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Transcription:

1. 方法論番号 001 2. 方法論名称ボイラーの更新 3. 適用条件本方法論は 次の条件の全てを満たす場合に適用することができる 条件 1: 事業実施前のボイラーよりも高効率のボイラーに更新すること ただし バイオマスへの燃料転換を伴う場合は ボイラー効率の改善については問わない 条件 2: ボイラーの更新を行わなかった場合 事業実施前のボイラーを継続して利用することができること 1 条件 3: ボイラーを更新した事業者は 事業実施後のボイラーで生産した蒸気 温水又は熱媒油の熱を自家消費すること 2 4. バウンダリー燃料供給設備及び更新されるボイラーから熱の供給を受ける設備 3 5. ベースライン排出量 (1) ベースライン排出量の考え方ベースライン排出量は ボイラーの更新を行わずに 事業実施前のボイラーを使用し続けた場合に想定される二酸化炭素排出量である (2) ベースラインエネルギー使用量 1) 事業実施後の使用熱量から算定する場合 1 温水を製造する場合又は熱媒油を加熱する場合 Q fuel, 100 = Qheat, ( 式 1) Q F ΔT C ρ 10 3 ( 式 2) heat, = heat, heat, heat, heat, 1 故障又は設備の老朽化等により事業実施前のボイラーを継続して利用できない場合には 条件 2 を満たさない 2 ボイラーを更新した事業者が事業者の外部に熱を供給する場合には 自家消費する熱量分についてのみ本方法論の対象 とする 3 附帯の補機類については 本方法論のバウンダリー外とする 1

Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 4 % Fheat, ΔTheat, 事業実施後の設備で加熱された温水の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差 m 3 K Cheat, 温水又は熱媒油の比熱 MJ/(t K) ρheat, 温水又は熱媒油の密度 t/m 3 熱量計を用いて 事業実施後使用熱量 (Qheat,) を計測できる場合は 直接 Qheat, を用いてベー スラインエネルギー消費量を求めることができる 2 蒸気を製造する場合 Q fuel, 100 = Qheat, ( 式 3) Q F ΔH 10 6 ( 式 4) heat, = heat, heat, Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 % Fheat, 事業実施後の設備で加熱された蒸気の使用量 kg ΔHheat, 加熱前後のエンタルピー差 kj/kg 4 ボイラーのエネルギー消費効率とは 蒸気 温水又は熱媒油に吸収された熱量と供給燃料の燃焼熱量との比であるが 蒸気 温水又は熱媒油に吸収された熱量の計測が困難な場合は当該熱量に比例する他の値 ( 製品生産量等 ) を用いて効率を推定する 2

2) 事業実施後の燃料使用量から算定する場合 Q fuel, = i i = 1 F fuel, i, HV fuel,i, ( 式 5) Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Ffuel,i, 事業実施後燃料 i の使用量 t,kl,nm 3 等 HVfuel,i, 事業実施後燃料 i の単位発熱量 GJ/t, GJ/kL, GJ/Nm 3 等 事業実施後のボイラーのエネルギー消費効率 % 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 % 排出削減事業の実施により 燃料転換が行われ 天然ガスとバイオマス燃料など複数の種類の 燃料を使用する場合 種類ごとの燃料の使用量と単位発熱量から ベースラインエネルギー使 用量を算定する (3) ベースライン排出量 44 EM = Qfuel, CFfuel, ( 式 6) 12 EM ベースライン排出量 tco2/ 年 Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 CFfuel, 事業実施前燃料の単位発熱量当たりの炭素排出係数 tc/gj 6. 事業実施後排出量 1) 事業実施後の使用熱量から算定する場合 EM = i i = 100 44 Q heat,i, CFfuel,i, 1 12 ( 式 7) EM 事業実施後排出量 tco2/ 年 Qheat,i, 事業実施後の燃料 i 起源の使用熱量 GJ/ 年 事業実施後のボイラーのエネルギー消費効率 % CFfuel,i, 事業実施後燃料 i の単位発熱量当たりの炭素排出係数 tc/gj 排出削減事業の実施により 燃料転換が行われ 天然ガスとバイオマス燃料など複数の種類の 燃料を使用する場合 種類ごとの燃料の使用量と単位発熱量から算定した各燃料起源の事業実 施後エネルギー使用量を用いて 事業実施後排出量を算定する 3

2) 事業実施後の燃料使用量から算定する場合 EM i 44 = Ffuel,i, HV fuel,i, CFfuel,i, ( 式 8) 1 12 i = EM 事業実施後排出量 tco2/ 年 Ffuel,i, 事業実施後の燃料 i の使用量 t,kl,nm 3 等 HVfuel,i, 事業実施後燃料 i の単位発熱量 GJ/t, GJ/kL, GJ/Nm 3 等 CFfuel,i, 事業実施後燃料 i の単位発熱量当たりの炭素排出係数 tc/gj 排出削減事業の実施により 燃料転換が行われ 天然ガスとバイオマス燃料など複数の種類の 燃料を使用する場合 種類ごとの燃料の使用量と単位発熱量から 事業実施後排出量を算定す る 7. リーケージ排出量 LE ( 式 9) 記号定義単位 LE リーケージ排出量 tco2/ 年 排出削減事業の実施により生じるバウンダリー外での温室効果ガス排出量の変化であって 技術的に計測可能かつ当該事業に起因するものを リーケージ排出量として考慮する 設備の生産 運搬 設置 廃棄に伴う温室効果ガス排出量は リーケージとしてカウントしない 8. 排出削減量 ( EM LE ) ER = EM ( 式 10) + ER 排出削減量 tco2/ 年 EM ベースライン排出量 tco2/ 年 EM 事業実施後排出量 tco2/ 年 LE リーケージ排出量 tco2/ 年 4

9. モニタリング方法ベースライン排出量と事業実施後排出量を算定するために必要となる モニタリング項目及びモニタリング方法例を下表に示す Qheat,i, Ffuel,i, Fheat, ΔTheat, モニタリング項目事業実施後の燃料 i 起源の使用熱量事業実施後の燃料 i の使用量事業実施後の設備で加熱された蒸気 ( 又は温水 ) の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差 モニタリング方法例 熱量計による計測 Fheat, ΔTheat, 等をもとに算定 Fheat, ΔΗheat, をもとに算定 燃料計による計測 燃料供給会社からの請求書をもとに算定 流量計による計測 温度計による計測 管理温度をもとに算定 5 Cheat, 温水又は熱媒油の比熱 計測 カタログ値 文献値を利用 ρheat, 温水又は熱媒油の密度 計測 カタログ値 文献値を利用 ΔHheat, 加熱前後のエンタルピー差 加熱前後の熱媒の温度 圧力をもとに算定 HVfuel,i, CFfuel, CFfuel,i, 事業実施前のボイラーのエ 6 ネルギー消費効率事業実施後のボイラーのエネルギー消費効率事業実施後燃料 i の単位発熱量事業実施前燃料の単位発熱量当たりの炭素排出係数事業実施後燃料 i の単位発 計測 カタログ値をもとに算定 計測 カタログ値をもとに算定 燃料供給会社のスペックシートをもとに算定 デフォルト値を利用 燃料供給会社のスペックシートをもとに算定 デフォルト値を利用 燃料供給会社のスペックシートをもとに算定 熱量当たりの炭素排出係数 デフォルト値を利用 単位発熱量には高位発熱量 ( 総発熱量 ) と低位発熱量 ( 真発熱量 ) の 2 種類がある モニタリング項目 HVfuel,i, CFfuel, CFfuel,i, の単位発熱量の種類は 同一種類のものを利用する 5 管理温度は 事業者が季節別 時間別に管理 運営している温度 6 ボイラーのエネルギー消費効率を実測する場合 原則 事業実施前後で統一された測定条件で実測することが必要である 5

10. 付記 追加性の有無については バイオマス燃料を利用する場合に限り 投資回収年数の判断基準に加え 事業実施後のバイオマス燃料の購入 バイオマスボイラーに係る維持管理等の経費が 事業実施前の化石燃料の購入 ボイラーに係る維持管理等の経費を上回るか否かを判断基準とすることができる 6 ( 作成日 :H20.10.21) ( 修正日 :H22.10.1) ( 同上 :H22.12.10) ( 同上 :H23.1.27) ( 同上 :H23.3.23) ( 同上 :H23.5.30)