目次 小麦の流通の概要 小麦の種類と用途 現行の輸入小麦の政府売渡

Similar documents
Microsoft PowerPoint 【訴求資料・めぐ事】(HP版).ppt

6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 1 月

資料 6-1 指定食肉 ( 豚肉及び牛肉 ) の安定価格肉用子牛の保証基準価格等算定概要 生産局 平成 27 年 12 月

農林水産省試算の方法 ( 手順 ) (1) 試算対象品目の選定関税率 10% 以上 国内生産額 10 億円以上 ( 米 麦など 19 品目 ) (2) 国産品の分類内外価格差 品質格差の観点から 輸入品と競合する国産品と競合しない国産品に二分 (3) 試算の方法 1 競合する国産品は 輸入品に置き換

71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2

決算説明会

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

米に関するマンスリーレポート 新潟県版 2018 年 12 月 今月の特集 1 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 の見直しについて 農林水産省は 11 月 28 日に 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 ( 以下 国の基本指針 ) の変更を行い 平成 31/32 年の主食用米等需要量を

第1章

アジア近隣 5 カ国における牛乳乳製品の輸入動向 資料 5-2 各国とも輸入額全体に占める脱脂粉乳及び全脂粉乳の割合が高い 高付加価値商品の販売が見込めるチーズ 育児用粉乳等についても各国で一定の割合を輸入 中国の輸入市場は規模が大きく 最近伸びているが割合の小さい LL 牛乳 (2.6%) 市場で

第5回 農地・農村部会 資料 /8

Ⅱ-3 穀物等の主要生産国の作柄 ( 単収の過去 5 年平均との対比 214 年 9 月時点 ) 214/15 年度の主要生産国における穀物等の作柄については 小麦 米国は 強い寒波による低温 乾燥及び干ばつの影響による単収の減少が見込まれやや不良 カナダは 前年が過去最高の大豊作であったのに対し

国内産麦の流通実態とそれを踏まえた麦産地での対応方向

海外食料需給レポート ( 平成 31 年 2 月 ) 平成 31 年 3 月 15 日

2. 食料自給率の推移 食料自給率の推移 我が国の食料自給率 ( 総合食料自給率 ) は 長期的に低下傾向で推移してきましたが 近年は横ばい傾向で推移しています (%) (H5 ) 43 7

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

山形県米粉利用拡大プロジェクト

< F2D CF6955C925A8AFA8EF98B8B8CA992CA82B54850>

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

<4D F736F F D D CB997AC92CA97CA92B28DB8616D>

Ⅱ 外国為替市場と為替レート

PowerPoint Presentation

001_yasai1802_mokuji_3.indd

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

PowerPoint プレゼンテーション

CWRWの作付面積と生産量の推移 ( 単位 : 千エーカー 千トン ) 09/10 10/11 11/12 12/13 13/14 アルバータ 作付面積 サスカチュワン マニトバ

untitled

スライド 1

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

PowerPoint プレゼンテーション

企業向けサービス価格指数(2010年基準)の概要

蛋白質含量 (%) タンパク含量 グルテン物性と加工用途 高い 中華用 パン用北米産 ブレンド用ゆめちから うどん用オーストラリア産国内産小麦菓子用北米産 強い 薄力 中力 強力 超強力 グルテンの強さ ( 池田 2011 を改変 ) 小麦粉の加工用途に

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF332882DF82AE82E98E968FEE29>

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

ecuador

H28秋_24地方税財源

PowerPoint Presentation

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

ビール系飲料の輸入

Invesco Premia Plus Fund

フ ァ ン ド の 特 色 ハイグレード ハイグレード オセアニア オセアニ ニア ボンド マザーファンド マザーファンド を通じて オーストラリア ドル建ておよびニュージーラ ドル建ておよびニュージーランド ドル 建ての 債券等 に投資します 債券等 には コマーシャル ペーパー等の短期金融商品を

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

スライド 1

Microsoft PowerPoint - 15kiso-macro10.pptx

農林水産品の合意の概要 品目 合意の概要 米 除外 ( 米国枠は設けない )( 注 1) 小麦 TPP と同内容でマークアップ ( 政府が輸入する際に徴収している差益 ) を 45% 削減 ( 現行の国家貿易制度 枠外税率 (55 円 /kg) を維持 ) TPP と同内容の米国枠 (2019 年度

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 30 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 30 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 30 年 1~3 月期 来期平成

PowerPoint Presentation

平成18年8月31日

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 28 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 28 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 29 年 1~3 月期 来期平成

Microsoft PowerPoint - Itoh_IEEJ(150410)_rev

ニュースリリース

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

PowerPoint プレゼンテーション

平成18年8月31日

PowerPoint プレゼンテーション

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

< F2D E95F E6358FCD2E6A7464>

規制 制度改革委員会集中討議第 3 日 ( 午前 ) 出席者名簿 委員会構成員 委員長岡素之住友商事株式会社相談役 委員長代理大室康一三井不動産株式会社特別顧問 市川 眞一 クレディ スイス証券株式会社 チーフ マーケット ストラテジスト 大上二三雄 エム アイ コンサルティンググループ株式会社代表

の差については確認できないが 一般的に定温で流通している弁当の管理方法等についてアンケートにより調査した その結果 大部分の事業者が管理温度の設定理由として JAS 規格と同様に食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを挙げ 許容差は JAS 規格と同様に ±2 としていた また 温度の測定方

42

目 次 1. 小麦の流通構造 6. 中小製粉企業と国内産麦の関係 2. 製粉企業の現状 1( 稼働率の状況 ) 7. 中小製粉企業の投資額等 3. 製粉企業の現状 2( 製粉企業のコスト差 ) 8. 製粉業界の体質強化による効果 4. 製粉企業の現状 3( 製粉企業のコスト構造 ) 9. 製粉業界の

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

第6回 国際不動産価格賃料指数(2016年4月現在)

Microsoft Word - アルパーゲイタス_ALPA4_

Microsoft Word ミル消費報告2014

インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

2007年12月10日 初稿

平成 29 年 7 月 地域別木質チップ市場価格 ( 平成 29 年 4 月時点 ) 北東北 -2.7~ ~1.7 南東北 -0.8~ ~ ~1.0 変動なし 北関東 1.0~ ~ ~1.8 変化なし 中関東 6.5~ ~2.8

1 概 況

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

<4D F736F F D A6D92E894C5817A8E9197BF CF6955C8E9197BF88C CF88F589EF8CE38F4390B3817A2E646F6378>

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

ビール系飲料の輸入

Microsoft Word - Ⅱ(輸入調整課・特産製品課・砂糖原料課)

求人票:リクルートスタッフィング様

平成28年 成田空港貿易概況(速報)

PowerPoint プレゼンテーション

財務省貿易統計

特集 平成 2 5 年 5 月 2 2 日東京税関調査部調査統計課 金の輸出入 2012 年の世界の金需要は 4,405 トン 2012 年に合金も含む金を日本は 132 トン輸出し 11 トン輸入しています 日本の 2006 年から 2010 年の平均年間金産出量は 10 トン足らずですが 200

財務省貿易統計

財務省貿易統計

財務省貿易統計

ビール系飲料の輸入

財務省貿易統計

こっけん料理研究所 ごあんない

平成 30 年産一番茶の摘採面積 生葉収穫量及び荒茶生産量 ( 主産県 ) - 一番茶の荒茶生産量は前年産に比べ 12% 増加 - 調査結果 1 摘採面積主産県の摘採面積 ( 注 1) は2 万 7,800ha で 前年産に比べ 400ha(1%) 減少した 2 10a 当たり生葉収量主産県の 10

論点 3 消費者にとって分かりやすい 遺伝子組換え 及び 遺伝子組換え不分別 表示の検討 1

新電力のシェアの推移 全販売電力量に占める新電力のシェアは 216 年 4 月の全面自由化直後は約 5% だったが 217 年 5 月に 1% を超え 218 年 1 月時点では約 12% となっている 電圧別では 特別高圧 高圧分野 ( 大口需要家向け ) は時期により変動しつつも 全体的には上昇

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

1 我が国の農産物輸入等の動向 (1) 概観 ( 海外依存を高めた我が国の食料供給 ) 我が国の農産物輸入は 2000 年を100として 1960 年の15.7から2015 年には165.3まで 金額ベースで10.5 倍と大幅に増加している 多様な食生活が実現される中 需要が拡大した畜産物や油脂類の

Microsoft Word - NOMURA原油インデックス_ルールブック_確定版_ _3_.docx

財務省貿易統計

財務省貿易統計

Transcription:

輸入小麦の政府売渡価格について ( 価格公表添付資料 ) 平成 3 0 年 3 月

目次 小麦の流通の概要--------------------------------------------------------- 1 小麦の種類と用途-------------------------------------------------------- 2 現行の輸入小麦の政府売渡制度-------------------------------------------- 3 穀物の国際価格( シカゴ相場 ) の推移 ( 参考 )--------------------------- 4 ミネアポリス相場の推移( 参考 ) ------------------------------------------ 5 小麦の日本向け輸出価格の推移-------------------------------------------- 6 海上運賃の動向----------------------------------------------------------- 7 為替の動向--------------------------------------------------------------- 8 輸入小麦の政府売渡価格の推移--------------------------------------------- 9 ( 参考 ) 物価 家計への影響 ----------------------------------------------10 ( 参考 ) 輸入小麦及び小麦製品の安定供給確保のための取組 -----------------11

産者国外家庭用生小麦の流通の概要 小麦は需要量の約 9 割を外国から輸入 国内産小麦は民間流通により取引されており 国内産小麦では量的又は質的に満たせない需要分について 政府が国家貿易により外国産小麦を計画的に輸入し 需要者に売り渡しているところ また 米とは異なり 最終的にパンや麺として消費するため 各種の加工工程を経て流通 小麦は 主に製粉企業が製粉して小麦粉にし その小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン 麺 菓子等を製造 政府民間流通 82 国家貿易 496 アメリカ 255 カナダ 152 豪州 87 他 小麦の流通の現状 ( 食糧用 ) ( 単位 : 万トン ) 496 製粉企業 醤油メーカー等みそ 醤油等 10 パン 麺 菓子用等 568 パン 麺 菓子メーカー消費者1 注 : 流通量は過去 5 年 (H24~H28 年度 ) の平均数量である

小麦の種類と用途 原料として使用される小麦の種類は 小麦粉の種類 用途に応じて異なっているところ 小麦粉の種類は たんぱく質の量によって 強力粉 ( パン用 ) 準強力粉( 中華麺用 ) 中力粉 ( うどん用 ) 薄力粉( 菓子用 ) に分類 外国産小麦の銘柄 輸入数量 496 万トン カナダ産ウェスタン レッド スプリング (1CW) アメリカ産ダーク ノーザン スプリング (DNS) アメリカ産ハード レッド ウィンター (HRW) オーストラリア産スタンダ - ド ホワイト (ASW) アメリカ産ウェスタン ホワイト (WW) 132 万トン 101 万トン 83 万トン 78 万トン 70 万トン 小麦粉の種類強力粉準強力粉中力粉薄力粉 主な用途 食パン 中華麺ギョウザの皮 うどん ビスケット和菓子 カステラ ケ - キ和菓子 天ぷら粉ビスケット たんぱく質の含有量 11.5~13.0% 10.5~12.5% 7.5~10.5% 6.5~9.0% 用途パン用品種中華麺用品種日本麺用品種等 国内産小麦流通量 82 万トン ( 参考 ) H28 年度流通量 10.1 万トン (12.4%) 北海道産春よ恋 (4 万トン ) 北海道産ゆめちから (5 万トン ) 0.5 万トン (0.7%) 福岡県産ちくし W2 号 ラー麦 (0.5 万トン ) 70.9 万トン (86.9%) 北海道産きたほなみ (55.2 万トン ) 香川県産さぬきの夢 2009 (0.6 万トン ) 注 1: 輸入数量及び国内産小麦流通量は 過去 5 年 (H24~H28 年度 ) の平均数量である 注 2: 輸入数量は 5 銘柄以外の銘柄 ( デュラム小麦等 )32 万トンを含む 注 3: 国内産小麦流通量は 集荷団体からの聞き取り数量である 2

価格入価格現行の輸入小麦の政府売渡制度 輸入小麦の政府売渡価格は 輸入価格 ( 過去の一定期間における輸入価格の平均値 ) に マークアップ ( 政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当 ) を上乗せした価格 国際相場の変動の影響を緩和するため 価格改定は年 2 回とするとともに 直近 6か月間の平均買付価格をベースに算定 政府売渡価格の構成輸項 目 基本的なルール 政府売渡価格改定ルール 売渡マークアップ ( 輸入差益 ) 価格改定現在年 2 回 (4 月期 10 月期 ) 港湾諸経費 買付価格算定期間 直近 6 か月間 買付価格 小麦の国際価格や海上運賃 為替等により変動 3

穀物の国際価格 ( シカゴ相場 ) の推移 ( 参考 ) シカゴ商品取引所における小麦相場は 世界的に潤沢な在庫 供給量を背景に軟調に推移しており 30 年 4 月期算定期間の平均価格は 前期 (29 年 10 月期 ) に比べてわずかに下落 ドル / ブッシェル 18 12.8ドル /bu (H20.2.27 過去最高値 ) 16 14 12 大豆 世界全体における小麦の需給動向 ( 資料 : 米国農務省 穀物等需給報告 (2017/18) 平成 30 年 2 月 8 日公表 ) 生産量 :758 百万トン ( 対前年度比 1.6% 増 ) : 露 印 EU 等で増加 米 豪等で減少 消 費 量 :745 百万トン ( 0.7% 増 ) : 露 印で等で増加 期末在庫率:35.7%( 対前年度差 1.6ポイント増 ) 10 8 6 小麦 8.86 ドル /bu (H23.2.9) 9.43 ドル /bu (H24.7.20) 30 年 4 月期算定期間平均 4.3 ドル /bu 29 年 10 月期算定期間平均 4.4 ドル /bu 4 とうもろこし 2 19.10 20.4 10 21.4 10 22.4 10 23.4 10 24.4 10 25.4 10 26.4 10 27.4 10 28.4 10 29.4 10 注 :1bu( ブッシェル )=( 大豆 小麦 :27.2kg とうもろこし:25.4kg) 4

ミネアポリスの相場の推移 ( 参考 ) 日本の輸入量の多いハード系小麦の国際相場 ( ミネアポリス相場 ) は アメリカ産ハード レッド スプリングの生産量が対前年比大幅減となったため価格が高止まりしており 前期 (29 年 10 月期 ) に比べてわずかに上昇 ドル / ブッシェル 9.0 ミネアポリス相場の推移 8.0 7.0 30 年 4 月期算定期間平均 6.4 ドル /bu 6.0 29 年 10 月期算定期間平均 6.3 ドル /bu 5.0 4.0 25.4 25.10 26.4 26.10 27.4 27.10 28.4 28.10 29.4 29.10 注 :1bu( ブッシェル )=27.2kg 5

小麦の日本向け輸出価格の推移 小麦の日本向け輸出価格は 1 北米において 新穀のタンパク質が低い傾向となり 高タンパク質小麦が減少するとの懸念から価格が上昇したこと 2 豪州において ASWの主要構成銘柄であるヌードル小麦の価格が収穫の遅れにより上昇したことから 前期 (29 年 10 月期 ) に比べて上昇 ドル / トン 380 小麦の日本向け輸出価格の推移 360 340 320 300 280 260 240 30 年 4 月期算定期間平均 265 ドル / トン 29 年 10 月期算定期間平均 258 ドル / トン 220 200 25.4 10 26.4 10 27.4 10 28.4 10 29.4 10 注 : 日本向け輸出価格は 5 銘柄の FOB 価格の加重平均である 6

海上運賃の動向 ( その他の要因 ) 海上運賃は 燃料油価格の上昇を受けて上昇し 30 年 4 月期の算定期間では平均 46 ドル / トン $/MT 70 65 60 55 50 30 年 4 月期算定期間平均 46 ドル / トン 45 40 35 29 年 10 月期算定期間平均 42 ドル / トン 30 25 25.4 10 26.4 10 27.4 10 28.4 10 29.4 10 注 :2 万トン級のフレート (WORLD MARITIME ANALYSIS より ) 7

為替の動向 ( その他の要因 ) 為替は 29 年 10 月以降は円安傾向で推移したことから 30 年 4 月期の算定期間では平均 113 円 / ドル 円 / 米ドル 130.00 120.00 30 年 4 月期算定期間平均 113 円 110.00 29 年 10 月期算定期間平均 112 円 100.00 90.00 25.4 25.10 26.4 26.10 27.4 27.10 28.4 28.10 29.4 29.10 注 : 対米ドル直物為替 TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate : 対顧客電信売 ) 8

輸入小麦の政府売渡価格の推移 輸入小麦の政府売渡価格は 小麦の国際価格 海上運賃 為替等の動向を反映した買付価格により変動 輸入小麦の直近 6ヶ月間 ( 平成 29 年 9 月第 2 週 ~ 平成 30 年 3 月第 1 週 ) の平均買付価格は 1 高タンパク質小麦の減少懸念や 収穫の遅れにより価格が上昇 2 燃料油価格の上昇により海上運賃が上昇 3 為替が円安傾向で推移したこと等から 前期に比べ上昇 この結果 30 年 4 月期の政府売渡価格は 54,370 円 / トン +3.5% の引上げ 80,000 円 / トン ( 税込み ) 政府売渡価格 (5 銘柄加重平均 ) 75,000 +10% 20 年 10 月期 76,030 円 70,000 65,000 60,000 55,000 50,000 45,000 19 年 10 月期 53,270 円 20 年 4 月期 69,120 円 +30% 14.8% 21 年 4 月期 64,750 円 23% 21 年 10 月期 49,820 円 5% 22 年 4 月期 47,160 円 23 年 10 月期 23 年 4 月期 57,720 円 56,710 円 +2% +1% +18% 22 年 10 月期 47,860 円 15% 24 年 4 月期 48,780 円 27 年 4 月期 26 年 4 月期 60,070 円 27 年 10 月期 58,590 円 56,640 円 +3.0% 25 年 4 月期 5.7% +2.3% 54,990 円 0.4% 29 年 10 月期 +4.1% 26 年 10 月期 25 年 10 月期 7.1% 52,510 円 58,330 円 29 年 4 月期 +9.7% 57,260 円 50,690 円 +3.5% 28 年 4 月期 7.9% +3.6% 52,610 円 +4.6% +3% 24 年 10 月期 50,130 円 40,000 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 年月 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 注 : 平成 25 年 10 月期以前は 消費税 5% 込みの価格であり 平成 26 年 4 月期以降は 消費税 8% 込みの価格である 28 年 10 月期 48,470 円 今回決定 30 年 4 月期 54,370 円 9

( 参考 ) 物価 家計への影響 パンや麺等の小麦粉関連製品の小売価格に占める原料小麦代金の割合はそれほど大きくなく 今回 の政府売渡価格の改定が消費生活に与える影響は限定的 今回 (30 年 4 月期 ) の小麦の政府売渡価格の改定が消費者物価指数に与える影響 +0.003% 程度 小麦粉製品に占める小麦の価格のみに着目し 当該価格が全て今回の政府売渡価格の改定を反映していることを前提として試算 製粉企業の小麦粉価格の改定時期 原料小麦の政府売渡価格の改定に伴い 製粉企業が小麦粉価格を改定するのは 各事業者の在庫状況にもよるが 過去の例では約 3 か月後 小麦粉製品への影響額 ( 試算 ) ( 1 小売価格 ) ( 2 改定による影響額 ( 試算 )) 食パン 172 円 /1 斤 +0.4 円 /1 斤 うどん ( 外食 ) 638 円 /1 杯 +0.2 円 /1 杯 小麦粉 ( 家庭用薄力粉 )245 円 /1kg +2.1 円 /1kg 1: 小売価格は 総務省 小売物価統計調査 ( 東京都区部 30 年 1 月 ) による 2: 小麦粉製品ごとの原料小麦代金の割合 原料小麦の価格改定率により試算 3: 食パン 1 斤は 400g として試算 4: 小麦粉製品に占める小麦の価格のみに着目し 当該価格が全て今回の政府売渡価格の改定を反映していることを前提として試算 ( 参考 ) 小麦関連製品の小売価格に占める原料小麦代金の割合 食パン 7% うどん ( 外食 ) 1% ゆでうどん 6% 即席麺 ( カップ麺 ) 1% 小麦粉 ( 家庭用薄力粉 ) 25% 10

( 参考 ) 輸入小麦及び小麦製品の安定供給確保のための取組 農林水産省としては 消費者等に対し 輸入小麦の政府売渡価格改定の背景等に関する正確な情報提供に努めるとともに 農林水産省内の専門の相談窓口を活用し 各種相談を受付け また 農林水産省が委託する民間調査機関の調査員による調査を実施し 食パンや小麦粉等小麦製品の店頭価格の動向把握に努めているところ 相談窓口の設置 小麦製品の店頭価格把握 輸入小麦の安定供給に資するよう 農林水産省内に相談窓口を設置 < 設置場所 > 農林水産省政策統括官付貿易業務課内 < 相談内容 > 1 国際相場の動向や価格改定理由の説明 関連資料の提供 2 小麦関連製品に係る小売価格に関する相談 3 原料小麦の安定供給の確保に関する相談等 農林水産省が委託する民間調査機関の調査員による調査を実施し 小麦製品の店頭価格の動向把握に努める < 対象店舗 > 全国 470 店舗 < 把握内容 > 大手メーカーが全国規模で販売展開する銘柄の食パン 即席カップ麺 ゆでうどん及び家庭用小麦粉の店頭価格 相談窓口 電話 :03-6744-1253( 直通 ) インターネットによるお問合せ : https://www.contactus.maff.go.jp/j/form/seisaku_tokatu/boeki/mugi.html 11