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' 1 88(122) SY11: シンポジウム 11 筋層非浸潤膀胱癌の治療 筑波大学 '), 弘前大学 2) 赤座英之 '), 大山力 2) 司会のことば 筋層非浸潤膀胱癌 (non-musclemvasivebladdercancer;nmibc) は さまざまな生物学的特性を持つ尿路上皮癌の集合体としてとらえる必要がある 膀胱筋層に浸潤しない腫瘍であっても TURBT 後の再発率 再発腫瘍の stage や組織学的異型度の悪性進展化率 あるいは 生命予後が大きく異なるものが混在するからである したがって NMIBC の治療方針の決定には 最新の知見に基づく十分な考慮が必要である 本シンポジウムでは 次の項目についてエキスパートの先生方に話題を提供していただき よりよい NMIBC 治療の在り方を検討したい 樋之津史郎先生 生物統計学からみた筋層非浸潤膀胱癌の特徴古瀬洋先生 Low-h]termediateRisk 筋層非浸潤癌に対する治療横溝晃先生 HighRisk 筋層非浸潤癌に対する治療米山高弘先生 PostBCG 膀胱内注入療法 ;BCGfailure に対する治療小原航先生 筋層非浸潤性膀胱癌に対する術後再発予防を目的としたがんペプチドワクチン療法 SY11-1 生物統計学からみた筋層非浸潤膀胱癌の特徴 京都大学医学研究科薬剤疫学分野樋之津史郎 筋層非浸潤膀胱癌は T 生命予後は良好であるが膀胱内再発を繰り返すことがその特徴の一つである 膀胱内再発に対して 抗がん剤や BCG を用いた膀胱内注入療法が行われ リスクとベネフィットを勘案しながら使用する薬剤が選択されている 再発の中には異型度や深達度の進行または転移を認める場合もあり 内視鏡手術でコントロール可能な再発を繰り返す場合と別に扱い 特に注意して経過観察しなければならない 現在の生物統計学的手法では複数のイベントが生じる場合の評価に対して十分なツールが開発されているとは言い難い たとえば 喘息発作をイベントとして一定時間単位内に発生する頻度を比較するという方法は他の領域で行われているが 膀胱癌の progression も加味した評価を行うのは非常に難しい. では逆に 最初の progression をイベントとして評価するという考えもあり得るが そうすると それまで繰り返される筋層非浸潤性膀胱癌の再発は考慮しないことになってしまう 今後 質の違う複数イベントを考慮した評価方法を開発する必要があると思われる また 現在生存時間解析に多く用いられている検定はログランク検定か一般化ウイルコクソン検定であるが これらはイベントの起こる順番を考慮して検定しているのみで順番が同じであれば 1 年間に起こったイベントと 10 年間に起こったイベントを同じに扱う 時間を考慮したハザードのグラフ化は その一つの方法としてスムージングの手法を用いて可能である しかしながら ハザードを経時的に表示しているのみで 生存率で言えばカプランマイヤー推定量を計算していることに相当する つまり群間比較を行う統計学的検定ができない ハザードの信頼区間を表示するなどの工夫を加えることによって群間差を明らかにする改善が可能かどうか 今後検討の余地がある その他にも 有害事象の評価や 日本のデータを用いたリスク分類の構築など 筋層非浸潤膀胱癌の領域には生物統計学が解決に寄与する部分が多く残されている 今後 生物統計家と協力して少しずつであっても臨床医が納得できる形で解決していくことが重要であると考える

尹公 兎 M) 89(123) SY11-2 Low-lntermediateRisk 筋層非浸潤癌に対する治療一内外のガイドラインを踏まえた治療指針の検証一 浜松医科大学泌尿器科, 古瀬洋, 大園誠一郎 一般的に 筋層非浸潤性膀胱癌に対する TURBT 後の腔内再発率は 50-70% と高く 10-20% では再発時の病理組織学的進展がみられることが報告されている これは ヨーロッパ泌尿器科学会 (EAU) の 2006 年版ガイドライン (GL) で Low Intermediate(1,t)risk と定義される腫瘍にもあてはまり 1 年および 5 年の時点での再発の可能性は Lowrisk が 15% および 31% Intrisk が 2438% および 46-62% となっており 決して低い数字とは言えない したがって Lowrisk 腫瘍でも TURBT のみでは再発の抑制が不十分であると考えられ 近年では EAU および米国の NationalComprehensiveCancer Network(NCCN) の GL においても TURBT に加えて抗癌剤の術後即時単回注入による再発予防が推奨治療となっている 特に Lowrisk 腫瘍では 国内および海外の RCT で即時単回注入の有用性が確認されており それらのメタ解析でも単回注入により再発の risk が 40% 減少し その効果は抗癌剤の種類によらないことが確認され 推奨治療とすべき根拠となっている 一方で mtrisk 腫瘍は EAU の GL では 進展が Intrisk という条件が付いているものの Highrisk 腫瘍と同じ範艤で記載されている これらに対しては 術後即時単回注入に引き続いて さらなる抗癌剤の注入もしくは最低 1 年の BCG 注入が推奨されている 特に 抗癌剤の注入の最適なレジメは 結論は出ていないと断った上で 6-12 カ月は行うことが推奨されている これら海外の GL ならびに臨床研究結果を踏まえて 昨年国内で刊行された膀胱癌診療 GL でも 筋層非浸潤性膀胱癌に対してまず completeturbt を行った後に Lowrisk 腫瘍には抗癌剤の術後即時単回注入を行い mtrisk 腫瘍には即時注入に引き続いて維持注入を行うことを いずれも推奨グレード A としている 内外を問わず Low および Intrisk 腫瘍においては risk 分類によって即時注入のみか維持注入かの使い分けについて ほぼコンセンサスが得られているものと思われるが 維持注入における薬剤の種類 注入する回数 濃度 期間などの点についてはさらに検討が必要である これらの背景に基づき 2003 年 5 月から 2009 年 12 月までに当施設で施行した TURBT 症例 336 例のうち complete に切除し得たと考えられる初発例 72 例について risk 分類別の治療成績について検討を加え報告する予定である SY11-3 HighRisk 筋層非浸潤癌に対する治療 九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野 横溝晃, 内野洋志, 黒岩顕太郎, 内藤誠二 はじめに 筋層非浸潤性膀胱癌のリスク分類は EAU ガイドラインでは 腫瘍数 腫瘍サイズ 再発歴 T 因子 併発 CIS 異型度のスコアの合計で それぞれ再発と進展のリスクが決められている 一方 米国 NCCN のガイドラインでは 主に病理学的因子を中心に行われ Ta/lowgrade Ta/highgrade Tl/lowgrade T1/highgrade Tis 群の 5 つに分類されている これらのガイドラインを踏まえ 2009 年に発行された日本の膀胱癌診療ガイドラインでは highrisk 筋層非浸潤癌は T1 highgrade あるいは CIS 多発性 再発性と記載された いずれのガイドラインも T1 highgrade 腫瘍に対しては 2ndTURBT が推奨され 主治療として BCG 膀胱内注入療法が記載されている 当院でもこれらに準じた治療方針でこれまで治療を行っており 下記の結果を得たので報告する 目的 lhighrisk 筋層非浸潤癌の中でも 特に Tl highgrade 腫瘍に対し 当科では 2006 年 3 月以降より 2ndTURBT を行う方針としている 今回 2001 年以降 当院で TURBT を施行され T1 と診断された症例の予後に関する後ろ向き検討を行った 対象 Tl と診断された 86 症例の内 2ndTURBT にて T2 と診断された 2 症例を除く 84 症例を対象とした 結果 観察期間は 1-79 ヵ月 ( 中央値 34 ヵ月 ) で 併発 CIS を合併していたものは 22 例 (27%) であった T1 と診断後 2ndTURBT を受けたものが 27 例 (31%) あり その中で BCG 膀胱内注入療法が施行されたものは 17 例であった また 初回の TURBT 後 抗癌剤膀胱内注入療法または BCG 膀胱内注入を施行されものは それぞれ 28 例 (32%) 18 例 (21%) であった さらに 4 例に膀胱全摘 1 例に抗癌剤動注十放射線療法が施行された 5 年癌特異的生存率は 86% 5 年膀胱内非再発率は 46% 5 年無増悪生存率は 90% であった 病期進行に有意に相関する因子は腫瘍数 ( 単発対多発 ) のみであった 結論 5 年癌特異的生存率 無増悪率 膀胱内再発率は諸家の報告と同等もしくはそれ以上であり 今回さらに観察期間を延長したデータを供覧する予定である さらに Highrisk 筋層非浸潤癌に対する BCG 及び抗癌剤注入療法の治療成績についても報告したいと考えている

L,] P 90(124) SY11-4 Post=BCG 膀胱内注入療法 ;BCGfailure に対する治療 弘前大学大学院 米山高弘, 盛和行 I11!. 11 TURBT とその後の BCG 膀注療法は筋層非浸潤性膀胱癌治療の goldstandard である しかし 副作用で BCG 膀注療法を中断すれば十分な臨床効果は期待できない 有用な副作用対策を講じて治療を完遂することが重要な課題となる さらに Post BCG として新しい膀注療法の開発は副作用対策という意味と BCGfmlure への対処法という二つの重要な意義を持つ 副作用軽減対策として 1 回投与量の減量が挙げられる 治療効果を維持しつつ BCG はどこまで減量可能なのか?Connaught 株は l/3 まで減量可能であると報告されているが 日本株ではどうか? 我々は TURBT 後再発予防として日本株 BCG80mg 投与の 85 例と 40mg 投与の 65 例とを比較する hlstoricalcohortstudy を行った 非再発率は 両群間に有意差を認めなかった (p=06377) 一方 副作用全出現率は 40mg 投与群 600% 80mg 投与群 800% で 40mg 投与群で有意に低かった (p=0012) 副作用別では 頻尿の程度が 40mg 群で有意に軽度であった (p=0013) 投与量減量により 治療効果を損なわずに副作用を軽減する可能性が示唆された 現在 国内で低用量 BCG 膀注療法に関するランダム化比較試験が進行しており その結果が待たれる 副作用対策としては BCG 減量のほかに オフロキサシン投与が有用との報告もある 投与間隔延長や膀胱内保持時間 短縮の報告もあり これらを組み合わせて有効性を損なわずに副作用を軽減する工夫が必要である 本邦では BCG 製剤として日本株と Connaught 株の 2 種類が使用可能である これらは 菌の性質や作用機序が異なることから BCG 菌株の交替療法など 如何にこの 2 剤を使い分けてゆくかが今後の課題である また Gemcitabine や BCG+IFNa の注入療法が報告されている さらに MMC 誘導体の apaziquone や electromotivedmgadministration との組み合わせも報告されており PostBCG としての実用化が期待される BCG の抽出成分も生菌と同等の効果があると考えられている 国内で肺癌や白血病の治療に用いられていた BCG 細胞壁成分 BCGCWS は最近海外で卵巣癌や大腸癌に使用されている マイコバクテリア細胞壁抽出物の CIS における有効性の検討や BCG 抵抗例における mycobacterialceuwalldnacomplex を用いた第三相試験も進められている 当科では ナノ粒子化した BCG から有効な菌体成分を抽出し 臨床応用さらにはテーラーメード化膀注療法を目指し 基礎的研究を行っている 最近では mycobacterialcellwall を封入したリポゾームの研究が報告され PostBCG として期待される SY11-5 筋層非浸潤性膀胱癌に対する術後再発予防を目的としたがんペプチドワクチン療法 岩手医科大学医学部泌尿器科学 '), 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 2), 徳島大学疾患ゲノム研究センターゲノム制御分野 3) 小原航 1), 兼平貢 1), 高田亮 12), 角田卓也 2), 吉田浩二 2), 片桐豊雅 3), 中村祐輔 2), 藤岡知昭 1) がんペプチドワクチン療法は外科療法 化学療法 放射線療法に続く新規治療法として期待されている 我々はこれまでに東京大学医科学研究所との共同研究により ゲノム包括的解析による膀胱癌の網羅的遺伝子発現プロファイルを構築し 膀胱癌に特異的な遺伝子を同定し機能解析により癌化に関わるメカニズムを明らかにしてきた さらに 新規腫瘍抗原 (oncoantigen) として MPHOSPH1(M-phasephosphoproteinl) および DEPDCl(DEPdomain containingl) 遺伝子由来 HLA-A 鱗 2402 拘束性エビトープペプチドを作製開発し 倫理委員会承認のもと医師主導型第 1 相臨床試験を行い 進行性膀胱癌症例に対する新規ペプチドワクチン療法の安全性 免疫反応 ( ペプチド特異的細胞障害性 T リンパ球の増加 ) および臨床的抗腫瘍効果が確認された 現在 多施設共同第 2 相臨床試験として筋層非浸潤性膀胱癌に対する TUR 後の再発予防効果を検証中である 主たる適応基準は TURBt および second TURBt 後の膀胱癌 (Lowrisk 症例は除外 ) で 免疫染色により腫瘍組織中に MPHOSPH1 あるいは DEPDC1 の発現を認める症例である 術後に BCG( イムノブラダー 40mg) 膀胱内注入 ( 計 8 回 ) およびペブチドワクチンの皮下投与 ( 計 11 回 ) を行い 最終的に HLA によるキーオープンにより臨床的有用性を評価するプロトコールとしている これまでに 90 例がエントリーされ ワクチン投与による重篤な全身有害事象は認めない一方で約 2 割の症例で膀胱刺激症状等により BCG 膀注が完遂不能である 介入後 6 ヶ月の時点での全体無再発率は 895% である 短期間の途中経過ではあるが ペプチドワクチン療法の認容性は十分で 再発予防の新規アジュバント治療として有用となりうることが示唆されている 新規治療法の開発には非常に高いハードルが存在するが 我々は理想の医療を追求しべプチドワクチンの医薬品承認を目標としている

154(188) APP-O15PsA 結合糖鎖の癌性変化を応用した新規バイオマーカーの検討 北里大学医学部泌尿器科 '), 東京エ業大学 イノベーション研究推進体 2) 佐藤威文 l), 福島慶子 2), 山下克子 2), 伊東一郎 1), 佐藤絵里奈 1), 田畑健一 1), 松本和将 1), 岩村正嗣 1), 馬場志郎 ') 背景 血清腫瘍マーカーである前立腺特異的抗原 ( 前立腺特異抗原 (prostate-specificantigen:psa) は 前立腺癌患者血清中での増加は顕著であるが 良性疾患である前立腺肥大症においても高値を呈することが知られており 前立腺癌に特異的な腫瘍マーカーの確立が望まれている また我々は 糖鎖の構造変化が癌化の指標となり得ることをこれまでに確認してきており (ChnCancerResll:2771-2777,1998) PSA 糖鎖の癌性変化を指標とした 新規バイオマーカーの有用性につき検討をおこなった 対象と方法 精漿由来 PSA と PSA 高値前立腺癌患者血清を用いて数種のレクチンカラムクロマトグラフィーを行い 診断に有用と思われる Trichosanthesjaponicaagglutmm(TJA) -11 固定化レクチンカラムをスクリーニングした 20 例の前立腺癌患者血清 (43890,9/mltotalPSA) 及び 20 例の前立腺肥大症患者血清 (4,9-15,9/mltotalPSA) を用いて TJAII レクチンカラム素通り画分と結合画分を分画した後 ELISA 法により血清中 PSA 濃度を測定した 更に 正常前立腺組織 2 例 および前立腺癌組織 2 例について リアルタイム PCR 法を用いて PSA 糖鎖構造変化の背景となる糖転移酵素の発現変化につき検討した 結果 十数種のレクチンカラムクロマトグラフィーにより遊離型 PSA の糖鎖構造を解析したところ 癌患者血清 PSA 糖鎖の非還元末端に前立腺肥大症患者血清 PSA 糖鎖に検出されない β-n- アセチルガラクトサミン残基及び ul2 フコシル残基が結合していることが確認された さらに 同レクチンカラム素通り画分と結合画分を分画した後 ELISA 法により血清中 PSA 濃度を測定した結果 カットオフ値を 022,9/ml と設定すると 95% 以上の精度で前立腺肥大症と前立腺癌が判別可能となることが確認された 結語 血中 TJA-II 結合 PSA 濃度を指標とした前立腺癌診断は擬陽性率が低く 前立腺癌に特異的な新規バイオマーカーとして有用であると思われる また これまでにも PSA の糖鎖構造変化に着目してレクチンを用いた前立腺癌を診断する試みがなされているが TJA-II レクチンはそれらに比べて標的糖鎖に対する結合が強く かつハプテン糖による回収率が高い特徴を有している 当該研究は特許出願中であり 次世代型 PSA 測定法の確立に向けた更なる開発研究を進めている APP-O16 糖鎖抗原類似ペプチド IF7 を用いた効果的な癌特異的化学療法の開発 l l ll 111I 鷹揚郷腎研究所弘前病院 1), 弘前大学大学院医学研究科 2), バーナム研究所 3) 畠山真吾 '), 山本勇人 '), 岡本亜希子 '), 斉藤久夫 '), 坪井茂 '), 山谷金光 '), 舟生富寿 '), 大山力 2), 福田道子 3) < 背景 > 癌化学療法において効果を高め副作用を抑えるには高濃度の抗癌剤を癌のみに到達させることが重要である 近年 分子標的薬が登場したが EGFR や VEGF などは通常細胞にも発現しており副作用の出現が回避できない薬剤となっている また細胞が癌化する過程において細胞表面の糖鎖が大きく変わることは多数報告があるが その糖鎖変化を標的にした治療法は未だ発展途上にある 我々は糖鎖抗原類似ペプチドが癌血管上皮のアネキシン A1(AnxA1) に特異的に結合することを報告した (PNAS2009) AnxA1 はレクチンの 1 つで 固形癌の血管上皮に特異的に発現することが報告されている またペプチドは容易かつ安価に化学合成可能であり抗癌剤との接合による修飾も可能であることから 糖鎖抗原類似ペプチドー抗癌剤複合体を作成し AnxA1 を標的とした癌特異的化学療法の可能性を検討した < 対象と方法 >AnxA1 ノックアウト (KO) マウスで AnxA1 と腫瘍形成能について検討した ペプチド提示 PhageLibrary を用いて AnxA1 特異的に結合する IF7 ペプチドを Screenjng し コントロールペプチドとして逆配列の RQ7 ペプチドを使用した 示差走査熱量測定 等温滴定カロリメトリーにて AnxA1 と IF7 ペブチドとの結合能を検討した IF7 ペプチドを蛍光標識である Alexa488 と接合させ DorsalSkinfO1dchamber 法にて II1vivotumortargetingassay を行った IF7 ペプチドを新規抗癌剤ゲルダナマイシン (GA) と接合きせ抗癌剤ペプチド複合体を作成し (Ⅳ7-GA) これを用い前立腺癌乳癌 メラノーマモデルマウスヘの治療効果を検討 また血液 病理検査にて副作用 組織障害について検討した 動物実験は動物倫理委員会の承認を受けて行った < 結果 >AnxA1KO マウスでは腫瘍形成能が低く病理学的にも毛細血管形成が欠落していた n1vi 亡 obmdingassay にて AnxA1 と IF7 ペプチドの結合を確認した Tumortargetingassay では DorsalSkinfOldchamber 内に植えた癌に IF7 ペプチドが集積するのを確認し この集積は抗 AnxA1 抗体により抑制された また担癌マウスでは IF7 ペプチドを静注後 速やかに循環から消失した その消失速度は腫瘍サイズと相関していた 以上より血液内の IF7 ペプチドが癌に取り込まれたと考えられる 前立腺癌 Bl6 メラノーマ 乳癌モデルマウスヘの IF7-GA の投与によりすべての腫瘍でサイズの縮小がみられ Apoptosis が冗進していた < まとめ > 糖鎖抗原を模倣した IF7 ペプチドが癌特異的分子であるアネキシン A1 に結合することを利用した癌特異的化学療法の治療効果について確認した ペプチドは安価に合成可能で 論理的に各種抗癌剤と組み合わせることが可能である マウスでの検討ではあるが効率の良い抗癌剤を開発する方法として有効と思われる ' 二 ll l I1Illl

鐘墾垂 165(199) APP-O37 前がん段階にある尿路上皮ならびに尿路上皮がんにおける DNA メチル化プロファイル :DNA メチル化状態に基づく発がんリスク評価と病態診断 国立がんセンター研究所病理部 '), 札幌医科大学医学部泌尿器科 2), 国立がんセンター中央病院泌尿器科 3), 東京医科歯科大学難治疾患研 分子細胞遺伝 4) 西山直隆 '2), 新井恵吏 '), 千原良友 '), 藤元博行 3), 細田文恵 9 柴田龍弘 '), 近藤格 '), 塚本泰司 2), 横井左奈 4), 井本逸勢 4), 稲澤譲治 4), 広橋説雄 '), 金井弥栄 ') 目的 I 尿路上皮がん多段階発生過程における DNA メチル化異常を ゲノム網羅的に把握する 方法 非尿路上皮がん症例より得られた正常尿路上皮 (C)18 検体尿中の発がん物質に暴露ざれ前がん段階にある可能性のある尿路上皮がん症例より得られた非がん尿路上皮 (N)17 検体尿路上皮がん (T)40jliitlili: において BAC アレイを基盤とするメチル化 CpG アイランド増幅法を施行した [ 結果と考察 ] N では既に C に認められた個体差や加齢の影響を越え 多数の BAC クローンにおける DNA メチル化減弱 冗進を認めた T においては DNA メチル化減弱冗進の頻度 程度が更に冗進していた 主成分分析で C から N 更に T への DNA メチル化プロファイルの段階的変化が示された N における DNA メチル化状態に基づく階層的クラスタリングで 前がん状態における DNA メチル化プロファイルとその症例に生じた尿路上皮がんの浸潤性に有意な相関があることが示された 浸潤がんの背景にある N における DNA メチル化プロファイルは 浸潤がんに概ね継承されていた 将来悪性度の高いがんを生じるような DNA メチル化異常が N に既に蓄積している可能性が示唆されたので N における DNA メチル化状態に基づく発がんリスク評価を試みた ウイルコクソン検定等により 感度 特異度と 675% 以上で N を C から区別し得る 83BAC クローンを同定した 83BAC クローンにおける DNA メチル化状態に基づき 発がんリスク評価指標を設定した 本指標により N を感度 特異度とも 100% で前がん状態にあると判断し得た T における DNA メチル化状態に基づく階層的クラスタリングで DNA メチル化プロファイルと尿路上皮がんの再発の有無に有意な相関があることが示された ウイルコクソン検定で 再発を来した症例の T を 来していない症例の T から区別し得る 20BAC クローンを抽出した 20BAC クローンにおける DNA メチル化状態に基づき 再発予測指標を設定し得た 腎孟尿管がんに対する腎尿管全摘術後 危険度の低い患者には負担となる膀胱鏡検査を減らしつつ 膀胱異時性尿路上皮がんを早期に診断するために 予後予測指標が求められている ウィルコクソン検定で 膀胱に異時性尿路上皮がんを発生した腎孟尿管がん症例の N を 発生していない症例の N から区別し得る llbac クローンを抽出した llbac クローンにおける DNA メチル化状態に基づき 異時性尿路上皮がん発生リスク評価指標を設定し得た 総括 ] ゲノム規模の DNA メチル化異常は 前がん段階から尿路上皮がんの悪性進展に到るまで 多段階発がん過程に寄与する可能性がある ゲノム網羅的 DNA メチル化プロファイルに基づき 尿路上皮がんの発生リスク評価ならびに病態診断を行いうると期待される App-O38core-2N-acetylglucosaminyltransferase(c2GnT)-1 遺伝子導入によって膀胱癌細胞の悪性度が増強する 鷹揚郷腎研究所弘前病院泌尿器科 '), 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 2), 秋田大学大学院医学系研究科腎泌尿器科学講座 3) 山本勇人 '), 畠山真吾 '), 坪井滋 '), 齋藤久夫 '), 山谷金光 '), 舟生富寿 '), 大山力 2), 堀川洋平 3), 羽渕友則 3) 目的 糖蛋白糖鎖は構造上 O-glycan と N-glycan に分けられ O-glycan の合成は Core-2N-acetyl-glucosammyltransferase (C2GnT) などによって制御されている C2GnT-I は大腸癌などで浸潤 転移に関与していることが報告されているが 癌の浸潤 転移における糖鎖発現の意義は癌の種類によって異なることが多く 各々の癌において詳細に検討する必要がある 今回は 膀胱癌における C2GnT-I 発現の臨床的意義と遺伝子導入による膀胱癌細胞株の浸潤能と転移能の変化について検討した 対象と方法 膀胱癌 164 例のパラフィン切片を用いて抗 C2GnT-I 抗体による免疫染色を行った 染色結果と病理組織学的因子および臨床経過との関係について検討した C2GnT-I を発現していない筋層非浸潤膀胱癌由来の膀胱癌細胞株 KK-47 に C2GnT-I の cdna(pcdna3c2gnt-i) を導入して C2GnT-I を過剰発現する stabletransfectant:kk47c2 を樹立した KK47C2 と mocktransfectant において浸潤能と転移能を検討した 浸潤能は transweuchamber を用いた mvasionassay で 転移能はヌードマウスの尾静脈から膀胱癌細胞を注入して肺転移結節をカウントすることで評価した 結果 C2GnT-I は pt grade が高くなるほど陽性率が高くなり 転移巣では 100% の陽性率であった 膀胱全摘を行った pt2 以上の筋層浸潤膀胱癌における生存率の比較では C2GnT-I 陽性例は陰性例より有意に生存率が低かった 単変量解析では年齢 pt pnc2gnt-i が 多変量解析では C2GnTI が生命転帰と関連していた また KK-47-C2 は mocktransfectant に比して浸潤能が著明に冗進し ヌードマウスの肺には mocktransfectant の約 40 倍の転移結節を形成した 結語 筋層浸潤膀胱癌では C2GnT-I は独立した生命予後因子であり さらに多数例の検討によって 治療選択 後治療の必要性 経過観察の最適化などに関する有用な情報が得られる可能性がある C2GnT-I は膀胱癌の悪性度に関与する新たな分子標的の一つであると考えられた

iil ll 192(226) li ii I 11 APP-O91 新しいラット後部尿道膀胱角開大モテ ルを用いた腹圧性尿失禁メカニズムの解明 東北大学医学部泌尿器科川守田直樹, 海法康裕, 中川晴夫, 宮堅実, 松下真史, 山下慎一, 泉秀明, 荒井陽一 背景 目的 尿禁制メカニズムには 尿道粘膜および尿道平滑筋による尿道機能 尿道支持機構といった解剖学的なメカニズムに加え 咳やくしゃみといった急な腹圧上昇時に反射的におこる能動的な尿道閉鎖機構の存在が近年報告されているが いまだ完全には解明されていない 本研究では 腹圧性尿失禁にみられる現症のひとつである腹圧上昇時の後部尿道膀胱角の開大に注目したラットモデルを作成し 既存の尿失禁ラットモデルと比較し 尿禁制メカニズムを検討した 方法 I SD 系ラットを用い 膀胱頂部を後屈し後部尿道膀胱角開大を疑似した後屈膀胱ラット群 (RB 群 ) バルーンによる膣拡張で出産直後の尿失禁を擬似した膣拡張ラット群 (VD 群 ) 恥骨尿道靭帯を切離し尿道過可動を擬似した恥骨尿道靭帯切雛ラット群 (PULT 群 ) 開腹のみのコントロール群を作成した 各群において 中部尿道におけるくしゃみ誘発尿禁制反射の振幅尿道基線圧 くしゃみ時の失禁圧 Crede 法による失禁圧 Tilttable 法による失禁圧を測定した 尿道圧は35Fr マイクロチツプカテーテルを 失禁圧は膀胱瘻カテーテルを用いて測定した 結果 くしゃみ誘発尿禁制反射の振幅は コントロール群に比してRB 群 VD 群 PULT 群で有意に減少していた 尿道基線圧は RB 群はコントロール群と同じで低下を認めなかったが VD 群 PULT 群で低下していた くしゃみ時の失禁圧は コントロール群以外のすべての群で尿失禁を認め RB 群はVD 群と同程度の失禁圧であった Crede 法およびTilttable 法による失禁圧は RB 群はコントロール群と比べて低下を認めなかったが VD 群とPULT 群で低下を認めた 考察 くしゃみ誘発尿禁制反射の振幅とくしゃみ時の失禁圧はくしゃみ時におこる能動的な尿道閉鎖機構を反映するパラメーターで 一方で尿道基線圧 Crede 法 Tilttable 法による失禁圧は尿道機能や尿道保持機構といった解剖学的なメカニズムを反映すると考えており 本研究で作成したRBモデルは 解剖学的なメカニズムが正常の状態でも くしゃみ時におこる能動的な尿道閉鎖機構が効果的に働かないことで腹圧性尿失禁が起こることを示唆している この能動的な尿道閉鎖機構 ( くしゃみ誘発尿禁制反射 ) の減弱は 膀胱後屈によって誘発され 後屈を解除すれば本来の機能を取り戻すと考えられる このことは 臨床での尿道スリング手術におけるテンションフリー すなわち 経 I 験的にスリングに余剰の緊張は不要で 尿道を解剖学的位置に戻すことで腹圧性尿失禁が改善することを説明するひとつの機序と考えられた 結語 後部尿道膀胱角開大を擬似した新たな尿失禁モデルであるRBラットでは 尿道機能と尿道支持機構を保持しながら 能動的な尿道閉鎖機構のみが減弱することで尿失禁が生じた APP-O92 回腸新膀胱における排尿機能の経時的変化一中長期成績における検討 '1 '1 叩け riil6ib U7 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座古家琢也, 岡本哲平, 今西賢悟鈴木裕一朗, 杉山尚樹 ;, 工藤茂将, 盛和行, 米山高弘, 橋本安弘, 神村典孝, 大山力 緒言 膀胱全摘除術後の尿路変向術として, 回腸新膀胱造設術が広く行われている. 短期の排尿機能に関する報告は多く見られるものの, 膀胱癌の予後が比較的不良であることから, 中長期での報告はあまりみられないこれまで我々は 術後 1 年間の新膀胱機能の推移について報告してきたが, 今回術後 2 年以上経過観察し得た症例を対象に, ウロダイナミクススタデイ (UDS) を用いて縦断的に新膀胱機能の変化について検討を行ったので報告する 対象および方法 弘前大学医学部附属病院にて 膀胱全摘除術後の尿路変向術として回腸新膀胱造設術を施行した患者 150 例中 2 年以上経過観察し かつUDSを施行し得た36 例を対象とした. 方法は術後 1 年以降 年 1 回 UDSを行い, 新膀胱機能の再評価を行った. また術後 5 年以上経過していた症例では, 本研究の参加に同意していただいたのちにUDSを施行した 結果 患者の平均年齢は638 歳 (41~77 歳 ), 男性 28 例, 女性 8 例であった平均観察期間は803か月 (26~133か月) であった平均新膀胱容量は術後 12か月で3158m1, 術後 24か月で3346m1, 術後 60か月で3247m1, 術後 96か月で3237mlとほぼ同程度で推移した. 平均残尿量は, 術後 12か月から132か月まで, O~26mlであった. 新膀胱内圧は術後 12か月でl6cmH20, 術後 24か月でl2cmH20, 術後 60か月で9cmH20, 術後 96か月でl8cmH20と, 観察期間中低圧で推移した最大尿道閉鎖圧は術後 12か月で50cmH20, 術後 24か月で 47.5cmH20, 術後 72か月で422cmH20, 術後 108か月で45.7cmH20と, 観察期間中ほぼ同程度で推移した. 最大尿道流量率は術後 12か月で169ml/s, 術後 24か月で145ml/s, 術後 60か月で14.9ml/s, 術後 96か月で199ml/sと, 観察期間中良好であった 結論 術後であると考えられた. 12か月目までに良好な排尿機能を獲得できれば その機能は長期間維持可能

248(282) OP-197 驚識麟穗驍繍蕊 北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科学分野 '), ピッツバーグ大学泌尿器科 2), 大鵬薬品工業 3) 橋田岳也 12), ヴイカステイアギ 2), 南里真人 3), 木庭守 3), 野々村克也 1), 吉村直樹 2) 目的 抗コリン剤は過活動膀胱に対して広く用いられているが 最近一部の抗コリン剤で血中カテコラミン値を上昇させることが報告されている そこで塩酸プロピベンの血中カテコラミン上昇の尿道禁制反射に対する作用を確認するためにくしゃみ誘発モデル及び腹圧上昇モデルを用いて検討した 方法 SDI 脆性ラットを無差別にプロピベリン群とビークル群に分け プロピベリン群には 5mg/O5ml 塩酸プロピベリン溶液を ピークル群には O5ml の純水を 1 日 1 回投与した 2 週間後 くしゃみ誘発モデルは圧トランスデューサーを用いて尿道基礎圧及びくしゃみ時の尿道反応圧 ( 反応圧 ) を 腹圧上昇モデルでは尿失禁出現時の最大膀胱圧 ( 腹圧下漏出時圧 ) を測定した また 2 群とも HPLC 法を用いて血中モノアミン値を測定した 結果 くしゃみ誘発モデルにおいて 反応圧の変化は見られなかったが プロピベリン群において 尿道基礎圧の有意な上昇が見られた 腹圧上昇モデルにおいては プロピベリン群において腹圧下漏出時圧の有意な上昇が見られた また プロピベリン群で血中ノルアドレナリン アドレナリン値が有意に高かった 考察 塩酸プロピベリンは過活動膀胱に加え腹圧性尿失禁に対しても有効である可能性があり 特に混合型尿失禁に対する有用な薬剤である可能性がある OP-199 下部尿路症状と関連する液性因子の検討 むつ総合病院 '), 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 2) 今井篤 1), 神村典孝 2), 岡本哲平 2), 鈴木裕一朗 2), 杉山尚樹 2), 立和田得志 2), 工藤茂将 2), 米山高弘 2), 橋本安弘 2), 古家琢也 2), 吉川和暁 1), 百瀬昭志 2), 大山力 2) 緒言 我々は住民一般健診にて下部尿路症状 lower urmarytractsymptom(luts) と血清中の液性因子との関連を調査した LUTS には排尿筋虚血再灌流が関与するため 酸化ストレス因子である 8-hydroxydeoxyguanoslne (8-OHdG) も調査に加えた 対象と方法 2006 年岩木町健康促進プロジェクトに参加した 345 人の健康な男性 ( 平均 56 歳 26-83 歳 ) を対象とした IPSS8 点以上を LUTS 陽性とし IPSS 合計点とサブスコア ( 排尿症状 蓄尿症状 ) に対する血清中の HbAlc CRP コリンエステラーゼ (ChE) PSA 8-OHdG の関連について解析を行った 結果 75 人 (217%) が IPSS8 点以上となった 液性因子について多変量解析を行うと (1)LUTS の有無には CRP(P=002) と PSA(P=0.05) が (2) 蓄尿症状には 80HdG(P=0012) と PSA(P=0015) が (3) 排尿症状には PSA(P-0041) がそれぞれ独立した関連因子であった まとめ 今回の調査で PSA と CRP は LUTS の指標に 8-OHdG は蓄尿症状の指標に また排尿症状に対しては PSA のみが指標になりえることが示唆された OP-198 脳血管障害患者の蓄尿障害における塩酸プロピベリンの有用性 ~ 排尿記録と尿流動態検査による検討 ~ 兵庫県立総合リハビリテーションセンター泌尿器科仙石淳, 乃美昌司 目的 脳血管障害にともなう蓄尿障害に対する塩酸プロピベリンの有用性を前向きに検討した. 対象と方法 蓄尿症状 ( 頻尿 尿失禁 ) を認め 排尿筋過活動が尿流動態検査により確認された脳血管障害患者のうち 本調査への参加に同意の得られた症例を対象とした. 投与前と塩酸プロピベリン 20mg/ 日投与 2 ケ月後にそれぞれ排尿記録と尿流動態検査を検討した 結果 平成 19 年 11 月より平成 21 年 7 月までに 15 症例 ( 男性 9 例, 女性 6 例, 30~76 歳, 平均 63.3 歳 ) が組み入れられた. 排尿記録における昼間尿失禁量 (2529/ 日 1309,p=0.041) および排尿回数 ( 昼間 :7.7 5.7 回,p=0.004, 夜間 :29 20 回,p=0002) の減少と 1 回排尿量 ( 昼間 :109 160m1, p=0.0009, 夜間 :145 202m1,p=0.005) の増加にそれぞれ有意な変化を認めた. 尿流動態検査における最大膀胱容量は平均 129.6ml から 215.3ml に増大し (p=0004), 排尿筋収縮の発現前に尿意を認知しやすくなる傾向を認めた. 結語 脳血管障害にともなう蓄尿障害に対する塩酸プロピベリンの有用性が示された. OP-200 霧寵需に諭す 利尿蘂投与の 熊本大学大学院医学薬学研究部泌尿器病態学分野 '), 熊本リハビリテーション病院 2) 里地葉 '), 和田孝浩 '), 江藤正俊 '), 古閑博明 2) 目的 高カテコラミン血症は夜間多尿を惹起する要因として知られており 夜間頻尿ガイドラインでは脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) をスクリーニング検査として推奨している 夜間頻尿患者での BNP の数値と利尿薬投与の効果について検討した 方法 ] 夜間頻尿患者のうち 生活指導 α ブロッカーや抗コリン薬投与に抵抗性であった者を対 象とした BNP を測定し 50pg/m1 以上であった者にフロセミド 20mg を投与し 夜間排尿回数 副作用の有無などについて検討した 成績 対象とした患者は 13 名 ( 男性 7 名 女性 4 名 ) 平均年齢 77 歳 BNP 値は平均 l074pg/ml であり 全員にフロセミド 20mg を昼食後に投与した 夜間の排尿回数は利尿薬投与前は平均 5.7 回 投与後は平均 2 回であり 全ての症例で回数の減少を認めた しかし BNP 低値群では日中頻尿を認め 利尿薬の投与を中止した 投与中止とした 3 名以外は投与継続し 平均投与期間 21 週で特に副作用の出現を認めることなく 効果は持続している 結論 BNP 測定は夜間多尿患者のうち 利尿薬で改善する可能性のある症例のスクリーニングに有用である カットオフ値の 50pg/ml はやや低い印象であり BNP 低値群では夜間排尿回数は減少するが 日中頻尿を惹起する可能性があることに留意すべきであると考えられた - :

鱗 259(293) OP-241 腎癌の脂質フ ロファイリング 浜松医科大学医学部泌尿器科学 '), 浜松医科大学分子イメージング先端開発センター分子解剖学研究部門 2) 高山達也 '), 財満信宏 2), 宮崎美紀 '), 高岡直央 '), 京野陽子 '), 伊藤寿樹 '), 杉山貴之 '), 永田仁夫叺古瀬洋 '), 栗田豊 '), 麦谷荘 -1), 瀬藤光利 2>, 大園誠一郎 ') 目的 食生活の欧米化に伴い腎癌の頻度は増加し 肥満は約 4 倍のオッズ比をもつ腎癌発生のリスクファクターである また 腎癌はコレステロールエステルに富む腫瘍であり 特異なコレステロール代謝を有している 脂質代謝異常をもつと考えられる腎癌の脂質プロファイリングを行ったので報告する 方法 検体は腎摘除直後に正常と腫瘍が含まれる部位で切り出し 直ちに液体窒素で処理し -80 で次の検体処理時まで保存した indiumtin oxide でコートしたスライドに 8mm スライスで切り出し Matrix で処理した後 MALDI/TOFMS システムで脂質プロファイリングを分析した 成績 検体数は 7 例 全例男 平均年齢 57.3 歳 全例 clearcen G2oINFq/ 1/6 例 v(+)/( 派 4/3 例 腫瘍と正常で比較すると腫瘍部ではリノール酸が蓄積し 正常部では DHA や EPA の蓄積が少なかった また 腫瘍部では中性脂肪の蓄積が少なかった 結論 腎癌の今後の診断や治療に新たな可能性を与えると期待される OP-243 破骨細胞形成抑制因子としての前立腺特異抗原 (PSA) の作用 : 前立腺癌造骨性骨転移における PSA の役割について 琉球大学医学部器官病態医科学講座泌尿器科学分野米納浩幸, 田 ''' 奇新資, 豊里友常, 松村英理, 安次嶺聡, 町田典子, 大城吉則斎藤誠一 目的 前立腺癌は高率に骨に転移し 骨転移の 85% 以上において骨硬化像を呈する 骨転移における前立腺特異抗原 (PSA) の病的機能については多くの部分で不明である 我々は 今まで PSA が骨芽細胞に与える影響について報告してきた 今回は 破骨細胞形成における PSA の作用を検討する 方法 ヒト移植骨に PSA を直接投与し 移植骨の組織形態的解析を行う 破骨細胞前駆細胞に PSA を加え培養し解析を行う ヒト骨芽細胞を用いて 破骨細胞の形成に関与する RANKL と OPG の発現における psa の影響を調 べる 結果 PSA はヒト成人骨に造骨性変化と破骨細胞数の減少を引き起こした PSA は破骨細胞前駆細胞のアポトーシスを誘導した このアポトーシスは PSA のセリンプロテアーゼ活性に依存していた 骨芽細胞に PSA を作用させると OPG は濃度依存的に増加した PSA の酵素活性を失活させると OPG の発現は抑制された また 抗 TGF-β 抗体によっても PSA の作用は抑制された 結論 ]PSA は骨芽細胞に作用し骨芽細胞の増殖を促進させるばかりでなく OPG 生産を増加きせ砿骨細胞による骨吸収を抑制する また 破骨細胞に対しては直接アポトーシスを誘導することで 前立腺癌骨転移に特徴的な造骨性変化に関与していると考えられた OP-242xpll2 転座をともなう腎細胞癌 秋田大学大学院医学系研究科医学専攻腫瘍制御医学系腎泌尿器科学 '), 大分大学医学部腫瘍病態制御講座泌尿器科学 2), 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 3), 東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座泌尿器科学分野 4), 京都大学医学研究科泌尿器科学教室 5) 沼倉一幸 '), 小原崇 '{ 鶴田大 '), 齋藤満 '), 成田伸太郎 '), 堀川洋平 '), 土谷順彦 '), 佐藤滋 '), 羽渕友則 1) ザ三股浩光 2), 大山力 3), 荒井陽一 4), 小川修 5) 目的 IXpll2 転座をともなう腎細胞癌 (Xpll2 転座 RCC) は 2004 年 新たに成人腎腫瘍の WHO 分類に加えられた 6 種の転座が報告されており その全てが染色体 Xpll2 上の TFE3 遺伝子を巻き込む転座で TFE3 融合蛋白が高発現している 従来の報告では 若年患者に多くみられことや 初診時から進行癌が多いことなどが特徴としてあげられているが 報告症例は少なく 臨床的特徴が明らかにされているとはいえない Xpll2 転座 RCC の頻度とその臨床的特徴を検討した 対象 ] 当科で 1987 年 7 月から 2009 年 4 月までに手術または生検を行った RCC 症例で組織標本が入手可能であった 248 例に対して TFE3 蛋白の免疫組織染色を行い陽性例を Xpll2 転座 RCC と診断した 結果 10 例 (40%) が Xpll2 転座 RCC と診断された 平均 60.5 歳 中央値 59 歳 (42-79 歳 ) 男女比 =6;4, 右 : 左 =6:4, 臨床病期 :15 例 Ⅱ2 例 Ⅲ211,1V 1 例 病理組織は 全例 淡明細胞癌と診断されていた 初診時転移は 肺 l 例 リンパ節 1 例 再発時転移は 肺 2 例 肝 1 例 生存期間の中央値 715 カ月 5 年全生存率 88% 癌死は 1 例のみ 2 例が癌あり 7 例は癌なし生存 考察 Xpll2 転座 RCC は成人に少ないとされていたが 決して稀でない可能性がある 当日までに 他施設の協力をえて免疫組織染色の症例を追加し臨床的検討と論文的考察を行う予定である OP-244 藤撰雪琶潔鰯襲清砿骨細 千葉大学 '), 千葉大学医学部附属病院泌尿器科 2), 千葉大学フロンティアメディカルエ学研究開発センター 3) 神谷直人 l), 鈴木啓悦 1), 遠藤匠 2), 高野慎 2), 矢野仁 2), 川村幸治 1), 今本敬 1), 納谷幸男 3), 市川智彦 ') 目的 骨形成性骨転移を来す代表的疾患である前立腺癌 (PCa) においても骨転移巣での破骨細胞の役割は 極めて大きい 我々は 破骨細胞活性マーカーである osteoprotegerin(opg) と receptoractivatorofnuclear factorkappabligand(rankl) の治療前血清値を測定し その臨床学的意義について検討した 対象と方法 2000 年 1 月から 2009 月 4 月までに当科で診断された 201 例 (nonpca:49 例 stageb:55 例 stageo46 例 staged2:51 例 ) の治療前血清 OPG RANKL を測定し 各種臨床パラメーターを解析した 結果 全症例の平均年齢 661±70 才であった staged2 症例の治療前血清 OPG 値は non PCa stageb.c 症例と比較して有意に高値であり (p< 0.0001) ロジステイック回帰モデルによる多変量解析の結果でも優れた骨転移の予測因子であった ROC 曲線下面積は 治療前 OPGRANKL 値それぞれ 0-66.0.54 であった Kaplan-Meire 法では 治療前血清 OPG 高値群 ( 平均値 ±SD) EODscore4 以上の群 治療前 Hb 低値群において 有意に予後不良であった Cox 比例ハザードモデルによる多変量解析の結果 治療前血清 OPG 値は 優れた予後予測因子であった (p<005) 考察 被骨細胞活性マーカーである血清 OPG は PCa の骨転移を反映し 予後予測因子となることが示された I

111 304(338) OP-421 再燃前立腺癌に対するドセタキセル療法における骨痛の存在と生命予後についての検討 OP-423 ホルモン抵抗性前立腺癌に対する低容量 DocetaxeLEstramustine,Dexamethasone 併用療法の検討 1 I 1 Ⅱ 東京医科大学泌尿器科中神義弘, 大堀理, 中島淳, 田中絢子, 橋本剛, 竹内尚史, 佐竹直哉, 坂本昇, 小津兆一郎, 並木一典, 吉岡邦彦, 秦野直, 橘政昭 目的 再燃前立腺癌に対するドセタキセル療法の有用性 有害事象を検討し 予後に影響を与える因子として特に骨痛に注目し検討を行った 対象 方法 2003 年 12 月より再燃前立腺癌患者のうち 63 名に ドセタキセル 70mg/ m2(day2) エストラムチン 560mg/day(dayl~5) ハイドロコルチゾン 40mg/day(dayl~21) を 34 週間毎投与した 結果 開始年齢は中央値 71 歳 平均 11 コース施行した 50% 以上の PSA 減少を 50% に 90% 以上の PSA 減少を 28% に認めた 総死亡数は 34 例 Overall survival の中央値は 14 ケ月 Progression 辻 eesurvival の中央値は 6 ケ月であった 骨痛を 28 名に認め 鎮痛剤が 24 名に使用されていた 鎮痛剤のうち麻薬は 8 名に使用されていた Cox 比例ハザードモデルを用いた多変量解析において 骨痛の存在は明らかな予後不良因子であり (p <0001 HR=458) 鎮痛剤の使用も予後不良因子であった (p<0001 HR=477,95%CI:208-1008) 結論 再燃前立腺癌に対する当療法は有効性の高い治療であるが骨痛を有する患者は予後不良であり症例に応じた治療戦略の変更も考慮すべきと考えた 横須賀共済病院泌尿器科 '), 横浜市立市民病院 2) 小林一樹 '), 横西哲広 '), 伊藤悠亮 '), 逢坂公人 '), 小宮敦 '), 酒井直樹 '), 野口純男 '), 岸洋一 '), 横溝由美子 2), 小貫竜昭 2), 太田純一 2), 湯村寧 2), 森山正敏 2) 目的 ホルモン抵抗性前立腺癌 (HRPC) に対して低用量 docetaxelestramusutine,dexamethazone 併用療法の効果と安全性を検討するため今研究を行った 方法 病理学的に前立腺癌と診断されている 69 人の HRPC の患者を対象とした 平均年齢は 72 歳 (48~85) 治療開始時の PSA は 37,9/ml であった 治療のプロトコールは docetaxel25mg/m2 を 1,8 日目に 1 時間で点滴静注 estramusutine280mg を 1 日 2 回 1 ~3 日目と 8~10 日目に経口投与 dexamethazonelmg を毎日プロトコールの間経口投与した 21 日を 1 サイクルとし 前立腺癌が増悪又は許容できない副作用が出現するまで行った 成績 平均 11(1-25) サイクル施行可能であった PSA の 90% 以上低下は 24 例 (35%) に認め 奏効期間の中央値 14 ヶ月であった PSA の 50% 以上低下は 53 例 (77%) に認め 奏効期間の中央値 10.2 ケ月であった 無増悪生存期間の中央値は 102 ヶ月 全生存期間の中央値は 24 ヶ月であった 最も出現頻度の高い副作用は gradel-2 の倦怠感で 10 人 (15%) に認めた grade3 又は 4 の副作用は 5 人 (7%) に認めた ( 深部静脈血栓 2 人 ピリルビンの上昇 2 人 AST/ALT の上昇 2 人 ) 結論 日本人の HRPC に対する低用量 docetaxel estramusutine,dexamethazone の併用療法は効果が高く 副作用が少ないことがわかった op-422 再燃前立腺癌に対するリン酸エストラムスチン デキサメサゾンの riskgroup による効果 OP-424 ホルモン不応性前立腺癌に対する Docetaxel,Estramustinephosphate, carboplatin 併用療法 (DEC 療法 ) の検討 産業医科大学医学部泌尿器科学 '), 産業医科大学医学部公衆衛生学 2), 新行橋病院泌尿器科 3), 門司メディカルセンター泌尿器科 4) 湊晶規 '), 久保達彦 2), 濱砂良一 '), 藤本直浩 '), 松本哲朗 '), 原田修治 3), 赤坂聡一郎 4) 目的 再燃前立腺癌患者における risk 分類によるリン酸エストラムスチン (EMP) デキサメサゾン (DEX) の効果につき検討した 方法 MAB を行った再燃前立腺癌患者で抗アンドロゲン剤交替療法後に EMP 投与 無効例またはその後の再燃例に対し Dex による治療を行った 43 例について Armstrong らの分類に準じ 1 貧血 2 骨転移の進行 3 痩痛 4 臓器転移の有無により risk 分類を行い EMP Dex の効果について検討した 効果は PSA が低下したものを効果あり PSA の上昇 画像上病変の進行 症状が増悪したものを無効とした 成績 ]EMP は 31 例中 23 例で効果あり (TTP 中央値 6 ケ月 ) 8 例で無効であり risk 群の奏功率は good(g),intermediate(1), poor(p) 群で各々 75% 80% 70% で Dex は 39 例中 25 例で有効 (TTP 中央値 65 ヶ月 ) 14 例で無効 risk 群別では G I P で各々 100% 889% 381% であり P 群での有効性が低かった Gleasonscore 治療開始時 PSA PSADT 等と治療効果 および EMP の効果と Dex との効果には明らかな関連はなかった ENP 開始後の生存期間は 5-57( 中央値 225) ケ月であった 結論 再燃前立腺癌はドセタキセルが中心となってきているが その適切な開始時期については明らかではない 今回の検討より P 群以外では EMP Dex による治療をドセタキセル療法の前に試みても良いのではないかと考えられた 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 '), 大館市立総合病院泌尿器科 2) 百瀬昭志 1), 石村大史 2), 成田知 2), 杉山尚樹 1), 鈴木裕一郎 '), 盛和行 '), 工藤茂将 '), 立和田得志 '), 米山高弘 '), 橋本安弘 '), 古家琢也 '), 神村典孝 '), 大山力 ') 目的 ホルモン不応性前立腺癌 (HRPC) に対し, DocetaxelEstramustinephosphate,Carboplatm 併用療法 (DEC 療法 ) の治療効果 副作用について retrospective に検討した 対象と方法 ] 対象は staged1 または で MAB 療法後に 3 回連続 PSA が上昇し Androgen withdrawlsyndrome の効果も否定し得た 22 例を対象とした 年齢は 54 歳から 79 歳 ( 中央値 70 歳 ). 前治療は全例 MAB 療法で導入した症例である治療は Docetaxel(70mg/m2,dayl),Carboplatin(AUCadayl), Estramustinephosphate(560mg/day,everyday),1 コース 3 週間で施行した 結果 1-9 コース ( 平均 2.4 コース ) 施行した.DEC 療法前の PSA は中央値 757,9/mL PSA50% 奏功率は 38,1% 平均生存期間は 13.3 ヶ月であった. 副作用として Grade3 以上の白血球減少症を 46% に認めた. 単変量解析により, 治療後生存期間に影響を及ぼした因子は 年齢と DEC 開始前 PSA であり,Gleason score や imtialpsa は影響がなかった 結論 DEC 療法は HRPC に対して有用な治療法である ljjllll

-- &i 317(351) OP-473 寵灘騨鵜轤職瀧術 北里大学笹本治子, 岩村正嗣藤田哲夫, 土橋正人, 南田諭, 池田勝臣, 別所英治, 吉田一成, 馬場志郎 2009 年 8 月までに北里大学病院泌尿器科で施行した腹腔鏡下副腎摘除術 148 例について腫瘍径と臨床診断が結果に及ぼす影響について検討した 全体の平均手術時間は 179 分 (80-490) 平均出血量は 742,1(10-1020) 平均病理腫瘍径は 359cm(2-110) であった 病理腫瘍径を 6cm で 2 群に分けて比較したところ 6cm 未満は 126 例 6cm 以上は 22 例であり 出血量 手術時間 経口開始時期 離床開始時期 術後入院期間に有意差はなかった 6cm 以上の腫瘍の内訳は褐色細胞種 22.7% 転移性腫瘍 18.2% 骨髄脂肪腫 136% 骨髄脂肪腫 136% Cushing 症候群 136% 他 184% であった 一方 腫瘍径 6cm 未満の群には転移性腫瘍 副腎癌はなく 原発性アルドステロン症が 41.3% と最も多くを占めており 腫瘍径により疾患の分布が異なっていた 褐色細胞腫における手術時間の延長と出血量の増量は他の副腎腫瘍に比較して有意であった 当初 腹腔鏡下副腎摘除術の適応は 6cm 以下の良性腫瘍がとされていたが 現在では機器の発達と手技の向上により 6cm 以上の腫瘍に対しても腹腔鏡下副腎摘除術は比較的安全に施行できる 手術の結果には腫瘍径よりむしろ臨床診断の影響が大きいことが示唆された OP-475 灘橇鶉鵡議蔦ツシンク 瀝候 東北大学医学部泌尿器科 '), 東北大学医学部腎高血圧内分泌内科 2) 宮里実 1), 石戸谷滋人 1), 佐藤文俊 2), 森本玲 2), 斎藤英郎 '), 海法康裕 '), 山田成幸 '), 三塚浩二 '), 伊藤明宏 '), 中川晴夫 '), 荒井陽一 ') 目的 当院における副腎性クッシング症候群の臨床的検討を行った 対象と方法 1994 年から 2008 年までの 15 年間に東北大学泌尿器科で腹腔鏡手術を行った副腎性クッシング症候群 112 例 ( 男 29, 女 83 年齢 518±13.0(20-78 歳 )) の検討を行った 結果 内訳は クッシング症候群 57 プレクッシング症候群 55 例であった 部位は 右 32, 左 60 両側 20 例で 両側例のうち 3 例にアルドステロン症を合併していた 平均腫瘍径は 2.7cm で 1 例に ACTH 非依存性副腎結節過形成を 1 例に副腎癌を認め 他はすべて腺腫であった 経腹アプローチ 50, 後腹膜アプローチ 62 で 平均手術時間はそれぞれ 1961 分 1566 分で 後腹膜アプローチは 経腹アプローチと比較して手術時間が短かった (p<0.01) 出血量は経腹 608ml 後腹膜 29.6ml で アプローチによる差はなかった 手術合併症は 腹腔鏡経腹アプローチ 3 例 (6%) に術後出血 腎動脈損傷 脾臓損傷 後腹膜アプローチ 1 例 (1.6%) に胸膜損傷に認めた 考察 腹腔鏡手術は出血量も少なく 安全な術式である 当施設の集計では 手術時間 安全性の面から後腹膜アプローチがより優れていた OP-474 謙鰐瀧灘鴬対する鑪視下 浜松医科大学医学部泌尿器科学 '), 浜松東病院 2), 新都市クリニック 3) 伊藤寿樹 '), 栗田豊 '), 永田仁夫 '), 大塚篤史 '), 古瀬洋 '), 麦谷荘 -1), 大園誠一郎 '), 牛山知己 2), 鈴木和雄 3) 目的 当院では 1992 年以降褐色細胞腫に対して鏡視下手術を施行してきた 今回開腹手術で施行した症例と患者背景及び手術成績について臨床的に比較検討した [ 対象と方法 1992 年 1 月から 2009 年 9 月までに浜松医科大学泌尿器科で褐色細胞踵の診断のもとに手術した 34 例 平均年齢 463(12-79) 歳 局在は左側 / 右側 / 両側が 15/17/2 例で このうち MENtype2A が 6 例 vonrecklinghausen 病が 2 例 vonhippellmdau 病が 1 例であった 鏡視下 27 例 ( 鏡視補助下 2 例含む ) と開腹手術 7 例の 2 群間における腫瘍径 手術時間 出血量 合併症 術中高血圧の有無などについて比較検討した 結果 原則的に鏡視下手術で行い 開腹手術を選択した主な理由は カテコラミン心筋症の合併 副腎外 ( 腎門部 ) 発生 鏡視下摘除後の局所再発 両側発生であった 鏡視下群 / 開腹群での平均腫瘍径 平均手術時間 平均出血量 合併症は 39cm/4.0cm 208 分 /258 分 82ml/310m1,4 例 ( 腎静脈損傷 2, 横隔膜損傷 無気肺 )/2 例 ( 癒着に対して腎部分切除 腎梗塞 ) であった また 200mmHg 以上の術中高血圧は開腹群 57%(4/7) 鏡視下群 44%(12/27) であった なお鏡視下から開腹手術に移行した症例は認めなかった 考察 褐色細胞腫に対する鏡視下手術は低侵襲であるが 患者の全身状態によっては開腹手術を考慮するべきである OP-476 囑艤繍読艤離壊 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座 '), 弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座 2) 神村典孝 '), 岡本哲平 '), 杉山尚樹 '), 鈴木裕一朗 '), 立和田得志 '), 工藤茂将 '), 米山高弘 '), 橋本安弘 '), 古家琢也 '), 大山力 '),= 川原健 2), 崎原哲 2), 須田俊宏 2) ( 目的 ) 原発性アルドステロン症 (PA) の標準的治療として腹腔鏡手術が一般化しているが 術後の降圧効果に関する評価は十分になされていない 我々は PA の診断で腹腔鏡手術が行われた症例の降圧効果を調査した ( 対象と方法 )2000 年 4 月から 2009 年 9 月までに当院で PA に対する腹腔鏡下副腎摘除術は 43 例行われた その中で術後一年以上血圧の観察が可能であった 29 例を対象とした 平均年齢 55.6 歳 男性 12 例 女性 17 例 高血圧歴の平均は 12.6 年 術前血圧は朝食後の座位血圧 3 日間の平均値とし 術後血圧は術後 2~3 週目に同様に測定した 降圧剤の評価は中心用量を 1 点とし降圧剤スコアを算出した ( 結果 ) 術前収縮期 拡張期血圧は各々 141± 19mmHg 80±9mmHg で術後収縮期 拡張期血圧は各々 126±18mmHgI76±8mmHg であり共に有意差をもって低下を認めた 降圧剤スコアも術前の 2.3±L7 から術後は 1.1±1.7 に低下した 1 年後の降圧効果を認めない症例が 6 例存在した ( まとめ )PA に対する腹腔鏡下副腎摘除術は収縮期 拡張期血圧を有意に低下させ 降圧剤の需要を減少させるが 降圧効果を認めない症例も存在した 降圧効果に関する危険因子や長期の成績に関しては更なる検討が必要であると思われた

'1 351(385) PP-O65 筋層浸潤膀胱癌に対するゲムシタビン + カルボプラチンによる術前化学療法の有用性 弘前大学医学部泌尿器科学鈴木裕一朗, 岡本哲平, 今西賢吾, 杉山尚樹, 工藤茂将, 盛和行, 米山高弘, 橋本安弘, 古家琢也, 神村典孝, 大山力 緒言 筋層浸潤膀胱癌に対する治療としての MVAC 術前化学療法は, 生存率の改善に寄与するが, 副作用による低い完遂率が問題である. 今回我々は術前化学療法としてゲムシタピン + カルポプラチン (GC 療法 ) を施行したので, その成績について報告する 対象および方法 当院にて GC 療法を施行した, 筋層浸潤膀胱癌患者 87 例を対象とした. ゲムシタピンは 800mg/m2(d1,.8,.15), カルポプラチンは AUC4(d2) にて投与した 3 週を 1 コースとし, 術前に 2 コース施行後手術を行った clinicalcr 率,pTO 率, 癌特異生存率, 非再発率, および有害事象について検討した 結果 患者の平均年齢は 66.7 歳, 男性 72 例 女性 15 例, 平均観察期間は 236 か月であった. 臨床診断は T244 例,T3b39 例,T4a3 例であった.ClinicalCR 率は 272%,pTO は 23.0% であった.2 年癌特異的生存率は 92.7%,2 年非再発率は 87.1% であった.Grade3 以上の有害事象として白血球減少, 血小板減少, 皮疹を認めたが, 消化器症状および腎機能障害は全例認めなかった, 完遂率は 95.4% であった 結論 術前 GC 療法は副作用が軽く完遂率の高い治療法であり, 生存率の改善に寄与する可能性があると思われた. PP-O66Zifiim タヒ ン維持霧 行した艤胱癌 東海大学医学部泌尿器科学五反田丈徳, 星昭夫, 添田宗市, 中島信幸, 新田正広, 金伯士, 花井一也, 加藤成一, 河村好章, 野本剛史, 臼井幸男, 寺地敏郎近年 進行性膀胱がんに対して行われる GEM+CDDP(GC) 併用療法は MVAC 療法にかわって標準的なものとなった しかしながら奏功期間が短く 加療を繰り返すうちに骨髄や腎機能の疲弊をきたし bestsupportivecare となる症例も経験する 症例 59 歳男性 無症候性の血尿を主訴に近医受診し 2006 年 2 月に当科紹介受診となった 同年 3 月に TURBT 施行 ptlg2 の urothelial carcinoma(uc) であった 2007 年 6 月 膀胱癌肺転移に対して VATS 施行 その後 MVAC3 コース GC3 コース施行するも それぞれ 2 ヶ月で再発した これ以上の入院化学療法の継続は難しく 外来での GEMmaintenance therapy を選択した 以後 8 ヶ月を経た現在も CR を維持し 社会復帰を果たしている 結論 今回 我々は GEM maintenancetherapy を施行した一例を経験した 社会的な側面からも忍容性の高い外来化学療法であると考える PP-O67 鰯謹鰹繍鑿艤胱癌に対する, 弘前大学 立和田得志, 岡本哲平, 今西賢悟鈴木裕一朗, 杉山尚樹, 工藤茂, 盛和行, 米山高弘, 橋本安弘, 古家琢也, 神村典孝 大山カクレアチニンクリアランス (Ccr)60 以下の進行性膀胱癌患者に対し 1stlmegemcitabine+carboplatin(GC) 療法 2ndlmeGC+Docetaxel(GCD) 療法 3rdline Docetaxel+IfOsfamide+Nedaplatin(DIN) 療法を行い レトロスペクテイブに検討した 2004 年 9 月より 2009 年 4 月までに経験した Ccr60ml/min 以下の進行性膀胱癌患者 29 例 ( 男性 21 例 女性 8 例 ) を対象とした 平均年齢 689 歳 (43-83) Ccr の平均は 41.8(145-58.0) 平均観察期間は 140 ヶ月 (2-55) であった 治療方法は 1stlme は GC 療法 2 コースを 1 セットとし 反応が不十分な際は 2ndlmeGCD 療法に移行し GCD が不十分な際には DIN 療法に移行した GC 療法を施行した 29 例の奏功率は坐 8% GCD7 例 Dm5 例の奏功率はそれぞれ 14.3% 20.0% であった 全体の平均生存期間は 130 ヶ月であった GC 療法で反応が良好であれば比較的長期生存が得られるが それ以外は治療に難渋する傾向があった また 治療により腎機能が悪化した例は無かった PP-O68 驍驚議蕊露羅羅朧朧 日本医科大学千葉北総病院泌尿器科 '), 日本医科大学付属病院泌尿器科 2), 神栖済生会病院泌尿器科 3), 日本医科大学千葉北総病院放射線科 4) 根本勺 '), 木全亮二 2), 三浦剛史 '), 塩路豪 '), 藤原博通 2), 阿部裕行 3), 近藤幸尋 2), 坪井成美 1), 川俣博志 4) 目的 ハイリスク Tl および T2 以上の進行性膀胱癌に対する膀胱温存を目的とした動注化学療法の治療成績を検討した 方法 対象は 1998 年 12 月から 2008 年 8 月までの膀胱癌 40 例 患者背景は 男性 32 例 女性 8 例で 年齢は平均 64.7 歳 観察期間は平均必 3 ケ月であった 臨床病期は病期 1 が 6 例 2 が 21 例 3 が 9 例 4 が 4 例であった 動注化学療法は 放射線科の協力の下 シスプラチン 100mg/m2, 〆トトレキセート 30mg/m2, アドリアマイシン 20mg/body の 3 剤にて 2 コースを基本とした 近接効果は 残存腫瘍なしを RO Ta,Tl および CIS での残存腫瘍ありを R1 T2 以上の残存腫瘍ありを R2 とした 成績 39 例 (97.5%) において 2 コース完遂が可能であった 近接効果は RO19 例 (47.5%),R111 例 (27.5%),R210 例 (250%) であり 臨床病期 3 以上の症例で近接効果が不良であった 疾患特異的 5 年生存率は 病期 l が 100% 2 が 762% 3 が 51.4% 4 が 0% であった 病期 2 および 3 においては近接効果が R2 症例で予後不良であった 副作用は Grade3 以上のものが 嘔吐 2 例および白血球減少 1 例に認めるのみであった 結論 病期 2 および 3 の膀胱癌に対する動注化学療法において近接効果が R2 症例には 可及的な集学的治療の導入が必要と考えられた 尚旧函 Ⅲ 凹早回 I 函

Ⅱ 372(406) PP-149 リポソームベクターと結核菌細胞壁成分による新規 BCG 製剤による NKG2D リガンドの発現増加について PP-151 表在性膀胱癌に対する BCG 注入療法 ; Tokyo 株と Connaught 株の副作用 再発予防効果についての比較検討 筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床医学系泌尿器科 '), 北海道大学大学院薬学研究院薬剤分子設計学研究室 2) 宮崎淳 '), 河合弘二 '), 及川剛宏 '), 常楽晃 '), 原島秀吉 2), 鳥居徹 '), 赤座英之 ') 目的 自然免疫系にかかわる NK 細胞や γjt 細胞の受容体は NKG2D であり リガンドである MICA MICB ULBP1~3 を認識する 我々はこれまでに 結核菌細胞壁成分 (BCG-CWS) と効果的な細胞内輸送を可能にした octaargininemodifiedliposomes ベクターを組み合わせた R8Jiposome-BCGCWS を作成し マウス膀胱癌皮下接種モデルを用いて 強力な抗腫瘍効果があることを確認してきた 今回は R8-liposomeBCG-CWS が NKG2D のリガンドの発現を誘導するか T-24 膀胱癌細胞株を用いて検討した 方法 T-24 と R8-uposomeBCGCWS を共培養し mrna の発現の変化を定量 PCR で検討した 結果 R8-liposome-BCG-CWS と T-24 細胞を共培養することで MICA が 1.4 倍 MICB が 3 倍に発現量が増加した ULBP1 はほとんど変化なく ULBP2 が 14 倍 ULBP3 が 1.9 倍に発現量が増加した 結語 R8-liposomeBCGCWS を T-24 細胞と共培養することで NKG2D のリガンド発現が増強した 抗腫瘍効果に関与していることが示唆された 今後は NK 細胞などのリンパ球を誘導し R8-liposome BCGCWS と共培養した膀胱癌細胞に対して抗腫瘍活性が増加するか検討するとともに BCG 生菌とも比較していく 大津赤十字病院泌尿器科 D, 京都大学大学院泌尿器科学 2) 伊藤将彰 '), 宮崎有 '), 高橋彰 '), 小倉啓司 '), 赤松秀輔 2) 目的 表在性膀胱癌への BCG 注入療法において株の違いによる副作用 再発予防効果について比較検討した報告はない 今回 日本で使用出来る 2 種類の BCG;Tokyo 株 ( イムノブラグー ) および Connaught 株 ( イムシスト ) ついてこれらに差があるか否かを検討した 方法 2004 年 4 月から 2009 年 8 月までに TURBt 施行後の表在性膀胱癌に対して再発予防または治療の目的で BCG 膀胱内注入療法を行った 98 例について 副作用 治療終了後の非再発期間を統計的に解析した 成績 Tokyo 株群は 48 例 Connaught 株群は 50 例であった 38 以上の発熱を認めた症例はそれぞれ 16.7% および 16.0% で有意差は認めなかった (p=0.610) 膿尿 肉眼的血尿 排尿痛についても有意な差は認めなかった 副作用により 6 回未満で中止した症例は 83% および 80% で有意差を認めなかった 再発予防目的で注入療法を行った症例において非再発期間に関しても株間で有意差を認めなかった (p=0803) 結論 本検討では Tokyo 株および Connaught 株の間で副作用 再発予防効果に有意な差を認めなかった Plp-150 日本株とコンノート株で異なる膀胱癌細胞株 KK47 に対する BCG の直接効果の作用機序 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学盛和行, 鈴木裕一朗, 杉山尚樹, 岡本亜希子, 工藤茂将, 立和田得志, 岩渕郁哉, 米山高弘, 橋本安弘, 古家琢也, 百瀬昭志, ネ Iil 村典孝, 大山力 目的 我々は 日本株 (Tokyol72 株 )BCG が膀胱癌細胞株に対して直接的抗腫瘍効果を示すことを報告してきた 今回 KK47 細胞に対する BCG 日本株とコンノート株の直接効果の作用機序を検討した 方法 終濃度 01mg/ml の BCG ( 日本株 コンノート株 ) と KK47 細胞を通常の培養用ディッシュ及び細胞外基質を構成するフイブロネクチンでコートしたディッシュを用い 5 日間混合培養し 生細胞数を測定した 細胞及び培養上清を回収し PI 法によりフローサイトメトリーによる細胞周期解析 (S 期比率 G2/G1 比 ) 及びアポトーシス検出を行った 結果 通常の培養用ディッシュ フィブロネクチンコートデイッシュいずれも 生細胞数は日本株 コンノート株ともに無添加のコントロールに比して有意に低下した 日本株ではアポトーシスが冗進し 細胞周期の S 期比率 G2/G1 比は有意差がなかった コンノート株ではアポトーシス S 期比率 G2/G1 比いずれも差がなかった フイブロネクチンによる差は日本株 コンノート株いずれも見られなかった 考察 BCG による生細胞数低下という現象は共通するものの 直接効果の作用機序は日本株とコンノート株でアポトーシス冗進の程度に差があった 膀胱癌細胞株 J82 でも同様の結果を得ており 日本株とコンノート株は異なる作用機序で直接効果を示すことが示唆された PP-152 離臘 ;l 藤 ill 鰯 i 墨農 iri 鱸 岐阜尿路上皮癌研究グループ '), 掛川市立病院泌尿器科 2), 岐阜大学大学院泌尿器科学分野 3) 山田徹 1,2), 土屋邦洋 '), 河合篤史 '), 加藤成一 '), 亀井信吾 '), 谷口光宏 '), 玉木正義 '), 竹内敏視 '), 出口隆 3) 目的 非筋層浸潤性膀胱癌の治療において, 日本で使用可能な BCG 製剤はイムノブラダー (T0 町 o172 株 ) とイムシスト (Connaught 株 ) の 2 種類である. この 2 剤の比較検討はされていないため, 比較検討を行った. 対象と方法 岐阜大学および関連施設において, 初発の非筋層浸潤性膀胱癌において,CIS の治療もしくは pta/pt1 腫瘍の TUR-Bt 後の再発予防目的に BCG 膀注療法を施行された 211 例を検討した. 各症例数 ;( 原発性 CIS, 随伴性 CIS 例, 再発予防例 ) は, イムノブラダー ( 群 )108 例 (36,31,41), イムシスト (IC 群 )103 例 (32,26,45) であった. 投与量別では,IB 群 80mg(14,11,4),40mg(22, 18,33),20mg(0,2,4),IC 群 81mg(18,15,19),40,5mg (12,11,26),20,25mg(2,0,0) であった.CIS の治療効果と再発予防効果について検討した. 結果 CIS の治療効果は, 原発性 CIS では, 群と IC 群の 2 群間全体でも, 各投与量群でも, 有意差を認めなかった随伴性 CIS では, 全体で IC 群が良い傾向 (p=0051) にあった. 各投与量群では IC40.5mg>IB40mg(p=0012) で有意差を認めた. 再発予防例では, 全体でも, 各投与量群でも, 有意差を認めなかった. 結論 IIB 群と IC 群で明らかな治療効果, 再発予防効果の差を認めなかった効果予後因子や副作用についても検討の必要があると考えられた.

[ 378(412) 11 PP-173 ハイリスク前立腺癌に対する腹腔鏡下前立腺全摘除術におけるネオアジュバント内分泌療法の病理組織 PSA 再発への有効 ' 性の検討 慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室香野日高, 中川健, 宮嶋哲, 水野隆一, 菊地栄次, 長田浩彦, 浅沼宏, 大家基嗣 目的 当院では腹腔鏡下前立腺全摘除術 (LRP) の適応を臨床病期 T2(cT2) 以下としている ct2 の中でも l Gleasonscore 8,2PSA 20,9/ml apsadensity(psad) 03,4.MRI にて腫瘍が被膜に 1cm 以上接しているもの (ct2+ 群 ) のうち少なくとも 1 つを満たす症例をハイリスク群と定義し,LRP 施行後の 病理組織 PSA 再発につき検討した 対象 方法 当院で LRP を施行し上記定義を満たす 179 例を対象とした ネオアジュバント内分泌療法 (NHT) は術前 4 ヶ月以上の MAB とした 平均観察期間は 41.0 ヶ月であり NHT 施行例は 47 例であった PSA 再発のカットオフ値は 02,9/ml とした 年齢 Gleasonscore 値 (G1,s 値 ) PSA 値 PSAD 値 ct2+ の有無 NHT の有無を独立変数として被膜外浸潤陽性 切除断端陽性の有無についてロジスチイック回帰分析を行った さらに上記因子を用いて PSA 再発に関して比例ハザードモデルを用いた生存分析を行った 結果 被膜外浸潤陽性率 切除断端陽性率に有意に影響を与える因子は NHT の有無のみ ( どちらも p<00001) であった PSA 再発に有意に影響を与える因子は G1,s 値 (p=00023) と NHT の有無 (p=00437) であった まとめ ハイリスク前立腺癌に対し NHT 後に LRP を施行することで 切除断端陽性率 PSA 再発率を有意に低下させることができる可能性が示唆された PP-175 Highrisk 前立腺癌に対する LHRH アゴニスト + エストラムスチンのネオアジュバント療法に関する Phasellstudy 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座工藤茂将, 岡本哲平, 今西賢吾, 鈴木裕一朗, 杉山尚樹, 盛和行米山高弘, 橋本安弘, 古家琢也, 神村典孝, 大山力 緒言 HighRisk 前立腺癌に対する LHRH アゴニスト + エストラムスチン (LHRH+EMP) のネオアジュバント療法十前立腺全摘術の phasellstudy の中間報告を行う. 対象および方法 Highrisk 前立腺癌 87 例が登録された.LHRH+EMP を 6 か月施行した後, 手術を行った. primaryendpomt を pto 率,secondaryendpomt を術後 2 年の PSA 非再発率とした 結果 患者の平均年齢は 672 歳, 平均観察期間は 222 か月であった. 初診時 PSA は平均 22.5,9/ml であった病理学的に pto と診断された症例は 4 例 (4.6%) であった切除断端陰性例は 73 例 (839%) であった.2 年 PSA 非再発率はそれぞれ 75.1% であった. 切除断端陰性例では 2 年 PSA 非再発率が 838% と, 陽性例 (359%) に比べ有意に延長した (p<00001). 有害事象として, 乳房腫大を全例で認め, 胃部不快により治療の変更を要した症例が 1 例 (1.1%) あった 結論 LHRH+EMP のネオアジュバント療法十前立腺全摘術は, Highrisk 前立腺癌の治療成績を改善させる可能性がある PP-1743 蝿 ; 離陸縛繍長期内 PP-176 繁鰐鵠澪繍 Mfi 雰襲 r ピ I 名古屋大学医学部泌尿器科小松智徳, 服部良平, 佐々直人, 松川宜久, 吉野能, 後藤百万 目的 限局性もしくは局所進行性の前立腺癌において再発リスクによる分類が一般的となった ハイリスク前立腺癌に対する外科的治療を行った症例をレトロスペクテイブに解析し 術前治療の有益性を評価した 方法 名古屋大学泌尿器科にて施行された前立腺摘除術において 診断時 PSA>20 もしくは生検の結果にてグリソンスコア 4+4 以上の症例をハイリスク群と定義し 術前内分泌治療の有無 期間により PSA 再発までの期間を評価した 術後の PSA 再発は 0.4 を超えた時点とした また手術時のリンパ節転移を有する症例など術直後より治療を再開した症例は除外した 結果 2000 年 1 月から 2009 年 8 月に当院にて施行した前立腺全摘除術のうち 上記を満たした症例 111 例について検討した 術前未治療群 (1 群 ) 術前内分泌治療施行例が 41 例であった 術前治療期間を 1 年未満 以上で 2 群に分け 1 年未満 (2 群 ) が 53 例 1 年以上 (3 群 ) が 17 例であった 1 年 3 年の PSA 非再発率 (%) はそれぞれ 1 年 66,62,76,3 年 42,42,57 であった 結論 前立腺癌における術前ホルモン治療の有用性については否定的な報告が多いが 再発リスクの高いハイリスク群においては長期の内分泌治療による無再発期間の延長の可能性が示唆された 症例数を増やし 観察期間を長くしての検討が必要と思われる 滋賀医科大学医学部泌尿器科学花田英紀, 岡本圭生, 和田晃典, 佐野太一, 前澤卓也, 吉田哲也, 牛田博, 影山進, 上仁数義, 成田充弘, 岡田裕作 目的 近年の研究で前立腺癌に対するホルモン療法が肥満を含めた代謝面での副作用をきたすことが着目されている 今回われわれは小線源治療の際に用いられた短期の短期ホルモン療法による bodycomposition への影響を検討した 方法 2005 年 ~2008 年に当科で前立腺癌に対し小線源療法を行った 75 例を対象とした 短期ホルモン療法を行った症例でのホルモン療法中の体重 体型の変化 およびホルモン療法終了後の経時的体重 体型の変化を検討した 結果 平均年齢は 678 歳 (52~77 歳 ) 小線源療法単独症例が 40 例 外照射併用療法が 35 例であった 小線源療法前に短期ホルモン療法を行った症例は 54 例 ( うち MAB 療法 49 例 ピカルタミド単独療法 5 例 ) であった MAB 療法の治療期間は平均 4.7 ヵ月 (2 ヵ月 ~3 年 6 ヵ月 ) で ピカルタミド単独療法の治療期間は平均 2.6 カ月 (1 ヵ月 ~4 ヵ月 ) であった ホルモン療法前後での体重の比較では 54 例中 32 例に体重の増加を認めた ホルモン療法前の平均体重は 64.7kg ホルモン療法後の平均体重は 65.8kg で 体重の増加率は 1.7% であった 考察 短期ホルモン療法の前後での体重を比較すると ホルモン療法により体重が増加する傾向が認められた ホルモン療法前後での皮下脂肪の変化 またホルモン療法終了後の経時的体重変化についても検討を加え発表する予定である, I

388(422) PM35 鰄鯛懸藍艫 m it PP-215 認繍懸溌是認獣 bin 北野病院泌尿器科長濱寛二, 加藤敬司, 八木橋祐亮, 山本雅一, 金丸洋史 目的 Gemcitabine-Cisplatin 併用化学療法 (GC 療法 ) が標準治療としておこなわれるようになった 本治療の有効性 安全性について検討した 方法 2005 年 4 月から 2009 年 9 月まで当院で尿路上皮癌に対し GC 療法をおこなった 19 例を対象とし 近接効果 生存率 有害事象について検討した G は Day1,8,15 に 1000mg/m2,C は Day2 に 70mg/m2 を投与した 評価は NCICTC 日本語版第 3 版に準じた 成績 転移を有する進行性尿路上皮癌に全身化学療法として 14 例に施行した CR4 例 PR5 例 NC4 例 PD1 例であった 有害事象として G3 以上の血小板減少症を 7 例 有熱性の好中球減少症を 3 例に認めた 平均観察期間は 7.4±3.9 ケ月 1 年生存率は 624± 21.2% であった 14 例中 6 例が他の化学療法による既治療歴があり 1 例が MVAC 無効例 5 例が MEC 無効例であり CR2 例 PR3 例 NC1 例であった 腎孟尿管癌の術後補助化学療法として 4 例に施行した 2 コースを予定していたが 2 例は血小板減少のため 1 コースのみになった 結論 GC 療法は安全で有効であり 前治療で無効例に対しても効果が期待できる 有害事象として血小板減少が多く 術後補助として用いる場合に注意が必要である 亀田総合病院泌尿器科 '), 紫陽会原クリニック 2) 越智敦彦 '), 江夏徳寿 '), 木村友和 '), 鈴木康一郎 '), 志賀直樹 '), 太田智則 '), 西村洋司 '), 久慈弘士 2) 目的 上部尿路癌に対する Gemcitabine+Carboplatm(GC) 療法の有用性を検討した 対象 方法 2008 年 5 月から 2009 年 9 月に腎機能障害等の理由で GC 療法を選択した上部尿路癌の 8 例を対象とした Gemcitabme を day1,8 に 1000mg/m2 Carboplatin を dayl に投与量 AUC45 で Calvert の式にて算出し 1 コースを 21 日として投与した 有害事象で day8 投与が不可の場合は dayl5 に投与延期 1 コースは 28 日とした 結果 症例は男性 4 例 女性 4 例で 平均年齢 71.1 歳 原発巣は腎孟癌 4 例 尿管癌 3 例 腎孟十尿管癌 1 例であった 加療前に腎尿管全摘 5 例 針生検 2 例で組織診断がされ いずれも尿路上皮癌だが 2 例で扁平上皮癌も混在した (1 例は逆行性尿路造影と尿細胞診で診断 ) 4 例は所属リンパ節や遠隔転移を認め転移性癌の加療として 4 例は adjuvant として平均 34(2-4) コース施行した 有害事象は grade3 以上の好中球減少 6 例 血小板減少 1 例 尿路感染 2 例 補液必要な嘔気嘔吐 1 例 皮疹 1 例であった 効果判定可能な adjuvant 群 2 例の観察期間はそれぞれ 40 と 11.5 ケ月でいずれも再発がなかった 転移加療群の平均観察期間は 35 ヶ月 (L2-10.2 ケ月 ) で CR1 例 PR2 例 PD1 例であった 結論 症例数が少なく観察期間も短いが 転移性癌に対して CR 継続の症例を認め adjuvant としても再発例なく GC 療法の有効 ' 性が期待される PP-214 繍鮠蝋擶溌鵜 弘前大学米山高弘, 今西賢悟, 岡本哲平, 杉山尚樹, 鈴木裕一朗, 工藤茂将, 盛和行, 立和田得志, 橋本安弘, 古家琢也, 神村典孝, 大山力進行性尿路上皮癌に対し Carboplatin をベースとした化学療法を行い検討した 2004 年 9 月より 2009 年 7 月までに治療した進行性上部尿路上皮癌患者 38 例 ( 男性 27 例 女性 11 例 ) を対象とした 平均年齢 689 歳 (43-89) クレアチニンクリアランスの平均は 49.5ml/ 分 (116-993) 平均観察期間は 13.1 ヶ月 (329) であった 治療方法は lstlme として gemcitabme+carboplatin(gc) 療法 2 コースを 1 セットとして行い 効果が不十分な際には 2,.line として GC+Docetaxel(GCD) 療法に移行した 治療効果は RECIST で評価した GC 療法では 奏効率 (CR+PR) 50.0% 平均奏功期間は 7.5 ヶ月 (3-29) であった GCD 療法は 11 例に施行し 奏功例は 1 例 (9.1%) のみで 平均奏功期間は 110 ヶ月であった 生存期間の中央値は 1L0 ヶ月であった Grade3 以上の有害事象は GC 療法では 27 例 (7L0%) に GCD 療法では全例に出現した Carboplatin をベースとした療法は 腎機能低下症例が多い進行性上部尿路上皮癌患者に対し 有効で安全に施行可能であると考えられた PP-216 雛も搬麗 i; 蕊雛 VAC 震 岩手医科大学医学部泌尿器科小松淳, 藤島洋介, 松浦朋彦, 岩崎 _ 洋, 小原航, 阿部貴弥, 丹治進, 藤岡知昭 ( 目的 ) 本邦において進行性尿路上皮腫瘍に対する標準的化学療法は M-VAC 療法であるが 近年 GC(Gemcitabme- Carboplatin) 療法の有用性も報告されている しかし進行性上部尿路腫瘍に関する報告は少なく 今回進行性上部尿路腫瘍に対する M-VAC 療法と GC 療法の治療効果について比較検討した ( 方法 )2006 年 5 月から 2009 年 10 月までに Stage4 上部尿路上皮腫瘍と診断され化学療法を施行した 17 例 男性 11 例 女性 5 例 ( 腎孟癌 5 例 尿管癌 12 例 M-VAC 療法 10 例 GC 療法 7 例 ) を対象とした 年齢は 52 歳 ~73 歳で平均 66.6 歳であった 初診時に転移を有した症例が 12 例 手術後の再発例は 5 例であった GC 療法は GemcitabmelOOOmg/m2 を day1,8,15 CarboplatinAUC5 を day2,21 日周期とした ( 結果 ) M-VAC 療法の施行回数は 1~5 回 ( 平均 2.1 回 ) GC 療法は 2~4 回 ( 平均 30 回 ) であった 奏功率は M-VAC 療法で CR1 例 PR5 例 NC4 例 GC 療法では CR1 例 PR3 例 NC2 例であり 平均観察期間は M-VAC 療法で 1~27 ケ月 ( 平均 161 ケ月 ) GC 療法で 1~27 ケ月 ( 平均 11.5 ヶ月 ) であった ( 結論 ) 症例数は少ないが M-VAC 療法に比べて GC 療法の治療効果は劣らず 腎機能障害症例に対して また入院期間が短いこと等 進行性上部尿路腫瘍に対する GC 療法は有用となる可能性がある

11 1 lil ', 1,.11I,'' ''' 496(530) PP-645 欝藤おける AKR1B10 の発蕊と喫嬢 弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座橋本安弘, 杉山尚樹, 鈴木裕一朗, 工藤茂将, 米山高弘, 古家琢也, 神村典孝, 大山力 ( 背景と目的 ) アルドケト還元酵素 (AKR) ファミリーの一つである AKR1B10 はヒト非小細胞肺癌組織において大量に誘導され 喫煙が AKRlB10 発現に影響を与える独立因子であることが報告されている 膀胱癌も喫煙との関係が深いが 喫煙と膀胱癌の発癌に関係する keymolecule はいまだに不明である 今回我々は ヒト膀胱癌培養株である T24,KK47,J82 および手術標本での AKR1B10 の mrna 蛋白の発現を検討すると共に 膀胱全摘術を施行した 51 症例において AKR1B10 の免疫組織化学的検討を行った ( 方法と結果 )AKRlB10 は T24,KK47,J82 および手術標本で正常組織と比較して mrna 蛋白が多く発現していた 膀胱全摘症例 51 例 ( 平均年齢 67 歳 男 40 例 女 11 例 平均観察期間 59.3 カ月 喫煙歴 33 例 ) において免疫染色を行ったところ 40 例 (784%) で陽性像を認めた この蛋白の発現は癌特異的生存率 PT grade pn との関係は認められなかったが 喫煙歴とは有意な相関関係が認められた (p<0001) また喫煙者の正常移行上皮細胞にこの蛋白が発現する傾向が認められた ( 結論 ) 今回の我々の検討では膀胱癌においても高率に AKRlB10 が発現し 膀胱癌と喫煙との関係が強く示唆された PP-647 前立腺癌と内臓脂肪面積の臨床学的検討 千葉県済生会習志野病院泌尿器科 '), 船橋医療センター泌尿器科 2), 千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学 3) 藤村正亮 '), 関田信之 '), 西川里佳 '), 陳憲生 2), 鈴木啓悦 3), 三上和男 ') 目的 前立腺癌と肥満との関係について様々な報告が見られる 悪性度 術後の PSA 再発 癌特異的生存率などの因子との関連を指摘されている 最近肥満の評価の一つとして内臓脂肪蓄積が様々な分野で注目されているが 今回当院にて腹部 CT を用いて内臓脂肪面積を計測した結果を用いて内臓脂肪面積と前立腺癌との関係について検討した 方法 2005 年 1 月から 2008 年 8 月までで当科を受診し前立腺癌の診断を受けた患者の中で 腹部 X 線 CT 検査を施行した 265 例を対象とした X 線 CT 上 膳部を含んだスライスを DICOM 画像として FatScan にて内臓脂肪面積 皮下脂肪面積 腹囲を計測した PSA Gleasonscore 腫瘍体積 臨床病期などの臨床上のパラメータとの関連性について検討した 結果 年齢 5188 歳 ( 中央値 70 歳 ) PSA326-34000( 中央値 809) BMI236±2.77kg/m2 腹囲 8680±821cm 内臓脂肪面積 113.61±49.61cm2, 皮下脂肪面積 11424±43.46cm2 であった 病期別の内臓脂肪面積では StageB で 117.68± 49.34cm2,StageC で 111.99±48.63cm2,StageD で 85.79 ±4340cm2 であり病期群ごとの内臓脂肪面積において有意差を認めた (p=00186) 結語 内臓脂肪面積は前立腺癌の臨床病期と相関があり 病期の高いほど内臓脂肪面積が小さくなる傾向が認められた 1i ll lll lnl ll ll1 lll 二 EII I lli li l1i illl I1 ill I1: 11 iil il M 111 PP-646 非浸潤性膀胱癌に対する survivin-hsp90 complexinhibitor 膀胱内注入療法モデルの確立 東京医科歯科大学泌尿器科矢野晶大, 藤井靖久, 木島敏樹, 増田均, 川上理, 木原和徳 目的 癌特異的標的分子である survivin および様々な oncogenicprotem をクライアントとする Hsp90 をターゲットとする survivm-hsp90complexinhibitor,shepherdin を用い 非浸潤性膀胱癌に対する膀胱内注入療法モデルを確立する 方法 膀胱癌細胞株を shepherdin 投与下に培養し MTSassay Westernblot にて 細胞増殖ならびに survivin Akt,cytochromec などの蛋白の発現を検討した また 膀胱癌細胞株 UMUC-3-1uciferasecell(2xlO6) を雌のヌードマウス膀胱内に注入 非浸潤性膀胱癌の orthotopicmodel を作成後 50uMshepherdm またはコントロール群として PBS100ul を膀胱内に週 3 回注入 ( 名群 =8) し IVISvivoimagingsystem 下に shepherdm の抗腫瘍効果を検討した 結果 Shepherd 投与にて 膀胱癌細胞株 RT4,T24,UMUC-3 の細胞増殖が抑制された また survivin,akt の発現が抑制され cytochromec の発現が増加した Invivo では shepherdin 膀胱内注入群において 有意に発光シグナルが減少し 膀胱内 UM- UC-3 細胞の増殖が抑制された 結論 SurvivinHsp90 complexinhibitor の膀胱内注入療法は 膀胱癌に対する分子標的療法として有用であると考えられた PP-648 霊鮴鮒 11 鍼 : 豪立臘癌リ 兵庫県立西宮病院泌尿器科西村憲二, 惣田哲次, 山中和明, 平井利明, 岸川英史, 市川靖二 目的 近年メタポリックシンドローム (MS) や肥満が前立腺癌リスクや PSA 値に及ぼす影響に関する報告が欧米から多数なされているが 本邦における報告は少なく統一した見解が得られていない 今回我々は上記疾患及びその構成要素が前立腺癌リスクや PSA 値に及ぼす影響に関して検討した 対象と方法 対象は 2007 年 7 月から 2009 年 3 月までに当院において前立腺生検を施行した 218 例 ( 癌 :87 例 非癌 :131 例 ) 全症例において MS 高血圧症 高脂血症 糖尿病を診断し前立腺癌に対するリスクを検討した またこれらの構成要素 ( 体重 腹囲 BMI 血圧 コレステロール トリグリセリド HDL LDL 空腹時血糖 HbA1c) と PSA 値との関連を検討した 結果 MS は 78 例 ( 癌 :30 例 非癌 :48 例 ) 非 MS は 140 例 ( 癌 :57 例 非癌 :83 例 ) であり 高血 FF 庁 高脂血症 糖尿病を含め これら疾患群の有無と癌 非癌群との間に有意差は認めなかった 各種構成要素と PSA 値との関連は HDL 値 (40mg/d1 未満 : 平均 PSA1784ng/m1, 40mg/d1 以上 :232,9/ml p=0003) で有意差を HbA1c 値 (58% 以上 : 平均 PSA105.1,9/m1,5.8% 未満 :29,9 プ mlp=0087) で傾向を認めた 結論 MS 高血圧症 高脂血症 糖尿病と前立腺癌リスクとの間に関連は見いだせなかったが PSA 値は HDL や HbA1c に影響を受ける可能性が示唆された