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ここで, 力の向きに動いた距離 とあることに注意しよう 仮にみかんを支えながら, 手を水平に 1 m 移動させる場合, 手がした仕事は 0 である 手がみかんに加える力の向きは鉛直上向き ( つまり真上 ) で, みかんが移動した向きはこれに垂直 みかんは力の向きに動いていないからである 解説 1

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小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

H30全国HP

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

問 一 次の各問いに答えなさい

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

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文章題レベルチェック(整数のかけ算、わり算)【配布用】

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

(2)【講義】

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

平成 28 年度山梨県学力把握調査 結果分析資料の見方 調査結果概況 正答数分布グラフ 分布の形状から児童生徒の解答状況が分かります 各学校の集計支援ツールでは, 形状だけでなく, 県のデータとの比較もできます 設問別正答率 無解答率グラフ 設問ごとの, 正答率や無解答率が分かります 正答率の低い設

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

問題解決的な学習スタイルを充実させるために 3 つのステップを積み上げましょう 課 題 板書を充実させる道具を用意している ( マグ ネット名札 学習の流れカード ) 黒板に日付を書き 単元の流れ 本時の流れを 掲示している ノートに日付 単元の流れ 本時の流れを書かせている 前時の振り返りをノート

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

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第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

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「標準的な研修プログラム《

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と 測定を繰り返した時のばらつき の和が 全体のばらつき () に対して どれくらいの割合となるかがわかり 測定システムを評価することができる MSA 第 4 版スタディガイド ジャパン プレクサス (010)p.104 では % GRR の値が10% 未満であれば 一般に受容れられる測定システムと

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

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平成 30 年度 品川区学力定着度調査 の結果から明らかになった課題と学力向上に向けた取組 ( 国語 ) 1. 国語の定着状況についての概要 どの学年もほとんどすべての項目において 目標値を上回った 昨年度から取り組んできた 文章を書き表す際の 言葉の正しい使い方の指導 が 言葉についての知識 理解

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目次 1. 研究動機 2. 研究を始める前に学校の生徒 先生に聞く 3. 確認実験 4. 研究目的 5. 研究内容追究 1 何も加えていない状態 砂 ( ほこり ) 水のすべりにくさについて調べる実験 1 何も加えていない状態 砂 ( ほこり ) 水のすべりにくさの違いについて調べる 追究 2 追究

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

調査の目的と概要 Ⅰ 調査の目的 札幌市の児童生徒の実態に関する基礎調査 は 札幌市の小学生 中学生 高校生の意識や心情 生活 行動などについて 継続的に調査し その実態の変容を明らかにすることにより 子どもを取り巻く社会変化や教育情勢と子どもの生活との関連性を客観的に把握し 教育施策の推進に資する

13章 回帰分析

物体の自由落下の跳ね返りの高さ 要約 物体の自由落下に対する物体の跳ね返りの高さを測定した 自由落下させる始点を高くするにつれ 跳ね返りの高さはただ単に始点の高さに比例するわけではなく 跳ね返る直前の速度に比例することがわかった

国語 A: 本校と全国の領域別平均正答率比較 話すこと 聞くこと 90.8% 書くこと 73.8% 読むこと 74.0% 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 67.0% 考 察 話すこと 聞くこと では 相手や目的に応じて 理由や事例などを挙げなが ら筋道を立てて話すことができています 今後も

強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦

あったらいいな ! こんなあそび場 (わたしの町大好き)

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

データ概要調査対象 : 留学ジャーナルから 7 月 ~9 月に短期留学 (1 週間 ~4 週間の留学を指す ) した大学生に任意で実施したアンケート調査の結果調査人数 :64 名調査期間 :2016 年 9 月 26 日 ~10 月 16 日 留学期間 1 週間以内 2 週間 3 週間 4 週間 合

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平成 25 年度の全国学力 学習状況調査の下野市の全体の結果 ( 国語, 算数 数学 ) は, 小学校, 中学校ともに, すべての領域で, 全国平均正答率を上回る結果となった 小学校の全国学力調査全体結果について 小学校は国語 AB, 算数 AB ともに, 数ポイント全国平均正答率を上回っていた 小

[ 授業実践の詳細 ] 1 時限目 ラオスを見に行こう! 1 子どもの活動の流れこの時限のねらい 1 ラオスの場所や 貨幣の価値 簡単な言葉の意味など ラオラオスに対して 貧しい 食べるスの基本生活のクイズを行う ものがない というマイナスのイメー 2 ラオスの国について簡単にわかったところで 付箋

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

社会系(地理歴史)カリキュラム デザイン論発表

4. タブレット端末の利用状況 ( 利用機材の内容と利用のねらい ) ハードウェア機材名 :ipad ねらい : 水が流れる様子や地形が変化した様子を確認できるよう 動画で撮影し記録する 上流 中流 下流それぞれの様子が撮影できるよう ipadは3 台準備する 機材名 :ENVY110( 複合印刷機

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Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

テレコンバージョンレンズの原理 ( リアコンバーター ) レンズの焦点距離を伸ばす方法として テレコンバージョンレンズ ( テレコンバーター ; 略して テレコン ) を入れる方法があります これには二つのタイプがあって 一つはレンズとカメラ本体の間に入れるタイプ ( リアコンバーター ) もう一つ

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総合的な探究の時間 は 何を 何のために学ぶ学習なのか? 総合的な探究の時間 は与えられたテーマから みなさんが自分で 課題 を見つけて調べる学習です 総合的な探究の時間 ( 総合的な学習の時間 ) には教科書がありません だから 自分で調べるべき課題を設定し 自分の力で探究学習 ( 調べ学習 )

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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また 情報の作り手としての活動も学習に組み込まれている 放送局は情報の作り手として 考えたことや伝えたいことなどから話題を集め 収集した知識や情報を関連付け 目的や意図に応じて 事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫している これは 学習指導要領に示されている 話すこと 聞くこと の話すこと内容と同

小学生の英語学習に関する調査

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2 2.1 ( ) ( 1) 1 ( ) C: y = ax 2 k : x = p P C P l P l h h k m m p 2 l( 2) y = ax 2 y = 2ax P(p, ap 2 ) l y = 2ap(x p) + ap 2 y = 2apx ap 2 p 0 h y =

(3) 指導観本単元の指導に当たっては, はじめに力の合力 分力に関する作図法を習得させるとともに, その力に関する知識を押さえ, 記録タイマー等の基本的な実験操作を習得させながら実験を行い, その結果を根拠に, 力と速さ, 運動の法則を考察させたい また,ICT を活用してイメージをもたせたり,

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タイトル 摩擦 科学教室 ~ 見えない摩擦を見てみよう~ 対 象 専門家 大学生 中高生 小学生 未就学児童 スタイル 講義 実験ショー ブース形式 参加型 難易度 準備 ( 素材の入手, 作製のスキル ) 簡単 1 2 3 4 5 難しい 実演 説明 ( 再現性 ) 簡単 1 2 3 4 5 難しい 概 要 摩擦への理解を深めるとともに, 予想を立て, 科学的に実験 検証することで, エンジニアの仕事の流れを体験することを目的とする. 最初に 鎌倉の大仏を動かすには, 何人の小学生が必要だろうか? という課題を与える. この課題に対する回答を導き出すために, 実験 検証を行い, 測定データから大仏を動かすために必要な人数を算出する. まず, 机上実験として, 粗い面の上に箱を置き, これを引っ張って滑らせるために必要な荷重を測定する. 箱の重量を変えてグラフ化することで, 目に見えない摩擦を目に見える形に表現できることを学んでもらう. 机上実験のデータと小学生の力の実測値から, 鎌倉の大仏を動かすために必要な小学生の人数が算出できる. 次に, 机上実験から得られた結果が正しいかを検証するため, 机上実験と同じ条件で大人 1 人が乗った台を引っ張る実験を行い, 計算結果の信頼性を確認する. さらに, 箱に車輪をつけて引っ張る机上実験と, 大人を台車に乗せて引っ張る検証実験から, 転がり摩擦の利点を理解してもらう. 問題に対する解を予想し, 実験, 検証を行いながら開発を進めていくエンジニアの仕事の流れを体験することで, 技術開発の楽しさを実感してもらえないかと工夫したつもりである. なお, 本教室は小学 5,6 年生向けとして企画したが, 開催案内に対して応募があった, 科学に興味のある児童を対象にしている. 対象学年のわりには, やや高度な内容になっているかもしれない. 用意するもの 講義 パソコン, プロジェクター, スクリーン 実験 (1) 机上実験 箱, おもりを入れられるようなもの ここでは工作用プラスチック板 ( タミヤ製ユニバーサルプレート ) を使用 質量 :300g 車輪, 上記の箱に組み付けられるもの ここでは模型用車輪と, 玉軸受が組み込まれている支柱 ( ミスミ製 ) を使用 おもり (300g) 3 紙やすり デジタルフォースゲージ (5N,50N,1000N 用 )or ばね計り 記録用紙 (2) 検証実験 大人が乗る台 台車 紙やすりを貼った板

実験装置 の作り方 (1) 机上実験 箱 滑り摩擦の実験が終わったら, 箱に車輪を付ける. 車輪は既製品でよい. 箱に車輪をつけたもの車輪部分車軸の支柱 ( 玉軸受入り ) (2) 検証実験 机上実験とできるだけ同じ条件となるよう配慮した. 大人が乗る台 台の裏側 紙やすりを貼った板 すべり摩擦の検証実験では, 大人が乗る台の裏側に, 机上実験で使用した箱と同じ樹脂製の板を貼り付け, 紙やすりを貼った板の上を滑らせた. 実験の様子 転がり摩擦の検証実験では, 車輪を取り付ける 代わりに, 大人が乗る台を台車に載せた.

実験 実 演の手順 スタッフ博士 : 講師, 検証実験を含めた全体の進行役 1 名 TA( ティーチングアシスタント ): グループ単位で行う机上実験の進行, 児童が行う計算のフォローなど児童 2~3 名を 1 グループとし, 各グループにエンジニア 1 名を配置した. 1. 講義 1( イントロダクション ) 博士,TA が自己紹介する. エンジニアって何をする人だろう, どんな仕事をしていると思いますか? と問いかける. 課題を提示する. 鎌倉の大仏(120 トン ) を引っ張るのに何人の小学生が必要だと思いますか? 予想を解答用紙に書いてもらう. 摩擦の基礎について解説する. 摩擦とは何か. 手をこすってみるなどして, 摩擦を感じてもらう. 2. 実験 1( 滑り摩擦の机上実験 ) TA の指導のもと, 各グループで滑り摩擦の実験を行う. (1) 紙やすりの上に箱 ( 質量 300g) を乗せ, 引っ張る力を測定する. デジタルフォースゲージ 50N を使用測定のコツ : できるだけゆっくり引っ張る ( 速く引っ張ると測定値がばらつく ) (2) 測定値を記録用紙へ記載する. 3 回測定し, 結果は全て記録用紙にまとめる (3) 300g のおもりを箱に載せ, 引っ張る力を測定する. 300g,600g,900g,1200g の 4 条件 3 回 = 合計 12 回測定する (4) 測定値をグラフにする. 力の単位は [N] を使う. 1N は 100g の物体に働く重力とほぼ同じです. 詳しくは高校生になってから習うよ. と教える. 3. 講義 2( 摩擦の法則 ~ 大仏を動かすために必要な力は?) 実験で分かったことを確認する. 摩擦力は, おもりの数を増やすと大きくなる. 摩擦力は, 摩擦面に直角に働く力に比例する. 摩擦の第一法則 摩擦の原理, 凝着, 掘り起こし などの説について解説する. 鎌倉の大仏を引っ張るために必要な力を求める. 机上実験のグラフから, 比例関係により, 各児童に答えを算出させる. 4. 実験 2( 小学生 1 人の力を実測 ~ 大仏を動かすために必要な小学生の数は?) 児童 1 人を選び, デジタルフォースゲージ 1000N 用を使って, 小学生 1 人がロープを引く力を測定する. ロープを繋いだ測定器を大人が持ち, 児童にロープを引かせて測定する. 転ばないように注意する.

測定結果から, 鎌倉の大仏を動かすために必要な小学生の数を各児童に算出させる. 5. 実験 3( 滑り摩擦の検証実験 ~ 考察 ) 異なる対象 ( 台に乗せた大人 1 人 ) を動かすために必要な小学生の人数を実験で求め, 机上実験から算出した値の信頼性を確認する. (1) 大仏の場合と同様にして, 体重 90kg( 参考 ) の大人を動かすために必要な小学生の数を各児童に算出させる. (2) 紙やすりを貼った板の上で, 大人 1 人を乗せた台を引っ張る.1 人からスタートし, 台を引く児童の数を 1 人ずつ増やしながら, 大人 1 人を動かすために必要な人数を実測する. (3) (1) で求めた答えと,(2) で得られた実測値を比較する. 答えが違う場合には, なぜ, 計算結果と実験結果が違ったのかを考察させる. 小学生 1 人が出せる力はそれぞれ違うから 机上実験と検証実験で, 紙やすりの粗さが違ったから 台の下面が汚れていたから 測定結果に誤差やばらつきがあったからなど 摩擦力 は摩擦面の状態によって変わり, 摩擦力 を正確に予測することは難しいことや, ばらつきを考慮してエンジニアは機械を設計する ことなどを解説する. 6. 講義 3( 滑り摩擦のまとめ ~ 転がり摩擦への展開 ) 今回の実験で分かったことを整理する. 重いもの ( 大仏, 大人 ) を引っ張るには, 大きな力 ( 多くの人数 ) が必要. どれくらいの力が必要かは, 計算で予想することができる. どうすれば摩擦を小さくできるだろうか? を問いかける. 滑らせるより, 転がす方が摩擦は小さいのではないか. 転がり摩擦利用の歴史( 丸太 ( ころ ) の使用, 車輪の発明 ), 転がり摩擦を利用した転がり軸受のしくみを解説する. 車輪と転がり軸受を使えば, 摩擦を小さくできる. 7. 実験 4( 転がり摩擦の机上実験 ) TA の指導のもと, 各グループで転がり摩擦の実験を行う. (1) 実験 1で使った箱に車輪, 軸受を組み付ける. (2) 車輪つきの箱を用いて, 実験 1と同様に摩擦力を測定する. 摩擦が小さいため, デジタルフォースゲージは 5N 用を使用する. (3) 測定結果をグラフにまとめる. 滑り摩擦の実験結果のグラフに重ねて書く. 車輪を使ったとき, 鎌倉の大仏を動かすために必要な力を算出させる. 上記 (3) のグラフから, 比例関係により, 計算する. 車輪を使ったとき, 大仏を動かすために必要な小学生の人数を算出させる. 8. 講義 4( 転がり摩擦実験のまとめ ) 実験で分かったことを確認する. 滑らせるより転がした方が, 引っ張る力を小さくできる.

車輪と軸受を使えば, 摩擦を小さくできる. 9. 実験 5( 転がり摩擦の検証実験 ) 台車に乗せた大人 1 人を動かすために必要な小学生の人数を実測し, 実験 4から算出した値の信頼性を確認する. 車輪を使った転がり摩擦に対して, 実験 3と同様の実験を行う. 10. 講義 5( 全体のまとめ ) 摩擦は小さい方がいいと結論づけられる実験を行ってきたが, 摩擦が大きい方がいい場合もあることを, 自転車のブレーキなど, 身近な事例を使って説明する. 摩擦について書かれている本を紹介する. エンジニアは日頃の問題に対して科学的 ( 論理的 ) に予想し, 予想が合っているかどうかを, 実験で確認していく. こうして分かった新しい技術を使って, 役立つものが作られている. 楽しく夢のある仕事であることを伝え, 将来, エンジニアになっていろんな科学に挑戦して下さい と締めくくる. 実験結果 と考察 個々の実験とその考察については上記の通りである. 実際の教室では, 以下のような問題点, 懸念点が生じた. (1) 児童による実験 滑り摩擦の実験では, 大人を引っ張るために必要な子供の数は 3 人と算出されたが, 実際には 2 人で引っ張ることができた. 転がり摩擦の実験では, 算出した結果と検証結果は同じ値 ( 小学生 1 人で十分 ) となった. デジタルフォースゲージの扱い方によって測定値に差が出た. (2) 計算やグラフ化の作業 普段使わない単位[N] を使ったことに混乱は無かった. 計算にかかる時間には個人差がある. グラフから読み取って比例計算することも,70% の児童が問題なくできた. (3) その他滑り摩擦では机上での結果と, 検証結果の値が異なってしまった. 机上と検証の実験条件を同一にする難しさや, 測定のばらつきなど, さまざまな条件が重なっていると考えられるが, これを生徒にどう伝えるかは講師の力量にかかってくる. 費 用 机上実験 箱 600 円 車輪, シャフト込み 1,000 円 ベアリングホルダ( 車輪取り付け用 ) 7,240 円 (@1,810 4 個 ) 検証実験用機材は, 社内で別の機会に行っている低学年向け科学教室の機材を流用した. おもりはベアリングの鋼球を袋に詰めたものを使用, デジタルフォースゲージは社内実験用のものを借用した. 詳細問い 合わせ先 日本精工株式会社竹内克典 takeuchi-k@nsk.com