第16回日本ヘルニア学会学術集会.indd

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1 支部推薦演題 第 16 回日本ヘルニア学会学術集会

2 支部1-1 支部1-2 腹腔鏡下に観察した男性大腿ヘルニアの特徴 福島健太郎 横山 清水 明 本山 寺田 立人 坂井 3 第10回東北ヘルニア研究会アンケート調査 東北地方の鼠径ヘルニア手術の動向 隆秀1,2 三輪 史郎3 小林 聡 博章 野竹 剛 北川 敬之3 紘紀 細田 清孝 宮川 眞一 信州大学医学部 消化器 2 昭和伊南総合病院 岡谷市民病院 高野 祥直 川村 英伸2 金田 晃尚 小林 拓史 阿左見亜矢佳 河村 英恭 中山裕次郎 外舘 幸敏 藁谷 暢 鈴木 伸康 総合南東北病院 支部1-4 縫合閉鎖術後の再発上腰ヘルニアの1例 腹膜陥凹のない腹膜外型膀胱ヘルニアの2症例の経験 正人 小倉加奈子 辺土名克彦 林 大森 敬太 當山 鉄男 大城 中頭病院 圭吾 卸川 直人 智文 間山 泰晃 膀胱ヘルニアは鼠径ヘルニアの中で比較的まれな病態で 術前診断 されず術中偶発的に見つかることもあるが 中でも腹膜外型は腹腔 側からヘルニア門を確認できないためTAPP transabdominal preperitoneal repair ; 以下TAPP 法での見落としが生じうる 今回 我々は 術中認識できず鼠径部切開法による再手術を要した 両側膀胱ヘルニアの症例と その経験を生かし2 術前診断しTAPP 法を遂行した症例を経験したので報告する 症例 64歳 男性 左鼠径部の膨隆を主訴に受診 診察および超 音波検査で両側鼠径ヘルニアが疑われ 術式はTAPP法を選択した 初回手術で右はヘルニア所見なしと判断 左のみ施行した 約2ヶ月後 に左鼠径部の膨隆を自覚し再診 CTで両側鼠径部に膀胱の脱出を認 め 両側鼠径部切開法 UHS による再手術をおこなった 結果とし て 左は不十分な内側剥離による再発 膀胱ヘルニアの見落とし 右は術前診断が付いていないことによる腹膜外型膀胱ヘルニアの見落 としであったと考えられた 症例2 66歳 男性 右鼠径部の膨隆を主訴に受診 排尿時の違和感 の訴えがあり術前にCTまで施行したところ 右の外鼠径ヘルニアと左 で膀胱脱出を伴う内鼠径ヘルニアを認めた 術中腹腔内から左はヘル ニア門を観察できなかったが 術前診断に基づき両側でTAPP法を完 遂した はじめに 縫合閉鎖術で再発をきたした上腰ヘルニアの1例を経験 したので報告する 症例 67歳 男性 当院形成にて左腰背部 の皮下軟部腫瘤の術前診断で手術が施行された 術中所見で後腹膜 から皮下に脱出する脂肪組織を認めたため 脂肪組織の切除及び腹 壁欠損部の縫合閉鎖術が施行された 半年後に再び左腰背部膨隆を 自覚し 当科紹介となった 腹部CT検査で左腰背部筋に欠損があり 同部より皮下に下行結腸の脱出を認めた 以上より左上腰ヘルニア再 発と診断し 手術を施行した 手術所見では第12肋骨下縁 内腹斜筋 後縁 脊柱起立筋外縁より構成される7cm大のヘルニア門を認めた 15cm 15cmのMarlex meshをonlay patch縫着し ヘルニア門を 閉鎖した 現在 術後6ヶ月を経過し再発は認めていない 考察 稀 な腹壁ヘルニアである上腰ヘルニアで再発を来した1例を経験した 腰背部膨隆の鑑別には本疾患を念頭に置き 画像検査を行うことが肝 要である また 再発予防 再発治療においては全身麻酔下に十分なヘ ルニア門の観察を行い ヘルニア門が大きい症例はメッシュを用いた tension-freeヘルニア修復法を選択することが重要である 151 支部推薦演題 支部1-3 新潟県立中央病院 第10回東北ヘルニア研究会を開催するにあたり 第4回の東北ヘルニ ア研究会以降2回目のアンケート調査をおこなったので報告する 東北 地区 系施設の330施設にアンケートを依頼し 59施設 18% から回答を得た 成人鼠径ヘルニア手術は 57施設で年間4351例 4 から256例 中央値 75例 平均値 76例 が行われ 術式の第一選 択は Kugel法を含む鼠蹊部切開メッシュ法42施設 腹腔鏡が15施設 であった 鼠蹊部切開メッシュ法ではUnderlay法が27施設と最も多 かったがKugel法を第一選択にしている施設は3施設であった 次に Direct Kugel法 Plug法 PHS法 リヒテンシュタイン法の順となっ た 腹腔鏡の術式は TAPPを第一選択としている施設のみで TEP 導入施設も3施設認めたが いずれもTAPP導入施設の第二選択以降 の術式としていた 再発例に対する手術は173例に施行され 再発前 の術式は鼠径部切開法が158例 腹腔鏡13例 ハイブリッド法2例で あった 前回のアンケートとの比較では 腹腔鏡導入施設が4施設から 30施設に増加 ヘルニア専門クリニックが開設され年間200例以上の 手術が行われている施設がみられた点が大きく異なっていた 小児鼠 径ヘルニア手術は 24施設 40.6 で年間562例 1から114例 中 央値 10例 平均値 23例 が行われ 第一選択はPotts法 18施設 LPEC法 5施設であった LPECは9施設で実施されていた 目的 大腿ヘルニアは比較的頻度は低いが 高齢女性に多く 嵌 頓のリスクが高い疾患である 我々は 大腿ヘルニアの治療に際し myopectineal orificeを十分補強する目的でtapp法による修復を 行っている 腹腔鏡下に観察した大腿ヘルニアについて検討した 方法 2000年10月から2017年9月の間に県内3施設で鼠径部ヘル ニアに対し TAPP法を施行した症例のうち 記録の収集し得た692例 を対象とした 大腿ヘルニアの発症リスクについて検討し さらに性別 による大腿ヘルニア発症について検討した 結果 692例中 64例 9.2% に大腿ヘルニアを認めた 男性567 例中22例 3.9% 女性125例中42例 33.6% 年齢中央値77歳 42-89歳 10例は両側に大腿ヘルニアを認めた 手術時間 術後 在院日数 術後合併症は非大腿ヘルニア症例と差を認めなかった 多 変量解析では 女性 P 歳以上 P = BMI 18.5未満 P = 0.00が独立した発症危険因子であった 続いて 性 別を分けて検討を行った 男性大腿ヘルニアにおいて喫煙歴および心 血管併存疾患を有する症例が有意に多かった また 男性大腿ヘルニ アは併存ヘルニアの構成要素としての発症が有意に高かった 84.0% vs. 44.9%, P = 0.00 結語 男性大腿ヘルニアは全鼠径部ヘルニアの3.9%と少数ではあ るが 併存ヘルニアの一部として認められることが多く 鼠径部切開法 による修復を行う際にも留意する必要があると考えられた 水戸 2 盛岡赤十字病院

3 支部1-5 支部1-6 大腿ヘルニア嵌頓に対して腸管切除を伴う腹腔鏡下 ヘルニア修復術を施行した一例 加藤 隆二 大曽根勝也 高橋 茂木 陽子 小川 博臣 桑野 群馬大学医学部総合学 合学 肝胆膵 遼 高田 博行 調 鼠径ヘルニアS状結腸滑脱に対する根治術後再発に対 する治療approach 考大 憲2 小松﨑修平 久倉 勝治2 金子 宜樹2 馬上 頌子2 栗盛 洸2 大和田洋平2 小川 光一2 大原 佑介2 明石 義正2 榎本 剛史2 大河内信弘2 消化管 2 群馬大学医学部総 筑波大学附属病院 緒言 滑脱鼠径ヘルニアは ヘルニアsacの一部を臓器が裏打ちし た状態で 手術操作が困難で再手術率が高いと言われている 当院で 経験し再発した1例を提示する 症例 71歳男性 10年前より左鼠径部膨隆を自覚 1年前より同部の 圧迫感が出現し用手還納できなくなったため左鼠径ヘルニアの診断で 紹介された 既往にリポイド類壊死症があり 抗凝固2剤でコントロー ルされていた 前方アプローチにより根治術を施行 最終的には鼠径 部6 の皮切で開創 ヘルニア嚢が一部開放されたため内腔を確認す ると 陰嚢先端までS状結腸後腹膜癒着部が滑脱脱出しており左外鼠 径ヘルニアS状結腸滑脱 Ⅰ-3型 の診断 陰嚢を反転するようにし ヘルニア嚢全体を剥離し還納しDirect Kugel Mで修復した 術翌日 翌々日に後出血による腫脹を認めたが保存的に軽快した 術後6か 月でヘルニア再発を認めたため 再手術とした 腹腔鏡下誘導前方ア プローチで施行 パッチの尾側が剥がれるように逸脱 ヘルニア嚢およ びS状結腸が滑脱していた 恥骨 Cooper靭帯背側の癒着が軽度で あり 前回手術の際の剥離不十分が示唆された 前回のMのパッチを 覆い隠すよう Direct Kugel Lで定型的に修復 現在まで再発はな い まとめ 滑脱型に対しての腹膜前腔剥離は 膀胱損傷等の危険性が あるものの 恥骨後面までの十分な剥離操作が必要であり 再発時に は腹腔鏡下誘導前方切開法 ideal-hybr ID法 が有用である事が 示唆された 症例 81歳女性 主訴 嘔吐 現病歴 X月Y日14時頃からの嘔気 嘔吐あり 症状改善ないためY+1日未明に当院救急搬送となった 既 往歴 4年前に直腸癌に対してMiles手術後 来院時身体所見 右鼠 径部 鼠径靱帯尾側に鶏卵大の膨隆あり CT 右大腿管から小腸の 脱出を認める 来院後経過 右大腿ヘルニア嵌頓の診断で 徒手整復 施行 その後 腹部症状は速やかに改善し 腹痛の増強などは認めな かった 来院翌日に準緊急で腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した 手 術所見 腹腔内に少量の血性腹水を認め 約10cmにわたって暗赤色 に変化した小腸を認めた 右大腿管にφ1.5cmのヘルニア門を認め た 腹腔鏡下ヘルニア修復術 TAPP法 を行い 3D max light M を使用した 腹膜を完全に閉鎖後 臍部を約3cm小開腹して壊死小腸 を切除 器械吻合 FEEA を行い手術終了した 術後経過 術後経 過は良好で メッシュ感染などなく術後12日目に軽快退院となった 支部1-7 支部2-1 不顕性ヘルニアの顕性化に関する検討 井田 大坪 圭亮 小林慎二郎 佐々木奈津子 小泉 毅人 聖マリアンナ医科大学病院 消化器 2 筑波大学附属病院 股関節痛の原因が両側閉鎖孔 両側大腿ヘルニアで あった関節リウマチの1例 哲 仲地 厚 知念 澄志 辻村 一馬 安里 昌哉 澤岻 大田 守仁 嵩下英次郎 比嘉 国基 我喜屋 亮 照屋 消化器 一般 豊見城中央病院 安勝 剛 はじめに 股関節痛は 外傷や運動負荷などの筋骨格系疾患や膠原 病の多関節症状の部分症状として出現する場合が多い 今回 関節リ ウマチ治療中に出現した股関節痛に対して閉鎖孔ヘルニアと診断し手 術をおこなった症例を報告する 症例 60歳代 女性 主訴は左股 関節痛と左大腿部痛 既往は虫垂切除術 関節リウマチの治療中 約 3年前に左大腿部痛が出現し近医整形を受診 左股関節の内外旋で 股関節と膝関節痛が誘発された MRI検査で左股関節筋壊死が疑わ れたものの症状が軽快し保存的治療が行われていた 通院途中から 開脚位で両側の股関節痛が出現し軽快せず当院紹介となった 両鼠 径部に膨隆なく両鼠径部に圧痛軽度 骨盤MRI検査では 左恥骨筋と 内外閉鎖筋間に高信号領域を認め CT検査では 同部位に脂肪と同 等の低吸収域を認めた 股関節炎としては疼痛範囲が広く典型的でな く 関節リウマチ関連の股関節痛と鑑別を要したものの HowshipRomberg徴候類似の所見があり両側閉鎖孔ヘルニアと診断した 手 術は腹腔鏡下手術 TAPP を施行 所見では両側閉鎖孔ヘルニアと 両側大腿ヘルニアであった 手術時間2時間11分 術後から股関節痛 は消失し1年経過し疼痛の再燃はない まとめ 股関節痛の原因とし て筋骨格系疾患や膠原病内科的疾患を鑑別として疾患検索を行うこと が多いが 両側閉鎖孔 大腿ヘルニアを念頭に診療を行う事も重要で ある 鼠径ヘルニア手術後の対側発症の中には膨隆などの症状のない潜在 性の鼠径ヘルニア いわゆる 不顕性鼠径ヘルニア の顕性化が含まれ ている. しかし 不顕性鼠径ヘルニア の有病率や顕性化について画 像を用いて検討した報告は少ない 当院では 鼠径ヘルニアの術前に 鼠径部を除圧した状態での腹臥位CT ヘルニアスタディ を撮影し ており 術前に不顕性ヘルニアの診断が可能である 鼠径ヘルニアの 術前に施行されたヘルニアスタディによって不顕性ヘルニアを指摘さ れ,経過観察を行った症例を対象として 不顕性ヘルニアの顕性化と その危険因子について検討した 2006年1月から2015年12月まで に鼠径部ヘルニアの術前に対側の不顕性ヘルニアと診断されたが経 過観察となった77例を対象とした.このうち27.3% 21例 が顕性し 5年の顕性化率は23.3%であった 危険因子の検討では,初回手術を 行った側のヘルニアの大きさが有意な因子であった 顕性化群で平均 157.6cm3,非顕性化群で77.8cm3 P= また,有症状側の大き さがcut off値で44.5cm3以上での5年の顕性化率は32.5% 13例 で, 44.5cm3未満では13.5% 5例 であった P= 不顕 性ヘルニアの顕性化率は比較的高く 特に有症状側のヘルニアが大き い症例での不顕性ヘルニアは顕性化しやすいので,注意深い経過観察 や,同時もしくは早期の手術を考慮すべきであると考えられた. 152

4 支部2-2 支部2-3 当院を受診した鼠径部ヘルニア嵌頓の治療方針 有末 青木 篤弘 川村 毅一 畠山 英伸 佐藤 元 杉村 馨 石橋 好彦 正久 伊藤 当科における前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニア手術 例の検討 大谷 将秀 長谷川公治 庄中 達也 大原みずほ 宮本 正之 谷 誓良 浅井 慶子 玉木 岳2 松野 直徒 古川 博之 千絵 盛岡赤十字病院 旭川医科大学学講座 大学 腎泌尿器学講座 緒言 前立腺全摘除術後の合併症として高頻度に鼠径ヘルニアを発 症することが知られている 目的 前立腺全摘除術後に当科で修復した鼠径ヘルニアについて検 討する 対象 方法 2011年1月から2017年9月に当科で鼠径ヘルニアに対 して手術を施行した231症例 265病変 について 前立腺全摘除術の 既往がある29例 40病変 を既往群 他の192例 225病変 を対照 群としてretrospectiveに検討した なお異時性手術例は同一症例と した 結果 手術時 異時性両側例は初回時 年齢中央値は既往群 歳 対照群 歳 BMI平均値は既往群22.6kg/ m 2 対照群23.3kg/m 2で有意差を認めなかった ヘルニア患側につ いて 両側例は既往群11例 38% 対照群33例 17% で 既往 群で優位に多かった p=0.01 また片側例 既往群18例 対照群 159例 のうち 右側例は既往群14例 78% 対照群76例 48% で 既往群で優位に多かった p=0.017 前立腺全摘除術は開腹10 例 34% ミニマム創9例 31% ロボット支援下10例 34% で あった 前立腺手術からヘルニア手術までの期間の中央値は 月であった 既往群の手術診断は全て間接鼠径ヘルニアであり 修復は鼠径部切開法で行い 39病変に対してPlug法 1病変に対して Lichtenstein法で修復し 全例で再発を認めていない 結語 前立腺全摘除術後の鼠径ヘルニアは両側例や右側片側例が 多い特徴を有し 鼠径部切開法で再発なく修復しえた はじめに 鼠径部ヘルニア嵌頓は発生部位 ヘルニア内容など複雑 で治療法に難渋することも多い 当院で2011年から2017年に受診し た鼠径部ヘルニア嵌頓について報告する 対象 対象は 鼠径 大 腿 閉鎖孔ヘルニア嵌頓で当院を受診した62例で 17例は還納可能で あり 準緊急で手術加療となったが 45例は還納されずに緊急手術に 至った 結果 準緊急で手術となった17例は鼠径13例 大腿3例 閉 鎖孔1例で 緊急手術に至った45例は 鼠径22例 大腿10例 閉鎖孔 13例であった ヘルニア修復には 主にKugel or D.Kugel法が施行 され その他McVayやIPTR Lichtenstein TAPP 2期的に根治し た症例もあった ヘルニア内容が腸管で 切除を要したのは7例で 当 院では鼠径部の創と別に正中小切開創で行うことで メッシュ感染と ヘルニア再発を極力減らす方針としている 正中創の感染は1例認めた が メッシュの感染やヘルニア再発はなかった 癌末期であった2例は 死亡退院となった 結語 腹膜炎のない鼠径部ヘルニア嵌頓のうち 小腸切除が必要となった症例は当院では11.2 と多くはないが 鼠径 部切開法 人工膜修復術と別創による腸管切除を行うことで安全に施 行可能であると思われた 支部2-5 臍部の腹壁瘢痕ヘルニア術後のメッシュ関連合併症 を起こした2症例について 聡美 三浦 敬史 藤井 宏樹 廣田伊千夫 江口 医療法人原三信病院 IPOM-plus術後の鼠径ヘルニア手術時にヘルニア嚢 内に脱落したタッカーを認めた1例 佐野 恵美 伊藤 宮野 裕 今泉 成高 義彦2 圭 小原井朋成 橋爪健太郎 徹 嘉智 吉松 理枝 荻原 埼玉済生会栗橋病院 はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアに対する治療法としてメッシュなどの 人工材料を用いた修復術が広く行われているが術後合併症として感染 や再発が報告されている 今回 臍部の腹壁瘢痕ヘルニアに対して他 院でメッシュを用いた修復術を施行され 術後メッシュ関連合併症が 疑われた2症例を経験した 症例1 88歳男性 虫垂切除後の腹壁 瘢痕ヘルニアに対して2年半前に腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術を 施行された 術後に臍部のポート創の腹壁瘢痕ヘルニアを認め 疼痛 を伴うようになったため半年前に腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行され た 術後も臍部の疼痛が持続しメッシュ感染が疑われたため手術を施 行した 臍直下にメッシュが拘縮し癒着していたため臍と共に合併切 除し単純閉鎖法による腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した 症例2 52歳男性 3年前に腹腔鏡下胆嚢摘出術の臍部ポート創に腹壁瘢痕 ヘルニアが出現した 1年半前に腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行され たが 半年前より臍部の疼痛と排膿が出現しメッシュの露出を認めた メッシュ感染の診断で手術を施行した 臍直下にメッシュが拘縮し小 腸と高度に癒着していた メッシュを臍と共に合併切除し単純閉鎖法に よる腹壁瘢痕ヘルニア修復術 小腸部分切除術を施行した 考察 2 症例とも術後の経過は良好で 現在明らかな感染徴候や再発は認めて いない 腹壁瘢痕ヘルニア修復術後のメッシュ関連合併症について若 干の文献的考察を含めて報告する 和彦 小池 太郎 哲 小寺麻加 2 東京女子医大東医療センター 症例は74歳男性 2015年6月に胃癌で開腹胃全摘施行 StageIA 2016年6月のサーベイランスCTで腹壁瘢痕ヘルニアを認め 11月に 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術 IPOM-plus を施行した ヘルニ ア門は6 6cmで のメッシュを用い タッカー45発をダブル クラウン法で腹壁に固定した 1ヶ月後の12月に右鼠径部の疼痛と膨隆の訴えがあり 右鼠径ヘルニ アの診断で 同月に前方アプローチで手術を行った 右I-2ヘルニアに 対し UHSメッシュを用いたヘルニア根治術を施行したが 術中ヘルニ ア嚢を解放したところ ヘルニア内容は腹壁瘢痕ヘルニアの手術で使 用したタッカーであった ヘルニア内容であったタッカーは計12個であり 腹壁瘢痕ヘルニアの メッシュのタッキングが1ヶ月後の時点で少なくとも25%前後は脱落し ている可能性が示唆された 本邦での鼠径ヘルニアのヘルニア内容に タッカーを認めた報告はなく 大変興味深い症例と思われる 153 支部推薦演題 支部2-4 伊達 当間 消化器病態学分野 2 旭川医科

5 支部2-6 支部2-7 初期研修医が行う鼠径ヘルニア修復術の検討 岩谷 昭 窪田 新潟市民病院 晃 塩井 当科における再発鼡径ヘルニアに対する鼡径ヘルニ ア修復術 生馬 安居 消化器 JCHO金沢病院 支部3-1 悟 支部3-2 Knotless Tissue Control Devicesにて縫縮し IPOM-plusを行った腹壁瘢痕ヘルニアの一例 正博 谷口 善久 奧村 大輔 藤本 はじめに メッシュを用いたテンションフリー法後の再発例では高 度の癒着が考えられ 手術は困難である 当科で施行した再発鼡径ヘ ルニアに対する手術手技を供覧し治療成績につき報告する 手術手 技 メッシュプラグ 以下MP 法後の再発ではTAPP法を第一選択と しており プラグ周囲以外の癒着は軽度で腹膜前腔の剥離が可能の場 合が多い 前回挿入されたプラグは無理には摘出せず 新たにメッシュ を貼付している Direct Kugel法やTAPP法など腹膜前修復法後の再 発例では腹腔鏡観察下に手術方法を選択している TAPP法を行う場 合は腹膜縫合を意識した丁寧な剥離が重要で メッシュを前回のメッ シュとオーバーラップするよう固定した後に内側の腹膜やヘルニア嚢 を利用して腹膜縫合を行っている 結果 10年間に23例 24側 の テンションフリー法後の再発例を経験した メッシュプラグ法後の13例 14側 に対しては全例TAPP法を施行した 腹膜前修復法後の10例 TAPP法後8例 Direct Kugel法後2例 に対しては 8例にTAPP 法を施行し I型で再発した1例には腹腔鏡観察下にMP法で修復し た 現在のところ全例再発なく経過している 結語 再発鼡径ヘルニ アに対しては腹腔鏡観察下に それぞれの症例に合わせた手術方法の 選択が重要と考えられた 当科での鼠径部ヘルニア手術症例は 年間約 例で 約8割を 前方アプローチで行っている 前方アプローチの術式は 2013年まで はBilayer patch法を行っていたが 2014年からはDirect Kugel法 を第一選択としている 前方アプローチの約2割を 初期研修医が執 刀している 初期研修医の指導のため最近では 術前に教育用の手術 動画を使用し 術後も執刀した動画を編集し発表する機会を与えてい る 初期研修医が執刀した症例を検討したところ 手術時間は81分と 有意に長くかかっていたが 術後成績は問題なかった また 過去2年 間に研修した初期研修医にアンケート調査を行ったところ を志さ ない研修医でも 鼠径ヘルニア手術の執刀は必要との回答がほとんど で 執刀について前向きな意見が多かった 初期研修医が執刀する鼠 径ヘルニア修復術の安全性は問題ないと思われ 研修にとっては 有用なものと思われた 藤田 内藤 利晃 東野信之介 松井 桂三 渡部 武弘 丸野 帝京大学医学部附属溝口病院 真人 平能 要 藤野 康充 小林 昇三 嵌頓解除後に腹腔鏡下修復術を行った超高齢者大腿 ヘルニアの一例 隆司 島田 幸典 井上 嶋田病院 諭 古垣 浩一 都志見貴明 症例は97歳の女性 約4時間前からの繰り返す嘔吐を主訴に当院へ 救急搬送された 来院時 左鼠径部にゴルフボール程度の大きさで圧 痛を伴う腫瘤を認めた 腹部X線検査では骨盤腔に小腸ガスを多量 に認め 腹部 骨盤部単純CT検査では左鼠径部の大腿動静脈内側 に小腸とみられる腫瘤 また骨盤内に拡張した腸管を認め 左大腿ヘ ルニア嵌頓と診断された ヘルニアは用手的に還納された 同日より 経過観察目的に入院し 入院3日目に腹腔鏡下ヘルニア根治術を行っ た 全身麻酔下 体位は仰臥位 臍部 右側腹部に5mmポート 左側 腹部に3mmポートを留置し 計3ポートで行った 腹腔内を検索した ところ 術前の診断通り左大腿ヘルニアであった 右側には鼠径部ヘ ルニア 閉鎖孔ヘルニアは認めなかった 嵌頓していた部位と思われ る発赤を伴った小腸を認めたが明らかな虚血壊死所見は認めなかっ た 腹膜前腔の剥離を進め 大腿輪を含めたmyopectineal orifice MPO を露出し メッシュを使用しヘルニア修復術を行った 手術 時間は56分 出血は少量であった 術当日の夕方から歩行 食事を開 始し 術後2日目に軽快退院した 大腿ヘルニアの多くは 非還納 絞 扼の状態で緊急手術することが多いが 今回の症例は幸いにも還納が 可能であった 97歳と超高齢であったが待機的に腹腔鏡下ヘルニア根 治術を行い 良好な結果が得られたので若干の文献的考察を加えて報 告する 腹壁瘢痕ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術として腹腔内にメッシュを 置くIPOMが広く行われている しかしながら筋膜欠損部が遺残するこ とによる漿液種 bulgingが機能面 整容面で問題になることがあり これらの問題を解決する術式として筋膜欠損部を閉鎖したのちに腹腔 内にメッシュを置くIPOM-plusが開発された 今回Knotless Tissue Control Devicesにて縫縮しIPOM-plusを行った腹壁瘢痕ヘルニア の一例を報告する Tissue Control Devicesはテンションのかかる 筋膜閉鎖での使用を目的に開発されたノットフリー縫合デバイスで結 紮を行わずに組織を安定保持することが可能である 症例は69歳 女性 既往歴 S状結腸癌 糖尿病 高血圧 現病歴 S状結腸癌の follow中に左下腹部の小切開部の腹壁瘢痕ヘルニアが出現 手術を 希望された 腹部所見は左下腹部に小切開があり 切開部には約7 15cmのヘルニア門を認めた CT 左下腹部に腹壁瘢痕ヘルニアを認 め S状結腸癌の再発はない 手術 腹腔鏡下腹壁瘢痕修復術を予定 した 術中所見 左下腹部に8 20cmのヘルニア門を認めた ヘルニ ア門をKnotless Tissue Control Device STR ATAFIX にて縫縮 したのちにメッシュ cm を腹壁に固定した 術後経過良 好で 術後8日目に退院となった 術後6か月の現在も再発などはない Knotless Tissue Control DevicesによるIPOM-plusは有用であっ たため 術中ビデオを供覧し報告させていただく 154

6 支部3-3 支部3-4 巨大腹壁瘢痕ヘルニアに対するIPOM-plus with Endoscopic Component Separationの経験 宮木祐一郎 田原 鈴木 一史 聖隷浜松病院 俊哉 髙部 裕也 町田 Parastomal herniaに対するメッシュを用いた腹腔 鏡下修復術 浩道 牛田進一郎 助川 渡辺 直人 鈴木 英二2 日本医科大学武蔵小杉病院 化器 当院では腹壁瘢痕ヘルニアに対する基本術式をIPOM-plus法とし ている ヘルニア門を閉鎖し腹壁機能を改善させる術式であるが 術 後にCT検査を再検討するとヘルニア門が再開大している症例を多 く経験する ヘルニア門に対する緊張を緩和することで 再開大によ る再発を抑制し有効な腹壁機能を維持できると考え Endoscopic Component Separation ECS をIPOM-plus法に併施した術式 を導入している ヘルニア門径4cm以上10 未満の症例 EHS分類W2 に対しては 腹直筋後鞘の切開受動のみを追加したPartial ECS併施の対象として いる ヘルニア門径10 以上15cm未満の症例 EHS分類W3 に対 しては 両側外腹斜筋健膜の切開受動をさらに加えたComplete ECS 併施の対象としている ヘルニア門径15cm以上の症例に対しては ヘ ルニア門閉鎖後の腹腔内視野確保が困難になるためComplete ECS を加えた開腹手術の適応としている 2016年12月以降 Complete ECS併施の腹壁瘢痕ヘルニア手術を6 症例に対して施行した 手術時間に有意な延長があるものの 再発や 合併症 手術出血量 術後在院日数に有意な差は認めなかった 短期 経過は良好であり 長期経過について引き続き検討していきたい 英之 中田 亮輔 消化器 2 日本医科大学 消 Parastomal herniaは人工肛門造設術後の比較的頻度の高い晩期合 併症の一つであり 単孔式結腸人工肛門の4 48.1% 双孔式結腸人 工肛門の0 30.8%にみられると報告されている 嵌頓 腸閉塞 疼 痛 装具装着困難 皮膚障害 整容性などが手術適応として挙げられ るが 多くは無症状でありほとんどが保存的に経過観察とされる 予防法として 腹直筋内法 後腹膜経路 Cleaveland Clinicマーキン グ法などが挙げられるが いまだ確立された治療法がないのが現状で ある 手術治療として 筋膜縫縮術 人工肛門再造設術 メッシュを用 いた修復術などが報告されているが 高い再発率や前回手術後の癒着 の影響 メッシュ感染の危険性など 危惧する点が多い 当科ではparastomal herniaに対してメッシュを用いた腹腔鏡下修復 術を行っており 腹腔内からヘルニア門を十分に観察できること メッ シュ汚染の危険性を少なくできること 高度肥満患者でも低侵襲の手 術が可能であることなどがメリットとして挙げられる 今回我々は 傍ストマヘルニアに対して腹腔鏡下修復術を施行し 良 好な結果を得た症例を経験したので 若干の文献的考察を交え報告す る 支部3-6 Transversus Abdominis Muscle Release TAR 法 により修復した腹壁瘢痕ヘルニアの1例 黒河内喬範 五十嵐陽介 田口 理子 鈴木 英之 松田 腹壁瘢痕ヘルニア術後メッシュ感染の2例 実 櫻谷 卓司 山田 佐々木義之 奥村 岐阜市民病院 症例は69歳女性 2015年10月 腹膜播種 後腹膜浸潤を伴う切除 不能膵体尾部癌に対し 開腹胃空腸吻合術を施行 その後上腹部正 中創の腹壁瘢痕ヘルニアとなり しばしば結腸の脱出による疼痛を 認めていた 推定予後は半年以内であったが QOL向上を目的として 2017年7月にPosterior component separation Transversus Abdominis Muscle Release TAR法 による腹壁瘢痕ヘルニア修 復術を施行した 術後は症状改善し 経口摂取も可能となったが 病勢 進行により術後2か月で永眠した. 本症例のように腹腔内の癒着や播種病変が予想される場合でも 腹腔 内処置を必要としないCS法による修復術は有用であると考えられた 特にTAR法による修復術は上腹部の腹壁瘢痕ヘルニアでも肋骨の制 約を受けることなく修復が可能であり またメッシュ非使用でも短期成 績に問題なく 有用な術式になり得ると思われた 誠 後藤亜也奈 横井 直樹 松井 康司 長田 亮磨 土屋 真二 杉山 博 保幸 メッシュ感染は発症すると治療に難渋することが多い合併症である 今回 治療に難渋した1例と良好な経過であった1例の腹壁瘢痕ヘルニ ア術後メッシュ感染を経験したので報告する 症例1 76歳女性 腹壁瘢痕ヘルニア ヘルニア門23x18cm に 対しベントリオ3Lを用いて修復術を施行した 術後メッシュ腹側で膿 瘍形成を認め 保存的治療が奏功しないためメッシュ除去術を計画し た しかし 腹壁欠損部が大きく 腸管も著明な浮腫を呈して閉腹は困 難なため 陰圧閉鎖療法 VAC療法 を施行した 経過中に消化管穿 孔をきたし 最終的に小腸切除と結腸右半切除を施行し 皮膚と皮下 組織のみでの閉腹となった 現在も腸管機能が回復せず 経口摂取が 困難な状況が継続している 症例2 61歳男性 維持透析施行中 臍ヘルニア嵌頓に対して 他 院でメッシュ修復術が施行された 2年後に臍部の腫脹を認め 維持 透析中の病院でメッシュ感染による腹壁膿瘍と診断され 当科紹介と なった メッシュ除去術を施行したところ 小腸が何ヶ所もメッシュと 癒着し 腹壁 メッシュ 小腸が一塊となっていた これらを一塊に切除 して Components separation法を用いて修復した 術後経過は良 好で術後第13病日に退院した 155 支部推薦演題 支部3-5 春日部中央総合病院 誠 千原 昌則 内田

7 支部3-7 腹壁瘢痕ヘルニアに対しendoscopic Rives Stoppa repairを施行した一例 太田 智之 深澤 基児 中山 幹大 安房地域医療センター はじめに 腹壁瘢痕ヘルニアに対してIPOM法を施行する例が増えて きているが 腹腔内へメッシュを留置することによる安全性の担保はな されていない open Rives-Stoppa法がgold standardであり 当院 においても第一選択の術式である 近年endoscopic Rives-Stoppa 法の報告が欧米で認められるようになり当院で施行する機会があり 報告する 症例 67歳女性 現病歴 昨年2月に絞扼性腸閉塞で手術 を受け 術後半年頃に下腹部膨隆を認めるようになった 下腹部正中 に4 9cmの筋膜欠損を認め腹壁瘢痕ヘルニアと診断した 手術 左 季肋下にtrocarを挿入し気腹し 腹腔内をまず観察した trocarを一 度抜去し TEP層を広範囲に鈍的に剥離していった 左側の腹直筋後 鞘を切開し白線を超え 白線を温存し 右側の腹直筋後鞘を切開し右 側のTEP層へ入った 両側の外側は腹直筋の外縁まで 尾側は恥骨 まで剥離した 創部直下 ヘルニア門直下は腹膜を離断し開腹となっ ている 筋膜欠損部をV-Locを用いて縫合閉鎖し 腹膜は2-0バイク リルを用いて縫合閉鎖した 13 23cmのメッシュ プログリップ で augumentationした 経過 術後合併症なく術後7日目に退院となっ た 現在も再発なく経過良好である 考察 同法はendoscopeとopen 法のそれぞれのadvantageをcombineしたものであり 理想的な修復 術と思われる 156

8 一般演題 ( 口頭 ) 第 16 回日本ヘルニア学会学術集会

9 O1-1 O1-2 高度肥満症者に対する臍ヘルニア根治術の治療成績 網木 黒川 学 関 良望 洋介 笠間 四谷メディカルキューブ 和典 北川美智子 梅澤 当院における成人臍ヘルニア手術症例の検討 昭子 山田 減量 糖尿病センター 岐阜市民病院 はじめに 肥満は成人臍ヘルニアのリスク因子の一つと考えられる 当科では臍ヘルニアを伴う高度肥満者に対し 減量手術と同時 もしく は二期的に臍ヘルニア根治術を施行している 対象 方法 2006年 6月から2018年1月の間に当院で手術を行った臍ヘルニア9例の手術 成績を検討した 感染のリスクが高い同時手術ではナイロン糸による 直接縫合を 二期的の場合はメッシュ留置を行った 結果 全例 腹 腔鏡下で修復術を行った 臍ヘルニア根治術時の平均体重121.6kg 平均BMIは44.8kg/m 2であった 6例に対して減量手術と同時に臍ヘ ルニアの縫縮を行い 3例に対して減量手術後に二期的にメッシュによ る修復を行った 縫縮症例の2例で再発を認めた 1例は術翌日に再発 した 1例は術後3ヶ月目に創感染を発症し ナイロン糸を抜糸したとこ ろ臍ヘルニアが再発したため 腹腔鏡下にメッシュを用いての再修復 を行った 二期的にメッシュ留置を留置した3例は フォローアップ期 間がそれぞれ7年 2年 5ヶ月と短いものの再発を認めていない 考 察 高度肥満者の腹壁ヘルニアは直視下の修復は困難であることが多 く 腹腔鏡下修復術が有効であることに異論はないものと考えられる 一方 術式選択に関しては 直接縫合で2例に術後早期に再発をきたし ていることから 今後 さらなる検討が必要と考えられた 豊 柴田 逸郎 勝又 東京医科大学 成学分野 康司 杉山 保幸 O1-4 増大傾向にある白線ヘルニア 臍ヘルニアに対する 梶川法による手術経験 卓司 松井 目的 成人臍ヘルニアは肥満の増加により近年増加傾向にあると言 われている 成人臍ヘルニアに対し当院で手術を施行された症例の 術式の変遷と成績について検討を行った 対象 2006年から2017 年に当科で成人臍ヘルニアに対し手術を施行された33例を対象とし た 結果 年齢は平均58.9±16.5歳 32 91歳 男性11例 女性22例 2 BMIは平均30.0±7.1kg/m 2と高く 23例 69.7% が 25以上の肥満 3 9例で糖尿病 5例で肝硬変 3例で慢性腎不全 2例で気管支喘息の基礎疾患を有していた 4 7例が緊急で 3例は 高度腹水を伴う肝硬変合併例 26例は予定で手術が行われた 5 術式は単純縫合閉鎖14例 メッシュ修復14例 腹腔鏡下修復5例 前 期 例から後期 例と増加してお り 前期で単純縫合閉鎖8例 メッシュ修復5例 後期で単純縫合閉鎖 6例 メッシュ修復9例 腹腔鏡下修復術5例が施行された 6 術後合 併症は6例で 創部感染3例 後出血1例 皮膚潰瘍1例 無気肺1例を 認めた 2例で再発を認め 再手術が行われた 結語 術式は単純縫 合閉鎖術からメッシュ修復術 そして平成28年度の保険収載から腹腔 鏡下臍ヘルニア修復術と変遷してきていた 緊急手術例に高度腹水を 伴う肝硬変 糖尿病 慢性腎不全合併例が多く これらの症例に対す る術式選択が課題である O1-3 林 長江 誠 櫻谷 大2 石山明日香 四柳 健次 松村 一2 土田 当院で経験したSpigelianヘルニア3例の報告 聡子 明彦 消化器 小児学分野 2 東京医科大学 豊田 廣瀬 形 英治 阿部 由督 松林 哲朗 土井隆一郎 大津赤十字病院 雄介 北口 和彦 Spigelianヘルニアは腹直筋外側縁と半月線の間のSpigel筋膜より 発生する腹壁ヘルニアである 我々は3例のSpigelianヘルニアを経 験したので 報告する 症例1は70歳女性 右恥骨付近の鶏卵大膨 隆と左傍腹直筋外縁 鼠径靭帯より頭側に鶏卵大膨隆を認め 両側 鼠径ヘルニア疑いで紹介 TAPP transabdominal preperitoneal repair 法による腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った 症例2は91歳 女性 左下腹部痛で当院救急来院 立位で左下腹部膨隆を認め 容 易に用手還納可能であった 腹部CTで左外側腹筋の筋膜欠損部か ら小腸壁の脱出する所見を認め Spigelianヘルニアと診断 IPOM intraperitoneal onlay mesh repair 法による腹腔鏡下ヘルニ ア修復術を行った 症例3は68歳男性 右下腹部膨隆を主訴に来 院 腹部CTで右腹直筋の一部が菲薄化し 外縁から膨隆する所見 を認め 前方アプローチによるDirect Kugel法で修復術を行った ヘルニア手術に関する直接の合併症は認めなかった また現在まで に再発を認めた症例はない Spigelianヘルニアの治療は手術 が基本で 最近ではメッシュを使用した修復が主流となっており 腹腔鏡による修復も散見される Spigelianヘルニアの診断 治療 に関して 文献的考察を加え報告する 159 一般演題 口頭 症例 患者は2歳 女児 0歳時より近医で臍ヘルニアと白線ヘル ニアの診断で経過観察されていた 臍ヘルニアについては増大傾向 を認めず ヘルニア門は約1cmで腹圧 啼泣時に膨隆がみられてい た 白線ヘルニアについては 当初は臍部から約2cm頭側に約1cm 大の膨隆を認めるのみであった 定期的に経過観察するも増大傾向 を示すため当科へ転院となった 来院時 臍ヘルニアについては不 変であったが 白線ヘルニアの大きさは約4cmであった 自然軽快 する可能性が低いと考え手術を計画することとなった 手術は梶川 らによるI法 S字皮膚切開 でアプローチした 臍ヘルニアのヘル ニア門は約1cmであり その頭側に約8mm程度やや強度が保たれ た白線が存在し さらに頭側に約4cmの脆弱な白線を認めた 強度 がある白線部を含め一つのヘルニア門としてから腹壁を閉鎖した 梶川I法に準じて臍形成を行った 術後1.5年経過しているが あき らかな再発や新規発生はみられていない また審美的には 白線ヘ ルニアが存在していた部位の脂肪組織が薄いため 同部位にやや凹 凸がみられているが 家族の理解は得られている 結語 臍ヘルニ アと増大傾向にある白線ヘルニアを有する症例に対して梶川法を用 いた臍形成術を施行することで 臍ヘルニアと同様な手技 皮膚切 開で施行することが可能である また 白線ヘルニアは増大傾向を 示す際は積極的に的介入を行う必要があると考える 潤 中山

10 O1-5 O1-6 腹腔鏡下にセンターバンドタイプのコンポジット メッシュを用い治療した傍ストマヘルニアの3症例 大越 飯塚 井上 悠史 旗手 和彦 桑野 美香 坂本友見子 二渡 準人 金田 悟郎 当院で経験した腎摘後の上腰ヘルニアの2例 川村 雄大 東海林 裕 星野 奥田 将史 山口 和哉 中嶋 紘治 横井 圭悟 櫻谷美貴子 信江 石井健一郎 金澤 秀紀 独立行政法人国立機構相模原病院 東京医科歯科大学 ストマ傍ヘルニアは人工肛門造設術後の頻度の高い合併症である 治療法は確立されておらず 再発率の高さや侵襲性が問題となる 近 年 再発の低減を目指したメッシュを用いた修復術の報告が散見され る 術式は統一されておらず感染や腸管との瘻孔形成などの合併症も 報告されている 今回 われわれはセンターバンドタイプバリテックス コンポジットメッシュを用い 腹腔鏡下ストマ傍ヘルニア根治術を行 い良好な結果を得た3症例につき報告する 症例1 65歳男性 S状結 腸癌に対してハルトマン術後にストマ傍ヘルニアを認めた 20cmの メッシュを用いてダブルクラウン法にて固定した.症例2 82歳女性 S 状結腸穿孔にてハルトマン術後のストマ傍ヘルニアを頻回に繰り返し ていた.20cmのメッシュにてSugarbaker Indirect 法にて固定し た.症例2 87歳女性 下行結腸壊死に対してハルトマン術施行しスト マ傍ヘルニアを認めた.用手的還納が可能であったが脱出を繰り返し た. 15cmのメッシュにてSugarbaker Indirect 法にて固定した セ ンターバンドタイプメッシュは腹腔側が全面 腹壁側の一部がコラーゲン シートで覆われるため 血管系に損傷を与える可能性が少なく再発も少な い 正中創での再開腹はメッシュの腹壁への癒着部が不十分となり 腹腔鏡手術が妥当と考える 英昭1,2 坪内 斉志 徳田 浩喜 島名 賢一郎 森 勝久 川越 真理 小林市立病院 消化管 2 日産厚生会玉川病院 O2-2 根治的恥骨後前立腺摘出後に発症した鼠径ヘルニア の検討 利朗 一幸 当科で上腰ヘルニアを2例経験したので報告する 症例1は70歳女性 3年前に右腎癌に対して右腰部斜切開で腎摘出術を行っていた その 後右腰部の膨隆が出現し 徐々に増大したため当科紹介受診となっ た 右腰部膨隆部に7cmの斜切開を認めた CTではヘルニア門は10 5cm ヘルニオグラフィーでは5cmほどであり右上腰ヘルニアと診断 した 手術ではIn-layメッシュ ヘルニア門閉鎖およびOn-layメッシュ を使用して修復した 術後は再発なく経過している 症例2は80歳女 性 6年前に右腎癌に対して右腰部斜切開で腎摘出術を行っていた 約1年前より右腰部の膨隆を認めるようになり 当科紹介受診した 同 部位に5cmの斜切開を認めた CTでは5 2cm程のヘルニア門を認 め右上腰ヘルニアと診断した 手術では腎摘後の癒着及び腹膜の脆 弱性のため 第12肋骨付近での剥離に難渋したため ヘルニア門に mesh plug L sizeを充填し ヘルニア門周囲組織と縫合固定した ヘ ルニア門前面を全周に剥離してOn-layメッシュを縫合固定し 内外腹 斜筋を寄せて修復した 術後は再発なく経過している 二次性に生じ た腰ヘルニアでは腹膜損傷が生じやすいので修復には柔軟な対応が 必要であると思われた O2-1 堀 泊 明弘 谷岡 昭2 小嶋 前立腺全摘術後に発症した鼠経ヘルニアの検討 昭彦 長谷 消化器腫瘍 2 堀胃腸科医院 諭 津村 裕昭 金廣 哲也 山岡 裕明 村尾 直樹 広島市立舟入市民病院 はじめに 根治的恥骨後前立腺摘出術 R PP は成 人 鼠径ヘル ニア発症の一因とされている 当院におけるR R P術後に発症した鼠 径ヘルニア症例について検討した 対象及び方法 2009年1月 2015年12月の7年間に当科で施行された成人男性初回鼠径ヘルニア 手術例283例 314鼠径 を対象とした 鼠径ヘルニア手術例283例 314鼠径 中 R R P術後は20例 25鼠径 で R R Pの既往のある 群 RRP + 群20例 25鼠径 と 既往のない群RRP - 群263例 289鼠径 で比較し ヘルニアの部位 種類 術式 鼠径ヘルニア手 術までの期間などを検討した 結果 2009年1月 2015年12月の 鼠径ヘルニア手術例中 R R P術後の占める割合は 7.0% 20/283 例 であった また2008年1月 2015年12月の当院泌尿器科での R R P施行例97例のうち 18例に鼠径発症がみられ その発症率は 18.6% 18/97 であった 発症部位は R R P + 群では右側10例 50% 左側5例 25% および両側5例 25% RRP - 群では 右側142例 54% 左側90例 34.2% 及び両側31例 11.8% で RRP + 群においては両側発症が多い傾向にあった P 鼠径ヘルニア手術までの期間は 1年以内が50%と 比較的早期の手 術施行例が多く 術式に関してはR R P + 群は25例中17例がUPP で 68%を占めていた 結語 RRP後鼠径ヘルニアは 術後比較的 早期に発症し 両側病変が多い傾向にある UPP法はRRP後鼠径ヘ ルニアには有効な術式と考える 背景 目的 前立腺全摘術後の晩期合併症として鼠径ヘルニアを発 症することが知られている 鼠径ヘルニア手術時に腹膜前腔 鼠径管 内の癒着が強いことが問題となる 今回 当院で経験した前立腺全摘 術後の鼠径ヘルニア症例の特徴と治療成績について検討したので報 告する 対象 方法 当院で鼠径ヘルニア手術を施行した症例のう ち 前立腺全摘術既往群51症例 63病変 と 前立腺全摘の既往のな い初発鼠径ヘルニア 年齢階層マッチング 744症例 807病変 とを 後方視的に比較検討した 結果 前立腺全摘既往群の術後鼠径ヘ ルニア発症時期は平均で術後36.4か月だった 手術の内訳は ロボッ ト支援手術後21症例 27病変 後腹膜鏡術後12症例 13病変 恥骨後式手術後18症例 23病変 だった 鼠経ヘルニアの分類は 既 往のない群では1型が75 2型が23 3型が2 だったのに対し 既往群では1型が89% 2型が10% 4型が2%と 既往群で1型が有 意に多かった 鼠経ヘルニアの患側については 両側発症が既往のな い群では8%に対し 既往群では29%と有意に多かった 鼠経ヘルニ アの手術術式としてmesh plug法を選択したのは 既往のない群では 55% 既往群では98 であった 既往群ではヘルニア再発症例は現 在のところみとめていない 結語 前立腺全摘術後の鼠経ヘルニアは 1型が多い臨床的特徴がみられ 手術術式としてはmesh plug法の良 好な成績から 妥当な術式と考える 160

11 O2-3 O2-4 前立腺全摘後の鼠径ヘルニア手術についての検討 吉田 貢一 家接 健一 岡本 太田 尚宏 菅原 浩之 田畑 清原 薫 市立砺波総合病院 純平 林 敏 金木 当院におけるロボット支援前立腺後全摘後に発生し た鼠径ヘルニアの検討 沙貴 浅海 吉傑 昌弘 酒徳 光明 丸山 聖隷三方原病院 はじめに 前立腺全摘術後の鼠径ヘルニア手術では腹膜前腔の癒 着が危惧されるため ガイドラインにおいても鼠径部切開法が推奨さ れている 目的 前立腺全摘後の鼠径ヘルニア手術として合理的な鼠 径部切開法ついて考察すること 対象と方法 2009年1月から2017 年12月の期間に当院で鼠径ヘルニアの手術を受けた症例を対象とし た 前立腺全摘術後症例 A群 と男性の非再発非前立腺全摘術後症 例 B群 で検討した 結果 期間中の鼠径ヘルニア手術症例は841 例で A群56例 B群586例であった I型はA群96.4 B群73.5 で有意にA群にI型が多かった p A群の術式決定は 腹 膜前腔剥離に問題がない症例はUHS 癒着はあるが大腿輪の確認が 可能な症例はUPP 大腿輪の確認も不可能な症例はLichtensteinと した A群の術式はUHS1例 UPP54例 Lichtenstein1例で 1例を 除き大腿輪の確認は可能であった なお期間中の男性鼠径ヘルニア全 体の大腿ヘルニアは不顕性も含め0.86 であった A群のUPPの麻酔 法は膨潤麻酔21例 腰椎麻酔31例 全身麻酔4例で膨潤麻酔と腰椎 麻酔で手術時間に差はなかった p 0.18 結語 前立腺全摘術後 の鼠径ヘルニアの大多数がI型で 腹膜前腔剥離も困難なためUPPは 合理的な術式と思われた 大腿ヘルニアの発生率を考慮すると大腿輪 の確認にこだわらないLichtensteinの選択も合理性があると考えた 麻酔法では癒着があっても膨潤麻酔で十分な除痛が得られた O2-6 傾向スコア解析による前立腺癌術後鼠径ヘルニア発 症の術式間比較と至適修復術式の検討 本山 博章 横山 隆秀 坂井 増尾 仁志 福島健太郎 野竹 小林 聡 小川 輝之2 石塚 信州大学 泰生 当院におけるロボット支援下前立腺全摘術 R A LP 後に発生し手 術を施行した鼠径ヘルニアについて臨床的特徴を検討した 方法は 2012年4月から2017年12月に当院で施行したR ALP症例において 術後の鼠径ヘルニア合併症例 R ALP群 と 同時期に当院で根治術 を行った前立腺全摘既往のない鼠径ヘルニア症例 対象群 について 比較検討を行った 結果 R ALP群456症例中46例 10.1% 50病 変に鼠径ヘルニアの発生を認めた ヘルニア分類はR A LP群で外鼠 径ヘルニアが94%と対象群に比べ多く認められた 術式はUltra Pro Plug法またはLichtenstein法を施行し現在再発は認めていない ま た 2016年10月から鼠径ヘルニアの発生を予防する目的でPALPに おける前立腺へのアプローチ法を変更したところ その後ヘルニアの 発症率が軽減されていた 以上から前立腺全摘後術後は自然発生率に 比して外鼠径ヘルニアの合併が多く認められ 前立腺へのアプローチ 法を変更する事でR ALP術後の鼠径ヘルニアの発症率を改善できる可 能性が考えられた O2-5 翔子 木村 紘紀 細田 剛 清水 修2 宮川 当科における前立腺全摘術後の鼠径ヘルニアに対す るTAPP法の成績と手技の変遷 清孝 明 眞一 佐藤 椎谷 消化器 2 信州大学 泌尿器科 正範 小野田貴信 渡邊 紀彦 浜松医科大学医学部 温子 佐藤 智仁 第一 目的 前立腺全摘術後鼠経ヘルニア症例の特徴を検討する 2 TAPP法での手術手技の変遷をレビューする 方法 両側性 ヘルニア分類 手術時間 臓器損傷 再発について 前立腺全摘術後 症例 P群 の非前立腺全摘術後症例 N群 間で比較した 2 剥離 層 使用メッシュと腹膜縫合方法について経時的に比較した 結果 28症例34病変の前立腺全摘術後鼠径ヘルニアに対して TAPP 法を行った 同時性両側ヘルニア6例 P群 N群 21% 16%, n.s. だが全例術中発見だった ヘルニア分類はI型32病変 P群 N群 94% 64%, p 0.05 で 手術時間 片側 は優位に長かった P 群 N群 138分 108分, p 0.05 臓器損傷例 再発例とも認 めず 両群間で有意差を認めなかった 2 後腹膜アプローチの前立腺 術後例ではクーパー靭帯近傍まで剥離できることが多い一方で 経腹 腔アプローチの場合は困難な傾向にあった 2003年以後連続7例に Composite meshが使用され 3例は不完全な腹膜閉鎖だった 2011 年以後は全例通常メッシュで腹膜閉鎖可能であった ロボット支援下 術後の症例には高位腹膜切開を採用し 瘢痕のない層での剥離が可 能になり腹膜縫合時間は短縮傾向 P 0.07 にあった 結語 前立 腺全摘術後の症例に対するTAPP法は手術時間が長くなるが 臓器損 傷や再発は認めなかった 前立腺全摘の術式を理解することで 安全 性の向上や腹膜縫合時のストレス軽減が期待できる 161 一般演題 口頭 目的 鼠径ヘルニア IH は前立腺癌恥骨後式前立腺摘除術 RRP の代表的合併症である 近年ロボット支援下前立腺全摘術 R ALP が 急速に普及しているがIH発症頻度/対策に統一見解は無い 方法 当院での前立腺癌全摘除術症例 274例 年 に 対し 傾向スコア解析を用いてIH発症頻度の術式間比較を行った 同 時に当科で施行した前立腺摘除術後IHの修復術成績を摘除術式と修 復方法の観点から検証した 当科ではR ALP症例への術式は前方アプ ローチのみとし RRP症例ではTAPP/前方アプローチのいずれも適 応している 結果 前立腺摘除術後のI H発症は46例 17% で 術式毎の累 積発症率 5年 はR R P群24% R A LP群19%と同等だった P 傾向スコア解析により背景因子を均質化した154例でも同様 の結果だった P ヘルニア修復術は全58例で 内訳はRRP 症例へのTAPPもしくは前方アプローチを19/17例 R ALP症例22例 だった RPP症例に対するTAPP施行例6例に術後合併症 水腫5例 血腫1例 を認めたが 前方アプローチ症例では合併症発生を認めな かった P 全例で再発を認めていない 結語 前立腺摘除術後 I H発症は摘除術式によらず高かったが R ALP後IHは前方アプローチにて安全かつ確実に修復しうると考えら れた 貴洋 松山

12 O3-1 O3-2 World Guidelineの Plug法は推奨されない は妥当か 再発所見からの考察 田崎 亀田 達也 佐々木 秀 香山 靖子 新原 健介 今村 JA広島総合病院 茂平 杉山 祐司 中光 TAPPは高齢鼠径部ヘルニア患者に対して妥当な術式か 江川 紀幸 岩崎 能城 浩和 陽一 新宅谷隆太 篤志 佐賀大学 はじめに 日本 でこれまで多く行 われてきた P l u g 法 が Wo r l d Guidelineでは推奨されなかった理由は その治療成績ではない 横 筋筋膜上と腹膜前腔の2層にメッシュを留置するため 再発した際に 前方 後方いずれのアプローチでも修復が困難であることが危惧され たことが大きい その妥当性について考察する 方法 2014年から 2017年までに当科で経験したPlug法後の再発症例は7例であった Plug法では 腹膜前腔の剥離範囲はヘルニア門周囲に限られているた め 再発に対してはいずれも 後方アプローチであるTAPP法で修復し た 初回手術でのJHS分類とその再発形式とともに 再発に対する手 術の安全性を検討した 結果 初回手術時の所見は I型3例 II型2 例 IV型2例であった IV型の2例ではプラグが2個挿入されていた 再発形式はI型1例 II型6例であった Perfix Plugを用いた症例の多 くはプラグの切断を要したが TiLENE Plugでは切断を要しなかっ た I型に対する修復後の症例では安全に通常のTAPP法を行うことが 可能であった 一方 II型に対してPerfix Plugを使用して修復した後の 恥骨上再発では 膀胱前腔に入ることが極めて困難であった 結語 再発時にTAPP法で安全に修復できるか という視点のみから考察す ると Plug法は 外鼠径ヘルニアに対しては推奨できる術式であるが 先端が鋭でないプラグの使用が望ましい 達也 一般 消化器 2 祐愛会織田病院 O3-4 患者から見た鼠径部ヘルニア術後診療のあるべき姿 8年間1936例のアンケートから 祐一 金岡 誠人 岡本 大垣市民病院 淳1,2 真鍋 はじめに 腹腔鏡下鼠径部ヘルニア手術が普及しているが 高齢者 に対する術式選択に関して各ガイドラインでの言及はない. 目的 高 齢者へのTA PPの安全性を評価し 高齢者に対する術式としての妥 当性を検討した. 対象 方法 2011年3月から2016年3月の期間に TAPPを施行した140名を対象とし 80歳以上群 n 26 と80歳未 満群 n 114 の2群間で 患者背景および手術成績 周術期合併症 を後方視的に比較し また術後合併症のリスク因子を検討した. 結 果 患者背景では 80歳以上群で併存疾患数でのみ有意に多かった が p Performance states PS ASA score ヘルニ ア分類 再発例 緊急手術数 開腹歴 前立腺手術後を含む では差 はなかった.手術成績 手術時間 開腹移行例 出血量 在院日数 周術期合併症 他臓器損傷 漿液腫 血腫 創感染 全身合併症 は 差がなかった.合併症の発生は併存疾患 ASA score 再発例 開腹 歴などでは差はなく PSとのみ関連しており PS 0-2 vs. 3-4 p 多変量解析ではPS不良が独立危険因子であった OR [95%CI ]. 考察 年齢は術後合併症の危険因 子とはならず 高齢者に対してもTAPPは安全に施行可能である.また 高齢でもPS良好であれば 若年者と同様に早期社会復帰 術後疼痛 軽減 整容性などTAPPの利点を享受できると考えられる. 結語 高 齢者に対するTAPPは安全で 妥当な術式である. O3-3 高山 宇治 寛智 中村 祐次 前田 敦行 深見 和浩 手嶋浩也 保之 高橋 医療資源の効率利用という観点から考察したヘルニ ア術式の選択 崇真 小川 稔 上村 多根総合病院 目的 アンケートを通じて 患者目線から鼠径ヘルニア診療のある べき姿を検討すること 対象と方法 2008年1月から2016年12月 までの鼠径部ヘルニア1936例 2160病変 に対してアンケートを施 行した 内容は 1 患部の痛み しびれ 違和感 なし 時々 いつ も 2 手術に対する満足度 満足 どちらでも 不満 3 診察の 希望の有無 であった 当院の治療方針 局麻下前方アプローチで メッシュ法か全麻下TAPP 嵌頓例で腸管切除を要した場合 修復は 組織縫合法 退院2-3週後に外来受診し 異常を認めなければ終診 結果 回収率は /アンケート到達数1718症例 1 痛み しびれ 違和感はある/ないと答えた人がそれぞれ3%/84 1%/94% 5%/76% 2 満足との回答は89 しかし合併症のな い場合の満足度は90%であったのに対し あった場合は74 P 0.00であった 合併症別 再発 感染 出血 漿液腫 慢性疼痛 の 満足度は再発 感染 慢性疼痛の合併では有意に満足度低かったが 出血 漿液腫の合併では満足度に有意差を認めなかった 3 診察の 希望の有無は11 149/1325症例 で診察希望あり 診察の結果5 例に再発を認めた 観察期間平均値は46ヶ月 0-112ヶ月 であった 結語 何らかの合併症 特に再発 感染 慢性疼痛を生じることで 有意に患者満足度は低下した 術後約1割の患者で診察希望があり follow upの体制づくりが必要である 佳央 丹羽 英記 私たちは 患者になるべく大きな恩恵をもたらす治療を選択すべき であるが そのための先進医療の多くは最先端の医薬品や医療材料 を用いるため実は医療費高騰の大きな原因であり 無秩序にそれを 採用すると医療財源を圧迫するというジレンマを抱えている その ため 世界に比類なき高齢化社会を迎える我が国の社会保障制度の 持続可能性を真摯に考えると 医療の質を保ちつつ医療資源を有効 に使うセンス 知識を身につけ それを実践する自律性が求められ る 医療資源とは 単純に医療費のことだけではなく いずれも有 限 希少 な労働力 時間 空間 病床や手術枠など 等の概念が 含まれる 本邦のガイドラインの文脈や エキスパートの報告等を 見る限り ラパヘルであれ鼠径部切開法であれ 熟練者が行えば患 者の受ける恩恵 治療成績や社会復帰など は同等の可能性が高 い だとすると 医療資源の有効利用という観点から見れば 鼠径 部法に比べて医療費が倍近くかかるうえに 多くの医療資源が投入 されている 医と麻酔医を束縛し 手術室を占拠している ラパヘルを第一選択とする合理的理由はない 私たちは腹膜前到 達法が最も合理的な術式と考え 年間約800例の日帰りヘルニア手 術 クーゲル法 を行っている 一方で手術室の効率的な運営で約 350例の腹部緊急手術にも対応している当院の現状をふまえ 医療 資源の効率利用という観点から私たちの進むべき道を考察したい 162

13 O3-5 O4-1 World Guidelinesを踏まえた当院の鼠径部ヘルニア 術式の変化 佐藤 再発鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア修復術 裕英 横山 清水 財団医療法人中村病院 剛 本山 博章 消化器 目的 我々は 51例 54側の再発鼠径ヘルニアに対し 腹腔鏡下ヘ ルニア修復術 TAPP を施行している 手術のポイントについてビデ オを供覧し 手術成績を提示する 対象 男性47例 女性4例 平均 年齢68歳 前回手術は組織縫合法16例 メッシュプラグ法 MP法 12例 TAPP法4例 Lichtenstein法2例 PHS法2例 Kugel法2例 その他3例 詳細調査不可能12例であった 手術手技 1 組織縫合 法術後症例は 初発例と変わず容易 2 前方到達法によるメッシュ使 用後症例は 腹膜前腔のメッシュが小さく 比較的容易に行い得る 3 Kugel法やTAPPなどのメッシュを使用した腹膜前修復法後症例 は前回メッシュを残したまま その周囲から再発部位と メッシュ被覆 の不十分なmyopectineal orificeに新たなメッシュを追加することが 肝要と考える ビデオ TAPP術後のII-3型再発症例 2 ダイレク トクーゲル法術後のII-1型再再発症例 結果 再発形態はJHS I型 18例 II-1型20例II-2または3型9例 III型4例 IV型4例であった 平 均手術時間94分 全例 腹膜修復可能であった 術後合併症は水腫 4例 創感染2例 皮下出血2例であり 再発を認めない 結語 メッ シュの有無に関わらず 前方到達法後の再発に対しては簡便であるが メッシュを使用した腹膜前修復法後の再発は難易度が高く 熟練を要 すると思われる O4-2 O4-3 非還納性鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア修 復術 TAPP 正和 奥野 相模原協同病院 仁志 福島健太郎 野竹 聡 宮川 眞一 信州大学医学部 目的 年 Wo r l d G u i d e l i n e s f o r G r o i n H e r n i a Management WG が示され 本年International Guidelinesとし て正式掲載された 今回 このガイドラインを踏まえた当院での鼠径部 ヘルニア術式の変化を検討した 方法 2014年10月から2018年1月 の間に当院で実施した鼠径部ヘルニア手術症例138例 153病変 を 対象に 2017年6月の院内で実施したWG勉強会の前後 前期/後期 での手術術式を比較検討した 結果 前期 95例/106病変 と後期 43例/47病変 で 症例全体および鼠径部切開法 O群 と腹腔鏡手 術 Lap群 の患者背景に有意な変化はなかった O群では 前期では 3D implantsを用いた病変が93%を占めていたが 後期ではそれらは 27%に減少し 代わりにLichtenstein法 L法 が73%と増加した ま た 局所麻酔以外の症例を前期には25%認めたが 後期は3%に減少 した なお 後期症例のうちL法以外を選択した理由として 個別の病 状を考慮した判断が6例あり その内訳は女性 大腿ヘルニア 再発な どであった 一方でLap群では 前期はTAPPが87%であったが 後期 には53%に減少し 代わりにTEP法が47%に増加した その理由とし て 両術式の適性を考えて病状に応じて使い分けるようになったことが 挙げられた まとめ WGにより術式に変化が見られた O群ではL法 を主としつつもその他の手技を Lap群ではTAPPとTEPを 個別の 病状に応じて使い分けている状況が見られた 若林 隆秀 増尾 明 小林 腹膜前修復術後再発に対する腹膜前到達法による腹 腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TEP 晃太 小島 消化器病センター 成浩 坂本 嗣郎 彩の国東大宮メディカルセンター 再発鼠径ヘルニアに対する修復術は組織の癒着や瘢痕化のため一般 的に手術操作や解剖理解に困難性を伴う また 初回手術術式が多様 であり 再発形式や再発形態もバリエーションに富むため術式の定型 化が難しい 鼠径ヘルニア手術にかなり習熟した医を除くと 再 発鼠径ヘルニアに対する修復術における不確実性は一般医であれ ば誰しも感じたことがあると考えられる 当院ではこの不確実性を可能 な限り排除するため 初発症例と同様に再発症例に対しても比較的早 期から腹腔鏡下ヘルニア修復術を導入した メッシュ使用後の再発症 例に対しては腹腔内到達法 TAPP法 メッシュ非使用後の再発症例 に対しては腹膜外到達法 TEP法 を基本的な術式とし 2004年以 降116例の再発症例に対して99例の腹腔鏡下ヘルニア修復術を行っ た 再発症例に対するTAPP法の報告に比べTEP法に関する報告は少 ないが われわれは再発症例に対するTAPP法の経験のなかで メッ シュ使用後の再発症例に対してもTEP法を利用できる可能性があると 考えている 今回 とくに手術が困難である腹膜前修復術後 UHS法 術後 の再発に対してTEP法を利用した手術を行った2例の手術動画 を供覧する 163 一般演題 口頭 背景 当院では2013年より, TAPPを導入した. 2017年12月までに 321例, 385病変のTAPPを施行してきた. TAPPの適応は施設間で 異なり, またその適応範囲は手術に対する熟練度に依存するものと思 われ, 当院でも徐々に困難症例に適応を拡大してきた経緯がある. 困 難症例の1つに非還納性鼠径ヘルニアが挙げられる. 当院で施行した 非還納性鼠径ヘルニアに対するTAPPについて検討し報告する. 対 象 2013年2月から2017年12月の期間 4年11か月 で, TAPPを施 行した非還納性鼠径ヘルニア10例を対象とした. 結果 全例男性であ り, 年齢中央値は69歳であった. 右側8例に対し左側2例であり, 初発 8例, 再発2例であった. ヘルニア分類は, I-3型が9例, IVが1例であり, 手術時間中央値は78分であった. 8例においてTAPPのみで手術を完 遂できたが, 2例はhybrid手術を必要とした. いずれも巨大鼠径ヘル ニアであり, ヘルニア嚢とヘルニア内容の広範な癒着のために, 腹腔 鏡下に還納できず, 鼠径部切開法を要した. 術後在院日数中央値は1日 であった. 保存的治療にて軽快する術後水腫を2例に認めたが, その 他特に合併症を認めなかった. 結語 非還納性鼠径ヘルニアに対する TAPPは, 手術手技に熟練した後に適応すべきであるが, ヘルニア嚢 内での癒着の強さに手術難易度が依存すると思われ, 腹腔鏡下に還納 が不可能であれば, hybrid手術や鼠径部切開法に移行するのも有効 であると考えられた.

14 O4-4 O4-5 当科における鼠径部ヘルニア困難症例に対する症例 に合った腹腔鏡手技 千原 直人 鈴木 英之 中田 渡辺 昌則 内田 英二2 日本医科大学武蔵小杉病院 大学 消化器 亮輔 助川 鼠径部ヘルニア困難症例に対する膨潤TAPP 誠 野村 西條 消化器病センター 2 日本医科 東北労災病院 我々は1998年より鼠径部ヘルニアに対しTAPPを開始し 2015年か らはTEPも導入 2018年1月までに700人の鼠径部ヘルニア患者を 腹腔鏡にて修復している 今回 症例に合わせた当科の工夫を紹介す る 学会等で度々報告してきたが 1 腹部手術歴のある症例では術 前TAU mappingを行い癒着の有無を確認している 鼠径部周辺の 癒着は横隔膜より遠位であるため診断が困難であり 高度癒着症例は Hybrid TAPP 頭側の腹膜切開からTEPの層で鼠径部まで剥離す る を行っている 2 骨盤腔術後 前立腺術後や婦人科領域術後 は 腹膜剥離が不可能な部分があるためPartial IPOMとしている 3 anterior approachや初期tapp massive scrotal の再発に関し てもTAPPにて修復している 4 内臓脂肪が多い症例 または嵌頓ヘ ルニアによる腸閉塞で視野確保が困難な場合はTEPが有効である 今 回これらの動画をオムニバスで供覧し解説する 賢一 赤田 大勝 佐藤 昌紀 馨 消化器 O5-1 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 TAPP法 における手術 困難症例の検討 野澤 雅之 佐京このみ 植田 上村 和康 松山 温子2 渡邉 佐藤 正範2 和田 英俊 市立島田市民病院 弘実 成島 陽一 高橋 直樹 羽根田 祥 千年 われわれは膨潤TAPPを考案しこれまでに600例を経験した そのう ち前立腺癌術後 再発鼠径ヘルニアを手術困難例として検討し膨潤効 果について考察する 対象 前立腺癌術後16症例と再発鼠径部ヘル ニア症例25症例 結果 全例完遂可能であった 前立腺癌術後の症 例はいずれも1型ヘルニアであった 再発症例ではメッシュプラグ術 後の2例では2型ヘルニア門のみメッシュをトリミングして覆った 他の メッシュで修復されていた症例はトリミングせず メッシュを留置可能で あった 他方 Tissue repair症例では 腹膜前腔の癒着がみられた が概ね軽度で手術困難はなかった 考察 膨潤液の注入により剥離 可能層が明瞭となる また IPOMにならずにTAPP施行が可能である か判断できた 結語 膨潤処置は困難症例でTAPPを容易にした ただし メッシュの強固な癒着も存在したため再留置メッシュの形状 の工夫や腹膜修復の工夫を要すると考えられた TAPPの利点で並存 ヘルニアの見落としがないことがあるが 前立腺癌術後症例は全例1 型であったことと 膀胱前腔の癒着が強固である症例があったことか ら現在は鼠径部切開法で行なっている O4-6 良平 徳村 文人 松村 当院の鼠径部ヘルニア修復術の教育と治療成績 猛 磯野 忠大 貴洋2 小野田貴信2 2 浜松医科大学 渡野邉郁雄 河口 岩永 直紀 高橋 宮野 省三 町田 一般内視鏡 順天堂大学練馬病院 鼠径部ヘルニア困難症例に関する明確な定義はない 手術困難症例 は手術時間が延長すると考えられるため 手術時間延長例から手術困 難症例を定義し検討した 2006年5月 2017年12月にTAPP法を施 行した成人鼠径部ヘルニア529例 浜松医大第1469例 島田市 民病院60例 を対象とした 片側の手術時間が180分を超えたものは 10例で手術時間延長の理由は泌尿器術後が6例 前立腺全摘後4例 膀胱前立腺全摘後1例 生体腎移植後1例 再発症例が3例 腹腔内 癒着が1例であった このことから困難症例を泌尿器術後 U群 再 発症例 R群 と定義した 困難症例は75例 14.2% でU群28例 R 群49例であった 重複2例あり 片側の困難症例の平均手術時間は 133分 U群145分 R群125分 で非困難症例の104分と比較し有意 に延長した p 0.0 困難症例の術後合併症は9例 漿液腫7例 血 腫1例 再発1例 術中合併症は1例 膀胱損傷1例 で非困難症例と 比較し合併症発生率に有意差はなかった 術後平均在院日数は困難症 例 非困難症例ともに2.5日で有意差はなかった 合併症や在院日数の 点ではTAPP法は許容されると思われる しかし 手術時間は延長す るため 心肺機能低下症例など短時間の手術が望まれる症例では検討 が必要である TAPP法の手術困難症例への取り組みについて動画を 供覧し報告する 恵 禰寝 敦 山本 理夫 北畠 重史 井 剛史 関根 俊顕 須郷 祐樹 山田衣里佳 悠貴 市川 亮介 広之 児島 邦明 総合 はじめに 当院では2013年7月よりTAPP法を導入した 近年は後期 研修医執刀でのTA PP手術も行われている 院内には4つの技能検 定制度があり 合格者にはそれぞれインセンティブを設けている 腹 腔鏡操作合格者は初期研修医でラパコレ 後期研修医ではTA PPを 含む鏡視下消化器手術の執刀も可能である 目的 TAPP法導入後の 鼠径部ヘルニア修復術の成績を前方アプローチ法と比較し報告する 対象 TAPP導入後鼠径部ヘルニア手術が行われた400症例442病 変 TAPP法は2015年7月までは術者固定 指導医 で同年8月から は後期研修医も術者を担当 前方アプローチ法は全例研修医 いずれ も十分なシュミレーションの後に執刀 結果 前方アプローチ法は251 例259病変 TAPP法は149例183病変 術後在院日数に差はなかっ たが出血量はTAPP法で 手術時間は前方アプローチ法で低かった 術前にへパ化を必要とした症例の出血量に差はなかった TA PP法 の術後合併症は水腫8例 5.6% 皮下血腫1例 0.7% 違和感2例 1.4% 再発は再発症例に対する前方アプローチ法で1例経験して いる 後期研修医によるTAPPは20例行われており 手術時間の延長 はあったものの術後合併症は漿液腫の1例のみ 考察 TAPP手術は 前方アプローチ法と比べて成績は良好で後期研修医でも安全に施行し うると考えられた 164

15 O5-2 O5-3 当院におけるTEP手技の教育 膨潤麻酔を用いた手術の定型化 千野 田儀 佳秀 藤村 知之 高山 第一東和会病院 昌樹 佐藤 昇一 松本 功 水谷 直基 嶌岡 若手医師による鼠径ヘルニアに対するTAPPは 上級医との成績の比較から 真 田畑 成佳 智丈 大澤 加藤 内視鏡センター 松阪中央総合病院 はじめに 当センターは 年以 来 腹 腔 鏡 下ヘルニア修 復術 TEP を導入している しかし 当初はバルーンを用いる腹膜前腔 剥離法で 時には剥離出血が多いため視野も悪く サックの剥離に時 間がかかり 腹膜損傷も多かった そのため 症例による手術時間に ばらつきがあり 同時に本術式の教育に関しても苦慮していた 方法 TEPの問題となる腹膜損傷とサック剥離の難渋を解決すべく 膨潤麻 酔を用いて剥離法を定型化した 定型化は 教育にも役立つ 具体的 には 膨潤麻酔液を下腹壁動静脈周囲 精索周囲に1-2mlずつ注入 し剥離時の解剖把握を容易にしている また サック剥離は 外側ア プローチとし一定の軸を中心にサックをローテーションしながら剥離 を行う ツイスト法と命名 以上の手術手技の供覧と手術成績を示 す 結果 2008年9月から現在まで1179例のヘルニア手術を行った TEPは1057病変 TAPPは106病変である 膨潤麻酔を2014年に開 始し サック処理を定型化して以来の手術成績を示す 同一指導医で 膨潤使用前後で明らかに手術時間は短縮した 101±27分VS 87 ±19分 p 0.0 腹膜損傷は従来TEP18例 18 膨潤TEP4例 6.3 であった 合併症は生じていない 修練医でも同様の傾向が あるが 今後さらなるデータを積み重ねる予定である 結語 膨潤TEP は指導医の手術成績を向上させるほか 修練医の教育にも有用であ る 一宮市立市民病院 達也 藤村 孝行 侑 前田 光貴 O5-5 当院若手医による腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP の成績 高宏 平山 智 村井 正己 阪本 真 三田 目的 当科では2014年4月にTAPP法を導入した ほぼ同時期に当 科で専門医修練を行った若手医師5名 R群 の成績を上級医6 名 S群 と対比し 若手医師によるTA PPの妥当性を検証した 対 象 2013年-2017年の5年間に当科で手術を行った成人鼠径ヘルニ ア509例中 他疾患との同時手術8例および両側 再発78例を除いた 423例を対象とした 鼠径部切開法313例 74% TA PP法110例 26% うち R群が333例 79 と多く 鼠径部切開法の78% TAPP法の82%をR群が執刀していた 結果 手術時間 鼠径部切 開法ではR群75.3 ±25.2 分 S群65.8 ±20.0 分とS群で有意に 短かった p 0.00 一方 TAPP法では R群116.9 ±44.分 S群139.9 ±36.2 分と逆にR群で有意に短かった p 0.05 合併 症 再発は4例で いずれも鼠径部切開法であった R群2例 0.8% S群2例 2.9% と発生率に有意差はなかった 血腫 神経痛などその 他合併症は鼠径部切開法では R群8例 3.3% S群2例 2.9% TAPP法ではR群6例 6.7% S群2例 10% といずれも両群間に差 はなかった まとめ 鼠径部切開法の手術時間は経験 習熟度の差か ら上級医が有意に短かったが TAPP法は導入初期でもあり若手医師 が速く 成績は差がなかった 鼠径部切開法の経験度とTAPP法の習 得に直接の関係はなく 研修初期から鼠径部切開法とともにTAPP法 を執刀する意義が示された O5-4 篠塚 末岡 一郎 田端 憲治 岩田 泰地 高島 俊文 阪井 幹展 佐藤 満 橋本 文哉 藤田 昌司 永田 TAPP手技標準化への取り組み Vゾーンの重要性そして当院における実際と工夫 恵三 二郎 久保田竜生 野元 大地 志垣 博信 美馬 岩上 志朗 水元 孝郎 宮成 信友 国立病院機構熊本医療センター 淳二 TransAbdominal Pre-Peritoneal repair 以下 TAPP法 は解剖 学的構造の理解が容易となり メッシュの展開 固定を直観的に行うこ とができる このことから より適切な場所にメッシュを固定できるも のと考えている また不顕性の対側ヘルニア 大腿へルニアなども診断 可能であり 整容性 術後疼痛の軽減も期待できる 以上のような利点 があるため当科では2014年の4月より導入を開始した TAPP法にお いては現在 メッシュの大きさなどの技術的な要件について徐々に明ら かにされているが いまだ施設により手技のばらつきが多くみられる 剥離範囲 メッシュの大きさ 固定位置などは術者に依る部分も多い また当科では比較的短期にレジデントの移動が行われるため TAPP法習熟のためには手技の定型化 解剖の理解 病態の把握など に十分なメルクマールが必要となっている このため我々はTAPP法 における要点の把握として 臍動脈と精管の交差部のなすV字形の切 痕に対して Vゾーン と銘打ち 十分な確認 剥離を行うことを推奨し 実践している 精管を確認し温存することは重要であり 解剖を理解す ることでクーパー靭帯内側にいたる疎な組織間隙への侵入が容易とな る またこれより腹側への剥離層が明瞭化するメリットが生じる 当科 におけるヘルニア手術の実際について報告し 我々の工夫 新しいメル クマールについてビデオで供覧する 165 一般演題 口頭 はじめに 当院では2014年9月より腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 TAPP を導入し 2017年12月までに248例を施行している 当院 では卒後6年目までの若手医が執刀する機会が多く その成績を 手術手技の定型化のための工夫や手術手技の実際も含めて報告する 対象と方法 当院にて計4人の若手医が執刀した174例 70% を対象として 手術時間 出血量 術後在院日数 術後合併症につい て検討し さらに術者の習熟度別の比較も行った 結果 手術時間 は片側例 144例 で89.5分 両側例 30例 で150.5分 出血量は0ml 術後在院日数は1日 1-48 であった 術後合併症として7例 4% に漿液腫 3例 1.7% に表層 SSI 3例 1.7% に皮下血腫 1例 0.6% に絞扼性イレウスを認め たが 再発は認めていない 術者の卒業年次が上であったり 個々の術 者においても経験症例が増えて習熟度が高くなるほど手術時間は短い 傾向にあった 結語 手術動画による学習 ドライボックスによる練 習 手術見学 アニマルラボ ビデオクリニックなどを経て 手技を定型 化することにより 若手医にて比較的安全 確実にTAPPを施行す ることが可能である 浩介 藏重

16 O5-6 O6-1 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 後期研修医への教育と治療成績 豊田 暢彦 内田 益田赤十字病院 有紀 服部 晋司 三浦 閉塞性動脈硬化症に対する両側人工血管バイパス術 後の鼠径ヘルニア手術 義夫 藤原 香川大学 目的 当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下 TAPP の 後期研修医 以下 研修医 への教育と治療成績について報告する 執刀医までの過程 教科書的な鼠径部の解剖とTAPPの手技の学 習 ドライラボでの結紮縫合手技のトレーニング 当院主催のTAPPセ ミナーやヘルニア関連の研究会への参加 上級医のスコピスト経験5 例 対象と方法 2015年4月から2017年12月の間に経験したTAPP 症例115例 両側症例および緊急症例は除く において 手術時間 出 血量 術後在院日数 術後合併症について 研修医 3名 と常勤医 3 名 とで比較検討した 結果 全115例の内訳は 男性97例 女性 18例 平均年齢68.1歳 ヘルニア分類では1型91例 2型24例であっ た このうち42例を後期研修医が担当した 全平均手術時間は1時間 45分 研修医2時間5分 常勤医1時間30分で 研修医と常勤医間に有 意差を認めた p 0.05 出血量は全平均6ml 研修医5ml 常勤医 7ml 術後在院日数は全平均3.4日 研修医3.7日 常勤医3.2日 で 両者に差はなかった 術後合併症は漿液腫5例 研修医2例 常勤医3 例 で 再発症例は認めていない 考察および結語 手術時間に関し ては術者の習熟度により差を認めたが 他の因子に関しては差を認め なかった 以上より研修医においても 系統的な事前学習と手技に習 熟した指導医のもとでTAPPを施行することにより 確実性と安全性を 保つことが十分可能である 美奈 鈴木 康之 消化器 近年 成人鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア根治術は 一般的 な手技となっている しかし 患者の状況により困難な症例に遭遇する こともある 今回私たちは 両側閉塞性動脈硬化症に 両側大腿動脈 人工血管バイパス術が施行され その後に発症した両側鼠径ヘルニア に対し 腹腔鏡下ヘルニア根治術を行った1例を経験したので 動画を 供覧し提示する 症例 80歳代 男性 入院の2か月前に右鼠径部膨 隆を認め 鼠径ヘルニア陥頓と判断された 用手的に整復可能であっ たが難渋したとのことで 再陥頓の危険性が高いと判断され 当院紹 介となった 初診時診察で両側鼠径輪の開大を認めており 前医での 腹部CT所見でも両側鼠径ヘルニアが疑われた 既往歴に閉塞性動脈 硬化症に対し 大腿 大腿動脈バイパス術 大動脈 右大腿動脈バ イパス術が施行されていた 両側鼠径部の皮下に人工血管が走行して おり前方アプローチは困難と考えられたため 腹腔鏡下鼠径ヘルニア 根治術を施行した 手術所見 右 II-2型 左 I-2型ヘルニアであっ た 右ヘルニア門内側から上縁に沿って人工血管が走行しており 周 囲の腹膜剥離に難渋した 左右ともヘルニア門は可及的に腹膜剥離を 行い メッシュを留置し手術を終了した 術後経過は良好で 第8病日 に退院となった O6-2 O6-3 S状結腸滑脱型鼠径部ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術 TAPP 佐藤 理朗 長尾 宏彦 杉本 光司 豊田 剛 鷹村 和人 三浦 滑脱型外鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術 TAPP におけるヘルニア門上縁切開法の有用性 連人 田中 穣 川北 航平 瀬木 祐樹 奥田 近藤 昭信 長沼 達史 中島紳太郎 吉野川医療センター 済生会松阪総合病院 目的 困難症例であるS 状 結腸滑脱 型 鼠径 部ヘルニアに対 する TA PP動画を供覧し 手術所見と手技の要点を報告する 対象 2014年4月から2017年12月までにS状結腸滑脱型鼠径部ヘルニア に対してTAPPを施行した17症例 結果 患者背景 年齢51-87歳 中央値74歳 男性17例 女性0例 左側17例 右側0例 初発16 例 再発1例 手術所見 JHS I-2 4例 I-3 10例 IV 3例 ヘルニ ア内容 S状結腸6例 S状結腸腹膜垂2例 非還納2例 嵌頓0例 腸 管切除0例 S状結腸の付着部位 内鼠径輪中枢側3例 内鼠径輪部5 例 末梢側9例 S状結腸の付着範囲 ヘルニア嚢8例 内鼠径輪部5 例 内側臍ヒダ4例 手技の要点 A 非還納例の還納手技 1 ヘル ニア内容を回転させる 2 ヘルニア門腹側に縦切開を加える B 危 険回避手技 1 S状結腸と内側臍ヒダとの癒着を可及的に剥離 2 内 側臍ヒダと外側臍ヒダとの間での腹膜縦切開 Retzius腔の剥離 3 内鼠径輪上縁から外側3cmまで腹側腹膜を横斜切開 4 内鼠径輪外 側剥離から内側へガーゼ剥離をすすめ 精巣動静脈 精管を同定後 に S状結腸付着部末梢で背側腹膜を切開し Sandwich approach SA を終了 結語 1 S状結腸滑脱型鼠径部ヘルニアに対する TAPPはS状結腸の付着部位と範囲により手術難易度に差を認める 2 S状結腸付着部末梢での背側腹膜切開 Sandwich approachは S状結腸 精巣動静脈 精管損傷を回避する安全な手技である 善大 河埜 道夫 術中損傷や再発が多いとされている滑脱型外鼠径ヘルニア 以下,滑 脱型 に対する腹腔鏡手術 以下,TAPP について検討した 方法 過去6年間のTAPP488例中片側の外鼠径ヘルニアは317例 滑脱型 27例,非滑脱型290例 で,滑脱型を滑脱臓器がsacの一部を形成して 脱出する標準型 以下,S型 21例とsac全面に臓器が癒着融合して脱 出する全面型 以下,W型 6例に分け検討した 結果 滑脱臓器はS型 がS状結腸16例,盲腸5例,W型は全てS状結腸であった S型で通常の 環状切開可能なものは10例で,残る11例と全面型6例では脱出腸管が 妨げとなって環状切開は困難であり,以下に示すヘルニア門上縁切開 法を行った ヘルニア門上縁で腹膜を切開し,剥離が容易な腹側で精索 を確保し,精管と性腺血管を同定後,背側に向かって剥離を進めた 背 側は瘢痕化していることが多いが,前もって精管や性腺血管を同定する ことで術中損傷を回避できた さらに背側の結合組織が滑脱しなくなる まで剥離を行った 手術時間は環状切開119±29分,ヘルニア門上縁切 開133±48分と後者で長かったが有意差はなかった 再発はヘルニア 径16cmのS型1例で,術後1日目に背側からmeshが捲れ上がる再発を 認めTAPPで再修復した 再発防止には滑脱がなくなるまでの背側剥 離,meshの適切なオーバーラップ,十分な強度のmesh使用が大切と考 える 結語 滑脱型に対するTAPPでは,ヘルニア門上縁切開法が有 用で,背側の十分な剥離とmesh留置の工夫が必要である 166

17 O6-4 O6-5 どのメッシュを常備すれば 鼠径ヘルニア 緊急手 術を意識して 須知健太郎 北川 京都九条病院 膀胱ヘルニアに対するTAPP法 一智 田上 JA徳島厚生連阿南共栄病院 はじめに 当院では 腹腔鏡下ヘルニア修復術 以下TAPP におい て Medtronic社のフォールディングメッシュを第一選択に使用し 常 備している 今回 I-3型の鼠径ヘルニア緊急手術を経験し 常備すべ きメッシュについて考察した 症例 67歳男性 左鼠径部痛にて受 診 鼠径ヘルニア嵌頓と診断し緊急手術を行った 腹腔鏡での観察に て ヘルニアはI-3型 大網が嵌頓していた 大網を引き抜き 壊死のな いことを確認した lateral triangleが広く フォールディングメッシュ では同部位での再発が懸念された そこで symbotex composite meshをトリミングして使用し TAPPにて修復を行った 手術時間は1 時間45分 合併症なく術後2日で退院した 考察 当院のような年間 TAPP症例数が50例を下るような施設では コスト面から 複数のメッ シュの常備は困難と推測する しかし不測の事態でも対応可能なメッ シュを1つ常備する必要がある 不測の事態とは 腹膜縫合の際に腹 膜が寄らない ヘルニア門が広く 大きいサイズのメッシュを要する事 態が挙げられる 癒着防止加工有り 十分なサイズ トリミングも可能 これらを満たす 腹壁瘢痕ヘルニア対応のメッシュを1枚常備すれば どの症例にも対応し得ると考える 結語 不測の事態も想定した メッシュの常備について考察した O7-1 鼠径輪の大きな外鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠 径ヘルニア修復術の工夫 藤男 松井田 膀胱ヘルニアは膀胱と腹膜の関係からex traper itonea l t y pe pareperitoneal type intraperitoneal typeに分類されており 鼠径ヘルニアの数 に認め 鼠径部切開法で膀胱損傷に注意が必 要なことは広く認知されている 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 以下 TA PP法 も広く施行されるようになり 膀胱ヘルニアは TA PP法 のピットフォールの1つとされている 今回3つの異なったタイプの膀 胱ヘルニアに対してTAPP法を行い 自験例から膀胱ヘルニアに対す るTAPP法とその注意点につき検討した 膀胱ヘルニア症例は 術中 腹腔鏡所見から診断した 今回自経例からTA PP法で修復を行った extraperitoneal typeの注意点としては, 腹腔鏡所見のみでは診断 できない場合があり 症状が疑われる場合は 腹膜前腔の剥離が必要 であること pareperitoneal typeは, 腹腔鏡所見でその存在を疑 うことは可能であり 内側の剥離に関して不用意な止血操作を控えるこ と intraperitoneal typeは ヘルニア嚢が大きい場合があり 術後 の血腫 漿液腫に対して注意が必要である点などが挙げられる これら 異なったタイプの膀胱ヘルニア術中ビデオを提示し 術中注意点も含 め 報告する O6-6 伊東 誉史 元 齋藤 敬弘 大谷 聡 土屋 当院における鼠径部子宮内膜症4例の検討 貴男 高地 公立岩瀬病院 祐輔 山本 海介 森嶋 友一 榊原 独立行政法人国立病院機構千葉医療センター 緒言 子宮内膜症は子宮内膜および子宮筋層外に子宮内膜組織が見 られる疾患と定義され 骨盤内の諸臓器の他にリンパ節や皮膚 肺 胸膜など様々な部位で発症する 鼠径部子宮内膜症は全子宮内膜症の %を占めるとされるが 鼠径ヘルニアとして手術された症例は 病理学的検討がなされないことも多く 正確な頻度は不明である 今 回 我々は過去5年間に4例の鼠径部子宮内膜症を経験した 方法 2013年8月から2018年1月に鼠径ヘルニア手術を行い 検体を病理へ 提出した成人女性の13症例のうち4症例 30.8% に組織学的に子宮 内膜症の所見を認めた これらの症例の臨床病理学的事項および治療 方法について検討した 結果 4例の発症年齢は25-54歳でいずれ も右鼠径部膨隆を認め うち2例は圧痛を伴っていた 2例で婦人科受 診歴があり月経痛の自覚があったが いずれも子宮内膜症の既往はな かった 術前に2例でMR I検査 1例でCT検査が施行され 子宮内膜 症を念頭に置きつつ鼠径ヘルニア修復術が施行された いずれの症例 もヘルニア嚢は術中に完全に切除され 摘出標本は病理組織学的検討 で子宮内膜症と診断された 考察 若年女性の鼠径部膨隆は 鼠径 部子宮内膜症を疑う必要があるが 術前の臨床症状や画像所見の非特 異性からその正診は困難である 子宮内膜症の存在を前提に ヘルニ ア嚢の完全切除を行い 診断確定のため摘出検体を全例病理へ提出す る必要があると考えられた 167 一般演題 口頭 I-3型の腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術では 滑脱 腹膜の瘢痕性変 化 ヘルニア嚢内への臓器の癒着 陥入 大きなヘルニア門などの要 因から修復に困難を伴うことも多い 中でも 大きなヘルニア門への 対策は難しく 血管三角 神経三角へはタッキングできないことから 固定されていない下方側のメッシュが術後の体動や怒責に伴って捲れ 上がったり逸脱したりしないかどうかは運頼みとなり ある一定の割合 で再発が起こるものと推測される 最近 腹壁瘢痕ヘルニア修復術 において術後の膨隆や再発を防止する目的からヘルニア門を縫縮した 後にメッシュを当てる報告が増えているが 我々は鼡径ヘルニアにおい てもヘルニア門が大きいときには縫縮を加えて対処しているが 再発な く経過し 慢性疼痛も経験していない ヘルニア門周辺の状況は症例 で異なるため 次の三つ方法で対処している 1 腸恥靱帯と腹横筋 腱膜弓を3針程度縫合しメッシュをあてる 2 腹膜前筋膜を巾着縫 合で縫縮しメッシュをあてる 3 メッシュをヘルニア門に縫合固定 する 陰部大腿神経や外側大腿皮神経の走行との関係からは議論 も多いと思われるが 実際には腹腔鏡の拡大視効果から局所解剖が よく識別されて安全に行えた 鼠径管より腹側の腹膜前筋膜や横筋筋 膜のレベルで穴を塞いだ上にメッシュを当て補強しており メッシュが MPOの中心からずれにくい良法であり 実際をビデオで呈示し是非を 問いたい 舞 小倉晧一郎

18 O7-2 O7-3 鼠径部嚢腫を合併した成人女性鼠径部ヘルニアに対 する治療戦略 原田 内田 芳邦 関根 恒之 青木 昭和大学藤が丘病院 隆一 塩澤 武士 田中 敏光 若林 淳一 哲司 喜島 Nuck管水腫と異所性子宮内膜症に関する検討 一博 佐々木奈津子 井田 圭亮 久恒 佐治 攻 小林慎二郎 小泉 消化器 一般 聖マリアンナ医科大学 妊娠可能な成人女性の鼠径部ヘルニアでは Nuck管嚢腫や異所性子 宮内膜症など嚢腫病変の合併を認めることがしばしばある なかでも 鼠径部子宮内膜症は 全子宮内膜症の %と極めて稀であり 子宮円索やヘルニア嚢に発生するとされている 主症状としては月経に 伴う有痛性の膨隆が特徴であるが 症状とは一致しない症例も多く 術前診断は極めて困難である 治療は完全切除された場合はほとんど 再発がないと言われ 子宮円索および嚢腫の完全切除が必要となって くる 当院では 2014年5月より鼠径部膨隆を主訴に受診した生殖年 齢女性に対しては まず術前にCT/MRI検査を施行している しかし画 像的特徴も乏しいため 鼠径部嚢胞性病変の併存が認められる症例 に関しては Hybrid手術を行う方針としている まずは腹腔鏡下で観 察し TAPPに準じて腹膜切開を行い 子宮円索は深鼠径輪レベルで 切離する 嚢腫を認める症例は 破損しないように周囲組織より可及 的に剥離を行う 鼠径部に3cmほどの皮膚切開を加え 子宮円索を恥 骨まで剥離し 結紮切離で嚢腫とともに摘出している その後 鼠径部 切開創を閉鎖し 再度腹腔鏡下でメッシュ修復術を施行するようにして いる 2017年12月まで生殖年齢女性18症例22病側を経験し うち2 病側に病理学的所見上 異所性子宮内膜症を認めた 当院での治療お よび成績を供覧する O7-5 外鼠径ヘルニアに併存した鼠径部子宮内膜症の1例 藍 辻 未来 呉 聖 三浦 弘善 武井 越谷市立病院 消化器 一般 背景 Nuck管水腫は鼠径部膨隆をきたす疾患の中で稀な疾患で あるが Nuck管水腫は異所性子宮内膜症や腺癌の合併の報告も認 める 術前に異所性子宮内膜症の診断をつけるのは困難であり 水腫 の完全切除が望まれる 方法 2010年1月から2017年12月までに Nuck管水腫で手術を施行した13例を対象とした 鼠径ヘルニアの併 存率 術式 子宮内膜組織の合併率について検討した 結果 年齢中 央値は39歳 22-77歳 術前にNuck管水腫と診断されたものは10 例で 3例は術前鼠径ヘルニアと診断され 術中にNuck管水腫併存の 診断がついた 5例 38.5 で術中鼠径ヘルニアの併存を認めた 術式は鼠径ヘルニアを併存していた5例でmesh repairが行われ 5 例で水腫摘出 3例で水腫摘出 Marcy法を施行されていた 病理組 織学的検査では4例 30.7 で子宮内膜組織が検出された 子宮内 膜組織が検出された4例の中で術前に疼痛を訴えていた症例は2例で あった まとめ Nuck管水腫には異所性子宮内膜症の合併もあり 破らないよう完全切除が必要である 術中にNuck管水腫の併存の診 断がつくこともあり 女性の鼠径ヘルニアではNuck管水腫を念頭に起 き 慎重な手術操作が重要であると考える O7-4 嶋津 松森 靖人 根岸 宏行 哲 大坪 毅人 鼠径部子宮内膜症を併存したNuck管水腫の1例 一眞1,2 水越 幸輔1,2 雅彦 行方 浩二 2 順天堂大学 若杉 高地 下部消化管 正樹 中原裕次郎 廣田 耕 西岡 清訓 大島 近畿中央病院 はじめに 異所性子宮内膜症は卵巣やDouglas窩腹膜 直腸などの 子宮外に生着 増殖する病態であり 鼠径部での発生は と 稀な疾患とされている 今回 我々は外鼠径ヘルニアに合併した鼠径部 子宮内膜症の症例を経験したので報告する 症例 41歳 女性 半年前からの右鼠径部の膨隆および疼痛を主訴 に受診した 右鼠径部に約4cm大の膨隆を認め 用手還納は不可能で あった 腹部CTではヘルニア嚢内に造影増強効果を伴う腫瘤像を認め た 腸管などの腹腔内臓器との連続性は認められなかったため 腫瘤 の診断およびヘルニアの修復目的に待機的に手術を施行した 鼠径法 でアプローチし 鼠径管内でヘルニア嚢を同定した ヘルニア嚢を全長 に剥離すると 先端部に約35mm大の白色 弾性硬の腫瘤を認めた 腫 瘍性病変の可能性も否定できないため ヘルニア嚢は解放せずに内鼠 径輪まで剥離し 子宮円索と共に高位結紮し 腫瘤を摘出した 外鼠径 ヘルニアはUHSを用いて修復した 病理組織学的所見は異型のない腺 管構造を呈しており 免疫染色で異所性子宮内膜症と診断された 考察 稀な疾患ではあるが 成人女性の鼠径ヘルニアにおいては異 所性子宮内膜症の可能性も念頭におき診断および治療を行う必要があ る 術前の画像検査で腫瘤像を認めた場合には 内膜症組織の遺残に よる術後疼痛を防ぐため 前方アプローチを選択し ヘルニア嚢を完 全に切除することが重要であると考えられた 昌紀 松本 聡 崇 武元 浩新 症例は38歳 女性 特記すべき既往歴なし 右鼠径部膨隆 疼痛を主 訴に受診した 疼痛と月経周期との関連はなかった 腹部超音波検査 CT検査で周囲との境界が明瞭な 隔壁を伴う29mm 大の嚢胞性腫 瘤を右鼠径部に認めた 鼠径ヘルニアを合併した右Nuck管水腫の診 断で鼠径部切開法による手術を施行した 鼠径管内に弾性軟な3cm 大の嚢胞性腫瘤を認めたため 遺残のないように摘出した 開大した 内鼠径輪を 3-0 吸収糸で縫合閉鎖し 鼠径管後壁をオンレイシート で補強した 日本ヘルニア学会分類JHS I-1で ヘルニア門の大きさは 1cm であった 摘出標本は3 cm 大の多房性水腫であった 嚢胞壁は Calretinin + を示す一層の立方状から扁平な中皮細胞で裏打ちさ れ 臨床所見と併せてNuck管水腫と判断された また 嚢胞辺縁部に は子宮内膜腺 内膜間質を思わせる腺管が島状に認められた 免疫組 織化学において腺管 間質はER + 間質はCD10 + を示し 子宮 内膜症の併存と診断された 以上より 右外鼠径ヘルニア JHS I-1 ヘルニア門 1cm 鼠径部子宮内膜症を伴ったNuck管水腫と診断し た 術翌日に退院し 術後3ヶ月で鼠径ヘルニアおよび子宮内膜症の 再発を認めていない 今回われわれは鼠径部子宮内膜症を併存した Nuck管水腫の1例を経験したため 文献的考察を加えて報告する 168

19 O7-6 O8-1 成人女性に発症した子宮内膜症を伴う両側Nuck管水 腫の1例 八木 鈴木 矢野 朝彦 大谷 弘樹 坂本あすな 岡田 優之 松田 直樹 橋田 真輔 市原 匡亮 大橋龍一郎 小野田裕士 香川県立中央病院 尚大 高津 周治 田中 ヘルニア嚢先行アプローチにて良好な術後経過を得 た腹腔鏡下ヘルニア修復術の検討 史明 則光 大谷 梶谷 消化器一般 国立病院機構米子医療センター 器 鼠径部子宮内膜症は 稀な特異部位子宮内膜症の一つであり 子宮円 靭帯やヘルニア嚢からの発生が多いとされているが Nuck管水腫か らの発生は非常に稀とされている 今回 我々は 成人女性に発症した 子宮内膜症を伴う両側Nuck管水腫の1例を経験したので文献的考察 を含めて報告する 症例は29歳 女性 2か月前から右鼠径部に圧痛を 伴う腫瘤が触知されるようになり 当院を受診 右鼠径部腫瘤は月経周 期とともに疼痛 腫脹の悪化を繰り返していた 腹部CT検査では右鼠 径部に嚢胞性腫瘤が認められ 右Nuck管水腫を疑い 前方アプロー チにて手術を施行した 鼠径管を開放したところ 液体が貯留した嚢胞 性腫瘤を認め 子宮円靭帯とともに腫瘤摘出術を施行した 明らかな腹 腔内との交通は認められなかった 術後病理検査結果では 腫瘤壁内 面は中皮によって被覆されており 一部に子宮内膜が確認された その 約1ヶ月後に 左鼠径部に同様の圧痛を伴う腫瘤が出現した 左Nuck 管水腫の疑いにて 再度 前方アプローチにて手術を施行し 病理検 査結果においても右側Nuck管水腫と同様に子宮内膜症を伴うNuck 管水腫と診断された 術後は下腹部痛の出現もあったため 骨盤内子 宮内膜症を疑い 婦人科にてホルモン治療を継続しているが 両側鼠 径部の再発兆候は認めずに経過している 2 松江市立病院 消化 O8-3 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術における困難例の 検討 淳 前田 和夫2 はじめに 過去の本学会で 高度肥満者に発症した各種腹壁ヘルニ アに対する術式として まずヘルニア嚢の開放を行い そこからtrocar を挿入して気腹して腹腔内を観察して後の操作を進めるという手技 以下ヘルニア嚢先行アプローチ を数例に試み いくつかの知見を 得た事を報告した 方法 結果 2010年9月 2017年12月に各種 腹壁ヘルニアに対して手術を施行した46例の内 腹腔鏡下修復 術 以下LV HR 施行例22例の各種パラメータを検討した 22例中 ヘルニア嚢先行アプローチは7例 BMIの平均は30.3 ヘルニア嚢 は2-7.5cm その他の症例では3-18cm 解放したヘルニア嚢から 12mm trocarを挿入して腹腔内を観察し 手術進行に有益と思われ る部位にtrocarを挿入後 一度気腹を止めてヘルニア嚢の切除後 腹 膜を筋膜と共に結節縫合閉鎖した 後の操作は通常のLVHRと同様に 進めた 使用prosthesis 腹壁固定方法も通常と同様であり IPOM3 例 IPOM plueは4例に行った 術後合併症 CD分類II以上 は経験 しなかった まとめ この手技は open法やoptical法が持つ欠点を 十分に補い 有効な部分に安全にtrocarを配置できる事 ヘルニア嚢 を完全に切除して閉鎖する事によってseromaを予防する事ができる 事 などの利点があり 特に腹壁が厚い肥満者でヘルニア門が臍近傍 にある症例では有用であった しかし 創部感染のriskを上げる可能性 を含んでいると思われ 長期followが必要である O8-2 大川 裕1,2 菅澤 健2 山田 敬教2 倉吉 真司2 河野 菊弘2 若月 俊郎2 庄平 吉川 愛心会東宝塚さとう病院 恥骨上腹壁瘢痕ヘルニア再再発にたいして腹腔鏡下 修復術を施行した1例 正人 岡野 辻仲 美穂 畑 利政 市立貝塚病院 純司 金 鏞国 奥山 正樹 症例 80歳男性 前立腺がん術後恥骨上腹壁瘢痕ヘルニアに対して 2年前に腹腔鏡下にて修復術を施行 その1年後に恥骨上に再発したた め 前方アプローチにてonlayにて修復するも 再び再発 経過観察 をしていたが 小腸嵌頓による腸閉塞を発症し 安静にて腸閉塞解除 後 再度 腹腔鏡下でのヘルニア手術をおこなった 手術 腹腔内から ヘルニア門を正確に観察したところ恥骨直上にcmのヘルニア門を確 認 膀胱内に生食を約200ml注入し膀胱前面を剥離して 恥骨後面を 露出 ヘルニア門の足側のメッシュの固定は恥骨に金属タッカーにて 行った あとは型の通りメッシュ固定をおこない 最後に剥離した膀胱 周囲の腹膜をメッシュに縫合して 膀胱前面に小腸がすべりこまないよ うにし 手術終了となった 考察1 1回目の手術の際に 膀胱を剥離し て 恥骨にメッシュを固定しなかったため 恥骨上再発となった それ 以降の前立腺癌術後恥骨上ヘルニアに対しては 膀胱をかならず剥離 することにしている それ以降の症例での再発なし 2 前方アプロー チで ヘルニア門の正確な把握ができておらず 再発となった 3 再々 手術は 術者の慣れている腹腔鏡下にて正確にヘルニア門を確認し 適切なメッシュ固定をおこなえた 結語 腹壁瘢痕ヘルニアはヘルニア 門の正確な把握および確実なメッシュの固定をおこなえば 再発は防 ぎえる 169 一般演題 口頭 当科では 年より腹 腔 鏡 下腹 壁 瘢 痕ヘルニア修復術 以下 LVHR を導入してきた 適応は 気腹可能な 腹壁破壊を伴わない症 例で 現在まで約70例の経験をした 困難例と考えられるのは 剣状 突起下 側腹部 恥骨上部にヘルニア門がある症例や 再発症例 特に メッシュ使用後再発例 腹部正中創全長にわたる瘢痕ヘルニア症例 も困難例と思われる 癒着剥離には 癒着が少ないと思われるヘルニ ア門からファーストポートをまず挿入してから 操作ポートの位置を決 める手技で安全に癒着剥離が出来ると当学会でも報告してきた タッ キングが困難な場所には 縫合を併用したり リング付きのメッシュを 使用した 大きな瘢痕ヘルニアに対しては IPOM plusでbuildingを 予防した 全長の長い瘢痕ヘルニアに対してはScroll法が有効であっ た 当科で経験した困難症例 困難位置 再発症例など を供覧し LVHRのコツとピットフォールを提示する 知樹 川田

20 O8-4 O8-5 前立腺癌術後の恥骨上腹壁瘢痕ヘルニアに対して IPOM-plusの手術手技 SSPPD術後腹壁瘢痕ヘルニアに対してendoscopic Rives-Stoppa法を施行した1例 平川 俊基 岩内 武彦 岡田 拓真 宮本 裕成 登 千穂子 栗原 重明 王 恩 青松 直撥 森本 純也 山片 重人 中澤 一憲 内間 恭武 竹内 一浩 水谷 府中病院 KKR 東海病院 当院では2012年からヘルニア修復術として腹腔鏡下手術を導入し 2018年1月までに20例を経験した 漿液腫 再発を経験し 2016年7 月からヘルニア門を閉鎖するIPOM-Plusを導入した ヘルニア門を閉 鎖できる症例は全てIPOM-plusを施行している また当院ではTAPP を350例施行し その中で前立腺癌全摘後の腹腔鏡下鼡径ヘルニア 手術を10例経験している 今回は前立腺全摘術後に認めた恥骨上腹 壁瘢痕ヘルニアに対して IPOM-plusを施行した症例を経験した 色 素を加えた生食を300cc膀胱内に注入してその輪郭を明らかにする TAPPと同様に腹膜を切開していき 外腸骨動静脈 精巣動静脈 下 腹壁動静脈を同定してこれらを損傷しないように注意する 膀胱と恥 骨周辺 下腹壁動静脈周囲は繊維化が著明で癒着している なるべく 周囲の繊維化が弱い部位からアプローチしていき膀胱を剥離していっ た メッシュ尾側端を固定する恥骨 クーパー靱帯を露出し ヘルニ ア門の閉鎖に移る へルニア門を計測した後 2号モノフィラメント非 吸収糸でヘルニア門閉鎖を行う 閉鎖したヘルニア門からメッシュを 3-5cmオーバーラップするようにデザインして腹腔内に留置する メッ シュの腹壁全層固定を数針行う 恥骨部は金属製タッカーでメッシュ と固定し 他の部位は吸収性タッカーでメッシュを固定した 困難症例 に対してIPOM-plusを施行した症例について手術手技を供覧する 洋 籾山 正人 O9-1 当院での困難であった腹壁瘢痕ヘルニアの経験 CS+IPOMの有用性 を踏まえて 隆二 田村 英夫 長谷川 近年,腹腔内留置メッシュの開発や改善が進み,腹壁瘢痕ヘルニア治 療の進歩が著しい.しかし,腹腔内にメッシュを留置する場合,メッシュ の腹壁へのタッキングやヘルニア門の全層縫合閉鎖による術後の激 しい疼痛や,まれではあるが,腸管への侵食による瘻孔形成や癒着によ る腸閉塞などの問題点もある.これらの問題点は,腹腔鏡下にR ivesstoppa法を施行し,progripメッシュを留置することで解決できるの ではないかと考えた.症例は76歳,男性.膵癌に対して亜全胃温存膵頭 十二指腸切除術を施行した.術後,1年2ヶ月目に,上腹部正中切開創部 に径5cm大の腹壁瘢痕ヘルニアを認めた.ゴルフが大好きであり,支障 が生じているため手術を希望された.前回手術時の術後疼痛にかなり 悩まされた経緯があり,術後疼痛を可能な限り減らして欲しいと強く要 望されたため,endoscopic Rives-Stoppa法を選択した.術後3日目に 退院したが,術後疼痛に関しては,退院後の経過も含めて周術期ではロ キソプロフェン1錠を1回内服したのみであった.今までの症例では,ロキ ソプロフェン内服が頻回であったり,中にはトラマドールを内服すること もあったので,術後疼痛対策としてこの方法は極めて有効であると考え たので報告する. O8-6 鈴木 文俊 山本 孝史 藤田 徹 大橋 当院における大腿ヘルニアに対する腹腔鏡下手術 正樹 亀山 筑波胃腸病院 哲章 西山 亮 瀬尾 雄樹 武居 国家公務員共済組合連合会立川病院 はじめに 当院では 腹壁瘢痕ヘルニア A IH に対する治療方針 は 原則Components separation CS法 法を用いており 側腹部 に関してはintraperitoneal onlay mesh IPOM 用いている しか し複雑かつ巨大なAIHに関しては 術式選択に苦渋する そこで今回 は CS法に合わせてIPOMを併用することで良好な成績が得られた2 例を報告し AIHの治療戦略について検討する 経験症例 臍部感 染を併発する巨大AIH および4回の手術による複雑瘢痕を形成する 巨大AIHの2例である 2症例とも創部をトリミングした上で ヘルニア 門を解放 癒着を剥離し 5mmポートを挿入 CS法で可及的にヘルニ ア門の閉鎖をし 腹腔鏡下にIPOMを施行 幸い 創部感染なく1年経 過した現在でも再発なく経過している 考察 CS法にIPOMを組み 合わせる試みは再発率3 8 と良好な成績が報告されている IPOM のみでは 腹壁離開部の正確な確認が 癒着および腹膜肥厚により困 難なこともあり ヘルニア手術の基本であるヘルニア門の確認に難渋す ることが不安要素の一つであったが CS法でヘルニア門の閉鎖 ポー トの安全な挿入を施行し さらに癒着剥離を必要があれば腹腔鏡下に 広く剥離することができる本術式は非常に有用である 結語 正中切 開創によるAIHは原則CS法とし 高度肥満 ヘルニア門10cm以上 複数のヘルニア門を有する症例に対してはCS IPOM法が基本術式と して許容できる手技と考えている 友子 水野 翔大 大腿ヘルニアは高齢者 女性に多く 特に出産を経験したやせ型の女 性に多い また大腿輪の解剖学的構造から 他の鼠径ヘルニアと比 べ 嵌頓のリスクが高く 緊急手術を要する症例も多い そのため大 腿ヘルニアに対しては手術が推奨されおり World Guidelines for Groin Hernia Managementでは 腹腔鏡手術が推奨されている 大腿ヘルニアの術前診断は視触診から診断できる場合がある また高 齢者 特に女性の腹痛 イレウスなどを診察する際には 大腿ヘルニア への嵌頓を除外するためにも鼠径部の視触診を忘れてはならない ま た造影CTは診断に有用であり CT所見から術前診断が得られる症例 がある しかし 鼠径ヘルニア症例全例に造影CT検査を施行している わけではなく 術中所見で初めて大腿ヘルニアと診断する症例も少なく ない 平成28年4月からの平成30年1月まで当院で行った腹腔鏡下ヘ ルニア根治術は 105例あり そのうち大腿ヘルニアは4例であった 術前に診断された症例は2例であり ともに女性であった その他の2 例は外鼠径ヘルニアとの併存であり 男性1例 女性1例であった 4例 ともTEPを施行しており 術中 術後経過は良好であり 現在のところ 再発は認めていない 大腿ヘルニアに対するCT所見 術中ビデオを供 覧する 170

21 O9-2 O9-3 大腿ヘルニア陥頓に対する腹腔鏡下大腿ヘルニア根 治術TEP法の有用性 杉原 毅彦 秋山 大腿ヘルニア嵌頓症例の検討 岳 佐久総合病院佐久医療センター 伊藤 豊田 大東 消化器 孝幸 深田 竜史 高山 大阪府済生会千里病院 目的 大腿ヘルニア陥頓に対して行われた腹腔鏡下大腿ヘルニア 根治術TEP法の手術時の4通りの状況を考察しその有用性を検討し た 症例 症例92歳女性 右側 ヘルニア門の内側 腹側を切開 し 腹膜損傷なく陥頓整復 メッシュ貼付 腹腔内観察で腸壊死なし 症例2 62歳女性 右側 ヘルニア門の内側 腹側を切開し 陥頓整 復 腹膜前腔を拭いたガーゼから腐敗臭を確認したためメッシュ貼付 せず 腹腔内観察で腸壊死あり 小腸切除術施行 腹膜前腔洗浄後ド レーン留置 症例3 87歳女性 左側 ヘルニア門の内側を切開し 陥頓整復 メッシュ貼付 腹腔内観察で腸壊死あり 小腸切除術施行 症例4 73歳女性 両側 右はヘルニア門の内側を切開し 陥頓整 復 左は容易に整復 メッシュ貼付 腹腔内観察で腸損傷 腸液の流 出を確認 腹腔内ドレナージ術 小腸切除術施行 生食3000mlで洗 浄 両側横隔膜窩とダグラス窩にドレーン留置 メッシュは除去せず いずれも術後感染再発なし 考察 当施設で大腿ヘルニア陥頓に対 するTEP法を2014年3月から2017年12月までに 24症例経験し 症 例2,3,4のケースは1例ずつであった TEP法は基本的には腹膜損傷 せず陥頓整復可能で 腹腔と腹膜前腔を隔離できるので感染に対して 有用である可能性がある 結語 腹腔鏡下大腿ヘルニア根治術TEP 法は大腿ヘルニア陥頓において有用性の高い術式であると考えられ た 唯史 宮垣 治 吉岡 博道 西田 節子 北條 久史 茂幸 はじめに 大腿ヘルニアは嵌頓の頻度が高率であり 嵌頓症例を含 め 修復術式には議論が残されている 今回約4年間で32例の大腿ヘ ルニア手術を経験し 後方視的に検討し 報告する 方法 2014年 4月から2018年1月までに当院で手術した大腿ヘルニア32例を対象と した 嵌頓群と非嵌頓群の2群に分け 手術術式 術後合併症などにつ いて比較検討した 結果 大腿ヘルニア32例 男性2例 女性30 例 で 平均年齢75.3才 52-94才 であった 嵌頓群は31例 非嵌 頓群は1例であり 嵌頓内容は小腸11例 虫垂1例 大網 脂肪19例で あった 手術術式は脂肪嵌頓例 非嵌頓例では18例でKugel法 大腿 法 UPP 1例 大腿法 単純縫縮 1例であった 小腸嵌頓腸切除無 例では Kugel法3例 大腿法 UPP 3例であった 小腸嵌頓腸切除 有例では 大腿法 UPP 1例 大腿法 単純縫縮 5例であり 大腿法 単純縫縮 例では待機的Kugel法を施行した 小腸嵌頓11例では腸 切有で5例中4例 腸切無で6例中2例にイレウスを認めた 考察 脂 肪嵌頓例では後方から引き抜き可能で Kugel法で対応できる 明らか な腸管嵌頓例では 大腿法にて切開 腸管の状態を確認している 腸 管切除ない場合はメッシュ修復 腸管切除ありの場合 大腿輪を縫縮 している 今後 腸切例でメッシュ使用できるか検討を要する まと め 大腿ヘルニア腸管嵌頓例以外はKugel法で対応し 腸管嵌頓例で は大腿法を取り入れている O9-4 O9-5 当院における閉鎖孔ヘルニア手術18例の検討 高見 善郎 福崎 泰弘 真貝 弘明 当科における腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニアの経験 友也 冨田 雅史 遠藤 湯目 岸和田徳洲会病院 国立病院機構仙台医療センター 英謙 深瀬 博 島村 正彦 川名 弘宗 手島 友美 大島有希子 伸 はじめに 当科では 201年月より腹腔鏡下鼡径ヘルニア根治術を Transabdominal preperitoneal repair TAPP にて導入した 2017年4月に腹腔鏡下鼡径ヘルニア根治術を施行した際に偶然 両側 閉鎖孔ヘルニアを認めたため 同時に閉鎖孔ヘルニア根治術も施行し た その後 術前診断のついている閉鎖孔ヘルニアを3例経験したので 報告する 対象と方法 対象は2017年4月より2018年1月までに閉鎖 孔ヘルニアに対して 腹腔鏡下ヘルニア根治術を施行した4例とした 患者背景 年齢 性別 Body Mass Index ヘルニア門の大きさ 出 血量 手術時間 術後在院日数 合併症について検討した 結果 平 均年齢は 歳 全員が女性であった Body Mass Index の平均は であった 3例が両側閉鎖孔ヘルニアであ り 4例すべてが 鼡径ヘルニアや大腿ヘルニアの合併を認めた 平均 出血量は ml 平均手術時間は 分 平均術後 在院日数は 日であった 合併症は1例で後出血による血腫を 認めた まとめ 腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニア根治術において 1例で後 出血の合併症を経験してしまったが ほか3例では 合併症もなく 腹 腔鏡下鼡径ヘルニア根治術に習熟していれば 同様に修復が可能と思 われた 171 一般演題 口頭 背景 閉鎖孔ヘルニアは高齢のやせた女性に多いと言われている しばしば腸閉塞を合併することもあるが 下肢痛など腹部症状とは異 なる症状で受診することもある 今回 当院における閉鎖孔ヘルニア 手術症例を検討したので報告する 対象と方法 2008年 2017年 に当院で手術を行った閉鎖孔ヘルニア18例 結果 平均年齢は80.6 歳で 1例のみ男性であった 主訴は腹痛 嘔気が15例 下肢痛 股関 節痛が3例であった また2例では来院時に誤嚥性肺炎を合併してお り そのうち1例は敗血症性ショックの状態であった 手術の内訳は緊 急手術が8例 待機的手術が10例であった 緊急手術は嵌頓の徒手整 復困難が7例 腸管壊死疑いが1例であった 嵌頓臓器は全例小腸で 腸管切除が必要であったものが3例であった 部位は左が9例 右が9 例であったが 5例は両側性であった 手術は開腹法1例 鼠径法9例 TAPP法8例で施行された 修復方法はメッシュ使用が7例 単純閉鎖 のみが11例と多かった 術後経過は1例が誤嚥性肺炎に伴い死亡した が その他に肺炎が1例 心不全が1例 創部感染が1例であった 再発 はTAPP法で1例認め 術後27ヶ月後の再発であった 手術時間は平 均121.5分 出血量は平均107.3mlであった 入院期間は平均15.7日 であったが リハビリ目的の転院調整で長期入院を要した症例も散見 された 文庫 兒玉 玄 大塩

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