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られる平均的な白人健常成人男性 ( 体重 =70kg 体表面積 =1.73/m 2 CLcr=120mL/min) を用いて CL tot (ml/min) と V d (L) を 基本パラメータ として算出しました 5. 基本パラメータ の中で CL tot (ml/min) と V d (L) は血漿ではなく全血液中薬物濃度から算出したパラメータです 6. B/P Ratio が報告されている薬物は 文献に記載されていた血漿中薬物濃度から算出した CL tot (ml/min/kg) と V d (L/kg) をそれぞれ B/P Ratio で除して全血液中濃度から算出したパラメータに換算した後 (CL tot =CL tot /BP ratio V d '=V d /BP ratio) 基本パラメータ を算出しました 7. 基本パラメータ の血漿遊離形分率 (fub ) は文献値の Bound in plasma(%)/100 を 1 から引いて求めました fub =1- (Bound in plasma %/100) 8. 二次パラメータ の CL R は CL tot (ml/min) A e (%)/100 で求めました CL H は便宜的に腎外クリアランス (CL NR ) と仮定しました CL R =CL tot A e (%)/100 CL H =CL tot - CL R 9. 二次パラメータ の臓器抽出比 (E X ) は臓器 CL X / Q X で求めました E H = CL H / Q H E R = CL R / Q R Q H は平均的な白人健常成人の値として肝血漿流速 =800mL/min Q R は腎血漿流速 =600mL/min を用いました ( ヘマトクリット値を便宜的に 0.5 と仮定 ) 血液 CL H と CL R ( 血液パラメータか B/P Ratio が報告されている場合 ) は Q H =1600mL/min Q R =1200mL/min を用いて E H と E R を算出しました E H = CL H / Q H E R = CL R / Q R 10. 肝代謝型薬物 (A e (%) 30 と仮定 ) で経口投与後の F 値 (F=Foral) があるもの については (1-F) を 二次パラメータ として算出し E H の値と比較しました 1-F<E H の場合は E H の過大評価を避けるため 1-F の値を E H として採用しました [1-F を算出した薬物 ] * 消失臓器 (Elimination Organ) が 肝 H * 血漿 ( 血清 ) 中薬物濃度を用いてパラメータ値が算出されている *B/P Ratio がない *E H >0.3 * 経口投与後の F がある ( 経口投与以外の F 値は 1-F の算出に用いていない ) 11. A e (%)( 文献値 ) 算出した臓器抽出比( 二次パラメータのグレー部分 ) V d ( 基本パラメータ ) fub( 基本パラメータ ) を基に 表 I の1~4についてそれぞれ示した Range を基準として各薬物の Code( コード ) 分けにより体内 2

動態の特徴付けを行い その値を基に Number により分類しました ( 表 IIA と IIB) この分類は各薬物の体内動態の大まかな特徴づけを目的としていますので 例えば A e について考えてみますと 30% 以下であれば主として肝代謝 70% 以上であれば主として腎排泄により消失する薬物であると便宜的にとらえているため 絶対的な分類ではありません 傾向を示すと考えて下さい 薬物の動態パラメータと PK シート [A] に記載されている各薬物は以下の 1~4の 4 桁の table 番号で PK の特徴づけがなされています ( 表 IIA と IIB) 1A e ( 消失臓器 Elimination Organ: 特徴づけ番号 1 桁目 ) 2CL( 臓器抽出比 Ex: 特徴づけ番号 2 桁目 ) クリアランスの特徴づけの流れは表 III(A B) に示しました 3V d ( 特徴づけ番号 3 桁目 ) 4 血漿遊離形分率 (fub: 特徴づけ番号 4 桁目 ) 表 I 体内動態パラメータの特徴づけ Parameter Range Code Number Ae(%) 30 H : 肝代謝型 1 1Ae(%) Ae(%) = 30-70 RH : 腎 肝混合型 - Ae(%) 70 R : 腎排泄型 2 Ex 0.3 C :Capacity limited 消失能依存型 1 2CL Ex= 0.3-0.7 M :Moderate 中間型 2 Ex 0.7 F :Flow limited 血流速度依存型 3 Vd 20 L S :Small 小 1 3V d Vd= 20-50 L M :Medium 中 2 Vd 50 L L :Large 大 3 4fuB fub 0.2 S :Sensitive 血漿たん白結合依存型 1 fub= 0.2-1.0 In :Insensitive 血漿たん白結合非依存型 2 例 : Table 番号が 1121 に分類される薬物の場合 1121 の1 桁目 :1;Ae(%) 30 H 肝代謝型薬物 1121 の2 桁目 :1;E H 0.3 C 消失能依存型 1121 の3 桁目 :2;V d =20-50L 中間型 1121 の4 桁目 :1;fuB 0.2 血漿たん白結合依存型 12. 肝代謝型薬物 (Ae(%) 30) と腎排泄型薬物 (Ae(%) 70) の特徴づけのスキームを それぞれ表 II(A B) と表 III(A B) にまとめました 腎 肝混合型 3

薬物については複雑になり また 肝疾患のみ 腎疾患のみでは PK の変化が小さいという点からも特徴づけの対象としませんでした 13. それぞれの table 1111~2332(B) にはそれぞれの薬物について各 PK パラメータの変動因子と病態の変化 (CL intx Q X fub の増減 ) に伴って予測される各体内動態パラメータ (V d, C p0, CL tot, AUC iv, C pss(iv), CLpo, AUC po, C pssave(po), k el, t 1/2 ) の変化について矢印で示しました この表の最下段には総濃度測定により TDM を行う場合に fub の変化に伴い治療域が変わる場合について示しました 例えば 1331 の薬物を fub が上昇している患者 ( 病態の変化や薬物相互作用などにより ) に IV あるいは PO 投与した場合 定常状態における総濃度は遊離形濃度を反映していないので治療域を下げる必要があります これらの結果を用いて 血中総濃度 遊離形濃度の時間推移について投与ルート ( 経口 静脈内 ) 別に単回投与と繰り返し投与を想定して 図示しました (C) なお V d CL が中間型に分類される場合について 以下に考え方の例を示します * 例 1:V d が中間型である table-1121( 肝代謝 消失能依存 血漿たん白結合依存型 ) の薬物で fub が上昇した場合 V d = V P + (fub/fut) V T V df = (V P /fub) + (V T /fut) と表現できますので fub の上昇により V d はわずかに上昇 V df はわずかに低下し その結果 k el は下式からわずかに上昇 半減期はわずかに低下する方向に動きます 総濃度 :k el = CL tot (= fub CL inth ) は上昇 / V d はわずかに上昇遊離形濃度 :k el = CL inth は不変 / V df はわずかに低下 * 例 2:CL が中間型である table-1211( 肝代謝 分布容積が小さく血漿たん白結合依存型 ) の薬物で fub が上昇した場合 CL H = Q H fub CL inth / (Q H + fub CL inth ) CL Hf = Q H CL inth / (Q H + fub CL inth ) と表現できますので fub の上昇により CL H はほとんど変化しませんが ( 分母 分子ともに上昇する ) CL Hf はわずかに低下し その結果遊離形の AUC iv や C pss(iv) はわずかに上昇する方向に動きます この場合 k el や半減期はほとんど変化しません 総濃度 :k el = CL tot はほとんど不変 / V P は不変遊離形濃度 :k el = CL Hf はわずかに低下 /(V P /fub) は低下このように病態の変化により各 PK パラメータが変化したとしても その変化の程度が小さいと予想される場合は矢印に ( 括弧 ) を付けて示しました 4

14. [D] の表には特徴づけ後 同一 table 番号に入る ( 体内動態の特徴が類似している ) 薬物をまとめました 同一番号である薬物の各 PK パラメータの変動因子は共通することから 病態による変化も類似してくると考えられます 15. 今回 PK の 特徴づけ に用いた CL と V d の信頼性の程度 (** *) について下記の表に示しました CL 消失臓器記号信頼性 H ** E H '( 血液パラメータ ) で評価極めて高い E H 0.3 * 高い E H か 1-F の小さいほうの値で評価 ( なし ) 中 E H のみで評価 R Vd - ** E R ' ( 血液パラメータ ) で評価極めて高い E R 0.3 ( なし ) 中 E R のみで評価 ** 極めて高い Vd'( 血液パラメータ ) を用いて評価 ( なし ) 中 Vd を用いて評価 16. 次に薬物の動態特性を病態時の薬物治療へ応用する場合の例として 経口抗不整脈薬である Propafenone をアルコ-ル性肝硬変患者に使用するときの投与量 投与間隔の目安となる体内動態の変化について考察してみます Propafenone は光学異性体のラセミ体として投与されますが Na チャネル拮抗薬としての効果は両異性体ともにほぼ等しいとされているため 以下ラセミ体の動きを考えていきます また Propafenone の代謝能は CYP2D6 の遺伝子多型により EM(Extensive Metabolizer) と PM(Poor Metabolizer) で大きく異なりますが 以下の解析は EM 患者について考察しました 通常 病態時には table 1111 ~2332(B) に予想したような CL intx Q X fub が単独で変化するのではなく 同時に並行して変化することが多いようです アルコ-ル性肝硬変患者の場合でも 1. Q H と CL inth の低下 2. アルブミンなどの血漿薬物結合たん白の合成低下による fub の上昇 3. 門脈大静脈シャント形成による初回通過効果の回避と F の上昇などが同時に引き起こされる可能性があります そこでまず アルコール性肝硬変患者における Propafenone の PK の変化を 5

予測するために Propafenone について PK の特徴づけを行いました *Ae(%) = 1.0 (Hepatically eliminated drug) *CL tot = 17 ml/min/kg 70kg / 0.705 (=B/P 比 ) = 1688 ml/min *CL H = 1688 x 0.99 = 1671 ml/min *E H = 1671/1600 = 1.04 (Flow-limited drug) *V d = 3.6 L/kg 70 kg / 0.705(=B/P 比 ) = 357 L (Large) *fub = 0.1 (binding sensitive drug) *t 1/2 = 2.4 h(1 日 3 回経口投与が標準的投与法ですので 連続投与してもほとんど蓄積されないと考えられます 蓄積係数 =1.1) 以上により Propafenone は 1331 に分類されます 同様の体内動態の特徴をもつ循環器系薬物には Propranolol Verapamil Nitrendipine Hydralazine などがあり ( 表 D) これらの薬物についても肝硬変患者で Propafenone と同様の体内動態の変化が認められる可能性があります 次に それぞれのパラメータの主変動要因を明確にしました ([B] の table 1331 参照 ) *CL tot Q H ( 肝硬変患者では低下する可能性 ) *iv 投与後の効果に影響する C pssf や AUC f を決定する CL totf Q H / fub ( 肝硬変患者では Q H fub ともに CL totf を低下する方向に動く ) *CL po fub CL inth /F a ( 肝硬変患者では fub と CL inth の影響が逆方向に働くため CL po はそれぞれの影響の程度により増減する可能性 ) * 経口投与後の効果に影響する C pssavef(po) や AUC pof を決定する CL pof CL inth /F a ( 肝硬変患者では低下する可能性 ) *V d (fub /fut) V T ( 肝硬変患者では上昇する可能性 ) * 負荷投与後の Cpmaxf を決定する V df V T / fut( 肝硬変患者では大きな影響は認められない可能性 ) *t 1/2 0.693 fub V T / (fut Q H )( 肝硬変患者では fub Q H ともに t 1/2 を上昇させる可能性 ) そこで次にこれらの予測の妥当性について Lee らの報告値 (Influence of hepatic dysfunction on the pharmacokinetics of propafenone, J Clin Pharmacol, 1987; 27: 384-389) との比較を試みました ( 下記の表参照 ) 6

CL tot t 1/2 F fub Albumin (ml/min/kg) (h) (g/dl) 健康成人 (n=4) 12.3±1.3 3.1±0.7 0.21±0.26 0.040±0.005 4.2±0.3 肝硬変患者 (n=8) 9.4± 3.4 7.7± 3.2 0.75±0.43 0.085±0.028 3.6±0.5 肝硬変患者では健康成人に比較して CL tot から判断すると Q H が約 24% 減少していると予想され Albumin 等の血漿薬物結合たん白の減少によりfuBが 2.1 倍 t 1/2 が 2.5 倍 また F が 3.6 倍の上昇を示していました この文献には PK パラメータが平均値のみでなく 被験者ごとの値が報告されていましたので まず以下の式を用いて実際のパラメータ値を算出し ( 実測値 ) 健康成人 vs 肝硬変患者について比較した結果を示します 1. CL totf = CL tot /fub (25.1 ± 6.2 vs 10.4 ± 6.3 L/min; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =0.41) 2. CL po = CL tot / F (11.9 ± 9.4 vs 2.1 ± 2.8 L/min; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =0.18) 3. CL pof = CL po /fub (317 ± 283 vs 35.5 ± 63.8 L/min; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =0.11) 4. V d = (CL tot t 1/2 ) / 0.693 (1-compartment model を仮定 ) (251 ± 46 vs 464 ± 115 L; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =1.8) 5. V df = V d /fub (6367 ± 838 vs 5908 ± 1801 L; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =0.93) 6. AUC(iv) = Dose(iv) / CL tot (82.1 ± 7.9 vs 118.8 ± 47.3 μg min/ml; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =1.4) 7. AUCf(iv) = AUC(iv) fub (3.2 ± 0.5 vs 9.9 ± 4.2 μg min/ml; 肝硬変患者 / 健康 成人の比 =3.1) 8. AUC(po) = Dose(po) / CL po (34.4 ± 43.9 vs 177.8 ± 130.2 μg min/ml; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =5.2) 9. AUCf(po) = AUC(po) fub (1.38 ± 1.76 vs 15.3 ± 10.5 μg min/ml; 肝硬変患者 / 健康成人の比 =11.1) そこで次に以下のパラメータについて PK の特徴づけによる変動要因を用いて ([B]table-1331) 肝硬変患者での平均的な動きの予測性について検討しました 1. CL totf Q H / fub は約 36%(0.76 / 2.1 = 0.36) へ減少 ( 実測値 =41%) 2. CL po = CL tot /F(0.76 / 3.6 = 0.21) は約 21% へ減少 ( 実測値 =18%) 3. CL pof CL inth /F a (CL po / fub= 0.21 / 2.1 = 0.1) は約 10% へ減少 ( 実測値 =11%) 7

したがって経口投与後の効果に影響する C pssavef(po) や AUC pof は健康成人の約 10 倍に上昇することが予想されます つまり 肝硬変患者では経口投与後健常人と同様に定常状態における平均遊離形血中濃度を保つためには投与量を 1/10 へ減少する必要があると考えられます 4. V d (fub/fut) V T は fub の上昇により 2.1 倍へ上昇 ( 実測値 =1.8 倍 ) 5. V df V T / fut は影響されない ( 実測値 =0.93) 6. t 1/2 0.693 fub V T / (fut Q H ) は 2.8 倍へ上昇 (2.1/0.76 = 2.8) が予想 されるので ( 実測値 =2.5 倍 ) 肝硬変患者では1 日 3 回の連続投与をした場合は蓄積 ( 蓄積係数 =1.75) が起こると考えられます CL tot のみから判断すると Propaphenone は肝硬変患者でも iv 投与後の定常状態における血中総濃度は健康成人と比較して 1.3 倍程度へ上昇するに過ぎませんが 経口投与後の定常状態における平均総濃度は約 5 倍 さらに効果 副作用に影響すると考えられる平均遊離形濃度は約 10 倍にも上昇し また 半減期も長くなるので 血中濃度を治療域に保つためには投与量の減少と投与間隔の延長が肝硬変患者では必要になると考えられます 以上のように薬物の PK の特徴づけと病態時における文献情報を組み合わせることにより 病態時における遊離形濃度の動きを比較的定量的に予測できる可能性があります PK 特性を活かした投与設計のための手順をまとめますと以下のようになります 1. 個々の薬物の PK パラメータの特徴づけを行う 2. 各 PK パラメータの変動要因を明確にする (table 1111~2332) 3. 病態時における各変動要因の変化について文献を検索する 4. 薬理効果 副作用に影響する遊離形濃度の動きを予測する 5. 遊離形濃度 - 効果 副作用の関係を調べる PK-PD 関係の考慮は投与設計に重要となりますが 現実的には遊離形濃度の測定はほとんどなされておらず 効果 副作用についても適切なマーカが確立していない場合が多いので 5 に関しては今後の課題と言えます しかし 1~4 に関しては現在多くの情報が利用可能になってきていますので 臨床の現場でも常に遊離形濃度の動きを予想しながら投与設計をすることが重要であると考えます とくに TDM 対象薬物に関しては総濃度のみを測定する場合がほとんどですので 総濃度と遊離形濃度の動きにギャップが生じる場合 ( 例えば 腎不全時のフェニトインやバルプロ酸などの血中濃度 ) は TDM 時の治療域が病態により変化するので 特にその解釈に注意することが治療計画を立案するうえで非常に重要となってきます 8