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3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 3 群以上の比率の差の多重検定法 ( 対比較 ) 分割表で表記される計数データについて群間で比率の差の検定を行う場合 全体としての統計的有意性の有無は χ 検定により判断することができるが 個々の群間の差の有意性を判定するためには多重検定法が必要となる 3 群以上の比率の差を対比較で検定する方法としては ライアン (Rya) の方法とテューキー (Tuey) の方法がある ライアンの方法は 名義的有意水準 (oial sigificace level) または調整された有意水準 (adjusted sigificace level) と呼ばれる概念を使用し 検定回数に応じて有意水準を調整する手法である 一方 テューキーの方法は スチューデント化した範囲の表を用いて有意性を判定する手法で テューキーの WSD 法あるいは b 法と呼ばれる ライアンとテューキー いずれの手法も まず 最大値と最小値の間で検定を行い 有意性が認められた場合には 最大値または最小値の群を外した 群数の 1 つ少ないグループで検定を行う これを 有意性がなくなるまで繰り返すという手順をとる 最終的にほぼ同じ結果となるためか 両者の使い分けについて記載した文献は見当たらず どちらの手法を用いてもよいようである これらの手法については 記載されている書籍がほとんどないので 本稿では オリジナル論文の記載内容に従って解説する 注 ) テューキーの方法と呼ばれる手法には HSD 法 (Hoestly sigificat differece test) と WSD 法 (Wholly sigificat differece test) がある HSD 法は 計量データに対して用いる多重検定法として有名な方法で 多数の書籍に手法が掲載されており テューキーの q 法 あるいは a 法という別名で呼ばれることもある これに対応して テューキーの b 法とも呼ばれる WSD 法は 記載されている書籍が少ない 比率の差の多重検定では この WSD 法を用いる ライアン (Rya) の方法 0. 帰無仮説を立てる 帰無仮説 H0: 母比率に差はない ( 対立仮説 H1: 母比率に差がある ) 1. 比較対象となる 群について 各群のデータ数を i 各群においてある事象が現れる回数を ri とし その事象が現れる比率を i で表す データ数が 1 である各群において 事象の出現する比率は それぞれ 1 となる. 各群を比率 i の小さいものから順に並べ 比率の最小値を 1 最大値を とする 3. 平均比率 を求める 平均比率 は 比較対象となる つの群とそれらに挟まれるすべての群の総データ数に占め 4. まず 比率の最小値 1 と最大値 を持つ群間について検定を行う 両群間の差の標準誤差は 平均比率 を用い て次式により計算される 5. 多重比較全体としての有意水準を α とすると 両群間の名義的有意水準 α は 対象となる群数 を = として 次の式で求められる ri i る事象の発生総数の割合として計算される 1 1 1 1 α は両側検定における有意水準なので 上側確率が α / に相当する標準正規分布のパーセント点 z を求める 算出には Excel の orsiv 関数を利用するか 標準正規分布表中の α / に該当する値から z 値を求める 6. Requird differece (RD) を計算する RD i z 1 r 1 北里大学獣医学部高岸

3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 7. 比率の最大値と最小値の間の差が RD 以下の場合 すべての群間に有意差はないと判定し検定を終了する 差が RD を超えている場合 比率の最小値と最大値の間には有意差があると判定し 次のステップに進む 8. 次に 最大値または最小値のいずれかを含む群をはずし 群数 =-1 となるサブグループについて 検定を行う つの組み合わせができるはずである 9. 群からなるサブグループについて 以下のように検定を続ける (a) 平均比率 を求める 平均比率 は 対象となる つの群とその群に挟まれるすべての群の総データ数に占める事象の発生総数の割合として計算される (b) を用いて 標準誤差を計算する i と j は サブグループ内で比率 i が最大と最小となる群のデータ数であ る d 1 1 1 i j (c) 名義的有意水準を以下の式により求め 上側確率が α / に相当する標準正規分布のパーセント点 z を求 める 1 (d) RD を求める RD d z 10. =-1 群において 比率の最大値と最小値のあいだの差が RD 以下の場合 すべての群間に有意差はないと判定し検定を終了する 差が RD を超えている場合 比率の最小値と最大値の間には有意差があると判定し =- 群について さらに検定を継続する その際 =-1 群の一方に有意差が認められなかった場合は その群に含まれるサブグループは対象外とする 11. 以下 同様にして 有意差が出なくなるまで 群数を順に減らしながら検定を継続する テューキー (Tuey) の方法 0. 帰無仮説を立てる 帰無仮説 H0: 母比率に差はない ( 対立仮説 H1: 母比率に差がある ) 1. 比較対象となる 群について 各群のデータ数を i 各群においてある事象が現れる回数を ri とし その事象が現れる比率を i で表す データ数が 1 である各群において 事象の出現する比率は それぞれ 1 となる. 各群を比率の小さいものから順に並べ 比率の最小値を 1 最大値を とする 3. 平均比率 を求める 平均比率 は 対象となる つの群とその群に挟まれるすべての群の総データ数に占める事 象の発生総数の割合として計算される 4. まず 比率の最小値 1 と最大値 を持つ群間について検定を行う 両群間の標準誤差は 平均比率 を用いて次 式により計算される ri i i 1 r 1 1 1 5. スチューデント化された範囲の表 (Q 表 ) を用い 有意確率 α=0.05 群数 自由度 におけるパーセント点 (SR) を求める 北里大学獣医学部高岸

3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 6. 次式により Wholly sigificat differece (WSD) を求める WSD 7. 比率の最大値と最小値の差が WSD 以下の場合 すべての群間には有意な差があるとは言えないと判定し 検定を終了する 比率の差が WSD より大きい場合 最小値と最大値の間には有意な差が認められると判定し さらに検定を続ける 8. 比率の最大値または最小値のいずれかを含む群をはずし 群数 =-1 となるサブグループについて 検定を行う つの組み合わせができるはずである 9. 群からなるサブグループについて 以下のように検定を続ける (a) 平均比率 を求める 平均比率 は 対象となる つの群とその群に挟まれるすべての群の総データ数に占める事象の発生総数の割合として計算される (b) を用いて 標準誤差を計算する i と j は サブグループ内で比率 i が最大と最小となる群のデータ数である d 1 SR 1 1 i j (c) スチューデント化した範囲の表 (Q 表 ) から 有意確率 α=0.05 自由度 に対する値を読み取り SR を求める 使用する SR の値は 最大群数 に相当する値と 実際の比較対象に含まれる群数 に相当する値の 算術平均とする (d) WSD を求める SR WSD SR d SR SR 10. 比較する 群の比率をの差が WSD 以下の場合 すべての群間には有意な差があるとは言えないと判定し 検定を終了する 比率の差が WSD より大きい場合 その 群の比率の間には有意な差が認められると判定し さらに検定を続ける その際 =-1 群の一方に有意差が認められなかった場合は その群に含まれるサブグループは対象外とする 11. 以下 群数を 1 つ減らして同様に検定を行い 群間に有意差が認められなくなるまで継続する 群間に有意差が認められなくなった場合には その検定に含まれたすべての群の間には 有意差がないと判定して検定を行わない 計算例 5 つの被験集団 A~E に対して アレルギー検査を行った 集団間で陽性率に差があるか検討する (Rya(1960) の論文に掲載の例題を改変 ) 被験集団 陽性 総人数 陽性率 A 1 60 0.0 B 10 40 0.5 C 36 80 0.45 D 36 60 0.60 E 37 50 0.74 合計 131 90 0.45 ライアン法 1. 帰無仮説 H0: 母比率に差はない ( 対立仮説 H1: 母比率に差がある ). 各群の陽性率を計算し 大きさの順に並べる ( 表 ) 3. 比率が最も小さい A 群と最も大きい E 群の間で検定を行う 平均比率 を求める r 131 0.45 90 3 北里大学獣医学部高岸

3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 4. 両群間の差の標準誤差は 平均比率 を用いて次式により計算される 1 1 1 1 60 1 50 1 0.45 1 0.45 0. 095 5. 両群間の名義的有意水準は 次の式で求められる これより α / に相当する標準正規分布のパーセント点 z を 求める 1 5 5 1 6. Requird differece (RD) を計算する RD z 0.05 0.005 0.095.807 0.67.807 7. 比率の最大値と最小値のあいだの差 0.74-0.0=0.54>0.67 なので 比率の最小値と最大値の間には有意差があると判定する 8. 次に 群数 =-1 として検討する z 9. (a) 群間の平均比率 を求める r 94 r 119 0.39 0. 517 40 30 (b) 標準誤差を計算する 1 i 1 j 1 60 1 60 1 0.39 1 0.39 0. 0891 1 i 1 j 1 40 1 50 1 0.517 1 0.517 0. 1060 (c) 名義的有意水準を以下の式により求め 上側確率が α / に相当する標準正規分布のパーセント点 z を求める 0.05 0.0067 1 5 4 1 z.713 (d) RD を求め 比率の差と比較し 有意性を判定する RD RD z z 0.0891.713 0.43 0.1060.713 0.88 RD=0.43<0.40= 比率の差よって 有意な差があると判定 DE 間 RD =0.88<0.49= 比率の差よって 有意な差があると判定 10. 以下 同様にして 有意差が出なくなるまで 群数を順に減らしながら検定を継続する 4 北里大学獣医学部高岸

3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 ライアン法 組合せ 1 1 z d RD 比率の差 1 AE 60 50 0.0 0.74 5 0.0050 0.45.807 0.0953 0.67 0.54 * AD 60 60 0.0 0.60 4 0.0067 0.39.713 0.0891 0.4 0.40 * BE 40 50 0.5 0.74 4 0.0067 0.517.713 0.1060 0.88 0.49 * AC 60 80 0.0 0.45 3 0.0100 0.3.576 0.0798 0.06 0.5 * BD 40 60 0.5 0.60 3 0.0100 0.456.576 0.1017 0.6 0.35 * CE 80 50 0.45 0.74 3 0.0100 0.574.576 0.089 0.30 0.9 * AB 60 40 0.0 0.5 0.000 0.0.36 0.0846 0.197 0.05 BC 40 80 0.5 0.45 0.000 0.383.36 0.094 0.19 0.0 CD 80 60 0.45 0.60 0.000 0.514.36 0.0854 0.199 0.15 DE 60 50 0.60 0.74 0.000 0.664.36 0.0905 0.10 0.14 被験集団陽性総人数陽性率 A 1 60 0.0 テューキー法 B 10 40 0.5 1. 帰無仮説 H0: 母比率に差はない ( 対立仮説 H1: 母比率に差があ C 36 80 0.45 D 36 60 0.60 る ) E 37 50 0.74. 各群の陽性率を計算し 大きさの順に並べる ( 表 ) 合計 131 90 0.45 3. 比率が最も小さい A 群と最も大きい E 群の間で検定を行う 群間の平均比率 を求める r 131 0.45 90 4. 両群間の標準誤差は 平均比率 を用いて次式により計算される 1 1 1 1 60 1 50 1 0.45 1 0.45 0. 0953 5. スチューデント化された範囲の表 (Q 表 ) を用い 有意確率 α=0.05 群数 5 自由度 におけるパーセント点 (SR) を求める SR=3.8577 6. 次式により WSD を求める WSD d SR 0.095 3.8577 0.60 7. 比率の最大値と最小値の差 0.74-0.0=0.54>0.60 なので 最小値と最大値の間には有意な差が認められると判定し さらに検定を続ける 8. 次に 群数 =-1 として検討する 9. (a) 群間の平均比率 を求める r 94 r 119 0.39 0. 517 40 30 (b) 標準誤差を計算する 1 i 1 j 1 60 1 60 1 0.39 1 0.39 0. 0891 5 北里大学獣医学部高岸

3 群以上の比率の差の多重検定法 013 年 1 月 15 日 017 年 3 月 14 日修正 1 i 1 j 1 40 1 50 1 0.517 1 0.517 0. 1060 (c) スチューデント化した範囲の表 (Q 表 ) から 自由度 に対する値を読み取り SR を求める また 群間の平均比率 を求める SR SR SR 3.633 3.8577 3.7455 (d) WSD を計算し 判定を行う WSD WSD SR SR 0.08913.7455 0.36 0.1060 3.7455 0.81 WSD=0.36<0.40= 比率の差よって 有意な差があると判定 WSD =0.81<0.49= 比率の差よって 有意な差があると判定 10. 以下 同様にして 有意差が出なくなるまで 群数を順に減らしながら検定を継続する テューキー法 組合せ 1 1 SR d WSD 比率の差 1 AE 60 50 0.0 0.74 5 0.0050 0.45 3.858 0.0953 0.60 0.54 * AD 60 60 0.0 0.60 4 0.0067 0.39 3.745 0.0891 0.36 0.40 * BE 40 50 0.5 0.74 4 0.0067 0.517 3.745 0.1060 0.81 0.49 * AC 60 80 0.0 0.45 3 0.0100 0.3 3.586 0.0798 0.0 0.5 * BD 40 60 0.5 0.60 3 0.0100 0.456 3.586 0.1017 0.58 0.35 * CE 80 50 0.45 0.74 3 0.0100 0.574 3.586 0.089 0.6 0.9 * AB 60 40 0.0 0.5 0.000 0.0 3.315 0.0846 0.198 0.05 BC 40 80 0.5 0.45 0.000 0.383 3.315 0.094 0.1 0.0 CD 80 60 0.45 0.60 0.000 0.514 3.315 0.0854 0.00 0.15 DE 60 50 0.60 0.74 0.000 0.664 3.315 0.0905 0.1 0.14 文献 Rya, TA (1960) Sigificace tests for ultile coariso of roortios, variaces, ad other statistics. Psychol. Bull. 57(4) : 318-38. Tuey, JW (1953) The roble of ultile coarisos. uublished auscrit, Priceto Uiversity. Tuey の論文は公表されていないが 内容は Rya の論文に掲載されているのでいずれの手法を用いても 引用文献は Rya の論文でよい 解説 森敏昭 吉田寿夫編著 (1990) 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房嶋崎恒雄 (015) 心理統計 Ⅱ 分散分析とノンパラメトリック検定 ( 現代心理学シリーズ 1) 培風館群馬大学青木先生 htt://aoi.si.gua-u.ac.j/lecture/hiritu/ 6 北里大学獣医学部高岸