問 85 慢性腎不全による透析導入基準について正しいのは次のうちどれか 1 透析導入基準の点数が 60 点以上になれば透析導入の判断となる 2 腎機能評価ではクレアチニンが評価項目である 3 血管合併症があれば基準点に加算される 4 視力障害は透析導入基準の評価には含まれない 5 日常生活の障害に関

Similar documents
Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

1治療 かっていたか, 予想される基礎値よりも 1.5 倍以上の増加があった場合,3 尿量が 6 時間にわたって 0.5 ml/kg 体重 / 時未満に減少した場合のいずれかを満たすと,AKI と診断される. KDIGO 分類の重症度分類は,と類似し 3 ステージに分けられている ( 1). ステー

メディカルスタッフのための腎臓病学2版

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

糖尿病性腎症に合併したネフローゼ症候群の治療

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

スライド 1

心房細動1章[ ].indd

背部痛などがあげられる 詳細な問診が大切で 臨床症状を確認し 高い確率で病気を診断できる 一方 全く症状を伴わない無症候性血尿では 無症候性顕微鏡的血尿は 放置しても問題のないことが多いが 無症候性肉眼的血尿では 重大な病気である可能性がある 特に 50 歳以上の方の場合は 膀胱がんの可能性があり

急性腎不全

ヘルスケア・スクエア(仮称)設立に向けて

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

輸液製剤

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

P002~013 第1部第1章.indd

Untitled

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

したことによると考えられています 4. ピロリ菌の検査法ピロリ菌の検査法にはいくつかの種類があり 内視鏡を使うものとそうでないものに大きく分けられます 前者は 内視鏡を使って胃の組織を採取し それを材料にしてピロリ菌の有無を調べます 胃粘膜組織を顕微鏡で見てピロリ菌を探す方法 ( 鏡検法 ) 先に述

第 7 章 腎 泌尿器領域 (a) : すべての専門医が到達すべき知識 技術 (b) : すべての専門医が, さらに高度の専門性を獲得するために到達すべき知識 技術 (c) : 該当する領域において, 専門医が到達すべき知識 技術 (d) : 該当する領域において, 専門医がさらに高度の専門性を獲得

SpO2と血液ガス

減量・コース投与期間短縮の基準

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

基準範囲の考え方 ph 7.35~ mmHg pco2 mmhg po2 mmhg HCO3 mmol/l BE mmol/l 35~45 85~105 60> 呼吸不全 21~28-2~+3 so2(%) 95~99% 静脈 pco2=45mmhg po2=40mmhg 動脈 pco

認定看護師教育基準カリキュラム

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

Microsoft Word 高尿酸血症痛風の治療ガイドライン第3版主な変更点_最終

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本


indd

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

Microsoft Word - 届出基準

尿検査のみかた、考えかた

消化器病市民向け

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

1 ヨード造影剤による副作用 腎以外 2 ヨード造影剤による副作用 腎 3 ガドリニウム造影剤による副作用 ( 臓器非特異性 ) 即時型 遅発型 超遅発型副作用の種類 危険因子 予防 4 その他 Contents

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル

症例 A: 30 歳 女性 半年くらい前から徐々に全身倦怠感が増強 診察時の検査で BUN 130 mg/dl ( 正常値 : 9~20) クレアチニン 11.4 mg/dl ( 正常値 : 0.5~1.0) である 症例 B: 38 歳 男性 10 年前から高血圧を指摘され 6 年前から高血圧が悪

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

10050 WS2-3 ワークショップ P-129 一般演題ポスター症例 ( 感染症 ) P-050 一般演題ポスター症例 ( 合併症 )9 11 月 28 日 ( 土 ) 18:40~19:10 6 分ポスター会場 2F 桜 P-251 一般演題ポスター療

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人


P001~017 1-1.indd

虎ノ門医学セミナー

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

Module06.ec8

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

スライド 1

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

腎動脈が瘤より分枝し腎動脈再建を要した腹部大動脈瘤の3手術例

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

5 がん化学療法に附随する消化器症状への対応 下痢, 便秘および 重篤な消化管症状への対応 後藤歩, 小栗千里, 光永幸代, 市川靖史 小林規俊, 前田愼, 遠藤格

Microsoft Word - 血液検査.docx

院内検査基準値項目説明 項目名基準値単位検査について検査値の見方 大久保病院 WBC ( 白血球数 ) 男 女 )3.3~ /μl 白血球は 骨髄で作られ 病原微生物に対する防御の働きをしています 増加 : 急性の炎症 白血病低下 : 再生不良性貧血 抗がん剤投与 ウイルス感染症等

スライド 1

Transcription:

問 80 高血圧の説明について正しいのはどれか 1 薬剤による血清カルシウム濃度が低下すると末梢血管抵抗が上昇し高血圧を呈する 2 透析患者の高血圧合併症は多く, その要因には過剰体液貯留が挙げられる 3 腎皮質障害はレニン アンデオテンシン系を亢進しナトリウム 水排泄を低下させる 4 レニン アンデオテンシン系の亢進は末梢血管抵抗を増大させる 5 透析中の血圧上昇は除水に対するプラズマリフィリングの亢進で起こる 問 81 透析患者の死亡原因で最も多いのは次のうちどれか a) 心筋梗塞 b) 悪性腫瘍 c) 脳血管障害 d) 感染症 e) 心不全 問 82 我が国で慢性透析療法が導入される症例で最も多い原疾患はどれか a) 慢性糸球体腎症 b) 糖尿病性腎症 c) 腎硬化症 d) 多発性嚢胞腎 e) 原因不明 問 83 慢性腎不全について正しいのは次のうちどれか a) 慢性透析患者数は年々減少している b) 透析患者は除水されるため, 多血症を呈する c) 透析合併症として二次性副甲状腺機能亢進症がある d) 透析患者は血液透析により低リン血症を呈する e) 透析患者は低タンパク食を摂取し続けなければならない 問 84 慢性腎不全患者の血清中で上昇しないのは次のうちどれか a) リン値 b) HCO3 - 濃度 c) Mg 2+ 濃度 d) 尿素窒素 e) カリウム濃度

問 85 慢性腎不全による透析導入基準について正しいのは次のうちどれか 1 透析導入基準の点数が 60 点以上になれば透析導入の判断となる 2 腎機能評価ではクレアチニンが評価項目である 3 血管合併症があれば基準点に加算される 4 視力障害は透析導入基準の評価には含まれない 5 日常生活の障害に関する評価はない 問 86 腎前性急性腎不全について正しいのはどれか 1 脱水や過度の利尿などによって引き起こされることがある 2 循環血液量の減少や心拍出量の減少により引き起こされる 3 腎機能は不可逆的な場合が多いとされる 4 腎血流量自体は変わらないが, 糸球体の機能が阻害された状態のことである 5 腎血流維持のために尿量は低下し, その Na 排泄率は 1% 以下になる 問 87 腎性急性腎不全 ( 腎障害 ) について正しいのはどれか 1 腎障害により尿細管が壊死することで発症する例が多い 2 糸球体が硬化し, 尿細管は委縮するため腎臓は小さくなる 3 高カリウム血症, 代謝性アルカローシスを呈することが多い 4 腎実質の障害であるためナトリウムの再吸収が障害され,FENa は高値を示す 5 抗生剤や抗癌剤投与, 造影検査などの医療行為に関連して発症することがある 問 88 腎後性急性腎不全について正しいのはどれか 1 腫瘍や結石, 前立腺肥大などの尿路閉塞で引き起こされる 2 超音波検査などで尿路の状態を確認する必要がある 3 尿路の閉塞や損傷によって尿細管の内圧は下がる 4 一般に予後が悪く, 腎機能も不可逆的な例が多い 5 水腎症を呈するため, 腎臓は大きくなる特徴がある 問 89 透析合併症とそれに対する治療との組み合わせについて正しいのはどれか 1 手根管症候群 手根管開放術 2 異所性石灰化 活性型ビタミン D の増量 3 心膜炎 非ステロイド系抗炎症薬の投与 4 貧血 エリスロポエチンの投与 5 胃 十二指腸潰瘍 ヘリコバクター ピロリ菌の除菌

問 85 慢性腎不全による透析導入基準について正しいのは次のうちどれか 1 透析導入基準の点数が 60 点以上になれば透析導入の判断となる 2 腎機能評価ではクレアチニンが評価項目である 3 血管合併症があれば基準点に加算される 4 視力障害は透析導入基準の評価には含まれない 5 日常生活の障害に関する評価はない キーワード 導入基準は臨床症状, 腎機能 ( クレアチニン ), 日常生活障害度の 3 項目が評価対象である 解説 透析導入時期を決定する上では,1991 年に厚生省科学研究 腎不全医療研究班によって作成された慢性腎 不全透析導入基準が最も広く用いられている ただ慢性腎不全透析導入基準を用いる場合において, クレア チニンは小児, 高齢者, やせ型の女性, 糖尿病患者においては低値をとるので過少評価される危険性がある 1. 体液貯留 2. 体液異常 3. 消化器症状 4. 循環器症状 5. 神経症状 6. 血液異常 表.1) 慢性腎不全透析導入基準 臨床症状腎機能日常生活障害度 1~7 項目のうち 3 個以上 30 点 2 個を 20 点 1 個を 10 点 血清クレアチニン ( クレアチニンクリアランス ) 尿毒症状で起床できない 30 8 以上 (10 未満 ) 30 5~8 未満 (10~20 未満 ) 20 日常生活が著しく制限される 20 家庭内労働が困難 10 7. 視力障害 3~5 未満 (20~30 未満 ) 10 10 歳未満,65 歳以上, 全身性血管合併 症のあるものは 10 点加算 1) 正しい 合計点数が 60 点以上が透析導入の目安である 2) 正しい 上記の解説通りである 3) 正しい 日常生活障害度には追加項目があり, 年齢 (10 歳未満と 65 歳以上 ) と全身性の血管合併 症があるものは, それぞれ 10 点の加算がある 4) 誤り 臨床症状には該当する 5) 誤り 上記の解説通りである 解答 a 類題 84 患者や家族に対し慢性透析を導入しない選択という助言する因子として正しいのはどれか 1 尿毒症による高度の認知症 2 肝臓 心臓 肺の末期症状 ( 日常生活を送ることができない状態 ) 3 生命維持が極めて困難な多臓器不全 4 透析の度に薬剤による鎮静が必要な状態 5 医療にかかる金銭的な負担 [ 参考 ]1 は非尿毒症における認知症の間違いである

問 86 腎前性急性腎不全について正しいのはどれか 1 脱水や過度の利尿などによって引き起こされることがある 2 循環血液量の減少や心拍出量の減少により引き起こされる 3 腎機能は不可逆的な場合が多いとされる 4 腎血流量自体は変わらないが, 糸球体の機能が阻害された状態のことである 5 腎血流維持のために尿量は低下し, その Na 排泄率は 1% 以下になる キーワード 急性腎不全の識別は, 腎前性と腎性の相違点について問われることが多い 解説 腎前性腎不全 ( 腎不全 ) は, 脱水, 過度の発汗, 過度の利尿, 胃腸管からの消化液の喪失, 熱傷, 腹膜炎などによる体液の喪失, うっ血性心不全,. 心原性ショック, 血流遮断等が引き起こされ, 結果的に腎血流量が減少する 脱水症状である皮膚や口腔内粘膜の乾燥, 弾力性の消失などが著しいみられる 糸球体の器質的な障害は基本的に認められてないため, 可逆性であることが多い また腎前性腎障害によって,( 循環血液量の減少と共に ) 腎血流量の減少が起きると, 腎血流の維持のために生体は尿中への水分 Na の喪失を減らそうと働く よって尿量の減少と老廃物の排出能の低下 (BUN/Ccr 比 >20:1), 尿の濃縮 ( 尿浸透圧 500mOsm/kg H2O 以上 ), 尿中の Na 排泄の低下 ( ナトリウム排泄率 (FENa) が 1% 以下, 尿中ナトリウム濃度低下 ) などが認められる Na 排泄率 (FENa): 糸球体で濾過された Na の何 % が尿中に排泄されたかを表わす数値 尿細管で Na が再吸収される 健常者では 99% が再吸収されるので,Na 排泄率 (FENa) は 1% である 1) 正しい 上記の説明通り脱水により引き起こされることがある 2) 正しい うっ血性心不全や心原性ショックで心拍出量が減少し腎血流量が減少して引き起こさ れることがある 3) 誤り 上記の説明通りで器質的変化はないため, 可逆的である場合が多い 4) 誤り 腎臓への血流量の低下であるため不適当である 5) 正しい 上記の解説通りである 解答 d 類題 85 腎前性急性腎不全で正しいのはどれか 1 尿中のナトリウム濃度が高い (20mEq/L 以上 ) ことが多い 2 BUN/Ccr の比は 20:1 以上である 3 尿浸透圧は 500mOsm/kgH2O 以上と高張尿である 4 ナトリウム分画排泄率 (FENa) は 1% 以下である 5 乏尿, 多尿を繰り返す [ 参考 ] 腎前性腎不全での尿中ナトリウム濃度は 20mEq/L 以下

問 87 腎性急性腎不全 ( 腎障害 ) について正しいのはどれか 1 腎障害により尿細管が壊死することで発症する例が多い 2 糸球体が硬化し, 尿細管は委縮するため腎臓は小さくなる 3 高カリウム血症, 代謝性アルカローシスを呈することが多い 4 腎実質の障害であるためナトリウムの再吸収が障害され,FENa は高値を示す 5 抗生剤や抗癌剤投与, 造影検査などの医療行為に関連して発症することがある キーワード 腎( 実質 ) 性急性腎不全 ( 障害 ) の多くが尿細管壊死であり, 不可逆的な例が多い 解説 急激な腎機能の低下の結果, 体液の恒常性が維持できなった状態を急性腎不全という そのうち, 尿細管壊死, 皮質壊死, 糸球体壊死などの腎実質が障害された結果, 引き起こされた状態のことを急性腎不全 ( 障害 ) と呼ばれる 腎 ( 実質 ) 性腎不全 ( 障害 ) による腎機能は不可逆的な例が多く重金属, 抗生剤, 造影剤, 浸透圧利尿剤などによって引き起こされる 腎実質に障害をうけることで十分な腎血流量が維持できず, 比較的酸素に弱い尿細管が壊死することで発症する例が多い 1) 正しい上記の解説通りである 2) 誤り慢性腎不全で起こる 数カ月から数年の経過で進行性に機能ネフロン数が減少する 糸球体 尿細管の病変は多様であり, 萎縮や荒廃の著しい部位とほとんどない部位があるが, 尿細管は萎縮し腎は小さくなる 設問内容は急性腎不全であるため, 不適当である 3) 誤り急性腎不全により, 老廃物の排泄が困難となり血清尿素窒素の蓄積によって代謝性アシドーシスを呈する よって, アルカローシスは誤りである 4) 正しいナトリウムの再吸収するにも尿細管が障害されているため, 再吸収できずに尿中へ排出となる ナトリウムの排泄率は高値となる 5) 正しい選択肢のとおりである 造影剤検査などに使われる造影剤によって引き起こされることがある 解答 e 類題 86 腎性急性腎不全について誤りはどれか 1 腎梗塞によって引き起こされる 2 多くの場合, 尿細管壊死が認められる 3 BUN/Ccr 比が 15:1 である 4 腎前性から経過して腎実質障害が起こる 5 画像診断で, 数日以内に腎サイズの縮小があれば, 急性腎不全の診断となる [ 参考 ] 腎臓の縮小の有無は慢性腎不全と急性腎不全の識別材料となる

問 88 腎後性急性腎不全について正しいのはどれか 1 腫瘍や結石, 前立腺肥大などの尿路閉塞で引き起こされる 2 超音波検査などで尿路の状態を確認する必要がある 3 尿路の閉塞や損傷によって尿細管の内圧は下がる 4 一般に予後が悪く, 腎機能も不可逆的な例が多い 5 水腎症を呈するため, 腎臓は大きくなる特徴がある キーワード 尿の生成は行われているが, 排泄出来ない状態である 解説 腎後性急性腎不全 ( 障害 ) は, 尿路の閉塞や障害によって, 糸球体内圧を上昇する 結果, 腎組織の障害や糸球体濾過量 (GFR) の低下を招く 尿の流れが障害されると腎盂が拡張し水腎症になる 1) 正しい 腎盂以下の尿路閉塞により引き起こされる 2) 正しい 選択肢通りである 超音波診断は有用な診断方法である 3) 誤り 尿路の閉塞や損傷によって尿細管の内圧は上がる 機序としては尿細管または遠位に おける濾過液が尿路を通過できず内圧が上昇する 腎盂が拡張し水腎症となると腎臓 は大きくなる 4) 誤り 閉塞の原因が除去されるとすみやかな腎機能の回復がみられる 5) 正しい 解説 3のとおりである 水腎症を呈すると腎臓が大きくなる 解答 d 類題 87 腎後性急性腎不全 ( 障害 ) の原因について正しくないのはどれか a) 両側尿管結石 b) 尿細管壊死 c) 膀胱癌 d) 前立腺肥大 e) 後腹膜線維症 [ 参考 ] 結石 腫瘍がある場合は高度の血尿を認めることがある

問 89 透析合併症とそれに対する治療との組み合わせについて正しいのはどれか 1 手根管症候群 手根管開放術 2 異所性石灰化 活性型ビタミン D の増量 3 心膜炎 非ステロイド系抗炎症薬の投与 4 貧血 エリスロポエチンの投与 5 胃 十二指腸潰瘍 ヘリコバクター ピロリ菌の除菌 キーワード 慢性透析患者は内服薬や除水などにより便秘になりがちである 解説 1) 正しい透析アミロイドーシスの原因物質のβ2-ミクログロブリンを血液透析濾過や吸着などで積極的に除去することでアミロイドの形成を遅延させる治療が行われている すでに手根管症候群を発症している場合では, 対処療法として手根管開放術によるアミロイド線維の除去が行われる 2) 誤り二次性副甲状腺機能亢進症による線維性骨炎に対する治療として, 活性型ビタミン D の投与や, 高リン血症に対する炭酸カルシウム薬の経口投与などで, ビタミン D が過剰になると, 高カルシウム血症 高リン血症となり, 異所性石灰化が生じる 対処療法としては, 増量とせずに援徐な活性型ビタミン D 製剤を使用することになる 3) 誤り腎不全時の心膜炎 ( 心タポナーデ ) の成因は尿毒症性物質による無菌性心外膜炎が多く, 適正な透析治療により改善するため, 抗炎症薬の使用は適当とはいえない 4) 正しい腎不全の貧血に対しては主にエリスロポエチンの投与が主に行われる また高性能膜による血液透析, 血液透析濾過による中 ~ 大分子量物質やグアニジン化合物などの造血抑制物質の積極的除去が有効である 5) 正しい透析患者のヘリコバクター ピロリ菌の陽性率と十二指腸潰瘍や胃潰瘍などの発症との関連があるという方向はないとされているので不適当である ただ非透析患者と同様に検出 除菌の必要性はあると議論はされている 解答 e 類題 88 糖尿病性腎症について正しいのはどれか 1 肥満になる 2 ネフローゼ症候群によりタンパク尿を呈する 3 網膜症 4 末梢神経障害 5 椎間板ヘルニア [ 参考 ] 糖尿性細小血管症として細い血管を中心に病変していきます