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シーメンスマグネトム H15 + ストレッチャ (1988; レジデントにより導入 )

NMR 現象を臨床医学へ 1.NMR 現象とは 2.NMR 信号のイメージング 3. 画像の信号強度と組織性状 4. スヒ ンエコー法 / ク ラシ エントエコー法 5. 常磁性体の影響 MR 造影剤 6. 心拍動 / 血流 / 分子運動イメージング 7. 高速撮像法 高磁場イメージング

基準状態 NMR 現象 E2 RF 照射 エネルキ ー吸収 E1 緩和 エネルキ ー放出 スピン 格子緩和 スピン スピン緩和

F. ブロッホ E.M. パーセル * ブロッホ / パーセル : NMR 発見 (1946) ( ノーヘ ル賞 1952) * ダマディアン : 腫瘍の緩和時間延長 (1971) * エルンスト : フーリエ変換 NMR( ノーヘ ル賞 1991) * ローターバー / マンスフィールド : NMR イメーシ ンク ( ノーヘ ル賞 2003) R. ダマディアン R.R. エルンスト P. マンスフィールド P.C. ローターバー

磁場と物質の磁性 S S N S S N B0 磁性なし N 常磁性 : paramagnetic N 反磁性 : diamagnetic 磁化率 χm: 正負

原子 分子磁石 種類 磁性 / 相対強度 物質の磁気特性 1. 原子核の自転 常磁性 /1 寄与は小さい 2. 電子の ( 軌道 ) 運動 反磁性 /-100 反磁性 : 高磁場内 3. 電子の自転 3 1 常磁性 /1000 2 不対電子 常磁性 : 高磁場内 超常磁性 強磁性

MRI: 対象核種の決定 * 核常磁性の有無 : 陽子または中性子が奇数 同じ S/N を得るための信号収集サイス * 生物学的感度 核種自身の物理的感度 同位体の自然存在比 体内存在量 * 医学的意義 19 F 13 C 23 Na 31 P 14 N 1 H ( 真野勇 : 図説 MRI より ) # イメージング対象核種 : 水素原子核 ( プロトン )!

原子核磁石と磁場 ラーモアの式 ω =γx B S S ω : ラーモア角周波数 γ : 磁気回転比 B : 磁場強度 B0 磁気回転比 42.6MHz/T ( 1 H) 17.2MHz/T ( 31 P) N 原子核磁石の歳差運動 N 歳差運動の向き / 傾きとエネルキ ー準位

核磁気共鳴現象 : 量子論的説明 基準状態 : 熱平衡 NMR 現象 E2 E2 エネルキ ー吸収 E1 E1 ラジオ周波数帯の電磁波 (RF) 照射

核磁気共鳴現象 : 古典力学的説明 S M α M B0 S B0 B1 N M: 巨視的磁化ベクトル M B1 回転座標系での巨視的磁化ベクトルの動き α : フリップ角 N

緩和現象 : 量子論的説明 基準状態 : 熱平衡 NMR 現象 RF 照射 エネルキ ー吸収 E2 E2 エネルキ ー放出 E1 E1 スピン 格子緩和 スピン スピン緩和

緩和現象 : 古典力学的説明 α 緩和 B0 Mz Mxy M 横緩和 : スヒ ン回転位相のばらつき スヒ ン格子緩和 = 縦緩和 緩和時間 T1: 縦磁化回復の時定数 スヒ ンスヒ ン緩和 = 横緩和 緩和時間 T2: 横磁化減衰の時定数 * 生体の T1: 数 100 ミリ秒 ~ 数秒 T2: 数 10 ミリ秒 ~ 数 100 ミリ秒 (-1 テスラ前後 -)

横磁化減衰が NMR 信号を生む 信号強度 T2 自由誘導減衰 (FID) 信号 T2* 横磁化の減衰 FID: free induction decay T2*: T2 star(~15 ミリ秒以下 ) 磁場の不均一性による回転位相のばらつき

磁場の不均一性 原因 磁場種類 強さ 時間 対応 * 装置側 : 静磁場不均一性 外部 1ppm/ 視野 恒常的 SE 傾斜磁場の印加 外部 10mT/m~ 一時的 修正傾斜磁場 * 生体側 : 対象の磁化率 内 / 外部 様々 恒常的 SE 化学シフト 内部 3.5ppm/B0 ( 水 - 脂肪 ) 恒常的 (SE)

電子の遮蔽効果と電気陰性度 ( 数研出版 : 化学図録より )

化学シフト * 電子の原子 / 分子軌道ルーフ 運動による反 ( 常 ) 磁性 * 電子雲の遮蔽効果 : 結合元素の電気陰性度と関係 * 化学シフト : 同じ原子核の共鳴周波数のずれ 分子構造 化学結合に基づく感じる磁場の違い 外部磁場の強さに比例(H: 水 - 脂肪 ;3.5ppm) 1 H スヘ クトル 31 P スヘ クトル 化学シフト (ppm) 化学シフト (ppm)

NMR 現象を臨床医学へ 1.NMR 現象とは 2.NMR 信号のイメージング 3. 画像の信号強度と組織性状 4. スヒ ンエコー法 / ク ラシ エントエコー法 5. 常磁性体の影響 MR 造影剤 6. 心拍動 / 血流 / 分子運動イメージング 7. 高速撮像法 高磁場イメージング

基準状態 S コイル NMR 現象 S 心臓 RF N 強い磁石 N エネルギー吸収 S 信号 信号の画像化 心臓 N エネルギー放出 緩和

MR 信号のタイプ * 自由誘導減衰 :FID 作り方 1 つの RF ハ ルス * エコー信号 グラジエントエコー :GRE スピンエコー :SE スティミュレイテット エコー :STE 1 つの RF+ 傾斜磁場反転 GRE 法 2 つの RF ハ ルス SE 法 3 つ以上の RF ハ ルス

MRI の信号 : エコー信号を作る A B C D RF-1 RF-2 RF-3 E A B C: 一次スピンエコー D: 二次スピンエコー E: スティミュレイテッドエコー ( エルスター :MRI 超 講義より )

スポイルドグラジエントエコーシーケンス RF:α 度 時間 横磁化縦磁化 M0 Mz M0 Mxy T1 T2* M M TR: 繰り返し時間 M M 信号 1 信号 2 TE: エコー時間

信号に位置情報を与える : 傾斜磁場の印加 RF:α 度 * TR 断面選択 位相エンコート 読み出し GSS TE * 傾斜磁場の強さ :10mT/m~ GPE エコー信号 GRO (z) (y) (x) 時間 *:SE 法の場合

z 励起断面 信号に位置情報を与える : B0 GSS RF イメージング断面の選択 x RF y 時間 sinc 関数 フーリエ変換ペア rect 関数 GSS z 時間 周波数

z 面内信号の分離 : 1 軸方向 GRO x 周波数エンコート 信号 B0 フーリエ変換 GRO 時間 信号 x 周波数 x 軸上の位置

B0 a GPE 1 (=0) y z b c d x 位相エンコードステップ 1 y d 0 c 0 b 0 a 0 x y 信号 1 x B0 z 位相エンコードステップ 2 d 30 x 信号 2 GPE 2 y x y c b a 20 10 0 y x

B0 z 位相エンコードステップ 3 d 60 x 信号 3 GPE 3 y x y c b a 40 20 0 y x z 位相エンコードステップ 4 B0 d 90 x 信号 4 GPE 4 y x y c b a 60 30 0 y x

位相エンコードステップごとの信号収集 ステップ 1 ステップ 2 ステップ 3 ステップ 4 TR 時間 信号 1 x 信号 2 x 信号 3 x 信号 4 x y y y y x x x x 0 0 0 0 30 20 10 0 60 40 20 0 90 60 30 0 d c b a y d c b a y d c b a y d c b a y

信号収集時間 フーリエ変換 (1 回目 ) RO 軸 位相エンコート ステッフ PE ステッフ 位相エンコート ステッフ ごとにデータ収集 GPE フーリエ変換 (2 回目 ) PE 軸 PE 軸 実データ RO 軸 RO 軸 再構成 MR 画像

信号に位置情報を与える : 傾斜磁場の印加 RF:α 度 * TR 断面選択 位相エンコート 読み出し GSS TE * 傾斜磁場の強さ :10mT/m~ GPE エコー信号 GRO (z) (y) (x) 時間 *:SE 法の場合

位相エンコート ステッフ 時間軸 ( 秒 ) 生データ 信号読み取り時間軸 ( ミリ秒 ) 実数 虚数 収納 k- 空間 2D-FT 強度画像 位相画像 ( エルスター :MRI 超 講義より )

傾斜磁場印加ステップ :2D 法 vs 3D 法 2D-FT 法 * 断面選択 (z 軸 ) * 位相エンコート (y 軸 ) * 周波数エンコート (x 軸 ) 信号収集 3D-FT 法 * 断面選択 (z 軸 ) * 位相エンコート (y 軸 ) * 位相エンコート (z 軸 ) * 周波数エンコート (x 軸 ) 信号収集

NMR 現象を臨床医学へ 1.NMR 現象とは 2.NMR 信号のイメージング 3. 画像の信号強度と組織性状 4. スヒ ンエコー法 / ク ラシ エントエコー法 5. 常磁性体の影響 MR 造影剤 6. 心拍動 / 血流 / 分子運動イメージング 7. 高速撮像法 高磁場イメージング

スポイルドグラジエントエコーシーケンス RF:α 度 時間 横磁化縦磁化 M0 Mz M0 Mxy T1 T2* M M TR: 繰り返し時間 M M 信号 1 信号 2 TE: エコー時間

MR 画像の信号強度 対象核種の 密度 TR 内 での 縦磁化 sinα の回復 TE 内での横磁化の減衰 縦磁化の最初期値 T1 を時定数とする 横磁化の初期値 T2 または T2* を時定数とする

人体の構成要素 * 元素 / 原子 O:65%,C:18.5%,H:9.5%,N:3.2% * 分子 / 化合物 水 ( 自由水, 結合水 / 構造水 ):60~65% 脂質 ( 中性脂肪, リン脂質, ステロイト...):15~20% 蛋白質 + 関連物質 :18%, 塩類 :7%... * 液体 / 体液 ( 水 + 溶質 ) 細胞内液 + 細胞外液 ( 血漿, 組織間液 ):60~70% 細胞内液 :40~45%, 細胞外液 :20~25% 血液 ( 血漿 + 血球 ):8%(5 + 3%), 組織間液 :15%

生体組織の原子組成 含水率 (%) 骨

緩和時間 ( 秒 ) 緩和時間 : * 必ず T1 T2 1 2 3 T1 T2 4 τc ( 秒 ) *T1 は共鳴周波数相当の分子運動状態で最短 *T2 は分子運動が遅くなると著明に短縮 速い 遅い 分子の動き 1: 低粘度の液体 3: 柔らかい固体 2: 高粘度の液体 4: 硬い固体 スヒ ンと周囲環境 ( 格子 ) とのエネルキ ーのやりとりは動きが一致したときに最も強くスヒ ンどうしのエネルキ ーのやりとりは動きがおそいときに容易となる

プロトン MRI の信号源 種類 分子運動 T1 T2 1 1. 自由水 非常に速い 極長 極長 2. 結合水 / 構造水 ( 速い ~) 遅い ( 短 ) 短 3 2 巨大分子 3. 巨大分子 : 蛋白質 非常に遅い ( 長 ) 極短 4. 中間サイス 分子 : 中性脂肪 共鳴周波数相当 短 中間 中間サイス 分子 注 ) 体液 : 体重の約 65% 脂質 : 約 20% 4

生体組織の緩和時間 タイプ 成分 T1 T2 緩和時間 A. 自由水 B. 粘張液体 自由水 自由水, 結合水 長い ( 長い ) 長い ( 長い ) A B C D E T1 C. 脂肪組織 中性脂肪 短い ( 中間 ) D. 細胞性組織 結合水, 蛋白質 ( 中間 ) ( 中間 ~ 短い ) T2 E. 硬い組織 蛋白質, 塩類 ( 長い ) 短い 速い遅い分子の動き

NMR 現象を臨床医学へ 1.NMR 現象とは 2.NMR 信号のイメージング 3. 画像の信号強度と組織性状 4. スヒ ンエコー法 / ク ラシ エントエコー法 5. 常磁性体の影響 MR 造影剤 6. 心拍動 / 血流 / 分子運動イメージング 7. 高速撮像法 高磁場イメージング

スピンエコー法 信号強度 T2* T2 エコー信号 90 度 RF 180 度 RF 修正傾斜磁場 90 度 RF 180 度 RF エコー信号

180 ハ ルスの意味は? 2 1 3 (RadioGraphics 4: 1984 より ) 4

MR 画像の信号強度 対象核種の 密度 TR 内 での 縦磁化 sinα の回復 TE 内での横磁化の減衰 縦磁化の最初期値 T1 を時定数とする 横磁化の初期値 T2 または T2* を時定数とする

スピンエコー法の信号強度 S ρ x - TR / T1 ( 1 - e ) x - TE / T2 e ( ただし TR>>TE の場合 ) *ρ: プロトン密度 *T1, T2: 縦緩和時間, 横緩和時間 *TR, TE: 繰り返し時間, エコー時間

MRI スピンエコー法の画像 T1強調画像 T2強調画像 TRを短く +T2非強調 TEを長く +T1非強調 T1短いと高信号 T2長いと高信号 X線CT X線減弱係数 の表示

縦磁化 横磁化 横緩和 脂肪 脳灰白質脳脊髄液 脳白質 縦緩和 時間 脳脊髄液 脳白質 脳灰白質 T1 差の強調 :TR を短く T2 差の強調 :TE を長く スピンエコー法での強調撮像 : *T1 強調 :TR 短く (T1 強調 )+TE 短く (T2 非強調 ) *T2 強調 :TR 長く (T1 非強調 )+TE 長く (T2 強調 ) * フ ロトン密度強調 :TR 長く (T1 非強調 )+TE 短く (T2 非強調 )

グラジエントエコー法 信号強度 T2* T2 エコー信号 α 度 RF 反転傾斜磁場 * スポイルド GRE 法 : * 定常状態 GRE 法 : 横磁化の消去 横磁化定常状態 FLASH / SPGR... FISP / SSFP... # ターボ GRE 法 : 超短 TR / 前処置ハ ルス MPRAGE...

定常状態グラジエントエコー法 信号強度 FID SE/STE FID SE/STE 1 2 α 度 RF α 度 RF α 度 RF 定常状態自由歳差運動 (SSFP:steady-state free precession) 1 FID/SE/STE サンフ ル T2/T1( 液体 ) 強調像 2 SE/STE サンフ ル 強い T2 強調像 FISP / true FISP / balanced TFE SSFP / PSIF...

スホ イルト ク ラシ エントエコー法 腹部 MRI: 水平横断像 スピンエコー法 Ao TR / TE / FA:100ms / 27ms / 30 Ao Ao: 腹部大動脈 TR / TE / FA:1900ms / 30ms / 90

シネ MR 法 右室 左室 スポイルド GRE 法 収縮末期 拡張末期 右室 定常状態 GRE 法 左室

スピンエコー法 #180 RF パルスあり * 恒常的な磁場不均一性の影響を解消 グラジエントエコー法 #180 RF パルス省略 * 恒常的な磁場不均一性の影響は残存 * 撮像時間長い : 分単位 * しっかりした信号良好な画像コントラスト * 流出効果あり 血流部分は低信号 * 形態 組織性状診断 vs. * 撮像時間の短縮可能 * 異なる組織の境界部の縁取り状低信号 * 流出効果なし 血流部分は高信号 * 血流 機能の診断