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Transcription:

講義ノート https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-lecture-note.pdf https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p2.pdf 15 分で分かる (?)MRI 古典力学的説明 MRI 原理へのいざない Part 2 1 個のプロトンから 15 分単位で理解できる (?) 基本的な信号強度 Part 2 信号の取り出し方について 学部学生 研修医用の資料 T2 減衰については Part 2 でも Part. 1 での簡略化したモデルで扱っています とりあえず T1, T2 と TR, TE との関係を ざっくりと理解することを目標にしています T1 と T2 は組織のパラメータで TR と TE は撮影装置のパラメータ ( 機械で調整する値 ) になります エックス線検査がラジオなら MRI はテレビに相当します ラジオは選局 ( 周波数相当 ) と音量 ( 電流 時間相当 ) の調整のみですが テレビの場合 それ以外に 少なくとも画面の縦 (TR 相当 ) と横 (TE 相当 ) の大きさに関する設定が必要です 2009/10/30 初版 2018/07/03 第 12.8 版

Part 1~4 へのリンク Part 1: プロトン密度 T1 T2 と信号強度 ( 学部学生必須 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min.pdf 補遺 任意断面の撮影 その 1 --- 位置情報なければ 0 次元 ( 点 ) 補遺 MRI の安全性に関連した項目 Part 2: 信号の取り出し方について ( 学部学生 研修医用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p2.pdf 補遺 :TE 時間後の信号の取得方法 (SE GRE UTE etc.) 補遺 : 各種撮影法について ( 含 脂肪抑制法の原理 ) 補遺 任意断面の撮影 その 2 --- 平面内での位置情報 Part 3: 巨視的磁化ベクトルでの説明 ( 教科書的記述 研修医 大学院生用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p3.pdf 補遺 :T1 緩和と T2 緩和の背景 --- 理論式と生体系との整合性 補遺 :NMR/MRI の核種について Part 4: 流れ を見る ( 大学院生用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p4.pdf

Part 2. 次の 15 分 信号の取り出し方と TR,TE について TR,TE とは? TR: 繰り返し時間 (Repetition Time) 90 度パルスの繰り返し間隔 TE: エコー時間 (Echo Time) 直前の 90 度パルスから信号を取り出すまでの時間 ここでは スピンエコー法 (SE 法 ) を基本に記述していますが 各種撮影法に共通の項目となり グラデュエントエコー ( フィールドエコー ) 法 (GRE FE 法 ) や UTE( 超短 TE) という手法を理解する上でも重要な項目となっています エコー信号という概念以外での信号取得までの時間に TE( エコー時間 ) という用語が多用されているので 注意が必要です

準備体操は入念に繰り返すこと 90 度パルスを 1 回のみ では十分な信号を得ることはできない 90 度パルスを複数回繰り返す ことが必要 90 度パルスを繰り返す間隔 を繰り返し時間 (TR = Repetition Time) という TR が無限大だと T1 緩和 ( 縦緩和 ) が終了し 磁気モーメントは元のレベルまで戻るが TR が短いと緩和は途中の状態となる

90 度パルス後の縦緩和 (T1 緩和 ) と TR 信号強度 (SI) TR が無限大だと縦緩和 (T1 緩和 ) が終了し 磁気モーメントは元のレベルまで戻るが TR が短いと緩和は途中の状態となる PD T1 緩和 SI t 1 SI t1 T 1 t PD 1 e 1 TR のときの信号強度は TR T 1 TR PD 1 e 90 度パルスからの時間 (t 1 ) TR 1 1 e t 1 1 e t TR T 1 TR のとき T 1

信号強度 (SI) 90 度パルスを繰り返し与えると SI t1 T 1 t PD 1 e 1 完全に緩和したときに戻るレベル :PD SI TR T 1 TR PD 1 e TR で繰り返し 90 度パルスを与えたときに戻るレベル PD 特定断面の画像を得るためにも繰り返し信号を得る必要がある TR TR TR 簡略化したモデルで考えている限りでは このように一定レベルに戻ることは説明できない 横緩和の成分を考えに入れると 夜も眠れなくなってしまいかねない Part. 3 で補遺を追加予定

信号は水平面からしか取れない 90 度パルスを与えて 縦方向の成分 (PD や T1) を水平に倒すことで FID 信号 ( 電磁波 ) として信号を受信することができる 90 度パルスから時間が経てば 横緩和 (T2 緩和 ) にて信号が減衰する 90 度パルスから信号を受信するまでの時間をエコー時間 (TE = Echo Time) という TE が短いと ほぼ縦方向の成分 (PD や T1) の信号強度を得ることができる

90 度パルス後の T2 緩和 ( 横緩和 ) と TE 縦方向のベクトル成分 PD や T1 90 度パルス 信号強度 (SI) どの時点で信号を得るのか? T2 減衰の影響 ( ほとんど ) 無し PD ないし T1 の値 ( に近い ) T2 減衰の影響あり T2 減衰 T2 減衰の影響強く信号が弱い 90 度パルスからの時間 90 度回転した図 TE(Echo time) 90 度パルスからの時間

組織間コントラストを得る 組織によって T1 値と T2 値が異なる 90 度パルス後 信号強度は指数関数的に変化する これらの関係に対し TR と TE を調整することで 適切な組織間コントラストを得る

信号強度 (SI) SI t 1 SI t1 T 1 t PD 1 e 1 TR のときの信号強度は TR T 1 TR PD 1 e PD T1 緩和時間の短い組織 ( 緩和速度が速い ) T1 緩和時間の長い組織 ( 緩和速度が遅い ) TR 90 度パルスからの時間 (t 1 )

PD TE 信号強度 (SI) 信号強度 (SI) PD SI t 2 SI t 2 TE PD PD t e 2 T 2 TE のときの信号強度は e TE T 2 T2 緩和時間の長い組織 ( 緩和速度が遅い ) T2 緩和時間の短い組織 ( 緩和速度が速い ) 90 度回転 TE 90 度パルスからの時間

減衰方向 緩和速度と信号強度の関係縦緩和 (T1 緩和 ) は再度 90 度倒して信号を得る 信号強度 T1 の回復の早さ = T1 緩和速度 緩和早い 信号強い 緩和遅い 信号弱い 信号強度 減衰方向 T2 の回復の早さ = T2 緩和速度 緩和早い 信号弱い 緩和遅い 信号強い

プロトン密度情報の取り出し方 190 度パルスを印加後 2 直後の ( 非常に短い TE 時間後 ) の FID 信号を受信することで 単位体積当たりのプロトンの密度情報を知ることができる 3 繰り返し信号を得るには 磁気モーメントが元に戻るまで十分に長い時間 ( 非常に長い TR 時間後 ) 待って 190 度パルスを印加する 190 度パルス 290 度パルス直後の FID 信号を得る 3 長い TR 時間 元に戻る

T2 減衰状態の取り出し方 190 度パルスを印加後 2 適度な長さの TE 時間後の 3FID 信号を受信することで 横方向の緩和状態 (T2 緩和 ) を知ることができる 4 繰り返し信号を得るには 磁気モーメントが元に戻るまで十分に長い時間 ( 非常に長い TR 時間後 ) 待って 190 度パルスを印加する 190 度パルス 2TE 時間後 SI TE PD e TE T 2 3TE 時間後 適度に T2 減衰した信号を受信 TE 減衰 SI t 2 PD e t 2 T 2 4 長い TR 時間

T1 減衰状態の取り出し方 190 度パルスを印加後 2TR 時間経過した段階で 3 再度 90 度パルスを印加し 4 直後の ( 非常に短い TE 時間後 ) の FID 信号を受信することで 縦方向の緩和状態 (T1 緩和 ) を知ることができる 190 度パルス 2TR 時間後 減衰方向 32 回目以降の 90 度パルス 490 度パルス直後の FID 信号を得る

スピンエコー法での 信号強度の基本 まとめ プロトン密度強調画像での信号強度 (SI) プロトン密度 プロトンの状態が ( ほぼ ) 回復する程度の長い TR 信号取り出しまでの時間 (TE) は短く 信号取りだし 90 度パルス 90 度パルス 1 短い TE 長い TR 1 へ

スピンエコー法での 信号強度の基本 まとめ T2 強調画像での信号強度 (SI) プロトン密度 T2 緩和状態 T2 緩和状態は TE で決定される (TR は長く ) 最小 :0 最大 :1 緩和方向 TE 信号取りだし 90 度パルス 90 度パルス 1 長い TE 長い TR 1 へ

スピンエコー法での 信号強度の基本 まとめ T1 強調画像での信号強度 (SI) プロトン密度 T1 緩和状態 T1 緩和状態は TR で決定される (TE は短く ) 最小 :0 最大 :1 緩和方向 90 度パルス 90 度パルス 2 信号取りだし 90 度パルス 1 短い TR 短い TE 短い TR 2 へ

TE (msec) TR,TE と各種強調画像との関係 (SE 系 ) 100 程度 T2 強調画像 ~20 程度 T1 強調画像 PD 強調画像 500 程度 2000~4000 程度 TR (msec)

CT と MRI の対比左側下顎骨骨髄炎 骨周囲炎 ( 成人男子 ) CT 軟組織条件 CT 硬組織条件 T2 強調画像 ( 脂肪抑制併用 ) T1 強調画像

Synovial (osteo)chondromatosis の例滑液の貯留ないし含水量の多い軟組織 (T2WI 高信号 ) 内に多数の軟骨 石灰化物 (T2WI 低信号 ) 脂肪抑制併用の T2WI 矢状断画像 脂肪抑制併用の T2WI 冠状断画像 水分の多い領域内部に水分の乏しい領域 水分の少ない領域 水分の少ない領域 水分の多い領域内部に水分の乏しい領域

SE 系列でも高速撮影では T2 強調画像で脂肪信号が高くなる脳脊髄液の信号強度に注意!! TM LPM Fast SE, T2WI ( 脂肪抑制併用 ) MM Fast SE, T1WI Fast SE, T2WI( 脂肪抑制なし ) Fast SE, PDWI

補遺 :TE 時間後の信号の取得方法 (SE GRE UTE etc.) 電磁波 (180 パルス ) を使用する方法 スピンエコー法 (SE) 静的な局所磁場の影響を消去する方法で 歪みにくい 比較的 検査時間が長くなる 傾斜磁場 ( 高速反転 ) を使用する方法 とりあえず SE 法について理解すること!! 後は画像を見ながら 現場で身につけた方がいい グラデュエントエコー法 (GRE 法 ) フィールドエコー法 (FE 法 ) 比較的 検査時間が短い 静的な局所磁場の影響を受け 歪みやすい FID 減衰に直接フーリェ変換を使用する方法 ( 等 ) 超短 TE 法 (UTE 法 ;Ultrashort-TE) 含水量の非常に少ない組織 ( 歯 骨の水 ) を画像化する 周囲に信号強度の強い組織があると判別できない ( マルチエコーによる差分等が必要 ) エコー信号としては取得できない場合でも TE 相当の時間については TE という用語を用いているようです

SE: Spin Echo IR: Inversion Recovery GRASS: Gradient Recalled Acquisition in the Steady State 補遺 : 各種撮影法について 概念を抑える程度に! 学部学生は個々のシーケンスまでは不要 スピンエコー系 --- SE SE, fast SE(turbo SE), IR グラディエントエコー系 --- GRE ( FE ) スポイラーパルスをかけないもの ( 横磁化を残す ) FID 収集 ;GRASS (FISP) エコー信号収集 ;SSFP (PSIF) FID+ エコー信号収集 ;FIESTA 特殊 ;CISS 基本的に T2 を強調 ( 本当は T2/T1 等複雑 ) スポイラーパルスをかけるもの ( 横磁化を消す ) SPGR (FLASH), fast SPGR (turbo FLASH) 基本的に T1 および PD を強調 FIESTA: Fast Imaging Employing STeady-state Acquisition CISS:Constructive Interference in Steady State, (FISP+PSIF+α) SSFP: Steady-State Free Precession FISP: Fast Image with Steady-state Precession PSIF: time reversed FISP SPGR:SPoiled GRass FLASH:Fast Low Angle Shot

SE (spin echo) スピンエコー系 (1) 典型的 基礎的な撮影方法 分かりやすいので信号強度の説明に用いられる FSE (fast SE) TSE (turbo SE) SE で T2 強調画像を得ようとすると 10 分以上必要 1 回の TR 内にて多数のエコーを収集することで 短時間にて T2 強調画像を得ようとするもの 通常の SE 法と比較して J-coupling と呼ばれる現象等にて 脂肪信号が上昇するので注意!! 現在 撮影の中心的な位置を占めている

SE (spin echo) スピンエコー系 (2) シングル エコー ; 90-180 一回の TR 中に エコーを一つ マルチ エコー ; 90-180 (2 or 4) 一回の TR 中に エコーを 2 つないし 4 つ FSE (fast SE) TSE (turbo SE) 一回の TR 中に 複数エコー ; 90-180 n IR (inversion recovery); 180 SE へ STIR( 脂肪抑制 ) FLAIR( 水抑制 ) STIR: Short TI Inversion Recovery FLAIR: FLuid-Attenuated Inversion Recovery

スピンエコー系 (3) MRI での脂肪抑制撮像法について 難しいので 完全に理解できなくてもいい 大きく 2 種類あって 利点 欠点があることをおおよそ理解しておく

共鳴周波数の差を利用する方法 CHESS 法 水に含まれる水素の原子核 ( プロトン ) の共鳴周波数と 脂肪に含まれる水素の原子核 ( プロトン ) の共鳴周波数の差 (ppm オーダー ) を利用する 化学シフト選択法 ( 周波数選択方式 ) CHESS 法 (Chemical Shift Selective 法 ) 脂肪の共鳴周波数を含む飽和パルスを照射することで 脂肪信号を消す方法 その他 二項パルス法 GRE(Gradient Echo) における In-phase と Out-ofphase ならびに Dixon 法等

静磁場 ± 双極子 双極子相互作用あるプロトン ( 磁気双極子 :B p ) からの距離 (r) と静磁場 (B 0 ) からの角度 (θ) に依存する磁力 (B q ) の内 静磁場方向の磁場成分 :B 1 = B q (3cos 2 θ-1) と静磁場との和 :B 0 +B 1 が最終的に隣接するプロトンへのラーモア歳差運動に寄与する磁場強度となる B 0 B 1 =0 θ 55 B q B 1 =2 B q θ = 0 Magic Angle( 魔法角 ) θ ±55 3cos 2 θ-1 = 0 となる線 詳しくは part.3 の 補遺 Magic Angle 効果 を参照してください B q 55 B p B q B 1 =-1 B q θ = 90 55 B q B 1 = B q (3cos 2 θ-1)

水と脂肪におけるプロトンのラーモア歳差運動の周波数の違い B 0 -α ラーモアの歳差運動 :ω 0α N B 0 -β ラーモアの歳差運動 :ω 0β N スピン スピン α β ラーモアの歳差運動 : ω 0 =γb 0 磁場強度に比例して磁気モーメントが首振り運動する γ: 磁気回転比 プロトンの場合 42.58MHz/T 周囲の核等による磁場にて 逆向きの磁場が発生する 水の場合と比較し 脂肪では分子が大きく 逆向きの磁場が強くなるため 磁場強度の差が僅かに異なる ω 0α と ω 0β の差は約 3.5ppm(42.58MHz では 150Hz 程度 )

ω 0α ω 0β 約 3.5ppm 脂肪のプロトンに合致した共鳴周波数を与えて 予め 脂肪からの信号が出ないように処理をする 水に含まれる水素原子核 ( プロトン ) の中心周波数 脂肪に含まれる水素原子核 ( プロトン ) の中心周波数 具体的には SE 法の前に ω 0β を中心とした共鳴周波数の 90 度パルスを照射し 脂肪のプロトンを 90 度倒す 次に水平面内の脂肪のプロトンを拡散させるように傾斜磁場をかける その直後に ω 0α を中心とした共鳴周波数に対し SE 法の 90 度パルスを照射し 通法通りに撮影する

T1 緩和時間の差を利用する方法 (1) STIR 反転回復法 (IR;Inversion Recovery) の一種 STIR(Short-TI Inversion Recovery) を使う SE(Spin Echo) 法 水平に倒し (90 度パルス ) 水平面内で反転させる ( 180 度パルス ) IR(Inversion Recovery) 法 まず垂直に反転させ (180 度パルス ) 一定時間 (TI: Inversion Time) 後にスピンエコー法を行う

T1 緩和時間の差を利用する方法 (2) STIR 180 度倒した後 脂肪信号がゼロになる Null Point で 水平に倒し (90 度パルス ) 水平面内で反転させる (180 度パルス ) (SE 相当 ) IR (Inversion Recovery) の縦磁化回復過程脂肪の回復曲線脂肪信号の Null Point TI 後に続く 90 度パルスから始まる SE 相当の処理で得られる信号強度 脂肪の回復曲線 水を含む組織の回復曲線 水 脂肪 =0 水を含む組織の回復曲線 脂肪は高分子なので縦緩和が早く Null Point は他の組織よりも短い

T1 緩和時間の差を利用する方法 (3) STIR +PD 0 IR (Inversion Recovery) の縦磁化回復過程 脂肪信号の Null Point 脂肪 水を含む組織 詳細 : 抑制したい組織の T1 値の約 70% の値を TI(Inversion Time) に設定する 例 :1.5T での脂肪抑制では T1 は 220msec なので TI を 150msec にする 1 1 exp 2 t T 1 log t T 1 log T 1 0.7 T 1 1 2 e e t 2 T 1 0.693 180 度パルス -PD 脂肪は高分子なので縦緩和が早く Null Point は他の組織よりも短い

T1 緩和時間の差を利用する方法 (4) TI 後に続く 90 度パルスから始まる SE 相当の処理で得られる水の信号強度 STIR TI (Inversion Time) +PD TI 時間後 脂肪の信号はゼロ 0 = TI 後 SE(Spin Echo) 法の90 度パルス 180 度パルス -PD 上下反転していても 90 度たおせば 同じ信号

MRI の脂肪抑制法 Fat Suppression 法 脂肪抑制あり の利点 脂肪信号に埋もれて判別しにくい病変を明瞭化する 利点 欠点 撮影方法の種類に依存した問題点がある CHESS 法 磁場強度の不均一性に弱い 磁場中心から離れた場所で空気の近傍 ( オトガイ下等 ) にて 脂肪抑制が不十分となる 高磁場で有用 STIR 磁場強度の不均一性に強い 低磁場で有用 脂肪の TI 時間と同等の病的組織からの信号が失われる

T1WI T2WI 脂肪抑制 (CHESS) 併用 T1WI 造影後 舌内部の脂肪が高信号で造影されている部位が判り難い T1WI 造影後 脂肪抑制 (CHESS) 併用

CHESS 法の限界 欠点 オトガイ部近傍の脂肪信号が消え残っている 後頸部の皮膚の脂肪信号が消え残っている 最新鋭の機器にて IDEAL という手法で撮像した画像

STIR と CHESS の違い 脂肪抑制の均一性も異なるが 軟組織のコントラストが微妙に異なる STIR CHESS 両者は断面の角度が若干異なるため 解剖学的な対比はできません

CHESS 法って 倒して 引っ掻き回せば何とかなるかも この範囲の白駒消したい こんな感じ https://www.youtube.com/watch?v=tybakphogdm https://jp.sputniknews.com/sport/20150717589723/

SE 系と GRE 系 (1) スピンエコー系 TR 間隔で90 パルスを使用する 十分な縦磁化の回復を待つ必要あり 時間がかかる 磁場の不均一性による影響が小 グラディエントエコー系 TR 間隔で小フリップ角 (α<90 ) を使用する 縦磁化成分が最初から十分残っている 短時間で撮影できる ( 反転に変動磁場をもちいる ) 磁場の不均一性による影響が大 (T2* で画像化 ) ただし TE を短くすることで 影響を抑えることができる z 軸 α xy 平面 信号として受信される

SE 系と GRE 系 (2) 磁化ベクトル の反転 撮像 時間 局所磁場 の影響 基本的な式 スピンエ コー系列 電磁波 1 8 0 度パルス 相対的 に長い 小さい 簡単 理解しやすい グラディ エントエ コー系列 磁場 変動磁場 ( 傾斜磁場 ) 相対的 に短い 大きい 複雑 理解しにくい

メタルアーチファクト ( 矯正用ブラケットの例 ) 貴金属 チタンではほとんど生じませんが 非磁性体の合金であっても 組成に強磁性体 (Co,Ni 等 ) を含む場合に強いアーチファクトが生じます 位置のズレ 信号強度の変化 信号欠損 (signal void) グラデュエントエコー ( フィールドエコー ) 法 スピンエコー法 グラデュエントエコー法で影響が強く スピンエコー法では影響が弱くなります

チタンプレートの例 MRI T1WI MRI でのアーチファクトが少ない CT 軟組織表示 CT 硬組織表示

補遺 任意断面の撮影 その 2 平面内での位置情報 2 次元フーリエ変換の意味を理解する TR と TE のタイミングで与えられる傾斜磁場の役割 スライス面選択 (1 次元 )+2 次元平面内の位置 =3 次元位置情報

スライス面内での 2 次元位置情報の付与 1).z 軸方向の傾斜磁場によるスライス選択磁場強度 B 0 の断面 ( その 1 参照 ) 周波数エンコード x 軸方向の傾斜磁場 α 相当 B 0 3). スライス内のデータに対し 倒れたスピンからの信号を受信するときに 回転する磁化ベクトルの位相 ( スタートポイント ;β) と 回転周波数 ( 回転速度 ;α) とを変えることで 2 次元平面の座標系にマッピングする y 軸方向の傾斜磁場 位相エンコード ω 0 =γb 0 β α β 相当 下から見た回転 2). スライス選択後 巨視的磁化ベクトルの歳差運動の位相と周波数を傾斜磁場にて修飾して信号を受信する 4). ある時刻 (t) での信号強度 (SI) を三角関数で表すと SI(α,β) = A exp i(αt+β) = A (cos (αt+β)+i sin(αt+β) ) となり 波と強度の関係になる これをフーリエ変換 ( 逆フーリエ変換に相当 ) すると 位置と強度の関係に戻る SI(x,y)=F(SI(α,β))

傾斜磁場と信号受信 ( 概略図 ) TR 毎に位相方向の傾斜磁場強度を変えながら繰り返す β 相当位相方向の傾斜磁場 β 相当 : たとえば -127 から +127 まで 256 段階の傾斜磁場を TR 毎に変えて与える 256 段階であれば 一段階ごとの β の角度差は 360 度 /256 に設定 α 相当周波数方向の傾斜磁場 平面内で直交する 2 軸 α 相当 : 信号を受信している間中 傾斜磁場をかけ続ける 信号の取り出し 周波数方向の傾斜磁場強度によって受信すべき中心周波数 (B 0 ) に幅が生じる このため バンド幅と呼ばれる一定の周波数帯域の信号を受信することになる 実際にはスライス選択用の傾斜磁場と同時に用いられる また 傾斜磁場の前後に 補正用の傾斜磁場を付与することになる 時間軸

SI(x,y) y x1 y1 x1 y2 x1 y3 x1 y4 位置 信号強度 x2 y1 x2 y2 x2 y3 x2 y4 x3 y1 x3 y2 x3 y3 x3 y4 x4 y1 x4 y2 x4 y3 x4 y4 4 2 次元フーリエ変換 1 TR 時間ごとに短時間の傾斜磁場を使って 位相をずらす ( 波のスタートポイントをずらしていく ) すなわち 位相エンコード (β) を変えていく TR 間隔での動きの影響を受けやすい 2 1 回のエコー収集時に 傾斜磁場を与えつづけることで 回転速度 ( 周波数 ) の異なるデータを得る すなわち 周波数エンコード (α) を与えながらデータ収集する 短時間の収集なので動きの影響を受けにくい 3 SI(x,y) SI(α,β)=exp[(αt+β)i] としてデータ収集 K 空間と呼ばれる 4 SI(α,β) SI(x,y) として画像に変換 x 1 傾斜磁場を TR 間隔で変化 SI(α,β) β β β1 β1 β1 β1 β2 β2 β2 β2 β3 β3 β3 β3 β4 β4 β4 β4 α1 β1 α1 β2 α1 β3 α1 β4 k 空間 : 周波数 位相 信号強度 α exp[(t+β k )i] α2 β1 α2 β2 α2 β3 α2 β4 α3 β1 α3 β2 α3 β3 α3 β4 α4 β1 α4 β2 α4 β3 α4 β4 1xy 平面全体が β の値によって行単位のデータに圧縮される 2 エコー信号収集中に一定の傾斜磁場を与え続ける α exp[(α j t+β k )i] 3 各行が α の値によって 各列に配分される

位相エンコード方向の モーションアーチファクトの例 頸動脈 ( および椎骨動脈など ) の拍動によるアーチファクト 動脈の拍動部分から信号の強弱の斑紋様パターンが位相エンコード方向に分布している 周波数エンコード方向 位相エンコード方向 SE 系列 T1 強調 ダイナミック造影 (15 秒間隔 3 フェーズ目 )

Part 1~4 へのリンク Part 1: プロトン密度 T1 T2 と信号強度 ( 学部学生必須 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min.pdf 補遺 任意断面の撮影 その 1 --- 位置情報なければ 0 次元 ( 点 ) 補遺 MRI の安全性に関連した項目 Part 2: 信号の取り出し方について ( 学部学生 研修医用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p2.pdf 補遺 :TE 時間後の信号の取得方法 (SE GRE UTE etc.) 補遺 : 各種撮影法について ( 含 脂肪抑制法の原理 ) 補遺 任意断面の撮影 その 2 --- 平面内での位置情報 Part 3: 巨視的磁化ベクトルでの説明 ( 教科書的記述 研修医 大学院生用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p3.pdf 補遺 :T1 緩和と T2 緩和の背景 --- 理論式と生体系との整合性 補遺 :NMR/MRI の核種について Part 4: 流れ を見る ( 大学院生用 ) https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/mri-15-min-p4.pdf

参考資料 MRI の基本パワーテキスト第 2 版 基礎理論から最新撮像法まで Ray H. Hashemi ( 原著 ), Christopher J. Lisanti ( 原著 ), William G.,Jr. Bradley ( 原著 ), メディカル サイエンス インターナショナル 6,500 円 ( 税別 ) MRI 超 講義 Q&A で学ぶ原理と臨床応用 Allen D. Elster ( 原著 ), Jonathan H. Burdette ( 原著 ) メディカル サイエンス インターナショナル 5,800 円 ( 税別 ) MR 撮像技術学 日本放射線技術学会 ( 監修 ) オーム社 4,900 円 ( 税別 ) MRI データブック MEDICAL VIEW 6,000 円 ( 税別 ) NMR ハンドブック Ray Freeman ( 著 ) 共立出版 8,400 円 パルスおよびフーリェ変換 NMR 理論および方法への入門 ( 現代科学 ) Thomas C. Farrar ( 著 ), Edwin D. Becker ( 著 ) 吉岡書店 生体系の水 上平恒 逢坂昭 ( 著 ) 講談社 細胞の中の水 パスカルマントレ ( 著 ), 辻繁, 落合正宏, 中西節子, 大岡忠一 ( 翻訳 ) 東京大学出版会 5,200 円 ( 税別 )