<4D F736F F D208CF897A689BB94C795F18D908F A2E646F63>

Similar documents
<4D F736F F D208E9197BF332D CF897A689BB94C78A E646F63>

Microsoft PowerPoint - 01CDISC概要短縮版.ppt

臨床試験(治験)の手続きについて

医師主導治験取扱要覧

<4D F736F F D E34208EA18CB18EE891B182AB977697CC C8E8DB782B591D682A688CB978A>

申請等の手引き

<ヒアリング内容 > 1 依頼者からの説明 ( 概要書 プロトコールの要点 をそれぞれ10 分程度で ) ハンドアウト等の資料を準備すること 2 質疑 応答 ( 手順の確認を中心に ) 3 提出資料の確認 検討 修正指示 4その他 当該治験で検討を要する事項についての協議 保険外併用療養費の支給対象

医療機関のの指示 決定に 医療機関のが 治験審査委員会の決定 関する文書 に基づく医療機関のの指示 決定を ( 治験に関する指 治験依頼者及びに通知す 示決定通知書 ) ( 治験審査委員会の通知文 る文書 書写しを含む ) 治験審査委員会の日付入り通知文書の 写し の業務内容に関 医療機関のがの業務

治験事務局標準業務マニュアル

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

医師主導治験実施医療機関を対象とした調査協力のお願い Ver 医師主導治験における治験調整事務局業務の標準化 効率化に関する研究 班へのご協力をいただき ありがとうございます 本研究班では 医師主導治験を実施する医療機関において 準備や実施に役立つ教育コンテンツやモデル標準業務手順

Microsoft PowerPoint - 運用 [互換モード]

国立病院機構大阪医療センター受託研究取扱細則

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

研究報告書レイアウト例(当該年度が最終年度ではない研究班の場合)

標準業務手順 目次

Microsoft Word - 報告書 最終1116.doc

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

山形県立中央病院治験審査委員会業務手順書

12_モニタリングの実施に関する手順書 

内容 1. はじめに 大規模治験ネットワーク登録医療機関への支援内容 治験実施医療機関情報の登録と公開 登録の条件 事前確認 大規模治験ネットワーク への登録方法 登録の手順 登録でき

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

<4D F736F F D A835E838A F8B7982D18AC48DB85F20534F A68CEB8E9A E9A8F4390B38DCF2

<4D F736F F F696E74202D2090BB91A294CC94848CE392B28DB CC905C90BF82C982C282A282C45F F566F6C2E33>

京都府立医科大学附属病院

製造販売後調査事務手続き等 について

Microsoft PowerPoint - 02福島プロジェクト共通.ppt

臨床試験(治験)実施の手続き

untitled

治験実施に必要な手続きについて (HP 用 ) 治験 製造販売後臨床試験 聖マリアンナ医科大学病院治験管理室 聖マリアンナ医科大学病院治験管理室 2011 年 10 月作成 2013 年 1 月改訂 2014 年 4 月改訂 2018 年 4 月改定 2018 年 5 月改定 Ⅰ. 治験審査委員会

IRB の 4 週間前までに事前確認に必要な資料をご提出ください 必要時にはヒアリングも実施いたします IRB 審議用確認資料 電子 ( メール ) にてご提出ください 製造販売後調査申請書 ( 様式 1) 1 部 審査用資料 1 薬品概要書 ( 添付文書でも可 ) 1 部 2 調査実施計画書 (

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E7B8D732E646F6378>

治験は、医薬品として未だ認められていない物質を人(被験者)に投与して、有効性、安全性等を検討する臨床試験のことであり、新薬の承認申請資料の作成を目的としています

Microsoft Word - 4月議事録概要

M. 旅行計画書 A. 1 申請の際には当院の標準業務手順書 契約書 ( 案 ) 覚書 ( 案 ) マニュアル等を熟読の上 目標症例数を責任医師と依頼者で十分協議 し 実施可能な症例数を申し込んでくだ 1 申請の際には当院の標準業務手順書 契約書 ( 案 ) マニュアル等を熟 読の上

規程書

サマリー記載について

ICH-GCPとJ-GCPとの比較表

<4D F736F F D2090BB91A294CC94848CE392B28DB8905C90BF8E9E92F18F6F8F9197DE82A882E682D1928D88D38E968D E48DEC90AC816A

UMIN INDICE Lower level data communication protocol for CDISC ODM規約

治験実施規程

【押印あり】日本医学会宛

依頼者様

<4D F736F F F696E74202D20362E208EA18CB182F08EC08E7B82B782E988E397C38B408AD682C982A882AF82E997AF88D3935F2E B8CDD8AB B83685D>

Ⅲ 治験に係る直接費用と間接費用 ( 但し 治験検討会議出席に係る旅費については 下記 Ⅳにて記載する ) 1. 算出方法 (1) 治験に係る経費設定( 表 1) に従い費用を算出する 2. 覚書の作成と請求方法 (1) 治験契約の際 病院長と治験依頼者は 治験契約書 ( 別記様式第 12 号第 3

治験手続きについて

国立仙台病院受託研究取扱規程

PowerPoint プレゼンテーション

必須文書一覧

<4D F736F F F696E74202D208EA18CB B90B389BB8DEC8BC694C F E B93C782DD8EE682E890EA97705D205B8CDD8AB

治 験 実 施 標 準 業 務 手 順 書

特定臨床研究に関する手順書

臨床研究に関する標準業務手順書

Microsoft Word - 【061115】用語集(案).doc

目次 第 1 章治験審査委員会... 3 ( 目的と適用範囲 )... 3 ( 治験審査委員会の責務 )... 3 ( 治験審査委員会の設置及び構成 )... 3 ( 治験審査委員会の業務 )... 4 ( 治験審査委員会の運営 )... 6 第 2 章治験審査委員会事務局... 8 ( 治験審査委

市立札幌病院治験に係わる業務手順書 治験の原則 治験は 次に掲げる原則に則って実施されなければならない 1. 治験は ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及びGCPを遵守して行われなければならない (GCP: 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 以下薬機法とする ) 平成

300401採用公募・HP原稿

( 書式 4), 治験責任医師の履歴書及び治験実施計画書等の審査の対象となる文書を委員会に提出し, 治験の実施について意見を求めるものとする 2 病院長は, 委員会が治験の実施を承認する決定をし, 又は治験実施計画書, 症例報告書, 説明文書及び同意書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に治

第 4 章治験責任医師の業務 目次 1. 目的と適用範囲 1 2. 治験責任医師の要件 1 3. 治験実施計画書の遵守に関する合意 1 4. 同意説明文書の作成 1 5. 治験分担医師及び治験協力者のリストの作成 2 6. 治験の実施依頼 ( 新規 変更 継続 ) 3 7. 治験の実施等の了承 3

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

治験審査委員会手順書 平成 27 年 10 月 1 日 医療法人新光会

実施医療機関における治験に係る標準的業務手順書

研究倫理審査申請システム利用ガイド(研究者編)

1. 各項目に共通する注意点等について *IRB 審査資料の提出期限は IRB 開催日の 2 週間前までとします * 事前確認依頼については 資料提出期限の 1 週間前を目安に電子にて事務局担当者までご依頼ください スケジュールについては 当センター HP の IRB 年間開催日程と書類提出締切日

日本医科大学付属第二病院治験標準業務手順書

<93648EA593498B4C985E82C98AD682B782E E838A F E315F C668DDA95AA292E786C7378>

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

長崎大学病院治験審査委員会内規 平成 21 年 4 月 1 日 病院内規第 3 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この内規は, 長崎大学病院における医薬品の臨床試験の実施に関する内規 ( 以下 治験内規 という ) 第 4 条第 2 項, 長崎大学病院における医療機器の臨床試験の実施に関する内規 ( 以下

川崎市水道局規程第 号

倫理委員会審査手順書

スライド 1

untitled

本手順書で使用する用語の定義 用語電子的記録書面電子的記録利用システム実務担当者原データ治験関連文書サイボウズサイボウズメッセージ 定義人の知覚では認識できない, 電子式等の方法で記録され, コンピュータで処理される記録紙媒体による資料治験依頼者, 実施医療機関の長, 治験責任医師並びに治験審査委員

倫理審査申請システム利用ガイド(申請者編)

スライド 1

新規申請に関する手順書

<4D F736F F D2088E38E748EE593B18EA18CB194C790AC89CA95A85F DC58F498D652E646F63>

Ⅲ. 新規申請 1. 受付期間 : 毎月 31 日締め ( 事前に 申請日時 を下記申請窓口に必ずご連絡下さい ) 月末 (31 日 ) までに提出されたものが翌月の治験審査委員会で審査されます なお 3 月については原則として継続審査のみとなりますのでご了承ください 例 )7 月 1 日 ~7 月

宮城県立がんセンター受託研究業務手順書

研究者を支援するために 必要な人材 CRC データマネージャー 国際化 生物統計家 プロジェクトマネージャー 開発戦略と知財戦略の担当者 高度化 煩雑化 多様化 利益相反マネージャー IRB/EC 事務局担当者 教育 / 研修担当者 薬事担当者 新薬開発の多様化 国際化の時代 ICH-GCP に則っ

神戸市立医療センター西市民病院治験審査委員会業務手順書 第 1 章治験審査委員会 ( 目的と適用範囲 ) 第 1 条本手順書は 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 9 年 3 月 27 日 厚生省令第 28 号 )( 以下 GCP 省令 という ) 医療機器の臨床試験の実施の基準に関

改正履歴 版番号改訂日改正内容 初版 1991/4/1 NA( 治験薬等臨床試験取扱要綱 ) 第 2.0 版 1994/4/1 第 2.1 版 1997/4/1 細則廃止 第 3.0 版 1998/4/1 第 4.0 版 2000/4/1 名称改正 : 昭和大学病院における臨床試験取扱規程改廃方法変

CROCO について

第 1 章目的と適用範囲 ( 目的と適用範囲 ) 第 1 条本手順書は 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ; 平成 9 年厚生省令第 28 号 ( 以下 医薬品 GCP という ) 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令 ; 平成 17 年厚生労働省令第 36 号 ( 以下 医療機器 G

untitled

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

( 委員会の業務 ) 第 4 条委員会は その責務の遂行のために以下の最新資料を病院長から入手する なお あらかじめ 自ら治験を実施する者 委員会及び病院長の合意が得られている場合においては GCP 省令第 26 条の6 第 2 項に関する通知に限り 自ら治験を実施する者から入手することができる ま

Microsoft Word - å‹¥æ·»ã••ã•’æ§Ÿå¼‘ã•‚å•‰äººæ…–å€±ã…Łã‡¡ã‡¤ã…«ç°¿ï¼‹ ï¼›.doc

(Microsoft PowerPoint - \220V\213\214\225\266\217\221\224\344\212r\203\\\203t\203g\202o\202o\202s\216\221\227\277ADVIT1-30\224\305.ppt)

独立行政法人国立病院機構仙台医療センターにおける医薬 品等の使用成績調査 特定使用成績調査及び副作用 感染 症報告 その他の受託研究の実施に関する標準業務手順書 2018 年 7 月 26 日第 9 版

(Ver

<4D F736F F D EA18CB182C98C5782E98EE88F878F915F8EC08E7B88E397C38B408AD F392E30816A2E646F63>

医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書 第4-1

<4D F736F F D208DD08A518E9E82CC838A E8AC7979D82C98AD682B782E B836782DC82C682DF2E646F63>

倫理審査申請システム利用ガイド(申請者編)

実施医療機関治験審査委員会標準的業務手順書

目次 1. はじめに 2. 実際の応募手続き 2-a. 手続きを始める前に 2-b. 研究開発提案書様式の取得 2-c. 応募の新規登録 2-d. 応募情報の入力 2

SOP(IRB有)1203版

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

Transcription:

への利用がまだ主体であり 製薬会社 CRO 内での使用に限られている 治験効率化の必要な部分は むしろ医療機関内における治験実施の部分の方が大きい 医療機関における治験 IT 化については 日本がイニシアチブをとれるように 日本の医療機関において 電子カルテの CDISC 標準仕様対応及び CDISC 標準仕様対応の治験情報システムを早急に開発 運用することが望まれる 今後 CDISC 標準仕様の策定 改訂にあたっては 実際に治験情報システムの開発 運用経験のあることが重要であり 日本の発言力を確保するためにも国内における開発 運用経験が必要である 製薬企業は 治験効率化に役立つのであれば 必要な投資を実施するだけの資金がある しかし 医療機関側には 電子カルテへ CDISC 標準仕様のインターフェイスを実装するための資金はないため 国の支援が必要である 国の支援を検討する際に十分留意しておくべきなのは CDISC 標準仕様による治験 IT 化の波及効果は単に治験の領域だけに留まらないことである 治験 IT 化のインフラはそのまま一般の医学研究 ( 臨床 疫学研究 症例登録 ) に用いることが可能であり 医学研究推進という波及効果を介して 国民の公衆衛生の向上に貢献することができる 図 X. データ交換標準を用いた治験データの電子的収集のイメージ 1. データフォーム組込み データ交換標準による治験データフォーム (XML) 2. データ自動抽出 ( 再入力の 2 度手間なし ) データ交換標準による治験症例データ (XML) オーダー ( 処方 検査等 ) オーダー ( 処方 検査等 ) オーダー ( 処方 検査等 ) オーダー ( 処方 検査等 ) HL7 HL7 HL7 HL7 電子カルテ電子カルテ電子カルテ電子カルテ もともと電子カルテ上に存在するデータ (HL7 経由 ) もともと電子カルテ上に存在するデータ (HL7 経由 ) もともと電子カルテ上に存在するデータ (HL7 経由 ) もともと電子カルテ上に存在するデータ (HL7 経由 ) 患者基本データ 検査データ 医薬品処方等 患者基本データ 検査データ 医薬品処方等 患者基本データ 検査データ 医薬品処方 患者基本データ 検査データ 医薬品処方 電子カルテ上に存在しなかったデータ ( 電子カルテ上の症例データフォームで入力 ) 治験診察所見 治験用の特殊検査 電子カルテ上に存在しなかったデータ ( 電子カルテ上の症例データフォームで入力 ) 治験診察所見 治験用の特殊検査. 原資料として保存 - - 11

図 Y.CDISC 標準仕様の策定の経過と今後の予定 医療機関で実現できる機能 2005 2005-2006 2006 2007-2010 検査データ 交換 EDC 端末の単一化 電子カルテと EDC の連携 研究プロトコールとの連携 製薬企業で実現できる機能 検査データ交換 CDISC 標準対応の情報システム EDC 米国における申請 CDISC standards SDTM SEND( 臨床 ) 個別策定 LAB( 検査データ ) 個別策定 ODM( 操作データ ) 個別策定 define.xml( 製薬会社定義 ) 個別策定 ADaM( 統計解析データ ) 個別策定 PR( プロトコール ) 個別策定 Terminology( 用語 ) 個別策定 2005 2005-2006 2006 2007-2010 SDTM LAB 整合性検証 SDTM SEND LAB ODM define.xml 整合性検証 SDTM SEND LAB ODM define.xml ADaM 整合性検証 SDTM SEND LAB ODM define.xml ADaM PR 整合性検証 HL7 2.x HL7.x - - 12

5. まとめ (1) 我が国の治験の効率化の課題わが国の治験は1 施設当たりの症例数が少ないためプロトコール当たりの施設数が多いという問題があり そのためにモニター一人当たりの対応症例数の少なさ モニター数の多さ 治験依頼者費用の増大を生んでいる さらに施設毎のカスタマイズが人件費の増大をきたしていると考えられる ( ただし外国では複数医療機関で1 施設とカウントする国もあるため比較困難なこともある ) (2) 事務の効率化 今回の調査結果により 治験対応の専門的部署は多くの医療機関に設置され 窓口は一元化されつつあるが 治験依頼者のモニターが治験契約締結までに複数箇所に訪問する必要があることが明らかになった 郵送などで書類の受付ができない施設もまだあり 治験依頼者の人的 経済的負担を軽減する余地が多く残されていることが判明した 現在 統一様式には国立病院機構 国立大学病院 私立大学協会のつがあるが IT 化をするためには様式 ( 少なくとも項目 ) の統一化が必要であり 協議の上 厚生労働省や国立大学病院長会議 私立医科大学協会等で了解された統一版の作成が望まれる () 医療機関と依頼者の役割分担 治験を実施する際に必要となる医療機関固有の臨床検査値一覧を治験依頼者が作成していることや IRB での審議時に治験依頼者の出席は本来不要であるが 出席を求めている施設が 1/ を越えていることなど 本来医療機関が作成する役割 追うべき事項を依頼者が行っている場合があるため 本来のあるべき役割を整理する必要がある その上で 医療機関が最初から作成することが非効率であるような事務作業などを依頼者と効率的に役割分担できるよう 事例に応じて 相互に取り決めていく必要がある 現在 医療機関内で作成すべき治験責任医師から医療機関の長への申請書類など治験実施プロセスで必要とされる書類や 治験依頼者がひな形を作成しているポケット版プロトコールなどの治験用資材を医療機関が最初から作成することは非効率であると思われるが 医療機関毎にカスタマイズすることは治験依頼者にとって多大な負担になっている 効率化のためにはこれら書類や資材のうち 現時点必ず医療機関内で作成すべき書類や段階的に医療機関側で作成できるようにする書類の検討 並びに過度のカスタマイズを制限することや様式を統一することも必要だと考えられる - - 1

電子的フォーマットが統一できていれば印刷形式を変えることは比較的容易であり 医療機関側 依頼者側と検討し 整理していく必要がある 契約形態は複数年度契約 出来高払いが主流となっているが まだ 国立高度専門医療センター ( ナショナルセンター ) 公立病院の一部で前金返納なしの支払い形態も残存している (4) データの電子的交換 治験データの電子的交換のためには 治験データの電子的交換の標準仕様が必要である 標準仕様を使わなければ 治験データの電子的交換による治験の効率化がなされることは困難である FDA での採用状況からみて 国際的に CDISC 標準仕様が治験データの電子的交換の標準になる見込みは高く CDISC 標準仕様の積極的な活用と定着を促進することによって EDC のデータ交換が標準化されるとともに CDISC 標準仕様のインターフェイスの電子カルテへの導入によって 電子カルテと EDC の連携が可能となり 治験データの収集が飛躍的に効率化することが期待される 自社の臨床試験データ管理に CDISC 標準仕様を導入しつつある世界の大手製薬企業の同行も注視しながら 受託する医療機関側の病院情報システム / 電子カルテの CDISC 標準仕様対応を支援することは 業務の効率化のみならず 国際的な共同治験 臨床研究の推進において 早急に対応すべき課題である 医療機関側には 自らの病院情報システム / 電子カルテを CDISC 標準仕様対応にするための資金が不足している このため 治験電子化のためには 国による医療機関の支援が必要である 6. 結語わが国の治験を空洞化させないためには 他国に比べて治験経費の高額化の主因である治験依頼者業務負担を軽減する必要がある また IT 化を進めるためにもデータ交換様式の統一化 項目の統一化が必須である - - 14

施設アンケート集計結果 - - 15

アンケート単純集計結果 1 治験実施者と治験依頼者の役割の明確化に関する調査結果 Q20. 書類の作成者 治験依 ほぼ治 ほぼ当 当院内 SMO 等 無回答 頼者 験依頼 院内スタ スタッフ の外部 n 数 者 ッフ スタッフ 治験責任医師 分担医師の 46 28 61 49 126 75 7 履歴書 100.0 8.1 17.6 14.2 6.4 21.7 2.0 治験分担医師 協力者リス 46 50 95 42 72 80 7 ト 100.0 14.5 27.5 12.1 20.8 2.1 2.0 同意文書 説明文書 46 61 169 52 20 5 9 100.0 17.6 48.8 15.0 5.8 10.1 2.6 臨床検査値基準値一覧 46 8 7 2 17 55 11 100.0 11.0 10.7 9.2 50.0 15.9.2 治験に関する指示決定通 46 19 28 42 169 78 10 知書 100.0 5.5 8.1 12.1 48.8 22.5 2.9 治験薬管理表 46 67 87 46 106 6 4 100.0 19.4 25.1 1. 0.6 10.4 1.2 スクリーニング名簿 46 49 6 29 18 76 18 100.0 14.2 10.4 8.4 9.9 22.0 5.2 治験実施計画書からの逸 46 41 100 68 52 7 12 脱に関する報告書 100.0 11.8 28.9 19.7 15.0 21.1.5 原資料と矛盾を説明した記 46 102 116 2 24 46 26 録 100.0 29.5.5 9.2 6.9 1. 7.5 同意説明文書改定報告書 46 121 128 27 1 40 17 100.0 5.0 7.0 7.8.8 11.6 4.9 治験の変更に関する報告 46 145 105 18 12 44 22 書 100.0 41.9 0. 5.2.5 12.7 6.4 治験実施状況報告書 46 68 112 7 46 69 14 100.0 19.7 2.4 10.7 1. 19.9 4.0 重篤な有害事象に関する 46 60 78 72 70 55 11 報告書 100.0 17. 22.5 20.8 20.2 15.9.2 治験終了 ( 中止 中断 ) 報告 46 76 97 7 5 71 12 書 通知書 100.0 22.0 28.0 10.7 15. 20.5.5 - - 16

今回当方が実施したアンケート調査において 治験関係書類を誰が作成しているのかという問いに対して 50% 以上が 治験依頼者 若しくは ほぼ治験依頼者 と回答された項目は以下のとおりであった 同意文書 説明文書 (66.4%) 原資料と矛盾を説明した記録 (6%) 同意説明文書改訂報告書 (72%) 治験の変更に関する報告書 (72.2%) 治験実施状況報告書 (52.1%) 治験終了 ( 中止 中断 ) 報告書 通知書 (50.0%) また 製薬関係団体で行った加盟企業のモニター担当者に対する同様のアンケートでは 上記の項目についてもより高い比率が得られるとともに 次の事項についても 50% を超える結果が得られた 治験分担医師 協力者リスト ( 製薬協 :65.7%,PhRMA:78.6%,EFPIA: 75.9%) 治験薬管理表 ( 製薬協 :72.7%,PhRMA:78.6%,EFPIA:69.8%) スクリーニング名簿 ( 製薬協 :56.1%,PhRMA:64.%) 治験実施計画書からの逸脱に関する報告書 ( 製薬協 :84.1%,PhRMA:92.8%, EFPIA:64.6%) 重篤な有害事象に関する報告書 ( 製薬協 :69.1%,PhRMA:71.4%) この結果より 本来医療機関側で作成するべき書類の多くが治験依頼者側で作成されている状況が窺える - - 17

- - 18 Q20. 書類の作成者 8 14 18 11 5 19 14 12 29 5 42 20 17 22 18 27 49 11 8 25 10 29 4 7 0 2 2 28 14 12 15 9 12 1 8 20 9 8 5 11 21 11 6 21 6 50 49 1 40 15 7 4 1 20 15 22 2 10 16 2 10 22 21 1 12 1 20 16 21 2 2 1 5 8 5 6 4 治験依頼者ほぼ治験依頼者ほぼ当院内スタッフ当院内スタッフ SMO 等の外部スタッフ無回答全体 (n=46) 治験責任医師 分担医師の履歴書治験の変更に関する報告書 (%) 治験分担医師 協力者リスト同意文書 説明文書臨床検査値基準値一覧治験に関する指示決定通知書治験薬管理表スクリーニング名簿治験実施計画書からの逸脱に関する報告書原資料との矛盾を説明した記録同意説明文書改定報告書治験実施状況報告書重篤な有害事象に関する報告書治験終了 ( 中止 中断 ) 報告書 通知書

Q21. 治験関連資材の作成者 治験依 ほぼ治 ほぼ当 当院内 SMO 等 作成して 無回答 頼者 験依頼 院内スタ スタッフ の外部 いない n 数 者 ッフ スタッフ ポケット版プロトコール 46 24 48 0 1 15 7 11 100.0 67.6 1.9 0.0 0. 4. 10.7.2 治験参加カード ( 被験者用 ) 46 157 10 22 18 24 10 12 100.0 45.4 29.8 6.4 5.2 6.9 2.9.5 症例ファイル 46 162 117 11 15 27 2 12 100.0 46.8.8.2 4. 7.8 0.6.5 ワークシート 46 10 115 19 21 7 21 100.0 7.6.2 5.5 6.1 9.5 2.0 6.1 負担軽減費支払いに関す 46 19 18 4 190 62 10 1 る伝票 100.0 5.5 5.2 9.8 54.9 17.9 2.9.8 特定療養費支払いに関す 46 17 11 40 204 41 15 18 る伝票 100.0 4.9.2 11.6 59.0 11.8 4. 5.2 検査 投薬スケジュール表 46 82 9 29 55 68 5 14 100.0 2.7 26.9 8.4 15.9 19.7 1.4 4.0 事前ヒアリング議事録 46 25 27 6 80 44 17 27 100.0 7.2 7.8 1.7 2.1 12.7 9.6 7.8 同意説明補助資料 46 108 11 20 16 40 5 14 100.0 1.2 2.7 5.8 4.6 11.6 10.1 4.0 併用禁止薬 同種同効薬リ 46 157 102 25 24 24 2 12 スト 100.0 45.4 29.5 7.2 6.9 6.9 0.6.5 被験者募集パンフ チラシ 46 146 94 12 10 16 52 16 100.0 42.2 27.2.5 2.9 4.6 15.0 4.6 被験者負担軽減費支払い 46 15 17 2 164 52 61 14 の手順 100.0 4. 4.9 6.6 47.4 15.0 17.6 4.0 外注検体回収の手順 46 71 65 26 85 51 5 1 100.0 20.5 18.8 7.5 24.6 14.7 10.1.8 薬剤払い出しの手順 46 49 28 160 27 5 14 100.0 14.2 9.5 8.1 46.2 7.8 10.1 4.0 経費請求の手順 46 12 1 2 175 40 56 27 100.0.5.8 6.6 50.6 11.6 16.2 7.8 - - 19

調査の結果 治験関連資材についても治験関係書類と同様に多くの資材が治験依頼者により作成され提供されていることが判った なお 治験依頼者が主に作成に関与しているもののうち その割合が 50% を越えるものは下記のとおり ポケット版プロトコール (81.5%) ( 製薬協 :58.6%,PhRMA:100%,EFPIA:89.7%) 治験参加カード ( 被験者用 )(75.2%) ( 製薬協 :97.6%,PhRMA:100%,EFPIA:81.5%) 症例ファイル (80.6%) ( 製薬協 :94.8%,PhRMA:100%,EFPIA:96.9%) ワークシート (70.8%) ( 製薬協 :94.8%,PhRMA:92.9%,EFPIA:91.4%) 検査 投薬スケジュール表 (50.6%) ( 製薬協 :9.0%,PhRMA:85.7%,EFPIA:70.1%) 同意説明補助資料 (6.9%) ( 製薬協 :82.1%,PhRMA:92.9%) 使用禁止薬 同種同効薬リスト (74.9%) ( 製薬協 :88.7%,PhRMA:100%,EFPIA:91.8%) 被験者募集パンフ チラシ (69.2%) ( 製薬協 :95.5%,PhRMA:85.7%) - - 20