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しまなこやぎ
5 years ago
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1 大垣市耐震改修促進計画平成 28 年 4 月平成 28 年 11 月改正

2 目次はじめに 1 第 1 想定される地震の規模想定される被害状況 1 想定される地震の規模 1 2 人的被害の想定 1 3 建物被害の想定 2 第 2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 3 (1) 用語の定義 (2) 住宅の耐震化の現状 (3) 特定建築物の耐震化の現状 2 建築物の耐震化の目標 7 3 公共施設の耐震化の現状目標 10 (1) 公共施設等における耐震化第 3 建築物の耐震化の促進に係る基本的な方針 1 耐震化の課題 11 2 役割分担の考え方建築物所有者の努力義務 11 (1) 市民事業者 ( 建築物所有者 ) の役割 (2) 市県の役割 3 実施する事業の方針 12 (1) 事業の考え方 (2) 実施する事業 4 重点的に耐震化を図る地域建築物等の考え方 12 (1) 重点的に耐震化を図る地域 (2) 重点的に耐震化を図る建築物 (3) 地震発生時に通行を確保すべき道路 5 命を守るための多様な取組の推進 13 第 4 建築物の耐震化を促進する施策 1 安心して耐震化が行える環境整備 14 (1) 大垣市木造住宅等耐震化支援事業 (2) 自治会等との連携 2 耐震化に関する啓発及び知識の普及 15 (1) 相談体制の整備 (2) 情報提供の充実 3 地震時の建築物の総合的な安全対策 16 (1) 地震時の建築物の総合的な安全対策 (2) 地震に伴うがけ崩れ等による建築物の被害の軽減対策第 5 指導勧告又は命令等に関する事項 1 建築物の耐震改修の促進に関する法律による指導等 18 2 建築基準法による勧告又は命令 20 3 他の所管行政庁との連携 21 第 6 建築物の耐震化の推進に関する事項 1 計画の推進体制 21 第 7 住宅耐震化緊急促進アクションプログラム 21

3 はじめに平成 28 年 3 月に国の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針が改正され引き続き建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図る必要があることから国の基本方針及び岐阜県耐震改修促進計画に基づき平成 32 年度までの 5 年間を計画期間とする ( 大垣市耐震改修促進計画 ) を策定するものですなお大垣市における地震防災対策については大垣市地域防災計画に基づきその対策を進めており地震災害予防の減災対策の一環として大垣市耐震改修促進計画に基づき耐震化を促進することとしています第 1 想定される地震の規模想定される被害状況 1 想定される地震の規模岐阜県は全国的にみても活断層の分布密度がかなり高く大小あわせて約 100 本もの活断層が存在し有史以来地震による被害を多く受けてきました特に1891 年に発生した濃尾地震は日本の内陸部で発生した最大級の地震 ( マクニチュート 8.0) であり県内だけでも5,000 人近い死者を出すという甚大な被害を受けましたそして今南海トラフ巨大地震の発生の危険性が高まっています県内において特に大きな被害をもたらすと見られる地震として南海トラフ巨大地震及び主要な4 つの活断層による内陸直下型地震 ( 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震跡津川断層地震高山大原断層帯地震阿寺断層系地震 ) を想定しています南海トラフ巨大地震については県内全域が震度 5 強以上の揺れに見舞われ県南部を中心に震度 6 強の揺れになり市内においても震度 6 強の揺れが予想され液状化が発生すると予測していますまた 4つの内陸直下型地震のうち養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震において震度 7 程度の揺れを予想し大きな被害が発生すると予測しています表 1-1 想定される地震の規模と震度想定地震 \ 地震の規模最大震度 PL 値 ( 液状化指数 ) 1 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 6.85( 震度 7 ) 南海トラフ巨大地震 6.11( 震度 6 強 ) 跡津川断層地震 5.24( 震度 5 強 ) 高山大原断層帯地震 5.12( 震度 5 強 ) 阿寺断層系地震 5.11( 震度 5 強 ) は平成 25 年 3 月大垣市防災アセスメント調査 3 4 5は平成 23 年度 ~ 平成 24 年度岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査による 2 PL 値 ( 液状化指数 ) PL 値 >15: 液状化の可能性が高い 5<PL 値 15: 液状化の可能性がある 2 人的被害の想定想定地震における被害想定は表 1-2のとおりです地震発生時間を冬の午前 5 時 ( 多くが自宅で就寝中に被災するため家屋倒壊による死者が発生する可能性が高い ) と冬の午後 6 時 ( 住宅等で火気器具が最も多い時間帯で出火件数が最も多くなる ) 及び夏の正午 ( オフィスや繁華街等 - 1 -

4 に多数の滞留者があり自宅以外で被災する場合が多い ) を想定していますがここでは最も人的被害の大きい冬の午前 5 時を記載します表 1-2 想定される人的被害 ( 単位 : 人 ) 想定地震死者数重傷者数負傷者数要救出者数避難者数 1 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 1,333 2,321 6,452 5,805 63,595 2 南海トラフ巨大地震 ,275 1,237 24,226 3 跡津川断層地震 ,742 4 高山大原断層帯地震 ,120 5 阿寺断層系地震 , は平成 25 年 3 月大垣市防災アセスメント調査 3 4 5は平成 23 年度 ~ 平成 24 年度岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査による 2 要救出者数 : 倒壊した建物内に閉じ込められる人数 3 建物被害の想定想定地震における建物被害は表 1-3のとおりです焼失棟数については最も建物被害の大きい冬の午後 6 時 ( 住宅等で火器使用が最も多い時間帯で出火件数が最も多くなる ) を記載します (1) 建物被害養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震の場合 2 万 4 千棟を超える建物が全壊し 1 万 6 千棟を超える建物が半壊すると予測されています南海トラフ巨大地震においても 5 千棟を超える建物の全壊し 1 万 3 千棟を超える建物の半壊が予測されていますまた他の断層系地震 ( 跡津川断層地震高山大原断層帯地震阿寺断層系地震 ) においても建物の倒壊が予測されています (2) 地震火災地震による火災によって焼失する建物は養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震において約 500 棟が予測されています表 1-3 想定される建物被害 ( 単位 : 棟 ) 建物被害建物被害 ( 棟数 ) 焼失棟数想定地震全壊半壊 1 養老 - 桑名 - 四日市断層帯地震 24,042 16, 南海トラフ巨大地震 5,071 13, 跡津川断層地震 673 1, 高山大原断層帯地震 551 1, 阿寺断層系地震は平成 25 年 3 月大垣市防災アセスメント調査 3 4 5は平成 23 年度 ~ 平成 24 年度岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査による - 2 -

5 第 2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 (1) 用語の定義本計画において使用する用語については以下のように整理します 1 新基準建築物建築基準法の耐震基準に関する改正がされ新耐震設計法が導入された昭和 56 年 6 月 1 日以降に着工された建築物をいう 2 旧基準建築物昭和 56 年 5 月 31 日以前に着工された建築物をいう 3 建築物の耐震化建築物の地震に対する安全性を確保すること 4 耐震化されている建築物新基準建築物旧基準建築物のうち耐震診断結果により耐震性を満たす建築物又は耐震改修した建築物をいう 5 耐震性を満たしている建築物耐震診断結果により耐震性を満たす建築物 6 耐震化率耐震化されている建築物の建築物の全数に対する割合をいう 7 耐震性が不十分な不十分な建築物旧基準建築物のうち耐震診断の結果耐震性が不十分でありかつ耐震改修が行われていないものをいう (2) 住宅の耐震化の現状市内の建築年代別住宅数は 5 年ごとに行われている住宅土地統計調査 ( 総務省統計局 ) によると表 2-1のとおりです表 2-1 建築年代別住宅数 ( 単位 : 戸 ) 年代別住宅数平成 10 年調査平成 15 年調査平成 20 年調査平成 25 年調査平成 27 年推計建築年戸数割合 (%) 戸数割合 (%) 戸数割合 (%) 戸数割合 (%) 戸数割合 (%) 旧基準昭和 35 年以前 6, , , ,000 6 昭和 36 年 ~45 年 7, , , , , 昭和 46 年 ~55 年 14, , , , , 計 28, , , , , 昭和 56 年 ~60 年 5, ,710 9 昭和 61 年 ~ 平成 2 年 6, , , , , 平成 3 年 ~7 年 7, , , , , 新基準平成 8 年 ~12 年 4, , , , ,830 8 平成 13 年 ~19 年 - - 3,080 6 平成 13 年 ~17 年 6, , , 平成 18 年 ~20 年 9 月 2,740 5 平成 20 年 10 月以降 9, , 不詳 , , , ,860 6 計 24, , , , , 合計 52, , , , ,

6 平成 27 年推計値により新基準建築物の住宅については約 4 万 5 千戸 ( 約 72%) 旧基準建築物の住宅のうち耐震改修を行った住宅は約 670 戸 ( 約 1%) 耐震診断結果により耐震性を満たす住宅については約 4 千戸 ( 約 7%) であることから市内の住宅総数約 6 万 1 千戸のうち約 4 万 9 千戸 ( 約 80%) が耐震化されている住宅と推計できます ( 図 2-1) 図 2-1 住宅の耐震化の現状 ( 平成 27 年推計 ) 新基準建築物 ( 住宅 ) 45 千戸 (72%) 耐震化されている建築物 ( 住宅 ) 49 千戸 (80%) 住宅総数 61 千戸耐震性を満たす住宅 ( 診断結果 )4 千戸 (7%) 旧基準建築物 ( 住宅 ) 17 千戸 (28%) 改修済 670 戸 (1%) 耐震性が不十分な建築物 ( 住宅 ) 12 千戸 (20%) (3) 特定建築物の耐震化の現状一定の用途及び規模要件に該当する建築物を特定建築物と定めその用途規模の要件は表 2-2のとおりですそのうち学校体育館病院劇場観覧場展示場百貨店事務所老人ホームその他多数の者が利用する建築物を 1 号特定建築物同条第 2 号に定める火薬類石油類その他政令で定める危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を 2 号特定建築物多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがある建築物を 3 号特定建築物としそれぞれの耐震化の現状は建物所有者に対して実施したアンケート等の実態調査によると表 2-3のとおりです - 4 -

7 表 2-2 特定建築物一覧号 NO 用途特定建築物の規模要件 1 学校小学校中学校中等教育学校の前期課程盲学校聾学校若しくは養護学校上記以外の学校階数 2 以上かつ 1,000 m2以上階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 2 体育館 ( 一般公共の用に供されるもの ) 階数 1 以上かつ1,000m2以上 3 ボーリング場スケート場水泳場その他これらに類する運動施設階数 3 以上かつ1,000m2以上 4 病院診療所階数 3 以上かつ1,000m2以上 5 劇場観覧場映画館演芸場階数 3 以上かつ1,000m2以上 6 集会場公会堂階数 3 以上かつ1,000m2以上 7 展示場階数 3 以上かつ1,000m2以上 8 卸売市場階数 3 以上かつ1,000m2以上 9 百貨店マーケットその他の物品販売業を営む店舗階数 3 以上かつ1,000m2以上 10 ホテル旅館階数 3 以上かつ1,000m2以上 1 号 11 賃貸住宅 ( 共同住宅に限る ) 寄宿舎下宿階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 12 事務所階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 13 老人ホーム老人短期入所施設身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの 14 老人福祉センター児童厚生施設身体障害者福祉センターその他これらに類するもの階数 2 以上かつ 1,000 m2以上階数 2 以上かつ 1,000 m2以上 15 幼稚園保育所階数 2 以上かつ500m2以上 16 博物館美術館図書館階数 3 以上かつ1,000m2以上 17 遊技場階数 3 以上かつ1,000m2以上 18 公衆浴場階数 3 以上かつ1,000m2以上 19 飲食店キャバレー料理店ナイトクラブダンスホールその他これらに類するもの 20 理髪店質屋貸衣装屋銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗階数 3 以上かつ 1,000 m2以上階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 21 工場 ( 危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く ) 階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 22 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合の用に供するもの階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 23 自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設階数 3 以上かつ1,000m2以上 24 郵便局保健所税務署その他これらに類する公益上必要な建築物階数 3 以上かつ1,000m2以上 2 号ー危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令第 7 条で定める数量以上の危険物を貯蔵処理する全ての建築物 3 号ー地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがありその敷地が岐阜県地域防災計画に位置付けられた緊急輸送道路に接する建築物全ての建築物 - 5 -

8 上記の特定建築物の市内の現状は市が平成 23 年度に行った特定建築物の実態調査によると表 2-3 のとおりです表 2-3 特定建築物の耐震化の現状 ( 単位 : 棟 ) 特定建築物の種類耐震化の現状全棟数 A=B+C 新基準建築物 B 旧基準建築物 C 耐震改修実施済み D 耐震性を満たす E 耐震化されている建築物 F=B+D+E 耐震化率 G=F/A 1 号多数の者が利用する建築物 ( 庁舎病院警察学校社会福祉施設劇場集会場店舗ホテル賃貸住宅事務所工場等 ) % 2 号危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物 % 3 号地震によって倒壊した場合において道路の通行を妨げ多数の者の円滑な避難を困難とする建築物 % 注 )A~D は実数値 E は推計値 1 号特定建築物については新基準建築物が386 棟 (53%) 旧基準建築物 344 棟のうち耐震改修実施済みのものが 77 棟 (11%) 耐震診断結果から耐震性を満たすものが73 棟 (10%) であることから耐震化されている建築物は 536 棟となり市内の1 号特定建築物総数 730 棟のうち74% が耐震化されていると推計できます ( 図 2-3) 2 号特定建築物については新基準建築物が49 棟 (53%) 旧基準建築物 44 棟のうち耐震改修実施済みのものが0 棟 (0%) 耐震診断結果から耐震性を満たすものが 1 棟 (1%) であることから耐震化されている建築物は 50 棟となり市内の2 号特定建築物総数 A 棟のうち54% が耐震化されていると推計できます 3 号特定建築物については新基準建築物が139 棟 (56%) 旧基準建築物 110 棟のうち耐震改修実施済みのものが4 棟 (2%) 耐震診断結果から耐震性を満たすものが 3 棟 (1%) であることから耐震化されている建築物は 146 棟となり市内の3 号特定建築物総数 249 棟のうち59% が耐震化されていると推計できます - 6 -

9 図号特定建築物の耐震化の現状新基準建築物 386 棟 (53%) 耐震化されている特定建築物 536 棟 (74%) 1 号特定建築物総数 730 棟耐震診断結果を基に推計診断により耐震性を満たす 73 棟 (10%) 改修済 77 棟 (11%) 旧基準建築物 344 棟 (47%) 耐震性が不十分な特定建築物 194 棟 (26%) 2 建築物の耐震化の目標平成 7 年に発生した阪神淡路大震災では建築物の倒壊による圧死で多くの尊い命が犠牲となりましたさらに平成 16 年の新潟県中越地震においても人的被害は少なかったものの多くの建築物において倒壊あるいは損壊といった被害が発生しましたまた平成 23 年の東北地方太平洋沖地震では現行基準に適合する建築物においては揺れによる大きな被害がさほど見られなかったことからこれまでに発生した地震による経験を生かした建築物の地震対策が有効であったと考えられます市民の安全安心を確保し地震被害の軽減を図るためには建築物の耐震化は重要かつ緊急的な課題であり総合的な建築物の耐震化対策を計画的かつ効果的に推進していくことが重要です - 7 -

10 これまでの大垣市の取り組み住宅及び建築物の耐震化促進住宅及び建築物の耐震化を促進するため木造住宅の耐震診断費の一部補助を平成 14 年度より木造住宅の耐震補強工事費用の一部補助を平成 16 年度より実施していますまた住宅以外の建築物についても耐震診断費の一部補助を平成 18 年度より実施していますこのほかに耐震説明会を年数回実施し建築物の耐震化の重要性を説明し周知活動に努めています国の基本方針 ( 抜粋 ) 建築物の耐震診断及び耐震改修の目標の設定南海トラフ地震防災対策推進基本計画及び首都直下型地震緊急対策推進基本計画における目標を踏まえ住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について平成 32 年までに少なくとも95% にすることを目標とする県の耐震改修促進計画 ( 抜粋 ) 建築物の耐震化の目標住宅及び特定建築物の耐震化の現状これまでの県の取り組み国の基本方針を踏まえ地震による被害 ( 死者数や経済被害額等 ) を半減させるために住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化率を平成 32 年度までに95% にすることを目標とする市の住宅及び特定建築物の耐震化の現状これまでの市の取り組み国の基本方針及び県の耐震改修促進計画を踏まえ地震による被害 ( 死者数や経済被害額等 ) を半減させるために住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化率をる建築物の耐震化率を平成 32 年までに95% にすることを目標とします耐震化率 95% を達成するため住宅については約 10,000 戸多数の者が利用する建築物 (1 号特定建築物 ) については約 157 棟の耐震化が必要です耐震化の重要性必要性についての普及啓発耐震化を支援する施策をより一層推進することにより旧基準建築物の建て替え耐震改修の促進を図りますなお目標の達成状況等については 5 年ごとに行われる住宅土地統計調査にあわせて見直しを行います - 8 -

11 図 2-3 耐震化の目標の考え方現況耐震化率目標目標耐震化率国県住宅 82% 南海トラフ地震防災対策推進基 95% 本計画多数利用及び首都直下地多数利用 85% 震緊急対策推進基本の建築物計 95% の建築物画による目標を踏まえ設定住宅 78% 95% 国の基本方針及び岐阜県強靭化多数利用計画を踏まえ設定 86% 95% の建築物市住宅 80% 95% 国の基本方針及び岐阜県耐震改多数利用 74% 修促進計画を踏まえ設定 95% の建築物図 2-4 住宅建築物の耐震化の目標 ( 平成 32 年度 ) 住宅特定建築物 (1 号 ) 耐震化されている耐震化されている耐震化されている耐震化されている住宅住宅特定建築物特定建築物 49 千戸 (80%) 60 千戸 (95%) 536 棟 (74%) 536 棟 (95%) 診断により耐震性を満たす住宅 4 千戸 (7%) 新築による耐震化 2.8 千戸 (6%) 診断により耐震性を満たす特定建築物 73 棟 (10%) 改修済 670 戸 (1%) 建て替えによる耐震化 1 千戸 (2%) 耐震性が不十分な住宅 12 千戸 (20%) 耐震改修による耐震化 10 千戸 (16%) 耐震性が不十分な住宅 3 千戸 (5%) 改修済 77 棟 (11%) 耐震性が不十分な特定建築物 194 棟 (26%) 建て替え耐震改修による耐震化 157 棟 (21%) 耐震性が不十分な特定建築物 37 棟 (5%) 平成 27 年度平成 32 年度平成 26 年度平成 32 年度 - 9 -

12 3 公共施設の耐震化の現状目標災害時に庁舎は災害対策本部病院は医療救護活動の拠点警察は応急活動拠点学校は避難収容拠点となるなど多くの公共施設は防災拠点施設として活用されます公共施設の耐震化を進めることは被災時の利用者の安全の確保被災後の応急対策活動の拠点施設としての機能確保に繋がり大変重要ですまた東日本大震災では公共施設か民間施設であるかを問わず庁舎警察病院等の防災拠点施設や避難所について津波あるいは揺れによる建物の損傷等によって使用不能となり震災への対応能力が喪失したケースもあることからこれらの施設については所有者による耐震性の早期確保が重要ですこのため公共施設防災拠点施設の耐震化については建物の重要度や地震発生確率を踏まえた倒壊危険度を考慮した優先順位の見直しを行うとともに避難所にあっては地域での避難所の耐震化状況を考慮した優先順位の見直しを行い緊急度の高い施設から耐震化を進めることとします (1) 公共施設における耐震化ア耐震化の現状市内の公共施設における耐震化の現状は表 2-4のとおりです表 2-4 公共特定建築物の耐震化の現状 ( 平成 26 年度末現在 ) ( 単位 : 棟 ) 特定建築物の種類耐震化の現状全棟数 A=B+C 新基準建築物 B 旧基準建築物 C 耐震改修実施済み D 耐震性を満たす E 耐震化されている建築物 F=B+D+E 耐震化率 G=F/A 避難所 ( 集会場学校等 ) % 防災拠点 ( 庁舎医療施設社会福祉施設等 ) % その他公共施設 ( 市営住宅処理施設等 ) % 計 % 公共施設については新基準建築物が188 棟 (40%) 旧基準建築物 275 棟のうち耐震改修実施済みのものが79 棟 (17%) 耐震診断結果から耐震性を満たすものが105 棟 (22%) であることから耐震化されている建築物は 372 棟となり市内の公共施設総数 463 棟のうち80% が耐震化されていますイ耐震診断結果の公表市内にある公共施設のうち市有特定建築物については施設を利用する市民に対して耐震性の周知を行う必要があるため耐震診断結果の公表に取り組みますウ耐震化の目標市有特定建築物については特定建築物の所有者として耐震改修を行うよう努めることとされておりさらに施設所有者として市民施設利用者の生命 ( 安全 ) を守る責務があることから特に耐震診断の結果耐震性が不十分とされた建築物について効果的な耐震化を進め建築物の倒壊危険度及び重要度を考慮した優先順位付けを行い耐震化を進めます特に庁舎等の防災上重要な建築物集会場等の不特定多数が利用する建築物等の緊急度の高い施設から計画的な耐震化を進め財政事情等を十分考慮しつつ耐震化を促進します

13 第 3 建築物の耐震化の促進に係る基本的な方針 1 耐震化の課題建築物の耐震化を促進するためには次のような課題 ( 耐震化を阻害する要因 ) に対して適切な施策を実施していく必要があります建築物の耐震化を促進するための課題建築物の耐震化を支援する補助制度を知らない補強工事にお金がかかるまた補強の効果が信用できない自分の家建物は大丈夫だと思っている ( 地震は来ないと思っている ) 誰に頼んでいいかわからない改修工事にはトラブルが多いと聞いている改修に伴い増改築を行う場合現行基準に適合させることが要求される大規模な建物では関係者の調整が複雑家族構成や生活形態などを理由に耐震補強に踏み切れない 2 役割分担の考え方建築物所有者の努力義務これまで市では平成 7 年の阪神淡路大震災を教訓に地震防災対策を進めてきました地震による被害を最小限にとどめるためには市民事業者市及び県が相互の信頼関係に基づき自らの生命は自ら守るという自助の考え方自らの地域は自ら守るという共助の考え方及び行政が担うべき公助の考え方を基に建築物の耐震化の促進について協働し連携することが必要です市民事業者及び市が危機意識を共有しつつそれぞれの役割を自覚して建築物の耐震化を推進していきます (1) 市民事業者 ( 建築物所有者 ) の役割市民及び事業者は所有する建築物の地震に対する安全性を確保するとともにその向上を図るよう努めます市民及び事業者は所有する既存耐震不適格建築物( 地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しない建築物で同法第 3 条第 2 項の規定を受けているもの ) について耐震診断を行い必要に応じ耐震改修を行うよう努めます (2) 市県の役割市及び県は建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及に努めます特に普及啓発重点地区の設定や地域特性に応じた過去の災害情報の提供など地域の実情に応じた有効的な普及啓発に努めます市及び県は建築物の所有者として自ら所有する公共施設の耐震化に率先して取り組みます所管行政庁である市及び県は既存耐震不適格建築物の所有者に対し特定建築物の耐震診断及び耐震改修について必要な指導及び助言を行います市及び県は建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るため資金の融通又はあっせん資料

14 の提供その他の措置を講ずるよう努めます所管行政庁とは耐震改修促進法第 2 条に定める建築主事を置く市町村の長をいう 3 実施する事業の方針 (1) 事業の考え方建築物の耐震化の促進のためには自助共助の考え方を基に地域防災対策は自らの問題地域の問題という意識を持つことが重要であり市民事業者に対して防災意識の向上と建築物の耐震化の必要性重要性の普及啓発に積極的に取り組みます建築物の所有者による耐震化への取り組みをできる限り支援するという観点から所有者にとって耐震化を行いやすい環境の整備や負担軽減のための制度の実施等耐震化の促進に必要な施策を講じます (2) 実施する事業耐震化の促進のためには耐震診断等による耐震性能の把握が重要なことから建築物について適切な方法による耐震性能の把握を促進する事業を実施します耐震改修は個人の財産である建築物に対して施工するものであることから基本的に所有者の責任において実施されるべきものですしかし耐震化により建築物の被害が軽減されることにより仮設住宅やガレキの減少が図られ早期の復旧復興に寄与すること避難路が確保されること等から耐震化を促進するための優遇措置として市の財政状況等を考慮したうえで耐震診断等を行った結果耐震性が不十分であると判明した建築物について耐震性を満たすような改修を促進する事業を実施します木造住宅の耐震化を促進するため耐震診断及び耐震改修に対する支援を継続するとともに防災意識の向上や支援制度のPRについてより効果的な対策を積極的に実施します 4 重点的に耐震化を図る地域建築物等の考え方 (1) 重点的に耐震化を図る地域市は南海トラフの巨大地震又は内陸直下型地震による多くの被害が想定されていることさらに想定される地震の他にも県内には活断層が無数に存在すると考えられていることから市内全域を重点的に耐震化を図る地域としますさらに旧基準建築物が密集している地域や被災時に孤立する可能性がある集落緊急輸送道路沿道地域の地震発生確率や地盤特性などを考慮し市耐震改修促進計画においてより重点的に耐震化を図る地域を定めることを検討し適宜耐震化の進捗状況に応じその地域を見直すこととします (2) 重点的に耐震化を図る建築物ア住宅については旧基準建築物の木造住宅の過去の地震における被害状況新基準建築物の構造種別に応じた法改正告示基準の制定等を踏まえ平成 19 年 6 月 20 日施行改正建築準法の適用を受けていない全ての住宅を重点的に耐震化を図る建築物としますこのうち旧基準建築物に該当する木造住宅についてはその耐震性について特に問題があると考えられることからより重点的に耐震化を図る建築物としますイ 1 号特定建築物については多数の者が利用する建築物であり地震発生時に利用者の安全を確保する必要性が高いこと 2 号特定建築物については危険物を取り扱う建築物であり倒壊した場合多大な被害につながるおそれがあること 3 号特定建築物については倒壊した場合道路を閉塞し多

15 数の者の円滑な避難を妨げるおそれがあることから全ての特定建築物を重点的に耐震化を図る建築物としますこのうち地震が発生した際に応急対策活動の拠点となる災害対策本部及び支部の庁舎並びに警察及び消防の庁舎医療活動拠点となる病院診療所避難収容拠点となる学校要介護施設である社会福祉施設等その他の防災上重要な建築物については発災時の人的被害の可能性及び応急活動への影響を考慮してより重点的に耐震化を図る建築物としますウ特定建築物に該当しない市有建築物についても市民の安全の確保地震時における応急対策活動の拠点施設や避難施設としての利用の観点から重点的に耐震化を図る建築物とします (3) 地震発生時に通行を確保すべき道路大規模地震時には道路橋梁等の破損障害物交通渋滞等により道路交通に支障が生じる場合が多くまた救急消防活動の実施避難者への緊急物資の輸送等の災害応急対策を迅速に実施するためには要員物資等の緊急輸送を円滑に行う必要がありその経路の確保が重要であります岐阜県では被災時の地域防災拠点地区防災拠点を連結する道路として岐阜県地域防災計画において緊急輸送道路を指定しそのネットワーク化 ( 道路網の形成 ) を図っていますこのため岐阜県地域防災計画に定められた第 1 次から第 3 次までの緊急輸送道路のうち市内に存する道路を耐震改修促進法第 6 条第 3 項第 2 号に基づく建築物の倒壊によって多数の者の円滑な避難を困難とすることを防止するための道路として指定し沿道の建築物の耐震化を図ることを目標とします 5 命を守るための多様な取組みの推進木造住宅の耐震化では現在の建築基準法で想定する大地震動( 極めて稀に発生する地震 ) において倒壊しないことが要求されており地震による被害軽減のためにも耐震化の促進は非常に重要でありますしかしながら旧基準木造住宅所有者の中にはその家族構成や生活形態あるいは経済的理由など様々な理由により耐震化を実施できない者もおりこれらの所有者に対しては住宅の損傷防止だけではなく人命を守るという視点から将来的な耐震化を前提に部分的に損傷はするものの建物全体としては倒壊しない性能が確保されるといった簡易補強を推進することも重要でありますまた市民の多様な価値観やライフスタイルなどに対応し市民の命を守る視点から耐震シェルターなど簡易補強以外の建築物に関する新たな防災手法についても検討を進めます

16 第 4 建築物の耐震化を促進する施策 1 安心して耐震化が行える環境整備建築物の所有者による耐震化への取り組みをできる限り支援するという観点から所有者にとって耐震化を行いやすい環境の整備や負担軽減のための制度の実施等耐震化の促進に必要な施策を次のとおり行います (1) 建築物安全対策支援支援事業ア建築物安全対策支援事業の概要旧基準建築物の耐震診断耐震補強工事に対して県と協働して補助を実施しておりその経緯は以下のとおりです今後も住宅建築物の耐震化を促進するため耐震診断耐震補強工事に対する補助事業に県と協働して支援を行っていきます耐震診断平成 14 年度から木造住宅を対象として補助を実施しており平成 18 年度からは全ての建築物に補助対象を拡充しました平成 20 年度からは木造住宅について所有者負担を無料化し補助を大幅に拡充しています耐震補強工事平成 16 年度から木造住宅を対象として補助を実施しており平成 18 年度からは特定建築物及び分譲マンションに補助対象を拡充しました平成 21 年度からは一定の要件に該当する木造住宅について簡易補強工事を補助対象とし平成 25 年度からは当該要件を撤廃しましたイ建築物安全対策支援事業の実施状況これまでの事業の実績は表 4のとおりです表 4 耐震化に係る補助の状況 ( 単位 : 件 ) 補助事業の種類 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 木造住宅耐震診断補助事業木造住宅耐震補強工事費補助建築物耐震診断事業費補助分譲マンション耐震補強工事補助特定建築物耐震補強工事費補助補助事業の種類 H24 H25 H26 H27 合計木造住宅耐震診断補助事業木造住宅耐震補強工事費補助建築物耐震診断事業費補助分譲マンション耐震補強工事補助特定建築物耐震補強工事費補助は事業を未実施

17 ウ市民要望に対する的確な対応東日本大震災以降市民の地震対策への関心は高まってきたがここ数年はまた耐震診断等の件数が減少傾向となるため更なる啓発を行うとともに耐震診断や耐震補強などの耐震化に係る経済的負担を軽減するための補助金についても市民の要望に対して不足とならないよう的確な対応に努めることを検討しますエ補助事業の活用促進を図るための取り組み建築物の耐震化補助制度についてはその積極的な活用が図られ耐震化の一層の促進に資するよう耐震化の進捗状況所有者地域の特性県市の財政状況などを総合的に勘案して必要に応じ制度の見直しを行います (2) 自治会等との連携地震防災対策ではみんなの地域はみんなで守るという共助の考え方が重要である自治会等は地域の災害時対応において重要な役割を果たすほか平常時においても地震時の危険箇所の点検液状化を含む過去の地震被害の伝承や耐震化の啓発活動を行うことが期待されますまた地域に密着した専門家や自主防災組織の育成 NPOとの連携等幅広い取り組みが必要です県による各種情報の提供専門家の派遣等必要な支援の下に市はこのような地域の取り組みを支援する施策を講じます 2 耐震化に関する啓発及び知識の普及建築物の耐震化の促進のためには自助共助の考え方を基に地域防災対策は自らの問題地域の問題という意識を持つことが重要であり市民事業者に対して防災意識の向上と建築物の耐震化の必要性重要性の普及啓発に積極的に取り組みます (1) 相談体制の整備ア岐阜県木造住宅耐震相談士の活用安心して木造住宅の耐震診断及び耐震改修を進めるため診断改修に関する適切な知識を有する身近に気軽に相談できる専門家として県が養成する岐阜県木造住宅耐震相談士 ( 以下相談士という ) を活用しますなお相談士の名簿については建築課窓口において閲覧できさらに相談士の制度について無料相談会等で周知を図っていますイ建築相談窓口市民が気軽に建築物に係る相談ができるよう建築相談窓口を設置し地震対策を始めとした建築物に係る相談窓口として市民からの相談に応じていますまた建築物の設計施工について豊富な知識と経験を持つ建築関連団体においても建築相談窓口として市民の相談に応じており今後も耐震化に係る技術補助制度融資制度等を含めた建築物等の地震対策について市民の相談に積極的に応じていきますウ木造住宅の耐震診断耐震改修に係る無料相談会市が開催する各種催事において耐震化の普及啓発各種相談に対応するため木造住宅の耐震化に関する無料相談会を開催しますエ一貫したサポート体制の構築耐震診断から工事までの一貫したサポート体制の構築等による住宅耐震化を推進します (2) 情報提供の充実アパンフレットの作成配布市民向けの相談会パンフレットインターネット広報等により建築物の耐震化について市

18 民への普及啓発に取り組んできました今後も県及び建築関係団体と連携して耐震化等に関する情報提供を行い各種補助制度融資制度並びに耐震化の必要性重要性について啓発しますまた住宅設備の更新やバリアフリーリフォーム ( 高齢者向け住宅改修 ) 等の機会を捉えて耐震改修の実施を促すことが重要で効果的であるためリフォーム等とあわせて耐震改修が行われるよう普及啓発を図りますイ各種広報を活用した周知市広報自治会回覧板インターネット等を活用し広く市民に対し制度の周知耐震化の普及啓発を実施しますウ説明会の開催自治会単位等で開催される説明会講習会等へ講師を派遣し耐震化に係る情報提供を行いますエ耐震啓発ローラー作戦の実施木造住宅の耐震診断費用の無料化 ( 平成 20 年度から ) 補強工事への支援の要件緩和等より活用しやすい補助制度とするための見直しを行いましたが耐震化促進事業の活用実績は十分とはいえませんこのため市内全域を対象に木造住宅の耐震化促進に資するよう戸別訪問による耐震化の重要性緊急性の周知と地域ぐるみの地震対策につながる地域の実情に応じたきめ細やかな普及啓発を行うため第 7 の住宅耐震化緊急アクションプログラムを実施しますオ普及啓発重点地区の選定近い将来発生が予測されている南海トラフの巨大地震による被害の軽減を図るためには限られた時間の中で効率的に建築物の耐震化を促進する必要がありますこのため市においては旧基準建築物の密集地や被災時に孤立する可能性のある集落緊急輸送道路沿道地震発生確率や地盤特性など地域の特性を考慮した普及啓発重点地区の選定を検討しますカ防災教育との連携建築物の耐震化の重要性について幅広い世代へ周知を行うため教育部局と連携を図り学校における防災教育の一環としての耐震化に関する出前授業を行ないますキ地震ハザードマップの作成公表地震に対する注意喚起と防災意識の高揚を図るためには市民にとって理解しやすく発生のおそれがある地震の概要と地震による危険性の程度等を記載した地震ハザードマップ ( 災害予測地図 ) の提示が有効でありますこのようなマップを活用することで地震対策の推進に寄与することから地震による揺れやすさのわかる地震ハザードマップを作成公表しますク建築物の地震に対する安全性の認定旧基準木造住宅のうち耐震改修を行った住宅について耐震改修済みであることを対外的に周知することにより耐震化未実施の住宅所有者に対する意識の向上が期待できることから耐震改修済みである旨の表示制度の普及を図り法第 22 条の規定に基づく建築物の地震に対する安全性の認定を取得した場合認定を受けている旨の表示を付することができることとされており建築物の所有者や利用者等の理解が得られるよう留意しつつ表示制度の普及を図りますまた公共施設の地震に対する安全性に係る認定及び当該認定を受けている旨の表示に係る制度を積極的に活用します 3 地震時の建築物の総合的な安全対策 (1) 地震時の建築物の総合的な安全対策

19 これまでの地震被害の状況から住宅建築物の耐震化とあわせてブロック塀の倒壊防止対策窓ガラス等の落下防止対策天井外壁等の落下防止対策エレベーターの閉じ込め防止対策エスカレーターの脱落防止対策給湯設備や家具の転倒防止対策配管等の設備の落下防止対策の必要性が指摘されていますこのため県と連携し被害の発生するおそれのある建築物の所有者に対し必要な措置を講じるよう指導啓発し地震時の総合的な建築物の安全対策を推進しますまた防災拠点施設については被災時においても建物が使用できるよう書架等の転倒防止対策と共に電気設備や給排水設備などの機能維持を含めた耐震性の確保やバックアップ機能の充実などについて施設所有者に対し普及啓発を行います (2) 地震に伴う宅地宅地被害の軽減対策地震に伴うがけ崩れや大規模盛土造成地の滑動崩落等による建築物の被害の軽減を図るためがけ地近接等危険住宅移転事業等の活用を促進し敷地の安全対策を推進します東日本大震災では地盤の液状化や造成地の盛土部分における地滑りなど宅地の被害が広範囲に発生し損傷は軽微でも使用できなくなった建築物が多くあったことから市内全域について大規模盛土造成地の調査 ( 一次スクリーニング ) を行いその結果について県 HP 等で公表をするとともに対象地域について箇所別の危険性の確認 ( 二次スクリーニング ) の実施の検討を行います液状化現象が引き起こす宅地被害については国レベルでの技術検討を注視しつつ当面は発生予測データである液状化危険度調査 ( 注 ) の活用や過去の液状化の被害に関する地域での伝承などきめ細やかな周知と教育に取り組むことを検討しますまたがけ近接地液状化の恐れのある地域や盛土造成地等における宅地被害への備えとして擁壁や法面敷地排水施設の点検生活物資の備蓄宅地防災工事の実施などの事前対策の周知を行うことを検討します ( 注 ) 液状化危険度調査とは岐阜県では南海トラフの巨大地震等の被害想定調査を実施し揺れによる被害のほか液状化危険度調査も実施し県内すべての地域の地盤データに基づき液状化危険度 (PL 値 ) を公表しているなお液状化危険度調査については岐阜県震災対策検証委員会からの提言に基づき従来よりも精度の高い ( 揺れの時間を考慮した ) 調査の見直しが予定されている

20 第 5 指導勧告又は命令等に関する事項 1 建築物の耐震改修の促進に関する法律による指導等これまで法における指導助言が行える建築物には多数の者が利用する一定規模以上の建築物病院ホテル旅館等の不特定多数の者が利用する一定規模以上の建築物あるいは危険物を取り扱う建築物道路を閉塞させる建築物と一定の要件が定められていたが平成 25 年の法改正により全ての既存耐震不適格建築物に対して指導助言が行えるようになりましたこれまでも市では耐震性のない建築物に対して一定の指導助言等を行ってきたが法の改正に伴い今後は下記の区分により指導助言あるいは耐震診断の結果の公表指導内容の公表を行います (1) 要緊急安全確認大規模建築物 ( 法附則第 3 条該当 ) 要緊急安全確認大規模建築物の所有者は耐震診断の結果について平成 27 年 12 月 31 日までに所管行政庁へ報告しなければならないが適正な報告がなされない場合にあっては報告を促しなお報告しない場合にあっては所有者に対し耐震診断結果の報告を行うべきことを命じ必要に応じてその旨を市 HP 等により公表を行います報告された耐震診断の結果については用途ごとに取りまとめのうえ市 HP 等により公表を行うとともに耐震診断の結果耐震性が不十分な建物の所有者に対して耐震改修を行うよう指導助言を行います (2) 特定既存耐震不適格建築物 ( 法第 14 条第 15 条該当 ) 法第 14 条第 1 項各号に規定する特定既存耐震不適格建築物の所有者に対して必要に応じて技術指針等を勘案して指導助言を行います法第 15 条第 2 項に規定する特定既存耐震不適格建築物の所有者に対しては必要に応じて指示を行い指示をしたにも関わらず正当な理由がなく指示に従わなかった場合はその旨を市 HP 等により公表を行います (3) 既存耐震不適格建築物 ( 法第 16 条該当 ) 上記 (1)~(2) 以外の耐震不適格建築物に対しては必要に応じて指導助言を行います表 5-1 指導等規制対象一覧耐震診断耐震改修所管行政庁所管行政庁所有者指導助言指示公表報告命令結果公表所有者指導助言指示公表要緊急安全確認大規模建築物要安全確認計画記載建築物 ( 1) 義務努力義務 ( 3) 特定既存耐震不適格建築物努力義務 ( 2) ( 2) 既存耐震不適格建築物努力義務 ( 4) 1 未指定 (H28.3 現在 ) 2 地震に対する安全性向上が特に必要な一定の用途及び規模以上のものに限る 3 地震に対する安全性の向上を図る必要があるとき 4 必要に応じ

21 表 5-2 用途別指導規制対象一覧用途特定既存耐震不適格建築物の要件指示対象となる特定既存耐震不適格建築物の要件耐震診断義務付け対象建築物の要件階数 2 以上かつ階数 2 以上かつ階数 2 以上かつ小学校中学校中等教育学校の 1,000 m2以上 1,500 m2以上 3,000 m2以上学前期課程若しくは特別支援学校屋内運動場の面屋内運動場の面屋内運動場の面校積む積む積含む上記以外の学校階数 3 以上かつ 1,000 m2以上体育館 ( 一般公共の用に供されるもの階数 1 以上かつ 1,000 m2以上階数 1 以上かつ 2,000 m2以上階数 1 以上かつ 5,000 m2以上ボーリング場スケート場水泳場そ階数 3 以上かつの他これらに類する運動施設 5,000 m2以上病院診療所階数 3 以上かつ劇場観覧場映画館演芸場 2,000 m2以上多数の者が利用する建築物集会場公会堂展示場卸売市場百貨店マーケットその他の物品販売業を営む店舗ホテル旅館賃貸住宅 ( 共同住宅に限る ) 寄宿舎下宿事務所老人ホーム老人短期入所施設福祉ホームその他これらに類するもの老人福祉センター児童厚生施設身体障害者福祉センターその他これらに類するもの階数 3 以上かつ 1,000 m2以上階数 2 以上かつ 1,000 m2以上階数 3 以上かつ 2,000 m2以上階数 2 以上かつ 2,000 m2以上要緊急安全確認大規模建築物階数 3 以上かつ 5,000 m2以上階数 2 以上かつ 5,000 m2以上幼稚園保育所階数 2 以上かつ 500 m2以上階数 2 以上かつ 750 m2以上階数 2 以上かつ 1,500 m2以上博物館美術館図書館遊技場公衆浴場飲食店キャバレー料理店ナイトク階数 3 以上かつ階数 3 以上かつラブダンスホールその他これらに類階数 3 以上かつ 2,000 m2以上 5,000 m2以上するもの 1,000 m2以上理髪店質屋貸衣装屋銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗工場 ( 危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く )

22 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合の用に供するもの自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設階数 3 以上かつ 2,000 m2以上階数 3 以上かつ 5,000 m2以上保健所税務署その他これらに類する公益上必要な建築物危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物政令で定める数量以上の危険物を貯蔵処理する全ての建築物 500 m2以上階数 1 以上かつ 5,000 m2以上 ( 敷地境界線から一定距離以内に存する建築物に限る ) 要安全確通行障害建築物県及び市町村の耐震改修促進計画で指定する緊急輸送道路等の道路に接する通行障害既存耐震不適格建築物左に同じ認計画記載建築法第 5 条第 3 項第 2 号及び同法第 6 条第 3 項第 1 号に定める道路に接する通行障害既存耐震不適格建築物物注法第 5 条第 3 項第公益上必要な建築物 1 号に定める建築物注要安全確認計画記載建築物については未指定 (H28.3 現在 ) 2 建築基準法による勧告又は命令建築基準法第 6 条第 1 項第 1 号に掲げる建築物要緊急安全確認大規模建築物又は要安全確認計画記載建築物のうち耐震診断及び耐震改修の指示に従わないために耐震改修促進法に基づく公表を行った既存耐震不適格建築物の所有者が耐震診断及び耐震改修を明らかに行わない場合には当該建築物の構造耐力上主要な部分の地震に対する安全性又は損傷腐食その他の劣化の進み具合を把握するために立入調査を実施し構造耐力上主要な部分の地震に対する安全性について著しく保安上危険であると明らかに認められる建築物については建築基準法第 10 条第 3 項の規定による命令を損傷腐食その他の劣化が進みそのまま放置すれば著しく保安上危険となると明らかに認められる建築物については同条第 1 項の規定による勧告や同条第 2 項による命令を行います

23 3 他の所管行政庁との連携建築物の耐震化の促進を図るための指導等を行うには所管行政庁相互の整合性を確保した上で指導等の内容実施方法を定め効果的な実施を図る必要がありますそのため所管行政庁である県及び市において書式の整備具体的な取組方針等について協議を行い連携を図りながら指導等を進めていきます第 6 建築物の耐震化の推進に関する事項 1 計画の推進体制県市関係機関及び建築関係団体等で組織する岐阜県建築物地震対策推進協議会を活用し耐震化への取り組みの情報交換等による連携を行い建築物の耐震化を推進します第 7 住宅耐震化緊急促進アクションプログラム 1 目的緊急的に住宅の所有者に対して戸別訪問の実施により耐震化に関する意識の啓発や情報提供を行うことで住宅の耐震化をさらに促進する 2 緊急耐震重点区域の設定住宅の耐震化を緊急的に促進するべき区域 ( 以下緊急耐震重点区域という ) は市内全域とする 3 対象建築物対象建築物は緊急耐震重点区域内の旧基準建築物の住宅とする 4 実施計画期間実施計画期間は平成 28 年度から平成 32 年度までとする実施方法年度 H28 H29 H30 H31 H32 合計戸別訪問予定戸数 5,130 4,445 5,470 4,710 1,468 21,223 5 戸別訪問の内容 (1) 実施単位連合自治会単位で実施する (2) 実施の周知ア連合自治会単位の自治会長会議にて周知するイ自治会単位で班回覧にて周知する

24 (3) 実施体制ア職員 2 名 1 班体制とするイ毎週月曜日の午前午後に各 1 班で実施する (4) 実施方針ア耐震化の状況を確認するイ耐震啓発補助制度のチラシ等を配布するウ耐震診断耐震補強工事の方法補助制度内容を説明するエ不在宅には耐震啓発補助制度のチラシ等をポスティングするオ実施結果を記録保管する 6 関係団体との連携戸別訪問及び普及啓発活動において必要に応じ県及び建築関係団体と連携し実施する 7 耐震化普及啓発活動戸別訪問と合わせて次の耐震化普及啓発活動を実施するア耐震啓発を年度当初自治会の班回覧にて周知するイ耐震無料相談会を各種イベント会場で実施するウ広報紙及びホームページにより耐震補助制度の募集を行う 8 実績の公表当該年度毎に訪問戸数診断実績及び改修実績を取りまとめ年度末までにホームページにて公表する

第 1 章はじめに (1) 計画の目的西東京市耐震改修促進計画 ( 以下本計画という ) は西東京市内の住宅建築物の耐震診断及び耐震改修を計画的かつ総合的に促進することにより西東京市民の生命と財産を保護し災害に強いまちづくりを実現することを目的とする (2) 計画の位置づけ本計画は建築

第 1 章はじめに (1) 計画の目的西東京市耐震改修促進計画 ( 以下本計画という ) は西東京市内の住宅建築物の耐震診断及び耐震改修を計画的かつ総合的に促進することにより西東京市民の生命と財産を保護し災害に強いまちづくりを実現することを目的とする (2) 計画の位置づけ本計画は建築物の耐震改修の促進に関する法律 ( 平成 7 年法律第 123 号以下法という ) 第 6 条の規定に基づき策定するものである