 話 すことに 関 するアンケート 集 計 課 題 作 文 に 関 する 集 計 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 自 分 こ と 考 が え 好 を き ま で と す め か る 5 W 話 1 を H し に て 気 ま つ す け か て 接 話 続 を 詞 し に て 気 ま つ す け か て 主 語 話 述 を 語 し に て 気 ま つ す け か て 自 た と わ わ 分 え え け て 考 話 ( 話 ( 話 え を 事 を 根 を や し 例 し 拠 し 感 て ) て ) て 想 ま あ す げ か て ま 示 す し か て ま つ す け か く 5 W 1 H 接 続 語 た と え 事 例 わ け 根 拠 考 え 感 想 ナ ン バ リ ン グ 教 師 に よ る 評 価 ( 4~ 1 ) 3.0 2.0 1.0 0.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 ( 集 計 項 目 ) 7 月 11 月 ア 意 識 調 査 アンケート 結 果 考 察 3 学 年 ともにすべて 項 目 において 7 月 を 上 回 るか または 同 等 結 果 であった 67 項 目 (わけを 示 して 話 しているか 自 分 考 えや 感 想 を 付 け 加 えて 話 をしている か)においては 7 月 に 比 べて 11 月 方 が 児 童 生 徒 意 欲 が 高 まった 結 果 となった 授 業 や 日 常 指 導 においてポケット 集 を 用 いた 指 導 を 行 ったことにより 児 童 生 徒 が 話 す 場 面 でも 作 文 を 書 く 場 面 同 様 にわけを 示 したり 自 分 考 えを 付 け 加 えたりするなど 意 識 が 高 まったもと 思 われる イ 作 文 に 関 する 集 計 結 果 考 察 7 月 に 比 べ 11 月 結 果 は 3 学 年 とも 上 記 以 外 において 使 用 頻 度 が 伸 びている 特 に 接 続 語 使 用 頻 度 が 伸 びている 授 業 や 日 常 指 導 中 でポケット 集 を 用 いて 指 導 を 行 ったことによると 思 われる 教 師 による 評 価 については 全 学 年 とも 評 価 が 上 がった 児 童 生 徒 作 文 がより 論 理 的 な 作 文 へと 変 化 したこと 表 れであると 考 えられる 5W1H 項 目 については テーマ 作 文 中 で 使 用 しづらいもであるため 使 用 頻 度 は 伸 びなかった - 9 -
Ⅷ 成 果 ()と 課 題 ( ) 接 続 語 に 関 するポケット 集 を 作 成 して 小 学 校 第 3 学 年 以 上 全 て 児 童 生 徒 に 配 付 する ことができた ポケット 集 を 作 成 したことで 授 業 で 指 導 を 充 実 させることができただけで なく 児 童 生 徒 が 進 んで 活 用 しようとする 姿 が 見 られるようになってきた ポケット 集 を 活 用 した 授 業 研 究 を 通 して 文 章 論 理 的 構 成 に 着 目 しながら 文 章 を 読 み 取 る ことを 習 得 し さらに 児 童 生 徒 文 章 表 現 においても 論 理 的 構 成 に 注 意 しながら 書 かれた 作 文 が 見 られるようになった 指 導 者 評 価 と 接 続 語 や 文 章 構 成 に 注 目 した 評 価 比 較 によって 双 方 評 価 にある 関 係 性 を 明 らかにすることができた ポケット 集 を 作 成 したが 活 用 仕 方 を 十 分 検 討 することができなかった そため 町 内 先 生 方 へ 情 報 発 信 が 十 分 にできなかった ポケット 集 活 用 については 授 業 中 活 用 仕 方 や 日 常 指 導 で 活 用 仕 方 家 庭 学 習 で 活 用 仕 方 等 を 学 校 職 員 や 保 護 者 に 提 案 できなかった 指 導 者 評 価 と 接 続 語 や 文 章 構 成 に 注 目 した 評 価 比 較 において 一 部 関 係 を 明 らかにでき たが そ 関 係 を 生 かした 指 導 工 夫 にはつながらなかった 参 考 文 献 小 学 校 学 習 指 導 要 領 中 学 校 学 習 指 導 要 領 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 国 語 編 中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 国 語 編 小 学 校 中 学 校 教 科 書 ( 国 語 ) 研 究 同 人 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 教 育 委 員 会 所 長 家 高 清 高 原 小 学 校 教 諭 瀬 戸 山 剛 介 教 育 総 務 課 研 究 指 導 員 濵 砂 敬 三 広 原 小 学 校 教 諭 甲 斐 裕 之 教 育 総 務 課 課 長 山 崎 和 行 狭 野 小 学 校 教 諭 瀬 川 大 輔 教 育 総 務 課 課 長 補 佐 齊 藤 和 男 後 川 内 小 学 校 教 諭 田 上 和 浩 教 育 総 務 課 係 長 久 保 田 光 信 高 原 中 学 校 教 諭 今 村 菜 緒 後 川 内 中 学 校 教 頭 植 木 秀 芳 - 10 -