3. 計画の位置付け (1) 国の施策との関係 ① 交通政策基本法の制定 平成 25 年 12 月4日に公布 施行された 交通政策基本法 では 国民等の交通に対する基 本的なニーズの充足 交通の機能の確保及び向上 交通による環境への負荷の低減 交通の 適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携 連携等

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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

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目次

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

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4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

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目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

4-(1)-ウ①

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が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

4 施策別計画 4 施策別計画 施策別計画の見方 施策の方向性を示しています 関連する施策と連携の内容を示して 取組の目標を示しています います なお 市民協働や人権 行政 施策の必要性を示しています の効率化などを内容とする まちづ 取組の現状と課題を示しています くりを進めるための基盤 である施

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本町は 過疎地域における人口減少や少子高齢化 核家族化の進展という構造的な課題を抱え 若年層の人口流出や世代間交流の機会が少ない現代社会現象が問題となっている また 本町は 県を代表する観光地であるが 観光入込客数は 瀬戸大橋が開通した昭和 63 年をピークに減少しており 平成 27 年には約 23


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Transcription:

第1章 計画の策定にあたって 1. 計画策定の趣旨 大田市では 平成 22 年国勢調査時点の高齢化率が 34.6 に達しており 市内 455 自治会のう ち いわゆる 小規模高齢化集落 は 18 にのぼる等 集落機能の低下が課題となっている 公共交通機関は 市域を東西に走る JR 山陰本線のほか路線バスが計 17 路線運行されているが 急速な少子高齢化 人口減少等により利用者の減少が続いており 路線の維持確保のために毎年多 額の補助金を交付している このような状況から今後の持続可能な地域公共交通体系の構築が喫緊 の課題となっている 一方 国においても 交通政策基本法 の制定 H25 年 12 月施行 や 地 域公共交通の活性化及び再生に関する法律 の一部改正 H26 年 11 月施行 地方創生 や 小 さな拠点 づくり の推進等により まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの確保に向 けた取組が進められている こうした流れを見越して 大田市では 既存の 地域公共交通会議 を包含する法定協議会を平 成 26 年 4 月に設置し 公共交通の確保 維持のための体制を強化してきたところである このよ うな状況を踏まえ 大田市生活交通確保対策実施計画 平成 19 年 3 月 策定以後 生活交通を 取り巻く環境も大きく変化したため 新たな計画として持続可能な地域公共交通ネットワークを作 り上げるための枠組みの構築に向けて 大田市地域公共交通網形成計画 を策定する 2. 計画の構成 本計画の構成は以下のとおりである 図表 1 計画の構成 地域の概況 位置 地勢 人口 施設の分布について整理 地域公共交通の現況 公共交通に対するニーズ 公共交通網 バスの路線別の特徴等について整理 住民アンケート調査 民生委員アンケート調査 高校 関係機関ヒアリング調査の分析結果 公共交通を取り巻く課題と対応方針 公共交通に関する課題と 調査結果や上位 関連計画 等を踏まえた対応方針を整理 計画の目標と具体的な事業内容 目標達成のために実施する事業と 目標に対する評価 指標のほか 計画の達成状況の評価に関する事項 実 施スケジュール等について記載 1

3. 計画の位置付け (1) 国の施策との関係 ① 交通政策基本法の制定 平成 25 年 12 月4日に公布 施行された 交通政策基本法 では 国民等の交通に対する基 本的なニーズの充足 交通の機能の確保及び向上 交通による環境への負荷の低減 交通の 適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携 連携等による施策の推進 交通の安全の確保 といった 交通に関する基本理念等が定められている 同法では 交通に関する施策について 国 地方公共団体 交通関連事業者 交通施設管理者及び国民等の責務等を明らかにすることを掲げ 国及び地方公共団体が講ずる交通に関する基本的な施策について記載されている ② 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部改正 本計画は 平成 26 年 11 月に施行された 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部 を改正する法律 に基づき策定する法定計画である 同法では 交通政策基本法の基本理念にのっ とり 持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生のための取組を推 進することを目的としている また 人口減少社会において地域の活力を維持 強化するためには コンパクトなまちづくりと 連携して 地域公共交通ネットワークを確保することが重要であるとの考えの下に 地方公共団体 を中心として 関係者の合意の下に持続可能な地域公共交通ネットワークの再構築を図ることが掲 げられている (2) 国の施策及び市の上位 関連計画との関係 本計画は 大田市総合計画や大田市都市計画マスタープラン等を上位 関連計画として それぞ れの計画に掲げられている事業との整合を図り策定するものである 図表 2 国の施策及び市の上位 関連計画との関係 地域公共交通活性化 再生法の一部改正 平成 26 年 11 月施行 まちづくり 観光振興等の 地域戦略との一体性の確保 地域全体を見渡した総合的 な公共交通網の形成 地域特性に応じた多様な 交通サービスの組合せ 住民の協力を含む 関係者の連携 大田市総合計画 H19.3 策定 自然 歴史 ひとが光り輝く だれもが住みよい 県央の中核都市 市の上位 関連計画 との整合 大田市都市計画マスタープラン H20.3 策定 大田市新観光計画 H21.6 策定 大田市過疎地域自立促進計画 H22.12 策定 大田市定住促進ビジョン H25.3 策定 大田市地域公共交通網形成計画 2 実施項目の調整 大田市生活交通確保対策実施計画 H19.3 策定

上位 関連計画における公共交通に関連する事業等は次表のとおりであり 以下 それぞれの計 画の概要について 公共交通に関する事項を中心に整理する 図表 3 市の上位 関連計画における公共交通に関連する事業等 計画の基本方針や公共交通に関する事業等 大田市総合計画 大田市都市計画マスタープラン 大田市の将来像 公共交通に関する施策 都市づくりの目標 自然 歴史 ひとが光り輝くだれもが住みよい県央の中核都市 暮らしを支える生活交通の確保 連携と交流によるだれもが住みよい都市づくり 大田市過疎地域自立促進計画 大田市定住推進ビジョン 大田市新観光計画 大田市生活交通確保対策実施計画 各地域の実情やニーズに即した生活交通の確保 公共交通空白地への対応 中心市街地へのアクセス確保 市民参画と協働によるまちづくりの推進 魅力ある観光情報の提供 ( 観光サイン整備事業等 ) 環境対応型車両の導入 観光地間を結ぶ 2 次交通の整備 外国人来訪者への対応 重複区間の運行形態の見直し 乗合バスの利用動向を踏まえた運行路線 回数の見直し 運行車両の見直しによる運行経費の削減 高齢者が利用しやすい車両の導入 予約乗合タクシーと乗合バスとの競合への対応等 1 大田市総合計画 H19.3 策定 市の将来像として 自然 歴史 ひとが光り輝くだれもが住みよい県央の中核都市 を掲げ その将来像を実現していくための 3 つの力として 魅力 活力 協力 を挙げている また この将来像を実現するための基本方針として だれもが住みよく 安心 やすらぎを感じる生活づくり 参画と協働によるまちづくり 等が示されている 公共交通に関する施策としては 大田市生活交通確保対策実施計画 に基づき 乗合バスの運行再編や 予約に応じて運行するデマンド型交通を導入する等 生活交通システムを再編し 市民生活の利便性を確保することが掲げられている 図表 4 大田市総合計画における公共交通関係施策の内容 施策 生活交通システムの再編 内容 重複路線バス運行の廃止に伴う地方バス路線の維持確保対策を図る 乗合タクシーやデマンド型公共交通等 地域の利用実態に即した生活交通手段の導入を図る 通学バスを一般市民が利用できるよう 路線バスとの一体的な運行システムの導入を図る 福祉タクシーなどの利用支援による高齢者等の生活交通を確保する 交通空白地域のモビリティ確保による自治会等地域による輸送活動を支援する 3

② 大田市都市計画マスタープラン H20.3 策定 都市づくりの目標として 連携と交流による だれもが住みよい都市づくり を掲げている また 将来都市構造における3つの方針として 地域の特色を生かした拠点の形成 一体的な 大田市総合計画 後期計画 まちづくりに向けた地域間連携の強化 計画的な土地利用と地域資源の保全 活用 が示されてい 自然 歴史 ひとが光輝く 誰もが住みよい 県央の中核都市 る 実現に向けた計画 図表 5 大田市都市計画マスタープランの概要と 計画における将来都市構造 大田市都市計画マスタープラン 連携と交流によるだれもが住みよい都市づくり 魅力 活力 一体感のある新しい都市づくり 安全 安心 快適で誰もが住みよい都市づくり 自然 歴史 文化を育み継承する都市づくり Ⅰ.拠点の方針 Ⅱ.連携の方針 Ⅲ.ゾーンの方針 地域の特色を活かした 拠点の形成 一体的なまちづくりに 向けた地域間連携の強化 計画的な土地利用と 地域資源の保全 活用 山陰道 国道9号 JR山陰本線 久手駅 大田市駅 大田佐田線 仁万駅 琴ヶ浜 海水浴場 大田桜江線 三瓶山公園線 石見銀山遺跡 大森銀山 櫛島 海水浴場 重要伝統的建造物群保存地区 温泉津駅 温泉津町 三瓶山 大山隠岐国立公園 国道375号 重要伝統的建造物群保存地区 仁摩瑞穂線 温泉津川本線 4 中心拠点 生活拠点 住商近接型 広域連携軸 都市間連携軸 生活拠点 自然共生型 観光交流軸 観光交流拠点

3 大田市新観光計画 ~ 滞在型観光をめざして ~ H21.6 策定 石見銀山とともに観光の両輪となるべき国立公園三瓶山の再生を主眼に置き 石見銀山観光の具体的対策 三瓶山観光再生の具体的対策 豊富な地域資源の有効活用 おもてなしの観点からの観光振興 といった観点から 現状 課題と求められる対応策が示されている 公共交通に関する事項は 次表のように整理されている 図表 6 大田観光エリアのテーマ 図表 7 大田市新観光計画における公共交通に関する現状 課題と求められる対応策 区分現状 課題求められる対応策 石見銀山観光の具体的対策 三瓶山観光の具体的対策 豊富な地域資源の有効活用 歩く観光 と 龍源寺間歩行きバス への対応 石見銀山方式パーク & ライドへの対応 温泉津 仁摩地区の世界遺産エリアにおける駐車場不足 三瓶エリア内連携の不足 仁摩サンドミュージアムの活用 温泉津地区の活用 新たな移動手段の検討 観光ピーク時の渋滞解消等 温泉津地区 仁摩地区と石見銀山と連結する 2 次交通 歩き廻り を基本コンセプトとする場合の周遊シャトルバス 環境に配慮した輸送手段の導入等による石見銀山との連携 世界遺産ゾーンおよび市内観光施設との連携による周遊型観光 5

④ 大田市過疎地域自立促進計画 H22.12 策定 大田市総合計画における将来像 自然 歴史 ひとが光り輝く だれもが住みよい 県央の中核 都市 と 3 つの力 魅力 活力 協力 を踏まえ 魅力あるまちづくり 活力あるまちづくり 協力によるまちづくり を基本的な目標としている なお 公共交通については 3 交通通信体系の整備 情報化及び地域間交流の促進 において 以下のように整理されている 図表 8 大田市過疎地域自立促進計画における公共交通の現状 課題 鉄道 少子高齢化 他の代替輸送機関との競合による利用者の減少等により 運行水準や路線の維 持が危惧される状況 出雲市を境に運行本数が削減されており 利用者に不便な状況 平成 13 年度より山陰本線の高速化が進み 移動時間の短縮と交流促進が図られている バス 利用者減少に伴う市の財政負担の増大 通院 通学等生活を支える地域交通の維持 確保が課題 各地域の実情や住民ニーズに即した生活交通手段 周辺地域から中心市街地へのアクセスの 確保が必要 旧市町で実施してきた生活交通サービスの平準化と バス停までの遠距離者対応が急務 ⑤ 大田市定住促進ビジョン H25.3 策定 大田市では 平成 18 年度を 定住元年 に位置づけ また 平成 24 年度に 第二次定住促進 ビジョン を策定し 様々な定住対策に取り組んでいる 計画では 定住対策の指針として4つの柱を定め 5 つの基本方針に基づく 107 の事業に取り組 大田市総合計画 後期計画 むこととしており 5 カ年で 1,000 人のUIターン者の確保を目標に定めている 自然 歴史 ひとが光輝く 誰もが住みよい 県央の中核都市 図表 9 大田市定住推進ビジョンにおける施策の体系図 移住 二地域居住 Uターン など多様なスタイルの定住促進 大田市定住対策の指針 4本の柱 就業支援対策 子育て支援対策 空き家活用等 促進対策 ふるさと愛 育む対策 産業振興 子育て支援 住宅対策 人づくり 魅力ある まちづくり 新産業の創出 高付加価値産業 の創出 安心して産み育 てることのでき る環境づくり 若者 家族世帯 UIターン者の快 適な住居環境づ くり 地域を想い 地 域に根差した人 づくり 住んでよかった と思える魅力あ るまちづくり ⑥ 大田市生活交通確保対策実施計画 H19.3 策定 乗合バスの運行再編 スクールバス及び福祉移送サービス体系の見直しといった生活交通対策の あり方とその推進方策について検討を行い 効率的かつ効果的な生活交通対策の推進により 住民 生活の利便性の確保 福祉の維持 向上に資することを目的として策定された 計画では 乗合バス スクールバス及び予約乗合タクシーについて 生活交通確保のための具体 的な方策が示されている 6

図表 10 大田市生活交通確保対策実施計画における運行路線別の方針 区分課題求められる対応策 乗合バス スクールバス 乗合タクシー 重複区間の運行形態の見直し 乗合バスの利用動向を踏まえた運行路線 回数の見直し 運行車両の見直しによる運行経費の削減 高齢者が利用しやすい車両の導入 高校統合への対応 乗合バス利用不便地区への対応 スクールバス運行上の留意点 継続的な運営への対応 大田市立病院通院者の帰宅時間の調整 適正な運賃の設定 予約乗合タクシーと乗合バスとの競合への対応 一部 複数の乗合バスが重複して運行している区間があり 効率的な運行形態の検討 各路線の利用動向 事業収支等を踏まえて 運行路線 運行回数の見直し 現行の中大型車両主体から 利用状況に応じて小型バス車両等に切り替え 経費の低減 高齢化に応じて バス事業者と連携してバリアフリー車両の導入を計画的に推進 島根中央高校の生徒の動向を踏まえた増便の検討 乗合バス利用不便地区が広範囲にわたり存在するため 当該地区高齢者等の交通手段を確保 乗合バス路線と重複している路線の一元化と その際のスクールバスの有償一般混乗の導入を検討 地区社協の事務事業に関わる人件費を担保する仕組み 市立病院における予約診療の徹底実施によって帰宅時間の調整を可能にする 1 便あたりの運賃の適正化 乗合タクシーと乗合バスの競合を避ける方法の検討 7

4. 策定主体 本計画は 関係部局及び国や県と連携 調整を図りながら 大田市地域公共交通協議会ならびに大田市地域公共交通協議会幹事会における協議結果を踏まえ 大田市が主体となり策定するものである 5. 計画の区域 計画の区域は 大田市全域とする 6. 計画の期間 計画の期間は 平成 27 年度から平成 31 年度までの 5 年間とする 8