配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 (

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必要経費の考え方 所得の種類によって 名前は異なるが 内容としては 必要経費 にあたるものを示していると考える ( 例 ) 配当所得の場合 株式取得の借入金利子給与所得の場合 給与所得控除額雑所得 ( 公的年金 ) の場合 公的年金等控除額譲渡所得の場合 取得費用などの他 特別控除額一時所得の場合

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(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

ワコープラネット/標準テンプレート

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

配当所得は 他の所得と総合し 累進税率を適用して税額を計算しますが 一定の上場株式等の配当等については 他の所得と分離して税額を計算する申告分離課税を選択することができます ただし 申告分離課税を選択すると 配当控除を受けられず 確定申告をする一定の上場株式等の配当等の全てについて総合課税とするか

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

相続税の改正 -平成23年度税制改正大綱

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金融商品と資金運用

一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合

平成19年度市民税のしおり

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

未成年者が口座開設者となり 原則として その親権者等が未成年者を代理して運用管理等を行います ジュニアNISA 口座に受け入れることができる上場株式等の新規投資による受入限度額 ( 非課税枠 ) は年間 80 万円です その非課税期間は最長で5 年間となります 一般のNISAの場合は 新規投資による

公募株式投資信託の解約請求および償還時

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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第5回基礎問題小委員会 礎5-4

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 70 万円 以下 25,319 1,201 20,012 54, ,063 6, , 万円 12,048 2,039 8,935 22,

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

上場株式等の配当等に対する課税

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第 2 問問 4 2 < 遺族に必要な生活資金等の総額 > 生活費 30 万円 50% 12 カ月 29 年 =5,220 万円 死亡整理資金( 葬儀費用等 ) 200 万円 緊急予備資金 300 万円 住宅ローンについては団体信用生命保険に加入しているので計算に含めない合計 5,220 万円 +2

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

2018年 租税法基礎答練1回

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株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

FX取引に係る確定申告について

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

【表紙】

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

平成16年度

平成16年度

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

妙高市 税に関するWEBページ

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( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

中小企業の退職金制度への ご提案について

1 夫が亡くなったとき 40 歳以上 65 歳未満で 生計を同じくしている子がいない妻 2 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻 (40 歳に達した当時 子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る ) が 子が 18 歳到達年度の末日に達したため 遺族基礎年金を受給できなくなったとき

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

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3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

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本資料のポイント 平成 29 年度税制改正で 上場株式等に係る配当等 について 所得税 と 住民税 で異なる課税方式を選択することが可能であると明確化されました このことにより 課税所得 900 万円以下の場合 所得税は 総合課税 住民税は 申告不要 を選択することで 納税額を抑えることが可能となり

ご自身の加入限度額は? 加入条件 お さまの 性 自 者 年金 者種 1 者 に確定 年金や 確定拠出年金 ( 型 ) がない 確定拠出年金 ( 型 ) に加入している 2 者 加入できる 確定 年金がある 者 基本的には 60 歳未満のすべての方 にご加入いただけます 国民年金を免除されている方等

ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

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以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

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源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

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(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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第 5 章 N

Microsoft Word - sample1.doc

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

著作権について 本冊子は著作権法で保護されている著作物であり 本冊子の使用に関しては 以下の点にご注意くださ い 本冊子の著作権は 創企株式会社に属します 創企株式会社の許可なく 本冊子の全部又は一部をいかなる手段においても複製 転載 流用 転売 する事を禁じます 創企株式会社の許可なく 本冊子から

資料5 表紙

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

の合計 ( ただし 20 歳以上 60 歳未満の期間 ) なお 保険料免除期間がある場合 本人は保険料を支払っていなくても 一定の期間が分子に加算される A さんの場合 保険料納付済月数は 国民年金保険料納付済期間 35 月 + 厚生年金保険被 保険者期間 398 月 + 厚生年金保険被保険者期間

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問 2 1 〇 3 〇問 ,347( 円 ) 21,459,005 ( 円 ) < 賃金低下率 > < 支給率 > 61% 以下 15% 65% 10.05% 70% 4.67% 75% 以上 0% 1 適切 適切 A さんが厚生年金保険の被保険者でなくなった 場合 妻 B さんは 60

Transcription:

3. 利子所得 配当所得 利子所得 原則 利子所得の金額 = 収入金額 ( 源泉徴収前 ) 必要経費なし 源泉分離課税 (15%+5%) 預貯金の利子 公社債の利子 合同運用信託 ( 貸付信託 金銭信託 ) の収益分配金 公社債投資信託の収益分配金 例外 1 総合課税のもの ( 源泉徴収なし ) 日本国外の銀行の預金利子 国際機関が発行した債券の利子 2 非課税少額貯蓄 ( 元本 350 万以下 ) 非課税制度に係る利子 ( マル優 特別マル優 ) 財形貯蓄に係る利子 ( 元本 550 万以下 ) 当座預金の利子など 1

配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 ( 元本の払い戻し部分に相当 ) 保険会社から受け取る契約者配当金 区分 源泉徴収 課税方法 配当控除 損益通算 上場株式等株式投資信託 非上場株式大口株主 10%(7%+3%) H23 年末までの支払 ) 択20%(15%+5%) H24 年 1/1 以降 20%( 所得税のみ ) 択総合課税申告分離課税申告不要選総合課税申告不要 ( 少額配当のみ ) 選配当控除 譲渡損失との損益通算 どちらも 配当控除 どちらも 2 2

参考問題 1 (H21 年 9 月実技 第 2 問 問 5) 居住者である個人の株主 ( 一定の大口株主等を除く ) が 国内上場株式を保有する場合に課される税金に関する次の 1~3 の記述について 適切なものには 印を 不適切なものには 印を解答用紙に記入しなさい ( 理由不要 ) 1 平成 21 年中に受け取る配当に係る配当所得は 年間 1,000 千円までの金額については 10%( 所得税 7% 住民税 3%) の税率により源泉徴収がされるが 1,000 千円超の金額については源泉徴収されないので 確定申告をして納税することになる 2 平成 21 年中に受け取る配当に係る配当所得について 申告分離課税を選択した場合 確定申告をすることにより 当該配当所得の金額とその年分の上場株式等の譲渡損失との損益通算ができる 3 平成 21 年中に受け取る配当に係る配当所得について 申告分離課税を選択した場合 所得税の税額控除として配当控除の適用を受けることができる 3

4. 給与所得 退職所得 給与所得 給与所得の金額 = 収入金額 - 給与所得控除額 ( または特定支出の額 ) 通常 通勤費 転居費 研修費 資格取得費など ( 確定申告が条件 ) 源泉徴収 年末調整で精算 確定申告書の提出なし 退職所得 退職所得の金額 =( 収入金額 - 退職所得控除額 ) 1/2 退職手当 公的年金や企業年金から支給される退職一時金など 退職金を年金で毎年受け取る場合 : 雑所得死亡後 3 年を超えて支給が確定した死亡退職金 : 一時所得 (3 年以内は相続税 ) 4

原則 分離課税 支給時に源泉徴収 退職所得の受給に関する申告書 の提出 なし 収入 20% 参考問題 2 ( 問題集 P154 H21 年 1 月学科 問題 32) 確定申告により精算 あり 退職所得 の金額に 源泉徴収で累進税率適用終了 ( 確定申告なし ) ただし損益通算や税額控除で必要な場合もある 退職所得に関する次の記述のうち 最も不適切なものはどれか なお これまでに他の退職金等の支払いは受けておらず 障害者になったことに直接基因した退職ではないものとする また 退職所得の受給に関する申告書 を退職金の支払者に提出しているものとする 1. 勤続年数が 37 年間の場合における退職所得控除額は 19,900 千円である 2. 退職金が 20,000 千円で退職所得控除額が 15,000 千円の場合における退職所得の金額は 2,500 千円である 3. 退職所得に係る所得税は源泉徴収されるが 住民税は特別徴収されないため 納税者自身が納付書により納付しなければならない 4. 退職所得控除額の計算において 勤続年数が38 年 3ヶ月の場合 勤続年数は 5 39 年として計算する

5. 不動産所得 事業所得 雑所得 青色申告 事業的規模に関係なく申告はできる 対象者 : 不動産所得 事業所得 山林所得を生ずべき業務を行なう者 税務署長の承認を受けた者 5 棟 10 室基準 承認申請の期限 : ( 原則 ) その年の 3 月 15 日まで ( その年の 1 月 16 日以降に新たに業務開始 ) 業務開始日から 2 ヶ月以内主な特典 : 青色申告特別控除 (10 万 or 65 万 ) 青色専業専従者給与の必要経費算入 減価償却の特例 純損失の繰越控除 繰戻還付など 事業所得不動産所得事業的規模事業的規模でない山林所得 ( 期限後の申告 要件に満たない場合は 10 万 ) 青色申告特別控除 青色専業専従者給与の経費算入 65 万 65 万 10 万 10 万 6

不動産所得 貸付ならば事業的規模には関係なく不動産所得 不動産所得の金額 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除 下宿など食事の提供がある場合の貸付は 時間貸駐車場など保管責任がある貸付は ( 月極駐車場は ) 社宅は 地代 家賃 権利金 礼金 更新料 返還がない保証金 修繕費 保険料 事業的規模 : 65 万管理費 手数料 そうでない : 10 万減価償却費 ( 定額法 ) 税金 ( 自宅用は 所得税と住民税も ) 借入金利子 ( 元本返済は 賃貸開始前の利息は ) 青色専業専従者給与 ( 青色申告 ) 専業専従者控除額 ( 白色申告 ) 身内の給与は事業的規模の貸付ならば経費にできる 白色申告者 : 専業専従者控除額 ( 年 50 万 配偶者 86 万 ) 青色申告者 : 届出が必要届出の範囲内で支払った実際の給与全額 原則 総合課税 確定申告 7

事業所得 ( 参考問題 : 配布資料 H21 年 9 月実技 第 3 問 ) 事業所得の金額 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除 減価償却費 ( 強制償却 ) ( 配布資料参照 ) どの方法でも最後は 1 円まで償却 土地は減価償却なし 建物 建物以外 H10 年 3/31 前 H10 年 4/1~ H19 年 4/1~ H19 年 3/31 旧定額法 or 旧定率法 旧定額法 定額法 ( 新 ) 旧定額法 or 旧定率法 旧定額法 or 旧定率法 いずれも法定償却方法は旧定額法または定額法 定額法 or 定率法 ( 新 ) 原則 総合課税 確定申告 ( 支払時に源泉徴収されるものもある : 報酬 料金など ) 8

2つに分解総収入 - 必要経費 = 雑所得 ( 復習 ) 総収入 - 必要経費 雑所得の金額 総収入 - 公的年金等 控除額 = 1 公的年金等 + 2公的年金等以外 合計 1 公的年金等 公的年金 ( 国民年金 厚生年金 共済年金 ) 国民年金基金 確定拠出年金 企業年金 年金形式の退職金 非課税 障害年金遺族年金 公的年金控除額受給者の年齢によって異なる 65 歳未満 公的年金等の収入額 公的年金等控除額 130 万円未満 70 万円 65 歳以上 330 万円未満 120 万円 9

2 公的年金等以外 債券の償還差益 為替差益 個人年金保険 作家以外の場合の原稿料など ( 例 ) 70 歳である A さんの収入は 公的年金 200 万円 個人年金保険 100 万円である 個人年金保険の必要経費が 50 万円であるとき A さんの雑所得はいくらか? 1( 公的年金等 ) 200 万 -120 万 =80 万 2( 公的年金等以外 ) 100 万 -50 万 =50 万 よって雑所得 =1+2=130 万 原則 例外 総合課税 確定申告 ( 源泉徴収されるものもある : 公的年金等 報酬 料金など ) 債券のうち 割引債にかかわる償還差益 源泉分離課税 ( 発行時 18%) 10

6. 譲渡所得 一時所得 山林所得譲渡所得 ( 復習 ) ( 参考問題 : 配布資料 H22 年 1 月実技 第 3 問 ) 1 土地 建物 株式以外の譲渡 ( 事業用設備やゴルフ会員権など ) 譲渡した時点で 総合短期譲渡所得 ( 保有期間 5 年以下 ) 総合長期譲渡所得 ( 保有期間 5 年超 ) 総収入 - 必要経費 - 特別控除額 総収入額 譲渡益 取得費 + 譲渡費用 50 万 優先 = 20 万残り 30 万 譲渡所得 ( 例 ) 譲渡益のうち 短期のものが20 万 長期のものが120 万ならば他の所得と合計して課税される譲渡所得は? ( テキストP32) 総所得金額算定の際には 短期 + 1/2 長期 (20 万 -20 万 ) +1/2 (120 万 -30 万 ) 2 株式等の譲渡 長期や短期などの区分なし申告分離課税 11

3 土地 建物等の譲渡 分離短期譲渡所得 ( 所有期間 5 年以下 ) 分離長期譲渡所得 ( 所有期間 5 年超 ) H17 年 H22 年 11 月基準日 1 1 1 1 基準日譲渡した年の1 月 1 日において 所有期間が5 年を超えているかどうか 11 月譲渡 取得 1 月 1 日短期の扱いになる ( 通常の5 年 ) (1 月 1 日では5 年に満たない ) 申告分離課税短期 : 39% (30%+9%) 長期 : 20% (15%+5%) ( その他の留意点 ) 低額譲渡 ( 時価の 1/2 未満 ) 譲渡損 : 生じなかったものとみなす譲渡益 : 課税 概算取得費 : 収入金額の 5% を取得費にできる 取得の日 と 譲渡の日 について (P31) 12

参考問題 3 ( 問題集 P154 H18 年 5 月学科 問題 33) 譲渡所得等に関する次の記述のうち 正しいものはどれか 1. 総合課税とされる譲渡所得は その資産の取得の日から譲渡の日の属する年の 1 月 1 日までの期間によって 短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられる 2. 贈与により取得した資産を譲渡した場合において 所得税課税のうえでの 資産の取得の日 は 原則として受贈者がその資産の贈与を受けた日となる 3. 宅地を譲渡した場合における所得税課税のうえでの 資産の譲渡の日 は その資産を相手に引き渡した日か 譲渡契約の効力発生の日のいずれかを納税者が選択することができる 4. 総合課税される譲渡所得の場合には 短期譲渡所得 長期譲渡所得のそれぞれについて 50 万円を限度とする特別控除が認められており 同一年に短期譲渡所得と長期譲渡所得がある場合には 双方を合わせて 100 万円を限度とする特別控除を受けることができる 13

参考 利子所得 源泉徴収制度の対象となる所得 ( きんざい FP 技能検定教本 2 級 ( タックスプランニング )10-11 年版 P137 より抜粋 ) 預貯金 公社債の利子など : 20%(15%+5%) 源泉分離 ( 確定申告なし ) 配当所得 原則( 非上場株式など ) :20%( 所得税のみ ) 総合課税 ( 少額なら申告不要あり ) 一定の上場株式等 : 10%(7%+3%) H23 年末まで 総合課税 ( 申告不要あり ) or 申告分離課税 給与所得 事業所得雑所得 給与所得の源泉徴収税額表による 総合課税 年末調整 ( 通常は確定申告必要なし ) 報酬 料金など : 10%( 所得税のみ ) 100 万を超えると 20% ( 例 : 原稿料 印税 講演料 弁護士 会計士 税理士などの報酬 ) 総合課税 ( 確定申告で精算 ) 公的年金等 : 一定の控除額を控除した残額の 5%( 所得税のみ ) 総合課税 ( 確定申告で精算 ) 割引債の償還差益 : 18%( 所得税のみ ) 発行時 源泉分離 ( 確定申告なし ) 14

一時所得 一時払養老保険等の差益 : 20%(15%+5%) 源泉分離 ( 確定申告なし ) 退職所得退職所得の金額に対する累進税率または 20%( 所得税のみ ) 申告分離 参考問題 4 (H22 年 1 月学科 問題 35) 居住者である個人への各種支払い等に係る所得税の源泉徴収に関する次の記述のうち 最も不適切なものはどれか 1. 会社が 自社の従業員向けセミナーに招いた社外の講師に対して 講演料を支払う際には 原則として その会社には所得税を源泉徴収する義務がある 2. 割引金融債の発行体が 投資家に対して 割引金融債の償還金を支払う際には 原則として その発行体には所得税を源泉徴収する義務がある 3. 国内の銀行が 預金者に対して 非課税ではない預金利子を支払う際には 原則として その銀行には所得税を源泉徴収する義務がある 4. 会社が 自社の定年退職者に対して 退職一時金を支払う際には 原則として その会社には所得税を源泉徴収する義務がある 15

( 参考問題解答 ) 問題 1: 1 2 3 問題 2: 3 問題 3: 3 問題 4: 2 16