OCT 101 BSA Tris buttered saline TBS 1 p75ntr 1:100 CD90 1:100CD105 1:100 CD146 1:100PDGF PDGFR, 1:100 1:100von Willebrand factor vw

Similar documents
Untitled

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

スライド 1

ALDEFLUOR® 造血幹細胞/造血前駆細胞の新しい同定試薬

cover

J Life Sci Res 2014; 12: Osaka Prefecture University Journal of Life Science Research Online ISSN

能書単頁9[1].5(2)

メディカルスタッフのための白血病診療ハンドブック

PowerPoint プレゼンテーション

Untitled

STAP現象の検証の実施について

2011 年 8 月 25 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 1 会長講演 毛成長誘導の主役は毛乳頭細胞? 毛包幹細胞? 北里大学皮膚科教授勝岡憲生 はじめに毛髪の生物学的特性に関する基礎研究は ラットの髭から採取した毛乳頭細胞の培養の成功に端を発します 1980 年代初め Jaho

を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

上原記念生命科学財団研究報告集, 28 (2014)

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

バイオリサーチ 7 サービス 7 Cell 321 Testing 329


IV. 製品構成 構成容量本数保存方法有効期限 ラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞 ( 凍結細胞 ) cells/ バイアル 1 本液体窒素保存 6 ヶ月 本細胞は ドライアイス梱包で発送しています 受け取り後 直ちにご使用にならない場合は凍結細胞を液体窒素にて保存してください V. 細胞

研究成果報告書

<8DD AA97A3834C B BF8A69838A C8EA E786C7378>

Untitled

fpj

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

正常ラット軟骨細胞 Normal Rat Cartilage Cell

-. -. CD Threshold Noise Discrimination CD CDbight+ CDdim CD は

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D20834E E815B82CC8DEC90BB B835A838B838D815B835882F08E E646F6378>

長期/島本1

untitled

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

表1.eps

Msx2

GIB057-A1412OB_Gibco_Sera_brochure_PB_ indd

2. 研究の背景関節軟骨は 骨の端を覆い 腕や膝を曲げた時などにかかる衝撃を吸収する組織です 正常な関節軟骨は硝子軟骨と呼ばれます 私達の日常動作のひとつひとつを なめらかに行うためにも大切な組織ですが 加齢に伴ってすり減ったり スポーツや交通事故などの怪我により損傷をうけると 硝子軟骨が線維軟骨注

Untitled

                       平成17年度採択分

STAP現象の検証結果

コラーゲンを用いる細胞培養マニュアル

背景 歯はエナメル質 象牙質 セメント質の3つの硬い組織から構成されます この中でエナメル質は 生体内で最も硬い組織であり 人が食生活を営む上できわめて重要な役割を持ちます これまでエナメル質は 一旦齲蝕 ( むし歯 ) などで破壊されると 再生させることは不可能であり 人工物による修復しかできませ

資料 3-1 CREST 人工多能性幹細胞 (ips 細胞 ) 作製 制御等の医療基盤技術 平成 20 年度平成 21 年度平成 22 年度 10 件 7 件 6 件 進捗状況報告 9.28,2010 総括須田年生

in vivo

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

論文の内容の要旨

研究成果報告書(基金分)

Untitled

周期的に活性化する 色素幹細胞は毛包幹細胞と同様にバルジ サブバルジ領域に局在し 周期的に活性化して分化した色素細胞を毛母に供給し それにより毛が着色する しかし ゲノムストレスが加わるとこのシステムは破たんする 我々の研究室では 加齢に伴い色素幹細胞が枯渇すると白髪を発症すること また 5Gy の

細胞治療用ドナー細胞としての MSC の問題点 課題 調製時に他細胞の混入が避けられない MSC 自体もヘテロな細胞集団 ( 特異的マーカーなし 前駆細胞などが含まれている可能性大 ) 局在する組織による形質の違いが指摘されている 継代培養により形質が変化する 長期培養により発がん性獲得するとの報告

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

平成18年3月17日

Untitled

研究成果報告書

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

Powered by TCPDF ( Title Sub Title Author ヒルシュスプルング病および類縁疾患の原因遺伝子解析と神経堤幹細胞移植治療 Gene Analysis and Neural Crest Stem Cell Transplant Thera

第6号-2/8)最前線(大矢)

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

細胞増殖測定細胞染色プロトコル

2017 年 12 月 15 日 報道機関各位 国立大学法人東北大学大学院医学系研究科国立大学法人九州大学生体防御医学研究所国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ヒト胎盤幹細胞の樹立に世界で初めて成功 - 生殖医療 再生医療への貢献が期待 - 研究のポイント 注 胎盤幹細胞 (TS 細胞 ) 1 は

コーニング社 ウシ胎児血清 Fetal Bovine Serum Corning社はCorningグループの一員であるMediatech社製造のウシ胎児血清を2013 年より 日本国内で販売しています 高品質で安全性の高い血清をご提供致します cgmp準拠施設で製造 FDA登録施設で製造 ISO13

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

Microsoft Word - 学位論文内容の要旨 .doc

ChIP Reagents マニュアル

第79回_プログラム.indd

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

ÿþ

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討

( 平成 22 年 12 月 17 日ヒト ES 委員会説明資料 ) 幹細胞から臓器を作成する 動物性集合胚作成の必要性について 中内啓光 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO 型研究研究プロジェクト名 : 中内幹細胞制御プロジェクト 1

動物性集合胚を用いた研究の 意義と倫理的課題

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

会誌71

Differentiation and search for palatability-factors of world-wide rice grains by PCR method Sumiko NAKAMURA, Hiroshi OKADOME, Koh-ichi YOZA, Kazutomo

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

_.L.O...z.W

/‚“1/ŒxŒ{‚×›î’æ’¶

研究成果報告書

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

Muse 細胞採取のフローチャート 2

肝クッパ 細胞を簡便 大量に 回収できる新規培養方法 農研機構動物衛生研究所病態研究領域上席研究員山中典子 2016 National Agriculture and Food Research Organization. 農研機構 は国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーショ

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

Wnt3 positively and negatively regu Title differentiation of human periodonta Author(s) 吉澤, 佑世 Journal, (): - URL Rig

Microsoft PowerPoint

本実験では 複製された DNA や転写された RNA を個々の細胞で可視化して細胞核の 機能と細胞周期の制御を理解すること 及び 染色体標本の作成により染色体の構造 多様性 分配機構について理解することを目的とする 実習の流れ 第一回実習説明 複製された DNA 複製の検出と観察 第二回染色体標本の

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

untitled

Untitled

【Webinar】顕微鏡観察だけでなく、定量的解析から見える事

1. 背景生殖細胞は 哺乳類の体を構成する細胞の中で 次世代へと受け継がれ 新たな個体をつくり出すことが可能な唯一の細胞です 生殖細胞系列の分化過程や 生殖細胞に特徴的なDNAのメチル化を含むエピゲノム情報 8 の再構成注メカニズムを解明することは 不妊の原因究明や世代を経たエピゲノム情報の伝達メカ

Microsoft Word 年度.docx

酵素消化低分子化フコイダン抽出物の抗ガン作用増強法の開発

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

研究成果報告書

人工神経

共同研究報告書 京都大学再生医科学研究所長殿 研究代表者 ( 申請者 ) 所属 : 独立行政法人物質 材料研究機構生体材料センター職名 : グループリーダー氏名 : 小林尚俊 下記のとおり共同研究課題の実施結果について報告します 記 1. 研究課題 :3 次元ナノファイバー足場内における幹細胞分化に

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

研究成果報告書

Establishment and Characterization of Cynomolgus Monkey ES Cell Lines

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する


Transcription:

Vol.1 2013 pp.1-7 1 2 1 1 1 3 4 5 Development of novel cell therapies using stem cells in umbilical cord blood and cord tissue Hideo MUGISHIMA 1 Taro MATSUMOTO 2 Hiroshi YAGASAKI 1 Mika ISHIGE 1 Sumiko KOBAYASHI 3 Chikako NORO 4 Takashi SUZUKI 5 Wharton s jelly p75 neurotrophin receptor p75ntr 1. mesenchymal stem cell: MSC Wharton s Jelly MSC 1 p75 neurotrophin receptor p75ntr 2. 1 GFP green fluorescent proteinp0-cre/floxed-egfp 2 1 2 3 4 5 mugishima.hideo@nihon-u.ac.jp 1

36 39 24 1 1. 3 4 OCT 101 BSA Tris buttered saline TBS 1 p75ntr 1:100 CD90 1:100CD105 1:100 CD146 1:100PDGF PDGFR, 1:100 1:100von Willebrand factor vwf, 1:5000NG2 1:100 CD34 1:100 ASMA, 1:1004 Alexa 488 IgG Alexa 488IgG Alexa 594 IgG Alexa 594IgG1:500 1 5 µg/ml 33342 15 Olympus Fluoroview FV10i type I : type II : = 5 : 5 : 2 4 96 1 x 10 4 / well B-27 supplement 20 ng/ml EGF 10 ng/ml -2 FGF-2 10 ng/ml LIFDMEM/F12 7~10 p75ntr DAPI DNA 5-ethynyl-2 -deoxyuridine EdU EdU Invitrogen 5 96 1 mm 2- Minimum Essential Medium MEM 5 CO2 3724 10 FBS35 ng/ml MEM 3 5 8 10 FBS 5 M Forskoline 20 ng/ml EGF 10 ng/ml FGF-2 10 ng/ml BDNF MEM7 4430 microtuble associated protein 2 MAP2, 1:100neurofilament 200 NF200, 1:50 1:100 oligodendrocyte marker O4 O4, 1:50 glial fibrillary acidic protein GFAP, 1:00 4 Alexa 488 IgG, Alexa 594 IgG 2

1:5001DAPI 30 6 P0-Cre/Floxed-EGFP P0-Cre/Floxed-EGFP Crlj: CD1 ICR 15.5 E15.5 2 mm EDTA phosphate buffered saline PBS 1 ml 12 2mM EDTA PBS FACSCalibur CellQuest GFP IgG1 E15.5 1 BSA 0.5 Triton X-100 TBS 101 BSA TBS GFP 1:1000 p75ntr 1:50004 Alexa 594 IgG 1:5001 33342 30 2. CD105 CD146 PDGFR CD146 PDGFR Wharton s jelly CD90 CD146 Wharton s jelly CD105 Wharton s jelly MSC CD90, CD105, CD146 Multipotent-differentiating stress enduring MUSE CD105 SSEA-3 3 Wharton s jelly 3. 1 p75ntr MSC CD90 CD105 CD146 PDGFR vwf ASMA Wharton s jelly 2p75NTR CD90 3. SSEA-3 + CD105 + 2 p75ntr p75ntr MSC PDGFR, CD90, CD146 3

臍帯血 臍帯組織幹細胞を用いた新規細胞治療の開発 や血管周皮細胞マーカー NG2 の発現を免疫組織 由来するニューロスフェアが神経細胞およびグリア 化学的に検討した その結果 p75ntr 陽性細胞は 細胞への分化能を有することが示された PDGFR β CD90 CD146 NG2 いずれのマーカー 4 P0-Cre/Floxed-EGFP マウス胎仔を用いた神 も 共 発 現 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た 次 に p75ntr 陽性細胞の形質をより明確にするため 機 経堤由来細胞の局在解析 神経堤に由来する細胞をトレーシングできる P0- 械的に剥離した臍帯動脈から酵素処理により単離し た細胞に対して蛍光免疫染色を行った その結果 Cre/Floxed EGFP マウスの胎仔血を採取し フロー p75ntr 陽性細胞の中には 小型球形で p75ntr 強 サイトメトリー解析を行った結果 胎仔血有核細胞 陽 性 を 示 す 細 胞 と そ れ よ り も 大 型 で 紡 錘 形 の 中の約 0.05 に GFP 陽性細胞が検出された また p75ntr 弱陽性を示す細胞が存在することが明らか P0-Cre/Floxed EGFP マウス胎仔の臍帯から凍結組 になった いずれのp75NTR陽性細胞も PDGFRβ 織切片を作製し 抗 GFP 抗体にて免疫組織染色を CD90 NG2 陽性を示した 一方 これらの細胞は 行った結果 GFP 陽性細胞が臍帯動脈内皮下に局在 血管内皮細胞マーカー vwf や造血幹細胞マーカー している所見が認められた 図 4 GFP 陽性細胞の CD34 は陰性であった 以上の結果より 臍帯動脈 多くは内皮細胞に隣接するように存在していたが 内皮下に存在する p75ntr 陽性細胞は MSC や血管 内皮細胞には GFP の発現は認められなかった 連 周皮細胞の形質を有していることが明らかになっ 続切片標本を用いた検討では GFP 陽性細胞の局在 た 部位に一致して p75ntr 陽性細胞が同定された 以 上の結果より 出生直前のマウス胎仔血および臍帯 3 臍帯動脈由来細胞のスフェア形成能および神 経分化能の検討 動脈内皮下には p75ntr 陽性の神経堤に由来する 細胞が存在することが明らかになった 次に臍帯動脈から単離した細胞が 神経幹細胞様 の自己複製能と分化能を有するかを検討した 臍帯 動脈より酵素処理により単離した細胞をニューロス フェア法にて浮遊培養を行った結果 培養 2 日目頃 より 複数のスフェアが出現し スフェアは徐々に 増大し 培養 7 8 日目には直径約 100μm に達した スフェアを構成する細胞は細胞核に一致して EdU の取り込みが認められたことから DNA 複製能を 有することが明らかとなった スフェアの免疫組織 染色を行った結果 スフェアを形成する大部分の細 胞 が 神 経 幹 細胞マーカーであるネスチンお よ び p75ntr を発現していることが明らかになった 以 上の結果より 臍帯動脈に由来する細胞にニューロ スフェア形成能を有する神経幹細胞様の形質をもっ た細胞が存在することが明らかになった 形成され 図 4. たスフェアをさらに神経分化誘導培地で培養した結 果 神経細胞マーカーである NF200 βⅢチューブ 臍帯動脈内皮下に同定された GFP+ 神経堤由来細 胞 UA: 臍帯動脈 4. 考察 リン MAP2 陽性を示す双極性に長い突起を伸ばし 本研究では 免疫組織化学的検討により臍帯に存 た細胞が認められるようになった またグリア細胞 在する幹細胞 前駆細胞の形質と局在を明らかにし 分化誘導培地で培養を行った結果 アストロサイト た MSC はプラスチックディッシュへの接着性と マーカーである GFAP やオリゴデンドロサイトマー 高い増殖能を有し 骨 軟骨 脂肪など間葉系細胞 カーである O4 陽性の紡錘型の形態を呈する付着細 系列に分化できるという機能から定義された細胞で 胞が誘導された 以上の結果より 臍帯動脈細胞に ある 国際細胞治療学会が定めた minimal criteria 4

MSC CD105 CD73 CD90MSC MSC MSC CD146 2 PDGFR 3 PDGFR MSC 4 p75ntr MSC 5 p75ntr, CD90 CD105 CD146 PDGFR Wharton s jelly Wharton s jelly CD90 CD105 CD146 human umbilical cord perivascular cell HUCPVC HUCPVC MSC MSC 6 MSC 7 8 9-10 11 12 1 1 MSC ES MUSE 13 MUSE SSEA-3 CD105 ES p75ntr p75ntr p75ntr PDGFRCD90 CD146 NG2 MSC Crisan 3 MSC CD146, PDGFR, NG2 p75ntr colony-forming unit fibroblast CFU-F MSC 1. 5

p75ntr CFU-F MSC GFP P0-Cre/ Floxed EGFP p75ntr Pax3, Twist, Sox10, Wnt1 Nagoshi aorta-gonad-mesonephros AGM 14 P0-Cre/Floxed EGFP GFP neural crest-derived stem cell: NCSC 15 NCSC NCSC p75ntr NCSC p75ntr NCSC NCSC NCSC NCSC 5. MSC p75ntr 11-017 10-027 1 Forraz N, McGuckin CP. The umbilical cord: a rich and ethical stem cell source to advance regenerative medicine. Cell Prolif 2011; 44 Suppl 1: 60-69. 2 Sorrentino A, Ferracin M, Castelli G, et al. Isolation and characterization of CD146+ multipotent mesenchymal stromal cells. Exp Hematol 2008; 36: 1035-1046. 3 Crisan M, Yap S, Casteilla L, et al. A perivascular origin for mesenchymal stem cells in multiple human organs. Cell Stem Cell 2008; 3: 301-313. 4 Tokunaga A, Oya T, Ishii Y, et al. PDGF receptor beta is a potent regulator of mesenchymal stromal cell function. J Bone Miner Res 2008; 23: 1519-1528. 5 Buhring HJ, Battula VL, Treml S, et al. Novel markers for the prospective isolation of human MSC. Ann N Y Acad Sci 2007; 1106: 262-271. 6

6 Ennis J, Sarugaser R, Gomez A, et al. Isolation, characterization, and differentiation of human umbilical cord perivascular cells (HUCPVCs). Methods Cell Biol 2008; 86: 121-136. 7 Schneider RK, Pullen A, Kramann R, et al. Long-term survival and characterisation of human umbilical cord-derived mesenchymal stem cells on dermal equivalents. Differentiation 2010; 79:182-193. 8 Alaminos M, Perez-Kohler B, Garzon I, et al. Transdifferentiation potentiality of human Wharton s jelly stem cells towards vascular endothelial cells. J Cell Physiol 2010; 223: 640-647. 9 Fu YS, Cheng YC, Lin MY, et al. Conversion of human umbilical cord mesenchymal stem cells in Wharton s jelly to dopaminergic neurons in vitro: potential therapeutic application for Parkinsonism. Stem Cells 2006; 24: 115-124. 10 Zhang HT, Fan J, Cai YQ, et al. Human Wharton s jelly cells can be induced to differentiate into growth factor-secreting oligodendrocyte progenitor-like cells. Differentiation 2010; 79: 15-20. 11 Zhang YN, Lie PC, Wei X. Differentiation of mesenchymal stromal cells derived from umbilical cord Wharton s jelly into hepatocyte-like cells. Cytotherapy 2009; 11: 548-558. 12 Weiss ML, Anderson C, Medicetty S, et al. Immune properties of human umbilical cord Wharton s jellyderived cells. Stem Cells 2008; 26: 2865-2874. 13 Kuroda Y, Kitada M, Wakao S, et al. Unique multipotent cells in adult human mesenchymal cell populations. Proc Natl Acad Sci U S A 2010; 107: 8639-8643. 14 Nagoshi N, Shibata S, Kubota Y, et al. Ontogeny and multipotency of neural crest-derived stem cells in mouse bone marrow, dorsal root ganglia, and whisker pad. Cell Stem Cell 2008; 2: 392-403. 15 Nagoshi N, Shibata S, Nakamura M, et al. Neural crest-derived stem cells display a wide variety of characteristics. J Cell Biochem 2009; 107: 1046-1052. 7