特 第 巻 家族 看 護学 研 究 第 号 集:家族看護とジエンダーロール 働く女性とジェンダー問題 一妊娠-出産 産後に焦点を当ててー 静 岡 県立大 学 短 期 大 学 部 松 加寸子 演 四重苦 J を女性は請けおう状態といってもよいだろ つ はじめに そこで 本章では看護の視点 より妊娠 出産 産後 ける女性の地位も高まってきた 戦前のように早く み ま を中心にして 有職女性の支援について論 じる 近 多 くの女性が高等教育志望となり社会 にお た 新しい看護の視点について論じていきたい 結婚し子どもをもうけ 女性は家庭と育児のために 人生を生きるという思想から 職業(仕事が自分の ライフサイクルの変化 人生で重要な位置を占めると 考 え それが女性の生 きがいの重要な部分となる時代になってきた しか 図 し 現在においても 男性は社会的生産(仕事 女 lは日本における女性のライフサイクルの変化 である 性は人間の再生産(家庭J という伝統的な性役割が (昭和 では女性の平均寿命は 歳で 根強く 女性が仕事を続けるためには家事 育児と あったの に対して ( 昭和 には 歳と 仕事のいわば 三重苦J を強いられているのが現状で ( 平成 を超 えてい るその後 も伸び: あるさらに 今ではそれに親の看護-介護が加わり と比べ 歳と この聞に平均寿命は では L (昭和 ( 昭和 μ E Z (昭和 田 山 ( 平成 r 母性衛生j ( r 寸 平成 人口動態統計上巻J( 厚生省大臣統計情報部編 財団法人厚生統計協会出版よ り抜粋作成 人口動態統計では末子出産と い う記載はなく 第 子出産時齢を記載 した ( での第 子以上の出生率は % %と非常に低いため 出典 図 女 性 の ラ イ フサ イ クル の変 化
~ / "~ ノ ~ ~ ~
家族看護学研究 第 巻 第 号 表有職婦人と無職婦人との産科異常について有意差検定を行った文献一覧 有意差項目 勤労婦人>家庭婦人 産科異常項目 勤労婦人=家庭婦人 切迫流産 東大助産婦学校( 労働省 ( 一戸ら( 賓松ら( 流産 天羽ら ( 一 戸ら ( 竹村ら ( 川 鈴木ら( 菅原( 佐道ら ( 西川ら ( 賓松ら ( 労働省 ( 一戸ら( 佐道ら( 切迫早産 妊娠中の異常 早産 妊娠中毒症 死産 東大助産婦学校 ( 演松ら ( 塚田( 佐道ら ( 労働省( 中川ら ( 鈴木ら ( 斉藤(* 菅原( 一戸 ら( 川西ら( 演松ら( 心 労働省 ( 佐道ら ( 加藤( 却 竹村ら( 羽 生田ら ( お 藤本( 貧血 生の態一 得 の態 分娩時の異常一新児状一産時状 糖尿病 一戸ら ( 賓松ら ( 労働省 ( 一戸ら ( 天羽ら( 山下 ( ] 中川 ら( 先崎ら( 一戸 ら( 冨岡( 賓松ら( 演松 ら ( 演松ら( 異常出血 一戸 ら ( 賓松ら( 遷延分娩 鈴木( 出 一戸ら( 演松ら ( 前期破水 低出生体重児 一 戸ら ( 佐 道 ら( 新生児仮死 労働省( 一 戸ら ( 子 宮収 縮 状 態 注 一戸ら( j 賓松 ら ( 塚田( 初 演松ら( 賓松 ら ( 鈴木( 賓松ら( ( 内は報告された * 斉藤氏の調査実施は 男性雇用労働者の過労死に至る長時間労働が社会 表 lは 筆者が に報告を行った際にまとめ 的に問題となって久しいが 家事と仕事を合わせて た文献リストをもとに それ以降報告されたものを 働く女性の長時間労働 過重労働 精神的負担は 付け加えたものである 一般に有職婦人は無職婦人 キ 品 それにまさるとも劣らない問題であるといえる より肉体的 精神的疲労が大きいと予測されるが してや 女性が妊娠 出産した場合はどうなるので 当時就労が産科異常に影響を与えるかどうかについ あろうか ては 賛 否両 論 が あ り 結 論 を 得 て い な か っ たため 名を対象として調査を行ったその結果 切迫 就労が妊娠 出産 産後に及ぼす影響 早産のみに %以下の危険率で有職婦人の方が無職 婦人よりも有意に高いという結果を得た 男女の最も著し い違いは 女性は生殖という次世 表の通り 有職婦人の方が産科異常を発生すると 代の子どもを妊娠し 出産するという特有な機能を する報告や 影響を与えないとする報告に分かれは 有することである妊娠は 生理的な現象で病気では っきりとした結論は得ていないしかし 報告をみ ないが 女性の身体には妊娠していないときよりも ると若干古い報告の方が有職婦人に産科異常が発生 負担がかかっており また 妊娠経過中に何が起こる するという報告が多い傾向がみられる か分からないという不安定の状態にある 羽生田氏は 昭和 代 " ' に盛んに 家事 育児という主婦としての役割と就労により 行われた これらの調査 研究が引き金となり 労働 二重労働を強いられる女性が妊娠した場合 妊娠 基準法の女子労働者の保護に関する規定等が改定さ 出産 産後 新生児に様々な影響 を与えるのではな れ さらに勤労婦人福祉法 L かということで 今まで多くの報告がされている とみてよいのではないかと述べて いる 今回 が制定された