開始前に手話表現を確認しましょう PEPNet-Japan ( ペプネットジャパン ) (Postsecondary Education Programs Network) = 日本聴覚障害高等教育支援ネットワーク 第 5 回ろう教育を考える全国討論集会 in 長崎分科会 3 権利としての情報保障 ~ 実践から学ぶ ~ JASSO( ジャッソ ) (Japan Student Services Organization) = 日本学生支援機構 福岡教育大学太田富雄 * 他にあればおっしゃってください 9/8/03 03,8,7. 障害者政策委員会第 回第 小委員会委員提出意見論点 6 条 4 高等教育における障害学生支援委員名小中栄一. 聴覚障害学生への合理的配慮および必要な支援 手話通訳 パソコン文字通訳 ノートテイク等の配置 そのための人材養成 派遣制度の整備 また 高等教育においては 専門用語を含む情報をできるだけ正確にかつ多く伝える必要があり 高等教育における情報保障という目的に特化した手話通訳者 要約筆記者の研修制度の確立が不可欠である 映像教材等への字幕挿入 文字説明 英語 体育 音楽等の教科での授業指導の工夫 また 授業や行事等での音声情報を板書 メモ書き 掲示等により文字情報で伝える配慮などの支援のあり方を整備し 各高等教育機関にて実施していくためのシステムの充実 9/8/03 3 9/8/03 4 磁気ループや FM 式補聴器などの補聴環境の整備 聴覚障害学生が障害認識し 手話を身につけてより肯定的なアイデンティティを確立するための支援 そのための障害学生支援担当教官を配置するとともに ピア カウセリングとしての同じ聴覚障害者を相談支援者として確保すること ( 聴覚障害者情報提供施設等との連携 ) 障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告 ( 第一次まとめ ) 平成 4 年 月 日 7 専門的人材の養成 専門的知識や技術を有する専門的人材 ( 手話通訳等の専門技術を有する支援者等 ) を適切に配置することが重要 9/8/03 5 9/8/03 6
高等教育機関における障害のある学生の修学支援に関する実態調査 (JASSO,0) 障害種別の障害学生数 ( ) 内は支援を受ける学生数と支援率 日本の高等教育機関 98 校 ( 回答 97 校 ) 大学 780 校,987,48 人障害者 590 校 0,96 人 (0.37%) 短期大学 360 校 53,783 人障害者 5 校 470 人 (0.3%) 高等専門学校 57 校 58,64 人障害者 5 校 38 人 (0.65%) 合計で 3,99,905 人中,768 人在籍 (0.37%) 視覚障害 聴覚言語 肢体不自由 病弱虚弱 重複 発達障害 その他 694(53:76.7%) 人 488(005:67.5%) 人 450(55:5.%) 人 570(847:33.0%) 人 63(80:68.4%) 人 878(9:68.7%) 人 45(34:55.3%) 人 3 その他 0% 視覚 6% 聴覚言語 3% 00 90 80 70 60 50 発達障害 6% 肢体不自由 % 40 30 0 0 重複 % 病弱虚弱 % 0 図 障害種別の構成比 9 図 支援を受けている障害学生の率 ( 障害種別 ) 0 人以上 5% ~0 人 6% 表 専攻別の聴覚障害学生数 0 人 45% 人 4% 6~0 人 9% ~5 人 % 人文科学 4 保健 40 社会科学 4 商船 0 理学 6 家庭 5 工学 6 教育 4 農学 3 芸術 40 医 歯学 9 その他 45 図 3 障害学生在籍学校数 ( 障害学生在籍者数別 )
使用教室配慮講義内容録音可ビデオ教材字幕付手話通訳実技 実習配慮 FM 補聴器 PCテイク注意事項文書伝達教室内座席配置 対応する委員会がない 35% 他の委員会が対応 50% 専門委員会設置 5% ノートテイク 0 50 00 50 00 図 5 障害学生修学支援に関する委員会の設置状況 図 4 主な授業支援 ( 聴覚障害 ) 3 4 支援対象になる聴覚障害者とは 学校教育法施行令第 条の 3 聴覚障害者 両耳の聴力レベルがおおむね六十デシベル以上のもののうち 補聴器等の使用によつても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの 大学入試センター 受験特別措置の対象となる者 両耳の平均聴力レベルが 60 デシベル以上の者 上記以外の聴覚障害者 * 支援対象も支援内容も聴力レベルだけでは決められない 0 支援は入学前から始まる オープンキャンパス 入試の事前相談から開始 < 問題点 > 支援体制についての情報がない どこに相談すればいいかわからない 部署によって対応が異なる 入試時の配慮や入学後の支援についての明確な答えが得られない 高校の進路指導担当者が進学先の OC や入試説明会に出向き相談するのが一般的 そんな時 強い? 味方がいます 6 強い味方! 日本聴覚障害高等教育支援ネットワーク PEPNet-Japan の教育機関が連携 PEPNet-Japan の取り組み 聴覚障害学生支援体制の確立 共同研究による支援技術の開発 支援実践の蓄積とモデルの構築 聴覚障害学生支援に関する情報の蓄積 支援 情報ネットワークの形成 各地域の中核となりうる大学 情報機関の連携強化 地域のネットワーク形成 全国の大学 機関に向けた情報の発信 支援 Postsecondary Education Programs Network とにかくアクセスを! http://www.pepnet-j.com/ 7 8 3
日本学生支援機構 (JASSO) の障害学生修学支援ネットワーク 情報保障の導入 ノートテイクの導入を開始したいなら日本聴覚障害高等教育支援ネットワーク情報保障評価事業グループ (007) 大学ノートテイク支援ハンドブック 人間社を使おう! 全障害種に対応 9つの拠点校 札幌学院大学 宮城教育大学 筑波大学 富山大学 日本福祉大学 同志社大学 関西学院大学 広島大学 福岡教育大学とにかくアクセスを! http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/index.html PC テイクにチャレンジするなら PEPNet-Japan の パソコンノートテイク導入支援ガイドやってみよう! パソコンノートテイク http://www.a.tsukuba-tech.ac.jp/ce/xoops/modules/ tinyd/index.php?id=09&tmid=08 を使おう! 手話通訳を検討するなら PEPNet-Japan の 大学での手話通訳ガイドブックー聴覚障害学生のニーズに応えようー http://www.a.tsukuba-tech.ac.jp/ce/xoops/modules/ tinyd/index.php?id=9&tmid=99 を使おう! 9 0 情報保障手段の特徴比較 ノートテイク PC ノートテイク手話通訳 方法手書きで要約 PC 使用で要約手話を使用 必要人数 (90 分 ) 特徴 費用 ( 時給 ) 名 人入力 :~3 名連携入力 :3~4 名 情報量が少ない 図 数式にむく 配布資料への書き込みにむく タイムラグ有り 情報量が多い 図 数式に不向き デジタルデータ化できる タイムラグ有り 音声量が多い授業にむく 名 情報量が多い 図 数式は無理 タイムラグ少ない ゼミ ディスカッション 実習にむく 500~500 円 500~500 円 000~3000 円 * 技能 専門性による 養成簡単簡単困難 ノートテイク PC テイクの課題 ( 本学 ) スキルアップ ( 速く 正確に 分かりやすく ) 人員確保 ( 授業担当者の学生 ) 授業担当者 他の受講生の理解 課題解決に向け FKC で取組 FKC(F: 福岡大学 K: 福岡教育大学 C: 筑紫女学園大学 ) で学習会 合宿を実施 00 年 第 6 回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムの実践事例コンテストでグッド プレゼンテーション賞を受賞! PEPNet-Japan 座談会 : 大学で求められる手話通訳とは? 高等教育場面における手話通訳像とは? 松崎 : 論理的思考力がしっかりしていること 金澤 : 大学講義は 判断保留 ( 事実のみを述べ その良し悪しについて言及しない ) が多い 客観的説明をいかに再現できるかが重要 白澤 : 客観的事実を述べているのか 批判的な立場か 同調しているのか 情報を敏感に感じ取り訳して欲しい 松崎 : 教員の論理展開の特徴をつかんで伝えているか 学生が理解しやすい論理展開に変えたら 学生には教員の論理展開が伝わらない 論理を伝達するということ 末森 : 正しい語彙 文法を用いて文章を提示しても プロソディやモダリティがずれると 論理が理解できなくなる * プロソディ : 韻律情報 抑揚 強勢 リズムなど * モダリティ : 話している内容に対する話者の判断や感じ方を表す言語表現 金澤 :PC テイクでなく 手話通訳が欲しいという学生は 内容に対する価値づけを知りたいということ 白澤 : 上手な手話通訳者の場合 ああ なるほど そういうことね そうそう そうだよね と 見ている人の思考力を動かす力がある 学問的思考が喚起される 3 4 4
高等教育に対応するための手話通訳技術とは? 論理や態度の伝達 () 句や区切りや接続関係が明確に捉えられる () 論理の流れや論理展開が明確に伝わる (3) 話されている内容についての話者の態度が伝わってくる (4) 話を聞くことで学問的思考 ( 批判的思考 創造的思考 ) が喚起される語彙選択 (5) 日本語の概念に忠実な手話単語を選択している (6) 専門用語の意味が伝わるような手話語彙が選択されている 今後の展望 金澤 : 手話通訳にこだわれるかどうかが支援の質を分ける 予算 研修が必要で ろう学生に わからない と言われたら ノートテイクで十分という気になる しかし ライブ感のある講義を味わって欲しい 白澤 : 情報を伝えるだけなら PC テイクで十分 教員の論理が細部まで伝わる通訳が必要 そのレベルができなければ通訳を利用する意味はない 大学は 自分でものごとを考え 新たな英知を生み出すことのできる人材を育てる場 ろう者がもっと研究者として大学に残り 研究的思考を元に社会に貢献し 新しい知識 技術を発信していくためにも手話通訳にはこだわりたい 9/8/03 5 6 福岡教育大の支援 : 今までに支援を受けた聴覚障害学生 (9 名 ) A 氏 ( 昭和 5 年入学 ) が最初 H5 年度は 4 名が支援を受けているこの他にも難聴学生はいたが 本人からの申告はなし その際は障害学生とは見なさない A 氏の在籍時の様子 大学 年生の夏休みまでは 友人のノートを借りたが限界になり その後聾課程の学生が手話通訳やノートテークでしのいできた 彼が直面した最大の問題は教育実習 毎日 ノートテークをしてもらったが 子どもとのコミュニケーションがとれず わずか 4 日で挫折 教育実習の単位は未習得のまま特例措置で卒業 その後 筑波の大学院に進学 太田がチューターとなる 98 年当時 筑波大には 0 人の聴覚障害学生が在籍 この問題で A 氏の父親が文部省に直談判し 教育職員免許法の一部が改正され 聾学校での実習に振り替えることが認められた この改正以後 他大学も含め 重度聴覚障害学生の教育実習は聾学校で行うことがほとんどとなった 本人の希望により通常の小学校 ( 難聴学級設置校 ) で教育実習を行った学生もいた A 氏の件で 教職員も支援について理解が深まり 好意的な雰囲気で対応できるようになった 障害学生支援懇談会で支援について協議し 障害学生支援室が支援を担当 ボランティア学生も 80 名近く登録 7 8 福教大ならではの情報保障 卒業式での手話ソング ( 平成 0 年度 ~) http://www.youtube.com/user/akitaoga 高校から手話ソング指導の依頼を受け 指導した実績もあり 9 情報サポート講習会の案内 8 月 3 日 ( 金 ) 福岡高等聴覚特別支援学校 午前 : 講演熊本保健科学大学の取り組み 午後 : ノートテイク実習 9/8/03 30 5
討論の柱. 高校までの情報保障の充実 < 課題 > 人材 予算解決案 ( 遠隔情報保障 ). 通常の学校に通う子が増えると聾学校の在籍数減少につながる センター的機能とのかねあいは? 3. 情報保障だけでいいのか? 心理的ケアは? 聾者集団に参加する機会の提供は? 9/8/03 3 6