野村資本市場研究所｜2016年の個人金融資産動向：回顧と今後注目すべき潮流（PDF）

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なおみいせき
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1 1 年の個人金融資産動向 : 回顧と今後注目すべき潮流宮本佐知子要約 1. 日本銀行資金循環統計によると 1 年 9 月末の個人金融資産残高は 1,71 兆 7,77 億円 ( 前期比.% 増前年比.% 増 ) となった株価が持ち直したことにより保有株式や投資信託を中心に前年からの減少幅が縮小し前者は前年比.% 減後者は同.% 減にとどまった一方個人金融資産の.% を占める現金預金が前年比 1.% 増となり個人金融資産全体が四半期ぶりに増加した. 1 年第四半期 (7~9 月期 ) の各金融資産への個人資金の純流出入は次の通りである第一に預金は資金純流出となった第二に債務証券は資金純流出となったこのうち国債は 1 期連続で資金純流出となったが事業債への資金純流入は続いた第三に上場株式は期連続で資金純流出となった第四に投資信託は期連続で資金純流出となった第五に保険年金定型保証は資金純流入となった第六に外貨預金も対外証券投資も資金純流入となった. 1 年の個人資金はマイナス金利が長期化する中で残された利回りを求めて流入先の多様化が進んだただしマイナス金利下でのリスクを抑えた好条件の商品設計は難しくなっており個人資金にとって次第に有利な選択肢は狭まっている個人資金の一部は株式や株式投資信託へも流入したがこれらのリスク資産にはまだ本格的に向かっておらず個人資金の多くは依然として動かしやすい形で待機する状況が続いているしかし足下では投資環境が米大統領選後に一変しており制度面では 17 年から個人型確定拠出年金の加入者が広がることや積立 NISA の創設も決まったこと等から今後はこれらが個人の投資行動に及ぼす影響が注目される. 1 年の NISA の利用状況については金融庁と日本証券業協会から統計がそれぞれ公表されている 1 年月末時点では NISA 口座数は 1,9 万, 口座買付額は兆,7 億円であり伸び率はやや鈍化している本稿では NISA の利用状況について金融機関全体と業態別の分析結果を示した上で 17 年からの注目点として平成 9 年度税制改正大綱についても纏めている 1

2 Ⅰ. 日本銀行統計から見る個人金融資産動向 1. 個人金融資産残高の概況 1 年 1 月 19 日に公表された日本銀行資金循環統計 1 年第四半期 (7~9 月期 ) によると 1 年 9 月末の個人金融資産残高は 1,71 兆 7,77 億円 ( 前期比.% 増前年比.% 増 ) となった ( 図表 1) 株価が持ち直したことにより保有株式や投資信託を中心に前年からの減少幅が縮小し前者は前年比.% 減後者は同.% 減にとどまった一方個人金融資産の.% を占める現金預金が前年比 1.% 増となり個人金融資産全体が四半期ぶりに増加した. マイナス金利下における個人資金の動き図表は四半期ごとの主な金融資産への個人資金純流出入の動きである足下の特徴は次の通りである第一に預金は資金純流出となった預金は四半期ごとに大きく変動するが 1 年第四半期は流動性預金も定期性預金も資金純流出となったただし預金の中では流動性預金を選好するトレンドは続いており流動性預金が預金全体に占める割合は.% と過去最高水準となった第二に債務証券は資金純流出となった債務証券のうち国債は 1 四半期連続で資金純流出となった多くは国債の償還に因るものと見られるが純流出額は徐々に縮小してきている個人が購入できる国債のうち新型窓口販売方式の国債は金利低下等のために募集停止が続いているが 1 個人向け国債は 1 年 1 月に日銀によるマイナス金利図表 1 個人金融資産の残高と内訳, 1, 1, 1, 1, 1, Q その他債務証券投資信託株式等保険年金定型保証現金預金 1.Q 構成比前年比金融資産計 1,7 1.%.% ( 内訳 ) 現金預金 91.% 1.% 債務証券 1.%.% ( 国債 ) 1.% -.1% 投資信託.% -.% 株式等 1.% -.% 保険年金定型保証 1 9.%.% その他.9% 1.% ( 出所 ) 日本銀行資金循環統計より野村資本市場研究所作成 1 年物は 1 年 11 月債から同年物は 1 年 9 月から同 1 年物は 1 年月から停止している

3 政策導入が発表され預金金利が下がる中で元本と年.% の最低金利が保証される点に注目が高まり個人による応募額は増加している ( 図表 ) 財務省では個人による国債保有の裾野を広げる意向であり 1 年月と 1 年 1 月に個人向け国債の発行予定額を上方修正している図表主な金融資産への個人資金純流出入 ( 四半期ベース ) 1 預金の動き ( 四半期移動平均 ) 1 主要金融資産の動き ( 預金以外 ) 流動性預金定期性預金 Q Q 1Q Q 1Q Q 1Q Q 1Q Q 1Q Q 1Q Q Q 現金債務証券上場株式投資信託保険年金定型保証対外証券投資 Q 11 1Q Q 1 1Q Q 1 1Q Q 1 1Q Q 1 1Q Q 1 1Q Q ( 出所 ) 日本銀行資金循環統計ゆうちょ銀行資料より野村資本市場研究所作成 ( 億円 ) 9,, 7,,,,,, 1, 図表個人向け国債の応募額の推移変動 1 年固定年固定年 1/1 1/7 1/1 1/7 1/1 1/7 ( 年 / 月 ) 図表個人が保有する事業債残高 ( 出所 ) 財務省統計より野村資本市場研究所作成 ( 出所 ) 日本銀行資金循環統計より野村資本市場研究所作成平成年度個人向け国債発行予定額は当初は 1 兆 9, 億円だった 1 年月日公表の第次補正予算で兆, 億円へと上方修正され 1 年 1 月日公表の第次補正予算で兆 1, 億円へと更に上方修正された平成 9 年度個人向け国債発行予定額は兆 9, 億円である

4 債務証券のうち事業債は 11 四半期連続で資金純流入となり四半期純流入額も残高 (7. 兆円 ) も過去最高となった ( 図表 ) 1 年に続き 1 年も企業側では超低金利下で資金の調達先を個人に広げようと起債する動きが広がっており個人側でもリスクを抑えつつ相対的に高い利回りを狙う資金の受け皿商品として注目を集めている 1 年に発行が目立つのは新型劣後債やハイブリッド債などの劣後債である 1 年 9 月にはソフトバンクグループが個人向けハイブリッド債を, 億円発行したが事業会社による個人向けハイブリッド債の発行は初めてのことである債務証券のうち信託受益権はマイナス金利政策が導入された 1 年第 1 四半期にはその相対的に高い予定配当率に注目が集まり資金純流入額は前期比. 倍と急増したがその後は予定配当率を引き下げる動きも見られ 1 年第四半期に続き同第四半期も資金純流出となった第三に上場株式は四半期連続で資金純流出となった上場株式に対する個人の投資行動は総じて逆張りの傾向が続いている株式市場における個人の売買状況を見ると 1 年の売買代金は総じて 1 年を下回る水準だったものの足下ではトランプラリーを背景に増加している ( 図表 ) 株式売買の差引額を見ると個人は 1 年前半は買い越したが同年 7 月からは売り越しを続けている ( 図表 ) 特に同年 1 月と 11 月は個人の売り越し額が急増し最大の売り越し主体となっている図表株式市場における個人の売買状況 (%) 売買代金に占める個人のシェア個人の売買代金 ( 年 / 月 ) ( 注 )1. 二市場 ( 東京名古屋 ) 一二部合計 1 年 7 月第週までは大阪を含む市場. 個人のシェアは委託合計額に占める割合現金と信用取引の合計値である ( 出所 ) 東京証券取引所統計より野村資本市場研究所作成

5 図表投資部門別の株式売買状況法人 ( 単位 : 億円 ) 個人投資信託事業法人その他法人等 ( 注 )1. 二市場 ( 東京名古屋 ) 一二部合計 1 年 7 月第週までは大阪を含む市場. プラスは買い越しマイナスは売り越しを示す ( 出所 ) 東京証券取引所統計より野村資本市場研究所作成生保損保都銀地銀等金融機関信託銀行その他金融機関海外投資家証券自己 1 年 -19,11,,1 -,97-1,1-1,19 -,, 1 年 -7,,7, ,71 -, -9, -,7 11,19 -, 1 年 -, -,1 11,1-1,11 -, -1,9 7,,7, 1 年 -9,99,9 9, -,17 -,1 -,9,7, -,1 1, 1 年 1 月 7, ,1-7,7-1, -7, 1 年月, 1,9, ,1-19,9 1,9 1 年月, ,9 1-19, 1,7 1 年月 -,9 1, ,1 9, -,1 1 年月 7 -, 7 1 1,1 17 -, -1,7 1 年月,1 9, -1, ,77 9 -, -1,91 1 年 7 月 -,9-1,7 79 1, -1,9-9, 1 1,9 1,1 1 年月 -,1 -, , -, 年 9 月 ,1 1,9 1 年 1 月 -7,1 -, ,717,9 1 年 11 月 -1,71 -,, , -,9 1 1,, 1 年の大型の新規上場案件としては LINE が 1 年 7 月 1 日に NY 証券取引所翌 1 日に東京証券取引所に上場した公開価格は順に. ドル, 円これを基に算出した時価総額は,9 億円である次いで JR 九州が同年 1 月日に東京証券取引所翌日に福岡証券取引所に上場した公開価格は, 円これを基に算出した時価総額は,1 億円である両社とも初値は公開価格を上回った第四に投資信託は四半期連続で資金純流出となった投資信託協会統計によると公募投資信託全体は日銀がマイナス金利政策の導入を公表した後 1 年月には資金純流出に転じその後は純流入と純流出を隔月で繰り返してきた ( 図表 7) 公募投資信託のうち公社債投信は金利低下に伴う運用難により MMF 運用会社全 11 社が順次償還を決定したため資金流出が続いた ( 図表 ) この MMF の償還は同年 1 月にはほぼ完了した一方 MRF への資金流入は続いたため足下では公社債投信は資金純流入に転じている一方公募投資信託のうち株式投資信託は 1 年月から同年 9 月まで資金純流入が続いたが同年 1 月からは国内株投信を中心に利益確定の動きが広がり資金純流出が続いている ( 図表 9) このうち ETF への資金流入は続いておりその純資産残高は 1 年 11 月には 19. 兆円と過去最高額となった ( 図表 1) LINE の初値は. ドル,9 円 JR 九州の初値は,1 円であるただし野村アセットマネジメント野村 MMF( 確定拠出年金向け ) は購入申込を受け付けている(1 年 1 月 7 日時点 ) 日本銀行による ETF 買入の影響もある買入額は 1 年第四半期は 9,991 億円同第四半期は 1 兆,17 億円第四半期は 1 兆 1,991 億円 (1 年 1 月 7 日時点 )

6 投資信託への資金流入の減速はラップ口座や NISA(Ⅱ 章で後述 ) を通じた資金流入が鈍化していることも影響している日本投資顧問業協会統計によるとラップ口座の件数金額は 1 年 9 月末時点で万, 件兆 197 億円であり 1 年 9 月はそれぞれ前期比.%.% の増加にとどまった ( 図表 11) 図表 7 公募投資信託への資金流出入と資産残高 1 公募投信の資金流出入設定額解約額 + 償還額資金純増減額公募投信の資産残高 ( 注 )1. 公募投信は株式投信と公社債投信の合計. 解約額と償還額はマイナス表示とした. 資金純増減額は設定額から解約額と償還額を引いたもの ( 出所 ) 投資信託協会統計より野村資本市場研究所作成図表公社債投資信託への資金流出入と資産残高公社債投信の資金流出入設定額解約額 + 償還額資金純増減額公社債投信残高 ( 注 )1. 解約額と償還額はマイナス表示とした. 資金純増減額は設定額から解約額と償還額を引いたもの ( 出所 ) 投資信託協会統計より野村資本市場研究所作成

7 図表 9 株式投資信託への資金流出入と資産残高株式投信の資金流出入設定額解約額 + 償還額資金純増減額株式投信の資産残高 ( 注 ) 図表と同じ ( 出所 ) 投資信託協会統計より野村資本市場研究所作成図表 1 ETF の資産残高図表 11 ラップ口座の利用状況 ( 出所 ) 投資信託協会統計より野村資本市場 ( 出所 ) 日本投資顧問業協会統計より野村資本市場研究所作成研究所作成 7 1 金額 ( 左軸 ) 件数 ( 右軸 ) ( 万件 ) ( 年 / 月 ) 1 投資信託の商品別の資金純増額ランキングを見ると 1 年第四半期は前期に続き REIT 投資信託に資金が集まった ( 図表 1) 特にランキング上位つの米国 REIT 投資信託に資金が一層集中したがこの背景として国内投資環境が変化する中である程度の利回りを安定的に確保できることや米国経済の堅調なファンダメンタルズへの期待から資金が集中したと考えられるその結果投資信託の純資産ランキングでは 1 年に続き 1 年も REIT 投資信託が上位を占めるに至った ( 図表 1) しかし資金純増額ランキング首位で純資産残高 1. 兆円のフィデリティ US リートファンドが 1 年 11 月に分配金を減額しており今後もこのような減額の動きは広がると見られているまた中長期での値上がりを狙うためにオーストラリアの高配当株式で運用する投資信託や人口ボーナス期に入るインドの株式で運用する投資信託にも個人資金が集まったこの他足下ではグローバル AI ファンドなどテーマ型投信への資金流入も目立った 7

8 図表 1 投資信託の資金純増額ランキング (1 年月 ~1 年 1 月 ) 1 年第四半期 ( 月 ~ 月 ) 1 年第四半期 (7 月 ~9 月 ) ( 参考 )1 年 1 月順位ファンド名投信会社資金純増額ファンド名投信会社資金純増額ファンド名投信会社資金純増額 1 フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) フィデリティ,9 フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) フィデリティ,711 フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) フィデリティ新光 US-REIT オープン新光 1,17 新光 US-REIT オープンアセマネ One( 新光 ) 1,771 グローバル AI ファンド三井住友ラサールグローバル REIT ファンド ( 毎月分配型 ) 日興 91 LM オーストラリア高配当株ファンド ( 毎月分配型 ) レッグメイソン 97 LM オーストラリア高配当株ファンド ( 毎月分配型 ) レッグメイソン 9 LM オーストラリア高配当株ファンド ( 毎月分配型 ) レッグメイソン 9 ラサールグローバル REIT ファンド ( 毎月分配型 ) 日興 77 新光 US-REIT オープンアセマネ One( 新光 ) 東京海上円資産バランスファンド ( 毎月決算型 ) 東京海上 7 東京海上円資産バランスファンド ( 毎月決算型 ) 東京海上 77 フィデリティ US ハイイールドファンドフィデリティ 1 ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 ) B コース ( 為替ヘッジなし ) 大和ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 ) B コース ( 為替ヘッジなし ) 大和ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 ) B コース ( 為替ヘッジなし ) 大和 1 7 ワールドリートオープン ( 毎月決算型 ) 三菱 UFJ 国際野村インド株投資野村野村インド株投資野村 1 ゴールドマンサックス米国 REIT ファンド B コース ( 毎月分配型為替ヘッジなし ) ゴールドマン 1 ゴールドマンサックス米国 REIT ファンド B コース ( 毎月分配型為替ヘッジなし ) ゴールドマン東京海上円資産バランスファンド ( 毎月決算型 ) 東京海上 1 9 グローバルロボティクス株式ファンド (1 年決算型 ) 日興 9 東京海上ニッポン世界債券ファンド ( 為替ヘッジあり ) 東京海上ゴールドマンサックス米国 REIT ファンド B コース ( 毎月分配型為替ヘッジなし ) ゴールドマン 1 1 東京海上 J-REIT 投信 ( 通貨選択型 ) 豪ドルコース ( 毎月分配型 ) 東京海上ダイワ米国リートファンド ( 毎月分配型 ) 大和 97 国内株式 SMTB セレクション (SMA 専用 ) 三井住友 TAM 1 ( 注 )1. 対象は追加型投信で該当する月に新規設定した投信や償還された投信上場投信は除外されている. 単位は億円 ( 出所 )R&I ファンド情報より野村資本市場研究所作成図表 1 投資信託の純資産残高ランキング (1 年末 1 年末 1 年 1 月末 ) 順位 ( 単位 : 億円 ) 1 年 1 月末 1 年 1 月末 1 年 1 月末ファンド名投信会社純資産総額ファンド名投信会社純資産総額ファンド名投信会社純資産総額 1 新光 US-REIT オープン新光 1,17 新光 US-REIT オープン新光 1,9 新光 US-REIT オープンアセマネ One( 新光 ) 1,771 野村ドイチェ高配当インフラ関連株投信 ( 米ドルコース ) 毎月分配型野村 1, ラサールグローバル REIT ファンド ( 毎月分配型 ) 日興 1,99 フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) フィデリティ 1,77 ラサールグローバル REIT ファンド ( 毎月分配型 ) 日興 1, フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) フィデリティ 1,91 ラサールグローバル REIT ファンド ( 毎月分配型 ) 日興 11,7 フィデリティ US ハイイールドファンドフィデリティ 1, フィデリティ US ハイイールドファンドフィデリティ 9, フィデリティ US ハイイールドファンドフィデリティ,17 グローバルソブリンオープン ( 毎月決算型 ) 国際 1,1 ピクテグローバルインカム株式ファンド ( 毎月分配型 ) ピクテ,7 ピクテグローバルインカム株式ファンド ( 毎月分配型 ) ピクテ,97 ピクテグローバルインカム株式ファンド ( 毎月分配型 ) ピクテ 9,997 グローバルソブリンオープン ( 毎月決算型 ) 三菱 UFJ 国際,99 ダイワ米国リートファンド ( 毎月分配型 ) 大和, フィデリティ US リートファンド B( 為替ヘッジなし ) ダイワ米国リートファンド ( 毎月分配型 ) ピクテ新興国インカム株式ファンド ( 毎月決算型 ) ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 )B コース ( 為替ヘッジなし ) フィデリティ 9,1 大和 7,9 ピクテ, 大和, ダイワ米国リートファンド ( 毎月分配型 ) アジアオセアニア好配当成長株オープン ( 毎月分配型 ) ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 ) B コース ( 為替ヘッジなし ) ワールドリートオープン ( 毎月決算型 ) ( 注 ) 図表 1 と同じ ( 出所 )R&I ファンド情報より野村資本市場研究所作成大和 7,79 岡三,77 大和,1 三菱 UFJ 国際,1 ダイワ US-REIT オープン ( 毎月決算型 ) B コース ( 為替ヘッジなし ) グローバルソブリンオープン ( 毎月決算型 ) ワールドリートオープン ( 毎月決算型 ) アジアオセアニア好配当成長株オープン ( 毎月分配型 ) 大和, 三菱 UFJ 国際三菱 UFJ 国際,,7 岡三,99

9 第五に保険年金定型保証は資金純流入となったこのうち生命保険への資金純流入額が特に大きかった生命保険協会の統計によると 1 年第四半期は特に死亡保険 ( 中でも定期保険や終身保険 ) の新規契約件数や販売額が増えているしかし保険会社側ではマイナス金利政策の導入で予定利率の確保が難しくなっているため一時払い終身保険の販売を停止したり予定利率を引き下げる動きも広がっている一方年金保険や年金は資金純流出となった第六に外国資産では外貨預金も対外証券投資も資金純流入となった外貨預金への資金流入は四半期ぶり対外証券投資への資金純流入は 7 四半期ぶりであるまた 1 年 9 月末時点で個人が保有する外貨建資産残高 ( 外貨建投資信託外貨建対外証券投資外貨預金の合計 ) は 7 兆円である個人金融資産に占める割合は.7% でありこの割合は近年ではほぼ横ばいとなっている.1 年の回顧と今後注目すべき潮流このように 1 年の個人資金は 1 年 1 月 9 日にマイナス金利政策の導入が公表されその後もマイナス金利が長期化する中で残された利回りを求めて流入先の多様化が進んだ個人資金の一部はリスクを抑えつつ利回りを確保するために相対的に高めの利回りを付しているネット預金や外貨預金個人向け国債個人向け社債生命保険などに向かったしかしマイナス金利下でのリスクを抑えた好条件の商品設計は保険等も含めてますます難しくなっており個人資金にとって次第に有利な選択肢は狭まっているまた個人資金の一部は株式や株式投資信託へも流入したがこれらのリスク資産にはまだ本格的に向かっていない ( 図表 1) 個人資金の多くは依然として動かしやすい形で待機する状況が続いている個人が保有する現金と流動性預金の合計額が個人金融資産に占める割合は.% と過去最高水準にある ( 図表 1) またマイナス金利の影響により MMF は事実上全てが償還されることになったがその償還資金の多くはリスク資産投資へ向かわず預金へ向かい滞留していると見られる償還資金の一部は MRF に自動的に切り替えられたこともあり MRF の残高は 1 年 11 月には再び 11 兆円台を超えて高水準にあるしかし足下では新たな動きも見られている 1 年第四半期は米国大統領選を契機としたトランプラリーにより投資環境が一変 1 年 1 月には日経平均が年初来高値を更新したまた投資環境を整える制度面での動きとしては 17 年 1 月から個人型確定拠出年金 (DC 愛称 ideco) の利用対象者が主婦や公務員に広がり原則歳未満の誰もが加入できるようになる 1 年末に公表された平成 9 年度税制改正大綱では積立 NISA の創設や実践的な投資教育の推進等が盛り込まれた(Ⅱ 章で後述 ) そのため今後はこれらの動きが個人のリスクテイクや投資行動に及ぼす影響が注目される例えば MMF 運用難で歴史に幕日経ヴェリタス 1/1/ によると MRF に自動的に切り替わる証券会社を除き MMF の償還金の 7 割程度が預金に向かったとの声が証券会社から出ているという 9

10 図表 1 個人金融資産に占めるリスク資産の割合図表 1 個人金融資産に占める現金と流動性預金の割合 1% 7% 1% % 1% % 1% % % 1% % % 1% % % ( 注 ) リスク資産は株式出資金と投資信託の合計 ( 出所 ) 日本銀行資金循環統計より野村資本市場 ( 出所 ) 日本銀行資金循環統計より野村資本市場研究所作成研究所作成 Ⅱ.1 年の NISA の利用状況と 17 年の注目点 1. 金融機関全体における NISA の利用状況次に 1 年の NISA の利用状況を紹介する金融機関全体における NISA 口座の開設利用状況の調査結果は金融庁からヶ月ごとに公表され本稿執筆時点での直近分は 1 年月末時点の調査結果である 7 主なポイントは以下の通りである 1)1 年月末時点の NISA 口座数は 1,9 万, 口座買付額は兆,7 億円 1 年月末時点の NISA 口座数は 1,9 万, 口座買付額は兆,7 億円であった ( 図表 1) 1 年月末時点と比べると口座数は 1.7% 増買付額は.1% 増となり伸び率は 1 年に比べてやや鈍化している買付額の商品別内訳は上場株式が兆 9,9 億円 ( 構成比.7%) 投資信託が兆 1,7 億円 ( 同 1.7%) ETF が 1,1 億円 ( 同 1.7%) REIT が 7 億円 ( 同.9%) であり投資信託が最も多いまた 1 年月末時点と比べると REIT と上場株式の増加率が大きい 7 詳細は参照 1

11 図表 1 NISA の利用状況概要 NISA 口座数と買付額 1 年月末 ( 構成比 ) 1 年月末 ( 構成比 ) 前期比口座数 ( 口座 ) 1,1,9 1,9, 1.7% 増買付額 ( 万円 ) 77,1,7 (1.%) 7,17,9 (1.%).1% 増上場株式 7,1, (.%) 99,1,7 (.7%).9% 増投資信託,7,11 (.%) 17,,71 (1.7%) 7.% 増 ETF 1,11,9 (1.7%) 1,1, (1.7%) 7.% 増 REIT,9, (.%) 7,,9 (.9%) 11.9% 増 NISA 口座数と買付額の推移 ( 万件 ) 1, 1, 買付額 ( 右軸 ) 9 口座数 ( 左軸 ) ( 年. 月 ) ( 注 )1. 口座数は各時点で投資可能な勘定が設定されている口座数. 買付額は 1 年 1 年及び 1 年の利用枠で買付があった金額の合計で買付時の時価により算出. 1 年 9 月末の利用状況は公表されていない ( 出所 ) 金融庁資料より野村資本市場研究所作成 ) 年齢階層別の利用状況 : 歳代以上が過半を占めるが資産形成層も増加 1 年月末時点の年齢階層別の NISA 口座数を見ると歳代が最も多く歳代以上が口座数全体の % を占める ( 図表 17) 1 年月末時点と比べると資産形成層 ( 歳代 ~ 歳代 ) の口座数の増加率が大きいまた年齢階層別の買付額を見るとどの年齢階層でも増加しており買付額自体は歳代が最も多い 11

12 図表 17 年齢階層別の NISA 利用状況年齢階層別の NISA 口座数 1 年 1 年 ( 構成比 ) 月末月末 ( 構成比 ) 前期比総数 1,1,9 (1.%) 1,9, (1.%) 1.7% 増歳代, (.%),1 (.%) 1.7% 増歳代 1,,1 (9.9%) 1,,71 (1.%).% 増歳代 1,9,9 (1.%) 1,1,7 (1.%).% 増歳代 1,717,9 (17.%) 1,77, (1.9%) 1.% 増歳代,,9 (.1%),79,7 (.%) 1.% 増 7 歳代 1,9,9 (19.%) 1,99,9 (19.1%).% 増歳以上 7,9 (.%),17 (.%).% 増年齢階層別の NISA 口座における買付額 1 年月末 ( 構成比 ) ( 出所 ) 金融庁資料より野村資本市場研究所作成 1 年月末単位 : 万円 ( 構成比 ) 前期比全年代 77,1,7 (1.%) 7,17,9 (1.%).1% 増歳代,91, (.7%),7, (.7%).9% 増歳代,1,77 (.%) 9,9,9 (.%) 9.% 増歳代 97,,9 (1.%) 1,99, (1.7%).9% 増歳代 11,1, (1.9%) 11,, (1.9%) 7.7% 増歳代,7,991 (.%) 7,, (.7%) 7.7% 増 7 歳代 171,, (.1%) 1,, (.%) 7.% 増歳以上 1,77, (.7%),,1 (.%) 9.% 増 )1 年月末時点のジュニア NISA 口座数は 1 万,7 口座ジュニア NISA は 1 年 1 月から口座開設の受付が開始され 1 年月から上場株式や投資信託など金融商品の買付ができるようになったジュニア NISA の口座数は 1 年月末時点で 1 万,7 口座である年齢別の内訳を見ると制度を利用できるどの年齢でも口座が開設されているが中でも 1 歳から 17 歳までの口座数は他の年齢に比べるとやや多くなっている ( 図表 1) 1

13 図表 1 年齢別のジュニア NISA 口座数 (1 年月末 ) ( 口座 ), 7,,,,,, 1, ( 年齢 ) ( 注 )1. 口座数は 1 年月時点で投資可能な勘定が設定されている口座数. 調査基準日時点における年齢を示している ( 出所 ) 金融庁資料より野村資本市場研究所作成. 業態別の NISA の利用状況 1)NISA 口座数と買付額全体の約割を証券会社が占める前述の金融庁の調査結果と日本証券業協会の調査結果を用いて 1 年月末時点の業態別の NISA の利用状況を計算した 1 年月末時点の NISA 口座数は証券会社が 1 万口座 ( 構成比 9.%) 銀行等が 17 万口座 ( 同.%) であり買付額は証券会社が兆,99 億円 (.%) 銀行等が兆億円 (.%) である ( 図表 19) 1 年月末時点と比べると増加率は口座数では銀行等が買付額では証券会社の方が大きい図表 19 業態別の NISA の利用状況概要口座数買付額 1 年月末 1 年月末前期比金融機関全体 1,1,9 (1.%) 1,9, (1.%) 1.7% 増証券会社,,79 (9.7%),11,9 (9.%) 1.% 増銀行等,7,1 (.%),17,79 (.%).% 増金融機関全体 77,1 億円 (1.%),71 億円 (1.%).1% 増証券会社,7 億円 (.%),99 億円 (.%).% 増銀行等,7 億円 (7.%), 億円 (.%) 7.% 増 ( 注 )1. 口座数は各時点で投資可能な勘定が設定されている口座数. 買付額は 1 年 1 年及び 1 年の利用枠で買付があった金額の合計なお日本証券業協会の調査結果では買付額は億円単位での公表になっている. 括弧内は金融機関全体における構成比率 ( 出所 ) 金融庁及び日本証券業協会資料より野村資本市場研究所作成詳細は参照 1

14 ) 両業態とも歳代以上の口座が過半を占めるが資産形成層の割合は銀行等が多い 1 年月末時点の NISA 口座の年齢階層別割合を見ると資産形成層 ( 歳代 ~ 歳代 ) は証券会社では.7% 銀行等では.9% を占めている ( 図表 ) 1 年 1 月末時点と比べるとこの割合は両業態でそれぞれ.% ポイントずつ増えている図表業態別の NISA 口座の年齢階層別割合 (1 年月末 ) 証券会社銀行等歳以上 9.7% 歳代.7% 歳代 1.% 歳以上.% 歳代.% 歳代 9.7% 7 歳代.% 歳代 1.7% 7 歳代 17.% 歳代 1.% 歳代.% 歳代 1.1% 歳代 7.% 歳代 1.% 歳代 ~ 歳代.7% ( 参考 :1 年 1 月末 1.7%) 歳代 ~ 歳代.9% ( 参考 :1 年 1 月末.9%) ( 出所 ) 金融庁及び日本証券業協会資料より野村資本市場研究所作成. 平成 9 年度税制改正大綱から見る 17 年の注目点 1 年 1 月日に与党から平成 9 年度税制改正大綱が公表され同月日に閣議決定されたこの税制改正大綱に盛り込まれた措置のうち家計金融資産に係る措置についての概要と今後注目される論点は下記の通りである 1) 積立 NISA の創設平成 9 年度税制改正大綱に盛り込まれた措置のうち家計金融資産に係る措置の目玉となったものが積立 NISA の創設であるこれは少額からの積立分散投資を促進することを目的に創設されたもので年間投資上限額万円非課税期間年間とされ現行 NISA に比べると年間投資上限額は低いが非課税期間はより長期とする措置である ( 図表 1) 投資商品については累積投資に適した公募株式投資信託と ETF に限定される税制改正大綱では 1 信託契約期間の定めがないこと又は年以上の信託契約期間が定められていること収益の分配は原則として信託の計算期間ごとに行うこととされておりかつ月ごとに行うこととされていないこと信託財産は複数の銘柄の有価証券又は複数の種類の特定資産に対して分散投資をして運用を行いかつ一定の場合を除いてデリバティブ取引への投資による運用を行わないことが求められている選定基準の詳細は 1

15 まだ公表されていないがバランス型ファンドや非毎月分配型ファンド等が対象になると見られている投資方法については定期定額での積立投資に限定される口座開設可能期間は 1 年 1 月 1 日から 7 年 1 月 1 日までである NISA 利用者は 1 年からは現行 NISA と積立 NISA のどちらか一つを選んで利用することになる実は当初金融庁の税制改正要望では投資上限額万円非課税期間年間の措置が要望されていたこれに比べると今回決定された積立 NISA は投資上限額は小さいが全体の非課税額は万円年間 = 万円であり現行 NISA(1 万円年間 = 万円 ) や財形貯蓄を上回るこの税制優遇枠の拡大の観点からもまた 1 年超の政策減税を勝ち取った観点からも今回の積立 NISA の創設は注目されるものである図表 1 積立 NISA と現行 NISA の比較積立 NISA いずれかを選択現行 NISA 年間の投資上限額万円 1 万円 ( 平成 7 年は 1 万円 ) 非課税期間年間年間口座開設可能期間投資対象商品年間 ( 平成年 ~ 平成 9 年 ) 積立分散投資に適した一定の公募等株式投資信託 ( 商品性について金融庁が定める要件を満たしたものに限る ) 1 年間 ( 平成年 ~ 平成年 ) 上場株式公募株式投資信託等投資方法契約に基づき定期かつ継続的な方法で投資制限なし ( 単位 : 万円 ) 1 ( 単位 : 万円 ) 1 ロールオーバー可 1 1 制度イメージ年間 1 年間 ( 一定期間ごとに口座開設者に係る確認を実施 ) ( 出所 ) 財務省資料 ( 平成 9 年度税制改正大綱参考資料 ) より野村資本市場研究所抜粋 ) 現行 NISA に係る措置現行 NISA については非課税期間 ( 現行 : 年間 ) 終了時の対応の見直しが行われる NISA の非課税期間終了時に次の非課税期間へロールオーバーできる上場株式等の価額の上限額が撤廃されたため含み益が出ている場合でもそのまま次の NISA 枠へ移すことが可能になるただし含み損が出ている場合には課税口座への払出額を取得価額とすることも金融庁は要望していたがこの扱いは見送られたまた今回の税制改正大綱では取り扱い金融機関への要件として当該金融商品取引業者などの営業所の長は非課税口座が開設された日の属する年の 1 月 1 日以後 1 年を経 1

16 過する日及び同日の翌日以後年を経過する日ごとにこれらの日において当該非課税口座を開設している居住者などの住所地等を確認することが新たに加えられた ) この他の家計金融資産に係る措置この他の家計金融資産に係る措置としては相続時における上場株式等の物納順位について第一順位の資産と同等になるよう見直しが行われるこれまでは物納財産として国債及び不動産等が第一順位であったが今後は株式社債及び証券投資信託等の受益証券のうち金融商品取引所に上場されているもの等も同順位となるまた物納財産の範囲に投資証券等のうち金融商品取引所に上場されているもの等を加えこれらについても第一順位となるただし金融庁が要望していた項目のうち 1 上場株式等の相続税評価額について相続時から納付期限までの価格変動リスクを考慮したものとすること相続時以後通常想定される価格変動リスクの範囲を超えて価格が著しく下落した上場株式等については評価の特例を設けることの二点は見送られたまた金融所得課税の一体化については与党税制改正大綱では検討事項としてデリバティブを含む金融所得課税の更なる一体化については投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備し証券金融商品を一括して取り扱う総合取引所の実現にも資する観点から多様なスキームによる意図的な租税回避行為を防止するための実効性ある方策の必要性を踏まえ検討するとされた金融庁は金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引預貯金などにまで拡大することを要望してきたが今後も引き続き検討されることとなった ) 今後の注目点今後の注目点として下記の三つの論点が挙げられる第一に NISA については今後も制度改革の議論が継続されることである与党税制改正大綱では基本的考え方としてまた前述の個人所得課税改革において老後の生活など各種のリスクに備える自助努力を支援する公平な制度の構築に向けた検討を行う中で NISA 全体に係る整理を行うこうした方針に沿って制度の簡素化や税制によって政策的に支援すべき対象の明確化の観点から複数の制度が並立する NISA の仕組みについて少額からの積立分散投資に適した制度への一本化を検討するとされたまた金融庁が要望していた現行 NISA の投資可能期間 ( 現行 : 平成年まで ) の恒久化については今回の改正では見送られたものの今後も議論は継続されると見込まれる第二に家計による資産形成に係る論点として 1 投資教育の議論が進められることや資産形成の議論の幅が広がることである 1の投資教育については与党税制改正大綱では基本的考え方として ( 積立 NISA の ) 創設に当たっては投資初心者でも理解できるよう複数の銘柄等によるリスクの集中の回避が図られた投資信託に商品を限定するとともに実践的な投資教育をあわせて推 1

17 進することが重要であるまた非課税投資の期間が長期にわたることも踏まえ制度の適正な利用について定期的な点検ができる体制の構築を前提とするとされた金融庁では平成年度金融行政方針にも示された通り積立 NISA 投資教育フィデューシャリーデューティーの確立を総合的に取り組む姿勢を示しており今後は投資教育についての議論も進展すると見込まれるの資産形成については与党税制改正大綱では基本的考え方として老後の生活など各種のリスクに備える自助努力を支援するための企業年金個人年金貯蓄投資保険等に関連する諸制度のあり方について社会保障制度を補完する観点や働き方の違い等によって有利不利が生じないようにするなど公平な制度を構築する観点から幅広い検討を行うとされた 17 年 1 月から ideco の加入対象者が拡大し安倍政権になってから時限的に導入された家計資産に係る措置も順次期限を迎えることもあり今後はこれまでの議論の中心だった NISA に限定せずより幅広な議論が展開されると見込まれる第三に家計金融資産全体に係る論点として金融所得課税のあり方についても議論が進むと見込まれることである与党税制改正大綱では基本的考え方として金融所得課税のあり方について税負担の垂直的な公平性などを確保する観点から諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ必要な検討を行うとされた昨年度の大綱でも金融所得課税のあり方について言及されていたものの今年は具体的な表現が加わった点には注目しておくべきだろう 17

野村資本市場研究所｜個人金融資産動向：2016年第4四半期－マイナス金利下で現預金への滞留が続く－（PDF）

野村資本市場研究所｜個人金融資産動向：2016年第4四半期－マイナス金利下で現預金への滞留が続く－（PDF）野村資本市場クォータリー 17 Spring 個人金融資産動向 :1 年第四半期 - マイナス金利下で現預金への滞留が続く - 宮本佐知子要約 1. 日本銀行資金循環統計によると 1 年 1 月末の個人金融資産残高は 1, 兆,3 億円 ( 前期比.7% 増前年比.9% 増 ) となった個人金融資産の % を占める現金預金が前年から 1.% 増加し過去最高となった一方米国大統領選後に円安