第 5 学年家庭科学習指導案 1 題材名 整理 整頓から自分や家庭の生活を見直そう 平成 21 年 9 月 11 日 ( 金 ) 第 5 校時 指導者教諭矢島絵梨子 2 題材の目標自分の家の中の整理 整頓をする活動を通して もの 環境 金銭 快適さなどから 自分や家庭の生活を見直し 自分の生活を豊かにしていくための実践に取り組もうとしている 3 題材と児童 (1) 題材について新学習指導要領家庭科の目標及び内容 (C)(D) には 次のように示されている 目標衣食住などに関する実践的 体験的な活動を通して 日常生活に必要な基礎的 基本的な知識及び技能を身に付けるとともに 家庭生活を大切にする心情をはぐくみ 家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる 内容 (C) 快適な衣服と住まい (2) 快適な住まい方ア住まい方に関心をもって 整理 整頓や清掃の仕方が分かり工夫できること イ季節の変化に合わせた生活の大切さが分かり 快適な住まい方を工夫できること (D) 身近な消費生活と環境 (2) 環境に配慮した生活の工夫ア自分の生活と身近な環境とのかかわりに気付き 物の使い方などを工夫できること 本題材では 2つの内容を関連付けて授業を構成する まず 自分の部屋や自分の身の回りの実態を把握し 問題点を見つけ それに合った整理 整頓の方法を考え 実践させる そうすることで 児童が整理 整頓の必要性や整理 整頓による快適さを実感をもって習得することができ その後の実生活でも実践できると考える ( C 快適な衣服と住まい (2) ア ) 次に 家庭の台所の整理 整頓へとつなげ ごみの分別の仕方を理解し その中のペットボトルを取り上げる ( D 身近な消費生活と環境 (2) ア ) ペットボトルの活用方法を考えることを通して 児童が自分と家庭生活を取り巻く身近な環境とのかかわりを実感できるようにする (2) 児童生徒の実態 5 年生になり 今まで 自分の生活を見直す学習 簡単な調理実習 ( サラダ作り ) 裁縫 身の回りの整理 整頓などの学習を行ってきた 児童は どの学習でも活動や制作することを
好み 没頭していた 中には 家庭でも実践をする様子が見られたが そのことを日常生活に生かすことはあまりなく 実践的な態度の育成という点で十分とは言えない それは 今までの授業において 教材と自分や家庭生活とのつながりを児童自身が見直すことが弱かったからだと考えられる 4 単元展開の構想 (1) 研究テーマ知識や技能の 習得 と 活用 を単元の中に位置付けることにより 実践意欲を高める子どもの育成 ~ 知識 技能の習得により 自分や自分の家庭に合った活用方法を見つけようとする子ども~ (2) 研究テーマ設定の意図実習などの体験的な活動には好んで取り組み 家庭でも実践する様子が見られるが 習得したことを日常生活で活用していこうという実践的な態度はまだ弱い 学習したことを各家庭でも実践するように投げ掛けるが 児童が習得したことをきちんと活用できるようになるための授業になってはいない 授業と実践のつながりが弱いままであった ここで言う 活用 とは 授業で習得した知識や技能を そのまま同じ方法で家庭で実践することではなく 習得したことを 家庭の様々な状況に合わせて自分なりに工夫して実践してみることであると考えている 今までの授業では 習得を図ることを繰り返すことが多く 習得したことを児童に見直させる活用の場を組織してこなかったことが 活用につながらなかったと考えられる そこで 児童が知識や技能の習得で終わらず 習得したことを このことを日常生活の中で活用したい この方法なら自分にもできそうだ という見通しをもって取り組む姿を目指す そのために まず 学校で習得した知識や技能を家庭で実践してみる 次に 実践を通した自己評価を発表し合うことで 児童が自分の実践に自己有用感を覚えたり 自分の生活で見直さなければいけないことをはっきりさせたりする そこから さらによい方法を考え 再度実践する そうやって自分にできそうなことを考え 実践し さらによい方法を考えるという一連の活動を通して 児童は自分のつくり出す実践のよさに納得し 自分や家族のくらしが改善されそうだという実感をもつことができる この 知識や技能の習得 実践に向けた見通し 実践を通した自己有用感と新しい課題 のサイクルを題材の中に位置付けることで 新学習指導要領の教科の目標である 家族の一員として生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる ことができる (3) 研究仮説と検証の方法 ( ア ) 自分が活用できそうな知識や技能を選択する ( イ ) 選択したことで これならできそうだ このことをあんなふうにするんだ という見通しをもつ ( ウ ) 家庭での実践を通して うまくいった という有用感や こうすればもっとよくなる ここを何とかしたい という新しい課題をもつ ( エ ) 新しい課題から 自分の家庭の実情に合った方法を考える
( オ ) 再度 家庭で実践する 以上の活動における 児童の姿や意欲の高まりをワークシートから見取る そして 次の過程につなげていく (4) 具体的な方策 手だて 1 実践に活用できそうな知識を習得させ 実践への見通しをもつことができるようにする 整理 整頓の学習では 自分の部屋や身の回りの整理 整頓について見直すことができるようにする 自分の部屋の写真を撮り 問題点を見付け そこから整理 整頓の方法を考えさせる 整理 整頓後の写真も撮り 前後の様子を比べ 使いやすさの違いから変化を実感させる その後 自分の身の回りから家族がよく使う場所に目を向けさせ 台所の整理 整頓とごみの分別の仕方について考えさせるようにする そこで 児童に身近なペットボトルを取り上げ 環境問題にも触れる ペットボトルの便利さと将来の環境への影響から ペットボトルとの付き合い方を考え 家庭の実情に合った実践につなげることができるようにする 自分が使う場所の整理 整頓の方法を知ったり 自分の生活に身近なペットボトルのよりよい活用方法を考えたりすることで 日常生活でも活用するための見通しをもつことにつながる 2 実践から自己有用感を覚えたり 新しい課題を見付けたりするための意見交流の場の設定 自分が考えた方法や実践したことを紹介し合う場を設定し 児童に自分の実践に対する自己有用感をもたせ 見直さなければならない課題をはっきりさせる そして 自分の課題を解決するために必要な知識などを児童が習得し 新しい見通しをもって実践にあたろうとすることができるようにする 3 児童の実践的な態度を育むために 1 2のサイクルを繰り返す 授業の中で 知識や技能を習得する 実践に向けた見通しをもつ 実践を通した自己有用感と新しい課題をもつ というサイクルを繰り返すことで 児童の生活をよりよくしようとする実践的な態度を育んでいく 5 単元の評価規準 家庭生活への 生活を 生活の技能 家庭生活についての 関心 意欲 態度 創意工夫する能力 知識 理解 身の回りの生活を見 身の回りの整理 整 身の回りの整理 整理 整頓の必要性や つめ 整理 整頓をし 頓や不用品の活用の仕 整頓ができる 仕方が分かる ようとしている 方について考えたり ごみや不用品の処理 工夫したりしている 活用の仕方が分かる 6 指導計画 ( 全 6 時間 本時 5/6 時間 ) 次 ( 時数 ) 学習内容 学習活動 主な評価の観点と方法 1 次 (1) 整理 整頓について理解する 自分の生活を振り 整理 整頓されていないと困ること 整理 整頓することのよさを話し合う 整理 整頓の必要性や仕方が分かる 発言 児童の様子
整理 整頓の必要性や方法を知る (2) 自分の身の回りの現状 自分の部屋や身の回りの写真を見を把握し 整理 整頓て問題点を見付ける の計画を立てる ( 計画 整理 整頓の方法を考え紹介し合う 書作成 ) 様々なアイデアの中から自分にできそうな方法を選ぶ (3) 整理 整頓について振 自分が考えた整理 整頓の方法を実り返りをする 践してみての感想や もっと工夫したいことを紹介し合う 2 次 (1) ごみの分別の仕方やペットボトルについて知る 整理 整頓の実践を振り返り 不用品の多さやごみの処理の大変さについて話し合う ごみの分別の仕方について知る ペットボトルの始末の仕方について考える ( 家庭におけるペットボトルの使われ方を調べる ) (2) 実践への見通しをもつ 家庭におけるペットボトルの使わ ために 資料をもとに れ方と始末の仕方を理解し合う ペットボトルと環境と ペットボトルの長所と短所を出す のつながりを知る ペットボトルに関する様々な資料 を読み取る 自分にできることを考える (3) 自分の家庭に合わせた 実践したことを紹介し合う 本時 新たな見通しをもつ 実践した結果や友達の実践を参考 にして 自分や家族の暮らしから よりよいペットボトルの活用方法 を考えて実践しようとする 整理 整頓の仕方につ いて考えたり 工夫したりしている ワークシート 児童の様子 工夫して整理 整頓し ようとしている ワークシート 自分の生活を振り返り 不要品の多さに気付く 発言 児童の様子 ごみの分別の仕方が分かる 家庭科ノート ペットボトルを増やさないために自分にできることを考える ワークシート 環境問題と家庭の実情とを理解し 自分の家庭に合わせた方法を考えようとしている 発言 ワークシート 7 本時の指導 (1) ねらい自分の家でのペットボトルの使い方等を調べる活動についての自己評価を紹介し合う活動を通して ペットボトルの分別の仕方や使用量等で見直すことに気付き 次の実践への見通しをもつことができる (2) 展開の構想 1 実践することの有用感をもたせる場の設定本時のはじめに 児童が各家庭で実践したことの自己評価を発表する場を設定する 児童の中には 実践がうまくいったと感じている子とそうでない子がいることが予想されるが まずは 一人一人の実践を認める場をつくり 児童に自分で考えた方法を実践したことへの
有用感をもたせる 自分の方法に有用感をもつことで 実践への意欲につなげたい 2 リサイクルの必要性と自分にできることとのすり合わせをする場の設定自己評価の低い児童や 自己評価は高いが新しい課題を見つけた児童の実践を取り上げる 児童からそのような感想が出ない場合は 教師の方から自分がやってみた方法に問題点はないか 今後もずっと継続していけることかどうかという投げ掛けをする そうすることで 環境のためにリサイクルの必要性は分かっていても 継続することの難しさや家庭の事情によってはできないこともあるという家庭とのつながりにも気付かせたい リサイクルの必要性と家庭の事情との間で どういう方法ならできそうか児童が自分なりに考えることで 家庭とのつながりを考えた実践につなげたい 3 使用量を減らすための実践の見通しをもつ場の設定本時の後半に 1 回目の実践と本時の学習をもとに 今後実践していくことを考える場を設定する ここでは ただ自分にできることではなく 使い方 リサイクルの工夫 使用量 の 3つの視点と 家庭の事情を関連付けて実践の見通しをもたせる そうすることで 同じ実践でも家庭の事情によって違うことや ペットボトルを使わざるを得ない状況でも自分にできる方法を考えることが大事であるということを理解し 家庭の実情に合った実践を行っていくことにつなげたい (3) 展開 時間 学習活動 教師の働きかけ 予想される反応 評価 支援 留意点 20 分 自分の実践を通した自己評価を紹介し合う T: 自分にできそうなことをやってみてどうだったか発表しましょう C: 今まで飲み終わったらそのまま捨てていたけど キャップとラベルをはずしてちゃんと分別したよ C: ペットボトルのお茶を買わないで家で作るようにしたら ペットボトルが減ったよ でも 作るのが大変だった C: 飲み終わったペットボトルに別の飲み物を入れてみたけど よく分からなかった C: うちはペットボトルのお茶じゃなくて 家で作ってもらおうと思ったけど お母さんが忙しくて作っている暇がないって言われた 児童に発表させるときに 先に実践に対する満足感を出させる その後で 実践したけれどうまくいかなかった児童の実践を出させる 児童から出ない場合は 教師から問題点はないか ずっと継続していけることかどうか投げ掛ける 問題や課題を整理していく 実践したことを伝えている 発言の様子 10 分 改善するための課題をもつ T: みんなが家でやってきたことから 頑張らなければいけないのは 使い方 リサイクルすること 増やさない努力 ということがはっきりしてきました ペットボトルの 使い方 リサイクル 使用量 の 3つの視点が大事であることに気 付かせる
T: さあ みんなは何を頑張りますか? C: 何回も使えばいいんだ C: ちゃんと分別して出さなければいけないな C: あまり買わないようにしようかな 15 次の実践の見通し T: 使い方 や リサイクル などに関する資 見通しをもたせるた 分 をもつ 料があります めに 3 つの視点にか C: ペットボトルはみんな同じだと思っていたけ かわる資料を提示す ど 数字によって種類が違うんだ る C: 表示なんて今までちゃんと見てなかったな C: こんなにペットボトルを使っていたんだ T: 今日の学習をもとに これからさらに頑張っ ワークシートに記入さ て続けていけそうなことをプリントに書きま せる しょう ペットボトルの 使い C: 飲み終わったペットボトルを捨てないで ま 方 リサイクル 使 たそこにお茶を入れてくり返し使おう その時 用量 の 3 つの視点か お茶の温度とペットボトルの種類に気をつけ ら次の実践方法を考 よう えさせる また 家族 C: ペットボトルを買わずに 家でお茶を作るの の実情ともつなげて は難しいから その分 ペットボトルのラベル 考えさせる をきちんと取って キャップもはずして分別し 一人で考えられない て出そう 児童には 例を出し C: 家族みんなに ペットボトルをきちんと洗っ 一緒に考える てつぶすよう呼び掛けよう 使い方 リサイク C: 毎日は無理だけど ペットボトルのお茶を買 ル 使用量 の 3 つ う回数を減らして その分家で作ってみよう の視点と家族の実情 とをつなげて 実践方 法を考えている ワークシート